JP2017057522A - リバーレース地の製造方法及びリバーレース地 - Google Patents

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康彦 本谷
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Abstract

【課題】装飾性が高く、任意の位置に自由に孔を設けることができる孔あきレースの製造方法を得る。【解決手段】幅方向両側端縁内に位置し、隣り合う一対のウェールである孔形成対象ウェールWh,Wh間に交互に孔形成用渡り糸3を編み込むとともに、この孔形成対象ウェールWh,Wh間における、レース編み立て方向D2に於ける孔形成対象部位20において、緯糸FW、BWを孔形成対象ウェールWh,Whのいずれか一方のウェールに留め、孔形成対象部位以外の部位21にのみ、緯糸FW,BWを孔形成対象ウェールWh,Wh間に渡って編み込む緯糸編込み部位22を設けるとともに、柄糸8,9を孔形成対象ウェールWh、Wh間に渡って編み込む柄糸編込み部位23を設ける編み立て工程を実行し、得られたレースに染色等の処理を施した後、孔形成用渡り糸3を処理済み編み地から除去する。【選択図】図3

Description

本出願はリバーレース地の製造方法、及び、その方法を実施することにより得られるリバーレース地に関する。
今日、ファッション業界では、所謂、自然な着古し感のある製品が一つのトレンドを成している。このような着古し感のある製品を得るために生地、当該生地に使用する繊維に関する検討が重ねられている(例えば、特許文献1、特許文献2)。製品にダメージを与える手法としては、ストーンウオッシュ加工、サンドブラスト加工等が施される。この種の加工は、基本的に最終製品を得た後の加工である。
レース製品に関してもこのトレンドが存在し、製品はダメージレースと呼ばれることもある。ダメージレースの代表格はレース表面をある程度磨耗加工したもの、或いはレース製品の特定部位に孔が空いたものとなる。このような孔あきレースを製造する場合、レース地の編成、染色、裁断、縫製等の工程を経て、ダメージの無い完成製品を得た後、ストーンウオッシュ等のダメージ加工を施していた。このようなダメージ処理は、製品の特定部位に施すことが好ましい場合もある。ダメージが孔あきの場合、レース柄、そのレース柄を有するレースを採用した裁断・縫製品において、使用状態を考慮して孔の位置が特定される必要がある。
一方、レース製品(特に原反)は、そのレース幅が特定されて製造される。一般にレースの編み立ては、幾列かのレースが横に並んだ状態で編み立てられ、幅方向で特定される所定の位置でレースが分離される。このような技術が特許文献3、4、5に開示されている。特許文献3、4に開示の技術は抜き糸を使用する技術であり、特許文献5に開示の技術は基本的に幅方向で設定される分離箇所を渡る糸を切断する技術である。
これら文献に開示されている技術は、チェーンステッチを編みながらウェール形成を進めるラッセル編機が使用されている。
特開平7−173766号公報 特開2005−264390号公報 特開2001−159058号公報 特開2014−5582号公報 特開2000−328406号公報
特許文献1、特許文献2に開示の技術は殊更レースを対象とした技術ではなく、特にレース柄、レースの使用状態を考慮した孔の位置形成が要求される技術に対応できない。
さらに、ダメージ加工は、基本的にダメージ以外の加工が完了した最終段階製品に対して施すこととなるため、編成を完了しているレースにダメージ加工を施すと、レース自体が繊細で形状を維持することができず、レース模様が変わり(型崩れする)、柄が乱れ、良好な製品を得ることが難しい。
特許文献3,4に示される抜き糸は、編み立てられるレース地を、編み立て方向に沿って分離する技術であり、本願が目的とする孔の形成を目的としたものではない。特許文献5では、つなぎ糸14aを切断することにより、同じく編み立て方向に沿った分離を行う。
しかし、特許文献3、4、5では編機としてラッセル編機を使用している。この場合、先に示したように、客先の要求に従って、柄に対応して、レースに設ける孔の位置、その個数等を変更しようとすると、基本的にラッセル編機では抜き糸の位置を自由に選択できないために、機械自体(例えば、抜き糸に使用する筬の選択、数、筬列上の位置等)を変更する必要が発生し、この機械的な変更だけで月単位の期間を要し、納期が長期となり、多品種、少量生産の今日の需要に対応できない。
一方、繊維製品に孔を空ける技術として溶解性の糸を使用する技術は存在するが、この技術では染色前に溶解性の糸を溶解させることとなり、溶解性の糸が溶解するとレース自体が型崩れし、しわがよりレースの美観が崩れる。
従って、本発明の目的は、装飾性が高く、任意の位置に自由に孔を設けることができる孔あきレースの製造方法に係り、さらに、染色等の編立て後の編地処理工程を経てもしわ等の問題が発生することがないレース地の製造方法を得ることにある。
上記目的を達成するための、
ボビン糸から成るウェールの隣り合うコース部位を緯糸で適宜連結して地組織を形成し、柄模様を形成する柄糸を多数前記地組織に編み込んで編成するとともに、前記ウェールに沿って延びる幅方向両側端縁を形成するリバーレースの製造方法の特徴手段は、
前記幅方向両側端縁内に位置し、レース地の幅方向で隣り合う一対のウェールである孔形成対象ウェール間に、所定のコース数を隔てて交互に孔形成用渡り糸を編み込むとともに、前記孔形成対象ウェール間において、レース編み立て方向に於ける孔形成対象部位において、前記緯糸を前記孔形成対象ウェールのいずれか一方のウェールに留め、
レース編み立て方向に於ける前記孔形成対象部位以外の部位にのみ、
前記緯糸を前記孔形成対象ウェール間に渡って編み込む緯糸編込み部位を設けるとともに、前記柄糸を前記孔形成対象ウェール間に渡って編み込む柄糸編込み部位を設ける編み立て工程を実行し、
前記編み立て工程で得られるリバーレースを処理する処理工程を実行し、
前記孔形成用渡り糸を編み地から除去する孔形成工程を実行して、孔を有するリバーレース地を得ることにある。
本願に係るリバーレース地の製造方法を実施する場合は、基本的に、編み立て工程、処理工程、孔形成工程の順に作業を進める。
編み立て工程においては、予め作成する組織図面に基づいたレースの編み立てを実行する。この工程にあっては、例えばダメージレースとして必要となるレースの孔形成対象ウェール間に孔形成用渡り糸を編み込む。そして、染色等の処理工程を経た後、実質的な最終工程となる孔形成工程で、編み立て段階で編み込んでおいた孔形成用渡り糸を抜く。
ただし、処理工程を省略できる場合は実質的な処理がされることなく作業を進め、あるいは、処理工程で実施する処理がリバーレース地に与える影響が軽度である場合は、編み立て工程、孔形成工程、処理工程の順に作業を進めてもよい。
本願に言う孔形成対象ウェールはレース地においてレース地の幅方向で隣接する一対のウェールとなる。従って、孔形成用渡り糸を編み立て後、編地(レース地)から抜き操作すると、孔形成対象部位に関しては、これら一対のウェール間に緯糸も柄糸もないため、編み立て方向で分離することになる。一方、孔形成対象部位とは異なる部位である、緯糸編込み部位、柄糸編込み部位に関しては、当該ウェール間に緯糸若しくは柄糸或いはそれら両方が編み込まれているため、分離することはない。
結果、例えば、図1に図番2に示すように、編み立て方向に特定のウェール間に渡って延びた孔を形成することができる。
本願にあっては、このような孔をレース地の幅方向両側端縁間の任意の位置に任意の数だけ形成できる。さらに、レース地の編み立て方向の任意の位置に任意の長さで形成できる。結果、レース地に形成する柄に合わせて、編み立て方向に延びる本願独特の形態の孔を形成でき、ダメージレースとしての孔有りレースを得ることができるとともに、例えば図1に示すような独特な意匠のレースを得ることができる。
しかも、本願では、編機としてリバーレース機を使用するため、レース地幅方向における孔形成用渡り糸の位置調整を簡単に行える。さらに、孔形成対象部位の特定も容易である。
このような調整はラッセル機でも使用者側で可能だが、ラッセル機の仕様変更を意味することとなるため、変更に一ヶ月程度を要し、実用的でない。また、各レース柄毎に対応して所望の箇所に孔を設けたり、一度サンプルを作成し客先が評価した後、孔の位置、長さをレース地幅方向を含めて変更する等の細かな調整がラッセル機では事実上不可能である。
本願においては、リバーレースを機械的に製造できる機械をリバーレース機と呼んでいる。リバーレースは組紐的な構造を有するため織物である見解もあるが、後述する構造(段落〔0024〕〜〔0031〕)を有するリバーレースを製造できる機械である点において変わりはない。仮に織物との見解に立脚する場合、本願にいうレース地の幅方向は経糸(ボビン糸)の並び方向に該当し、編み立て方向は織りの進行方向となる。
さて、前記緯糸編込み部位を形成するに、
前記レース編み立て方向において、緯糸の編込み密度が異なる部位を設けることも好ましい。
本願に係るレース地においては、緯糸編込み部位で、緯糸が孔形成対象ウェール間に渡って編み込まれるため、この部位に先に説明したような孔が形成されることはない。しかし、孔形成対象ウェール間が緯糸により繋がれている場合でも、その密度を調整することで、緯糸の密度が高い領域においては編み立て方向にウェールがしっかりと延びるレース部となり、密度が低い領域は比較的緩く接続され、荒いネット(メッシュ)が存在する部分となる。結果、例えば、本願独特の孔形成対象部位の編み立て方向、上下に密な領域を形成すると孔を明確とでき、粗な領域を設け、その先を密とすると、順次、孔から密なレース組織へと移行する構成を実現できる。
さらに、
前記編み立て工程を実行するに、
前記緯糸のみを前記孔形成対象ウェール間に編み込む緯糸単独編込み部位を設けるとともに、前記柄糸と前記緯糸との両方を前記孔形成対象ウェール間に編み込む柄糸・緯糸編込み部位を設けることも好ましい構成である。
緯糸単独編込み部位或いは柄糸・緯糸編込み部位を形成することで、ネット単独部位及び柄の乗った部分を形成でき、孔形成対象部位を挟む等して、様々なレース模様を展開できる。
さらに、
前記緯糸若しくは前記柄糸として第一繊維及び第二繊維を備え、
前記第一繊維として前記第二繊維より太い繊維が使用され、
レース地の編み立て方向における編み組織に関し、当該方向における領域間の比較で、前記第一繊維の密度が前記第二繊維の密度より高い領域が形成されることが好ましい。
この製造方法を採用する場合は、糸の太さの選択により、例えば、孔形成対象部位を挟む等して、レースの孔が糸により覆われるレース地を見た場合のカバー形態を適切に調整できる。
さらに、このような第一繊維、第二繊維として特定の染料に対して異なった発色性の繊維を選択すれば、色の変化もレース地のカバー形態に合わせて調整できる。
以上、これまで説明してきたリバーレース地の製造方法を使用することにより、幅方向両側端縁内に、レース編み立て方向に複数コースに渡ってのびる孔を備えたリバーレース地を、機械的に且つ容易に製造することができた。
本願に係る孔付きリバーレースの外観を示す図 リバーレースの組織構成を示す説明図 孔形成用渡り糸を編み込んだ原反の組織図 孔形成の過程を示す説明図 孔形成用渡り糸周りの緯糸の別実施形態を示す図
本願の実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
図1は、本願に係るリバーレース地1を表面側からみた外観を示す図である。
本願の特徴は、同図にも示すように、リバーレース地1に編み立て方向D2に延びる孔2が形成されていることにあり、柄糸等により構成されるレース柄とともに、本願独特の孔2もレース模様の一部を成している。本願に係るリバーレース地1では、レース地幅方向D1、レース地編立て方向D2における孔2の位置を自由に調整可能であるとともに、孔2の長さ、その前後におけるネットNの構造も自由に調整可能である。
図3に、孔2を形成するための編組織の組織構造の一例を示すとともに、その形成原理を図4に示した。
本願に係るレース地はリバーレース機(図外)にて編み立てられ、その後、所定の処理を編地に施した後、本願独特の孔形成用渡り糸3を抜き操作することで製造される。
以下の説明では、まず、リバーレースの組織に関して説明する。また、使用する糸に関しても具体例を示すが、これらの例は好ましい一例に過ぎない。
リバーレース地1を編地表面側から見た場合の組織を図2(a)、図2(b)に示した。図2(a)に示すように、リバーレース地1には、ウェールWと呼ばれる編立て方向D2に伸びる組織の基本をなすボビン糸7(糸種:ナイロン、太さ30〜50デニール)が経糸として備えられ、このボビン糸7に、バックワープBW(糸種:ポリウレタンをコアとするナイロンカバーの糸、太さ:140〜420デニール、或いは、太さ30〜50デニールのナイロン糸等)が編地の幅方向に編み込まれる。さらに、ボビン糸7とバックワープBWとからなる組織に対して、バックワープBWの表側に、フロントワープFW(糸種:ナイロン、太さ30〜50デニール)が編み込まれる。これらバックワープBW、フロントワープFWが経編地の地組織4(ネットN)を構成するための緯糸となる。
これらバックワープBW、フロントワープFW、或は、後述するギンプ糸8及びライナー糸9の編み込み方向が、先に説明した編立方向D2に直交するレース地の幅方向D1となる。
バックワープBW及びフロントワープFWの糸振りは、同一のコースCで隣接ボビン糸7間或は所定数のボビン糸7間で緯振りをして編みが進むものであり、バックワープBWは、図2(a)に示すように、編地表面側から見て、ボビン糸7に対して糸が右振り時にボビン糸7の裏面側に位置され、左振り時にボビン糸7の表面側に位置する形態となる。フロントワープFWは逆に、ボビン糸7に対して右振り時に表面側に位置され、左振り時に裏面側に位置されるように編成される。
リバーレース地1の地組織4は、ボビン糸7(経糸)、バックワープBW(緯糸)及びフロントワープFW(緯糸)で完成する。そして、リバーレース地1では、柄出し等の目的から、この地組織4に対して、図2(b)に示すように、フロントワープFWとバックワープBWの間にギンプ糸8(糸種:カチオン、ナイロン:もしくは綿等、太さ:50〜150デニール程度)が挿入され、フロントワープFWの表面側にライナー糸9(糸種:ナイロン、カチオン:もしくは綿等、太さ:300デニール程度)が挿入される。
図2(b)は、単一の代表ギンプ糸8と単一の代表ライナー糸9とを、図2(a)の地組織4に挿入した組織である。この図からも判明するように、先に説明した、バックワープBWと同様な糸振りがギンプ糸8で行われ、フロントワープFWと同様な糸振りがライナー糸9で行われる。
リバーレース地1の場合、ギンプ糸8の本数は一般に60本程度であり、ライナー糸9の本数も一般に60本程度である。
リバーレース地1は、編地をその厚み方向Tで見ると、図1(b)に示すように、ライナー糸層90、フロントワープ層FWL、ギンプ糸層80、及びバックワープ層BWLで構成される。
各糸の編地表裏方向での位置関係は、編み操作における筬の位置関係で決定されることとなる。編を構成する関係上、各糸が、その表裏方向で図2(b)に示す構成に倣って互いに編み込まれることは当然である。
上述のレース地1における各層(ライナー糸層90、フロントワープ層FWL、ギンプ糸層80、及びバックワープ層BWL)のリバーレース地表裏方向Tでの配置であるが、フロントワープ層FWL、ギンプ糸層80とが表裏方向で逆転した位置関係となる、レース地1の表面側から、ライナー糸層90、ギンプ糸層80、フロントワープ層FWL及びバックワープ層BWLとなる構成を採ることも可能である。
本願に係るリバーレースには、これまで説明してきた、ボビン糸7、緯糸(フロントワープFW,バックワープBW)及び柄糸(ギンプ糸8及びライナー糸9)の他、本願独特の孔形成用渡り糸3(糸種:ナイロン、太さ:420デニール程度)がレース地に編み込まれる。さらに、レース地の幅方向における両側端にリバーレース機に於ける単一の編み立て操作で複数のレース地1を編むためにレース地接続用ネット糸5(糸種:ナイロン、太さ:420デニール程度)が使用される。孔形成用渡り糸3は、レース地の特定部位(この部位を本願では孔形成対象部位20と呼んでいる)に孔2を形成するためにレース地に編み込まれる糸であり、レース地接続用ネット糸5は、リバーレース機を使用して、単一の編み立て操作で複数のレース地1を編む場合に、単位となるレース地1を繋いでおく操作糸である。
以下、図3、図4を使用して説明する。
本願に係るリバーレース地1は、編み立て工程、処理工程及び孔形成工程を経て、目的とするレース地の任意位置に編み立て方向に延びる孔2が形成されたリバーレース地1となる。そこで、以下の説明では、適宜、リバーレースの組織図面(図3、図4)を参照しながら工程順に説明する。ただし、理解を容易とするため、図4では緯糸FW,BWとボビン糸7のみを示し、柄糸8,9は省略している。また、レース地接続用ネット糸5は現れない。
これら図面において、縦方向の線がそれぞれウェールWを形成するボビン糸7の位置を示し、横方向の線がそれぞれコースCに対応し、緯渡りしている線が緯糸(FW,BW)、柄糸(図示する例では主にライナー糸9)、孔形成用渡り糸3、レース地接続用ネット糸5に対応する。
孔形成用渡り糸3は先に説明したフロントワープFWと同様の糸渡りを行い、対として備えられるレース地接続用ネット糸5、5もフロントワープFWと同様な糸渡りとされる。
図3において、図上、左端に一対のレース地接続用ネット糸5が、特定のウェールWe,We間に編みこまれている。各レース地接続用ネット糸5は、3コースごとに対となるウェールWe,We間を糸渡りし、ボビン糸7の裏面又は表面側に回った後、再び3コース進んだ状態で、元のウェールWe,We戻る糸振りを繰り返す組織とされている。
前記一対のレース地接続用ネット糸5が編み込まれたレース地接続領域の右側が、レース地本体100の領域となっている。レース地本体100は、端部側のスカラップ部101、柄部102と続いており、その右側(レース地から見て内側)部位に、これまで説明してきた孔形成対象部位20を有している。図4に例示的に示す組織例では、これら孔形成対象部位20は、左側の孔形成対象部位20aがほぼ30コースに渡って伸びており、中央の孔形成対象部位20bはほぼ10コースに渡って伸びており、さらに、右側の孔形成対象部位20cがほぼ30コースに渡って伸びている。
この組織図面からも判明するように、各孔形成対象部位20(図4に示す20a,20b,20c)となっているウェールW間(ボビン糸7間)には、図示する編み立て段階にあっては、先に説明した孔形成用渡り糸3のみが編みこまれている。この孔形成用渡り糸3を図3では、濃い太線と薄い太線とで示しているが、一本の連続した糸である。図3に示す例における孔形成用渡り糸3の糸振りは3コース毎に対となるウェールWh,Wh間を糸渡りし、ボビン糸7の裏面又は表面側に回った後、再び3コース進んだ後元のウェールWh,Wh戻る糸振りを繰り返す構成とされている。図4に示す例では、ウェールWh間を孔形成用渡り糸3は5又は6コース毎に糸渡りさせている。
そして、図3に示すように、孔形成用渡り糸3が編み込まれるウェールWh,Wh間をたどると、孔形成対象部位20を外れた部位21(編み立て方向で戻った部位21b、或いは進んだ部位21f)で、緯糸FW又はBW(BWは図示省略)、或いは柄糸9又は8(8は図示省略)がこのウェールWh,Wh間をまたいで、ネットNを形成し、柄を形成するものとなっているのである。
以上の説明から判明するように、本願に係るリバーレース地1では、レース地接続用ネット糸5が位置する幅方向両側端縁内に、レース地の幅方向D1で隣りあう一対のウェールである孔形成対象ウェールWh,Whが特定され、この特定の孔形成対象ウェールWh,Wh間に、所定のコース数を隔てて交互に孔形成用渡り糸3が編み込まれている。そして、この孔形成対象ウェールWh,Wh間において、レース編み立て方向に於ける孔形成対象部位20では、緯糸FWは孔形成対象ウェールWh,Whのいずれか一方のウェールに留まり、レース編み立て方向D2に於ける孔形成対象部位以外の部位21(21b,21f)にのみ、緯糸FWが孔形成対象ウェールWh,Wh間に渡って編み込まれた緯糸編込み部位22が設けられ。また柄糸8,9に関しても、孔形成対象部位20以外の部位21(21b,21f)にのみ、柄糸8,9が孔形成対象ウェールWh,Wh間に渡って編み込まれた柄糸編込み部位23が設けられている。
以上が、本願に係るリバーレースの組織設計の基本構成であり、この基本設計概念に従って、編み立て工程で原反が編まれる。この原反には、孔形成用渡り糸3は残っている。
従って、原反は、以後の操作においてそのレース模様を良好に保つことができる。
上記編み立てを完了して後、得られた原反に染色、成型等の予定されている処理を施す。この工程が処理工程である。
上記処理を施して、実質的に製品レベルに達した処理済み原反に対して、孔形成用渡り糸3を処理済み編み地から除去する。これが孔形成工程である。結果、レース地の基本設計にしたがった位置に編み立て方向に延びる孔を有するリバーレース地1を得ることができる。この実施形態の製造手順を採用すると、孔形成を製造の最終段階とできる、レース地独特のレース模様を乱すことなく、孔有りのレース地を得ることができる。
〔別実施形態〕
(1) 図3に示す実施形態では、緯糸編込み部位22と柄糸編込み部位23とが、ほぼ同一の部位に設けられている例を示したが、図5に示すように、編み立て工程を実行するに、緯糸FW,BWのみを孔形成対象ウェールWh,Wh間に編み込む緯糸単独編込み部位24aを設けるとともに、柄糸8,9と緯糸FW,BWとの両方を孔形成対象ウェール間に編み込む柄糸・緯糸編込み部位24bを別々に設けてもよい。
(2) さらに、上記の実施の形態では、緯糸若しくは柄糸に関して、特に糸の太さに関して特に述べなかったが、緯糸若しくは柄糸として第一繊維及び第二繊維を備え、前記第一繊維として前記第二繊維より太い繊維を選択し、レース地の編み立て方向における編み組織に関し、当該方向における領域間の比較で、前記第一繊維の密度が前記第二繊維の密度より高い領域が形成されていることが好ましい。このような構成を採用しておくと、レース地の編み立て方向において、カバー率の異なる領域を形成できるとともに、染色状態とした場合、色の濃淡も実現できる。
(3)一方、図5にさらに示すように、緯糸編込み部位を形成するに、前記レース編み立て方向D2において、緯糸FW,BWの編込み密度が異なる部位(図3の図番22で示す部位では緯糸FWが3コース飛ばし2コース連続を交互に繰り返して糸渡りされているのに対して、図5の図番24で示す部位では緯糸FWが3コース飛ばし、2コース連続してさらに元のウェールに戻る糸渡りとされている)を形成するものとしてもよい。このような構成を採用しておくと、孔形成用渡り糸3を抜いた後の孔近傍のレース構造(しっかりと孔を止めるか否か等)及び模様を調整できる。
(4)上記の実施形態では、最も好ましい例として、編み立て工程、処理工程、孔形成工程の順に作業を進める例を示したが、先にも示したように、処理工程を省略できる場合は実質的な処理が実行されることなく、あるいは、処理工程で実施する処理がリバーレース地に与える影響が軽度である場合は、編み立て工程、孔形成工程、処理工程の順に作業を進めるものとなってもよい。
以上、装飾性が高く、任意の位置に自由に孔を設けた孔あきレースを機械的に且つレース模様を大きく乱すことなく製造できるようになった。さらに、染色等の編立て後の編地処理工程を経てもしわ等の問題が発生することがないレース地の製造方法を得ることができた。
1 リバーレース地
2 孔
3 孔形成用渡り糸
4 地組織
5 レース地接続用ネット糸
7 ボビン糸
8 ギンプ糸(柄糸)
9 ライナー糸(柄糸)
20 孔形成対象部
20a 左側の孔形成対象部位
20b 中央の孔形成対象部位
20c 右側の孔形成対象部位
21 外れた部位
21b 戻った部位
21f 進んだ部位
22 緯糸編込み部位
23 柄糸編込み部位
24 異なった組織の緯糸編込み部位
24a 緯糸単独編込み部位
24b 緯糸・柄糸編込み部位
80 ギンプ糸層
90 ライナー糸層
100 レース地本体
101 スカラップ部
102 柄部
BW バックワープ(緯糸)
BWL バックワープ層
D1 レース地の幅方向
D2 レース地の編み立て方向
FW フロントワープ(緯糸)
FWL フロントワープ層
N ネット
W ウェール
We ウェール
Wh ウェール

Claims (5)

  1. ボビン糸から成るウェールの隣り合うコース部位を緯糸で適宜連結して地組織を形成し、柄模様を形成する柄糸を多数前記地組織に編み込んで編成するとともに、前記ウェールに沿って延びる幅方向両側端縁を形成するリバーレースの製造方法であって、
    前記幅方向両側端縁内に位置し、レース地の幅方向で隣り合う一対のウェールである孔形成対象ウェール間に、所定のコース数を隔てて交互に孔形成用渡り糸を編み込むとともに、前記孔形成対象ウェール間において、レース編み立て方向に於ける孔形成対象部位において、前記緯糸を前記孔形成対象ウェールのいずれか一方のウェールに留め、
    レース編み立て方向に於ける前記孔形成対象部位以外の部位にのみ、
    前記緯糸を前記孔形成対象ウェール間に渡って編み込む緯糸編込み部位を設けるとともに、前記柄糸を前記孔形成対象ウェール間に渡って編み込む柄糸編込み部位を設ける編み立て工程を実行し、
    前記編み立て工程で得られるリバーレースを処理する処理工程を実行し、
    前記孔形成用渡り糸を編み地から除去する孔形成工程を実行して、孔を有するリバーレース地を得るリバーレース地の製造方法。
  2. 前記緯糸編込み部位を形成するに、
    前記レース編み立て方向において、緯糸の編込み密度が異なる部位を設ける請求項1記載のリバーレース地の製造方法。
  3. 前記編み立て工程を実行するに、
    前記緯糸のみを前記孔形成対象ウェール間に編み込む緯糸単独編込み部位を設けるとともに、前記柄糸と前記緯糸との両方を前記孔形成対象ウェール間に編み込む柄糸・緯糸編込み部位を設ける請求項1又は2記載のリバーレース地の製造方法。
  4. 前記緯糸若しくは前記柄糸として第一繊維及び第二繊維を備え、
    前記第一繊維として前記第二繊維より太い繊維が使用され、
    レース地の編み立て方向における編み組織に関し、当該方向における領域間の比較で、前記第一繊維の密度が前記第二繊維の密度より高い領域が形成される請求項1〜3のいずれか一項に記載のリバーレース地の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項記載のリバーレース地の製造方法により製造され、前記幅方向両側端縁内に、前記レース編み立て方向に複数コースに亘ってのびる孔を備えたリバーレース地。
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