JPH11131097A - 脂肪酸石鹸及び洗浄剤組成物 - Google Patents
脂肪酸石鹸及び洗浄剤組成物Info
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Abstract
優れ、皮膚に対する刺激性が少ない脂肪酸石鹸を提供す
ることにある。 【解決手段】 本発明の脂肪酸石鹸は、脂肪酸1モルに
対して、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシ
アルキル)エチレンジアミン0.7〜1.2モルを含有し
てなる、脂肪酸のN,N,N’,N’−テトラキス(ヒ
ドロキシアルキル)エチレンジアミン塩よりなることを
特徴とする。
Description
の具体的用途に関する。
い界面活性剤が好まれている。皮膚に対して刺激の少な
いいわゆる低刺激性界面活性剤の中でも、アニオン性界
面活性剤としては長鎖脂肪酸の誘導体である長鎖アシル
系のアニオン性界面活性剤、例えばアシル化ペプチド、
アシル化アミノ酸、アシル化イセチオネートの他、脂肪
酸石鹸が挙げられる。脂肪酸石鹸の対イオンとしてはア
ルカリ金属であるナトリウムが一般的である。
Hが高くなる傾向があるために皮膚に対する刺激が強い
という欠点がある。又、融点が高くなるだけでなく、水
に対する溶解性が低いという欠点もある。同じ脂肪酸ア
ルカリ金属塩の中でも脂肪酸カリウム塩は溶解度こそ高
いが、やはり水溶液のpHが高くなり皮膚に対する刺激
についてはナトリウム塩と大差がない。又、脂肪酸アル
カリ金属塩はその性状がおおむね固体か、粘度の非常に
高いペースト状物質で、工業的には配合工程の取り扱い
が難しく好まれていない。
に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカ
ノールアミンが対イオンとして使用される場合がある。
これらのアルカノールアミンは、アルカリ金属であるナ
トリウムやカリウムに比べて水溶液のpHが高くなく、
水に対する溶解性もアルカリ金属より優れる場合があ
る。
アルカノールアミンであっても、例えば、モノアルカノ
ールアミンはやはり水溶液のpHが高く、ジアルカノー
ルアミンは時間の経過と共に発癌性物質であるニトロソ
アミンを生成し、人体に対する悪影響が懸念され、トリ
エタノールアミンは溶解安定性に問題がある等、それぞ
れ問題点が指摘されている。従って、本発明の目的は、
配合時のハンドリング性に優れ、皮膚に対する刺激性が
少ない脂肪酸石鹸を提供することにある。
1モルに対して、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒ
ドロキシアルキル)エチレンジアミン0.7〜1.2モル
を含有してなる、脂肪酸のN,N,N’,N’−テトラ
キス(ヒドロキシアルキル)エチレンジアミン塩よりな
る脂肪酸石鹸である。又、本発明は上記脂肪酸石鹸を含
む洗浄剤組成物である。
N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアルキ
ル)エチレンジアミン塩である。脂肪酸としては例え
ば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ゾーマ
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレ
ン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、リシノレイン酸、ヒド
ロキシステアリン酸等が挙げられる。又、天然油脂から
得られた混合脂肪酸又はその硬化脂肪酸でもよい。天然
油脂としては例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ
油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、
ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シナアット油、シ
ナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタ
ネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、
綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性油脂、馬
脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳
脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。これらの
中でも、炭素数8〜22の脂肪酸又は炭素数8〜22を
含む天然油脂由来の脂肪酸は、得られる脂肪酸石鹸を洗
浄剤として使用した時の洗浄性等が優れているために好
ましい。
キシアルキル)エチレンジアミンとしては例えば、N,
N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)エチ
レンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−
ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシブチル)エチ
レンジアミン等が挙げられる。
N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアルキ
ル)エチレンジアミン塩は、上記脂肪酸1モルに対して
上記N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアル
キル)エチレンジアミンを0.7〜1.2モル配合したも
のである。該配合量が0.7モル未満であると、脂肪酸
石鹸のアニオン性が弱く、起泡力や水溶性等が劣るため
に好ましくない。又、1.2モルを超えると起泡力や水
溶性は悪くないがアルカリ性が増すために、洗浄剤とし
て使用した時の使用感が劣り、皮膚刺激性が強くなるた
めに好ましくない。
た脂肪酸石鹸に比べて、性状が液状であるか、柔らかい
ペースト状であるため、ナトリウム石鹸等の固形の石鹸
に比べて配合時のハンドリング性に優れている。又、従
来提案されていたアルカノールアミン系石鹸に比べて皮
膚刺激性が弱く、水溶性や起泡力(特に、硬水中での起
泡力)にも優れているために皮膚用洗浄剤組成物として
使用するのに好適な石鹸である。
て使用するのに適しており、特に皮膚刺激性が弱いため
に、人体に触れるような洗浄剤、例えば、台所用洗浄
剤、シャンプー等の他、手指用洗浄剤組成物やフェイス
クレンジング、ボディシャンプー等の皮膚用洗浄剤組成
物として利用価値が高いものである。
使用する場合は、脂肪酸アルカノールアミドと併用する
ことが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては例
えば、上記に挙げたような脂肪酸と、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、
ジプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミ
ン、N−エチルモノエタオールアミンとのアミドや、こ
のようなアミドのアルキレンオキサイド付加物が挙げら
れる。具体的には、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラ
ウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノー
ルアミドのエチレンオキサイド1〜5モル付加物、ラウ
リン酸N−メチルエタノールアミドのエチレンオキサイ
ド1〜5モル付加物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、
ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノ
ールアミドのエチレンオキサイド1〜5モル付加物、ヤ
シ脂肪酸N−メチルエタノールアミドのエチレンオキサ
イド1〜5モル付加物等が挙げられる。尚、本発明の洗
浄剤組成物に脂肪酸アルカノールアミドを併用する場
合、その配合量は洗浄剤全量に対して好ましくは5〜5
0重量%程度、より好ましくは10〜20重量%程度で
ある。該配合量が5重量%未満では、十分な効果を発揮
できない場合がある一方、50重量%を超える量を配合
することは、それ以上の効果が期待できない場合がある
ために意義が薄い。
組成物として使用する場合は、蛋白質加水分解誘導体と
併用することが好ましい。蛋白質加水分解誘導体とは、
蛋白質を加水分解したものか、これを原料とした誘導体
である。蛋白質としては例えば、まゆ、まゆ屑、生糸、
生糸屑等に由来するシルク、骨、軟骨、腱、筋膜、皮
膚、魚鱗等に由来するコラーゲン、コラーゲンから誘導
されるゼラチン、獣毛、毛髪、羽毛、爪、角、蹄、鱗等
に由来するケラチン、絹フィブロイン、牛乳、やぎ乳、
人乳等に由来するカゼイン、アルブミン、グロブリン、
植物性蛋白質等が挙げられる。植物性蛋白質としては、
米、コメヌカ、小麦、はと麦、ライ麦、大麦、燕麦、ト
ウモロコシ、大豆、アーモンド、ナッツ、ごま、落花
生、そば、わかめ、あまのり、いわのり、かわのり、ま
つも等が挙げられる。中でも、コラーゲン、ケラチン、
シルク、カゼイン、大豆蛋白、小麦蛋白、とうもろこし
蛋白等は工業的にも利用しやすいので好ましい。
質を加水分解したペプチド、加水分解ペプチドを脂肪酸
ハライド等でアシル化したアシル化ペプチド類、加水分
解ペプチドをグリシジルアンモニウムクロライドでアミ
ノ化した後4級化したカチオン性ペプチド類、加水分解
ペプチドをシリル化したシリル化ペプチド類等が挙げら
れる。尚、本発明の洗浄剤組成物に蛋白質加水分解誘導
体を配合する場合、その配合量は組成物全量に対して好
ましくは5〜50重量%程度、より好ましくは10〜2
0重量%程度である。該配合量が5重量%未満である
と、十分な効果を発揮できない場合がある一方、50重
量%を超える量を配合することは、それ以上の効果が期
待できないために意義が薄い。
任意成分として、アルコールエトキシレート、フェノー
ルエトキシレート、アルキルポリグリコシド等の非イオ
ン界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、α―
オレフィンスルホネート、アシル化イセチオネート、ア
シル化アミノ酸等のアニオン界面活性剤;カチオン界面
活性剤;カルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリ
ニウムベタイン等の両性界面活性剤;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、エタノー
ル、パラトルエンスルホン酸等のハイドロトロープ剤;
エチレンジアミン4酢酸塩(EDTA)、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ニトリ
ロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢
酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸又
はこれらの塩等のアミノカルボン酸類、クエン酸、グル
コン酸、グリコール酸、酒石酸又はこれらの塩等のオキ
シカルボン酸類等の金属イオン封鎖剤;硫酸マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム(芒硝)、炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリ
ウム等のアルカリビルダー;水酸化ナトリウム、香料、
色素等を含有することができる。尚、上述のような任意
成分を配合する場合、それらの配合量は組成物全量に対
して好ましくは50重量%以下である。
明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載がな
い限り重量基準である。まず、本発明の脂肪酸石鹸の性
状、起泡性、水溶性、使用感を測定した。 <起泡性>ロスマイルス試験より泡の高さを測定した。
測定温度は40℃、脂肪酸石鹸の添加量は0.5%であ
り、純水及びカルシウムを炭酸カルシウム換算で50p
pm含む人工硬水について測定した。
肪酸石鹸を0.5%添加し、液の状態を目視で観察し
た。人工硬水は起泡性試験で使用したものと同一であ
る。結果は以下の基準で判定した。 ◎:完全に透明 ○:可溶化状態 △:曇りあり ×:
白濁
20%水溶液を使用してモニター20名に洗顔してもら
い、アンケート形式、4点法で比較した。 (刺激性) ◎:全く刺激なし ○:ほとんど感じない △:感じる
×:かなり感じる
×:かなり感じる
−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジア
ミンである。尚、比較例2では、化合物1に代えて水酸
化ナトリウムを使用した。
びその他の成分1.8部を水に配合した洗浄剤の低温流
動性、刺激性及び肌の突っ張り感を評価した。刺激性及
び肌の突っ張り感については上記の試験と同様の試験方
法を採用した。 <低温流動性>−5℃の恒温槽で24時間放置した後の
流動性を測定した。
アミドであり、ペプチドはコラーゲン加水分解ペプチド
である。尚、比較例4では化合物1に代えて水酸化ナト
リウムを使用した。
ハンドリング性等に優れた脂肪酸石鹸を提供したことに
ある。本発明の脂肪酸石鹸を含む洗浄剤は、上記のよう
な特有の効果を有するので、皮膚用洗浄剤として使用す
るのに好適である。
Claims (5)
- 【請求項1】 脂肪酸1モルに対して、N,N,N’,
N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)エチレンジア
ミン0.7〜1.2モルを含有してなる、脂肪酸のN,
N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)エ
チレンジアミン塩よりなる脂肪酸石鹸。 - 【請求項2】 水に、請求項1記載の脂肪酸石鹸を配合
した洗浄剤組成物。 - 【請求項3】 更に、脂肪酸アルカノールアミドを含有
する請求項2記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項4】 更に、蛋白質加水分解誘導体を含有する
請求項2記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項5】 請求項2乃至4の何れか1項記載の洗浄
剤組成物からなる皮膚用洗浄剤組成物。
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---|---|---|---|
JP29458497A JP3947606B2 (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | 脂肪酸石鹸及び洗浄剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH11131097A true JPH11131097A (ja) | 1999-05-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1997
- 1997-10-27 JP JP29458497A patent/JP3947606B2/ja not_active Expired - Lifetime
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