JP2004060090A - 仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった嵩高で、ソフトな風合いを有し、芯糸である着色弾性糸が露出し、まだら状に白っぽく見える斑点(目むき)が発生せず、深色性に優れ、外観品位が優れたストレッチ布帛を得ることができる仮撚加工糸およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】芯糸と鞘糸からなる仮撚加工糸であって、芯糸に着色弾性糸が用いられ、鞘糸に他のフィラメント糸が用いられてなり、仮撚が施されてなることを特徴とする仮撚加工糸。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は仮撚加工糸およびその製造方法に関するものである。
【0002】
さらに詳細には、嵩高で、ソフトな風合いを有し、芯糸である着色弾性糸が露出してまだら状に白っぽく見える斑点(目むき)が発生せず、外観品位が優れたストレッチ布帛を得ることができる仮撚加工糸およびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、ストレッチ素材として、芯糸としてポリウレタン系弾性繊維を用い、鞘糸となるポリアミド繊維やポリエチレンテレフタレート繊維などを一重あるいは二重に被覆した弾性被覆糸が、ストッキング、ソックス、インナー、アウターなど一般衣料用途に使用されてきた。このように、芯糸としてポリウレタン系弾性繊維を用いた弾性被覆糸は被覆性に優れており、芯糸であるポリウレタン系弾性繊維がほとんど露出することはないが、布帛を形成し、一般衣料に用いる場合、外観は優れている。しかし、着用して布帛が伸長された時、芯糸のポリウレタン系弾性繊維が外側に露出し伸長された部分のみ白っぽく見え、外観を悪くすることが問題となっていた。また、芯糸の露出を少なくするため、カバリング糸に十分なヨリを施さねばならず、製造コストが一般的に高い。
【0004】
このため、製造コストが比較的安価である仮撚加工糸が使用されることがあるが、通常の仮撚加工糸では、嵩高であり、ソフトな風合いの布帛を得ることができるが、十分な被覆性が得られず、芯糸であるポリウレタン系弾性繊維が外側に露出し、布帛表面に白っぽいまだら状の目むきが発生し、外観が著しく悪くなるという問題を有している。特に、従来のストレッチ素材では着用時に布帛が大きく伸長され、目むきを発生したり、深色性が不十分であるということからブラックフォーマルなどの深色性を要求する用途には対応し難いということが問題とされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった嵩高で、ソフトな風合いを有し、芯糸である着色弾性糸が露出し、まだら状に白っぽく見える斑点(目むき)が発生せず、深色性、および外観品位が優れたストレッチ布帛を得ることができる仮撚加工糸およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の仮撚加工糸は、前記課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0007】
すなわち、芯糸と鞘糸からなる仮撚加工糸であって、芯糸に着色弾性糸が用いられ、鞘糸に他のフィラメント糸が用いられてなり、仮撚が施されてなることを特徴とする仮撚加工糸である。
【0008】
また、本発明の仮撚加工糸の製造方法は、前記課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0009】
すなわち、着色弾性糸にドラフトをかけた後、他のフィラメント糸と引き揃え、仮撚を施すことを特徴とする仮撚加工糸の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の仮撚加工糸について説明する。図1は本発明の仮撚加工糸の一例を示す概略側面図である。本発明の仮撚加工糸(ハ)は、実質的に無撚であり、芯糸である着色弾性糸(イ)の周りが他のフィラメント糸(ロ)によって撚回被覆された形態を示す。
【0011】
本発明の仮撚加工糸は深色性に優れ、L値(明度)は20以下であることが好ましい。L値(明度)が20より大きいとブラックフォーマル用途として用いるときに十分な黒さを得ることができない。
【0012】
本発明における着色弾性糸としては、好ましくはポリウレタン系弾性繊維が挙げられ、他に、ポリエーテル・エステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維などが挙げられる。天然ゴム、合成ゴム、半合成ゴムからなる糸状物すなわちゴム糸も使用される。これらの糸を主体として、他の有機合成樹脂と混合したりしたものも好ましく使用できる。糸自体にゴム状弾性を有するものが好ましい。
【0013】
着色弾性糸としては、非着色の弾性繊維から製造された弾性糸を染色などの着色手段で着色したものが使用できる。予め着色された弾性繊維から製造されたいわゆる原着糸も好ましく使用できる。
【0014】
ポリウレタン系弾性繊維は、ポリマージオールと有機ジイソシアネートを主体とするイソシアネートと多官能活性水素化合物を反応させて得られるポリウレタン重合体を紡糸して得られたものが好ましい。
【0015】
ポリウレタン系弾性繊維に用いられるポリマージオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンエーテルグリコールのようなポリエーテルグリコール類、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類の少なくとも一種とアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、β−メチルアジピン酸、イソフタル酸などのジカルボン酸の少なくとも一種を反応させて得られるポリエステルグリコール類、ポリカプロラクトングリコール、ポリヘキサメチレンジカーボネートグリコールのようなポリマージオールの一種または二種以上の混合物または共重合物が好ましい。
【0016】
また、有機ジイソシアネートとしては、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような有機ジイソシアネートの一種または二種以上の混合物が好ましい。さらにトリイソシアネートを少量併用してもよい。
【0017】
多官能活性水素化合物としては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水などの一種またはこれらの二種以上の混合物が好ましい。所望により、これら前記化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停止剤を少量併用してもよい。
また、2,6−ジテトラブチルパラクレゾール、亜リン酸エステルなどの酸化防止剤、ヒドロキシベンゾフェノン系またはヒドオキシベンゾチアゾールなどの光または紫外線吸収剤、1,1−ジアルキル置換セミカルバジド、ジチオカルバミン酸塩などのガス黄変、劣化防止剤、および酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料を適宜使用してもよい。
【0018】
本発明で用いる着色弾性糸はカーボンブラックおよび/または有機色素を含有し、L値(明度)が20以下であることが好ましい。L値が20より大きいと芯糸である着色弾性糸は外側に露出するため、仮撚加工糸自体のL値が大きくなり、さらに、白っぽく見え、布帛上での目むきの原因となる。
【0019】
本発明で使用されるカーボンブラックとしては、JIS K6200にある炭化水素、または炭素を含む化合物を空気の供給が不十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の集合体が好ましく使用され、オイルファーネス法、ガスファーネス法、チャネル法又はサーマル法のいずれの製法で製造されたものも好ましく使用され、特に限定されるものではない。例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、ローラーブラック、アセチレンブラック、ファインサーマルブラック、メディアムサーマルブラック、ランプブラック、ボーンブラック、松煙、油煙、ベジタブルブラックなどが好ましく使用される。
【0020】
本発明においては、着色弾性糸におけるカーボンブラックの含有量は、良好な紡糸性を得る観点から、0.1重量%以上20重量%以下の範囲が好ましく、良好な濃色性、制電性を得る観点から、0.5重量%以上10重量%以下がより好ましい。
【0021】
なお、これらの含有量は、用途に応じて事前にテストし、適宜決定することも好ましく行われる。
【0022】
さらに、本発明で使用されるカーボンブラックは、ポリウレタンへの分散を速くし、製造されるポリウレタン糸の特性を目標の特性とせしめる観点から、電子顕微鏡で測定されるカーボンブラックの平均一次粒子径が20nm〜100nmの範囲にあるものが好ましく使用される。さらに良好な濃色性、制電性を得る観点から、30nm〜60nmの範囲にあるものがより好ましく使用される。
【0023】
さらに、本発明で使用されるカーボンブラックは、ポリウレタン糸の濃色度を高める観点から、比表面積(BET吸着法)が20m/g以上であるのが好ましく、30m/g以上であるのがより好ましい。
【0024】
また、本発明で使用されるカーボンブラックは、日本工業規格K6221に定められた950℃で7分間加熱した際の減量(揮発分)が0.5〜5%の範囲にあるものが好ましく、また、吸油量(ジブチルフタレートを用いた測定値)が50cc/100g〜150cc/100gの範囲にあるものが好ましい。
【0025】
着色弾性糸に用いられる有機色素としては、顔料または染料のいずれを用いてもよく、黒色顔料を好ましく用いることができる。1種を単独で用いてもよく、また互いに異なる色相の有機色素を2種以上複合して用いることも好ましい。
【0026】
染料としては、弾性糸を染色できるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
【0027】
さらに、着色弾性糸に用いられる有機色素は、その組み合わせにより着色弾性糸として、黒の色相になるものであればよく、有機色素のそれぞれについては、いかなる色相のものを用いても構わない。
【0028】
本発明においては、特に、補色関係にあるものを用いることが好ましい。
【0029】
本発明で使用される着色弾性糸の繊度は10〜110デシテックスの範囲が好ましく、15〜35デシテックスの範囲がより好ましい。
【0030】
また、着色弾性糸の破断伸度は300%以上であることが好ましい。
【0031】
さらに、着色弾性糸の断面形状は円形であってもよく、扁平であってもよい。
【0032】
次に、着色弾性糸と引き揃え、同時仮撚する他のフィラメント糸について説明する。
【0033】
本発明の仮撚加工糸の他のフィラメント糸はポリアミドフィラメント糸またはポリエチレンテレフタレートフィラメント糸であることが好ましい。
【0034】
他のフィラメント糸の態様は延伸糸、高配向未延伸糸などのいずれであってもよく、また、これらの複合糸であってもよい。
【0035】
他のフィラメント糸の種類、繊度および態様は、用途目的に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0036】
他のフィラメント糸の繊度は、用途目的に応じて20デシテックス以上220デシテックス以下の範囲が好ましい。
【0037】
さらに他のフィラメント糸の単糸繊度は用途に応じて0.4デシテックス以上8デシテックス以下の範囲が好ましい。
【0038】
次に、本発明の仮撚加工糸の製造方法について説明する。
【0039】
図2は本発明の仮撚加工糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
【0040】
本発明の仮撚加工糸の製造方法では、着色弾性糸にドラフトをかけた後、他のフィラメント糸と引き揃え、仮撚を施す。仮撚加工には市販の仮撚加工機が好ましく用いられる。
【0041】
図2において、芯糸である着色弾性糸1を転がし給糸ローラ3により積極送りし、転がし給糸ローラ3〜フィードローラ4の間で2倍以上4倍以下の範囲でドラフトを施すことが好ましい。ドラフトが2倍未満であると加工糸の伸度が小さくなり、布帛を形成した際に十分な伸縮性を得ることができず、ドラフトが4倍より大きいと仮撚工程で糸切れが発生するなどの問題を生じる。
【0042】
着色弾性糸1と他のフィラメント糸2はフィードローラ4上で引き揃えられ、フィードローラ4〜デリベリローラ7の間で施撚体6により、仮撚されながら、熱板5上で熱セットが施される。捲縮を十分に付与し、繊維の熱劣化による糸切れ、毛羽の発生を抑える観点から、仮撚加工温度は140℃以上210℃以下の範囲が好ましい。仮撚加工に用いられる施撚体としては、ピン、フリクションディスク、ベルト等が好ましく用いられる。
【0043】
十分な捲縮を得ること、および仮撚工程で、糸切れの原因となる二重撚の発生を防止する観点から、仮撚数T(T/m)は、下記一般式(I)で定義される仮撚係数Kが6000以上32000以下の範囲となるように設定することが好ましい。
【0044】
K=T×D1/2………(I)
D:仮撚加工糸の繊度(dtex)
仮撚された仮撚加工糸はデリベリローラ7を経て、テイクアップローラ8により巻取られる。
【0045】
前記着色弾性糸の紡糸方法は乾式であることが好ましく、溶融紡糸などの紡糸方法であってもよい。
【0046】
本発明の仮撚加工糸を用いた布帛は、嵩高で、ソフトな風合いを有し、芯糸である着色弾性糸が露出し、まだら状に白っぽく見える斑点(目むき)が発生せず、深色性および外観品位が優れ、特に、ブラックフォーマルに好適であり、他に学生服、ソックス、タイツ、スイミングウェア、インナーウェア、ファンデーション、ワンピース、スカート、シャツ、ナイトウェア、ベビー衣料などに用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0048】
なお実施例中のL値(−)は次の方法で求めた。ただし、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。
[L値(−)]
試験片作成法は試料糸を5×5cmの試料板に、試料板の色の影響が現れない程度に密接に最小荷重で巻き取り、試料とした。試料および常用標準白色面(JIS Z 8722の4.3.4)の前面を均質平坦で透明な約1mm厚のガラス板で密着させ覆った。
L値(明度)の測定はSMカラーコンピューター(スガ試験機製)を用いた。L値は、Lab系の色表示における明度であり、その値が小さいほど明度が低い、すなわち黒色の発色が深いことを意味する。
【0049】
[実施例1]
着色弾性糸として、分子量1800のPTMG、ジフェニルメタンジイソシアネート、エチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレアに平均一次粒子径が40nm、比表面積が40m/gのカーボンブラックを2.0重量%含有し、L値が25.0で22dtex(モノフィラメント)のポリウレタン系弾性繊維を用いた。
【0050】
鞘糸として84dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(延伸糸)を用いた。
【0051】
図2に示すような仮撚加工工程を使用して、以下の条件で仮撚加工を施し、撚加工糸を得た。
【0052】
着色弾性糸のドラフト:3.0
加工速度  :200m/min(デリベリローラ7上での糸速)
延伸倍率  :1.03
施撚体   :フリクションディスク(セラミック製)
仮撚方向  :S
仮撚数   :3680T/m
ヒータ   :ホットプレート(2.5m)
仮撚加工温度:190℃
得られた仮撚加工糸を用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で黒色に染色し、仕上げ加工した結果、嵩高で、ハリコシがあり、ストレッチ性が良好であり、芯糸である着色弾性糸が露出していても、目むきが発生せず、外観品位が優れており、加工糸のL値は17.6で、深色性および外観品位が優れたストレッチ布帛を得た。
【0053】
[実施例2]
芯糸として実施例1で使用したものと同じポリウレタン系弾性繊維〔東レ・デュポン社製、ライクラ(登録商標)T−127C、22dtex〕に顔料としてカーボンブラックを配合した原着糸を用い、鞘糸として84dtex36フィラメントのポリアミドフィラメント糸(延伸糸)を用い、実施例1と同様に以下の条件で仮撚加工を施し、仮撚加工糸を得た。
【0054】
着色弾性糸のドラフト:3.0
加工速度  :200m/min(デリベリローラ7上での糸速)
延伸倍率  :1.03
施撚体   :フリクションディスク(セラミック製)
仮撚方向  :S
仮撚数   :3680T/m
ヒータ   :ホットプレート(2.5m)
仮撚加工温度:180℃
得られた仮撚加工糸を用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、酸性染料で黒色に染色し、仕上げ加工した結果、嵩高で、ハリコシがあり、ストレッチ性が良好であり、芯糸である着色弾性糸が露出していても、目むきが発生せず、加工糸のL値は18.5で、深色性および外観品位が優れたストレッチ布帛を得た。外観品位が優れており、婦人向けニット、タイツ、ソックスに好適な編地を得た。
【0055】
[比較例1]
芯糸としてL値が82.4のポリウレタン系弾性繊維〔東レ・デュポン社製、ライクラ(登録商標)T−127C、22dtex、ダル糸(白色)〕を用いた。
【0056】
鞘糸として実施例1で用いたの同じ84dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(延伸糸)を用いた。
【0057】
実施例1と同様に以下の条件で仮撚加工を施し、仮撚加工糸を得た。
【0058】
ポリウレタン系弾性繊維のドラフト:3.0
加工速度  :200m/min(デリベリローラ7上での糸速)
延伸倍率  :1.03
施撚体   :フリクションディスク(セラミック製)
仮撚方向  :S
仮撚数   :3680T/m
ヒータ   :ホットプレート(2.5m)
仮撚加工温度:190℃
得られた仮撚加工糸を用いて、実施例1と同様に、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で黒色に染色し、仕上げ加工した結果、嵩高でハリコシがあるが、弾性糸が外側に露出してしまい、加工糸のL値は35.3で深色性に乏しく目むきが発生し、外観品位が著しく悪い編地となった。
【0059】
[比較例2]
芯糸として比較例1で用いたのと同じポリウレタン系弾性繊維〔東レ・デュポン社製、ライクラ(登録商標)T−127C、22dtex、ダル糸(白色)〕を芯糸として用い、他のフィラメント糸として84dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸で仮撚り加工を施した原着糸(ブラック)を用い、実施例1と同様に以下の条件で仮撚加工を施し、仮撚加工糸を得た。
【0060】
ポリウレタン系弾性繊維のドラフト:3.0
加工速度  :200m/min(デリベリローラ7上での糸速)
延伸倍率  :1.03
施撚体   :フリクションディスク(セラミック製)
仮撚方向  :S
仮撚数   :3680T/m
ヒータ   :ホットプレート(2.5m)
仮撚加工温度:190℃
得られた仮撚加工糸を用いて、、実施例1と同様に、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で染色し、仕上げ加工した結果、嵩高性に欠き、風合いがやや硬く、通常は白色の弾性糸が外側にほとんど露出しないが、加工糸のL値は39.9で、深色性に劣り、編地を着用伸長まで伸ばすと弾性糸が外側に露出し、外観が悪い編地となった。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった嵩高で、ソフトな風合いを有し、芯糸である着色弾性糸が露出し、まだら状に白っぽく見える斑点(目むき)が発生せず、深色性および外観品位が優れたストレッチ布帛を得ることができる仮撚加工糸およびその製造方法を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮撚加工糸の一例を示す概略側面図である。
【図2】本発明の仮撚加工糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
(イ):着色弾性糸
(ロ):他のフィラメント糸
(ハ):仮撚加工糸
1:着色弾性糸
2:他のフィラメント糸
3:転がし給糸ローラ
4:フィードローラ
5:熱板(ホットプレート)
6:施撚体
7:デリベリローラ
8:テイクアップローラ
9:仮撚加工糸

Claims (15)

  1. 芯糸と鞘糸からなる仮撚加工糸であって、芯糸に着色弾性糸が用いられ、鞘糸に他のフィラメント糸が用いられてなり、仮撚が施されてなることを特徴とする仮撚加工糸。
  2. L値(明度)が20以下であることを特徴とする請求項1に記載の仮撚加工糸。
  3. 前記着色弾性糸がポリウレタン系弾性繊維からなる原着糸であることを特徴とする請求項1または2に記載の仮撚加工糸。
  4. 前記着色弾性糸がカーボンブラックおよび/または有機色素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の仮撚加工糸。
  5. 前記カーボンブラックの平均一次粒子径が20nm〜100nmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の仮撚加工糸。
  6. 前記カーボンブラックの比表面積が20m/g以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の仮撚加工糸。
  7. 前記有機色素が黒色顔料であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の仮撚加工糸。
  8. 前記有機色素が互いに異なる色相の色素を2種以上複合されたものであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の仮撚加工糸。
  9. 他のフィラメント糸がポリアミドフィラメント糸を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の仮撚加工糸。
  10. 他のフィラメント糸がポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の仮撚加工糸。
  11. 着色弾性糸にドラフトをかけた後、他のフィラメント糸と引き揃え、仮撚を施すことを特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
  12. 着色弾性糸にかけるドラフトを2倍以上4倍以下の範囲とすることを特徴とする請求項11に記載の仮撚加工糸の製造方法。
  13. 仮撚加工温度を140℃以上210℃以下の範囲とすることを特徴とする請求項11または12に記載の仮撚加工糸の製造方法。
  14. 下記一般式(I)で定義される仮撚係数Kを6000以上32000以下の範囲として仮撚することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の仮撚加工糸の製造方法。
    K=T×D1/2・・・(I)
    T:仮撚数(T/m)
    D:仮撚加工糸の繊度(dtex)
  15. 前記着色弾性糸がカーボンブラックおよび/または有機色素を含有することを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の仮撚加工糸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015067914A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 ユニチカトレーディング株式会社 デニム調織物
KR20180047056A (ko) * 2016-10-31 2018-05-10 (주)시마 스포츠 웨어용 다기능성 직물

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