JP5309866B2 - スローアウェイ式回転切削工具およびスローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents
スローアウェイ式回転切削工具およびスローアウェイチップのクランプ機構 Download PDFInfo
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- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
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Description
このようなスローアウェイエンドミルの取付精度や取付剛性の改善を図るため、工具本体のチップ座側面部における締め付け部材の頭部円錐面に対応する部分に、工具本体後端方向に偏心した円錐受け面を設けたボールエンドミルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
本発明は、平板状をなすチップ本体と、該チップ本体の先端部に形成された切れ刃と、前記チップ本体の中央部にチップ厚さ方向に向かって貫通形成された取付孔とを備え、円筒状の工具本体の先端部に設けられたチップ本体を載置するための底面と該底面から起立する側壁とを有するチップ取付溝に、前記チップ本体の後端部が前記チップ取付溝の底面に当接するように載置させられて、前記工具本体に穿設された前記チップ取付溝と直交するクランプ孔に前記取付孔を通してクランプねじが螺入されることにより、前記チップ取付溝に着脱可能に取り付けられるスローアウェイチップであって、前記取付孔の中心線が前記チップ厚さ方向と斜交するように形成されていることを特徴とするスローアウェイチップを提供する。
この場合において、取付孔の中心線がチップ厚さ方向と斜交するように形成されているので、クランプねじを締め込むことにより、チップ本体が工具中心軸回りに回転しながら、チップ取付溝の側壁に押圧されることで、チップ本体とチップ取付溝の側壁とが密着させられて固定されることとなる。これにより、チップ取付溝の加工精度等に依存することなく、チップ本体を切削方向の所定位置に強固に固定することが可能となり、加工中にチップ本体が切削方向にずれ動いてしまうことを防止できる。
また、上記発明においては、前記取付孔の傾斜角が30′〜1°であることが好ましい。
このようにすることで、クランプねじの締め付けによって、チップ本体が切削方向に回転しながら、切削方向を向くチップ取付溝の側壁に押圧されることで、切削方向を向くチップ取付溝の側壁に密着させられて固定されることとなる。
このようにすることで、クランプねじを締め込むことにより、チップ本体が工具基端側に引き込まれ、チップ取付溝の底面側に押圧されることで、チップ取付溝の底面に密着させられて固定されることとなる。これにより、チップ本体を工具中心軸方向の所定位置に強固に固定することが可能となる。
本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルは、図1(a)(b)に示されるように、軸線O回りに回転される円筒状の工具本体1と、該工具本体1の先端部に切れ刃11として着脱可能に装着されるスローアウェイチップと、該スローアウェイチップを工具本体1に取り付けるためのクランプねじ20とから構成されている。
前記工具本体1は、高速度鋼、工具鋼、合金鋼、ステンレス鋼、超硬合金等から構成され、先端部には、工具本体1の先端面に開口する凹溝状のスローアウェイチップを取り付けるためのチップ取付溝2と、該チップ取付溝2と直交するスローアウェイチップの取付けに用いるクランプねじ20を挿入するためのクランプ孔5とが設けられている。
前記チップ本体10は、高速度鋼、超硬合金、サーメット、セラミックス、超高圧焼結体等から構成され、後端部にはチップ取付状態においてチップ取付溝2の底面3に当接させられる着座面13が設けられている。このチップ本体10の厚さは、チップ取付溝2の幅よりも若干小さく、クランプねじ20を締めることにより工具本体1の先端部が弾性変形させられ、チップ取付溝2の一方の側壁4が他方の側壁4に近接するように変位させられることで、チップ本体10の両側面14、14がチップ取付溝2の両側壁4,4に当接されるように設定されている。
前記切れ刃11は、工具本体1の外周面に配置される外周刃と、工具本体1の先端面に配置される略球状の底刃とから構成されている。
前記取付孔12は、クランプねじ20の軸部21が嵌挿させられるようになっており、その内周面にはクランプねじ20の軸部21と係合する円筒面が設けられている。
そして、取付精度向上の観点から、チップ本体10は、両側面14,14の平行度、側面14の平面度、着座面13の平面度、取付孔12の円筒度等が高精度となるように仕上げられている。
本実施形態に係るスローアウェイ式ボールエンドミルによれば、チップ本体10をチップ取付溝2に挿入し、チップ本体10の着座面13がチップ取付溝2の底面3に当接するように載置して、クランプ孔5にチップ本体10の取付孔12を通してクランプねじ20を螺入することにより、チップ取付溝2により二分された工具本体1の座ぐり穴6側の先端部がチップ取付溝2の溝幅を狭めるように弾性変形させられることで、チップ本体10の側面14がチップ取付溝2の座ぐり穴6側の側壁4に押圧されて、チップ本体10が工具本体1に挟持される。
また、工具本体1の座ぐり穴6側におけるチップ取付溝2の側壁4と底面3とが交差する角部を円弧状にくり抜いて、軸線Oに沿った縦断面視において略円形をなす凹部9を設けることとしたが、凹部9の形状、長さ、位置等としては特に限定されるものではなく、他の任意の形状等とすることができる。また、凹部9を設けないこととしてもよい。
また、スローアウェイ式回転工具に限らず、旋盤などに工具を固定して工作物を回転させて使用するバイト等のスローアウェイ式旋削工具にも適用することができる。例えば、中ぐりバイト、穴ぐりバイト等の円筒状のシャンクをもつ丸シャンクバイトに適用した場合には、クランプねじを締め込むことにより、チップ本体10が工具中心軸回りに回転し、チップ取付溝の側壁側に押圧されて、切削方向の所定位置に精度よく位置決めして強固に固定されることとなる。その結果、チップ本体10を交換した場合における刃先位置の再現性に優れるという利点がある。
2 チップ取付溝
3 底面
4 側壁
5 クランプ孔
6 座ぐり穴
7 ねじ孔
10 チップ本体
11 切れ刃
12 取付孔
13 着座面
14 側面
20 クランプねじ
N クランプ孔の中心線
O 軸線
S 取付孔の中心線
T 工具回転方向(切削方向)
α 取付孔の傾斜角
Claims (5)
- スローアウェイチップと、前記スローアウェイチップを先端に形成されたチップ取付溝で挟んで固定するための工具本体と、を備え
前記スローアウェイチップは、平板状をなすチップ本体と、該チップ本体の先端部に形成された切れ刃と、前記チップ本体の中央部にその中心線がチップの厚さ方向に対して斜交して貫通形成された取付孔とを備え、
前記チップ取付溝はその側壁と直交する中心線を有して貫通するクランプ孔を備え、
前記スローアウェイチップの取付孔の中心線の傾きの方向が、前記チップ本体が前記チップ取付溝に載置された状態で工具長手方向に垂直な横断面視したときに、前記クランプ孔の中心線に対して切削方向前方側であることを特徴とするスローアウェイ式回転切削工具。 - 前記取付孔の中心線の前記チップ厚さ方向に対する傾斜角が30′〜1°であることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式回転切削工具。
- 前記クランプ孔はねじの頭を受けるための座ぐり穴と、雌ねじ部が形成されたねじ孔と、該座ぐり穴と該ねじ孔との間に形成される円筒部とを備え、かつ前記工具本体の軸線に沿った縦断面視したとき、該座ぐり穴の中心線が該ねじ孔および該円筒部の中心よりも該工具本体の基端側にずれている請求項1記載のスローアウェイ式回転切削工具。
- スローアウェイチップをチップ取付溝の間に挟んで固定するクランプ機構であって、
前記スローアウェイチップはその厚さ方向に貫通形成された取付孔を備え、
前記取付孔の中心線は前記スローアウェイチップの厚さ方向に対して斜交し、
前記チップ取付溝はクランプねじを螺入するためのクランプ孔を備え、
前記クランプ孔の中心線は前記チップ取付溝の側壁に直交し、
前記スローアウェイチップが前記チップ取付溝の内側で斜めになった状態から該チップ取付溝の側壁に押圧されながら締め付け固定されることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。 - 前記クランプ孔が前記クランプねじの頭部を受けるための座ぐり穴と前記クランプねじのねじ部を螺入するためのねじ孔とを備えるとともに、前記座ぐり穴が前記ねじ孔に対して工具基端側に偏心するように形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
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