JP4035927B2 - スローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents

スローアウェイチップのクランプ機構 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ぬすみ穴加工に用いるスローアウェイ式切削工具におけるスローアウェイチップのクランプ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来回転するワークにぬすみ穴加工を行うための切削工具として、工具本体の先端部分に超硬合金製のチップを着脱可能にクランプ保持して構成されたスローアウェイ式切削工具が知られている。このスローアウェイ式切削工具は、旋盤又はマシングセンタ等の工作機械の主軸に支持されて、高速に回転するワークにスローアウェイチップが押しつけられた状態でワークに対して相対的に移動させられることで、スローアウェイチップに形成された切刃によってワークを切削していくものである。図6は上述した従来技術の一例によるスローアウェイ式切削工具の平面図であり、図7は図6に示すスローアウェイ式切削工具の先端部分の要部拡大平面図であり、図8は図7に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図であり、図9は図7に示すスローアウェイ式切削工具の要部側面図であり、図10は図7に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。
【0003】
このスローアウェイ式切削工具10は、工作機械のチャック等に把持される工具本体11の先端側に設けられたクランプ機構12に、スローアウェイチップ(以下、単にチップと呼ぶ)13が着脱可能にクランプ保持されて構成されている。
チップ13は、例えば超硬合金等の硬質材料からなり、図10に示すように、例えば断面視略五角形の角柱状に形成されており、チップ13の長手方向の両端部において、すくい面とされる略円形の上面14aと、上面14aと対向して着座面をなす底部14bと、上面14aと底部14bとの間に形成された側面14cとを備えて構成されている。そして、上面14aと側面14cとの交差稜線部には切刃15が形成されている。底部14bは第1下面14dと第2下面14eとが略鈍角に交差してなる断面視略山型に形成されている。また、側面14cは底部14bから上面14aに向けて外側に傾斜しており、すくい面とされる上面14aに対して逃げ角が取られて逃げ面とされている。
なお、図6及び図7に示すように、チップ13はその長手方向において中心位置を境に対称形状となるように形成されており、クランプ機構12に装着される向きを変えることによって、長手方向の両端に形成された切刃15,15のうち工具本体10aの先端側に突出させる切刃15を入れ替えて使用することができる。
【0004】
スローアウェイチップのクランプ機構12は、台座部21と、クランプ部22とを備えて構成されており、工具本体11の先端において、工具本体11の幅方向(軸線Oと直交する方向)の両端部のうちの一方の端部のみをスローアウェイ式切削工具10の先端に向かい突出すると共に、この突出部分が工具本体11の軸線Oと所定角θで交差するように形成されている。すなわち、工具本体11の軸線Oと所定角θで交差する方向に沿って、工具本体11の先端部と接続されるクランプ機構12のの基端部と、チップ13をクランプ保持するクランプ機構12の先端部とが軸線Oを間に挟んで互いに反対側に位置するようにされており、チップ13は軸線Oからずれた位置でクランプ保持されている。
台座部21は、工具本体11の軸線Oと所定角θで交差する方向に沿って、工具本体11の先端部からスローアウェイ式切削工具10の先端側に向かい突出する略長方形板状に形成されており、図8及び図9に示すように、工具本体11の幅方向及び軸線Oと直交する方向で対向する台座部上面21C及び台座部下面21Dのうち、台座部下面21Dは工具本体11の底面11Dに滑らかに接続されており、台座部上面21Cは工具本体11の先端面11Aと交差して配置されている。
【0005】
そして、図10に示すように、台座部上面21Cにはチップ取付座23が形成されており、このチップ取付座23は、第1着座面23aと第2着座面23bとが交差してなる断面視略V字形状の凹溝状に形成されており、第1着座面23aはスローアウェイチップ13の第1下面14dと、第2着座面23bは第2下面14eとそれぞれ当接するようにされている。
なお、図8に示すように、チップ取付座23の基端側にはぬすみ23cが形成されている。
【0006】
クランプ部22は、図7に示すように、平面視略L字型に形成されており、平面視略多角形状のクランプ部基端部22aと、工具本体11よりも短い幅の台座部21と等しい幅を有するクランプ部先端部22bとから構成されており、クランプ部基端部22aは工具本体11の先端部と対向するように、クランプ部先端部22bは台座部21と対向するようにそれぞれ配置されている。
図8及び図9に示すように、クランプ部基端部22aの基端側は工具本体11に連結されており、クランプ部基端部22aのクランプ部基端部下面22Aと、工具本体11の先端部上面11Bとの間には所定の間隔が設けられており、いわば工具本体11の先端側から基端側に向かってチップ取付座23と略平行に切り込まれたようなスリット24が設けられている。
【0007】
さらに、クランプ部先端部22bのクランプ部先端部下面22Bは、基端側に形成されたぬすみ22dから先端側に向かい下方(図8における下側)に傾斜して設けられている。そして、クランプ部先端部下面22Bの先端には、チップ13の上面14aの略中間部分を押圧する、例えば平坦面状の押圧部25がチップ13の上面14aと略平行に設けられている。
そして、クランプ部基端部22aは、基端側から先端側にかけて上方(図8における上側)に張り出すように肉厚に形成されると共に、基端側、すなわちクランプ部22の付け根部分が肉薄に形成されていて、この付け根部分を支点にして弾性変形することでクランプ部先端部22bの先端に設けられた、例えば平坦面状の押圧部25をチップ取付座23に対して近接する方向に変位できるように配されている。
【0008】
ここで、クランプ部基端部22aの肉厚に形成される部分で工具本体11の軸線Oの近傍には、図7及び図8に示すように、ボルト26のボルト頭部26aを収容するためのボルト穴27が形成されており、ボルト穴27にはボルト頭部26aのボルト頭部下面(当接面)26bに当接する受け面27aが形成されており、さらに、ボルト26のねじ部26cが螺着されるボルト装着孔28が、ボルト穴27と同軸にクランプ部22からスリット24を介して工具本体11の先端部を貫通するように貫設されている。
【0009】
次に、上述のクランプ機構12により、チップ13を工具本体11に装着する方法について説明する。
先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23に着座させ、さらに、図6に示すように、チップ13の基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させて、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25との間に位置させる。
そして、ボルト穴27及びボルト装着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26bによってボルト穴27の受け面27aを押圧し、これによってクランプ部22の押圧部25でチップ13をチップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を押圧固定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例によるスローアウェイチップ13のクランプ機構12によれば、ボルト頭部下面26bとボルト穴27に設けられる受け面27aとは面接触するので、ボルト頭部下面26bが受け面27aを押圧してクランプ部22をチップ取付座23に向けて押圧する力は、受け面27aのボルト頭部下面26bとの接触面の全面に亘ってほぼ均等に加えられることとなる。このため、図7から図9に示すように、ボルト頭部下面26bが受け面27aを押圧する力点、すなわちクランプ機構12における力点αは、近似的にボルト26の中心軸Q上に位置することとなる。さらに、図8及び図9に示すように、クランプ機構12における支点βは近似的に軸線O上でクランプ部22の付け根部分、すなわちスリット24の基端部24a近傍に位置し、作用点γはクランプ部22の押圧部25に位置する。
【0011】
この場合、図7に示す平面図内において、支点βは工具本体10aの軸線O上に位置し、作用点γはクランプ部22の押圧部25とチップ13との接触点となり、チップ13の上面14aにおける中心点を含み長手方向に沿って伸びるチップ中心線R上に位置することとなる。従って、クランプ機構12の力点αは、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1を含みボルト26の中心軸Qに平行な平面T内に位置せず、ボルト26のねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締すると、図10に示すような直線L1周りのねじりモーメントMが発生してクランプ部22が直線L1から力点αに向かい下降傾斜するようになり、ボルト26の中心軸Qに直交する水平面Hに対して傾斜角ψのねじれが発生する。
【0012】
ここで、平坦面状の押圧部25はチップ13の平坦面状の上面14aと略平行に設けられているため、水平面Hに対するねじれに伴って、クランプ部22の押圧部25のうち最も下方(図10における下側)に位置するのはクランプ部22の端部であり、この端部は押圧部25とチップ13の上面とが接触する第1接触部ε1となる。このように、第1接触部ε1は、図10に示すチップ中心線Rに対する断面図のように、チップ中心線Rと直交するチップ軸線Pからチップ側面14cへと向かってずれた位置であってチップ13の上面14aとチップ側面14cとの交差稜線部近傍に位置することとなり、この第1接触部ε1が新たにクランプ機構12における作用点γとなる。さらに、チップ13の底部14bとチップ取付座23とは、台座部21の上面すなわち第1着座面23a及び台座部21の側面の交差稜線部に位置する第2接触部ε2と、第2着座面23b及び台座部21の側面の交差稜線部に位置する第3接触部ε3とにおいて接触することとなる。
【0013】
ところで、上記のようなスローアウェイ式切削工具10では、ワークを切削加工する際の切削抵抗によるチップ13のびびり(振動)を抑えてワークの加工精度を向上させる必要があり、チップ13を工具本体部11に強固に固定しなければならない。しかしながら、上述したようにクランプ部22の押圧部25とチップ13の上面とが接触する第1接触部ε1がチップ軸線Pから大きくずれた位置となった場合には、たとえ第2及び第3接触部ε2,ε3がチップ軸線Pを間に挟んで対称な位置に配置されていても、第2及び第3接触部ε2,ε3においてチップ取付座23から作用する抗力、すなわち第1接触部ε1において押圧部25がチップ13の上面14aを押圧する力に対する抗力に大きなアンバランスが生じてしまうという問題がある。
【0014】
しかも、図7に示すように、クランプ部22がチップ取付座23に対して近接する方向に変位する際には、実際には支点βを含み直線L1と直交する線分L2全体が支点となるが、クランプ部22の付け根部分、すなわちスリット24の基端部24aは工具本体10aの軸線Oと直交するように形成されているため、工具本体部11においてスリット24の基端部24aと、線分L2とで囲まれる領域Aに不要な圧縮応力が作用することとなり、この圧縮応力の発生に伴って支点βと作用点γとを結ぶ直線L1周りにねじりモーメントMが発生し、押圧部25によるチップ13のクランプ状態が不安定となって、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にチップ13がチップ取付座23から脱落してしまう恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スローアウェイチップのクランプ状態を向上させて、安定に固定することが可能なスローアウェイチップのクランプ機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明のスローアウェイチップのクランプ機構は、ぬすみ穴加工に用いる切削工具の工具本体の先端にスローアウェイチップを載置するチップ取付座が台座部の上面に形成され、前記スローアウェイチップを押圧固定する押圧部を先端に有するクランプ部の基端側が前記工具本体に弾性変形可能に連結されており、前記クランプ部と前記工具本体とを締結することによって、前記チップ取付座と前記クランプ部との間に設けられたスリットを狭めるように、前記押圧部を前記チップ取付座に向けて変位させる締結部材を備えてなるスローアウェイチップのクランプ機構において、前記台座部は、前記工具本体の軸線と交差する方向に沿って形成されるとともに、前記クランプ部の先端部は前記台座部と対向するように配置されており、前記スリットの基端部は前記工具本体の軸線に直交する方向に対して適宜の角度で交差するように形成されていて、前記クランプ部が弾性変形する際の支点と前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作用点とを含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面内に、前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点を通り前記スリットの基端部と直交する直線が含まれることを特徴としている。
【0016】
上記構成のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、スリットの基端部が工具本体の軸線に直交する方向に沿って形成されている場合に比べて、スリットの基端部を支点としてクランプ部がチップ取付座に向かい変位する際にスリットの基端部近傍で発生する圧縮応力を低減することができる。
【0018】
さらに、上記構成のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、前記クランプ部が弾性変形する際の支点と前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作用点とを含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面内に、前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点を通り前記スリットの基端部と直交する直線が含まれているので、クランプ部がスリットの基端部を支点として弾性変形する際にスリットの基端部に発生する圧縮応力を抑制することができる。これにより、クランプ機構の支点と作用点とを結ぶ直線の周りにねじりモーメントが発生することを防止して、押圧部によるスローアウェイチップのクランプ状態の安定性を向上させることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にスローアウェイチップがチップ取付座から脱落してしまう等の問題が発生することを防ぐことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態に係るスローアウェイ式切削工具の先端部分の要部拡大平面図であり、図2は図1に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図であり、図3は図1に示すスローアウェイ式切削工具の要部側面図であり、図4は図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図であり、図5は図1に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。なお、上述した従来技術と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略または省略する。
本実施の形態によるスローアウェイチップのクランプ機構を備えるスローアウェイ式切削工具30は、工具本体部11と、クランプ機構12と、スローアウェイチップ(チップ)13とを備えて構成されており、チップ13をクランプ保持するクランプ機構12は、台座部21とクランプ部22とを備えて構成されている。
【0020】
ここで、クランプ部22の肉厚に形成される部分で工具本体30aの軸線Oの近傍には、図1から図4に示すように、ボルト26のボルト頭部26aを収容するためのボルト穴31が形成されており、ボルト穴31にはボルト頭部26aのボルト頭部下面26bの一部に当接するように、水平面Hに対して所定角δだけ傾斜した受け面31aが形成されており、さらに、ボルト26のねじ部26cが螺着されるボルト装着孔28が、ボルト26の中心軸Qが水平面Hと直交するようにクランプ部22からスリット32を介して工具本体11の先端部を貫通するように貫設されている。
ここで、ボルト穴31の受け面31aは略円形に形成されており、図1及び図2に示すように、クランプ部22の付け根部分で近似的に工具本体30aの軸線O上に位置するクランプ機構12における支点βと、クランプ部22の押圧部25とチップ13との接触点であってチップ13の上面14aにおけるチップ中心線R上に位置する作用点γとを結ぶ直線(第1の直線)L1に対して、この直線L1を含みボルト26の中心軸Qと平行な平面T内に、ボルト頭部下面26bの外周と受け面31aとが接触してなるクランプ機構12の力点αが位置するように配されている。すなわち、受け面31aはボルト26の中心軸Qからクランプ機構12の力点αに向かい上昇傾斜するように形成されており、ボルト26の中心軸Qからクランプ機構12の力点αに向かう方向における受け面31aの端部Wが最も上方(図2における上側)に位置している。なお、図1においては、ボルト頭部下面26bの外周と平面Tとは2つの交差点V1,V2において交差するが、この場合は作用点γ側の交差点V1がクランプ機構12の力点αとなるように設定されている。
こうして、クランプ機構12の力点αと、支点βと、作用点γとは、クランプ部22の変位方向と平行な同一平面T内に配置されている。
【0021】
クランプ部22は、図2及び図3に示すように、工具本体11の先端側から基端側に向かってチップ取付座23と略平行な面に沿って切り込まれたスリット32により、基端側が工具本体11に連結された状態でチップ取付座23に対向するようにして設けられている。ここで、スリット32の基端部32aは、クランプ機構12の力点αと支点βと作用点γとが配置された平面Tに直交するように形成されており、図1に示すように、工具本体30aの軸線O方向と直交する工具本体11の幅方向(図1における上下方向)に対して所定の角度で傾斜するようにされている。この場合、クランプ機構12の支点βは近似的にスリット32の基端部32aに沿って工具本体11の幅方向の両端からの距離が等しい位置、すなわちスリット32の基端部32aと、軸線Oとの交差する位置とされる。
【0022】
次に、上述のクランプ機構12により、チップ13を工具本体11に装着する方法について説明する。
先ず、チップ13の底部14bをチップ取付座23に着座させ、さらに、図3に示すように、チップ13の基端側の側面14cを工具本体11の先端に当接させて、チップ取付座23とクランプ部22の押圧部25との間に位置させる。
そして、ボルト穴31及びボルト装着孔28にボルト26を挿通してねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することで、ボルト頭部下面26bによってボルト穴31の受け面31aの一部を押圧し、これによってクランプ部22の押圧部25でチップ13をチップ取付座23に向けて押圧し、チップ13を押圧固定する。この場合、クランプ機構12の力点αは、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1を含みクランプ部22の変位方向と平行な平面T内に位置しており、ボルト26のねじ部26cをボルト装着孔28に螺着緊締することによってクランプ部22が弾性変形して、押圧部25がチップ取付座23に近接する方向に変位しても、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1周りにねじりモーメントが発生することはない。
しかも、スリット32の基端部32aは、クランプ機構12の力点αと支点βと作用点γとが配置された平面Tに直交するように形成されているため、クランプ部22がチップ取付座23に対して近接する方向に変位する場合に、スリット32の基端部32a近傍に圧縮応力が作用することはない。
【0023】
上述したように本実施の形態によるスローアウェイチップのクランプ機構10によれば、クランプ部22とチップ取付座23との間に設けられたスリット32の基端部32aが、クランプ機構12の支点β及び作用点γを含みクランプ部22が変位する方向に平行な平面Tに対して直交するように形成されているため、クランプ部22がスリット32の基端部32aを支点として弾性変形する際に、支点βと作用点γとを結ぶ直線L1周りにねじりモーメントを生じさせるような圧縮応力の発生を抑制することができる。これにより、押圧部25によるチップ13のクランプ状態の安定性を向上させることができ、例えばワークの加工時にびびり振動が生じやすくなってワークの加工精度が低下してしまったり、例えば切削加工時にスローアウェイチップ13がチップ取付座23から脱落してしまう等の問題が発生することを防ぐことが可能となる。
【0024】
なお、本実施の形態においては、ボルト穴31の受け面31aを水平面Hに対して傾斜するように形成するとしたが、これに限定されず、水平な受け面27aに対して、例えばワッシャ等の仲介部材をボルト頭部下面26bと受け面27aとの間に挿入しても良い。この場合、ワッシャの上面を水平面Hに対して傾斜するように形成すれば良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスローアウェイチップのクランプ機構によれば、スリットの基端部が工具本体の軸線に直交する方向に沿って形成されている場合に比べて、クランプ部がチップ取付座に向かい弾性変形する際にスリットの基端部近傍で発生する圧縮応力を低減することができる。さらにスリットの基端部が、クランプ機構の支点及び作用点を含みクランプ部が変位する方向に平行な平面に対して直交するように形成されているため、クランプ部が弾性変形する際に発生する圧縮応力を抑制することができる。これにより、クランプ機構の支点と作用点とを結ぶ直線の周りにねじりモーメントが発生することを防止して、押圧部によるスローアウェイチップのクランプ状態の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイチップのクランプ機構の一実施形態に係るスローアウェイ式切削工具の先端部分の要部拡大平面図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図である。
【図3】 図1に示すスローアウェイ式切削工具の要部側面図である。
【図4】 図1に示すスローアウェイ式切削工具のB−B線断面図である。
【図5】 図1に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。
【図6】 従来技術の一例によるスローアウェイ式切削工具の平面図である。
【図7】 図6に示すスローアウェイ式切削工具の先端部分の要部拡大平面図である。
【図8】 図7に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに直交する方向から見た要部正面図である。
【図9】 図7に示すスローアウェイ式切削工具の要部側面図である。
【図10】 図7に示すスローアウェイ式切削工具をチップ中心線Rに沿った方向から見た要部正面図である。
【符号の説明】
10,30 スローアウェイ式切削工具
11 工具本体
13 スローアウェイチップ(チップ)
22 クランプ部
23 チップ取付座
24,32 スリット
25 押圧部
26 ボルト(締結部材)
α 力点
β 支点
γ 作用点
M ねじりモーメント

Claims (1)

  1. ぬすみ穴加工に用いる切削工具の工具本体の先端にスローアウェイチップを載置するチップ取付座が台座部の上面に形成され、前記スローアウェイチップを押圧固定する押圧部を先端に有するクランプ部の基端側が前記工具本体に弾性変形可能に連結されており、
    前記クランプ部と前記工具本体とを締結することによって、前記チップ取付座と前記クランプ部との間に設けられたスリットを狭めるように、前記押圧部を前記チップ取付座に向けて変位させる締結部材を備えてなるスローアウェイチップのクランプ機構において、
    前記台座部は、前記工具本体の軸線と交差する方向に沿って形成されるとともに、前記クランプ部の先端部は前記台座部と対向するように配置されており、
    前記スリットの基端部は前記工具本体の軸線に直交する方向に対して適宜の角度で交差するように形成されていて、
    前記クランプ部が弾性変形する際の支点と前記押圧部が前記スローアウェイチップを押圧する作用点とを含み前記クランプ部が変位する方向に平行な平面内に、前記締結部材が前記クランプ部を押圧する力点を通り前記スリットの基端部と直交する直線が含まれることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。
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