JPH1113269A - 二重床構造 - Google Patents

二重床構造

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JPH1113269A
JPH1113269A JP16377997A JP16377997A JPH1113269A JP H1113269 A JPH1113269 A JP H1113269A JP 16377997 A JP16377997 A JP 16377997A JP 16377997 A JP16377997 A JP 16377997A JP H1113269 A JPH1113269 A JP H1113269A
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JP
Japan
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floor
layer
wood
base panel
separation layer
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JP16377997A
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Inventor
Norimichi Mori
則理 森
Hiroshi Kawai
洋 川井
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床下地面1に立設固定された複数の支持脚
2,2,…の上部間に木質材料からなる床下地パネル4
を掛け渡して載置固定し、この床下地パネル4上に木質
仕上げ材としての木質フロア材5を固定した二重床構造
において、歩行時等の荷重により床下地パネル4と木質
フロア材5との間にずれ変形が発生したときや、そのず
れ変形が復元したときに、両木質材料同士の接触による
摩擦音の発生を抑制し、不快な床鳴りを低減する。 【解決手段】 床下地パネル4と木質フロア材5との間
に、床下地パネル4の上面に塗布された塗材からなり両
者の木質材料同士の非接触状態を保つ分離層10を設
け、床下地パネル4と木質フロア材5との木質材料同士
が直接接触するのをなくす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質系の床下地パ
ネルを用いた二重床構造に関し、特に、その床下地パネ
ル上に木質系の仕上げ層を用いても床鳴りが発生し難い
二重床構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の二重床構造は建築物
の床構造としてよく知られている。この二重床構造で
は、例えば図4に示すように、コンクリートスラブ等の
床下地面aに複数の支持脚b,b,…を立設固定し、そ
れらの上にパーティクルボードや合板、OSB(オリエ
ンティドストランドボード)、木質繊維板等の木質材料
からなる床下地パネルcを載置して固定し、さらにその
上に床仕上げ材としての木質フロア材dを釘やビス或い
は接着剤により固定することによって二重床構造を構成
している。
【0003】また、図5に示すように、上記床下地パネ
ルcの上に、合板等の木質材料からなる捨て張り材eを
釘やビス或いは接着剤によって固定し、その上にカーペ
ットやクッションフロア等の非木質系の床仕上げ材d′
を載置して必要に応じ接着剤等により固定した二重床構
造も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
二重床構造において、床下地パネルcと木質フロア材d
とを固定する場合、又は床下地パネルcと捨て張り材e
とを固定する場合、接着剤によって全面を固定すること
は希であり、釘やビスによって部分的に固定することが
一般的である。このため、床下地パネルcと木質フロア
材d又は捨て張り材eとが完全に一体化されていない状
態となり、歩行時等の荷重がかかると、例えば支持脚
b,b間のスパン等が撓んで床下地パネルcと木質フロ
ア材d又は捨て張り材eとの間に僅かなずれ変形が生
じ、その荷重が除かれると元の状態に戻ろうとする。そ
して、このずれ変形時や復元時に、床下地パネルcと木
質フロア材d又は捨て張り材eとの間の木質材料同士の
接触面において摩擦音が発生し、不快な床鳴りとして感
じるという不具合があった。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記の如き構成の二重床構造を改良
することで、木質材料同士の接触による摩擦音の発生を
抑制し、不快な床鳴りを低減するようにすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、上記の二重床構造における床下地
パネルと木質フロア材又は捨て張り材との間に両者を非
接触状態に保つ分離層を介在させるようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、床スラ
ブ等の床下地面に複数の支持脚が立設固定され、該支持
脚の上部に木質材料からなる床下地パネルが複数の支持
脚間に亘って載置固定され、該床下地パネル上に木質仕
上げ層が固定されてなる二重床構造において、上記床下
地パネルと木質仕上げ層との間に、両者を木質材料同士
の非接触状態とする分離層を設ける。
【0008】上記の構成により、床下地パネルと木質仕
上げ層の間に両者の木質材料を非接触状態に保つ分離層
が設けられているので、床下地パネル及び木質仕上げ層
の木質材料同士が直接接触することはなく、摩擦音の発
生を低減することができる。
【0009】請求項2の発明では、上記木質仕上げ層
は、合板等の木質材料からなる捨て張り材と、この捨て
張り材上に配置された仕上げ材とで構成されているもの
とする。一方、請求項3の発明では、木質仕上げ層は木
質フロア材とする。これらの発明では、上記摩擦音の発
生低減効果が有効に得られる二重床構造の木質仕上げ層
を具体化することができる。
【0010】請求項4の発明では、上記分離層は、床下
地パネルの上面又は木質仕上げ層の下面の少なくとも一
方に塗布された塗材によって形成されているものとす
る。こうすれば、分離層を予め工場等で、床下地パネル
の上面(表面)又は木質仕上げ層の下面(裏面)に塗材
を塗布するという簡単なプロセスで形成しておくことが
でき、上記の二重床構造の施工性を高めることができ
る。特に、床下地パネルの上面のみに塗材による分離層
を形成するようにすれば、木質仕上げ層は分離層のない
ものでよいので、その木質仕上げ層を任意に選択できる
という利点がある。また、分離層となる塗材を床下地パ
ネルの上面及び木質仕上げ層の下面の両方に塗布する場
合は、摩擦音の発生を低減するという分離層の効果を一
層確実に発現させることができる。
【0011】請求項5の発明では、分離層は、床下地パ
ネルの上面又は木質仕上げ層の下面の少なくとも一方に
接着されたシート材によって形成されているものとす
る。この場合でも、上記塗材の塗布に比べて分離層形成
のプロセスは複雑になるが、上記請求項4の発明と同様
に、二重床構造を施工性よく形成できるとともに、床下
地パネル表面のみへのシート材の接着により、木質仕上
げ層の選択自由度を高めることができる。
【0012】請求項6の発明では、分離層は、床下地パ
ネルと木質仕上げ層との間に両者と非接着状態で介装さ
れたシート材によって形成されているものとする。この
ことで、予め、工場等で床下地パネル又は木質仕上げ層
に分離層をシート材の接着によって形成しておく必要は
なく、施工現場で床下地パネル及び木質仕上げ層間にシ
ート材を敷き込むという簡単な作業だけで分離層を形成
することができる。
【0013】請求項7の発明では、上記分離層の表面
を、該分離層表面に接触する相手材(床下地パネルもし
くは木質仕上げ層、又は床下地パネル及び木質仕上げ層
の双方に分離層を設けた場合は相手側の分離層)との間
の静的摩擦係数が0.4以下の滑り易い層に形成する。
このように分離層表面と相手材との間の静的摩擦係数を
0.4以下とすれば、その分離層表面は滑り層に形成さ
れることとなり、歩行時等の荷重により床下地パネルと
木質仕上げ層との間にずれ変形が生じるときや、その荷
重が除かれて元の状態に戻ろうとしたときに、両木質材
料間でずれや戻りが円滑に行われる。従って、この円滑
性の効果が、上記床下地パネル及び木質仕上げ層の非接
触状態による効果と相乗的に働くので、摩擦音の発生す
なわち床鳴りをさらに効果的に低減することができる。
【0014】請求項8の発明では、上記請求項7の発明
とは逆に、分離層の表面を、該分離層表面に接触する相
手材(床下地パネルもしくは木質仕上げ層又は相手側の
分離層)との間の静的摩擦係数が0.6以上の滑り難い
層に形成されているものとする。こうして、分離層表面
と相手材との間の静的摩擦係数を0.6以上とすると、
上記床下地パネルと木質仕上げ層との間にずれ変形が生
じるときや、その変形が元の状態に戻ろうとしたとき
に、そのずれや戻りに対する抵抗が働くようになり、そ
のずれ等を小さくしたり、ずれ等の発生時期を遅らせた
りすることができる。その結果、このずれ等に対する抵
抗作用と上記非接触効果との相乗作用により摩擦音の発
生すなわち床鳴りをさらに有効に低減することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の実施形態1に係る二重床
構造を示し、1は床スラブ等の床下地面であって、この
床下地面1の上には多数の支持脚2,2,…が立設固定
されている。この各支持脚2は、ゴム質材からなる底部
足2aと、この底部足2a上に連設された金属製の棒状
の支持部2bと、この支持部2b上部に固定された床下
地パネル支持片2cと、この支持片2cの高さを調節す
るねじ部(図示せず)とを備えてなる。尚、この支持脚
2の機構や材質は上記のように特定されず、種々のもの
を使用できる。
【0016】上記各支持脚2上部の支持片2c上には、
木質材料からなる床下地パネル4が複数の支持脚2,
2,…間に亘り各々のねじ部によって高さ調節された状
態で載置固定されている。この床下地パネル4となる木
質材料は、例えばパーティクルボード、合板、MDF
(中比重繊維板)、OSB、集成材等からなり、その気
乾比重は0.4〜0.9程度の範囲である。この比重が
低いものは、床下地パネル4としての強度が不足する一
方、比重が高すぎると、釘打ちやビス止め性が悪くなる
ので好ましくない。尚、この床下地パネル4は、上記し
た木質材料同士の複合板或いは該木質材料と他の材料と
の複合板に形成されていてもよく、その場合、上面に上
記木質材料が位置していることが必要である。
【0017】さらに、上記床下地パネル4上には木質仕
上げ層6を構成する木質フロア材5が釘打ちにより固定
されている。この木質フロア材5は通常一般の木質フロ
ア材を全て使用することができる。例えば台板が合板、
パーティクルボード、MDF、集成材、OSB等の木質
材料やそれらを2つ以上組み合わせた木質材料からな
り、その表面に突板を張った後に塗装仕上げしたもの、
WPC単板を張ったもの、印刷紙を貼って塗装仕上げを
したもの等を用いればよい。
【0018】また、本発明の特徴として、上記床下地パ
ネル4の上面(表面)には、その床下地パネル4の上面
に塗布或いは塗布含浸された樹脂液や塗料状物等の塗材
によって薄い層の分離層10が形成されている。この分
離層10は、床下地パネル4と木質フロア材5(木質仕
上げ層6)とを木質材料同士の非接触状態とするための
もので、この分離層10の層厚さは薄くてもよい。ま
た、この層厚さが1mmを越えるときには、分離層10
の形成に手間と費用がかかるので、好ましくない。
【0019】このように塗布された塗材により分離層1
0を形成する場合、その分離層10となる塗材として
は、例えばワックス、パラフィン、シリコン等を塗っ
た層、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン
系樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂液を塗布して形成した
層、上記の樹脂液に、炭酸カルシウムやシリカ等の
顔料が混入された塗料状物を塗布して形成した層、上
記の樹脂液に、界面活性剤を添加して浸透性を付与し
たもの、発泡性樹脂液を塗布して発泡層に形成したも
の等が用いられる。しかし、これらに限らず、塗布によ
って形成できるものであれば広く適用することができ
る。
【0020】そして、上記分離層10の上面(表面)
は、この分離層10の上面に接触する相手材としての木
質フロア材5の下面(裏面)との間の静的摩擦係数が
0.4以下にされた滑り層(図示せず)に形成されてい
る。この滑り層を形成する場合、例えば分離層10上面
にワックス等を塗布したり、樹脂液を塗布したり、ポリ
オレフィンシートを貼着又は介装したりすればよく、こ
のことで分離層10の上面が木質材料に対する滑り層に
形成される。
【0021】また、上記分離層10は、床下地パネル4
の上面全体に形成するのが望ましいが、図2(a),
(b)に示すように帯模様状や、図2(c)に示す如く
散在模様状に部分的に形成することもできる(尚、図2
では斜線部分により分離層10となる塗材の塗布部分を
示している)。その場合、分離層10全体の面積を床下
地パネル4全面の約30%以上にするのが望ましい。
【0022】したがって、この実施形態の二重床構造に
おいては、床下地パネル4と、その上に設けられる木質
フロア材5(木質仕上げ層6)との間に両者を木質材料
の非接触状態とする分離層10が設けられているので、
歩行時等の荷重により床下地パネル4と木質フロア材5
との間にずれ変形が生じるときや、その荷重が除かれて
元の状態に戻ろうとしたときに、床下地パネル4と木質
フロア材5(木質仕上げ層6)とが木質材料同士で直接
接触することはない。しかも、上記分離層10の上面
(表面)は、該分離層10上面に接触する木質フロア材
5の下面との間の静的摩擦係数が0.4以下の滑り層に
形成されているので、上記床下地パネル4と木質フロア
材5との間のずれ変形やその戻りが円滑に行われる。そ
れ故、この床下地パネル4と木質フロア材5との間のず
れや戻りを円滑に行わせる効果と、上記両者の非接触状
態による効果とが相乗的に働くようになり、摩擦音の発
生すなわち床鳴りを効果的に低減することができる。
【0023】また、上記分離層10は、床下地パネル4
の上面に塗布された塗材によって形成されているので、
この分離層10を形成する場合、予め工場等で床下地パ
ネル4の上面に塗材を塗布するという簡単なプロセスで
形成しておけばよい。よって施工現場で二重床構造を施
工性よく形成することができる。
【0024】また、床下地パネル4の上面のみに塗材に
よる分離層10が形成されるので、木質フロア材5(木
質仕上げ層6)としては分離層を設けていないものを用
いることができ、その木質フロア材5の種類等を任意に
選択できる。
【0025】尚、上記実施形態では、分離層10となる
塗材を床下地パネル4の上面に塗布しているが、これに
代えて、床下地パネル4上に固定される木質フロア材5
の下面に、或いは床下地パネル4の上面と木質フロア材
5の下面との両方に塗布してもよい。
【0026】(実施形態2)図3は本発明の実施形態2
を示し(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する)、木質仕上げ層6′及び
分離層10の構造を変えたものである。
【0027】すなわち、この実施形態の二重床構造で
は、床下地面1ないし床下地パネル4は上記実施形態1
と同じである(図1参照)。そして、上記床下地パネル
4上に配設される木質仕上げ層6′は、木質材料からな
る捨て張り材7と、その捨て張り材7上に配置された仕
上げ材8とで構成されている。上記捨て張り材7は例え
ば合板、MDF、OSB等からなる。一方、仕上げ材8
はカーペット、クッションフロア、畳、木質フロア材等
の任意の表面仕上げ材が用いられる。
【0028】さらに、上記床下地パネル4とその上に配
設される木質仕上げ層6′との間に分離層10が設けら
れ、この分離層10は、上記実施形態1とは異なり床下
地パネル4の上面に接着された薄いシート材によって形
成されている。このシート材は、例えばポリエチレンシ
ート、ポリプロピレンシート、その他の樹脂シート、薄
葉紙、クラフト紙等の薄いシート、或いは発泡樹脂シー
ト等が例示されるが、これに限らず、接着によって形成
できるものであれば広く使用することができる。
【0029】尚、上記分離層10となるシート材を床下
地パネル4の上面に接着するのに代えて、床下地パネル
4上に固定される捨て張り材7の下面に、或いは床下地
パネル4の上面と捨て張り材7の下面との両方に接着し
てもよい。また、この実施形態2におけるシート張りに
よる分離層10についても、床下地パネル4の全面に形
成する他、帯状や散在状のような模様状に形成すること
ができる(図2参照)。その他の構成は上記実施形態1
と同様である。
【0030】したがって、この実施形態においても、上
記実施形態1と同様の作用効果が得られる。また、分離
層10としてのシート材を床下地パネル4上面のみへ接
着した場合、木質仕上げ層6′の種類等を任意に選択で
きる。
【0031】(その他の実施形態)尚、上記実施形態2
において分離層10となるシート材は床下地パネル4の
上面又は木質仕上げ層6′の下面に必ずしも接着する必
要はなく、単に両板材間に非接着状態で介装してもよ
い。その場合、分離層10はシート材料やフィルム材料
であれば、特に限定されずに使用でき、例えばポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンシート等の合成樹脂シー
トやフィルムを用いればよく、或いは薄い発泡性シート
状物であってもよい。こうすると、予め、工場等で床下
地パネル4の上面や仕上げ層の捨て張り材7の下面にシ
ート材の接着によって分離層10を形成しておく必要は
なく、施工現場で薄いシート材を敷き込むという簡単な
作業だけで分離層10を形成できる。
【0032】また、上記各実施形態では、分離層10の
上面(表面)を、該分離層10上面に接触する相手材と
しての木質仕上げ層6,6′の下面(分離層10が木質
仕上げ層6,6′の下面に設けられている場合は床下地
パネル4の上面)との間の静的摩擦係数が0.4以下の
滑り易い層に形成しているが、逆に、同静的摩擦係数が
0.6以上の滑り難い層に形成することもできる。この
分離層10表面を滑り難い層に形成するには、その表面
を柔らかい樹脂層にしたり、発泡等によって凹凸をつけ
たり、塗布材やシートの材質や添加材を選択したりすれ
ばよい。このように、分離層10表面と木質仕上げ層
6,6′(或いは床下地パネル4)との間の静的摩擦係
数を0.6以上とすれば、上記床下地パネル4と木質仕
上げ層6,6′との間にずれ変形が生じるときや、その
変形が元の状態に戻ろうとしたときに、そのずれや戻り
に対する抵抗が働くようになり、そのずれ等を小さくし
たり、ずれ等の発生時期を遅らせたりすることができ
る。従って、この場合にも、ずれ等に対する抵抗作用と
非接触効果との相乗作用により摩擦音の発生すなわち床
鳴りを防止できる。
【0033】さらに、上記実施形態1に示されている二
重床構造において、その床下地パネル4と木質フロア材
5との間に設けられる分離層10を、実施形態2のよう
な接着構造又は介装構造のシート材に代えてもよい。ま
た逆に、実施形態2に示されている二重床構造において
床下地パネル4と木質仕上げ層6′との間に設けられる
分離層10を、実施形態1のような塗材で構成すること
もできる。
【0034】また、本発明に係る木質仕上げ層6,6′
は、上記各実施形態の如き木質フロア材5や、捨て張り
材7と仕上げ材8との組合わせに限定されず、その他、
下面が木質材料からなるものであれば使用することがで
きる。
【0035】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。この実施例は上記実施形態1に示すものと同様の
二重床構造であり、床スラブ等の床下地面上に多数の支
持脚を立設固定した。この各支持脚はゴム質の底部足
と、金属製の棒状の支持部と、支持部上部に固定された
床下地パネル支持片と、支持片の高さを調節するネジ部
とを備えている。支持脚の支持片上にパーティクルボー
ドからなる床下地パネルを高さ調節して載置固定し、こ
の床下地パネルの上面に、アクリル系樹脂水溶液に若干
の界面活性剤を添加した樹脂液を塗布して分離層を形成
した。この塗布により分離層が形成された床下地パネル
の上に、木質フロア材を釘打ちにより固定した。この木
質フロア材は、合板台板の表面に突き板を接着して、そ
の突き板表面を塗装により化粧仕上げしたものである。
そして、床下地パネル上の分離層の上面(表面)は、こ
の分離層上面と木質フロア材下面(裏面)側の合板面と
の間の静的摩擦係数が0.4以下になるように滑り層に
形成した。以上のようにして構成された二重床構造につ
いて床鳴りを調べたところ、歩行時の荷重がかかって
も、木質材料同士の摩擦による摩擦音が発生せず、不快
な床鳴りを防止できることが確認された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、床下地面に立設固定された複数の支持脚の上部
間に木質材料からなる床下地パネルを掛け渡して載置固
定し、この床下地パネル上に木質仕上げ層を固定した二
重床構造に対し、床下地パネルと木質仕上げ層との間に
両者の木質材料同士の非接触状態を保つ分離層を設けた
ことにより、床下地パネルと木質仕上げ層との木質材料
同士の直接接触をなくして、歩行荷重等による摩擦音の
発生の低減を図ることができる。
【0037】請求項2の発明では、木質仕上げ層は、木
質材料からなる捨て張り材とその上に配置された仕上げ
材とで構成した。また、請求項3の発明では、木質仕上
げ層は木質フロア材とした。従って、これらの発明によ
ると、摩擦音の発生低減効果が有効に得られる二重床構
造の木質仕上げ層の具体化を図ることができる。
【0038】請求項4の発明では、分離層を、床下地パ
ネルの上面又は木質仕上げ層の下面の少なくとも一方に
塗布された塗材によって形成するようにした。また、請
求項5の発明では、分離層は、床下地パネルの上面又は
木質仕上げ層の下面の少なくとも一方に接着されたシー
ト材によって形成するようにした。従って、これらの発
明によれば、二重床構造の施工性の向上を図ることがで
きるとともに、分離層を床下地パネル側のみに設けたと
きには木質仕上げ層の選択自由度を高めることができ
る。また、塗布による場合は、分離槽の形成プロセスも
簡易であり、さらに、床下地パネルの上面及び木質仕上
げ層の下面の両方に分離層を形成しておくと、その効果
を一層確実にすることができる。
【0039】請求項6の発明によると、分離層を、床下
地パネルと木質仕上げ層との間に両者と非接着状態で介
装されたシート材によって形成するようにしたことによ
り、施工現場での簡単な操作で分離層を形成でき、二重
床構造の施工性の向上を図ることができる。
【0040】請求項7の発明によると、分離層表面をそ
の表面と相手材との間の静的摩擦係数が0.4以下の滑
り易い層に形成したことにより、床下地パネルと木質仕
上げ層との間のずれ変形の発生時やその復元時にそのず
れや戻りを円滑に行わせることができ、この円滑効果と
床下地パネル及び木質仕上げ層間の非接触効果との相乗
効果によって摩擦音の発生の低減をより一層有効に図る
ことができる。
【0041】請求項8の発明によると、分離層表面をそ
の表面と相手材との間の静的摩擦係数が0.6以上の滑
り難い層に形成したことにより、床下地パネルと木質仕
上げ層との間のずれ変形の発生時やその復元時にそのず
れや戻りに抵抗を与えることができ、この抵抗効果と床
下地パネル及び木質仕上げ層間の非接触効果との相乗効
果によって摩擦音の発生の低減をより一層有効に図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の二重床構造を示す正面図
である。
【図2】分離層を分散して配置する場合の配置構造を示
す平面図である。
【図3】実施形態2の二重床構造を示す図1相当図であ
る。
【図4】従来の二重床構造を示す正面図である。
【図5】従来の他の二重床構造を示す図4相当図であ
る。
【符号の説明】
1 床下地面 2 支持脚 4 床下地パネル 5 木質フロア材 6,6′ 木質仕上げ層 7 捨て張り材 8 仕上げ材 10 分離層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床スラブ等の床下地面に複数の支持脚が
    立設固定され、該支持脚の上部に木質材料からなる床下
    地パネルが複数の支持脚間に亘って載置固定され、該床
    下地パネル上に木質仕上げ層が固定されてなる二重床構
    造において、 上記床下地パネルと木質仕上げ層との間に、両者を木質
    材料同士の非接触状態とする分離層が設けられているこ
    とを特徴とする二重床構造。
  2. 【請求項2】 木質仕上げ層が、合板等の木質材料から
    なる捨て張り材と、該捨て張り材上に配置された仕上げ
    材とで構成されていることを特徴とする請求項1の二重
    床構造。
  3. 【請求項3】 木質仕上げ層が木質フロア材であること
    を特徴とする請求項1の二重床構造。
  4. 【請求項4】 分離層が、床下地パネルの上面又は木質
    仕上げ層の下面の少なくとも一方に塗布された塗材によ
    って形成されていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかの二重床構造。
  5. 【請求項5】 分離層が、床下地パネルの上面又は木質
    仕上げ層の下面の少なくとも一方に接着されたシート材
    によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかの二重床構造。
  6. 【請求項6】 分離層が、床下地パネルと木質仕上げ層
    との間に両者と非接着状態で介装されたシート材によっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかの二重床構造。
  7. 【請求項7】 分離層の表面は、その表面に接触する相
    手材との間の静的摩擦係数が0.4以下の滑り易い層に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの二重床構造。
  8. 【請求項8】 分離層の表面は、その表面に接触する相
    手材との間の静的摩擦係数が0.6以上の滑り難い層に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの二重床構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009270372A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Daiken Corp 二重床構造

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