JPH11141653A - カム・リフタ装置 - Google Patents
カム・リフタ装置Info
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- JPH11141653A JPH11141653A JP30309297A JP30309297A JPH11141653A JP H11141653 A JPH11141653 A JP H11141653A JP 30309297 A JP30309297 A JP 30309297A JP 30309297 A JP30309297 A JP 30309297A JP H11141653 A JPH11141653 A JP H11141653A
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Abstract
料が受けるダメージの集中を無くすことによってカムの
最大負荷能力を高める。 【解決手段】 カム12の周面13とバルブリフタ14
の上端面15との隙間におけるカム12の軸方向への変
化を、上記軸方向への相当応力分布又は最大剪断応力分
布等で表される材料が受けるダメージが均一になるよう
に決定する。こうして、カム12の軸方向両端のエッジ
部における相当応力または最大剪断応力等で表される材
料が受けるダメージの集中を防止する。その結果、上記
相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受ける
ダメージの集中が無くなる分だけカム12の静的最大負
荷容量および動的最大負荷容量を高めることができる。
Description
置におけるカムのクラウニング形状の改良に関する。
換するカム・リフタ装置として、図6に示すようなもの
がある。ここで、図6(a)は側面図であり、図6(b)は図
6(a)におけるC−C矢視断面図である。図6におい
て、カムシャフト1に設けられたカム2の周面2aは、
例えば動弁部材として機能するバルブリフタ3の上端面
4に当接している。バルブリフタ3は、スプリング5,
6によってカム2に向かって押し上げられている。した
がって、カムシャフト1の回転に伴うカム2の半径の変
動に追従して、バルブリフタ3は矢印Dの方向に往復動
する。
は、上記カム2の周面2aのカムシャフト1の方向への
断面形状には、接触圧力の集中を避けるためにクラウニ
ングと呼ばれるわずかな膨らみを形成するようにしてい
る。このようなクラウニングの形状として、ルンドベル
グ(Lundberg)は、接触圧力を転動体の軸方向に均一に
するようなクラウニング形状を提案しており、現在では
このクラウニング形状が最適とされている。
ンドベルグのクラウニング形状によれば、確かにカム2
の軸方向へ均一な接触圧力分布を呈する。ところが、実
際にカム2が受けるダメージを評価すると、破壊,金属
疲労や塑性変形等の材料が受けるダメージの軸方向への
分布は一様でないという問題がある。ところで、上記カ
ム2とバルブリフタ3とのように互いに線接触して回転
を往復動に変換する2つの相互接触部材においては、両
相互接触部材の接触面における最適間隔決定の問題を、
図3に示すような有限幅円筒21と半無限体(以下、単
に平面と言う)22との相対接近量(相対隙間)問題に置
き換えることができる。図3において、X,Y,Zは無次
元座標であり、X軸はx/b,Y軸はy/b,Z軸はz/b
である。但し、x,y,zは座標であり、bは回転方向へ
のヘルツ(Hertz)の接触幅の1/2である。
形状を適用した有限幅円筒21に発生する軸方向に均一
な接触圧力下での相当応力σEをヘルツの最大接触応力
Phで無次元化した無次元化相当応力ΣE(=σE/Ph)の
分布を示す。ここで、相当応力σEとは、金属材料の降
伏条件の一種のフォン・ミーゼス(Von Mises)の降伏条
件に用いられる応力成分である。図7より、上記有限幅
円筒21の内部における破壊,金属疲労や塑性変形等の
材料が受けるダメージを評価する無次元化相当応力ΣE
は、回転軸から半径方向に有効長さの0.8倍の箇所A
に帯状に強くあらわれる。そして、特に、上記帯状箇所
Aのうちの側面近傍の領域Bで降伏応力(=0.60)を
越える強い値を示し、領域Bから降伏が始まることが分
かる。このように、例え、接触圧力分布を軸方向に均一
にしたとしても、必ずしも3次元の相当応力分布は均一
とはならず、相当応力σEが集中する箇所が存在する。
そのために、カム2に最大負荷能力を与えることができ
ないという問題がある。
は最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージの集
中を無くして最大負荷能力を高めることができるカム・
リフタ装置を提供することにある。
め、請求項1に係る発明は、カムと,このカムの周面に
常時線接触して一方向に往復動するリフタを有して,上
記カムの回転を上記リフタの往復動に変換するカム・リ
フタ装置において、上記カムとリフタとの接触面の間隔
における上記カムの軸方向への変化が、接触圧力下での
上記軸方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等
の材料が受けるダメージを評価する物理量が均一になる
ように設定されていることを特徴としている。
接触面の間隔における上記軸方向への変化は、接触圧力
下での上記軸方向への相当応力分布または最大剪断応力
分布等で表される材料が受けるダメージが均一になるよ
うに設定されている。したがって、上記相当応力または
最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージが集中
する箇所が存在せず、その分だけ上記カムの最大負荷能
力が高められる。
係る発明のカム・リフタ装置において、上記カムとリフ
タの接触面の間隔における上記軸方向への変化が、実質
的に下記の式で表されることを特徴としている。
半径R、等価ヤング率E'、上記カムの有効長Lwe、材料
の圧縮に関する強度σEmax、および、材料の最大剪断応
力に関する強度τmaxが分かれば、接触圧力下での上記
軸方向への相当応力分布または最大剪断応力分布が均一
になるような上記カムとリフタの接触面の間隔が容易に
得られる。
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のカム
・リフタ装置の縦断面図である。カムシャフト11に設
けられたカム12の周面13は、例えば動弁部材として
機能するバルブリフタ14の上端面15に当接してい
る。バルブリフタ14は、スプリング16,17によっ
てカム12に向かって押し付けられている。したがっ
て、カムシャフト11の回転に伴うカム12の半径の変
動に追従して、リフタ13は往復動する。こうして、カ
ムシャフト11の回転がバルブリフタ14の往復動に変
換される。
4の上端面15との接触面の相対隙間の問題は、図3に
示すような有限幅円筒21と平面22との隙間の問題に
置き換えることができる。そこで、以下、カム12の周
面13とバルブリフタ14の上端面15との接触面の相
対隙間を、図3の力学モデルを用いて説明する。
1と平面22との相対隙間においては、有限幅円筒21
に対する接触圧力分布を有限幅円筒21の軸方向に均一
にしたとしても、3次元の相当圧力分布または最大剪断
応力分布等で表される材料が受けるダメージは均一には
ならない。そこで、本実施の形態においては、上述の点
に着目して、有限幅円筒21の軸方向への相当応力分布
または最大剪断応力分布で表される材料が受けるダメー
ジが均一になるように、有限幅円筒21のクラウニング
形状(つまり、カム12の周面13のクラウニング形状)
を決定するのである。
ニング形状与えて、乾燥接触問題における基礎式を用い
て接触2物体間(つまり、有限幅円筒21と平面22と
の間)の相対距離Hを求め、接触圧力を求める。そし
て、得られた接触圧力の分布を用いて3次元の内部応力
分布を得、この3次元内部応力分布から次式によって相
当応力を求める。 σE=[1/2{(σX−σY)2+(σY−σZ)2+(σZ−σX)2
+6τXY 2+6τYZ 2+6τZX 2}0.5] ここで、 σE:相当応力 σX:YZ面に作用する垂直応力成分 σY:XZ面に作用する垂直応力成分 σZ:XY面に作用する垂直応力成分 τXY:XY面に作用する剪断応力成分 τYZ:YZ面に作用する剪断応力成分 τZX:ZX面に作用する剪断応力成分
分布が有限幅円筒21の軸方向に均一になるようにクラ
ウニング形状を変更し、上述の解析を繰り返す。こうし
て、材料内部のダメージが軸方向に均一に分布するよう
にクラウニング形状を決定するのである。
形状の式は、次のような式である。
て算出された有限幅円筒21のクラウニング量の一例を
示す図である。また、図4は、上記クラウニング形状の
式が適用された有限幅円筒21における接触圧力pをヘ
ルツの最大接触応力Phで無次元化した無次元化接触圧
力P(=p/Ph)の分布である。図4(a)はY=0におけ
るZX面の接触圧力分布であり、図4(b)はX=0にお
けるYZ面の接触圧力分布である。また、図5は、図7
の場合と同じ荷重条件下での軸方向への無次元化相当応
力ΣEの分布を示す。
おけるクラウニング形状によれば、有限幅円筒21の軸
方向の接触圧力分布は、中央部から軸方向両端のエッジ
部に向かって少しずつ減少し、上記エッジ部で曲線的に
低下するようになっている。
元化相当応力ΣEの分布から分かるように、上記ルンド
ベルグのクラウニング形状を適用した場合の上記エッジ
部での無次元化相当応力ΣEの上昇(図7参照)が無くな
り、そのまま曲線的に減少している。その結果、図7に
見られるような上記帯状領域Aの側面近傍に現れる降伏
応力を越える強い相当応力の集中が回避される。
は平面である。したがって、カム12の周面13のカム
シャフト11に沿った断面形状を、上記式で求められる
クラウニング形状に形成すればよい。ところが、上記バ
ルブリフタ14の上端面15が平面でない場合には、カ
ム12の周面13におけるカムシャフト11の方向への
断面形状と、バルブリフタ14の上端面15におけるカ
ムシャフト11の方向への断面形状との相対間隔が、上
記式で求められるクラウニング形状になるようにすれば
よいのである。
カム・リフタ装置におけるカム12の周面13とバルブ
リフタ14の上端面15との接触面の相対隙間を、カム
シャフト11の方向への無次元化相当応力ΣEの分布を
均一にするように決定している。したがって、カム12
の軸方向両端エッジ部における無次元化相当応力ΣEの
集中を防止できる。すなわち、本実施の形態によれば、
無次元化相当応力ΣEの集中が無くなる分だけカム12
の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めるこ
とができるのである。
の上端面15がカム12の周面13に当接しているカム
・リフタ装置を例に説明しているが、この発明はこれに
限定されるものではない。例えば、動弁装置のロッカア
ームのように下端面がカムの周面に当接しているカム・
リフタ装置にも適用可能である。
る発明のカム・リフタ装置では、カムと、このカムの周
面に常時線接触して一方向に往復動するリフタを有し、
上記カムとリフタとの間隔における上記カムの軸方向へ
の変化を、接触圧力下での上記軸方向への相当応力分布
または最大剪断応力分布等の材料が受けるダメージを評
価する物理量が均一になるように設定したので、上記相
当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダ
メージが集中する箇所が存在せず、その分だけ上記カム
の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めるこ
とができる。さらに、上記カムの耐圧痕性や寿命の向上
を図ることができる。
装置は、上記カムとリフタとの接触面の間隔における上
記軸方向への変化を実質的に下記の式で表したので、回
転方向への等価半径R、等価ヤング率E'、上記カムの
有効長Lwe、材料の圧縮に関する強度σEmax、および、
材料の最大剪断応力に関する強度τmaxが分かれば、接
触圧力下での上記方向への相当応力分布または最大剪断
応力分布等で表される材料が受けるダメージが均一にな
るような上記カムの周面と上記リフタとの接触面の間隔
を容易に得ることができる。
す縦断面図である。
の一例を示す図である。
である。
図である。
布を示す図である。
限幅円筒における図5と同じ荷重条件下での無次元化相
当応力分布を示す図である。
…周面、 14…バルブリフタ、
15…上端面、 16,17…スプ
リング。
Claims (2)
- 【請求項1】 カムと、このカムの周面に常時線接触し
て一方向に往復動するリフタを有して、上記カムの回転
を上記リフタの往復動に変換するカム・リフタ装置にお
いて、 上記カムとリフタとの接触面の間隔における上記カムの
軸方向への変化が、接触圧力下での上記軸方向への相当
応力分布または最大剪断応力分布等の材料が受けるダメ
ージを評価する物理量が均一になるように設定されてい
ることを特徴とするカム・リフタ装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のカム・リフタ装置にお
いて、 上記カムとリフタとの接触面の間隔における上記軸方向
への変化が、実質的に下記の式で表されることを特徴と
するカム・リフタ装置。 【数1】
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- 1997-11-05 JP JP30309297A patent/JP3688450B2/ja not_active Expired - Fee Related
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