JPH0748348A - 新規抗生物質ab4015−bおよびab4015−l、ならびにその製造法および用途 - Google Patents

新規抗生物質ab4015−bおよびab4015−l、ならびにその製造法および用途

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JPH0748348A
JPH0748348A JP20812693A JP20812693A JPH0748348A JP H0748348 A JPH0748348 A JP H0748348A JP 20812693 A JP20812693 A JP 20812693A JP 20812693 A JP20812693 A JP 20812693A JP H0748348 A JPH0748348 A JP H0748348A
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antibiotic
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JP20812693A
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Atsushi Takahashi
篤 高橋
Masayuki Igarashi
雅之 五十嵐
Takeshi Tamamura
健 玉村
Yasuyuki Tezuka
保行 手塚
Sei Sato
聖 佐藤
Seiichi Kutsuma
誠一 久津間
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗細菌活性と植物病原菌の防除活性を有する
新規な抗生物質を提供する。 【構成】 一般式(I)で表される抗生物質AB401
5−BおよびAB4015−L、またはそれらの塩。及
びホーマ属に属する抗生物質AB4015−B生産菌を
倍地中で培養して抗生物質AB4015−Bを、また、
ホーマ属に属してロイシンの存在下でAB4015−L
物質を生産する能力を有する微生物を、ロイシンを含む
倍地中で培養して抗生物質AB4015−Lを、それぞ
れ生成・蓄積させ、その培養物からAB4015−Bあ
るいはAB4015−Lを採取することによりなる当該
抗生物質の製造方法;およびAB4015−Bあるいは
AB4015−Lを有効成分とする医薬用殺菌剤または
農園芸用殺菌剤。 〔但し、式Iにおいて AB4015−B;R:−CH(CH)−CH
CH:−C(CH)=CH−CH
AB4015−L;R:−CH(CH)−CH
CH

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な抗生物質AB40
15−B及び抗生物質AB4015−L及びそれらの塩
に関し、またそれらの製造法並びにその生産菌に関する
ものである。
【0002】更に詳しくは、本発明はホーマ属に属する
抗生物質AB4015−B生産菌及びロイシン存在下で
抗生物質AB4015−Lの生産能を示すAB4015
−L生産菌の培養によって夫々に生産されて抗細菌活性
と抗カビ活性を有する新規抗生物質AB4015−Bお
よびAB4015−L物質に関し、またこれら抗生物質
の製造法並びにAB4015−B及びAB4015−L
物質の生産菌として有用な新規微生物に関するものであ
る。本発明のAB4015−B及びAB4015−L物
質は抗細菌活性と抗カビ活性を有し、細菌感染症に対す
る化学療法に有用である医薬用殺菌剤として、また農園
芸用殺菌剤、特に農園芸用抗カビ剤として期待される。
【0003】
【従来の技術】微生物が生産する医薬用抗菌物質として
は、セファロスポリン、エリスロマイシン等が知られ、
また農園芸用殺菌剤としては、カスガマイシン、バリダ
マイシン等が知られている。また、これまでに本発明の
AB4015−B及びAB4015−L物質と化学構造
上近似の物質としては、いくつかの物質が医薬または動
物薬として知られている(特開平4−316578号公
報、特開平4−74163号公報、特開昭63−190
894号公報)。
【0004】しかしながら本発明のAB4015−B及
びAB4015−L物質は、それらの物理化学的性状及
び生物活性の対象、その発明の効果などの諸性質の点で
前記の既知物質と一致しない。
【0005】
【発明が解決すべき課題】上記の特許出願公開公報に例
示されている物質は、医薬または動物薬としての用途が
あることが開示されているが、農園芸用殺菌剤として有
用であるとする記載はない。本発明の一つの目的は、新
規な化学構造を有し、耐性菌に対しても抗菌活性を有す
る医薬または動物薬として有用な新規抗菌物質を提供す
ることであり、第2の目的は、農園芸用殺菌剤分野にお
いて利用できて植物病原菌、特にカビ菌に対し低濃度で
有効且つ植物に薬害を示さず、しかも哺乳類に低毒性で
ある新規な抗生物質を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する事を目的として、種々の土壌から分離した微
生物が生産する抗生物質について鋭意研究を重ねた。そ
の結果、自然界から本発明者らにより新たに分離されて
AB4015株の菌株番号を付されたホーマ属に属する
新規な菌株の培養物中に抗細菌活性及び抗カビ活性を示
す複数の物質が生産されていることを発見した。そこ
で、該菌株の培養物からそれらの活性物質を分離精製し
たところ2種の物質が得られて、それらをAB4015
−A物質とAB4015−B物質と命名し、それらが上
記の抗細菌活性と抗カビ活性を示すことを見いだし、更
にそれらの物質の化学構造を明らかにした。その結果、
それら2種の物質の内AB4015−Bと命名した物質
は新規な抗生物質であって、抗菌活性及び抗カビ活性を
有することを確認した。またAB4015−Aと命名し
た物質は特開平4−316578号公報に記載の抗生物
質PF1052物質に一致した。
【0007】そのAB4015−A物質は次式(A) で表される化合物である。
【0008】AB4015−B物質は後記の式(Ia)
で表される化合物であり、また下記の式(B)に示した
テヌアゾン酸〔P.S.Steyn and C.J.Rabie 「Phytochemi
stry」15,1977頁(1979)〕に類似したテトラム酸構造を
部分的に有している。
【0009】
【0010】テヌアゾン酸は5位にsec−ブチル基が
結合しているが、生合成研究において〔S.Gatenbeck an
d J.Sierankiewicz,「Acta Chem. Scnd.」, Ser. B, 3
1, 505頁(1973)〕、テヌアゾン酸の前駆体の一つがイ
ソロイシンであることが判明している。また、S.Gatenb
eck らは、バリンあるいはロイシンを培地中に添加する
ことによって、それらアミノ酸がテヌアゾン酸生産菌に
よって取りこまれテヌアゾン酸の5位にsec−ブチル
基の代わりにイソプロピル基あるいはイソブチル基が結
合したテヌアゾン酸類緑化合物が生合成されることを見
いだした〔S.Gatenbeck and J.Sierankiewicz 「Antimi
crbial Agents and Chemotherapy」, No.2, 308頁
(1973)〕。
【0011】これらの知見に基づき、抗生物質AB40
15−B生産菌であるホーマ・エスピーAB4015株
を用いてロイシンのテトラム酸への取り込みの有無を試
験した。その結果、本発明者らはロイシン存在下でAB
4015−B生産菌のホーマ・エスピーAB4015株
を培養したところ、新たにAB4015−AおよびAB
4015−B物質とは異なる抗細菌活性と抗カビ活性を
示す物質がその培養物中に産生されることを見いだし精
製単離した。更にその物質の化学構造を決定したとこ
ろ、新規な抗生物質であった。この新規抗生物質をAB
4015−Lと称する。
【0012】すなわち、第1の本発明においては、下記
の一般式(I) 〔式中、R1 およびR2 はAB4015−B物質ではそ
れぞれ次式 の基であり、AB4015−L物質では次式 の基である〕で表される新規な抗生物質AB4015−
BおよびAB4015−L、またはそれらの塩を提供す
るものである。
【0013】本発明のAB4015−B物質及びAB4
015−L物質、並びにそれらの塩の例として、第4級
アンモニウム塩などの有機塩基との塩と、各種の金属
塩、例えばアルカリ金属塩、特にナトリウム塩またはカ
リウム塩、並びにアルカリ土類金属塩、特にカルシウム
塩がある。
【0014】第1の本発明によるAB4015−B物質
は、下記の構造式(Ia)で示され、また下記の物理化
学的性質を有する。
【0015】
【0016】(1)外観:淡橙色油状物質 (2)分子式:C2637NO4 (3)分子量:413 (4)紫外部吸収スペクトル(メタノール中): λmax 、nm(ε): 酸性(0.01N HCl−メタノール中):228
(4,450) 290(8,580) 中性(メタノール中): 228
(4,450) 290(8,740) アルカリ性(0.01N NaOH−メタノール中):
248(7,390) 290(9,370)
【0017】(5)赤外部吸収スペクトル(KBr
錠):添付図面の図1に示す。 (6)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、ジメチルス
ルホキシドに可溶、水に不溶である。
【0018】(7)薄層クロマトグラフィー:Rf値=
0.53 吸着剤:メルク社製キーゼルゲル 60F254 展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル−ギ酸(70:30:
1) (8)呈色反応:バニリン硫酸、塩化第二鉄、ヨウ素反
応で陽性である。 (9)塩基性、酸性、中性の区別:酸性物質
【0019】第1の本発明によるAB4015−L物質
は、下記の構造式(Ib)で示され、また下記の物理化
学的性質を有する。
【0020】
【0021】(1)外観:淡橙色油状物質 (2)分子式:C2639NO5 (3)分子量:429 (4)比旋光度:[α]D 22 +37°(c 1.0,
MeOH) (5)紫外部吸収スペクトル(メタノール中): λmax 、nm(ε): 酸性(0.01N HCl−メタノール中):222
(6,080) 291(12,300) 中性(メタノール中): 228
(5,280) 291(12,750) アルカリ性(0.01N NaOH−メタノール中):
247(10,040) 289(13,080)
【0022】(6)赤外部吸収スペクトル(KBr
錠):添付図面の図2に示す。 (7)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、ジメチルス
ルホキシドに可溶、水に不溶である。
【0023】(8)薄層クロマトグラフィー:Rf値=
0.39 吸着剤:メルク社製キーゼルゲル 60F254 展開溶媒:クロロホルム−メタノール−ギ酸(80:
2:1) (9)呈色反応:バニリン硫酸、塩化第二鉄、ヨウ素反
応で陽性である。 (10)塩基性、酸性、中性の区別:酸性物質
【0024】さらに、第2の本発明によると、ホーマ属
に属するAB4015−B物質生産菌を培地に培養し、
培養物中に前記の式(Ia)の抗生物質AB4015−
Bを生産、蓄積せしめ、次いでその培養物から該抗生物
質を採取することを特徴とする、式(Ia)の抗生物質
AB4015−Bの製造法が提供される。
【0025】さらに、第3の本発明によると、ホーマ属
に属し、ロイシンの存在下で前記式(Ib)のAB40
15−L物質を生産する能力を有する微生物をロイシン
を含む培地中で培養し、その培養物中に前記の抗生物質
AB4015−Lを生成、蓄積せしめ、次いでその培養
物から該抗生物質を採取することを特徴とする、式(I
b)の抗生物質AB4015−Lの製造法が提供され
る。
【0026】さらに第4の本発明によると、新規な微生
物として、前記の式(Ia)で表わされる抗生物質AB
4015−Bおよび培地中にロイシン存在下で式(I
b)の抗生物質AB4015−Lを生産できる特性を持
ち、かつ後記の菌学的な特徴を有する、ホーマ属の菌
株、ホーマ・エスピーAB4015株が提供される。
【0027】次に、本発明によるAB4015−Bおよ
びAB4015−Lの各物質の製造法について説明す
る。
【0028】本発明の方法で用いられるAB4015−
B物質またはAB4015−L物質の生産菌としては、
AB4015−BまたはAB4015−L物質またはそ
れらの塩を産生する能力を有するものであれば、いかな
る微生物でもよい。その好ましい具体的な例としては、
本発明者らが福島県喜多方市の土壌より新たに分離した
菌株AB4015がある。この菌株はホーマ属に属する
菌株であり、本発明の方法に最も有効に用いられるAB
4015−B生産菌と、ロイシンの存在下でAB401
5−L物質の生産能を示す菌との一例である。
【0029】このAB4015株の菌学的性質を以下に
記載する。 (1)各培地における生育状態 オートミール寒天培地上における生育は速やかで、25
℃、暗黒下の培養では、培養4日目で集落の直径は43
〜45mm、7日目で76〜80mmに達する。集落は
ビロード状を呈し、中心部には灰白色の気生菌糸を形成
する。集落表面および裏面はうす赤紫色を呈する。菌糸
は隔壁を有し、培地上および培地中に伸長する。菌糸は
幅が2.0〜6.0μmで、無色、平滑で分枝する。
【0030】麦芽エキス寒天培地上における生育は速や
かで、25℃、暗黒下の培養では、培養4日目で集落の
直径は63〜65mm、7日目で80〜83mmに達す
る。集落は綿毛状で、集落表面は中心部が灰味青緑色を
示し、周辺部はうす赤紫色を呈する。集落裏面は中心部
が、暗い赤紫色、周辺部がうす黄茶色を呈する。
【0031】バレイショ・ブドウ糖寒天培地上における
生育は速やかで、25℃、暗黒下の培養では、培養4日
目で集落の直径は46〜48mm、7日目で68〜72
mmに達する。集落は綿毛状で、集落表面は灰味青緑色
を示し、ところどころに、にぶ赤色の菌糸が密に集合し
てできた菌核様構造物が形成される。集落裏面は灰味黄
茶色を呈する。
【0032】この菌株を上記寒天培地上において、25
℃、暗黒下で1ヶ月間培養した場合、テレオモルフ(完
全世代の特徴)およびアナモルフ(不完全世代の特徴)
の形成は認められなかった。そこで、上記寒天培地上で
25℃、暗黒下で4日間培養後、さらに25℃、ブラッ
ク・ライト・ブルー蛍光灯(20W)下で培養した結
果、培養2日目に集落周辺部に多数の分生子殻(Pycnidi
um) の形成が観察された。
【0033】オートミール寒天培地上における分生子殻
は、暗いオリーブ緑色〜オリーブ黒色を呈し、寒天培地
上に表在するか、または培地中に埋生する。分生子殻
は、球形〜亜球形、あるいは洋なし形(pyriform)〜アン
プル形(ampulliform) で、網目状の表面を呈し、直径は
110〜250μmで、通常1個の孔口、ときに2〜3
個の孔口を有し、孔口より分生子を押し出す。分生子は
単細胞、無色、平滑でだ円形〜卵形を呈し、大きさが
4.5〜6.5×1.5〜2.5μmである。
【0034】(2)生理的性質 生育温度 麦芽エキス寒天培地およびオートミール寒天培地を用い
て、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃お
よび37℃の各温度で培養した結果、AB4015株は
両培地において、10℃〜30℃までのいずれの温度で
も生育したが、5℃および37℃では生育しなかった。
生育最適温度は20℃〜25℃である。
【0035】生育pH pHを2,3,4,5,6,7,8,9,10および1
1に調整した麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で培
養した結果、AB4015株はpH3〜11まで生育し
た。生育最適pHは、pH6〜8である。
【0036】以上の菌学的性質から、AB4015株の
分類学上の位置をジェイ・エイ・フォン・アークス著
「ザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイティ
ング・イン・ピュア・カルチャー」第3版、ジェイ・ク
レイマー社、バダッツ、1981年(J.A.von Arx, 「Th
e Genera of Fungi Sporulating in Pure Culture 」3r
d ed., J.Cramer, Vaduz, 1981)およびブライアン・シ
ー・サットン著、「ザ・シーロマイセテス」コモンウエ
ルス・マイコロジカル・インスティテュート、イングラ
ンド、1980年(Brian C.Sutton,「The Coelomycete
s」, Commonwealth Mycological Institute, England,
1980)に従って検索した。その結果、本菌株はホーマ属
に属することが認められ、本発明者らは、AB4015
株をホーマ・エスピー・AB4015(Phoma sp. AB
4015)と称することにした。
【0037】なお、AB4015株は工業技術院微生物
工業技術研究所(現、工業技術院生命工学工業技術研究
所)に寄託申請され、平成4年10月20日、微工研菌
寄第13206号として受託されている。
【0038】以上、AB4015−B物質生産菌及びA
B4015−L物質生産菌の一例であるAB4015株
について説明したが、一般的には糸状菌類の菌学的性質
は極めて変化しやすく、自然界において、あるいは通常
行われている紫外線照射、X線照射、変異誘発剤(例え
ば、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン
および2−アミノプリン等)または遺伝子組替えを用い
る人為的変異手段により変異することは周知の事実であ
る。このように自然変異株ならびに人工変異株も含めて
ホーマ属に属し、AB4015−BおよびAB4015
−L物質を生産する能力を有する菌株はすべて本発明に
使用することができる。
【0039】第2あるいは第3の本発明の方法では、ま
ずホーマ属に属するAB4015−B物質生産菌、ある
いはAB4015−L物質生産菌を通常の微生物が利用
しうる栄養物を含有する培地において培養する。該生産
菌の培養においては、微生物の培養に用いられる通常の
培養方法が適用される。栄養源としては、微生物が資化
しうる炭素源、窒素源、無機塩などを程よく含有する培
地であれば天然培地、合成培地のいずれでも利用でき
る。第3の本発明の方法でAB4015−L物質を生産
させる場合、これらの培地成分の他にロイシンを添加す
る必要がある。このロイシンの添加は、使用生産菌を培
地中で培養するに先立ち、培地にロイシンを追加しても
よく、あるいは該生産菌を培養して生育途中にロイシン
を培地に添加後に培養を継続してもよい。
【0040】資化しうる炭素源としては、グルコース、
シュクロース、ガラクトース、デキストリン、グリセロ
ール、澱粉、水飴、糖蜜、動・植物油等を利用できる。
また、窒素源としては、大豆粉、小麦胚芽、コーンステ
ィープリカー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エ
キス、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナト
リウム、尿素などを使用できる。そのほか必要に応じ、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コ
バルト、塩素、燐酸、硫酸およびその他のイオンを生成
できる無機塩類を添加することは有効である。また、菌
株の発育を助け、AB4015−B物質あるいはAB4
015−L物質の生産を促進するような無機および有機
物を適当に添加することができる。なお、培地中に金属
塩が存在すると、それに対応する金属カチオンとの塩の
形でAB4015−BあるいはAB4015−L物質が
得られることがある。
【0041】培養方法としては好気的条件下での培養
法、特に深部液体培養法が最も適している。培養に適当
な温度は、15〜30℃であるが、多くの場合24〜3
0℃で培養する。AB4015−B物質あるいはAB4
015−L物質の生産は培地や培養条件によって異なる
が、振とう培養、タンク培養とも3〜10日の間でその
蓄積が最高に達する。
【0042】第3の本発明の方法によるAB4015−
L物質の生産の場合、上記培養条件の他に、0.01%
〜20%濃度のロイシンを培養前あるいは培養直後ある
いは培養1日から9日の間で添加することができる。好
ましくは、1〜10%のロイシンを培養直前もしくは培
養直後もしくは培養開始後1〜3日目に添加するのがよ
い。
【0043】培養物中のAB4015−BあるいはAB
4015−L物質の蓄積量が最高に達した時点で培養を
停止し、培養物から発酵生産物を採取する一般的な方法
に準じてAB4015−BあるいはAB4015−L物
質の単離を行うのがよい。前記の培地の組成、培地の液
性、培養温度、攪拌速度および通気量等の培養条件は使
用する菌株の種類および外部条件等に応じて、好ましい
結果が得られるように適宜調節あるいは選択する。液体
培養において発泡がある場合はシリコン油、植物油およ
び界面活性剤等の消泡剤を適宜使用する。
【0044】このようにして得られた培養物中に蓄積さ
れたAB4015−B物質あるいはAB4015−L物
質は、前述した物理化学的性質を有するので、その性質
に従い培養物から分離精製することが可能である。特
に、以下の方法により効率的に分離精製することが好ま
しい。
【0045】蓄積したAB4015−B物質あるいはA
B4015−L物質を培養物中から単離採取するに際し
ては、通常の生理活性物質を培養液中から採取する方法
が適用される。すなわち、培養物から酢酸エチル、クロ
ロホルム等の有機溶剤による抽出、水または二種類以上
の有機溶媒系を用いる交流分配、イオン交換樹脂、シリ
カゲル、シラナイズドシリカゲル、アルミナ、セルロー
ス、珪藻土、ゲル濾過剤等を用いるカラムクロマトグラ
フィーもしくは薄層クロマトグラフィーによる活性物質
の吸脱着処理あるいは逆層カラムを用いた高速液体クロ
マトグラフィーなどによってAB4015−B物質また
はAB4015−L物質を単離することができる。な
お、本発明のAB4015−B物質およびAB4015
−L物質の製造例を後記の実施例1〜2に示す。
【0046】更に、本発明によるAB4015−B物質
およびAB4015−L物質は前記のごとく、抗細菌活
性と植物病原菌の生育阻止活性を有する抗生物質であ
る。
【0047】次に、本発明のAB4015−B物質およ
びAB4015−L物質が抗細菌活性と抗カビ活性を有
して有用であることを後記の試験例によって説明する。
【0048】試験例1 AB4015−BおよびAB4015−L物質の細菌に
対する阻止効果 AB4015−BおよびAB4015−L物質の各種細
菌に対する最低生育阻止濃度(MIC)(μg/ml)
をミューラー・ヒントン寒天培地(Difco社製)を
用いて寒天平板希釈法にて測定した。その結果を次の表
1に示した。
【0049】
【0050】試験例2 AB4015−BおよびAB4015−L物質の植物病
原菌に対する阻止効果 AB4015−BおよびAB4015−L物質の各種植
物病原菌に対する最低生育阻止濃度(MIC)(μg/
ml)をポテト・スクロース寒天培地を用いて寒天平板
希釈法にて測定した。
【0051】また、同様にして抗生物質AB4015−
AのMIC(μg/ml)も測定した。その結果を次の
表2に示した。
【0052】
【0053】従って、第5の本発明によると、前記の一
般式(I)で表される抗生物質AB4015−B物質ま
たはAB4015−L物質、あるいはこれら両者を有効
成分として含有することを特徴とする医薬用殺菌剤また
は農園芸用殺菌剤が提供される。
【0054】本発明のAB4015−BおよびAB40
15−L物質を医薬用抗菌剤として使用する場合には、
単独あるいは賦形剤と混合して軟膏剤、注射剤、経口
剤、坐剤等として投与する。賦形剤は薬剤学的に許容さ
れるものであればいずれでもよく、その種類および組成
は投与経路や投与方法によって適宜選択する。その有効
成分の投与量は、年齢、体重等によって異なるが、通常
は成人に対して1−1,000mg程度を経口的あるい
は非経口的(例えば静脈に注射)に投与する。
【0055】AB4015−B物質またはAB4015
−L物質あるいはそれら両者を農園芸用殺菌剤として用
いる場合には、その使用目的に応じて単体でも用うるこ
とができるが、生物効果を助長、あるいは安定化するた
めに、慣用される適当な固体または液体状の担体および
補助剤と混和して製剤とし、これを直接使用するか必要
に応じて希釈して用いる。また、同様にしてAB401
5−A物質も農園芸用殺菌剤として使用できる。
【0056】なお、本明細書で先に記載したAB401
5−A物質は前記の式(A)で表わされる物質であり、
これは特開平4−316578号公報に示された抗生物
質、PF1052物質と一致する。この特開公報にPF
1052物質生産菌として記載されるポーマ(Phoma) 属
のPF1052株は、オートミール寒天培地、等で生育
した集落の裏面の色が黄土色〜茶色であり、うす茶色で
羊毛状の気菌糸を着生し且つその分生子殻が孔口を有
し、褐色の亜球形で50〜120μmの大きさを有す
る。然るに、第4の本発明に係るホーマ・エスピーAB
4015株は、オートミール寒天培地で生育した集落の
裏面の色がうす赤紫色であり、灰白色の気菌糸を着生し
且つその分生子殻が暗いオリーブ緑色〜オリーブ黒色の
球形〜亜球形〜洋なし形〜アンプル形で110〜250
μmの大きさを有する、等の菌学的性状を示す点で前記
のPF1052株と異なる種(species) に含まれるとみ
とめられる。
【0057】従って、第6の本発明によると、ホーマ属
に属するホーマ・エスピーAB4015株を培地中で培
養して前記の式(A)の抗生物質AB4015−A物質
を生成、蓄積させ、その培養物からAB4015−A物
質を採取することを特徴とする、式(A)の抗生物質A
B4015−A物質の製造法が新規な発明として提供さ
れる。
【0058】この第6の本発明の方法は、前記した第2
の本発明の方法と同じ要領で実施できる。
【0059】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、これは単なる一例であって、これによって本
発明が限定されるものではない。また、ここに例示しな
かった多くの変法あるいは修飾手段を用いるようなこと
はいうまでもなく可能なことであり、有効な手段となり
得る。なお、実施例中に部とあるのは重量部を示してい
る。
【0060】実施例1 AB4015−B物質の製造 生産培地として、ブドウ糖1.0%、水溶性デンプン
3.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.2
%、マルトエキス0.5%、炭酸カルシウム0.5%の
組成からなる培地(pH6.5)を用いた。
【0061】前記の培地110mlを分注した500m
l容量バッフル付き三角フラスコ182本(培地20L
分)を121℃で20分間滅菌し、これにホーマ・エス
ピーAB4015株(微工研菌寄第13206号)の斜
面寒天培養の1〜2白金耳を植菌した。その後、ロータ
リーシェーカー(180rpm)を用い、25℃で5日
間、回転振とう培養した。
【0062】培養終了後、培養液をろ過することによ
り、培養ろ液18Lと菌体を得た。上記の菌体を、メタ
ノール6Lで抽出し、ろ過して菌体を除いた菌体抽出液
を得た。得られた菌体抽出物に2Lの水および4.5L
のクロロホルムを加え、十分振とう抽出した後に、クロ
ロホルム層を分液した。このクロロホルム層を無水芒硝
で乾燥した後、減圧下で濃縮し、活性成分を含有する褐
色油状物10gを得た。
【0063】この褐色油状物を、シリカゲル(メルク社
製)を充填させたカラム(内径28mm×長さ320m
m)に吸着させ、クロロホルム400mlで洗浄後、ク
ロロホルム−メタノール(50:1)の組成からなる混
合溶媒で展開溶出するクロマトグラフィーを行った。こ
の時20gづつ分画した。AB4015−B物質を含む
活性画分No.14〜18を集め、減圧下で濃縮乾固
し、活性成分を含有する油状物55mgを得た。AB4
015−A物質(すなわちPF1052物質)は画分1
9番以後に溶出された。ついでこの活性成分を含有する
油状物を、シリカゲル薄層クロマト(メルク社製)に吸
着させ、ヘキサン−酢酸エチル−ギ酸(70:30:
1)の組成からなる混合溶媒で展開する薄層クロマトグ
ラフィーを行った。Rf0.53付近のUV吸収帯をか
きとり、酢酸エチルで活性成分を溶出させ、減圧下で濃
縮乾固することにより淡橙色油状のAB4015−B物
質を23mg得た。
【0064】さらに、AB4015−A物質は以下に示
す手順で採取した。AB4015−A物質を含む前記シ
リカゲルカラム溶出画分No.19からNo.24を集
め減圧下で濃縮乾固させ、0.6gの粗精製物を得た。
この粗精製物を再度シリカゲルを充填させたカラム(内
径18mm×長さ240mm)に吸着させ、酢酸エチル
−ヘキサン(3:7)の組成からなる混合溶媒で溶出さ
せた(200滴づつ分画)。画分No.48以後は酢酸
エチル−ヘキサン(1:1)からなる混合溶媒で更に展
開溶出させた(200滴づつ分画)。活性画分No.3
4からNo.70を集め減圧下で濃縮し、メタノールに
可溶、水に不溶な無色油状の物質としてAB4015−
A物質を470mg得た。このものはNMR、IRによ
り分析した結果、PF1052物質と同一物質であると
確認した。
【0065】実施例2 AB4015−L物質の製造 生産培地として、ブドウ糖1.0%、水溶性デンプン
3.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.2
%、マルトエキス0.5%、炭酸カルシウム0.5%の
組成からなる培地(pH6.5)を用いた。
【0066】前記の培地110mlを分注した500m
l容量バッフル付き三角フラスコ22本(培地2.2L
分)を121℃で20分間滅菌し、これにホーマ・エス
ピーAB4015株(微工研菌寄第13206号)の斜
面寒天培養の1〜2白金耳を植菌した。その後、ロータ
リーシェーカー(180rpm)を用い、25℃で回転
振とう培養し、培養2日目でロイシンを1フラスコにつ
き1g加え、更に3日間振盪培養を継続した。
【0067】培養終了後、培養液をろ過することによ
り、培養ろ液2Lと菌体を得た。上記の菌体から活性成
分を、アセトン2Lで抽出し、減圧下で濃縮することに
よりアセトンを除去した。得られた懸濁液に蒸留水を加
え300mlとし、これに酢酸エチル700mlを加
え、十分振とう抽出した後に、酢酸エチル層を分液し
た。この酢酸エチル層を無水芒硝で乾燥した後、減圧下
で濃縮し、活性成分を含有する褐色油状物4gを得た。
【0068】この褐色油状物を、シリカゲル(メルク社
製)を充填させたカラム(内径17mm×長さ300m
m)に吸着させ、クロロホルム−メタノール(100:
1)の組成からなる混合溶媒で展開溶出(画分No.1
〜35)し、次いでクロロホルム−メタノール(50:
1)の組成からなる混合溶媒で展開溶出(画分No.3
6〜44)するクロマトグラフィーを行った。この時4
00滴づつ分画した。活性画分No.31〜44を集
め、減圧下で濃縮乾固し、活性成分を含有する油状物6
50mgを得た。ついでこの活性成分を含有する油状物
を、シリカゲル(メルク社製)を充填させたカラム(内
径17mm×長さ300mm)に吸着させ、酢酸エチル
−ヘキサン(1:1)の組成からなる混合溶媒600m
lでAB4015−A物質(PF1052物質)および
AB4015−B物質を溶出させた。次いでクロロホル
ム−メタノール(50:1)の組成からなる混合溶媒で
展開溶出するクロマトグラフィーを行った。このとき4
00滴づつ分画した。画分No.52〜72を集め、減
圧下で濃縮し淡橙色油状のAB4015−L物質を16
2mg得た。
【0069】次に、第5の本発明による殺菌剤の組成例
を例示する実施例3〜5によって本発明を具体的に説明
する。
【0070】実施例3(水和剤) AB4015−AまたはAB4015−BまたはAB4
015−L物質 20部、アルキルベンゼンスルホン酸
カリウム 3部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル 5部、および白土 72部を均一に混合し、粉
砕して、活性成分を20%含有する水和剤を得た。
【0071】実施例4(粉剤) AB4015−AまたはAB4015−BまたはAB4
015−L物質 2部、PAP(物理性改良剤) 1部
およびクレー 97部を均一に混合し、粉砕して、活性
成分を2%含有する粉剤を得た。
【0072】実施例5(乳剤) AB4015−AまたはAB4015−BまたはAB4
015−L物質 30部、メチルエチルケトン 40部
およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3
0部を混合し、溶解して、活性成分を30%含有する乳
剤を得た。
【0073】更に、第5の本発明による農園芸用殺菌剤
に用いるAB4015−BおよびAB4015−L物質
の植物病原菌に対する防除効果を試験例1〜3に例証す
る。
【0074】試験例1(キュウリべと病防除効果) 温室内で直径9cmの大きさの素焼鉢で土耕栽培した第
2葉期のキュウリ苗(品種:相模半白)に、実施例3に
準じて調製した水和剤をスプレーガンを用いて1鉢当り
20mlを散布した。一方、湿らせた筆でキュウリべと
病菌(Pseudope ronospora cubensis:シュードペロノ
スポラ クベンシス)の罹病葉より胞子をかきとり、展
着剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の50p
pm水溶液に懸濁させた後、胞子濃度を5×106 胞子
数(個/ml)に調整し、胞子懸濁液を調製した。
【0075】このキュウリべと病菌の胞子懸濁液を薬剤
散布1日後のキュウリ苗に噴霧接種した。そして、キュ
ウリ苗を20℃、湿度100%の湿室内に2日間静置
し、その後発病室に移し、キュウリべと病を発病させ
た。接種6日後、1葉当たりのキュウリべと病病斑面積
歩合(%)を調査し、平均病斑面積を求め、下記の計算
式により平均防除価(%)を算出した。その試験結果を
下記の表3に示す。
【0076】
【0077】
【0078】試験例2(コムギ赤銹病防除効果試験) 温室内で直径9cmの大きさの素焼鉢で土耕栽培した第
一本葉期のコムギ幼苗(品種:農林61号)に、実施例
3に準じて調製した水和剤の所定濃度希釈液を3鉢当り
20mlを散布した。1日後、あらかじめコムギ葉上で
形成させたコムギ赤銹病菌(Puccinia recondita :プ
クシニア レコンジタ)の夏胞子を150倍の顕微鏡で
1視野当りの胞子濃度が約50個になるようにツイーン
20[花王石鹸(株)製のポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレートの商品名]50ppmを添加した滅菌
水に懸濁させた。
【0079】その胞子懸濁液を処理すべき葉に噴霧接種
した。20℃、湿度100%の温室内に1日間静置し、
その後発病室に移しコムギ赤銹病を発病させた。接種1
0日後にとり出し、1葉当りに発病した夏胞子堆数を調
査し、次式により防除価を算出した。本試験は1試験あ
たり3鉢制で行い、その平均防除価(%)を求めた。そ
の結果を表4に示す。
【0080】
【0081】
【0082】試験例3(ナシ黒斑病防除効果試験) ナシ樹(品種:二十世紀)の新展開葉4〜5枚を含む新
梢を切り採り、300ml容量のコルベンに水さしして
試験に供した。実施例2に準じて調製した水和剤の所定
濃度希釈液20mlを前記新梢に散布した。接種用ナシ
黒斑病菌(Alte rnaria kikuchiana:アルタナリア キ
クチアナ)はアンズ煎汁寒天培地の平板上で24℃にお
いて10日間培養して得た。平板に形成された分生胞子
をかきとり、ツイーン20[花王石鹸(株)製]の50
ppm溶液に分散させた。胞子濃度を顕微鏡(150
倍)一視野あたり約20個に調整し、スプレーガンを用
いて薬剤散布後1日に接種した。
【0083】接種後のナシ新梢(300ml容コルベン
に水さし)は24℃の湿室に24時間保ち、その後は2
4〜26℃および湿度85〜95%のグロースキャビネ
ット内で管理した。病菌接種5日後に1葉あたりの病斑
面積歩合を調査し、次式により防除価(%)を算出し
た。なお、試験は1区3枝制で実施し、平均防除価
(%)を求めた。その結果を表5に示す。
【0084】
【0085】
【0086】
【発明の効果】本発明の新規な抗生物質AB4015−
BおよびAB4015−L物質は以上に述べたように、
抗細菌活性と植物病原菌に防除活性を有することから、
新規な医薬用抗菌剤および農園芸用殺菌剤として期待さ
れる。またAB4015−A物質も植物病原菌に防除活
性を有することから農園芸用殺菌剤として期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】AB4015−B物質の臭化カリウム錠剤中で
の赤外部吸収スペクトル図である。
【図2】AB4015−L物質の臭化カリウム錠剤中で
の赤外部吸収スペクトル図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 17/10 7432−4B 17/16 7432−4B //(C07D 405/08 207:00 303:00) (C12P 17/10 C12R 1:645) (C12P 17/16 C12R 1:645) (72)発明者 玉村 健 神奈川県相模原市東林間6丁目2番3号 (72)発明者 手塚 保行 神奈川県厚木市森の里2丁目24番7号 (72)発明者 佐藤 聖 神奈川県秦野市東田原200番地96 (72)発明者 久津間 誠一 神奈川県相模原市相武台3丁目21番13号 ラプラス藤進102号 (72)発明者 長縄 博 東京都大田区田園調布本町3番17号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5丁目1番11号 ニ ューフジマンション701

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) 〔式中、R1 およびR2 はAB4015−B物質ではそ
    れぞれ次式 の基であり、AB4015−L物質では次式 の基である〕で表される新規な抗生物質AB4015−
    BおよびAB4015−L、またはそれらの塩。
  2. 【請求項2】 ホーマ属に属する抗生物質AB4015
    −B生産菌を培地中で培養し、その培養物中にAB40
    15−B物質を生成、蓄積せしめ、ついで培養物から該
    抗生物質を採取することを特徴とする、請求項1に記載
    の抗生物質AB4015−Bの製造法。
  3. 【請求項3】 ホーマ属に属してロイシンの存在下でA
    B4015−L物質を生産する能力を有する微生物を、
    ロイシンを含む培地中で培養し、その培養物中に抗生物
    質AB4015−Lを生成、蓄積せしめ、その培養物か
    らAB4015−L物質を採取することを特徴とする、
    請求項1に記載の抗生物質AB4015−Lの製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の抗生物質AB4015−
    Bを生産できる特性とロイシン存在下で抗生物質AB4
    015−Lを生産できる特性を持ち且つ後記の菌学的特
    徴を有するホーマ・エスピーAB4015株。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の抗生物質AB4015−
    BまたはAB4015−L、あるいはこれら両者を有効
    成分とする医薬用殺菌剤または農園芸用殺菌剤。
JP20812693A 1993-08-02 1993-08-02 新規抗生物質ab4015−bおよびab4015−l、ならびにその製造法および用途 Pending JPH0748348A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008528523A (ja) * 2005-01-28 2008-07-31 南京▲農業▼大学 紫茎ヒヨドリ花のアルターナリア・アルターナタの代謝物質を生物除草に用いる方法
JP2010222292A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Microbial Chem Res Found 植物病害防除剤

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