JPH1112280A - 新規抗生物質ab5529、その製造法および殺虫剤 - Google Patents

新規抗生物質ab5529、その製造法および殺虫剤

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JPH1112280A
JPH1112280A JP16910697A JP16910697A JPH1112280A JP H1112280 A JPH1112280 A JP H1112280A JP 16910697 A JP16910697 A JP 16910697A JP 16910697 A JP16910697 A JP 16910697A JP H1112280 A JPH1112280 A JP H1112280A
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culture
antibiotic
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JP16910697A
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Takeshi Tamamura
健 玉村
Yasuyuki Tezuka
保行 手塚
Masahito Maruyama
雅人 丸山
Atsushi Takahashi
篤 高橋
Taisuke Sato
泰典 佐藤
Sei Sato
聖 佐藤
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な化学構造または新しい作用機序をもっ
た新しい殺虫活性物質を提供し、またその製造法を確立
することを目的とする。 【解決手段】 ペエシロミセス属に属するAB5529
株(FERM P−16202)の培養により、その培
養液から次式(I) で表される化合物である新規な抗生物質AB5529株
が得られた。このAB5529物質は高い殺虫活性を有
し、衛生害虫および農園芸用殺虫剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺虫活性を有する新
規抗生物質AB5529(以下、「AB5529物質」
という)、その製造法および殺虫剤に関するものであ
る。
【0002】本発明においてペエシロミセス属に属する
AB5529物質生産菌を培養することによって生産さ
れるAB5529物質は、ハスモンヨウトウ幼虫に対し
て殺虫活性を有する。したがって、本発明は防疫および
農園芸分野で有用である。
【0003】
【従来の技術】これまで、本発明のAB5529物質に
構造が類似の化合物として、下記の化学構造式(A) で表されるアステルトキシン(Asteltoxin)がアスペルギ
ルス ステラツス(Aspergillus stellatus)の培養で得
られることが化学文献の「J.C.S. Chem.Comm.」第441-4
42頁(1979年)に記載されている。
【0004】他方、微生物が生産する殺虫物質のうち、
放線菌が生産する物質としてはディナクチン(Dinactin)
などのマクロテトライド類、アンチマイシン(Antimyci
n)、ニッコーマイシン(Nikkomycin)、ミルベマイシン
(Milbemycin)等が知られている。また、糸状菌が生産す
る物質としては、デストラキシン(Destruxin)、ベルカ
リン(Verrucarin)、オカラミン(Okaramine)などが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微生物が生産する殺虫
活性物質は、現在までに僅かしか知られていない。新た
に開発された合成殺虫剤は、急速に耐性化する対象昆虫
に対して、他剤との混用により、あるいはローテーショ
ン使用を組むなどにより対応している。このような現状
から、新規な化学構造あるいは新しい作用機序を持った
新しい殺虫活性物質が常に要望されている。本発明の目
的は、上記の課題に対応する望ましい性質をもつ新規で
有用な抗生物質を微生物の培養生産物中に探索し、提供
するとともに、その製造法を確立することによって従来
技術に伴う問題点を解決しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決することを目的として、種々の土壌から微生物
を分離し、その微生物を培養し、これが培養液中に生産
する殺虫活性を有する抗生物質について、鋭意研究を重
ねた。その結果、糸状菌の一種であるペエシロミセス属
に属する新規な菌株の培養液中に殺虫活性を示す物質が
生産されていることを発見した。そこで、該微生物の培
養物から、ハスモンヨトウ幼虫に対する殺虫活性または
生育抑制活性を指標にして、活性物質を抽出、精製、単
離した。そして複数存在する類似物質のなかから、対象
生物に対して殺虫活性を示す一つの物質を見いだした。
該物質はその化学構造、物理化学的性質、生物活性など
の諸性質が既知物質と一致しない新規な抗生物質であっ
て、ハスモンヨトウ幼虫に対し殺虫活性を有することを
確認し、これを抗生物質AB5529と称することにし
た。
【0007】すなわち、第1の本発明においては、下記
の構造式(I) で表される化合物である抗生物質AB5529を提供す
るものである。
【0008】本発明による抗生物質AB5529(すな
わちAB5529物質)の物理化学的性状は次のとおり
である。 (1)外観:淡黄色粉末 (2)分子式:C23306 (3)分子量:402 (4)比旋光度:[α]D 25 +32゜(c 0.5,メタノー
ル) (5)紫外線吸収スペクトル吸収ピークは次のとおりで
ある。 (i)メタノール溶液中で λmax(ε):274 sh(16,398)、282(1
6,881)、374(16,077) (ii) 0.01N HCl−メタノール溶液中で λmax(ε):274 sh(15,434)、282(1
6,237)、374(15,916) (iii) 0.01N Na0H−メタノール溶液中で λmax(ε):274 sh(14,951)、282(1
5,755)、374(15,594)。
【0009】(6)赤外線吸収スペクトル(KBr
錠):添付図面の図1に示す。 (7)1H−NMRスペクトル(500MHz、重アセ
トン中):添付図面の図2に示す。 (8)13C−NMRスペクトル(125MHz、重アセ
トン中):添付図面の図3に示す。 (9)溶解性:低級アルコール、アセトン、酢酸エチ
ル、ジメチルスルホキシドに可溶、水に難溶、ヘキサン
に不溶である。
【0010】(10)薄層クロマトグラフィー:Rf値
=0.48 吸着剤としてメルク社製キーゼルゲル60F254(Art.
5715)を用い且つ展開溶剤としてクロロホルムーメ
タノール(9:1)で展開して測定した場合。 (11)呈色反応:バニリン硫酸反応、ヨウ素反応が陽
性である。
【0011】さらに、第2の本発明によると、ペエシロ
ミセス属に属する、前記の式(I)の抗生物質AB55
29の生産菌を培地で培養し、その培養物中に抗生物質
AB5529を生産蓄積せしめ、次いでこれを採取する
ことを特徴とする、抗生物質AB5529の製造法が提
供される。
【0012】次に、第2の本発明によるAB5529物
質の製造法について説明する。本発明の方法で用いられ
るAB5529物質の生産菌としては、AB5529物
質を産生する能力を有するものであれば、いかなる微生
物でもよい。その具体的な例としては、本発明者らが北
海道、札幌市市街より採取した土壌から新たに分離した
AB5529菌株がある。この菌株はペエシロミセス属
(Paecilomyces属)に属する菌株であり、本発明の方法
に最も好ましく有効に用いられるAB5529物質生産
菌の一例である。
【0013】このAB5529株の菌学的性質を以下に
記載する。 (1)各培地における生育状態 コーンミール寒天培地上において本菌株は良好に生育
し、25℃、15日間培養では集落の直径が36〜38
mmに達する。集落は綿毛状を呈し、集落表面は白色を
呈する。集落裏面はうすい黄白色を呈する。菌糸は隔壁
を有し、培地上および培地中に伸長する。菌糸は幅が2.
0〜3.5μmであり、無色、平滑であって分枝する。
【0014】麦芽エキス寒天培地およびポテト・デキス
トロース寒天培地上における生育は、コーンミール寒天
培地上に比べやや遅く、25℃、14日間培養で集落の
直径は29〜31mmに達する。集落は綿毛状で、集落
表面は白色〜うすい黄白色を呈する。集落裏面は中心部
が橙黄色を呈し、周辺部はうすい橙黄色を呈する。ま
た、ポテト・デキストロース寒天培地においては集落周
辺にうすい橙黄色の色素を沈着する。
【0015】本菌株をコーンミール寒天培地上におい
て、25℃、15日間培養すると、気生菌糸または基底
菌糸上に、無色、平滑で、長さ20〜100μm、幅2.
0〜3.5μmの分生子柄が形成される。分生子形成細胞は
平滑で、12〜20×2.0〜3.0μmであり、先端が細長い管
状の頚を有するフィアライドで、2〜6本のフイアライ
ドが輪生する。分生子は単細胞で、無色、平滑、だ円形
〜広だ円形を呈し、大きさが3.0〜4.0×2.0〜2.5μmで
ある。
【0016】(2)生理学的性質 麦芽エキス寒天培地を用いて、5℃、10℃、15℃、
2O℃、25℃、30℃および37℃の各温度で生育温
度を調査した結果、AB5529株は5℃〜25℃まで
いずれの温度でも生育したが、30℃および37℃では
生育しなかった。生育最適温度は15℃〜20℃であ
る。
【0017】(3)分類学的考察 AB5529株は、1)分生子形成様式がフィアライド
型、2)フイアライドは細長い管状の頚を有する、3)
フィアライドが輪生する、4)分生子は単細胞で、無
色、平滑、だ円形〜広だ円形、大きさが3.0〜4.0×2.0
〜2.5μmの特徴を有する。
【0018】以上の菌学的性状により、AB5529株
の分類学上の位置をジェイ・エイ・フォン・アークス
著、ザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイテ
ィング・イン・ピュア・カルチャー、第3版、ジェイ・
クレイマー社、バダッツ、1981年(J.A. von Arx, The G
enera of Fungi Sporulating in Pure Culture, 3rdedi
tion, J. Cramer, Vaduz, 1981)に従って検索したとこ
ろ、本菌株はペエシロミセス属(Paecilomyces属)の形
態学的特徴によく合致した。従って、本発明者らは、本
菌株をペエシロミセス属と同定し、AB5529株をペ
エシロミセス・エスピーAB5529(Paecilomyces s
p. AB5529)と称することにした。なお、AB5529株
は工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託申請され、
平成9年4月22日、FERM P−16202として
受託されている。
【0019】以上、抗生物質AB5529生産菌の一例
であるAB5529株について説明したが、一般的に
は、糸状菌類はその菌学的性状が極めて変化しやすく、
一定したものではない。菌類は、自然的あるいは通常行
われている紫外線照射、X線照射、変異誘発剤(例え
ば、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン
など)または遺伝子組換えを用いる人為的変異手段によ
り変異することが周知の事実である。このような自然変
異株ならびに人工変異株も含め、糸状菌に属し抗生物質
AB5529を生産する能力を有する菌株はすべて本発
明に使用することができる。
【0020】本発明の方法では、まずペエシロミセス属
に属するAB5529物質生産菌を通常の微生物が利用
しうる栄養物を含有する培地において培養する。本菌の
培養においては、微生物の培養に用いられる通常の培養
方法が適用される。栄養源としては、微生物が資化しう
る炭素源、窒素源、無機塩などを程よく含有する培地で
あれば天然培地、合成培地のいずれでも利用できる。
【0021】資化しうる炭素源としては、グルコース、
シュクロース、ガラクトース、デキストリン、グリセロ
ール、澱粉、水飴、糖蜜、動・植物油等を利用できる。
また、窒素源としては、魚粉、大豆粉、小麦胚芽、コー
ンスティープリカー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、
酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム、尿素などを使用できる。そのほか必要に
応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸およびその他のイオン
を生成することができる無機塩類を添加することは有効
である。また、菌株の発育を助け、AB5529物質の
生産を促進するような無機物よび有機物を適当に添加す
ることができる。
【0022】培養方法としては、好気的条件下での培養
法、特に深部液体培養法が最も適している。培養に適当
な温度は、15〜25℃であるが、多くの場合20〜2
5℃で培養する。AB5529物質の生産は、培地や培
養条件によって異なるが、振とう培養、タンク培養とも
3〜10日間の培養でその蓄積量が最高に達する。
【0023】AB5529物質を効率よく生産させる培
養条件としては、前記の培地成分の組成、培養温度、撹
拌速度、pH、通気量、種母の培養時間、種母の接種量等
を、使用する生産菌株の種類および外部条件等に応じ
て、適宜に調節あるいは選択する。液体培養において発
泡がある場合は、シリコン油、植物油および界面活性剤
等の消泡剤を単独または混合して適宜使用する。
【0024】培養物中のAB5529物質の蓄積量が最
高に達した時点で培養を停止し、微生物の培養物から発
酵生産物を採取する一般的な方法に準じてAB5529
物質の採取と単離を行うのがよい。
【0025】すなわち、培養物中に蓄積されたAB55
29物質は、前述した物理化学的性質を有するので、そ
の性質に従い培養物から採取し分離精製することが可能
である。特に、以下の方法によりAB5529物質を効
率的に分離精製することが好ましい。
【0026】蓄積したAB5529物質を培養物中から
採取単離するに際しては、通常の生理活性物質を培養物
中から採取する方法が適用される。すなわち、培養液か
らブタノールあるいは酢酸エチル、菌体からメタノール
等の有機溶剤による抽出でAB5529物質を分離す
る。さらに、水または二種類以上の有機溶媒系を用いる
向流分配、イオン交換樹脂、合成吸着樹脂、シリカゲ
ル、シラナイズドシリカゲル、アルミナ、セルロース、
珪藻土、ゲル濾過剤、活性炭等を用いるカラムクロマト
グラフィーもしくは薄層クロマトグラフィーによる活性
物質の吸脱着処理、あるいは逆相カラムを用いた高速液
体クロマトグラフィーなどによってAB5529物質を
単離精製することができる。
【0027】第3の本発明によると、前記のAB552
9物質を有効成分とすることを特徴とする衛生害虫およ
び農園芸用殺虫剤が提供される。
【0028】AB5529物質は高い殺虫活性を有する
ことから、これを衛生害虫あるいは農園芸用殺虫剤とし
て用いる場合には、その使用目的に応じてのAB552
9物質を単体でも用うることができるが、生物効果を助
長、あるいは安定化するために適当な担体および補助剤
と混和した組成物として製剤し、これを直接に施用する
か必要に応じて希釈して施用する。
【0029】第4の本発明によると、新規な微生物とし
て、前記の式(I)を有するAB5529物質を生産で
きる特性を持ち、かつ前記の菌学的な特徴を有するペエ
シロミセス属の菌株、AB5529株が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】次に実施例を挙げて本発明をより
具体的に説明するが、これは単なる一例であって、これ
によって本発明が限定されるものではない。
【0031】また、ここに例示しなかった多くの改変あ
るいは修飾手段が用いられることは言うまでもなく可能
なことであり、有効な手段となり得る。なお、実施例中
に部とあるのは重量部を示している。
【0032】実施例1 AB5529物質の製造 生産培地としては、ブドウ糖1.0%、デキストリン1.0
%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.2%、マルトエキ
ス0.5%、V-8ジュース(キャンベル社製)80ml/リ
ットル、CaCO3 0.3%の組成からなる培地(pH 6.5)を
用いた。前記の培地110mlを分注した500ml容
量バッフル付き三角フラスコ91本を121℃で20分
間滅菌した。培地の総量は10リットル(以下、Lで表
示する)である。滅菌した培地にペエシロミセス・エス
ピー AB5529株(FERMP−16202号)の斜
面寒天培養菌体から、1〜2白金耳を植菌した。
【0033】その後、ロータリーシェーカー(180r
pm)を用い、25℃で5日間、回転振とう培養した。
培養終了後、培養液を濾過することにより、培養濾液8
Lと菌体を得た。上記の濾別された菌体中の活性物質は
メタノール4Lで撹拌下に抽出し、濾過して菌体を除い
た菌体抽出液として得た。この菌体抽出液から減圧下で
メタノールを溜去し、得られた濃縮液1Lを上記の培養
濾液と混合した。この混合液9Lを、等量の酢酸エチル
で抽出した後、芒硝を適当量添加して脱水し、減圧下に
濃縮乾固して粗抽出物1.4gを得た。
【0034】この粗抽出物は、ヘキサンー酢酸エチル
(1:1)の組成からなる少量の混合溶媒に溶解させた
後、同溶媒に懸濁して充填したシリカゲル140g(メ
ルク社製)のカラムに吸着させた。つづいて、同溶媒に
てカラム容量の2倍量でカラムを洗浄後、へキサン−酢
酸エチル(1:3)の混合溶媒を用いて展開溶出するク
ロマトグラフィーを行つた。殺虫活性画分を集め、減圧
下で濃縮乾固することにより黄色粉末731mgを得
た。
【0035】再度、この黄色粉末731mgをクロロホル
ム−メタノール(20:1)の組成からなる少量の混合
溶媒に溶解させ、同混合溶媒で調製したシリカゲル(7
3g)カラムに吸着させ、カラムクロマトグラフィーを
行うことにより目的のAB5529物質を淡黄色粉末と
して単離した。以上の精製により、菌体を含む培養液の
10Lから、AB5529物質の純品237.6mgが得
られた。
【0036】実施例2(水和剤) AB5529物質 20部、アルキルベンゼンスルホン
酸カリウム 3部、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル 5部、および白土 72部を均一に混合し、
粉砕して、活性成分を20%含有する水和剤を得た。
【0037】実施例3(粉剤) AB5529物質 2部,PAP(物理性改良剤) 1
部およびクレー 97部を均一に混合し、粉砕して、活
性成分を2%含有する粉剤を得た。
【0038】実施例4(乳剤) AB5529物質 30部、メチルエチルケトン 40
部およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
30部をよく混合し、AB5529物質を溶解して、活
性成分を30%含有する乳剤を得た。
【0039】次に、試験例によってAB5529物質の
殺虫活性を説明する。試験例1 (AB5529物質のハスモンヨトウ幼虫に対
する殺虫効果) AB5529物質のハスモンヨトウの3令幼虫に対する
殺虫効果を次のとおり試験した。ハスモンヨトウ幼虫の
飼育用の容器として1穴の直径が16mmである24穴マ
イクロプレート(8.5cm×12.5cm)を用意し、1穴
当たりlgの粉末人工飼料(日本農産工業(株)製)を
入れ、さらに各種濃度のAB5529水溶液をまたは無
処理区として蒸留水を1穴当たり0.75ml添加し、5
℃の冷蔵庫中において約30分間静置することにより固
化させた。次に大きさの揃ったハスモンヨトウの3令幼
虫を1穴当たり3頭放虫し、27℃で5日間飼育後、幼
虫の生死と、無処理区に比較した際の幼虫の生育の抑制
程度との所見をもって設定した下記の評価基準により殺
虫効果を判定した。実施した試験は全て3連制で実施し
た。その結果を表1に示した。 評価基準 殺虫効果の評価値 所見 3 死亡 2 無処理区に比べ明らかに生育不良 1 無処理区に比べ僅かに生育不良 0 無処理区と同等
【0040】 〔表1 供試化合物 有効成分濃度(ppm) 殺虫効果の評価値 AB5529物質 500 3 250 3 125 3 62.5 3 31.25 3 15.6 3 7.8 2 3.9 1 蒸留水(無処理区) − 0
【0041】試験例2 (キャベツ葉に含浸されたAB
5529物質のハスモンヨトウ幼虫に対する殺虫作用) 本発明化合物であるAB5529物質の4mgを試験管に
入れ少量のアセトン(0.2ml)を添加して溶解後、その
溶液を界面活性剤(オクチルフェニルエーテル)ととも
に蒸留水7.8ml中に投入し、下記の表2に示す有効成
分濃度となるようにしてAB5529物質の懸濁液を調
製した。直径8cmに打ち抜いたキャベツ葉(品種:中早
生2号)をこの懸濁液に15秒間浸漬処理して、葉にAB
5529物質を含浸させた。風乾後、処理葉をハスモン
ヨトウ3令幼虫10頭とともにプラスチックシャーレ内
に1枚ずつ入れ、24時間後にハスモンヨトウの生死虫
数を調査し、死亡虫数を算出した。また、幼虫のキャベ
ツ葉の摂食程度を以下の基準より求めた。無処理区で
は、上記界面活性剤のみを含む蒸留水にキャベツ葉を浸
漬して同様に試験をした。それらの結果を下記の表2に
示す。
【0042】 摂食程度 3:摂食痕が認められない 2:極僅かな摂食痕が認められる 1:明らかな摂食痕が認められるが、無処理区の それより小さい 0:無処理区と同等の摂食痕が認められる
【0043】 〔表2〕 供試化合物 AB5529物質処理濃度 死虫率 摂食程度 (ppm) (%) AB5529物質 200 100 3 100 100 3 50 100 3 25 95 3 12.5 70 2 6.3 30 1 3.2 10 0 無処理区 − 0 0
【0044】
【発明の効果】本発明の新規な抗生物質AB5529
は、以上に述べたように殺虫活性を有することから、新
規な衛生害虫および農園芸用殺虫剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】AB5529物質の臭化カリウム錠剤中での赤
外線吸収スペクトル図である。
【図2】AB5529物質の重アセトン中での1H核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図3】AB5529物質の重アセトン中での13C核磁
気共鳴スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:79) (C12P 17/18 C12R 1:79) (72)発明者 丸山 雅人 神奈川県厚木市旭町5丁目37番12号 パー ル ハイツ 101 (72)発明者 高橋 篤 神奈川県川崎市多摩区宿河原2丁目42番25 −201号 (72)発明者 佐藤 泰典 神奈川県平塚市大神2148番地の1 青木テ ラス101 (72)発明者 佐藤 聖 神奈川県秦野市東田原200番96号 (72)発明者 長縄 博 東京都大田区田園調布本町3番17号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5丁目1番11号 ニ ューフジマンション701

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I) で表される化合物である新規抗生物質AB5529。
  2. 【請求項2】 ペエシロミセス属に属して、請求項1に
    記載の式(I)の抗生物質AB5529を生産する菌を
    培地中で培養し、その培養物中に抗生物質AB5529
    を生産蓄積せしめ、次いでこれを採取することを特徴と
    する抗生物質AB5529の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の式(I)の抗生物質A
    B5529を有効成分とする衛生害虫および農園芸用殺
    虫剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の式(I)の抗生物質A
    B5529を生産できる特性を持ち、かつ後記する菌学
    的特徴を有するペエシロミセス・エスピーAB5529
    (Paecilomyces sp. AB5529)株。
JP16910697A 1997-06-25 1997-06-25 新規抗生物質ab5529、その製造法および殺虫剤 Pending JPH1112280A (ja)

Priority Applications (1)

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