JPH11152517A - コイル内で均一な表面性状を有する方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

コイル内で均一な表面性状を有する方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH11152517A
JPH11152517A JP9316696A JP31669697A JPH11152517A JP H11152517 A JPH11152517 A JP H11152517A JP 9316696 A JP9316696 A JP 9316696A JP 31669697 A JP31669697 A JP 31669697A JP H11152517 A JPH11152517 A JP H11152517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 方向性電磁鋼板の製造方法において、フォル
ステライト被膜の生成を抑制する手法により鉄損低減を
図りながら、コイル全体にわたって表面性状が均一な方
向性電磁鋼板を得る。 【解決手段】 最終冷延前の鋼板表面の脱珪層深さを5
μm 以上100 μm 未満とする。かつ、脱炭焼鈍の雰囲気
酸化性(PH2O/PH2)の最大値Pmax を0.15以上0.60未満
とする。かつ、脱炭焼鈍中の雰囲気酸化性(PH2O/PH2
の上昇量Pinc を0以上0.15未満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器その他電
気機器の鉄心などに用いられる方向性電磁鋼板の製造方
法に関し、特に表面性状のコイル内の均一性を向上しよ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、2次再結晶により製
品の結晶方位を{110}〈001〉方位に集積させた
鋼板であり、電気機器の鉄心材料として用いられてい
る。近年、省エネルギーの観点から電気機器のエネルギ
ーロスを極力低減することへの機運が高まり、より鉄損
の低い方向性電磁鋼板が求められるようになってきてい
る。
【0003】従来、方向性電磁鋼板は、含けい素鋼素材
を熱間圧延し、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間
圧延を施した後、脱炭焼鈍を施し、MgO を主成分とする
焼鈍分離剤を塗布した後に仕上焼鈍を施して2次再結晶
粒を発達させるとともに鋼板表面にフォルステライト被
膜を形成させるという、一連の工程により製造されるの
が一般的であった。しかしながら、このようにして形成
された方向性電磁鋼板は、フォルステライト被膜と地鉄
との界面に凹凸を有しており、この凹凸が磁壁の移動を
妨げるために、鉄損低減の観点から改善が望まれてい
た。
【0004】フォルステライトのない方向性電磁鋼板の
製造方法として、例えば米国特許第3785882 号明細書や
特開昭59-96278号公報には主成分がAl2O3 の焼鈍分離剤
を用いる方法が、また、特開昭64-62476号公報にはMgO
を主成分としアルカリもしくはアルカリ土類塩化物を2
〜40部添加した焼鈍分離剤を用いる方法が、更に、特開
平8-337823には焼鈍分離剤中のSiO2, Al2O3, MgOを特定
比率で配合する方法が、それぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したフォルステラ
イト被膜のない方向性電磁鋼板の製造方法では、実験室
的には鋼板全体にわたって比較的均一な表面性状(酸素
目付量(鋼板表面に形成された酸化物量の指標とな
る。)や表面粗度)を有する方向性電磁鋼板を得ること
ができるが、工業的には、コイル全体にわたって均一な
表面性状を得ることは困難であった。
【0006】そこで、この発明は、フォルステライト被
膜の生成を抑制する手法により鉄損低減を図りながら、
コイル全体にわたって表面性状が均一な方向性電磁鋼板
を得ることのできる製造方法を提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、含
けい素鋼素材に熱間圧延を施し、1回又は中間焼鈍を挟
む2回以上の冷間圧延を施した後、脱炭焼鈍を施し、次
いでAl2O3, SiO2, MgOのいずれか1種又は2種以上を主
成分とする焼鈍分離剤を塗布した後に仕上焼鈍を施し
て、仕上焼鈍後の鋼板片面当たりの酸素目付量を0.5g/m
2 以下とする方向性電磁鋼板の製造方法において、最終
冷延前の鋼板表面の脱珪層深さを5μm 以上100 μm 未
満とし、かつ脱炭焼鈍の雰囲気酸化性(PH2O/PH2)の最
大値Pmax を0.15以上0.60未満とし、かつ脱炭焼鈍中の
雰囲気酸化性(PH2O/PH2)の上昇量Pinc を0以上0.15
未満とすることを特徴とするコイル内で均一な表面性状
を有する方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0008】以下、この発明を得るに至った実験及びそ
の結果を説明する。常法に従い作製した方向性電磁鋼板
用の最終冷延板に、脱炭焼鈍を施した。なお、この脱炭
焼鈍は、公知の湿潤H2−N2雰囲気中にて行い、かかる脱
炭焼鈍により、地鉄表層から1〜2μm の深さまでサブ
スケールと呼ばれる地鉄と酸化物 (主としてSiO2) との
混合層が形成される。次いで、この脱炭焼鈍板に60wt%
Al2O 3 −40wt%MgO の焼鈍分離剤を塗布した後、コイル
状に巻取ってから、1200℃×10hrの仕上焼鈍を施し、次
いで水洗により焼鈍分離剤を除去した。水洗後は、鋼帯
の酸素目付量及び表面粗度を調査した。この酸素目付量
は、鋼中酸素濃度を単位面積当りの酸素量として換算す
ることにより調べたものであり、鋼板表面に形成された
酸化物量を示す指標となる。図1に水洗後の鋼帯の平面
図を模式的に示し、図示された位置、すなわち鋼帯の先
端部、中央部、後端部における酸素目付量及び表面粗度
を調査した結果を併せて記す。図1より、従来法では鋼
帯の先端部、中央部、後端部で酸素目付量や表面粗度が
異なっていて、表面性状が不均一であることが解る。
【0009】発明者らは、この原因を調査した結果、
(1) 仕上焼鈍中におけるコイル層間の雰囲気酸化性が、
コイルの層間位置により異なること、(2) 脱炭焼鈍で鋼
板表面に生ずるサブスケールが粗であると、仕上焼鈍中
にコイル層間の酸素分圧の高い部分で追加酸化を生じる
こと、(3) その結果、仕上げ焼鈍後の表面性状がコイル
内で均一にならないこと、が明らかとなった。
【0010】更に、発明者らは、追加酸化量に影響を与
えるサブスケールの疎密さに及ぼす因子について追求し
た結果、最終冷間圧延前の鋼板表面の脱珪層深さ及び脱
炭焼鈍中の雰囲気酸化性の変化が、サブスケールの疎密
さ、ひいては追加酸化量に影響を及ぼし、これらを制御
することにより追加酸化し難い緻密なサブスケールが形
成されるために、仕上焼鈍後に表面性状の均一性に優れ
る方向性電磁鋼板を製造できることを見出した。かかる
知見を得るための実験及びその結果について以下説明す
る。
【0011】表1に示す化学成分よりなる含けい素鋼ス
ラブに熱間圧延を施した後、1000℃で30秒の焼鈍を行っ
た。次いで1回目冷間圧延により板厚1.4mm とした後、
1150℃で1分の中間焼鈍を施し、酸洗により中間焼鈍で
生成したスケールを除去した。次いで、2回目の冷間圧
延により板厚0.20mmとし、脱脂の後、850 ℃で3分の脱
炭焼鈍を施した。更に、この脱炭焼鈍板に70wt%Al2O3
−30wt%MgO の配合になる焼鈍分離剤を塗布した後、12
00℃で10hrの仕上焼鈍を施した。
【0012】
【表1】
【0013】これらの一連の工程の際、中間焼鈍後の酸
洗時間を10秒〜120 秒の種々の時間に変化させることに
より、脱珪層深さの異なる種々の鋼板を製造した。ま
た、後述するように、脱炭焼鈍時の雰囲気酸化性を種々
に変化させた。仕上焼鈍後、図1に示したのと同様の9
つの位置(先端部、中央部、後端部についてそれぞれ幅
方向両端部及び中央部)で酸素目付量及び表面粗度を測
定し、これらの最大値と最小値の差を酸素目付量のコイ
ル内ばらつき、表面粗度のコイル内ばらつきとした。
【0014】図2に中間焼鈍後の酸洗時間が鋼板表層の
脱珪層深さに及ぼす影響について示す。ここで脱珪層深
さとは、図3に鋼板表層における鋼板表面からの厚み方
向の距離とその距離におけるSi濃度の板厚中心部のSi濃
度に対する比との関係の一例を示すように、脱珪層につ
いて鋼板表面から板厚方向に、鋼中のSi濃度が板厚中心
のSi濃度に対して98%の濃度となる深さのことである。
このような鋼板表層に生ずる脱珪層は、熱延後の巻取り
時や中間焼鈍時に、鋼板表面のSiが酸化されて表層付近
の鋼中Si濃度が低下することによって形成される。図2
より中間焼鈍後の酸洗時間が長くなるにしたがって、中
間焼鈍時に生成した脱珪層が酸洗により失われて、脱珪
層深さが小さくなっていることがわかる。
【0015】次に、脱炭焼鈍中の雰囲気酸化性の変化が
追加酸化量に及ぼす影響について説明する。図4に脱炭
焼鈍時における雰囲気酸化性の時系列的変化の一例を示
す。脱炭焼鈍は、湿潤な(水蒸気を含む)H2−N2雰囲気
中で行われるが、実質的に脱炭が進行する750 ℃以上の
雰囲気は図4のように一定ではない。というのは、脱炭
が最も盛んな脱炭焼鈍の初期には、炉内の水蒸気が脱炭
に消費されることにより、雰囲気酸化性が低くなるから
である。そこで、上述の実験では、脱炭焼鈍の初期段階
で炉内に投入する水蒸気の量を変化させ、脱炭焼鈍中の
雰囲気酸化性の上昇量Pinc を変化させている。ここ
で、雰囲気酸化性の上昇量Pinc とは、図4に示される
ように、実質的にサブスケールが形成される鋼板温度で
ある750 ℃以上における雰囲気酸化性(PH2O/PH2) の増
加量をさす。
【0016】図5にこのようにして製造されたコイルの
酸素目付量、及び表面粗度の最大値と最小値の差を示
す。最終冷延前の脱珪層深さが5μm 以上でかつ脱炭焼
鈍中の雰囲気酸化性の上昇が0.15未満であるときに、コ
イル内で均一な表面性状が得られていることがわかる。
とくに脱珪層深さ10μm 以上、雰囲気酸化性の上昇量P
inc が0.05未満のとき、極めて均一となる。
【0017】これらの脱珪層深さ及び雰囲気酸化性の上
昇量の制御によりコイル内均一性が改善された原因につ
いて究明すべく、上記焼鈍分離剤塗布後の鋼板を850 ℃
で5hr焼鈍し、焼鈍前後での鋼板の酸素目付量の差(追
加酸化量)を測定した。その結果を図6に示す。最終冷
延前の脱珪層深さが5μm 以上でかつ脱炭焼鈍中の雰囲
気酸化性の上昇量Pinc が0.15未満であるときに、追加
酸化が抑制されていることが解る。
【0018】以上のことから、脱炭焼鈍前の表面のSi濃
度が低く、かつ脱炭焼鈍時の雰囲気酸化性の上昇を小さ
い、といった脱炭焼鈍条件では酸化が穏やかに、ゆっく
りと進行するため、サブスケールは緻密となり、追加酸
化を受けにくくなり、その結果、仕上焼鈍後の表面性状
が均一になると考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明における出発材である含
けい素鋼素材の成分組成は、特に限定するものではな
く、方向性電磁鋼板用の素材として用いられている成分
組成範囲であればよい。代表的な成分について好適範囲
を挙げると次のとおりである。Cは熱延組織を改善する
ため、0.01%以上添加することが望ましいが0.09%以上
の添加は脱炭を困難にするので0.1 %未満であることが
望ましい。Siは電気抵抗を高め、鉄損を下げるうえで重
要な成分であるが、4.5 %以上では冷間圧延が困難とな
り、0.8 %未満ではα→γ変態によりゴス方位への結晶
方位の集積が失われるので0.8 %以上4.5 %未満が好ま
しい。インヒビターとしては、AlN, MnS, B,CuS, MnS
e, CuSe など、公知の微細析出型、粒界偏析型のものの
いずれもが適応し得る。これらの複合添加あるいは、他
のインヒビター構成成分として、Bi, Pb, Sn, Sb, Ti,
Nbなどを添加することもできる。
【0020】上記成分を含有する溶鋼は、鋳造されたの
ち、通常の工程により熱延板となる。熱延板は直ちに、
もしくは800 ℃〜1200℃の温度域での10秒〜5分の短時
間焼鈍の後、1回の冷間圧延、あるいは中間焼鈍を挟む
2回以上の冷間圧延を施す。必要に応じて、冷間圧延前
には酸洗を施してスケールを除去することができる。最
終冷延圧下率は65%以上92%未満とすることが望まし
い。
【0021】この際、最終冷延前の鋼板表面の脱珪層深
さは5μm 以上100 μm 未満、望ましくは10μm 以上10
0 μm 未満に制御されなればならない。脱珪層深さが5
μm未満の時は、既に述べたように、脱炭焼鈍時に生成
するサブスケールが粗になるため、仕上焼鈍中に追加酸
化を受け易くなり、コイル内で均一な表面性状を得るこ
とが難しい。一方、脱珪層を100 μm 以上とするために
は極めて長時間の焼鈍を必要とするので、経済的でない
上、効果の増大も小さいので上限を100 μm とした。こ
のような脱珪層深さの制御は中間焼鈍温度、雰囲気、熱
延時巻取り温度、最終冷延前の酸洗量などによって制御
できる。中間焼鈍の温度、露点が高いほど、熱延時巻取
り温度が高いほどスケールの生成量が多くなり、脱珪層
は増加する。また、最終冷延前の酸洗量が多いと、脱珪
層は小さくなる。
【0022】最終冷延後、脱脂し、必要に応じて酸洗し
たのち、脱炭焼鈍を施す。酸洗の際は、脱珪層が失われ
ないよう酸洗量を最小限にとどめることが望まれる。脱
炭焼鈍温度は800 ℃未満では脱炭が進行せず、製品が磁
気時効を生じ、950℃以上では、製品の結晶方位のゴス
方位への集積が失われることから800 ℃以上950 ℃未満
であることが望ましい。脱炭焼鈍時の雰囲気酸化性(PH
2O/PH2) の最大値(Pmax ) は0.15以上0.60未満に制御
されねばならない。というのは、0.15未満では脱炭が進
行せず、製品が磁気時効を生じ、0.60以上ではサブスケ
ールの量が多すぎて、仕上焼鈍後の鋼板片面当たりの酸
素目付量を0.5g/m2 以下とすることが困難となるからで
ある。酸素目付量が0.5g/m2 より多いと、コイル長手方
向あるいは巾方向に酸化膜の均一性を確保するのが困難
となり、局所的に膜の厚い箇所等が発生してしまう。こ
こで雰囲気酸化性の最大値Pmax とは、実質的に鋼板の
酸化が起きる鋼板温度、すなわち750 ℃以上における最
大の雰囲気酸化性 (PH2 O/PH2 ) をさす。また、脱炭焼
鈍時の酸化性の上昇量は0以上0.15未満、望ましくは0.
05未満に制御されなればならない。というのは、雰囲気
酸化性の上昇量Pinc が0.15以上では、既に述べたよう
に、仕上焼鈍中に追加酸化を受け易くなり、コイル内で
均一な表面性状を得ることが難しいからである。ここ
で、酸化性の上昇量Pinc とは、鋼板の温度が750 ℃以
上となる任意の焼鈍時間A,B(A>B)における酸化
性Pa ,Pb に関し、Pa −Pb の最大値を指す。図7
(a),(b) に、脱炭焼鈍時における焼鈍温度、雰囲気の時
系列的変化の例と、Pa −Pb が最大となるA.B及び
inc を示す。Pinc が大きいと、脱炭焼鈍中に酸化性
が大きく増加するため、酸化反応が急速に進行して、粗
なサブスケールが形成される。
【0023】脱炭焼鈍後は、Al2O3, SiO2, MgOのいずれ
か1種又は2種以上を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し
たのちに仕上焼鈍を施し、仕上焼鈍後鋼板の片面酸素目
付量を0.5g/m2 以下とする。焼鈍分離剤には、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、塩化物など公知の添加剤
を添加できる。とくに、MgO 単体では、フォルステライ
ト被膜が形成され片面酸素目付量が0.5g/m2 以上となる
ので、上記添加剤の使用が望ましい。仕上焼鈍は公知の
方法いずれもが適応し得るが、純化の観点から1200℃×
10時間程度、水素を含有する雰囲気での焼鈍が推奨され
る。
【0024】仕上焼鈍後、水洗により、焼鈍分離剤を除
去する。その後、化学研磨、電解研磨などにより、表面
の平滑性を向上させることもできる。また、公知のコー
ティングを被成してもよい。更に、線状の歪みあるいは
溝を導入する等、公知の磁区細分化処理を施すこともで
きる。
【0025】
【実施例】(実施例1)C:0.06wt%, Si:3.28wt%,
Mn:0.07wt%, Se:0.02wt%, Sb:0.03wt%,Al:0.025
wt %, N;0.0070wt%を含み、残部は実質的にFeより
なるスラブを1420℃に加熱してから熱間圧延により2.2m
m 厚とし、冷間圧延により板厚1.5mm とした。次に1050
℃で2分間、かつ100 %N2で0℃〜60℃の種々の露点に
なる雰囲気の条件で中間焼鈍を施し、10秒間の酸洗の
後、最終冷間圧延を施し、0.20mmに仕上げた。この冷延
板に表2に示す条件で脱炭焼鈍を施したのち、65%SiO2
−25%Al2O3 −10%MgO を含有する焼鈍分離剤を塗布し
た後、1200℃で10時間の仕上焼鈍を行った。なお、仕上
焼鈍の際、900 ℃〜1150℃の間は25%N2-75 %H2の混合
雰囲気であり、1150℃以上は100 %H2雰囲気とした。か
くして得られた鋼板の酸素目付量、及び表面粗度の最大
と最小の差、平均を図2の要領で評価した。結果を表2
に併記する。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例2)C:0.06wt%, Si:3.28wt
%, Mn:0.07wt%, S:0.02wt%, Al:0.025 wt%,
N;0.0070wt%,Bi:0.005 wt%を含み、残部実質Feよ
りなるスラブを1420℃に加熱してから熱間圧延により2.
2mm 厚とし、冷間圧延により板厚1.8mm とした。1050℃
×2分間で100 %N2、0℃〜60℃の種々の露点を含有す
る雰囲気中で中間焼鈍を施し、10秒間の酸洗の後、最終
冷間圧延を施し、0.23mmに仕上げた。この冷延板に表2
に示す条件で脱炭焼鈍を施したのち、98%MgO +2%ビ
スマス塩化物を含有する焼鈍分離剤と塗布した後、1200
℃×10時間の仕上焼鈍を行った。なお900 ℃〜1150℃の
間は50%N2-50 %H2の混合雰囲気であり、1150℃以上は
100 %H2雰囲気とした。かくして得られた鋼板の酸素目
付量、及び表面粗度の最大と最小の差、平均を図2の要
領で評価した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、最終冷延前
の鋼板表面の脱珪層深さ及び脱炭焼鈍の雰囲気酸化性を
制御することにより、コイル内で均一な表面性状を有す
る方向性電磁鋼板を製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水洗後の鋼帯における酸素目付量及び表面粗度
を示す図である。
【図2】中間焼鈍後の酸洗時間が鋼板表層の脱珪層深さ
に及ぼす影響について示す図である。
【図3】鋼板表層における鋼板表面からの厚み方向の距
離とその距離におけるSi濃度の板厚中心部のSi濃度に対
する比との関係の一例を示す図である。
【図4】脱炭焼鈍時における雰囲気酸化性の時系列的変
化の一例を示す図である。
【図5】雰囲気酸化性の上昇量Pinc 及び脱珪層深さ
が、コイルの酸素目付量、及び表面粗度の最大値と最小
値の差に及ぼす影響を示す図である。
【図6】雰囲気酸化性の上昇量Pinc 及び脱珪層深さ
が、追加参加料に及ぼす影響を示す図である。
【図7】Pinc を説明する図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含けい素鋼素材に熱間圧延を施し、1回
    又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施した後、脱
    炭焼鈍を施し、次いでAl2O3, SiO2, MgOのいずれか1種
    又は2種以上を主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後に
    仕上焼鈍を施して、仕上焼鈍後の鋼板片面当たりの酸素
    目付量を0.5g/m2 以下とする方向性電磁鋼板の製造方法
    において、 最終冷延前の鋼板表面の脱珪層深さを5μm 以上100 μ
    m 未満とし、 かつ脱炭焼鈍の雰囲気酸化性(PH2O/PH2)の最大値P
    max を0.15以上0.60未満とし、 かつ脱炭焼鈍中の雰囲気酸化性(PH2O/PH2)の上昇量P
    inc を0以上0.15未満とすることを特徴とするコイル内
    で均一な表面性状を有する方向性電磁鋼板の製造方法。
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