JP2005154994A - 弾性複合糸および織編物および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れた伸縮性織編物を得ることが可能な弾性複合糸および織編物および繊維製品を提供する。
【解決手段】温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を芯糸に、単糸繊度が1.5dtex以下の非吸湿性合成繊維糸条を鞘糸として弾性複合糸を得た後、該弾性複合糸を用いて織編物を製織編し繊維製品を縫製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れた伸縮性織編物を得ることが可能な弾性複合糸および織編物および繊維製品に関するものである。
従来、ポリウレタン系弾性糸やポリエーテルエステル系弾性糸などの弾性糸を用いた弾性複合糸が知られている。例えば、特許文献1では、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維より形成された芯部と、非弾性疎水性合成繊維より形成された鞘部とを有する弾性複合糸が提案されている。
しかしながら、かかる弾性複合糸を用いて布帛を製編織すると、得られた布帛は優れた伸縮性を有するものの、吸湿性、吸水性の点で満足とはいえず、ベトツキやムレ感を解消することができなかった。また、用途によってはソフト性をも有する織編物の提案が望まれていた。
一般的に、吸湿性、吸水性はベトツキやムレ感に大きく影響する。例えば、ポリエステル繊維に代表される疎水性合成繊維は通常吸湿性に劣るため、かかる疎水性合成繊維からなる衣服は、発汗初期の蒸気状の汗(不感蒸泄)を吸着・発散できず、衣服内がムレ易いという問題があった。液状の汗(感知蒸泄)に対しても、毛細管現象により繊維間に水分を保持することができるものの、繊維自身は吸湿しないため、べとつきやムレ感を完全に解消することは困難であった。また、ナイロン繊維に代表される親水性合成繊維や、レーヨン、アセテートなどの化学繊維、さらには綿、シルク、麻、ウールなどの天然繊維は吸湿性に優れるため、これらの繊維からなる衣服は蒸気状の汗の吸着・発散性に優れ衣服内がムレ難いという長所を有する反面、液状の汗に対しては、繊維自身が吸水するため、多量に発汗した際、衣服と肌とが密着し、べとつきによる不快感や冷え感が多いという問題があった。
一方、本発明者らは、特願2003−175788号において、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル吸湿性弾性繊維を提案した。しかしながら、かかるポリエーテルエステル吸湿性弾性繊維を単独で用いて織編物を織編成すると、得られた織編物は、水蒸気に対しては良好な吸湿性を有するものの、多量の水に対して吸水性が十分でなく、さらには、該弾性繊維はエラストマーからなるためゴム感がありソフト性の点で十分ではないということが判明した。
特許第3394039号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れた伸縮性織編物を得ることが可能な弾性複合糸および織編物および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸が芯部に位置し細繊度の非吸湿性合成繊維糸条が鞘部に位置する弾性複合糸を用いて織編物を得ると、得られた織編物は、吸湿性、吸水性に優れるためべとつきやムレ感がなく、同時にソフト性にも優れることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が芯部に位置し、単糸繊度が1.5dtex以下の非吸湿性合成繊維糸条(B)が鞘部に位置してなることを特徴とする弾性複合糸。」が提供される。
その際、芯部に位置する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性糸が好適である。一方、
鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条(B)としてはポリエステル繊維で構成される糸条が好適である。鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条(B)には、優れたソフト性を得る上で仮撚捲縮加工が施されていてもよい。複合糸の複合方法としては、カバリング加工が好ましい。吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)との重量比としては、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内であることが好ましい。かかる弾性複合糸を用いて織編物を製編織すると、得られた織編物は吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れる。その際、経糸および/または緯糸に弾性複合糸が配されていると伸縮性も得られる。かかる織編物は、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地などの衣料、寝装具、カーシートの群より選ばれる繊維製品として好適に用いることができる。
本発明によれば、吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れた伸縮性織編物を得ることが可能な弾性複合糸および織編物および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の弾性複合糸において、芯部には温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上(好ましくは10%以上、より好ましくは13〜30%)の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が配される。
ここで、本発明でいう平衡吸湿率は以下の方法で測定する。すなわち、糸をかせとりして約10g分の試料を採取し、温度30℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置したのちの質量を吸湿後の質量とし、下記式により平衡吸湿率を算出する。
平衡吸湿率(%)=((吸湿後の質量)−(絶乾後の質量))/(絶乾後の質量)×100
該平衡吸湿率は高いほどよいが、平衡吸湿率が高くなりすぎると繊維の製造が困難となる恐れがあるので30%以下でよい。
かかる吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維が好適に例示される。
上記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。さらに、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸を共重合成分として用いても良い。
また、テトラメチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコールのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。更に、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
前記のポリエーテルエステルエラストマーは、たとえば、テレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレート及び/又はオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ハードセグメント/ソフトセグメントの比率は、重量を基準として30/70〜70/30であることが好ましい。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)で巻取ることにより製造することができる。
かかる吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸の破断伸度としては、250%以上(より好ましくは300〜900%)であることが好ましい。破断伸度が250%以上であると、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸と非吸湿性合成繊維糸条とを複合する際、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を容易にドラフトしながら複合することができ、安定的に吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を芯部に位置させることができる。吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸を芯部に確実に位置させることにより、弾性複合糸を用いて製編織された織編物の表面に該吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸が現れず、衣服と肌とがべとつく恐れがない。該破断伸度が250%より低い場合、明確な芯鞘構造が得られにくい恐れがる。逆に該破断伸度が900%よりも大きいと複合加工が困難となる恐れがある。
一方、本発明の弾性複合糸の鞘部には、単糸繊度が1.5dtex以下(好ましくは、1dtex以下、より好ましくは0.1〜0.8dtex)の非吸湿性合成繊維糸条(B)が配される。ここで、該単糸繊度は吸水性とソフト性に影響し、該単糸繊度が1.5dtexよりも大きいと、鞘部で十分な毛細管現象が作用せず満足な吸水性が得られないだけでなく、ソフト性も低下するため好ましくない。ここで、本発明でいう非吸湿性とは、前記に定義した温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%未満のものをいう。
かかる非吸湿性合成繊維糸条(B)を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が例示される。なかでも、通常のポリエステル繊維が好ましく例示される。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)および非吸湿性合成繊維糸条(B)において、繊維を形成するポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。繊維の繊維形態も特に限定されず、長繊維が好ましいが短繊維でもよい。さらには、撚糸や、空気加工、仮撚捲縮加工がほどこされていてもよい。特に、鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条に仮撚捲縮加工が施されていると、ソフト性がさらに向上するため好ましい。前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)および非吸湿性合成繊維糸条(B)において、繊維の断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平、くびれ付き扁平、花弁、中空など公知の断面形状が採用できる。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の総繊度、単糸繊度、フィラメント数は特に限定されないが、弾性と吸湿性の点で、総繊度20〜100dtex、単糸繊度1〜100dtex、フィラメント数1〜10本の範囲が好ましい。
一方、非吸湿性合成繊維糸条(B)については、単糸繊度が1.5dtex以下であること以外、総繊度、フィラメント数は特に限定されないが、吸水性、ソフト性の点で、総繊度30〜300dtex、フィラメント数10本以上(より好ましくは30本以上、特に好ましくは100〜300本)の範囲が好ましい。
前記吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)と非吸湿性合成繊維糸条(B)との重量比としては、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内であることが、吸湿性と吸水性とのバランスをとり、また明確な芯鞘構造を形成する上で好ましい。
弾性複合糸の複合方法としては、インターレース空気加工、カバリング加工、引き揃え仮撚捲縮加工などが例示され、なかでも明確な芯鞘構造を形成する上でカバリング加工が好ましい。また、複合加工の際、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を1.1倍以上(好ましくは1.2〜5.0倍)に延伸した後、非吸湿性合成繊維糸条(B)と引き揃えて複合加工することにより、明確な芯鞘構造を形成することができ、同時にストレッチ性も得られるので好ましい。
なお、前記弾性複合糸において、芯部に配される糸条および鞘部に配される糸条は、単数糸条に限定されず、複数糸条であってもよい。なお、本発明の主目的である吸湿性、吸水性、ソフト性が損なわれない範囲内であれば、第3の糸条として他の糸条が含まれていてもさしつかえない。
次に、本発明の織編物は、前記の弾性複合糸を含む織編物である。かかる織編物の組織は特に限定されず、通常の方法で製編織されたものでよい。例えば、織物の織組織としては、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
該織編物には、前記弾性複合糸が、織編物の総重量に対して5%以上(より好ましくは40%以上、特に好ましくは100%)含まれていることが好ましい。その際、例えば前記の弾性複合糸と他糸条とが1本交互または複数本交互に配されていてもよいが、経糸全量および/または緯糸全量が前記の弾性複合糸であると、織編物に伸縮性が付与され好ましい。
なお、織編物には、常法の撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かかる織編物には前記の弾性複合糸が含まれているので、該弾性複合糸の芯部に配された吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)により、吸湿性が付与される。また、吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)は弾性複合糸の芯部に位置するため織編物の表面に現れることがなく、べとつく恐れもない。一方、該弾性複合糸の鞘部に配された細繊度の非吸湿性合成繊維糸条の毛細管現象により吸水性が付与されると同時に、該非吸湿性合成繊維糸条の単糸繊度が細繊度であるため織編物にソフト性も付与される。また、該非吸湿性合成繊維糸条を構成する繊維自身が吸水することもないので、多量に発汗した際、天然繊維のように衣服と肌とが密着しべとつく不快感や冷え感を感じることも少ない。
本発明の織編物は、吸湿性、吸水性に優れているためムレやべとつきの恐れがなく、ソフト性も有しており、必要に応じて伸縮性も有しているので、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートなどの繊維製品に好適に使用することができる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<吸湿性>
糸をかせとりし、約10g分の試料を採取し、温度30℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置したのちの質量を吸湿後の質量とし、下記式により吸湿率を算出した。
吸湿率(%)=((吸湿後の質量)−(絶乾後の質量))/(絶乾後の質量)×100
<吸水性>
JIS L1907−1998に規定するバイレック法により上昇した水の高さ(mm)を測定した。水の高さが高いほど吸水性が良好である。
<破断伸度>
JIS L 1013−1998 伸び率標準試験に従って測定した。
<ソフト性>
試験者3名により官能評価し、「良好」(ソフト性に優れる)、「普通」、「不良」(硬い)の3段階で評価した。
[実施例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして数平均分子量4000のポリオキシエチレングリコール50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントの弾性を有する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を得た。この弾性糸の吸湿率は16%、破断伸度は816%であった。
一方、単糸繊度が1.5dtex以下の非吸湿性合成繊維糸条(B)として、吸湿率が0.7%の通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントに通常の仮撚捲縮加工を施した仮撚捲縮加工糸(56デシテックス/144フィラメント、単糸繊度0.39dtex)を準備した。
次いで、上記の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を芯糸、上記の仮撚捲縮加工糸を鞘糸として、芯糸のドラフト率300%(3.0倍)、カバリング数1000回/m(S方向)にて通常のカバリング加工を行い、弾性複合糸を得た。
かかる弾性複合糸を経糸および緯糸に全量用いて、通常の製織方法により平組織の織物を得た。次いで、該織物に常法の染色仕上げ加工を施した。得られた織物は、吸湿性、吸水性(55mm)、ソフト性(「良好」)、伸縮性に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、弾性複合糸の鞘糸として、吸湿率が0.7%の通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(56デシテックス/24フィラメント、単糸繊度2.3dtex)を使用すること以外は実施例1と同様にして、製織、常法の染色仕上げ加工を施し、織物を得た。得られた織物は、吸湿性、伸縮性に優れるものの、吸水性は不十分(32mm)で、ソフト性は「普通」であった。
本発明によれば、吸湿性、吸水性を有することによりべとつきやムレ感がなく、さらにはソフト性にも優れた伸縮性織編物を得ることが可能な弾性複合糸および織編物および繊維製品(一般衣料、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地、寝装具、カーシートなど)が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (9)

  1. 温度30℃、湿度90%RH条件における平衡吸湿率が5%以上の吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が芯部に位置し、単糸繊度が1.5dtex以下の非吸湿性合成繊維糸条(B)が鞘部に位置してなることを特徴とする弾性複合糸。
  2. 芯部に位置する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる請求項1に記載の弾性複合糸。
  3. 鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条(B)がポリエステル繊維で構成される請求項1または請求項2に記載の弾性複合糸。
  4. 鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条(B)に仮撚捲縮加工が施されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性複合糸。
  5. 芯部に位置する吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)を、鞘部に位置する非吸湿性合成繊維糸条(B)がカバリングしてなる請求項1〜4のいずれかに記載の弾性複合糸。
  6. 温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における吸湿性ポリエーテルエステル弾性糸(A)の重量をWA、他方、非吸湿性合成繊維糸条(B)の重量をWBとするとき、WA:WBが70:30〜5:95の範囲内である請求項1〜5のいずれかに記載の弾性複合糸。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の弾性複合糸を含んでなる織編物。
  8. 経糸全量および/または緯糸全量が請求項1〜6のいずれかに記載の弾性複合糸である伸縮性織編物。
  9. 請求項7または請求項8に記載の織編物で構成される、紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地などの衣料、寝装具、カーシートの群より選ばれる繊維製品。
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