JP5028883B2 - インサート着脱式切削工具 - Google Patents
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Description
そして、特許文献1では、このインサート取付座を、ホルダの先端に着脱可能に装着されたヘッド部材に形成したインサート着脱式切削工具が提案されている。
ここで、ホルダには前記クランプネジが螺着されるネジ孔が形成されるとともに、ヘッド部材の一方の顎部部分には、クランプネジの押圧部が収容される座ぐり部が形成されており、これらネジ孔及び座ぐり部は共通軸を有し、この共通軸が、ホルダの前面と側面との交差軸に関してそれぞれ傾斜するように、つまり、インサート取付座のクランプ方向に対して傾斜するように配置されている。
また、クランプネジの押圧部と座ぐり部とが、クランプネジを締め込む方向(回転動作の接線方向)がホルダから離間する方向となる部分で接触した場合には、クランプネジを締めこむと、一方の顎部がホルダから離間するように変形することになり、クランプするインサートが傾いてしまうおそれがある。
このように、クランプネジの押圧部と座ぐり部との接触位置がばらつくことで、インサートを強固にクランプして固定することができなくなるといった問題があった。
前記ネジ孔の軸線と前記座ぐり部の中心軸とが、互いに斜交するように、前記インサート取付座の延びる方向から見てクランプ方向に対しそれぞれ角度α1、α2をなして交差し、かつそれら角度がα1>α2の条件を満たすように構成され、前記ネジ孔の前記軸線と前記座ぐり部の前記中心軸とは、前記インサート取付座の延びる方向から見て互いに斜交するとともに、前記インサート取付座の延びる方向及び前記クランプ方向の両方向に対して直交する方向から見て互いに平行又は一致するように配置されていることを特徴としている。
このインサート着脱式切削工具は、概略四角柱状をなすホルダ10と、このホルダ10の先端に装着されるとともに一端側に向けて延びるインサート取付座36を備えたヘッド部材30とを有しており、本実施形態では、インサート取付座36の延びる方向から見てホルダ10の左側からインサート取付座36が延びるように配置された、いわゆる左勝手のインサート着脱式切削工具である。
また、インサート取付座36の延びる方向から見て、台座面35は上方に向けて凸となる逆凸V字状をなし、押圧面53は下方に向けて凸となる凸V字状をなしている。
下顎部33は、インサート取付座36の延びる方向及び前記クランプ面34と台座面35とが対向する方向(クランプ方向)に平行に延びる方形平板状に形成されており、その後端側部分は、他方側に向けて突出して先端側よりも肉厚とされ、第1プレート38を構成している。
第1プレート38には、前記第1取付面39と直交する方向に延びるように2つの第1挿通孔40a、40bが形成されている。
第2プレート41の後端側を向く面が、前記ホルダ10の第2受け面18と当接される第2取付面42とされている。この第2プレート41には、前記第2取付面42と直交する方向に延びるように2つの第2挿通孔43a、43bが形成され、これら2つの第2挿通孔43a、43bが前記クランプ方向に並んで配置されている。
ここで、ヘッド部材30は第2取付面42と第2受け面18とが密着することで軸線L方向位置が固定されており、ヘッド部材30の後端面とホルダ10との間には、図4及び図5に示すように、クリアランスδが設けられている。
インサート取付座36にインサート60が挿入され、台座面35と着座面65とが互いに当接するようにしてインサート60が台座面35に着座される。この状態でクランプネジ50をホルダ10側にねじ込むと、クランプネジ50の押圧面53が上顎部32の座ぐり部45の底面46(被押圧面)を押圧することになり、接続部分37を支点として上顎部32が下顎部33に近接するように弾性変形させられる。すると、上顎部32のクランプ面34とインサート60の被クランプ面64とが当接され、インサート60を台座面35側に向けて押圧し、インサート60が台座面35とクランプ面34とによってクランプされて固定される。
したがって、クランプネジ50をねじ込んだ場合には、クランプネジ50の押圧面53と座ぐり部45の底面46とが近接するように配置された部分から確実に接触することになる。
さらに、クランプネジ孔22が軸線L及びクランプ方向に対して傾斜するように穿設されているので、これら第1固定ネジ孔20a、20b及び第2固定ネジ孔21a、21bとの干渉を防止することができる。
このインサート着脱式切削工具においては、概略四角柱状をなすホルダ10と、一端側に向けて延びるインサート取付座36を備えたヘッド部材30とを有しており、インサート取付座36の延びる方向から見てホルダ10の右側からインサート取付座36が延びるように配置された、いわゆる右勝手のインサート着脱式切削工具である。
このクランプネジ孔22の上方開口部には、クランプネジ孔22よりも大きく開口した凹部23が形成されており、この凹部23の一方の側面13A側は第1受け面17に開口されている。さらに、この凹部23の底面24は、前記クランプネジ孔22の軸線Mに対して直交するように構成されている。
そして、上顎部32と突出部15とが密着することにより、突出部15の凹部23と上顎部32の座ぐり部45とが連接されて断面円形の収容部48が形成される。ここで、凹部23の底面24に直交するように穿設されたクランプネジ孔22の軸線Mと前記座ぐり部45の中心軸Cとは、前記インサート取付座36の延びる方向から見てクランプ方向に対してそれぞれ角度α1、α2で交差し、前記インサート取付座36の延びる方向及びクランプ方向に対して直交する方向から見て軸線Lに対してそれぞれ角度β1、β2で交差し、クランプ方向から見て軸線Lに対してそれぞれ角度γ1、γ2で交差するように配置されることになる。なお、本実施形態においては、α1>α2、β1<β2、γ1<γ2となるように設定されており、座ぐり部45の中心軸Cとクランプネジ孔22の軸線Mとが互いに斜交するように構成されている。
例えば、クランプネジを、頭部の軸部側を向く面が軸部の軸線に対して直交する平面状に形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、軸部側に向かうにしたがい外径が漸次小さくなるテーパ状をなしていてもよい。
また、座ぐり部の底面に直交する直線が座ぐり部の中心軸Cと平行に配置されるように構成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、座ぐり部の底面がテーパ状に形成されたものであってもよい。
さらに、台座面及び押圧面をそれぞれ凸V字状をなすものとして説明したが、これに限定されることはなく、これら台座面及び押圧面が平面状に形成されていてもよいし、凹V字状に形成されていてもよい。
インサートの形状についても、本実施形態に限定されることはなく、他の形状のインサートであってもよい。
17 第1受け面
18 第2受け面
20a、20b 第1固定ネジ孔
21a、21b 第2固定ネジ孔
22 クランプネジ孔(ネジ孔)
30 ヘッド部材
32 一方の顎部
33 他方の顎部
34 クランプ面
35 台座面
36 インサート取付座
39 第1取付面
42 第2取付面
45 座ぐり部
47 固定ネジ
50 クランプネジ
51 軸部
52 頭部(押圧部)
60 インサート
66 切刃
Claims (3)
- ホルダの先端に、インサート取付座を備えたヘッド部材が装着され、前記インサート取付座に、切刃を有するインサートがクランプされることにより構成されるインサート着脱式切削工具であって、
前記ヘッド部材には、一対の顎部が設けられ、一方の顎部にクランプ面が形成されるとともに他方の顎部に台座面が形成され、これらクランプ面と台座面とが互いに対向するように配置されて前記インサート取付座を構成しており、
前記ホルダの先端には、軸部と押圧部とを備えたクランプネジが、前記インサート取付座が延びる方向から見て前記一方の顎部から他方の顎部側へと向かうにしたがい漸次前記ホルダの内側へと向かって前記インサート取付座のクランプ方向に対して傾斜する方向に延びるように配置され、
前記ホルダには、前記クランプネジの前記軸部と螺合するネジ孔が穿設されるとともに、該ネジ孔の開口部にはネジ孔よりも大きく開口した凹部が形成されており、
前記一方の顎部には座ぐり部が形成され、該座ぐり部と前記凹部とが連接されて前記クランプネジの押圧部を収容する収容部が形成され、
前記ネジ孔の軸線と前記座ぐり部の中心軸とが、互いに斜交するように、前記インサート取付座の延びる方向から見てクランプ方向に対しそれぞれ角度α1、α2をなして交差し、かつそれら角度がα1>α2の条件を満たすように構成され、
前記ネジ孔の前記軸線と前記座ぐり部の前記中心軸とは、前記インサート取付座の延びる方向から見て互いに斜交するとともに、前記インサート取付座の延びる方向及び前記クランプ方向の両方向に対して直交する方向から見て互いに平行又は一致するように配置されていることを特徴とするインサート着脱式切削工具。 - 前記クランプネジは、前記一方の顎部から他方の顎部側へと向かうにしたがい漸次インサート取付座の延びる方向とは反対側に向かうように、前記インサート取付座の延びる方向に対して傾斜して配置させられていることを特徴とする請求項1に記載のインサート着脱式切削工具。
- 前記ヘッド部材には、前記クランプ方向から見て互いに交差する方向に延びる第1取付面と第2取付面とが形成され、
前記ホルダの先端には、前記第1取付面に当接される第1受け面と、前記第2取付面に当接される第2受け面とが設けられており、これら第1受け面及び第2受け面には、前記第1取付面及び前記第2取付面に挿通された固定ネジが螺着される第1固定ネジ孔及び第2固定ネジ孔がそれぞれ穿設され、
前記固定ネジによって、前記ヘッド部材が前記ホルダに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインサート着脱式切削工具。
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