JP3815132B2 - スローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば溝入れ加工等の切削加工に用いるスローアウェイ式切削工具におけるスローアウェイチップのクランプ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば回転するワークに溝入れ加工や突切り加工を行うための切削工具として、工具本体の先端部分に超硬合金製のチップを着脱可能にクランプ保持して構成されたスローアウェイ式切削工具が知られている。このスローアウェイ式切削工具は、旋盤又はマシングセンタ等の工作機械の主軸に支持されて、高速に回転するワークにスローアウェイチップが押しつけられた状態でワークに対して相対的に移動させられることで、スローアウェイチップに形成された切刃によってワークの外面や端面を切削していくものである。
図6は上述した従来技術の一例によるスローアウェイ式切削工具の側面図であり、図7は図6に示すスローアウェイ式切削工具の平面図であり、図8は図7に示すスローアウェイ式切削工具のA−A線断面図であり、図9は図6に示すスローアウェイ式切削工具を先端から見た正面図である。
【0003】
このスローアウェイ式切削工具10は、工作機械のチャック等に把持される工具本体11の先端側に設けられたクランプ機構12に、スローアウェイチップ(以下、単にチップと呼ぶ)13が着脱可能にクランプ保持されて構成されている。
チップ13は、例えば超硬合金等の硬質材料からなり、図9に示すように、例えば断面視略五角形の角柱状に形成されており、チップ13の長手方向の両端部において、すくい面とされる上面14aと、上面14aと対向して着座面をなす底部14bと、上面14aと底部14bとの間に形成された側面14cとを備えて構成されている。そして、上面14aと側面14cとの交差稜線部には切刃15が形成されている。底部14bは第1下面14dと第2下面14eとが略鈍角に交差してなる断面視略山型に形成されている。また、側面14cは底部14bから上面14aに向けて外側に傾斜しており、すくい面とされる上面14aに対して逃げ角が取られて逃げ面とされている。
なお、図7に示すように、チップ13はその長手方向において中心位置を境に対称形状となるように形成されており、クランプ機構12に装着される向きを変えることによって、長手方向の両端に形成された切刃15,15のうち工具本体10aの先端側に突出させる切刃15を入れ替えて使用することができる。
【0004】
スローアウェイチップのクランプ機構12は、台座部21と、クランプ部22とを備えて構成されており、工具本体11の先端において、工具本体11の幅方向(軸線Oと直交する方向)の両端部のうちの一方の端部のみをスローアウェイ式切削工具10の先端に向かい突出するように、すなわち幅方向に軸線Oからずれた位置から、工具本体11の幅よりも狭い幅で、スローアウェイ式切削工具10の先端側に突出して形成されており、軸線Oからずれた位置でチップ13をクランプ保持するようにされている。
台座部21は、工具本体11の幅よりも狭い幅の略長方形板状に形成されており、工具本体11の先端における幅方向で、軸線Oからずれた位置である両端部のうちの一方の端部から先端側に突出して設けられており、図7に示すように、スローアウェイ式切削工具10の先端部近傍の平面視が略L字型となるように形成されている。すなわち、台座部21は、図9に示す工具本体11の軸線Oに対する断面視において、工具本体11の幅方向(図9における左右方向)の長さが工具本体11よりも短く、かつ工具本体11の軸線O及び幅方向と直交する方向(図9における上下方向)の長さが工具本体11よりも短く形成されている。
【0005】
従って、台座部21は、図6に示すように、長手方向において対向する2つの台座部端面21A,21Aのうち、一方の台座部端面21Aをスローアウェイ式切削工具10の先端側に向け、他方の台座部端面21Aを工具本体11の先端面11Aに当接させている。さらに、図7に示すように、工具本体11の幅方向において対向する2つの台座部側面21B,21Bのうち、一方の台座部側面21Bが工具本体11の幅方向で対向する2つ工具本体側面11B,11Bのうちの一方の工具本体側面11Bに滑らかに接続されており、他方の台座部側面21Bは工具本体11の先端面11Aと交差して配置されている。さらに、図9に示すように、工具本体11の軸線O及び幅方向と直交する方向において対向する台座部上面21C及び台座部下面21Dのうち、台座部下面21Dは工具本体11の底面11Dに滑らかに接続されており、台座部上面21Cは工具本体11の先端面11Aと交差して配置されている。
そして、図9に示すように、台座部上面21Cにはチップ取付座23が形成されており、このチップ取付座23は、第1着座面23aと第2着座面23bとが交差してなる断面視略V字形状の凹溝状に形成されており、第1着座面23aはスローアウェイチップ13の第1下面14dと、第2着座面23bは第2下面14eとそれぞれ当接するようにされている。
なお、図6に示すように、チップ取付座23の基端側にはぬすみ23cが形成されている。
【0006】
クランプ部22は、図7に示すように、平面視略L字型に形成されており、工具本体11の幅方向における長さに関して、工具本体11と等しい長さを有するクランプ部基端部22aと、工具本体11よりも短い台座部21と等しい長さを有するクランプ部先端部22bとから構成されており、クランプ部基端部22aは工具本体11の先端部と対向するように、クランプ部先端部22bは台座部21と対向するようにそれぞれ配置されている。すなわち、工具本体11の幅方向において対向するクランプ部基端部22aの2つのクランプ部基端部側面22C,22Cのうちの一方のクランプ部基端部側面22Cは、工具本体11の幅方向において対向するクランプ部先端部22bの2つのクランプ部先端部側面22D,22Dのうちの一方のクランプ部先端部側面22Dと、工具本体11の一方の工具本体側面11Bとに滑らかに連結されており、クランプ部先端部側面22D,22Dのうちの他方のクランプ部先端部側面22Dは、クランプ部基端部22aのクランプ部基端部先端面22Eと交差して配置されている。なお、クランプ部基端部側面22C,22Cのうちの他方のクランプ部基端部側面22Cは、工具本体11の他方の工具本体側面11Bと滑らかに連結されている。
【0007】
図6に示すように、クランプ部基端部22aの基端側は工具本体11に連結されており、クランプ部基端部22aのクランプ部基端部下面22Aと、工具本体11の先端部上面11Cとの間には所定の間隔が設けられており、いわば工具本体11の先端側から基端側に向かってチップ取付座23と略平行に切り込まれたようなスリット24が設けられている。
さらに、クランプ部先端部22bのクランプ部先端部下面22Bは、基端側に形成されたぬすみ22dから先端側に向かい下方(図6における下側)に傾斜して設けられている。そして、クランプ部先端部下面22Bの先端には、チップ13の上面14aの略中間部分を押圧する、例えば平坦面状の押圧部25がチップ13の上面14aと略平行に設けられている。
そして、クランプ部基端部22aは、基端側から先端側にかけて上方(図6における上側)に張り出すように肉厚に形成されると共に、基端側、すなわちクランプ部22の付け根部分が肉薄に形成されていて、この付け根部分を支点にして弾性変形することでクランプ部先端部22bの先端に設けられた、例えば平坦面状の押圧部25をチップ取付座23に対して近接する方向に変位できるように配されている。
【0008】
ここで、クランプ部基端部22aの肉厚に形成される部分で工具本体11の軸線Oの近傍には、図6及び図8に示すように、ボルト26のボルト頭部26aを収容するためのボルト穴27が形成されており、ボルト穴27にはボルト頭部26aのボルト頭部下面(当接面)26bに当接する受け面27aが形成されており、さらに、ボルト26のねじ部26cが螺着されるボルト装着孔28が、ボルト穴27と同軸にクランプ部22からスリット24を介して工具本体11の先端部を貫通するように貫設されている。
【0009】
次に、上述のクランプ機構12により、チップ13を工具本体11に装着する方法について説明する。
先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23に着座させ、さらに、図6に示すように、チップ13の基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させて、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25との間に位置させる。
そして、ボルト穴27及びボルト装着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26bによってボルト穴27の受け面27aを押圧し、これによってクランプ部22の押圧部25でチップ13をチップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を押圧固定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例によるスローアウェイチップ13のクランプ機構12によれば、ボルト頭部下面26bとボルト穴27に設けられる受け面27aとは面接触するので、ボルト頭部下面26bが受け面27aを押圧してクランプ部22をチップ取付座23に向けて押圧する力は、受け面27aのボルト頭部下面26bとの接触面の全面に亘ってほぼ均等に加えられることとなる。このため、図7及び図8に示すように、ボルト頭部下面26bが受け面27aを押圧する力点、すなわちクランプ機構12における力点αは、近似的にボルト26の中心軸Q上に位置することとなる。さらに、図6及び図7に示すように、クランプ機構12における支点βは近似的に軸線O上でクランプ部22の付け根部分、すなわちスリット24の基端部近傍に位置し、作用点γはクランプ部22の押圧部25に位置する。
この場合、図7に示す平面図内において、支点βは工具本体10aの軸線O上に位置し、作用点γはクランプ部22の押圧部25とチップ13との接触点となり、チップ13の上面14aにおける中心点を含み長手方向に沿って伸びるチップ中心線R上に位置することとなる。従って、クランプ機構12の力点αは支点βと作用点γとを結ぶ直線Lを含みボルト26の中心軸Qに平行な平面内に位置せず、ボルト26のねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締すると、図9に示すような直線L周りのねじりモーメントMが発生してクランプ部22が直線Lから力点αに向かい下降傾斜するようになり、ボルト26の中心軸Qに直交する水平面Hに対して傾斜角θのねじれが発生する。
【0011】
ここで、平坦面状の押圧部25はチップ13の平坦面状の上面14aと略平行に設けられているため、水平面Hに対するねじれに伴って、クランプ部22の押圧部25のうち最も下方(図9における下側)に位置するのはボルト27の中心軸Q側の端部であり、この端部は押圧部25とチップ13の上面14aとが接触する第1接触部ε1となる。このように、第1接触部ε1は、図9に示すチップ中心線Rに対する断面図のように、チップ中心線Rと直交するチップ軸線Pからチップ側面14cへと向かってずれた位置であってチップ13の上面14aとチップ側面14cとの交差稜線部近傍に位置することとなり、この第1接触部ε1が新たにクランプ機構12における作用点γとなる。さらに、チップ13の底部14bとチップ取付座23とは、台座部21の上面すなわち第1着座面23a及び台座部21の側面の交差稜線部に位置する第2接触部ε2と、第2着座面23b及び台座部21の側面の交差稜線部に位置する第3接触部ε3とにおいて接触することとなる。
【0012】
ところで、上記のようなスローアウェイ式切削工具10では、ワークを切削加工する際の切削抵抗によるチップ13のびびり(振動)を抑えてワークの加工精度を向上させる必要があり、チップ13を工具本体11に強固に固定しなければならない。しかしながら、上述したようにクランプ部22の押圧部25とチップ13の上面14aとが接触する第1接触部ε1がチップ軸線Pからずれた位置となった場合には、たとえ第2及び第3接触部ε2,ε3がチップ軸線Pを間に挟んで対称な位置に配置されていても、第2及び第3接触部ε2,ε3においてチップ取付座23から作用する抗力、すなわち第1接触部ε1において押圧部25がチップ13の上面14aを押圧する力に対する抗力に大きなアンバランスが生じるため、押圧部25によるチップ13のクランプ状態が不安定となって、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にチップ13がチップ取付座23から脱落してしまう恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スローアウェイチップのクランプ状態を向上させて、安定に固定することが可能なスローアウェイチップのクランプ機構を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構は、切削工具の工具本体の先端にスローアウェイチップを載置するチップ取付座が形成され、前記スローアウェイチップを押圧固定する押圧部を先端に有するクランプ部の基端側が前記工具本体に弾性変形可能に連結されており、前記クランプ部と前記工具本体とを締結することによって前記押圧部を前記チップ取付座に向けて変位させる締結部材を備えており、前記クランプ部が弾性変形する際の支点及び前記締結部材の中心点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面と、前記支点及び前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作用点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面とが交差してなるスローアウェイチップのクランプ機構において、前記支点及び前記作用点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面に前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点が配置されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、クランプ部が弾性変形する際の支点と押圧部がスローアウェイチップを押圧する作用点とを含みクランプ部が変位する方向に平行な平面内に、締結部材がクランプ部を押圧する力点が配置されていることから、例えばこの平面内に力点が含まれていない場合に支点と作用点とを結ぶ直線の周りに生じるねじりモーメントの発生を防止することができ、締結部材を締め付けることによってクランプ部をチップ取付座に向かい押圧する際に、チップ取付座に対してクランプ部の押圧部がねじれた状態で当接することが抑制され、押圧部とスローアウェイチップとが接触する部分すなわちクランプ機構の作用点を、例えばスローアウェイチップの端部等にずらしてしまうこと無しに、スローアウェイチップの中央部近傍に位置させることができる。これにより、押圧部によりスローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にスローアウェイチップがチップ取付座から脱落してしまう等の問題が発生することを防止することができる。
【0015】
さらに、請求項2に記載の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構は、前記クランプ部には、前記締結部材と当接して前記締結部材により押圧される受け面が前記締結部材の当接面に対して傾斜して形成されており、前記当接面と前記受け面とが当接する位置が前記力点とされていることを特徴としている。
上記構成のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、締結部材の当接面とクランプ部の受け面とは点接触することとなり、この接触点が、クランプ部が弾性変形する際の支点と作用点とを含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に含まれているため、スローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構は、前記クランプ部には、前記締結部材と当接して前記締結部材により押圧される受け面が形成されており、この受け面と前記締結部材の当接面との間に仲介部材が配置されており、この仲介部材は前記受け面又は前記当接面に対して傾斜して当接する傾斜面を有しており、この傾斜面と前記受け面又は前記当接面とが当接する位置が前記力点とされていることを特徴としている。
上記構成のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、締結部材の当接面又はクランプ部の受け面と仲介部材の傾斜面とは点接触することとなり、この接触点が、クランプ部が弾性変形する際の支点と作用点とを含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に含まれているため、スローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態に係るスローアウェイ式切削工具の平面図であり、図2は図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図であり、図3は図1に示すスローアウェイ式切削工具を先端から見た正面図である。なお、上述した従来技術と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略または省略する。
本実施の形態によるスローアウェイチップのクランプ機構を備えるスローアウェイ式切削工具30は、工具本体11と、クランプ機構12と、スローアウェイチップ(チップ)13とを備えて構成されており、チップ13をクランプ保持するクランプ機構12は、台座部21とクランプ部22とを備えて構成されている。
【0018】
ここで、クランプ部基端部22aの肉厚に形成される部分で工具本体11の軸線Oの近傍には、図1及び図3に示すように、ボルト26のボルト頭部26aを収容するためのボルト穴31が形成されており、ボルト穴31にはボルト頭部26aのボルト頭部下面26bの一部に当接するように、水平面Hに対して所定角δだけ傾斜した受け面31aが形成されており、さらに、ボルト26のねじ部26cが螺着されるボルト装着孔28が、ボルト26の中心軸Qが水平面Hと直交するようにクランプ部22からスリット24を介して工具本体11の先端部を貫通するように貫設されている。
ここで、ボルト穴31の受け面31aは略円形に形成されており、図1及び図2に示すように、クランプ部基端部22aの付け根部分で工具本体11の軸線O上に位置するクランプ機構12における支点βと、クランプ部22の押圧部25とチップ13との接触点であってチップ13の上面14aにおけるチップ中心線R上に位置する作用点γとを結ぶ直線Lに対して、この直線Lを含みボルト26の中心軸Qと平行な平面T内に、ボルト頭部下面26bの外周と受け面31aとが接触してなるクランプ機構12の力点αが位置するように配されている。すなわち、受け面31aはボルト26の中心軸Qからクランプ機構12の力点αに向かい上昇傾斜するように形成されており、ボルト26の中心軸Qからクランプ機構12の力点αに向かう方向における受け面31aの端部Wが最も上方(図2における上側)に位置している。なお、図1においては、ボルト頭部下面26bの外周と平面Tとは2つの交差点V1,V2において交差するが、この場合は作用点γ側の交差点V1がクランプ機構12の力点αとなるように設定されている。こうして、クランプ機構12の力点αと、支点βと、作用点γとは、クランプ部22の変位方向と平行な同一平面T内に配置されている。
【0019】
次に、上述のクランプ機構12により、チップ13を工具本体11に装着する方法について説明する。
先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23に着座させ、さらに、図3に示すように、チップ13の基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させて、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25との間に位置させる。
そして、ボルト穴31及びボルト装着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26bによってボルト穴31の受け面31aの一部を押圧し、これによってクランプ部22の押圧部25でチップ13をチップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を押圧固定する。
この場合、クランプ機構12の力点αは、支点βと作用点γとを結ぶ直線Lを含みクランプ部22の変位方向と平行な平面T内に位置しており、ボルト26のねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することによってクランプ部22が弾性変形して、押圧部25がチップ取付座23に近接する方向に変位しても、支点βと作用点γとを結ぶ直線L周りにねじりモーメントが発生することはない。
【0020】
上述したように本実施の形態によるスローアウェイチップのクランプ機構30によれば、クランプ機構30の支点βと作用点γとを含みクランプ部22が変位する方向に平行な平面T内に力点αが配置されていることから、例えばこの平面T内に力点αが含まれていない場合に直線L周りに生じるねじりモーメントの発生を防止することができ、ボルト26を締め付けることによってクランプ部22をチップ取付座23に向かい押圧する際に、チップ取付座23に対してクランプ部22の押圧部25がねじれた状態で当接することが抑制され、クランプ部22の押圧部25とチップ13との第1接触部ε1をチップ中心線R上に位置させることができる。これにより、押圧部25によりチップ13を押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にチップ13がチップ取付座23から脱落してしまうことを防ぐことができる。
【0021】
なお、本実施の形態においては、ボルト穴31の受け面31aを水平面Hに対して傾斜するように形成するとしたが、これに限定されず、図4に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図の第1変形例を示す図のように、水平な受け面27aに対して、例えばワッシャ32等の仲介部材をボルト頭部下面26bと受け面27aとの間に挿入しても良い。この場合、ボルト穴27の受け面27aと当接するワッシャ下面32aに対向するワッシャ上面(傾斜面)32bを、例えばボルト頭部下面26bに対して傾斜するように形成し、ボルト頭部下面26bの外周とワッシャ上面32bとが接触してなるクランプ機構12の力点αが平面T内に位置するように配すればよい。なお、ワッシャ32のボルト穴27内での移動又は回転を防止するために、例えばボルト穴27の内面とワッシャ32の外面とに、両者を位置決めした状態で係止する係合部(図示せず)を設けても良い。
【0022】
また、本実施の形態においては、クランプ部22の押圧部25は平坦面状に形成されているとしたが、これに限定されず、図5(a)に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具を先端から見た要部拡大正面図の第2変形例を示す図のように、チップ13の上面14aに向かって突出した断面視略山形の押圧部33が形成されていても良い。ここで、押圧部33は第1押圧面33aと第2押圧面33bとが交差して形成されており、第1及び第2押圧面33a,33bの交差稜線部がチップ13のチップ軸線Pと交差するようにされている。すなわち、押圧部25とチップ13の上面14aとが接触する第1接触部ε1がチップ軸線P上に位置するように設定されている。
【0023】
さらに、本実施の形態においては、チップ13は断面視略五角形の角柱状としたが、これに限定されず、図5(b)に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具を先端から見た要部拡大正面図の第3変形例を示す図のように、断面視略四角形の角柱状のスローアウェイチップ34であって、チップ34の上面34a及び下面34bのそれぞれがチップ34の内側に向かって屈曲した断面視略V字状に形成されていても良い。この場合、チップ取付座35は、第1着座面23aと第2着座面23bとがチップ34に向かって突出するように交差してなる断面視略山形に形成されていても良い。そして、断面視略山形の押圧部33とチップ34とは、チップ34の上面34aにおいてチップ軸線Pを挟んで対称となる位置で対向する2つの第1接触部ε1,ε1において接触し、チップ34とチップ取付座35とはチップ34の下面34bにおいてチップ軸線Pを挟んで対称となる位置で対向する2つの第2及び第3接触部ε2,ε3において接触することとなる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、クランプ部が弾性変形する際の支点と作用点とを結ぶ直線の周りに生じるねじりモーメントの発生を防止することができ、チップ取付座に対してクランプ部の押圧部がねじれた状態で当接することが抑制され、押圧部とスローアウェイチップとが接触する部分であるクランプ機構の作用点をスローアウェイチップの中央部近傍に位置させることができる。これにより、押圧部によりスローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が発生することを抑制することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、締結部材の当接面とクランプ部の受け面との接触点が、クランプ部が弾性変形する際の支点と作用点とを含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に含まれているため、スローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、締結部材の当接面又はクランプ部の受け面と仲介部材の傾斜面との接触点が、クランプ部が弾性変形する際の支点と作用点とを含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に含まれているため、スローアウェイチップを押圧してクランプ保持する際の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態に係るスローアウェイ式切削工具の平面図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図である。
【図3】 図1に示すスローアウェイ式切削工具を先端から見た正面図である。
【図4】 図1に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図の第1変形例を示す図である。
【図5】 (a)は図1に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具を先端から見た要部拡大正面図の第2変形例を示す図であり、(b)は図1に示す本実施形態に係るスローアウェイ式切削工具を先端から見た要部拡大正面図の第3変形例を示す図である。
【図6】 従来技術の一例によるスローアウェイ式切削工具の側面図である。
【図7】 図6に示すスローアウェイ式切削工具の平面図である。
【図8】 図7に示すスローアウェイ式切削工具のA−A線断面図である。
【図9】 図6に示すスローアウェイ式切削工具を先端から見た正面図である。
【符号の説明】
10,30 スローアウェイ式切削工具
11 工具本体
12 クランプ機構
13,34 スローアウェイチップ(チップ)
21 台座部
22 クランプ部
23 チップ取付座
24 スリット
25,33 押圧部
26 ボルト(締結部材)
26b ボルト頭部下面(当接面)
27,31 ボルト穴
27a,31a 受け面
α 力点
β 支点
γ 作用点
M ねじりモーメント
32b ワッシャ上面(傾斜面)

Claims (3)

  1. 切削工具の工具本体の先端にスローアウェイチップを載置するチップ取付座が形成され、前記スローアウェイチップを押圧固定する押圧部を先端に有するクランプ部の基端側が前記工具本体に弾性変形可能に連結されており、前記クランプ部と前記工具本体とを締結することによって前記押圧部を前記チップ取付座に向けて変位させる締結部材を備えており、
    前記クランプ部が弾性変形する際の支点及び前記締結部材の中心点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面と、前記支点及び前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作用点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面とが交差してなるスローアウェイチップのクランプ機構において、
    前記支点及び前記作用点を含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面に前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点が配置されていることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。
  2. 前記クランプ部には、前記締結部材と当接して前記締結部材により押圧される受け面が前記締結部材の当接面に対して傾斜して形成されており、前記当接面と前記受け面とが当接する位置が前記力点とされていることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
  3. 前記クランプ部には、前記締結部材と当接して前記締結部材により押圧される受け面が形成されており、この受け面と前記締結部材の当接面との間に仲介部材が配置されており、この仲介部材は前記受け面又は前記当接面に対して傾斜して当接する傾斜面を有しており、この傾斜面と前記受け面又は前記当接面とが当接する位置が前記力点とされていることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
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