JP2003096648A - 快適性シャツ地 - Google Patents

快適性シャツ地

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JP2003096648A
JP2003096648A JP2001296679A JP2001296679A JP2003096648A JP 2003096648 A JP2003096648 A JP 2003096648A JP 2001296679 A JP2001296679 A JP 2001296679A JP 2001296679 A JP2001296679 A JP 2001296679A JP 2003096648 A JP2003096648 A JP 2003096648A
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moisture
fiber
absorbing
sheath
synthetic fiber
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Jun Tanaka
潤 田中
Kunio Akasaki
久仁夫 赤崎
Yasuhiro Fujimoto
靖弘 冨路本
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Unitika Fibers Ltd
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Unitika Fibers Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の吸水性、吸放湿性を備えた快適性シャ
ツ地を提供する。 【解決手段】 編地を構成する糸条の横断面が外周部に
凸部を一か所以上有し、扁平度が1.5〜5の範囲にあ
る扁平断面で2種以上の単糸繊度を有する異繊度混繊ポ
リエステル繊維を使用し、該編地にポリアルキレンオキ
サイドとポリオールおよび脂肪族ジイソシアネート化合
物との反応によって得られたポリアルキレンオキサイド
変性物または前記変性物とポリアミドからなる芯成分
と、ポリアミドからなる鞘成分で構成された芯鞘複合型
吸放湿性合成繊維を質量比率50%以下の割合で含み、
開口率が10%以上40%以下のメッシュ組織で編成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性、吸放湿性
に優れる合成繊維素材を用いたスポーツ用、特にランニ
ング用に好適なシャツ地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維は、木綿、麻、ウール等の天然
繊維に比べて、強力、耐摩耗性、寸法安定性、ウォッシ
ュアンドウェアー性、速乾性等の点で優れており、衣料
素材として広く使用されている。しかし、合成繊維は、
一般に天然繊維が有する優れた制電性、吸水性能、吸放
湿性能を有しておらず、冬場の着用時には静電気による
まとわりつきや埃の付着など、また夏場の着用時には発
汗により、ムレ・ベタツキ等が生じ、天然繊維よりも快
適性の面で劣っていた。
【0003】これらの問題を解決すべく、従来から合成
繊維に吸水性、吸放湿性を付与する試みがなされてい
る。例えば、後加工によってナイロン繊維、ポリエステ
ル繊維に上記機能を付与する方法として、ラジカル開始
剤や電子線を用いてビニルカルボン酸をグラフト重合す
る方法(特開平4−146271号公報、特開平4−2
72272号公報)が知られているが、この方法では加
工処理による繊維の強力低下や風合いの硬化、効果の耐
久性不足といった種々の問題を有していた。また、原糸
の製造段階でポリアルキルキシレングリコールに配合し
た複合繊維(特開昭39−5214号公報)、繊維表面
から中空部まで貫通溝を有する繊維形成性ポリマーより
なる中空繊維(特開昭60−37203号公報)、有機
スルホン酸化合物を均一に分散させたポリエステル繊維
をアルカリ処理した微多孔性繊維(特開昭60−167
969号公報)等が提案されている。しかしこれらの繊
維はいずれも吸湿性のレベルが低く、また吸水性能、吸
放湿性能の両性能を同時に十分なレベルまで満たすもの
ではなかった。
【0004】これらの問題を解消すべく10%以上の吸
水性能を有する樹脂を芯部に、ポリエステル繊維を鞘部
として構成された芯鞘複合繊維(特開平2−99612
号公報)が提案されている。しかしながらこの繊維は、
原糸の製造段階で十分な吸水性と吸放湿性を有するもの
の染色加工時、特に減量加工時に繊維の鞘部が破損し、
芯成分である吸放湿性樹脂が溶出してしまい、初期の吸
水性と吸放湿性が損なわれるといった問題を有してい
た。このように合成繊維に十分な吸水性、吸放湿性を付
与することは難しく、まだ実用化された例は認められな
い。
【0005】そして従来、ランニング用等の運動時に着
用されるシャツには、軽量性、吸水拡散性、速乾性等の
機能を必要とするので、素材や組織及び後加工によりそ
れらの機能が付与されてきた。人体の体温調節機構に
は、運動時に発生する熱量を発汗することによって、汗
が蒸発するときに奪う気化熱で体温上昇を抑える働きが
あり、この発生する汗をどのように処理するかにより着
用時の快適性が大きく左右される。そのためメッシュ等
の通気性の良好な素材によって外気を積極的に取り込
み、着用時の快適性を向上させてきたが、運動時に着用
されるシャツは走行中の風圧によって汗に濡れた前身頃
が、腹部から胸部にかけて肌面に密着し、気化熱により
絶えず腹部や胸部を冷却し続けるため腹痛を起こした
り、胸部を冷やし過ぎ心臓に負担をかけるなど、著しい
運動能力の低下を招く原因となっていた。そこでこのよ
うな問題を解決すべく、実開昭63−33923号に開
示されているように通気性を有する素材により構成され
たシャツ本体に通気性の少ない布で前面腹部を被覆し、
冷えを防止したものがある。しかし、通気性を抑えただ
けであるため前面腹部で発汗された汗がシャツ本体内に
滞留しムレ感が高まり、着用者に不快感を与える。ま
た、吸湿性の良好な天然繊維を用いたシャツ地は速乾性
に劣り、運動終了後も濡れたまま肌面を冷却し続け、着
用者に不快感を与え続けるため、速乾性に優れる合成繊
維を用いることが一般的である。しかし、合成繊維は吸
水拡散性、速乾性ともに満たすことができるが天然繊維
の持つ吸放湿性が全くといって良いほどなく、合成繊維
特有のムレ感を解消することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする手段】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたものであり、高度の吸水性、吸放
湿性を備えた快適性シャツ地を提供することを技術的課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであり、編地を構成する糸条が、吸放湿性合
成繊維と、横断面が外周部に凸部を一か所以上有してい
る扁平断面であり、かつ2種以上の単糸繊度が異なるフ
ィラメントからなる異繊度混繊ポリエステル繊維とであ
って、該編地に占める吸放湿性合成繊維の割合が50%
以下であり、開口率が10%以上40%以下のメッシュ
組織で編成されていることを特徴とする快適性シャツ、
及び吸放湿性合成繊維がポリアルキレンオキサイドとポ
リオールおよび脂肪族ジイソシアネート化合物との反応
によって得られたポリアルキレンオキサイド変性物また
は前記変性物とポリアミドからなる芯成分と、ポリアミ
ドからなる鞘成分で構成された芯鞘複合型吸放湿性合成
繊維である上記の快適性シャツ地を要旨とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、編地を構成する繊維は、吸放湿
性合成繊維と、横断面が外周部に凸部を一か所以上有す
る扁平形状で少なくとも2種以上の単糸繊度の異なるフ
ィラメントが混繊されている異繊度混繊ポリエステル繊
維である。
【0009】図1に異繊度混繊ポリエステル繊維の横断
面の例を示しており、図1の(イ)(ロ)(ニ)は、い
ずれも凸部を1か所有する扁平断面形状の例を示し、
(ハ)は凸部を2か所有する扁平断面形状の例を示して
いる。このような図1の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示
す断面形状の繊維は、それぞれ図2の(イ)(ロ)
(ハ)(ニ)に示す形状の孔を有する紡糸口金を用いて
紡糸することができる。異繊度混繊ポリエステル繊維
は、これらの断面形状の混在するものであってもよい。
【0010】本発明において扁平断面形状の扁平度は、
繊維横断面の長軸方向の長さを繊維横断面の短軸方向の
長さで除した値で表す。本発明において表面に用いる繊
維の横断面の扁平度は1.5〜5の範囲にあるのが好ま
しい。この扁平度が1.5未満であると、繊維の有効な
配向性が得られにくく、また扁平度が5を超えると、横
断面形状が不安定となり好ましくない。
【0011】本発明において、異繊度混繊ポリエステル
繊維は、少なくとも2種以上の単糸繊度の異なるフィラ
メントが混繊されていることが必要であり、単糸繊度は
0.5〜5dtexの範囲にあることが好ましい。フィ
ラメントの繊度差は1.5dtex以上あるのが好まし
い。
【0012】このように、扁平断面形状の外周部に1か
所以上の凸部を存在せしめ、しかも2種以上の単糸繊度
を設けることにによって、繊維間に微細な空隙を設ける
ことができるようになり、この繊維間空隙によって毛細
管路が形成されて、毛細管現象により吸水性、導水性の
効果が得られるようになる。
【0013】本発明において、異繊度混繊ポリエステル
繊維を構成するポリエステルとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート単位に第3
成分を共重合されたポリエステル、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート等のポリエス
テルが挙げられる。
【0014】本発明では、編地を構成する今一つの糸条
として吸放湿性合成繊維を用いる。本発明でいう吸放湿
性合成繊維とは、高度な吸放湿性を有する合成繊維であ
って、例えば、25℃×60%RHの雰囲気から34℃
×90%RHの雰囲気の移した時の吸湿率の増加が3%
以上であり、逆に34℃×90%RHの雰囲気から25
℃×60%RHの雰囲気の移した時の吸湿率の減少、す
なわち放湿率が3%以上であるといった吸放湿性を有す
る合成繊維であるのが好ましい。これは25℃、60%
RHの雰囲気で運動して液状発汗したときの衣服と肌と
の間の雰囲気が34℃、90%RHにあるといわれてい
ることから、発汗状態での衣服への吸湿により衣服と肌
との間の湿気を吸収することにより良好な着用感を維持
させるためである。
【0015】このような吸放湿性合成繊維としては、吸
放湿性を有する化合物と繊維形成性ポリマーとをブレン
ドして製糸した繊維、吸放湿性を有する化合物を芯成分
あるいは吸放湿性を有する化合物と繊維形成性ポリマー
とをブレンドして芯成分とし、鞘成分として繊維形成性
ポリマーを用いて製糸した芯鞘複合繊維が挙げられる。
ここで繊維形成性ポリマーとしては、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート単位に第
3成分を共重合されたポリエステル、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート等のポリエ
ステルが挙げられる。
【0016】吸放湿性を有する化合物としては、良好な
吸湿性を有し、色調変化の少ないものであればよいが、
ポリアルキレンオキサイド、ポリオール及び及び脂肪族
ジイソシアネート化合物との反応によって得られるポリ
アルキレンオキサイド変性物が好ましく用いられる。こ
のポリアルキレンオキサイド変性物の原料として用いら
れるポリエチレンオキサイドとしてはポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレンオキサイド及び両者の共重合
体、ポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール
類、脂肪族ジイソシアネートとしては、ここでは脂肪族
ジイソシアネートも含むが、ジシクロヘキシルメタン−
4,4−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート等が挙げられる。このようなポリアルキ
レンオキサイド変性物を吸放湿性を有する化合物として
用いると、芳香族イソシアネート化合物を用いた場合に
見られるようなイソシアネート基と芳香環との共鳴構造
により形成されるイミド環に起因する黄変が抑制され、
長時間使用しても繊維が黄変することがなくなり、耐候
性に優れた複合繊維とすることができる。
【0017】吸放湿性合成繊維の吸放湿性を有する化合
物としてポリアルキレンオキサイド変性物を用いる場合
のこの化合物の含有率は、0.5〜60質量%の範囲に
あることが好ましい。ポリアルキレンオキサイド変性物
の含有率が0.5質量%未満では目的とする吸放湿性が
得られない場合があり、含有率60質量%を超えると、
製糸性に問題が生じるおそれがある。
【0018】また、芯鞘複合繊維とする場合の芯鞘複合
比は使用するポリマー等により異なるが、質量比で15
/85〜85/15の範囲にあることが好ましく、これ
よりも芯成分の割合が少ないと吸放湿性に劣り、芯成分
が多いと製糸性に問題が生じるおそれがある。
【0019】本発明においては、編物中に占める吸放湿
性合成繊維の割合を50%以下とする。特に本発明で編
物に用いる吸放湿性繊維の繊維形成性ポリマーとしてポ
リアミドを用いる場合には、染色に際しては温度管理が
必要である。通常のポリエステルの染色条件では、ポリ
アミドが強力低下し風合も硬化する。そのため、常圧可
染タイプのポリエステルを用いてカチオン染料を使用し
て染色するか、キャリアー等を使用し100℃程度の温
度で染色するのが好ましい。しかしこのときポリアミド
への染料汚染によってスポーツ衣料素材に使用する場合
の堅牢度レベルをクリアすることが難しい。これを解決
するためにはポリアミドへ汚染した染料を十分に除去し
なければならず、質量比50%以下であれば、汚染染料
の除去によって堅牢度レベルをクリアすることができ
る。また、ポリアミド側を染色しなくても表面より未染
のポリアミドが露出することはなく、ポリエステル染色
のみでも編地表面の品位を大きく損なうことはない。但
し、目的の吸放湿性を得るために吸放湿性合成繊維を質
量比10%以上含んでいることが望ましい。
【0020】一般にこのような成分を芯成分とした芯鞘
型複合繊維の場合、染色仕上加工時、特に減量加工時に
芯成分が吸水膨張して単糸繊維の鞘割れが発生しやすく
なる。しかしながら、鞘成分にポリアミドを用いると芯
成分として吸水性能の大きい上記のポリアルキレンオキ
サイド変性物を用いた場合においても染色加工時の芯成
分の吸水膨潤作用に追随して、鞘成分ポリアミドも多少
膨潤し両者の水膨潤差が少なくなるため、糸の鞘割れが
発生しにくくなる。
【0021】本発明においては、編地の組織をメッシュ
とし、その開口率を10%以上40%以下とする。開口
率とは、メッシュ組織による貫通孔の総面積の割合を百
分率でで表したもので、開口率の小さいものは通気性が
少なく密度の高い生地であり、大きいものは通気性が高
く密度も低い生地となる。メッシュ組織は通気性に優
れ、外気を衣服内に取り込み体表面を冷却するのに非常
に有効であるが、その開口率が10%以下であると外か
ら衣服内への換気が十分に行なわれず、40%以上であ
ると編地の密度が低いため液状発汗を吸水し拡散する際
に水分を保水する量が少なく吸水性に劣る。開口率は、
編地の拡大写真のメッシュ穴部を切り取り、切り取った
部分の重さの全体の重さに対する割合を測定することに
より測定できる。本発明の編地に用いることのできるメ
ッシュ組織としては、経編や緯編の生地に透かし目を編
みだしたもので、貫通孔の大きさや密度は開口率により
適宜用いればよい。
【0022】
【作用】本発明において、シャツ地の構成糸として吸放
湿性合成繊維を用いることにより合成繊維の高い吸水性
・速乾性を維持したまま、天然繊維の持つ吸放湿機能を
付与することができる。これによりシャツ本体内の湿度
を低く抑えることができ、合成繊維に特有のムレ感を解
消することができるようになる。また、メッシュ組織に
することにより、シャツ本体の側面部及び後身頃部はメ
ッシュの持つ通気性により冷却効果が高く、運動中の体
表面を効率的に冷却することができ、比較的蒸れの発生
しやすい前身頃部分も吸放湿繊維によって低い湿度に保
ち非常に快適な環境を維持できるようになる。そして、
運動中の風圧により密着する前身頃部はメッシュ組織の
ため肌面に対して点接触となり、肌から奪う熱量が少な
く腹部や胸部を冷やし過ぎることがなくなる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、実施例における性能の測定と評価は
次の方法で行なった。 (1)吸水性 試料を温度25℃、相対湿度60%の条件下で2時間調
湿した吸水前のサンプルの質量Wを秤量した後、JIS
L−1907 5.3で規定された吸水性測定法によ
って10秒後、20秒後、30秒後及び180秒後の吸
水サンプルの質量Wn(n秒後)を測定し、下記式によ
り吸水率Rnを求める。 Rn(%)={(Wn−W)/W}×100 (2)消費熱量1 消費熱量1は、図3に示すようなカトーテック社製サー
モラボ2(KES−F7)を用いて測定した。試料Bは
温度20℃、相対湿度65%の条件下で一昼夜放置し調
湿した後、そのまま測定に用いる試料と、もう1つは試
料中央部にスポイトで0.2ccの水を滴下し拡散させ
た試料を用いる。同環境下で試料Bを保温板C上に置い
て、保温板Cの温度と環境の温度差が10℃になるよう
に調整し、送風機Aからの風速3m/secの送風を行な
う場合と行なわない場合について、それぞれの消費熱量
を測定した。 (3)消費熱量2 消費熱量2は、図4に示すように上記の消費熱量1と同
一の装置を用いて、保温板Cの上に水分率200%の濡
れた濾紙を置きその上を透湿防水布で覆いD、その上に
試料Bを0.5cm離した状態に固定し、試料中央部に
スポイトで0.2ccの水を滴下し拡散させ、送風機A
からの風速3m/secの送風を行なった場合の消費熱量
を測定した。
【0024】実施例1 固有粘度0.68のポリエチレンテレフタレートを図2
の(イ)に示す形状の孔が24孔、(ロ)に示す形状の
孔が16孔、(ハ)に示す形状の孔が4孔、合計44孔
の紡糸口金を通して、常法にしたがって1400m/m
inの速度で溶融紡糸し未延伸を得た。この未延伸糸を
常法により延伸速度700m/min、延伸倍率2.6
倍にて延伸しながら巻き取り、異繊度混繊扁平断面ポリ
エステル糸を得た。これに仮撚数3500T/M、仮撚
温度170℃、仮撚オーバーフィード率2%で仮撚加工
を施し、73dtex/44fの異繊度混繊扁平断面加
工糸を得た。この糸条を解繊して単糸繊度と扁平度を測
定したところ、図2(イ)の形状の孔によるものは、繊
維の断面形状が図1の(イ)で、繊度2.9dtexで
扁平度1.5のフィラメント8本、繊度1.9dtex
で扁平度1.6のフィラメント8本、繊度1.0dte
xで扁平度1.8のフィラメント8本、繊度0.8dt
exで扁平度1.5のフィラメント8本、図2(ロ)の
形状の孔によるものは、繊維の断面形状が図1(ロ)
で、繊度1.4dtexで扁平度2.4のフィラメント
8本、繊度1.2dtexで扁平度1.8のフィラメン
ト8本、図2(ニ)の形状の孔によるものは、繊維の断
面形状が図1(ニ)で、繊度3.6dtexで扁平度
1.9のフィラメントであった。次にm−クレゾール溶
媒中で濃度0.5g/テ゛シリットル、温度20℃にて測定し
た相対粘度2.6のナイロン6を85質量部と、ポリエ
チレンオキサイド、1,4−ブタンジオール及びジシク
ロヘキシルメタン4,4ジイソシアネートの反応物であ
るポリアルキレン変性物(1gの吸収能35g)15質
量部とをブレンドした混合物を芯成分とし、相対粘度
2.6のナイロン6を鞘成分として、芯成分/鞘成分の
質量比を50/50として、24孔の吐出孔を有する芯
鞘型複合紡糸口金を使用して、紡糸温度255℃で溶融
紡糸し、紡出した糸条に18℃の空気を吹き付けて冷却
し、油剤を付与した後、1300m/minで巻き取
り、3.0倍の延伸を行い、仮撚数3400T/M、仮
撚温度180℃、仮撚オーバーフィード率−5%で仮撚
加工を施し、84dtex/24fの芯鞘型吸放湿性複
合繊維の仮撚加工糸を得た。得られた芯鞘型吸放湿性複
合繊維の25℃×60%RHでの吸湿率は4%で、34
℃×90%RHでの吸湿率は8%であり、再び25℃×
60%RHに戻した時の吸湿率は4%であった。次に、
14ゲージ丸編機を用い、上記の異繊度混繊扁平断面加
工糸と吸放湿性複合加工糸を添糸編にて表裏に異繊度混
繊扁平断面加工糸、内部に吸放湿性複合加工糸が配され
るように編立を行い、メッシュをストライプ状に配した
組織の生機を編成した。染色加工は、キャリアーを使用
し100℃で行い、浴中で吸水加工した後、ポリアミド
への汚染を除去して仕上げセットを行い、芯鞘型吸放湿
性複合繊維の割合が34%でメッシュの開口率が21%
である本発明の快適性シャツ地を得た。
【0025】実施例2 編地のメッシュ部を格子状に配し、開口率を16%とす
ること以外は実施例1と同様の方法で本発明の快適性シ
ャツ地を得た。
【0026】比較例1 編地のメッシュ部を全面に配し、開口率を45%とする
こと以外は実施例1と同様の方法で比較例1のメッシュ
編地を得た。
【0027】比較例2 編地の表面に実施例1で用いた73dtex/44fの
異繊度混繊扁平断面糸を配し、裏面に通常の84dte
x/36fのポリエステル加工糸を配した28ゲージ両
面丸編機で裏鹿の子を編成し、染色加工を130℃で行
い浴中で吸水加工した後、仕上げセットして芯鞘型吸放
湿性複合繊維の質量比が0%、開口率が0%である比較
例2の編地を得た。上記実施例1及び2、比較例1は、
いずれも吸放湿性合成繊維の使用割合が同一で、25℃
×60%RHの雰囲気下での吸湿率は1.5%、34℃
×90%RHの雰囲気下での吸湿率は3.1%で、その
差は1.6%であり、比較例2の25℃×60%RHの
雰囲気下での吸湿率は0.3%、34℃×90%RHの
雰囲気下での吸湿率は0.7%で、その差は、0.4%
であった。実施例1〜2と比較例1〜2の編物の評価結
果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、実施例1及び実
施例2の編物は優れた吸水性を示した。消費熱量1につ
いては、編物と保温板が接触した状態で測定し、つまり
シャツの前身頃が肌面に密着した状態を想定した場合で
は風の影響を受けず、常に奪われる熱量が低いことか
ら、走行中の発汗によって濡れたシャツによる不快感
(冷感)は少なく、消費熱量2では保温板の上に水分率
200%の濾紙を置き、その上から透湿防水布で覆い、
気相発汗する肌面を想定し、編物とは接触していない状
態、つまりシャツの側面及び後身頃が走行中の風によっ
てはためき身体から離れた状態では、奪う熱量が大きい
ことから、外気を積極的に取り込み冷却する効果があ
り、ランニング用素材として好敵なものであった。一
方、比較例1の編物は消費熱量1及び消費熱量2のデー
タは、実施例のデータと遜色ないが、メッシュの開口率
が大きく編地の密度が低いため、多くの水を取り込むこ
とができず吸水性に劣るものであった。また、比較例2
の編地は消費熱量1の差が大きく、乾いた状態と濡れた
状態、また無風下と有風下での差があり、発汗着用時に
不快感を与えるものであり、消費熱量2のデータから有
風下での冷却効果も実施例に比べ劣るものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明による快適性シャツを運動用衣料
に用いた際には、着用初期の気相発汗によるムレ感を吸
放湿性合成繊維により軽減し、運動中の液状発汗も扁平
断面糸の繊維間空隙へ肌面から素早く吸収拡散されるこ
とでベタツキ感もなく、さらにメッシュ組織の持つ通気
性によりシャツ側面及び後身頃から外気を取り込み、体
を冷却し、運動中の風圧で体に密着した前身頃は、メッ
シュ組織のため肌面に対して点接触となり冷え感が少な
く、腹部や胸部を冷やし過ぎることがない。また、運動
直後の安静時においても気相発汗によるムレ感を着用初
期と同様の理由で軽減することができ着用快適性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、編地を構成することのできる
扁平繊維の断面図の例である。
【図2】図1の扁平断面糸を得ることのできる紡糸口金
の孔の形状を示す図である。
【図3】実施例における消費熱量1の測定概略図であ
る。
【図4】実施例における消費熱量2の測定概略図であ
る。
【符号の説明】
A 送風機 B 試料 C 保温板 D 透湿防水布と水分率200%の濾紙 E 熱量測定機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 A41D 31/00 503G D02G 3/04 D02G 3/04 D04B 1/12 D04B 1/12 // D01F 8/12 D01F 8/12 Z Fターム(参考) 4L002 AA06 AA07 AB04 AB05 AC00 BB02 BB03 EA00 EA03 FA01 4L036 MA05 MA33 MA40 PA33 UA01 4L041 AA07 BA02 BA05 BA21 BC02 BD07 CA21 CB13 DD01 DD18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編地を構成する糸条が、吸放湿性合成繊
    維と、横断面が外周部に凸部を一か所以上有している扁
    平断面であり、かつ2種以上の単糸繊度が異なるフィラ
    メントからなる異繊度混繊ポリエステル繊維とであっ
    て、該編地に占める吸放湿性合成繊維の割合が50%以
    下であり、開口率が10%以上40%以下のメッシュ組
    織で編成されていることを特徴とする快適性シャツ地。
  2. 【請求項2】 吸放湿性合成繊維がポリアルキレンオキ
    サイドとポリオールおよび脂肪族ジイソシアネート化合
    物との反応によって得られたポリアルキレンオキサイド
    変性物または前記変性物とポリアミドからなる芯成分
    と、ポリアミドからなる鞘成分で構成された芯鞘複合型
    吸放湿性合成繊維である請求項1記載の快適性シャツ
    地。
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