JPH11124736A - 吸放湿性ポリアミド複合繊維 - Google Patents

吸放湿性ポリアミド複合繊維

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JPH11124736A
JPH11124736A JP28946397A JP28946397A JPH11124736A JP H11124736 A JPH11124736 A JP H11124736A JP 28946397 A JP28946397 A JP 28946397A JP 28946397 A JP28946397 A JP 28946397A JP H11124736 A JPH11124736 A JP H11124736A
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JP
Japan
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moisture
absorbing
component
rate
desorbing
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JP28946397A
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English (en)
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Mitsuhiro Unno
光宏 海野
Yoshiaki Kijima
由明 來島
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸放湿性を有し、かつ、放湿速度が吸
湿速度とほぼ同等か吸湿速度より高い吸放湿性ポリアミ
ド複合繊維を提供する。 【解決手段】 非水溶性ポリアルキレンオキシド系変性
物とポリアミドとの混合物からなるA成分とポリアミド
からなるB成分とで構成された吸放湿性複合繊維であっ
て、放湿速度VMDSと吸湿速度VMASとの比が0.
9以上であることを特徴とする吸放湿性ポリアミド複合
繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放湿速度が吸湿速
度とほぼ同等か、又は吸湿速度よりも高い吸放湿性ポリ
アミド複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維は、木綿等の天然繊維に比べ
て、強力、耐摩耗性、寸法安定性、速乾性等の点で優れ
ており、衣料用素材として広く使用されている。しかし
ながら、合成繊維は、天然繊維の有する優れた吸放湿性
を有しておらず、着用時の発汗により、ムレ、ベタツキ
等が生じ、天然繊維よりも快適性の点で劣っている。
【0003】このため、従来より合成繊維に吸放湿性や
吸水性を付与する試みが種々なされている。例えば、吸
湿成分としてポリエーテルエステルアミドを用い、△M
Rが2.5%以上あるいは1.5%以上の値を有する吸
湿性繊維が特開平9-41204号公報、特開平9-41221号公
報などに開示されている。△MRは、30℃、90%RHの
雰囲気下で24時間放置したときの水分率と、20℃、65%
RHの雰囲気下で24時間放置したときの水分率との差を
吸放湿係数として定義付けたものである。
【0004】しかしながら、△MRは、異なる温湿度条
件下で24時間放置したときの各々の水分率から算出した
値であり、吸湿速度や放湿速度については一切示唆され
ていない。さらに、放湿速度が吸湿速度とほぼ同等か、
又は吸湿速度よりも高い吸放湿性繊維についてはこれま
でに提案されていない。また、天然繊維においても、放
湿速度は吸湿速度に比べて小さいものばかりである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、優れた吸放湿性を有し、かつ、放湿速度が吸
湿速度とほぼ同等、あるいは吸湿速度よりも高い吸放湿
性ポリアミド複合繊維を提供することを技術的な課題と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、非水溶性ポリアルキレンオキ
シド系変性物とポリアミドとの混合物からなるA成分と
ポリアミドからなるB成分とで構成された吸放湿性複合
繊維であって、下記式で規定した放湿速度VMDSと吸
湿速度VMASとの比が0.9以上であることを特徴と
する吸放湿性ポリアミド複合繊維を要旨とするものであ
る。 VMDS/VMAS ≧0.9 吸湿速度VMAS(%/30分)=MAS30−MAS0 放湿速度VMDS(%/30分)=MDS0 −MDS30 ただし、 MAS0 :25℃、60%RHで24時間放置したときの試料
の水分率 MAS30:上記試料を34℃、90%RHの環境下に置いて
から30分後の水分率 MDS0 :34℃、90%RHで24時間放置したときの試料
の水分率 MDS30:上記試料を25℃、60%RHの環境下に置いて
から30分後の水分率
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明の吸放湿性ポリアミド複合繊維は、
非水溶性ポリアルキレンオキシド系変性物とポリアミド
との混合物からなるA成分と、ポリアミドからなるB成
分とで構成された複合繊維である。非水溶性ポリアルキ
レンオキシド系変性物とは、高分子量のポリアルキレン
オキシド又はこれとジオール類とをイソシアネート等の
反応性化合物で分岐型あるいは軽度の架橋型に変性した
熱可塑性の吸放湿性樹脂を意味する。このような吸放湿
性樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキシド系変性
物があり、住友精化社より「アクアコーク」の商品名で
市販されているものがある。
【0009】A、B両成分の複合の形態としては、芯鞘
型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型などどの
ような形態でもよいが、吸湿時の手触り感などからみる
と、A成分が芯、B成分が鞘に配された芯鞘型複合繊維
とすることが好ましい。
【0010】本発明において、特に重要なのは、複合繊
維の有する吸放湿性の吸湿速度VMASと放湿速度VM
DSとの関係であり、放湿速度と吸湿速度の比が0.9
以上であるということである。すなわち、VMASは25
℃、60%RHの環境から34℃、90%RHの環境へと移っ
た場合、繊維の水分率が30分間でどの程度増加するの
か、また、VMDSは34℃、90%RHの環境から25℃、
60%RHの環境へと移った場合、繊維の水分率が30分間
でどの程度減少するのかを示すものである。
【0011】本発明の複合繊維は、前述したように放湿
速度と吸湿速度の比が0.9以上であることが必要であ
り、これにより、繊維が吸湿した後、迅速に放湿するの
で、短時間で着用快適感が得られるようになる。本発明
の複合繊維からなる衣服を着用した場合、繊維は体表面
から発する水蒸気を吸湿し、そして迅速に衣服外部へと
放湿する。さらに、放湿速度が速いため、繊維内部の水
分率が吸湿によって限界に達する前に繊維は放湿し、再
び繊維の水分率が低下して吸湿するようになる。したが
って、着用者は長時間にわたって快適感を味わうことが
できるが、特に、この比が1.0以上であれば、着用快
適感の持続時間を一層長くすることが可能となる。
【0012】これに対し、木綿などの天然繊維では放湿
速度が吸湿速度に比べて遅いため、繊維がある程度吸湿
すると、それ以上に繊維の水分率が増加することはな
く、したがって、快適感が長く持続することもない。こ
のように、放湿速度が吸湿速度とほぼ同等か吸湿速度よ
り高いことは極めて重要なことであるが、従来このよう
な特性を有する繊維は合成繊維、天然繊維を問わずなか
った。
【0013】次に、放湿速度が吸湿速度とほぼ同等か吸
湿速度より高いといえども、吸湿速度が遅いと、高温高
湿の環境へと移動したとき、あるいは発汗したとき、着
用時の快適感は得られにくいものとなる。この点から、
吸湿速度VMASは 1.5%/30分以上、特に 2.0%/30
分以上であることが好ましい。
【0014】本発明の複合繊維は、以上に説明したよう
な従来にない特性を有するが、この特性を有するために
は、繊維中におけるポリアルキレンオキシド系変性物の
含有量が重要となるが、次に、ポリアルキレンオキシド
系変性物とナイロン6との混合物であるA成分を芯に、
ナイロン6からなるB成分を鞘に配した複合繊維の場合
について説明する。
【0015】A成分におけるポリアルキレンオキシド系
変性物の含有量は5〜40重量%であることが好ましく、
A成分とB成分との重量比は、A成分/B成分=70/30
〜30/70の範囲が好ましい。これらの範囲を超えると、
吸湿速度及び/又は放湿速度が低下するか、複合繊維全
体に占めるポリアルキレンオキシド系変性物の含有量が
多くなりすぎて紡糸操業性が不安定となり、糸切れが多
発するか、あるいは、繊度斑が発生して品質が不安定と
なるので好ましくない。
【0016】また、上記の範囲から、繊維全体に占める
ポリアルキレンオキシド系変性物の含有量は 1.5〜28重
量%が好ましいことになるが、A成分中のポリアルキレ
ンオキシド系変性物含有量とA成分/B成分の重量比が
適正でない場合は、たとえ繊維中のポリアルキレンオキ
シド系変性物含有量が上記範囲内にあったとしても、放
湿速度は吸湿速度よりも小さくなるので本発明の目的を
達成することができない。
【0017】次に、本発明で用いるポリアミドは、特に
限定されるものではないが、例えば、ナイロン4、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、
ナイロン12、ナイロンMXD6(ポリメタキシリレン
アジパミド)、ナイロンPACM12(ポリビスシクロ
ヘキシルメタンデカナミド)等のホモポリマー及びこれ
らを主体とする共重合体もしくは混合物が好ましく用い
られる。特に、コストや取り扱い性の面から、ナイロン
6やナイロン66が好ましい。また、A成分とB成分に
用いるポリアミドは、異なっていてもよく、少なくとも
一方に酸化防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤などの添加
剤を添加してもよい。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、特性値等の測定、評価法は、次のとおりであ
る。 (1) 相対粘度ηr 96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で
測定する。 (2) 吸湿速度VMASと放湿速度VMDS 筒編地状の試料を、温度 105℃で2時間乾燥して重量W
0 を測定し、その後、温度25℃、相対湿度60%の条件下
で24時間放置して試料の重量W1 を測定する。次に、こ
の試料を温度34℃、相対湿度90%の条件下に放置し、30
分後の試料の重量W2 を測定する。W2 測定後、さら
に、同じ条件下に24時間放置し、試料の重量W3 を測定
する。次いで、温度25℃、相対湿度60%の条件下に放置
し、30分後の試料の重量W4 を測定する。これらの測定
値から、下記式により、MAS0 、MAS30、MD
0 、MDS30を求める。 MAS0 (%)=〔(W1 −W0 )/W0 〕×100 MAS30(%)=〔(W2 −W0 )/W0 〕×100 MDS0 (%)=〔(W3 −W0 )/W0 〕×100 MDS30(%)=〔(W4 −W0 )/W0 〕×100 さらに、下記式より吸湿速度VMASおよび放湿速度V
MDSを算出する。 吸湿速度VMAS(%/30分)=MAS30−MAS0 放湿速度VMDS(%/30分)=MDS0 −MDS30 (3) 耐黄変性△TW 溶融紡糸による繊維製造から24時間以内の繊維を筒編地
状の試料とし、マクベス社製色差計color−eye
3100を用い、視野2度、D65光源で観察される
Y、Zにより、次式でTaube白度(TW1)を算出す
る。 W1 =3.74Z−3Y 同様にして、繊維製造から30日後の繊維を筒編地の試料
とし、Taube白度(TW2)を算出し、下記式により
△TWを求めた。 △TW=TW1 −TW2 なお、△TWの値が高いほど白度が低下した、すなわち
黄変したことを示す。
【0019】実施例1〜2、比較例1〜2 相対粘度が2.6 のナイロン6と住友精化社製「アクアコ
ーク」との混合物を芯成分とし、相対粘度が2.6 のナイ
ロン6を鞘成分として芯鞘型複合繊維を紡糸速度3600m
/分で溶融紡糸し、次いで延伸することにより50d/24
fのポリアミド複合繊維を得た。このときの芯、鞘成分
の組成及び得られた複合繊維の評価結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例1〜2で
得られた複合繊維は、放湿速度が吸湿速度よりも高く、
かつ、吸湿速度も高いものであった。一方、比較例1
は、A成分中のアクアコーク含有量とA成分/B成分の
重量比のバランスが適正でないため、得られた複合繊維
は放湿速度が吸湿速度に比べて小さく、吸湿速度自体も
低いものであった。次に、比較例2は、アクアコークを
用いず、A成分、B成分共にナイロン6のみを用いて得
られた繊維であるため、比較例1よりもさらに放湿速度
や吸湿速度が劣るものであった。また、実施例1〜2で
得られた繊維の耐黄変性は、アクアコークを含有しない
比較例2で得られた繊維や通常のナイロン6繊維と同程
度であり、問題はなかった。
【0022】参考例 市販の綿糸、ウール、シルクを用い、放湿速度と吸湿速
度との比VMDS/VMASを求めた結果、それぞれ0.
79、0.84、0.88であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、放湿速度が吸湿速度と
ほぼ同等か吸湿速度より高いという従来にない吸放湿特
性を有するため、合成繊維でありながら天然繊維と同等
以上の快適性が得られる吸放湿性ポリアミド複合繊維が
提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶性ポリアルキレンオキシド系変性
    物とポリアミドとの混合物からなるA成分とポリアミド
    からなるB成分とで構成された吸放湿性複合繊維であっ
    て、下記式で規定した放湿速度VMDSと吸湿速度VM
    ASとの比が0.9以上であることを特徴とする吸放湿
    性ポリアミド複合繊維。 VMDS/VMAS ≧0.9 吸湿速度VMAS(%/30分)=MAS30−MAS0 放湿速度VMDS(%/30分)=MDS0 −MDS30 ただし、 MAS0 :25℃、60%RHで24時間放置したときの試料
    の水分率 MAS30:上記試料を34℃、90%RHの環境下に置いて
    から30分後の水分率 MDS0 :34℃、90%RHで24時間放置したときの試料
    の水分率 MDS30:上記試料を25℃、60%RHの環境下に置いて
    から30分後の水分率
  2. 【請求項2】 吸湿速度が1.5%/30分以上である請
    求項記載1記載の吸放湿性ポリアミド複合繊維。
  3. 【請求項3】 放湿速度が吸湿速度の1.0倍以上であ
    る請求項1又は2記載の吸放湿性ポリアミド複合繊維。
  4. 【請求項4】 A成分が芯、B成分が鞘に配された芯鞘
    型複合繊維であって、A成分における非水溶性ポリアル
    キレンオキシド系変性物の含有量が5〜40重量%、A成
    分/B成分の重量比が30/70〜70/30である請求項1〜
    3のいずれかに記載の吸放湿性ポリアミド複合繊維。
JP28946397A 1997-10-22 1997-10-22 吸放湿性ポリアミド複合繊維 Pending JPH11124736A (ja)

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