JP6109031B2 - デニム調織物 - Google Patents
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Description
(1)目付
織物地から25cm×25cmの試験片を採取し、平衡水準率以下となるまで充分に乾燥した後、20℃×65%RHの室内に24時間放置し、水準平衡とした後に、その試験片の質量を測定した。得られた試験片の質量を1m2あたりに換算し、試験片2枚についての平均値で目付を表した。
JIS L1907に規定される滴下法にて評価した。詳細には、保持枠に取り付けた試験片に水滴を滴下させ、水滴が試験片に到達してから、吸水により水の鏡面反射がなくなるまでの時間(秒)を測定し、その時間によって吸水性を評価した。
試料を温度105℃で2時間乾燥したうえで質量W0を測定した後、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿したうえで質量W1を測定し、下式(a)により初期水分率M0を求めた。次いでこの試料を温度34℃、相対湿度90%の条件下で24時間吸湿させた後、質量W2を測定し、吸湿後の水分率M1を下式(b)により算出した。そして、M1とM0との差を吸湿性(RMA)として下式(c)で算出した。
M1[%]={(W2−W0)/W0}×100 (b)
吸湿性(RMA)=M1−M0 (c)
上記の条件で吸湿させた後の試料を、温度25℃、相対湿度60%の条件で24時間放湿させた後、質量W3を測定し、放湿後の水分率M2を下式(d)により算出した。そして、M2とM1との差を放湿性(RMD)として下式(e)で算出した。
放湿性(RMD)=M1−M2 (e)
(4)接触涼感性
精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製、品名:THERMO RABO II)を用い、ΔT=20℃の条件での最大熱吸収速度(Qmax)[W/cm2]を測定し、その測定値によって接触涼感性を評価した。
JIS L 1096 伸長回復率 B法(定荷重法)および「伸長回復率及び残留ひずみ率」B−1法(定荷重法)に準じて測定した。その詳細は次のとおりである。
寸法変化が安定した状態となるように調整した試料から、経方向6cm緯方向30cmの試験片3枚を採取し、幅方向すなわち経方向の両端より等本数の糸を抜き取り、5cm幅の試験片とした。引張試験機を用い、この試験片の長さ方向すなわち緯方向の一端を上部クランプで固定し、目付(g/m2)の5%の重量に相当する荷重を初荷重としてかけた状態で、20cm間隔に一対の印を付けた。そして、無荷重に相当する初荷重の状態から静かに14.7Nの荷重を加え、1分間放置後の一対の印間の長さ(cm)を測り、次式によって伸長率(%)を求めた。3回求めた伸長率の平均値を算出し、小数点以下1桁に丸めて測定値とした。
ここに、EP:伸長率(%)、L0:もとの印間の長さ(20cm)、L1:14.7Nの荷重を加え1分間放置後の印間の長さ(cm)である。
試験片の調整、初荷重の付与、印付けは、伸長率の測定の場合と同じとした。次いで、静かに14.7Nの荷重を加え、1時間放置後の一対の印間の長さ(cm)を測った。次いで荷重を取り除き、30秒後に再度初荷重を加えて、再び印間の長さ(cm)を測り、次式によって伸長回復率(%)を求めた。3回求めた伸長回復率の平均値を算出し、小数点以下1桁に丸めて測定値とした。
ここに、Er:伸長回復率(%)、L0:もとの印間の長さ(20cm)、L1:14.7Nの荷重を加え1時間放置後の印間の長さ(cm)、L1a:荷重を取り除いて30秒後に初荷重を加えた時の印間の長さ(cm)である。
天秤の上に乗せたガラス板の中央部の上に0.6gの蒸留水を滴下した。これに10cm×10cmにカットした試験片をその裏面(肌面)に滴下蒸留水が接するように乗せた。その後、蒸留水を含んだ試験片の重量変化を測定し、残留水分率が10%に至るまでの時間(分)を測定し、その測定値を速乾性の指標とした。
デニム調織物において緯糸が配置された肌面側を手指によって触ることで官能検査を行い、下記の基準にもとづき判定した。
〇:織物の柔らかさ、織物表面のすべり性とも良好
△:織物の柔らかさ、織物表面のすべり性ともやや劣る
m−クレゾール溶媒中で濃度0.5g/L、20℃にて測定した相対粘度が2.6のナイロン6を85質量部と、ポリエチレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、ジシクロヘキシルメタン4,4ジイソシアネートの反応物であるポリアルキレンオキサイド変性物(1gの吸湿能35g)15質量部とをブレンドした混合物を芯成分とした。また、上記相対粘度が2.6のナイロン6を鞘成分とした。そして、芯成分/鞘成分の質量比を50/50として、芯鞘型複合紡糸・延伸を行い、仮撚数3400T/M、仮撚温度180℃、仮撚オーバーフィード率−5%で仮撚加工を施して、84dtex24f(単繊維繊度:3.5dtex)のポリアミド系芯鞘型吸放湿性長繊維の仮撚加工糸を得た。この仮撚加工糸すなわち吸放湿性繊維におけるポリアルキレンオキサイド変性物の含有率は、7.5%であった。
このデニム調の生地に対し、引き続き、定法にて仕上げ加工を施した。その後の仕上げ密度は、経100本/25.4mm(インチ)×緯84本/25.4mm(インチ)であった。こうして得られたデニム調織物は、素材混率が質量比で綿/ポリアミド系吸放湿性繊維/ポリウレタン=70/28/2、目付が241g/m2、緯伸長率が28.5%、緯回復率が80.4%、吸水性能が2.3秒、吸湿性能(RMA)が3.9、放湿性能(RMD)が3.6、接触涼感性(Qmax)が0.23W/cm2、残留水分率が10%に至るまでの時間は82分、風合いは「〇」であった。
実施例1と比べて、緯糸にポリアミド系芯鞘型吸放湿性長繊維仮撚加工糸84dtex24fを3本と、3.5倍にドラフトされたポリウレタン糸44dtex(東レオペロンテックス社製のライクラT−127C)とを混繊加工機で複合した複合混繊糸を使用する点を相違させた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、仕上げ密度が経98本/25.4mm(インチ)×緯80本/25.4mm(インチ)となる実施例2のストレッチデニムを得た。こうして得られたストレッチデニムは、素材混率が質量比で綿/ナイロン/ポリウレタン=65/32/3、目付が280g/m2、緯伸長率が29.5%、緯回復率が83.0%、吸水性能が2.3秒、吸湿性能(RMA)が4.2、放湿性能(RMD)が4.0、接触涼感性(Qmax)が0.24W/cm2、残留水分率が10%に至るまでの時間は88分、風合いは「○」であった。
実施例1と比べて、経糸に綿スラブ糸9/1を使用し、緯糸に綿CSY(商品名)20番手/1(芯部:ポリウレタン70d、鞘部:多数の綿繊維、撚りが掛けられたもの)を使用する点を相違させた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、仕上げ密度が経85本/25.4mm(インチ)×緯57本/25.4mm(インチ)となる比較例1の綿ストレッチデニムを得た。こうして得られた綿ストレッチデニムは、素材混率が質量比で綿/ポリウレタン=98/2、目付が414g/m2、緯伸長率が22.4%、緯回復率が64.3%、吸水性能が16秒、吸湿性能(RMA)が3.8、放湿性能(RMD)が3.4、接触涼感性(Qmax)が、0.19W/cm2、残留水分率が10%に至るまでの時間は113分、風合いは「△」であった。
実施例1と比べて、経糸に綿スラブ糸9/1を使用し、緯糸にフルダルポリエステル加工糸(167T144f)2本とポリウレタン糸44dtexとの複合混繊糸を使用する点を相違させた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、仕上げ密度が経89本/25.4mm(インチ)×緯54本/25.4mm(インチ)となる比較例2のストレッチデニムを得た。こうして得られたストレッチデニムは、素材混率が質量比で綿/ポリエステル/ポリウレタン=72/26/2、目付が320g/m2、緯伸長率が23.7%、緯回復率が86.0%、吸水性能が12秒、吸湿性能(RMA)が2.8、放湿性能(RMD)が2.6、接触涼感性(Qmax)が0.16W/cm2、残留水分率が10%に至るまでの時間は75分、風合いは「△」であった。
実施例1と比べて、経糸に綿スラブ糸9/1を使用し、緯糸に、ポリアミド系芯鞘型吸放湿性長繊維仮撚加工糸84dtex24fを3本と、3.5倍にドラフトされたポリウレタン糸44dtex(東レオペロンテックス社製のライクラT−127C)とを混繊加工機で複合した複合混繊糸を使用する点を相違させた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、仕上げ密度が経89本/25.4mm(インチ)×緯56本/25.4mm(インチ)となる比較例3のストレッチデニムを得た。こうして得られたストレッチデニムは、素材混率が質量比で綿/ナイロン/ポリウレタン=71/27/2、目付が305g/m2、緯伸長率が24.6%、緯回復率が87.0%、吸水性能が3.5秒、吸湿性能(RMA)が4.0、放湿性能(RMD)が3.9、接触涼感性(Qmax)が0.22W/cm2、残留水分率が10%に至るまでの時間は97分、風合いは「○」であった。
Claims (3)
- 経糸が綿番手8/1よりも細手の綿スラブ糸であり、緯糸がポリアミド系吸放湿性繊維を用いた捲縮加工糸とポリウレタン糸との複合糸であり、目付が300g/m2以下であることを特徴とするデニム調織物。
- ポリアミド系吸放湿性繊維が、ポリアルキレンオキサイドとポリオールと脂肪族ジイソシアネート化合物との反応によって得られたポリアルキレンオキサイド変性物とポリアミドとの混合物にて構成された芯成分と、ポリアミドにて構成された鞘成分とを有する芯鞘複合型吸放湿性繊維であることを特徴とする請求項1記載のデニム調織物。
- 残留水分率が10%に至るまでの時間が90分以内であり、緯方向の伸長回復率が75%以上であり、接触涼感性Qmax(ΔT=20)が0.2W/cm2以上であることを特徴とする請求項1または2記載のデニム調織物。
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