JP3375703B2 - 着古し感覚のポリエステル布帛およびその製造法 - Google Patents
着古し感覚のポリエステル布帛およびその製造法Info
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Description
感覚のポリエステル布帛およびその製造法に関するもの
である。
いて均一であることを特徴とし発展してきた。一方近年
のファッシヨンは多様性に富んでおり、その中で均一な
ポリエステルフィラメントにも斑が要求されるようにな
り、シックアンドシン糸に代表される色斑を持つ素材が
1つのジャンルを形成するに至った。このシックアンド
シン糸については数多くの提案がなされており、多彩な
色斑が可能となっているが実際に剥げるあるいは剥げた
表情(着古し感覚)を有するシックアンドシン素材には
至っていない。
を有する素材の頂点としてジ−ンズを挙げることができ
る。ジ−ンズについては今更言うまでもないが、着古し
感覚の最大唯一のマ−ケットを形成しており、その自然
さが若者を中心に広い年齢層に愛用されている。ジ−ン
ズの剥げ感、着古し感のつくり方には種々の方法がある
が、基本的にはインデイゴ染料で表面染色された綿糸を
使用し、洗いと称する工程で染料の1部を実際に剥ぎ落
とす方法によって可能となる。本発明者らはこのジ−ン
ズの剥げ感、着古し感をポリエステル糸で何とか表現出
来ないものかと検討を重ね、本発明に至ったものであ
る。
芯よりも濃染された芯鞘複合ポリエステル糸からなる布
帛であって、鞘が少なくともアルカリ減量および擦過に
より部分的に除去され鞘よりも淡色あるいは不染のダル
光沢の芯が表面に露呈していることを特徴とする着古し
感覚のポリエステル布帛であり、さらに芯鞘複合ポリエ
ステル糸の芯が屈折率1.6以上の微粒子を0.5%以
上含有するカチオン染料に不染のポリエステルポリマー
で、鞘がカチオン染料に可染のポリエステルポリマーで
ある上記記載の着古し感覚の布帛であり、その製造法と
して芯が屈折率1.6以上の微粒子を0.5%以上含有
するカチオン染料に不染のポリエステルポリマーで、鞘
がカチオン染料可染ポリエステルポリマーである芯鞘複
合ポリエステル糸を常法により製編織した後、少なくと
もアルカリ減量および擦過により鞘を部分的に除去する
ことを特徴とする。
た芯の濃淡差はJIS L0804の変退色用グレ−スケ−
ルで4級以上の濃淡差であり、濃染された鞘と不染の芯
の濃淡差はJIS L0805の汚染用グレ−スケ−ルで4
級以上の濃淡差を言う。また部分的に除去されていると
は、布帛表面の任意の一点において、鞘が除去された部
分あるいは除去されない部分が1cm2 以上存在しないこ
とを指す。
に使用するポリエステル糸は異ポリマ−による芯鞘複合
ポリエステル糸である。これは着古し感を得るために、
本発明はジ−ンズの如く実際に部分的に繊維表面を剥ぎ
落としや溶かし落とし等によって、除去する事を特徴と
するが、除去した後の部分は除去する前の部分と異色性
を有していなければ剥げ感覚の表情を呈しないためであ
る。更には部分的に繊維表面を除去した後も強度を保つ
ためである。
に示す様態のものであり正芯(同心)であっても偏芯
(偏心)であってもまた芯の1部が表面に露呈していて
も、本発明の剥げ感効果が得られるものであれば特にそ
の形態を特定するものでは無いが、量産上の剥げ表情の
安定性、再現性を考慮した場合正芯が特に好ましい。こ
の場合鞘の断面積比率は、30%〜70%であることが
好ましい。30%未満であると鞘のみを染色した場合、
特に本発明では後述の如く芯をダル光沢としているため
発色性に限界があり、濃色が得られない。また70%を
越えると鞘を除去したあとで強度低下が激しく生地の強
力が保てない場合がある。また、芯成分は単芯に限らず
多芯であっても差支えない。
リマ−について述べる。本発明はジ−ンズと同様に色を
落として剥げ感覚を出すものである、すなわち鞘の部分
的除去により露呈する芯が無色あるいは淡色で、除去さ
れない鞘が芯よりも濃色である布帛であって、その逆の
芯が濃色で鞘が無色あるいは淡色では無い。
リマ−は易染性の変性ポリエステルポリマ−であり、芯
ポリマ−はポリエチレンテレフタレートに代表される通
常のポリエステルポリマ−である。鞘ポリマ−が変性ポ
リエステルポリマ−であるのは上述の色の理由以外に本
発明で除去法の一環として使用するアルカリ減量で選択
的に鞘のみあるいは主として鞘の部分的除去が可能な易
減量性を有するからである。本発明に使用できる変性ポ
リエステルポリマ−としては、エチレンテレフタレート
単位を主体の骨格とし、これにイソフタル酸が共重合さ
れた変性ポリエステルや、金属−スルホネ−トイソフタ
ル酸が共重合された変性ポリエステル等を好ましいポリ
マーとしてあげることができるが、何等これらに限定さ
れるものではない。
は、例えば、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、1,9
−ノナンジオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族多
価アルコール、1,4−(β−オキシエトキシ)ベンゼ
ン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリブチレングリコー
ル等が挙げられる。
性率にこだわるものではないが、鞘を選択的に部分除去
するためには、アルカリ減量速度が芯の2倍以上となる
変性率が好ましい。金属−スルホネートイソフタル酸の
場合でいえば、1.4〜5モル%程度の変性率が好まし
い。また金属−スルホネ−トイソフタル酸変性等によっ
てカチオン可染化すると、芯がカチオン染料に不染で分
散染料に可染であるため、露呈部が無色のものまで容易
に対応できる。また酸化チタン等無機微粒子を含むこと
は本発明の効果を損なわない限りにおいて一向に構わな
い。
代表される通常のポリエステルポリマ−でよいが、ダル
光沢を示すポリマ−でなければならない。ブライトポリ
マ−では透明性が高く、芯が露呈していても鞘と同色に
見えて剥げ感覚の布帛とならないためである。ダル効果
を得るには無機微粒子を含有させることが効果的であ
り、本発明では屈折率が1.6以上、粒径が0.1μm
以上の無機微粒子を0.5重量%以上含有させれば良
い。無機微粒子の屈折率が1.6未満あるいは粒径が
0.1μm未満あるいは含有量が0.5重量%未満では
ダル効果が少ない。この時無機微粒子の含有量が10重
量%以上では紡糸断糸が多く好ましくない。紡糸性およ
びダル効果の点から最も好ましい範囲は2〜6重量%で
ある。また粒径が1μmを越えると分散性が悪く紡糸断
糸が増えるので好ましくない。使用できる無機微粒子と
しては、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、アル
ミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ジルコン、メタ
リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム等を挙げること
ができる。
あってもあるいは斑延伸糸(シックアンドシン糸)であ
っても良い。また、長繊維としても短繊維としても使用
することが可能であり、単糸デニールは、特に限定され
ないが、0.7〜5デニールが好ましく、特に1〜3デ
ニールが望ましい。
し、上述の芯鞘複合糸を単独糸として使用しても良い
が、2層構造加工糸の少なくとも側糸あるいは2層構造
延伸糸の少なくとも側糸として使用することは、近年の
新合繊の発展に鑑みても極めて有効であり、本発明の範
囲に属するものである。ここに言う2層構造加工糸とは
伸度の異なる2種類の糸(高伸度糸が側糸)をエア−等
で複合した後、仮撚加工して得られる捲縮と糸長差を有
する加工糸であり、2層構造延伸糸とは収縮率の異なる
2種類の糸(低収縮糸が側糸)をエア−等で複合した
後、熱処理することによって糸長差を発現する加工糸で
ある。
目的によって撚糸等を実施することができるし、他の糸
と交編織しても良い
ステル繊維は優れた物理的物性を有しており本発明の如
き剥げさせる繊維としては不向きな繊維である。従って
まず重要なことは、剥げるきっかけとなる工程と実際に
剥げさせる工程(以後擦過工程と称する)の2段階の工
程が必要となる。剥げるきっかけを得る方法とは繊維の
表面(鞘)を劣化させる方法であり、本発明では加水分
解による劣化法を挙げることができ、具体的にはアルカ
リ処理法と高熱水処理法を挙げることができる。この時
双方法とも劣化は表面から進行するため、表面(鞘)を
剥げさせる本発明に使用する方法としては適している。
℃〜170℃の高温浴中で処理する方法であるが、極端
な硬化を起こし易く、風合のコントロ−ルに難点があ
る。
イソ−ダによる減量法と同様の方法であり、連続減量法
や浴中処理法あるいは部分塗布等による部分処理法等が
採用できる。この場合、連続減量法や浴中処理法は布帛
全体が均一に処理されるため、続く擦過工程で部分的に
擦過する方法が必要である。この点、部分塗布等による
部分処理法では部分劣化や部分減量が進行するため、擦
過工程では均一に擦過しても芯が部分的に露呈する。
なるが、均一処理の場合減量率が鞘成分比率を越えると
異色性が得られ無いのは言うまでもないが、好ましい減
量率の範囲は鞘成分の20%〜70%である。20%未
満では続く擦過工程で芯の露呈が困難であり、また70
%を越えると芯の露呈が多すぎて返って着古し感覚が出
にくくなる。最も好ましい減量率の範囲は鞘成分の40
%〜60%である。一方、部分処理の場合は部分的に芯
が露呈するまで減量してもよいが、鞘が全く減量されな
い部分が存在していると、この部分は続く擦過工程で剥
げるきっかけが無いので極めて剥げにくい。この場合は
上述の均一減量を併用する必要がある。例えば、鞘成分
の20%の均一減量を実施し全体に剥げるきっかけを与
えておき、さらに芯が部分的に露呈するまで部分減量す
れば良い。部分減量の方法としては糊剤とカセイソ−ダ
を混ぜ合わせ、プリント手法により部分的に付着させた
あとスチ−ム熱処理して減量する方法が採用できる。
は染色前であっても染色中であっても染色後であっても
良いが、色合わせやポリエステル布帛の風合出し方法と
して染色前減量が広く一般化していることを考えると染
色前に実施するのが良い。
を着古し感覚の布帛とするには、さらに擦過することが
必要である。擦過によって前工程では無かった芯の露呈
を現出したり、更に重要なのは鞘と露呈した芯の明確な
境界を無くし自然な剥げ方が得られる。
つは原反(生地)での擦過であり1つはジ−ンズと同様
な縫製品での擦過である。原反での擦過はさらにドライ
での擦過と浴中での擦過に区分することができる。浴中
擦過としてはモミ、落下、衝突等を挙げることができ
る。これらは生地を揉んだり、落下させたり、衝突させ
ることによって生地と生地間および生地と染色機間で擦
過する方法である。具体的にモミとは高温高圧下で生地
を繰って揉む方法を挙げられる。この時の温度は110
℃〜140℃である、110℃未満では十分な擦過効果
が得られないし、140℃を越えると風合が硬化した
り、極端な強度低下を起こす事がある。この方法は独立
した工程として実施しても良いし、染色と同時に実施し
ても良い。
で落下を繰り返す方法を挙げられる。この時の温度も上
記と同じ理由により110℃〜140℃である。
設け、そこに生地をぶつける方法を言う。この方法は上
述のモミと併用すると効果的である。最近登場した浴比
の少ない気流染色機(例えばTHEN社製 エア−フロ
−染色機)もこの範疇に属する。この衝突板の形状や衝
突させる条件にはこだわるものではない。
過であって、生地全体が均一に剥げるだけと考えがちだ
が、浴中の生地にはタルミ、ヒッパリ、ネジレ、組織の
凹凸等が発生しているため実際に加工し、染色してみる
と芯が部分露呈しており部分擦過されたことが良く判
る。
あるいは染色中あるいは染色後に実施でき、目的によっ
て使い分けることができる。例えばコストを最優先に考
えるなら染色中に実施するのが良い。
過を言うが、本発明では近年ポリエステル布帛の風合出
しとして使用されているサンドペ−パ−等によるバフ加
工が使用できる。
品での擦過と生地での浴中擦過とで最も異なるのは、縫
製品でも前述の擦過法が採用されるのは当然であるがさ
らにスト−ンウオッシュと言う縫製品に独自の方法が採
用できる点である。この方法は縫製品と共にスト−ンを
バッチに投入し混ぜ合わせる方法であり、スト−ンが縫
製品と衝突、擦過を繰り返し、生地表面を剥げさせる。
この方法は本発明でも有効である。さらに本発明に使用
できる独自の方法としてスト−ンと共にアルカリ減量を
併用できる事である。この方法は擦過法として使えるば
かりで無く、今まで述べてきた、きっかけと擦過が一工
程で可能となる。
が大きいので生地が損傷しやすい高温高圧下での処理は
避け、100℃以下での処理とすることが肝要である。
好ましい範囲は80℃〜100℃である。この時スト−
ンの形状、材質、個数にこだわらないが生地強力には留
意する必要がある。またアルカリ濃度、処理時間にもこ
だわらないが擦過のみの工程として使用する場合は減量
率は鞘成分の20%以下、きっかけと擦過を同時におこ
ない、一気に着古し感覚の縫製品とするには減量率は鞘
成分の20%〜70%の範囲、より好ましくは30%〜
60%の範囲で実施すれば良い。ここでも生地強力には
留意する必要がある。引き裂き強度が経方向、緯方向共
に500g以下では衣料製品にならないし、ボトム用と
しては1kgを確保する必要がある。
よびスト−ンとアルカリ減量によるきっかけと擦過の同
時加工は、染色前あるいは染色後に実施することができ
る。
って行うが、鞘がカチオン染料に不染で分散染料に易染
の変性ポリエステルポリマ−で芯が通常のポリエステル
ポリマ−である場合は、分散染料で染色するが、鞘芯が
同色あるいは同系色の濃色と淡色となる。この時色の濃
淡差は染料、染色条件、ポリマ−の染着性の差異に依存
する。この内もっとも依存性の高いのはポリマ−であ
る。変性率が低いほど鞘は芯と近似色となり本発明の着
古し感覚の布帛は得にくくなる。上述したポリマ−を使
用する場合は、4モル%以上の変性が染色温度や染料の
影響が小さくなるので好ましい。この時染色温度は11
0℃〜140℃である。
で、鞘がカチオン可染ポリマ−であることは好ましい。
カチオン染料のみで染色した場合は露呈部は無色となる
し、さらに無色の露呈部を色相の異なる分散染料で染色
し、多彩な表現も可能となる。この時染色温度は、変性
率によっても異なるが、135℃を越えないことが肝要
である。135℃を越えると鞘が過度に劣化してしまっ
て製品で粉となって全て落ちる場合がある。また染色温
度が低温すぎると発色性が悪い場合がある、好ましい染
色温度は105℃〜125℃である。
工を実施することも擦過法として効果がある。
る。なお本文中減量速度は芯ポリマ−および鞘ポリマ−
それぞれ別個に実施例1と同様に紡糸、延伸して次式に
より求めたKの比較で求めた。 R=−(10/r)Kt+10 K:減量速度恒数(cm/sec) R:未減量ポリエ
ステル(wt%) t:時間(sec) r:単繊維半径(cm) 但し、アルカリ減量処理は、濃度20g/lの苛性ソー
ダ水溶液で95℃にて行うものとする。
%含有するポリエチレンテレフタレートポリマ−を芯と
し、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7モル%
共重合した変性ポリエチレンテレフタレートポリマ−
(前記酸化チタンを0.3重量%含有)を鞘とし(芯/
鞘比率= 1/1)、紡糸速度1200m/分で紡糸し、
延伸温度(予熱)68℃、セット温度150℃で3.5
倍に延伸して、図1の(1)の正芯断面形態のポリエス
テルフィラメント100d/36fを得た(減量速度比
1:3)。
し、2/1綾組織の経糸、緯糸として生機を得た(密度
経140本/インチ、緯 90本/インチ)。引き続
きこの生機を常法により精練、リラックスした後、17
0℃でプレセットした。プレセット後、カセイソ−ダで
アルカリ処理した(濃度10%owf、温度95℃、時
間60分)。この時、生地の減量率は約20%であった
(鞘の減量率は40%)。またこの処理後の生地を、ビ
−ム染色機で120℃でカチオン染料のみで染色し、顕
微鏡で表面観察すると鞘の損傷は無く、表面は一様に染
色されており、擦過による鞘の剥げは無かった。
N社製AIR FLOW染色機を用いて次の条件で擦過
処理した。 浴比: 1:3 温度: 130℃ 布速度:600m/分
ニジェット染色機)を用いて次の条件で鞘のみ染色し
た。 浴比:1:20 温度:120℃ 布速度:150m/分 染料:Kayacryl Navy RP−ED(日本
化薬社製) 3%owf 助剤:Na2 SO4 3%owf CH3 COOH 1%owf
上げセットした(密度 経158本/インチ、緯 96
本/インチ)。仕上げた生地は一見ブル−をベ−ス色と
しながら部分的に白色の混じったジ−ンズ様の剥げた表
情をしていた。さらに200倍の顕微鏡で観察してみる
と、組織上形成される凹部はほとんど芯の露呈部が無い
のに対し、凸部は染色されない白色(ダル光沢)の芯が
部分的に露呈しており、擦過処理および染色によって鞘
が部分的に除去されたことがよく判った。
分で行い、伸度250%の190d/36fの糸を得
た。一方通常のセミダルポリエステルポリマ−を使用し
紡糸速度3200m/分で紡糸し伸度170%の220
d/32fの糸を得た。この双方の糸を同時に供給し次
の条件でエア−交絡させた。 エア−圧:3kg/cm2 糸速度: 300m/分 オ−バ−フィ−ド率:3%
ロ−仮撚し280d/68fの構造加工糸を得た。 仮撚機:TH201(愛機製作所社製) 糸速度:200m/分 仮撚温度:175℃ 延伸倍率:1.45 仮撚数:1700T/m
が芯糸のセミダルポリエステルを包みこんだ糸長差が約
13%の構造加工糸であった。この糸に800T/mの
撚糸(S)を施し、実施例1と同様に製織し、アルカリ
処理した後、染色加工した。ただし生機密度は経84本
/インチ、緯66本/インチであり、仕上げ密度は経9
5本/インチ、緯77本/インチであった。
観を呈していたのみならず、綿ライクな風合を有してい
た。
%含有するポリエチレンテレフタレートポリマ−を芯と
し、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2モル%共重
合した変性ポリエチレンテレフタレートポリマ−(前記
酸化チタンを0.3重量%含有)を鞘とし(芯/鞘比率
=1/1、断面形状は図1の(1)と同じ)、紡糸速度
1200m/分で紡糸、延伸、捲縮付与、カットして繊
維長51mm、単糸繊度2.0デニールの短繊維を得た。
(減量速度比1:3)。
2S´の紡績糸を作成し、経糸、緯糸にして2/1の三
つ綾の斜紋織りにした後、引き続きこの生機を常法によ
り精練、リラックスした後、170℃でプレセットし
た。プレセット後、カセイソ−ダでアルカリ処理した
(濃度10%owf、温度95℃、時間60分)。この
時、生地の減量率は約30%であった(鞘の減量率は6
0%)。またこの処理後の生地を、ビ−ム染色機で12
0℃でカチオン染料のみで染色し、顕微鏡で表面観察す
ると鞘の損傷は無く、表面は一様に染色されており、擦
過による鞘の剥げは無かった。
N社製AIR FLOW染色機を用いて次の条件で擦過
処理した。 浴比: 1:3 温度: 130℃ 布速度:600m/分
ニジェット染色機)を用いて次の条件で鞘のみ染色し
た。 浴比:1:20 温度:120℃ 布速度:150m/分 染料:Kayacryl Navy RP−ED(日本
化薬社製) 3%owf 助剤:Na2 SO4 3%owf CH3 COOH 1%owf
上げセットした生地は、ブル−をベ−スとしながら部分
的に白色の混じった着古しジ−ンズ様の剥げた表情をし
ていた。さらに200倍の顕微鏡で観察してみると、組
織上形成される凹部はほとんど芯の露呈部が無いのに対
し、凸部は染色されない白色(ダル光沢)の芯が部分的
に露呈しており、擦過処理および染色によって鞘が部分
的に除去されたことがよく判った。
断面模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 鞘が芯よりも濃染された芯鞘複合ポリエ
ステル糸からなる布帛であって、鞘が少なくともアルカ
リ減量および擦過により部分的に除去され鞘よりも淡色
あるいは不染のダル光沢の芯が表面に露呈していること
を特徴とする着古し感覚のポリエステル布帛。 - 【請求項2】 芯鞘複合ポリエステル糸の芯が屈折率
1.6以上の微粒子を0.5%以上含有するカチオン染
料に不染のポリエステルポリマ−で、鞘がカチオン染料
に可染のポリエステルポリマ−である請求項1に記載の
着古し感覚のポリエステル布帛。 - 【請求項3】 芯が屈折率1.6以上の微粒子を0.5
%以上含有するカチオン染料に不染のポリエステルポリ
マーで、鞘がカチオン染料可染ポリエステルポリマーで
ある芯鞘複合ポリエステル糸を用いて製編織した後、少
なくともアルカリ減量および擦過により鞘を部分的に除
去することを特徴とする着古し感覚ポリエステル布帛の
製造法。
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