JP2005163225A - 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品 - Google Patents

湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005163225A
JP2005163225A JP2003404302A JP2003404302A JP2005163225A JP 2005163225 A JP2005163225 A JP 2005163225A JP 2003404302 A JP2003404302 A JP 2003404302A JP 2003404302 A JP2003404302 A JP 2003404302A JP 2005163225 A JP2005163225 A JP 2005163225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knitted fabric
yarn
self
air permeability
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003404302A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Yasui
聡 安井
Seiji Mizobata
斉治 溝端
Takashi Yamaguchi
尊志 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Frontier Co Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2003404302A priority Critical patent/JP2005163225A/ja
Priority to CN200480005863.2A priority patent/CN1756864B/zh
Priority to US10/552,826 priority patent/US7842628B2/en
Priority to CA 2522075 priority patent/CA2522075A1/en
Priority to KR1020057016476A priority patent/KR101172339B1/ko
Priority to EP04746373.2A priority patent/EP1640488B1/en
Priority to PCT/JP2004/008904 priority patent/WO2004113601A1/ja
Priority to EP20070075375 priority patent/EP1860217A3/en
Priority to TW93117984A priority patent/TWI339226B/zh
Publication of JP2005163225A publication Critical patent/JP2005163225A/ja
Priority to US12/494,059 priority patent/US20090260124A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

【課題】 湿潤時に乾燥時よりも通気性が可逆的に向上し、かつ乾燥時には防風性に優れる編地および繊維製品を提供する。
【解決手段】 吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とからなる編地であって、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における該編地中の吸水自己伸張糸の糸長と、非自己伸張糸の糸長を(B)との比A/Bが0.9以下であり、かつ該編地のコース数(本/2.54cm)とウエール数(本/2.54cm)との積が2000以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湿潤時により通気性が可逆的に向上し、かつ乾燥時には防風性に優れる編地に関するものである。
一般に、編地は織物などに比べてソフトな風合い及びストレッチ性に優れており、一般衣料用・スポーツ衣料用として広く使用されている。その反面、編地は織物と比べて通気性が高く、秋冬物として用いた場合、風が通り易く寒いという欠点を有している。この欠点を解消するために、防風編地として、例えば、編地の編密度を向上させたもの、編地を多層としたもの、フィラメント数の多い糸条を用いたもの、さらには高熱収縮繊維を用いたものなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、かかる編地をスポーツウエアーやインナーウエアーなどとして使用すると、編地の通気度が低いため、肌から発汗した際ムレやベトツキが発生するという問題があった。
このような発汗した際のムレやベトツキを低減させるために、本発明者らは特願2003−177763号において、湿潤時に通気性が向上し、一方、乾燥時には通気性が可逆的に低下する編地を提案した。かかる編地によれば、湿潤時に通気性が可逆的に向上するためムレやベトツキが発生するおそれはないものの、乾燥時において防風性の点で十分ではないということが判明した。
特開2002−363843号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、湿潤時に乾燥時よりも通気性が可逆的に向上し、かつ乾燥時には防風性に優れる編地および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、先に特願2003−177763号において提案した編地の編密度を高めることにより、湿潤により通気性が可逆的に向上する効果が損なわれることなく、乾燥時には防風性に優れる所望の編地が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とからなる編地であって、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における該編地中の吸水自己伸張糸の糸長を(A)、他方、非自己伸張糸の糸長を(B)とするとき、A/Bが0.9以下であり、かつ該編地の密度が下記式を満足することを特徴とする湿潤時に通気性が向上する編地。」が提供される。
Co×We≧2000
ただし、Coは2.54cmあたりのコース数であり、Weは2.54cmあたりのウエール数である。
ここで、吸水自己伸張糸が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維であることが好ましい。一方、非自己伸張糸がポリエステル繊維であることが好ましい。
本発明の編地において、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、経編組織または丸編組織の複合ループを形成していてもよい。編地の編組織としては、ハーフ組織、サテン組織、天竺組織、スムース組織などが好適に例示される。また、編地の少なくともどちらか1面に起毛加工が施されていることが防風性の点で好ましい。本発明の編地の通気性としては、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中において、JIS L 1096−1998、6.27A法(フラジール形試験機法)により測定された通気度で50cc/cm・sec以下であることが好ましい。かかる編地は、アウター衣料、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地などの繊維製品に好適に用いることができる。
本発明によれば、湿潤時に乾燥時よりも通気性が可逆的に向上し、しかも乾燥時に防風性に優れる編地および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸は以下に定義する糸である。すなわち、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置(以下、乾燥時という。)し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後(以下、湿潤時という。)に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とする。なお、前記非弾性糸とは破断伸度が200%以下の糸であり、前記弾性糸とは破断伸度が200%より高い糸である。そして、下記式で求められる繊維軸方向の膨潤率が5%以上のものを吸水自己伸張糸と定義する。他方、該膨潤率が5%未満のものを非自己伸張糸と定義する。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
ここで、吸水自己伸張糸としては、前記の膨潤率を有するものであれば特に限定されないが、6%以上(より好ましくは8〜30%)の膨潤率を有するものであることが好ましい。
かかる吸水自己伸張糸としては、例えば、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維や、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリルアミドおよびその共重合体、ポリオキシエチレン系ポリマーなどを配合したポリエステル繊維、5−スルホイソフタル酸成分を共重合したポリエステル繊維などが例示される。なかでも、ポリエーテルエステル繊維は、通常弾性を有しているため、かかる弾性を利用して後記のように容易に非自己伸張糸との糸足差をもうけることができ好ましい。
上記のポリエーテルエステル繊維において、ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
ポリエーテルエステル中のポリオキシエチレングリコールの割合は30〜95重量%であり、好ましくは40〜80重量%である。ポリオキシエチレングリコールの割合が30重量%よりも小さいと十分な吸湿性が得られず好ましくない。逆に、95重量%よりも大きいと曳糸性が低下するため好ましくない。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)で巻取ることにより製造することができる。
他方、非自己伸張糸としては、木綿、麻などの天然繊維やレーヨン、アセテートなどのセルロース系化学繊維、さらにはポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が例示される。なかでも、通常のポリエステル繊維が好ましく例示される。
前記吸水自己伸張糸及び非自己伸張糸の繊維形態は特に限定されず、短繊維でもよいし長繊維でもよい。繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状が採用できる。吸水自己伸張糸及び非自己伸張糸の総繊度、単糸繊度、フィラメント数も特に限定されないが、風合いや生産性の点で総繊度30〜300dtex、単糸繊度0.6〜10dtex、フィラメント数1〜300本の範囲が好ましい。
本発明の織編物は、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とで構成される。その際、両者の重量比として、湿潤時に通気性を効果的に向上させる上で、前者:後者で10:90〜60:40(より好ましくは20:80〜50:50)の範囲であることが好ましい。
本発明の編地において、その編組織は特に限定されるものではない。例えば、経編組織であれば、ハーフ、サテン、Wデンビ、シャークスキン、ベルベット、クインズコートなどの組織が好適に例示される。丸編組織としては、天竺、鹿の子、スムース、フライス、ポンチローマ、ミラノリブなどの組織が好適に例示される。これらのなかでも、編地の防風性の点で、経編組織であればハーフ、サテン、丸編組織であれば天竺、スムースが特に好ましい。なお、編地の層数は単層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。
吸水自己伸張糸と非自己伸張糸との糸配列としては特に限定されず、特願2003−177763号に示されたものでよい。すなわち、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、経編組織または丸編組織の複合ループを形成している糸配列、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが編地中において1本交互(1:1)や複数本交互(2:2、3:3など)に配された糸配列、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが混繊糸、複合仮撚捲縮加工糸、合撚糸、カバリング糸などの複合糸として編地に含まれる態様などがあげられる。なかでも、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、経編組織または丸編組織の複合ループを形成していることが、湿潤時の通気性が向上しやすく好ましい。
次に、本発明の編地において、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における該編地中の吸水自己伸張糸の糸長を(A)、他方、非自己伸張糸の糸長を(B)とするとき、A/Bが0.9以下(好ましくは0.9〜0.2、特に好ましくは0.8〜0.3)である必要がある。該A/Bが0.9よりも大きいと、本発明の主目的のひとつである、湿潤時の通気性向上効果が得られず好ましくない。
ここで、糸長の測定は以下の方法で行うものとする。まず、編地を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、該編地から、経方向と平行に30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。続いて、各小片から、吸水自己伸張糸及び非自己伸張糸を1本ずつ取り出し、吸水自己伸張糸の糸長A(mm)、非自己伸張糸の糸長B(mm)を測定する。その際、非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定する。そして、(糸長Aの平均値)/(糸長Bの平均値)をA/Bとする。
前記のように、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸との糸長差をもうける方法としては、以下の方法が例示される。
例えばその1として、編地を製編する際、吸水自己伸張糸として前記の弾性を有するポリエーテルエステル繊維を使用し、該ポリエーテルエステル繊維をドラフト(延伸)しながら非自己伸張糸と引き揃え、同一の給糸口に給糸して製編する方法があげられる。その際、ポリエーテルエステル繊維のドラフト率としては、10%以上(好ましくは20%以上300%以下)が好ましい。なお、該ドラフト率(%)は、下記式で求められる。
ドラフト率(%)=((引き取り速度)−(供給速度))/(供給速度)×100
ポリエーテルエステル繊維は、通常弾性性能を有しているため、編地中において、ポリエーテルエステル繊維は弾性回復してその糸長が短くなり、他方の非自己伸張糸との糸長差をもうけることができる。
その2として、経編地を製編する際、2枚以上の筬を有する経編機を使用して、例えば
吸水自己伸張糸として前記の弾性を有するポリエーテルエステル繊維を使用し、該ポリエーテルエステル繊維をドラフト(延伸)しながらバック筬に給し、一方他の筬に非自己伸張糸を給して経編地を編成してもよい。得られた編地において、ポリエーテルエステル繊維は弾性回復してその糸長が短くなり、他方の非自己伸張糸との糸長差をもうけることができる。
その3として、非自己伸張糸をオーバーフィード(過供給)させながら吸水自己伸張糸と引き揃えて、通常の空気混繊加工、撚糸、カバリング加工などにより複合糸を得て、該複合糸を用いて編地を製編する方法があげられる。
次に、本発明の編地において、編地の密度が下記式を満足する必要がある。
Co×We≧2000(好ましくはCo×We≧3000、特に好ましくは10000≧Co×We≧4000)
ただし、Coは2.54cmあたりのコース数であり、Weは2.54cmあたりのウエール数である。
ここで、前記コース数とウエール数との積が2000より小さいと、本発明の主目的のひとつである乾燥時の防風性が得られず好ましくない。逆に、該コース数とウエール数との積が10000を越えると、乾燥時の防風性は良好であるが、湿潤時に通気性が向上しにくくなる恐れがある。
前記コース数とウエール数としては、両者の積が2000以上であれば特に限定されないが、コース数で50コース/2.54cm以上(好ましくは60〜120コース/2.54cm)、ウエール数で40コース/2.54cm以上(好ましくは50〜80ウエール/2.54cm)であることが好ましい。
本発明の編地において、乾燥時に比べて湿潤時に通気性が向上するメカニズムについて、以下説明する。
例えば、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが丸編組織の複合ループを形成している丸編物の場合、乾燥時、該丸編物の複合ループにおいて、図1の(1)に示すように非自己伸張糸からなるループはたるんでいる。そして、湿潤時、図1の(2)に示すように吸水自己伸張糸が自己伸長し、ループは膨潤して大きくなると同時に、たるんでいた非自己伸張糸からなるループは引き伸ばされて編物内の空隙が大きくなり通気性が向上する。
吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが1:1に配列してなる丸編物では、乾燥時、該丸編物の複合ループにおいて、図2の(1)に示すように大ループは非自己伸張糸からなり、他方、小ループは吸水自己伸張糸からなる。そして、湿潤時、図2の(2)に非自己伸張糸からなる大ループはほとんど寸法変化しないが、吸水自己伸張糸からなる小ループは膨潤してそのループが大きくなる。その結果、編地の寸法がほとんど変化することなく、編地内の空隙が大きくなり通気性が向上する。
本発明の編地において、通気性は、JIS L 1096−1998、6.27.1、A法(フラジール形通気性試験機法)により測定されるものである。
そして、該通気性を、上記の乾燥時と湿潤時についてそれぞれ測定(n数5の平均値)し、下記式により通気性変化率(%)を算出する。
通気性変化率(%)=((湿潤時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
かかる通気性変化率としては、30%以上(より好ましくは50〜300%)であることが好ましい。
また、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中において、該通気度が50cc/cm・sec以下(より好ましくは5〜48cc/cm・sec)であることが防風性の点で好ましい。
本発明の編地に、編地の少なくともどちらか1面に起毛加工が施されていると防風性が向上し(通気性が低下し)好ましい。また、本発明の編地に常法の染色仕上げ加工が施されてもよい。さらには、常法の撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<糸長の測定>
編地を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、該編地から、編地の経方向と平行に30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。続いて、各々の小片から、吸水自己伸張糸および非自己伸張糸を1本ずつ取り出し、弾性糸である吸水自己伸張糸には0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけ、非弾性糸である非自己伸張糸には1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて吸水自己伸張糸の糸長A(mm)、非自己伸張糸の糸長B(mm)を測定する。そして、(糸長Aの平均値)/(糸長Bの平均値)をA/Bとする。
<通気性>
JIS L 1096−1998、6.27.1、A法(フラジール形通気性試験機法)により通気性を測定した。そして、該通気性を、乾燥時(温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置後)と湿潤時(水温20℃の水中に5分間浸漬した後)についてそれぞれ測定(n数5の平均値)し、下記式により通気性変化率(%)を算出する。
通気性変化率(%)=((湿潤時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
[実施例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして分子量4000のポリオキシエチレングリコール50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントの弾性を有する吸水自己伸張糸を得た。この吸水自己伸張糸の湿潤時の繊維軸方向への膨潤率は10%であった。
該吸水自己伸張糸を100%のドラフト率でドラフトしながら整経しフルセットにてバック筬に通し、一方、非自己伸張糸として、湿潤時の膨潤率が1%以下である通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸をフルセットにてフロント筬に通し、28ゲージのトリコット経編機を用いて、90コース/2.54cm、28ウェール/2.54cmの機上密度にてハーフ組織(バック:10/12、フロント:23/10による編方)の経編地を編成し、該編地に常法の染色加工を施した。得られた編地の編密度は、105コース/2.54cm、58ウエール/2.54cmであり、該編地中における吸水自己伸張糸の糸長Aと非自己伸張糸の糸長Bとの比A/Bは0.42であった。また、この編地の乾燥時の通気性は35cc/cm・sec、湿潤時の通気性は87cc/cm・secであり(通気性変化率149%)、乾燥時には防風性に優れ(低通気度)、一方湿潤時には通気性に優れており満足なものであった。
[実施例2]
実施例1と同じ吸水自己伸張糸をドラフト率150%でドラフトさせながら、実施例1と同じポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸と同時に28ゲージのシングル丸編機に給し、92コース/2.54cm、46ウエール/2.54cmの編密度にて天竺組織の丸編地を編成し、該編地に常法の染色加工を施した。得られた編地の編密度は、106コース/2.54cm、60ウエール/2.54cmであり、該編地中における吸水自己伸張糸の糸長Aと非自己伸張糸の糸長Bとの比A/Bは0.54であった。また、この編地の乾燥時の通気性は45cc/cm・sec、湿潤時の通気性は92cc/cm・secであり(通気性変化率104%)、乾燥時には防風性に優れ(低通気度)、一方湿潤時には通気性に優れた編地であった。
[比較例1]
実施例1と同じ吸水自己伸張糸をドラフトさせずに、実施例1と同じポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸と同時に36ゲージのシングル丸編機に給し、74コース/2.54cm、61ウエール/2.54cmの編密度にてスムース組織の丸編地を編成し、該編地に常法の染色加工を施した。得られた編地の編密度は、78コース/2.54cm、75ウエール/2.54cmであり、該編地中における吸水自己伸張糸の糸長Aと非自己伸張糸の糸長Bとの比A/Bは0.98であった。また、この編地の乾燥時の通気性は46cc/cm・sec、湿潤時の通気性は31cc/cm・secであり(通気性変化率−33%)、乾燥時には防風性に優れる(低通気度)ものの、湿潤時にも通気性が低く不満足なものであった。
本発明によれば、湿潤時に乾燥時よりも通気性が可逆的に向上し、かつ乾燥時には防風性に優れる編地および繊維製品(紳士衣服、婦人衣服、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地など)が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明に係る編地において、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが丸編組織の複合ループを形成する糸配列を模式的に示すものであり、(1)乾燥時、(2)湿潤時である。 本発明に係る編地において、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが1:1に配列されて丸編物を構成する糸配列を模式的に示すものであり、(1)乾燥時、(2)湿潤時である。
符号の説明
1−1,1−2,3−1,3−2 吸水自己伸張糸
2−1,2−2,4−1,4−2 非自己伸張糸

Claims (8)

  1. 吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とからなる編地であって、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中における該編地中の吸水自己伸張糸の糸長を(A)、他方、非自己伸張糸の糸長を(B)とするとき、A/Bが0.9以下であり、かつ該編地の密度が下記式を満足することを特徴とする湿潤時に通気性が向上する編地。
    Co×We≧2000
    ただし、Coは2.54cmあたりのコース数であり、Weは2.54cmあたりのウエール数である。
  2. 吸水自己伸張糸が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維である請求項1に記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  3. 非自己伸張糸がポリエステル繊維である請求項1または請求項2に記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  4. 吸水自己伸張糸と非自己伸張糸とが、経編組織または丸編組織の複合ループを形成してなる請求項1〜3のいずれかに記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  5. 編地の編組織がハーフ組織、サテン組織、天竺組織、スムース組織の群より選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  6. 編地の少なくともどちらか1面に起毛加工が施されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  7. 温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中において、JIS L 1096−1998、6.27A法(フラジール形試験機法)により測定された通気度で50cc/cm・sec以下である請求項1〜6のいずれかに記載の湿潤時に通気性が向上する編地。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の編地を含む、アウター衣料、インナー衣料、スポーツ衣料、裏地の群より選ばれる繊維製品。
JP2003404302A 2003-06-23 2003-12-03 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品 Pending JP2005163225A (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003404302A JP2005163225A (ja) 2003-12-03 2003-12-03 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品
EP04746373.2A EP1640488B1 (en) 2003-06-23 2004-06-17 Woven or knitted fabric containing two different yarns and clothing comprising the same
US10/552,826 US7842628B2 (en) 2003-06-23 2004-06-17 Woven or knitted fabric containing two different yarns and clothing comprising the same
CA 2522075 CA2522075A1 (en) 2003-06-23 2004-06-17 Woven or knitted fabric containing two different yarns and clothing comprising the same
KR1020057016476A KR101172339B1 (ko) 2003-06-23 2004-06-17 두 개의 이종 사조 함유 직편 포백 및 그것을 포함하는의복
CN200480005863.2A CN1756864B (zh) 2003-06-23 2004-06-17 含有两个不同种类丝条的编织布帛以及包含其的衣服
PCT/JP2004/008904 WO2004113601A1 (ja) 2003-06-23 2004-06-17 二異種糸条含有織編布帛及びそれを含む衣服
EP20070075375 EP1860217A3 (en) 2003-06-23 2004-06-17 Woven or knitted fabric containing two different yarns and clothing comprising the same
TW93117984A TWI339226B (en) 2003-06-23 2004-06-21 Woven on knitted fabric containing two different types of yarns and clothing containing same
US12/494,059 US20090260124A1 (en) 2003-06-23 2009-06-29 Woven or knitted fabric containing two different types of yarns and clothing containing the fabric

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003404302A JP2005163225A (ja) 2003-12-03 2003-12-03 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005163225A true JP2005163225A (ja) 2005-06-23

Family

ID=34727322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003404302A Pending JP2005163225A (ja) 2003-06-23 2003-12-03 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005163225A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007086491A1 (ja) * 2006-01-26 2007-08-02 Asahi Kasei Fibers Corporation セルロース繊維混用布帛
US7820571B2 (en) * 2004-06-01 2010-10-26 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Woven or knitted fabric exhibiting reversibly changeable air permeability
JP2017101340A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 旭化成株式会社 セルロース混用丸編地
CN112204183A (zh) * 2018-05-30 2021-01-08 耐克创新有限合伙公司 由单丝纱线形成的轻质透气服装

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7820571B2 (en) * 2004-06-01 2010-10-26 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Woven or knitted fabric exhibiting reversibly changeable air permeability
WO2007086491A1 (ja) * 2006-01-26 2007-08-02 Asahi Kasei Fibers Corporation セルロース繊維混用布帛
JP5102045B2 (ja) * 2006-01-26 2012-12-19 旭化成せんい株式会社 セルロース繊維混用布帛
JP2017101340A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 旭化成株式会社 セルロース混用丸編地
CN112204183A (zh) * 2018-05-30 2021-01-08 耐克创新有限合伙公司 由单丝纱线形成的轻质透气服装
US11564430B2 (en) 2018-05-30 2023-01-31 Nike, Inc. Lightweight, permeable garment formed from monofilament yarns
US11992073B2 (en) 2018-05-30 2024-05-28 Nike, Inc. Lightweight, permeable garment formed from monofilament yarns

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7842628B2 (en) Woven or knitted fabric containing two different yarns and clothing comprising the same
JP3992687B2 (ja) 湿潤時に通気性が向上する織編物
TWI723152B (zh) 紗線及布帛及纖維製品
WO2017104338A1 (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
KR20060089225A (ko) 신축성 복합 포백 및 그 의류제품
US20060270293A1 (en) Woven or knitted cloth containing two different yarns from and exhibiting reduction of interstitial rate in becoming wet
JP2010163712A (ja) 靴下
JP2006264309A (ja) 吸水により立体的に構造変化する多層構造体および繊維製品
JP2008297657A (ja) キルテイング生地および寝具およびダウンジャケット
JP2006328567A (ja) ストレッチ回復性に優れた薄地丸編地および繊維製品
JP2005264389A (ja) 湿潤時に通気性が向上する織物および繊維製品
JP5216970B2 (ja) ポリエステル編地およびその製造方法および繊維製品
JP4567500B2 (ja) 吸水により立体的に構造変化する布帛および繊維製品
JP2009167565A (ja) ストレッチ性編地およびその製造方法および繊維製品
JP2010180517A (ja) 多層構造織編物および繊維製品
JP2005154994A (ja) 弾性複合糸および織編物および繊維製品
JP2005163225A (ja) 湿潤時に通気性が向上する編地および繊維製品
JP4287292B2 (ja) 感湿通気性向上衣服
JP2019173224A (ja) 靴下
JP4187661B2 (ja) 制電性織編物および繊維製品
JP4475011B2 (ja) 肌着用編地
JP4213048B2 (ja) 湿潤時に空隙率が低下する織編物
JP3967317B2 (ja) ストレッチ織物およびその製造方法および繊維製品
JP2005330603A (ja) 湿潤時に凹凸が現れる二層構造織編物および繊維製品
JP2007321278A (ja) 織編物およびその製造方法および繊維製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090811