JPH01199988A - 新規抗生物質imc29とその製造法,ならびに殺ダニ剤,除草剤および植物ウイルス病防除剤 - Google Patents

新規抗生物質imc29とその製造法,ならびに殺ダニ剤,除草剤および植物ウイルス病防除剤

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JPH01199988A
JPH01199988A JP62138948A JP13894887A JPH01199988A JP H01199988 A JPH01199988 A JP H01199988A JP 62138948 A JP62138948 A JP 62138948A JP 13894887 A JP13894887 A JP 13894887A JP H01199988 A JPH01199988 A JP H01199988A
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imc29
antibiotic
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culture
substance
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JP62138948A
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Satoshi Kondo
智 近藤
Masa Hamada
雅 浜田
Yasuhiro Shigihara
鴫原 康浩
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Sei Sato
聖 佐藤
Tsutomu Sawa
沢 力
Takeshi Tamamura
健 玉村
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な抗生物質IMC29とその製造法に関
する。また、本発明はこの抗生物質IMC29(以下、
単にIMC29物質ということもある)を含有する殺ダ
ニ剤、除草剤および植物ウィルス病防除剤に関するもの
である。
〔従来の技術〕
ストレプトミセス属に属する微生物からはこれまでに多
数の抗生物質が見出されている。そして、それらのうち
多くのものが医薬および農薬として利用されている。本
発明に係るIMC29物質と関連すると思われる物質と
しては、抗生物質84B−3が知られている(特公昭4
6−19593号公報、日本化学会第31秋季年会第3
59頁など)。この抗生物質84B−3は、抗ウィルス
活性を示す物質として報告されているが、殺ダニ活性お
よび除草活性については報告されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、新規で有用な抗生物質の発見と製造は常
に要望されている。本発明は、農園芸用の殺ダニ剤、除
草剤および植物ウィルス病防除剤として有用な新規の抗
生物質およびその製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決するために研究を重ね
、多数の土壌中から微生物を分離し、その産生ずる抗生
物質について各種の生物試験法により探索した。その結
果、ストレプトミセス属に属する新規な微生物を発見し
、MH589−33F5株と命名した。そして本菌株の
培養液および培養菌体中に、文献未記載の新規な抗生物
質が産生され、蓄積されることの新たな知見を得た。
そして本発明者は、この新規抗生物質を単離することに
成功し、抗生物質IMC29と命名した。
しかも、この抗生物質IMC29は殺ダニ活性及び除草
活性並びに植物病害ウィルス殺滅活性を兼備することを
知見した。これに基づいて、本発明をなすに至った。
従って、第1の本発明の要旨とするところは、この新規
な抗生物質IMC29にある。
本発明の抗生物質IMC29物質の理化学的性質をを詳
しく記載すると、次の通りである。
(1)性状 無色アメ状物質 (2)元素分析 炭素38.37%、水素6.49%、窒素4.38%。
酸素50.76%(差による) (3)分子量 590  (SI−MS) (4)紫外部吸収スペクトル 末端吸収のみを示す(水溶液中)。
(5)赤外部吸収スペクトル 臭化カリ錠剤法による本物質の赤外部吸収スペクトルを
添付図面の第1図に示す。主要な吸収バンドの位置は3
350.2910.1590.1400.1320.1
145.102102O’である。
(6)核磁気共鳴スペクトル 重水中の400MHzでの本物質のプロトンのNMRス
ペクトルを添付図面の第2図に、重水中の100MHz
での炭素13のNMRシグナルのケミカルシフトを次表
に示す。
I MC29物質(7)”C−NMRスペクトル(10
0MHz)1    51.70   ppm   d
2    60.99   〃t 3    61.97    〃t 4    62.18    〃d 5    62.18    〃t 6    67.18   〃d ?     69.46    〃d 8      69.94     〃d9     
 70.01     〃d10      70.4
6     〃     dll       71.
30     〃d12      71.79   
  〃     d13      74.71   
  〃     d14      75.69   
  〃     d15      78.74   
  ”      d16      78.85  
   〃d17      79.95     〃 
    d18       Bo、32     〃
     d19     101.41     〃
     d20     104.17     〃
     d21     17B、52     〃
     s注)sニー重線、d:二重線、t:三重線
なお、ジオキサンを内部標準として667.40に二周
整した。
(7)溶剤に対する溶解性 水によく溶ける。メタノールに僅かに溶ける。酢酸エチ
ル、ベンゼン、アセトン、クロロホルム、エチルエーテ
ルに不溶である。
(8)安定性 酸に不安定である。
(9)各種クロマトグラフィーにおけるRf値クシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーメルク製F2,4薄層プレ
ート)を行うと下記の値が得られる 開溶媒系         Rf値 n−プロパノ−ルーピリジン− 酢酸−水; (15:10:13:12)      
 0.35n−ブタノール−エタノール− クロロホルム−アンモニア; (4:5:2:5)  
0.06n−ブタノール−酸−水; (3:1:1) 
    0.0701  電気泳動によるRm値 リン酸緩衝液(p)! 7.1) 、(600V、3時
間):0.66ギ酸−酢酸一水(1:3:36)、(6
00V、3時間):0.750υ 呈色反応 陽性:ニンヒドリン、過マンガン酸カリ、バニリン硫酸 陰性:扱口試薬、塩化第二鉄、ビューレット試薬 第2の本発明によると、ストレプトミセス属に属する抗
生物質IMC29生産菌を培養し、その培養物から抗生
物質IMC29を採取することを特徴とする抗生物質I
MC29の製造法が提供される。
本発明の方法で使用される抗生物質IMC29の生産性
能を有するストレプトミセス属に属する菌種の一例とし
て、ストレプトミセス属NcMH589−33F5と称
呼される微生物がある。
このストレプトミセス属のMH589−33F5株の菌
学的性状は、次の通りである。
(11形態 MH589−3’3F5株は、顕微鏡下で分枝した基中
菌糸よりらせん状の気菌糸を形成し、輪生技はみとめら
れない。成熟した胞子鎖は、20個以上の胞子の連鎖を
みとめる。胞子の大きさは、0.75〜1.OXl、1
〜1.4 ミクロン位である。その表面は、平滑ないし
いぼ状である。胞子の表面を走査型電顕でみると、特定
のしわがあり、この表面構造が時にいぼ状として観察さ
れるものと推察された。
(2)  各種培地における生育状態 色の記載について〔〕内に示す標準は、コンテイナー・
コーポレーション・オプ・アメリカのカラー・ハーモニ
ー・マニュアル(Container Cor−por
ation of AmericaのCo1or Ha
rmony Manual)を用いた。
■ シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養) うす黄茶(3ec 、 B15que )の発育上に黄
味灰(1ha、Yellow Tint)の気菌糸を着
生し、溶解性色素は黄色味をおびる。
■ グリセリン・硝酸塩寒天培地(27°C培養)うす
黄(2ea、Lt、 Wheat)の発育上に黄味灰(
1ca 、 Pa1e Yellow)の気菌糸を着生
し、溶解性色素は茶色味をおびる。
■ グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃培養) うす黄(2ea、Lt、 Wheat)の発育上に白の
気菌糸をうつすらと着生し、熔解性色素は黄色味をおび
る。
■ イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2゜27℃
培養) うす黄茶(3ec、 B15que)の発育上に、明る
いオリーブ灰(1fe、 Griege)の気菌糸を着
生し、溶解性色素は茶色味をおびる。
■ オートミール寒天培地(ISP−培地3.27℃培
養) うす黄(2ca、 LL、 Ivory)の発育上に、
明るい茶灰(3fe、 5ilver Gray )の
気菌糸を着生し、溶解性色素は黄色味をおびる。
■ スターチ・無機塩寒天培地(l5P−培地4゜27
℃培養) うす黄茶(3ec、  B15que )の発育上に、
明るい茶灰(3fe、 5ilver Gray )の
気菌糸を着生し、溶解性色素は茶色味をおびる。
■ グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地
5.27℃培養) うす黄茶(3ec 、 B15que )の発育上に、
明るいオリーブ灰(1fe、 Griege)の気菌糸
を着生し、溶解性色素は茶色味をおびる。
■ シチロン寒天培地(ISP−培地7,27℃培養)
うす黄(2cb、 Ivory Tint)の発育上に
、黄味法(lcb、 Parchment) 〜明るい
オリーブ灰(1fe。
Griege)の気菌糸を着生し、溶解性色素は黄色味
をおびる。
■ リンゴ酸石灰寒天培地(27°C培養)うす黄(2
cb、 Ivory Tint)の発育上に、灰白(2
dc、Natural )の気菌糸を着生し、溶解性色
素はみとめられない。
[相] 栄養寒天培地(27℃培養) うす黄茶(3ec、 B15que)の発育上に、白の
気菌糸をうつすらと着生し、溶解性色素は茶色味をおび
る。
■ スターチ寒天培地(27“C培養)うす黄[3ba
、 Pearl )の発育上に、明るい茶灰(3fe、
 5ilver Gray)の気菌糸を着生し、溶解解
性色素は茶色味をおびる。
@ 脱脂牛乳(37℃培養) うす黄(3ha、 Pearl)の発育上に、白の気菌
糸をうつすらと着生し、溶解性色素は茶色味をおびる。
■ ゼラチン穿刺培養 単純ゼラチン培地(20℃培養)では、うす黄C2ea
、 Lt、 Wheat)の発育上にうつすらと白の気
菌糸を着生し、溶解性色素はみとめられない。
グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27℃培養)で
は、発育はうす黄(3ca、 Pearl Pink 
)、気菌糸は着生せず、溶解性色素もみとめられない。
■ セルロース(27℃培養) 無色の発育上に、うつすらと灰白の気菌糸を着生し、溶
解性色素はみとめられない。
MH589−33F5株の生理的性質を次に記載する。
(1)生育温度範囲 グルコース・アスパラギン寒天培地(クルコース1.0
%、L−アスパラギン0.05%、 K、HPo。
0.05%、ひも寒天3,0%、 pH7,0)を用い
、20℃。
24℃、27℃、30℃537℃、50℃の各温度で試
験を行なった。その結果、50℃を除いてそのいずれの
温度でも発育したが、最適生育温度は27℃〜37℃付
近と思われる。
(2)ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン、20℃培
養;グルコース・ペプトン・ゼラチン、27℃培養) 単純ゼラチン培地では液化はみとめられない。
グルコース・ペプトン・ゼラチン培地の場合は、培養後
100日目頃ら液化が始まり、その作用は、中程度であ
る。
(3)  スターチの加水分解(スターチ無機塩寒天培
地およびスターチ寒天培地、いずれも27℃培養)スタ
ーチ・無機塩寒天培地、スターチ寒天培地のいずれの培
地でも培養後3日目頃から氷解性がみとめられ、その作
用は強い方である。
(4)脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、37℃
培養) 培養後4日目頃からペプトン化が始まり、6日目頃に完
了する。その作用は、強い方である。凝固は、みとめら
れない。
(5)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・
プロス、[SP=培地1;ペプトン・イースト・鉄・寒
天、l5P−培地6;チカミン寒天。
l5P−培地7;いずれも27℃培養)いずれの培地で
も、メラニン様色素の生成が認められた。
(6)炭素源の利用性(ブリドハム・ゴトリーブ寒天培
地、l5P−培地9.27℃培養)グルコース、L−ア
ラビノース、D−キシロース、D−フラクトース、シュ
クロース、L−ラムノース、ラフィノース、D−マンニ
トールを利用して発育し、イノシトールは利用しない。
(7)リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰寒天培地。
27°C培養) リンゴ酸石灰の溶解がみとめられ、その作用は、中程度
である。
(8)硝酸塩の還元反応(0,1%硝酸カリ含有ペプト
ン水、l5P−培地8.27°C培養)陰性である。
以上の性状を要約すると、MH589−33F5株は、
ストレプトミセス(Streptomyces)属に属
する。細胞壁に含まれる2、6−ジアミツビメリン酸は
、LL−型である。また気菌糸はらせん形成を存し、輪
生技および胞子のうはみとめられず、胞子の表面は平滑
〜いぼ状である。
種々の培地で、うす黄〜うす黄茶の発育上に、白〜明る
いオリーブ灰、あるいは明るい茶灰の気菌糸を着生し、
溶解性色素は、黄色味あるいは茶色味を呈する。メラニ
ン様色素は、陽性である。
蛋白分解力は、中程度ないし強い方であり、スターチの
氷解性も強い方である。
これらの性状より、MH589−33F5株に近縁の既
知菌種を検索すると、ストレプトミセス・ガルブス(S
treptomyces galbus Fromme
r、文献1)r International Jou
rnal of Systematic Racte−
rilogyJ 18巻321頁;文献2) Waks
manのrTheActinomycetes J 2
巻、214頁)があげられる。この菌種の記載と、MH
589−33F5株の性状の比較を次の第1表に示した
果−一」−一一表 傘3−rlnLernational Journal
 of Systmtic BacLeriology
J1時321号本傘・・−WaksIlanのrThe
Actinosyctes」2−t+214頁第1表で
みられるごとく、MH589−33F5株と、ストレプ
トミセス・ガルブスは、極めて近い性状を示した。表に
は示されていないが、MH589−33F5株の顕微鏡
及び電子顕微鏡写真は、ストレプトミセス・ガルプスの
形態写真(文献1)の322頁掲載)と非常に良く似て
おり、特色ある小さないぼ状の表面構造は、両者に同様
にみとめられる。また、MH589−33F5株が、所
々の寒天上で黄色灰の気菌糸を着生する点は、文献1)
、2)と照合して共通する点である。
これらの点を考え合わせると、両者の相違点はイノシト
ールの利用性のみで、MH589−33F5株を他種と
して区別することは難しい。
したがって、本発明で用いられるMH589−33F5
株をストレプトミセス・ガルプス(Strep−tom
yces galbus Frommer) M H5
89−33F 5と同定した。
なお、MH589−33F5株を工業技術院微生物工業
技術研究所に、昭和61年10月2日、保管委託申請し
、その受託番号は微工研菌寄第8988号である。
また、上記ストレプトミセス属M H589−33F5
株の自然的および人工的変異株はもちろんのこと、スト
レプトミセス属に属する菌種で後述の抗生物質IMC2
9の生産能を有する微生物はすべて本発明方法において
使用することができる。
本発明の抗生物質IMC29を製造するには、ストレプ
トミセス属に属する抗生物質IMC29生産菌を、抗生
物質を生産する通常の方法で培養すればよい。培養の形
態は液体培養でも同体培養でもよく、工業的に有利に培
養するためには、上記生産菌の胞子懸濁液または培養液
を培地に接種し、通気攪拌培養を行えばよい。
培地の栄養源としては特に限定されることなく、微生物
の培養に通常用いられる炭素源、窒素源、その他の成分
を培地に含有させることができる。
炭素源としては澱粉、デキストリン、グリセリン、グル
コース、シュークロース、ガラスドース、イノシトール
、マンニトールなどが、また窒素源としては、ペプトン
、大豆粉、肉エキス、米ぬか、尿素、コーンステイープ
リカー、アンモニウム塩、硝酸塩、その外の有機または
無機の窒素含有物が用いられる。その外、無機塩類、た
とえば、リン酸塩類、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄
などの金属塩類などを適宜に添加してもよく、必要に応
じて消泡剤としての動物、植物、鉱物性の油などを添加
してもよい。
培養温度、培養時間などの培養条件は、使用菌の発育に
適し、しかも、抗生物質IMC29の生産が最高となる
ような条件が選ばれる。たとえば培地のpHは中性付近
がよく、培養の適温は25゜〜35℃程度が望ましい。
また、培養時間は通常2〜7日間程度がよい。
しかし、これらの培養組成物、培地の液性、培養温度、
攪拌条件などの培養条件は、使用する菌種の種類や外部
の条件などに応じて、好ましい結果が得られるよう適宜
に調節、選択されるべきであ4ことはいうまでもない。
このようにして得られる培養物からIMC29物質を得
るには、代謝産物を採取するのに通常用いられる手段を
適宜に利用して採取し得る。たとえば、IMC29物質
と不純物との溶解度差を利用する手段、吸着親和力の差
を利用する手段、イオン結合力の差を利用する手段、分
子量の差を利゛  用する手段のいずれも、それぞれ単
独で、または組み合わせて、あるいは反復して利用され
る。
具体的には、IMC29物質は培養濾液および培養菌体
中に存在するが、培養ろ液より酸性または塩基性のイオ
ン交換体、あるいは活性炭などの吸着剤で抽出すること
ができる。培養菌体中に存在するIMC29吻質は菌体
を含水アセトン、あるいは含水メタノールなどを用いて
抽出することができる。
このように抽出されたIMC29物質はそのイオン性、
疎水性、分子量の差を利用してイオン交換クロマトグラ
フィー、活性炭クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィーなどを組み合わせて精製することができる。
以下に、本発明の方法を実施例によって詳述するが、本
発明の方法はこれに何ら限定されるものではない。
スJ!1lLL ガラクトース2%、デキストリン2%、バタトソイトン
(デイフコ社製)1.0%、コーンステイープ・リカー
〔日本食品化工(株)製) 0.25%、硫酸アンモニ
ウム0.2%、炭酸カルシウム0.2%からなる液体培
地(炭酸カルシウムを加える以前に苛性ソーダでpi(
7,4に調整)を125dずつ分注した5 00 ml
lのバッフル付三角フラスコ2本に寒天斜面培地で培養
したストレプトミセス・ガルブス(Stre、ptom
yces galbus Frammer) M H5
89−33F5株(徽工研菌寄第8988号)を1白金
耳ずつ接種し、27℃で2日間振とう培養した。
これを種培養液として同一培地を125−ずつ分注した
50(hdのバッフル付三角フラスコ80本にそれぞれ
2dずつ接種し、27℃で3日間振とう培養した。最、
dpHは5.2である。
培養液を遠心分離して菌体と培養ろ液とに分け、得られ
た培養ろ液約81をアンバーライトIR120 B (
H+型)のカラム(直径8 am x長さ40cm)に
通過させた。カラムを蒸留水61で洗浄後、活性物質を
2%アンモニア水61を用いて溶出した。この溶出液を
減圧上濃縮乾固してアンモニアを除いた後、再度蒸留水
500−に溶解し、アンバーライトcc50  (NH
4”: H”=7 : 3型)のカラム(直径6cfl
I×長さ49cm)に通した。カラムを蒸留水31で洗
浄後、2%アンモニア水31を用いて活性物質を溶出し
た。溶出液を減圧上濃縮乾固後、再度蒸留水200 m
lに溶解し、蒸留水で膨潤させたDEAE−セファデッ
クスA−25(炭酸型)のカラム(直径4.5cmx長
さ40an)にかけ、活性物質を吸着させた。このカラ
ムをまず21の蒸留水で洗浄後、0.05M、 0.1
 Mおよび0.5Mのトリエチルアミン炭酸緩衝液、各
21で順次溶出した。活性は0.1 M緩衝液による溶
出画分に現われ、この画分を減圧上濃縮乾固し、少量の
0.1M)リエチルアミン炭酸緩衝液に溶解し、同緩衝
液で平衡化させたDEAE−セファデックスカラムにチ
ャージした。0.1Mトリエチルアミン炭酸緩衝液で溶
出し、活性画分を集め、次いでSP−セファデックス(
トリエチルアミン型)カラム(直径4.5cmx長さ4
0cm)でクロマトグラフィーを行った、溶出は蒸留水
で行い、得られた活性画分を、最後にトーヨパールHW
40 (F)のカラムクロマトグラフィー(直径6cf
fl×長さ40c+n)で精製した。エタノールを10
%含む0.1Mトリエチルアミン緩衝液で展開して得ら
れた活性画分を減圧上濃縮乾固し、前記の理化学的性質
を有する無色アメ状のIMC29物質の2.2gを得た
本物質は種々の溶媒系を用いたシリカゲル薄層クロマト
グラフィーおよびセルロース薄層高圧電気泳動において
単一なスポットを与え、純品であることが確認された。
なお、前記の実施例1における2回目のDEAE−セフ
ァデックスカラムクロマトグラフィーにおいて先端に溶
出された両分にも弱い活性がL2められたので、この画
分を10%エタノール含有O0IM)リエチルアミン炭
酸緩衝液を用いトーヨバールHW−40(F)カラムク
ロマトグラフィー(直径6cm×長さ40cm)にて精
製すると、無色アメ状の物質550■が得られた。本物
質の物理化学的、生理学的特性は既知の抗ウィルス性抗
生物質84B−3(特公昭46−19593号公報、日
本化学会第31秋季年会予稿集第359頁の記載参照)
と一致した。
こ\で、参考までに次の第2表に本発明のIMC29物
質と84B−3物質のシリカゲルTLCORf値を比較
して示す。
第2表 本発明のIMC29物質の生物学的性状を次に記載する
本発明に係る抗生物[IMC29はハダニに対して防除
活性および禾本科植物に対して除草活性を示し、また植
物病害ウィルスの阻止活性を示し、農園芸用殺ダニ剤お
よび除草剤ならびに植物ウィルス病防除剤として有効に
使用される。
従って、第3の本発明によると、抗生物質IMC29を
有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤、除
草剤および植物ウィルス病防除剤が提供される。
本発明の抗生物質IMC29の生物学的性質を次の通り
試験した。
1、抗菌活性 抗菌力をペーパーディスク法によって調べたが、供試面
に対する最低生育阻止濃度(M I C)は第3表に示
す通りであり、試験した範囲内では坑口活性を示さなか
った。
第3表 2.急性毒性 マウスに対する経口投与による急性毒性試験では本物質
の300■/kgの投与でも金側が生存した。 本発明
のIMC29物質は、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カ
ンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニなどの各種
ダニ類に対して顕著な殺ダニ効果を有する。禾本科雑草
、例えば、メヒシバ、エノコログサなどに対して強い除
草活性を示す。しかし、農作物には薬害を示さない。さ
らに、前述のごと<IMC29物質は魚類や温血動物に
対して低毒性であり、環境汚染を引き起こすおそれがな
い。
また、本発明のIMC29物質はこれと化学構造上関連
すると思われる公知の抗生物質84B−3(特公昭46
−19593公報)と比較しても、殺ダニ活性、除草活
性において数倍高く、殺ダニ剤および除草剤としての有
用性においても格段に優っている。
また、本物質は、抗植物ウィルス活性を有し、CMV 
(キュウリモザイクウィルス) 、TMV(タバコモザ
イクウィルス)の防除に対しても卓効を有する。
以上から、本発明に係るIMC29物質は、農園芸用殺
ダニ剤、除草剤および植物ウィルス病防除剤として有用
である。
本発明の抗生物質IMC29物質は、公知の固体又は液
体の担体と配合、製剤化することによって、殺ダニ剤、
除草削且つ(又は)植物ウィルス病防除剤とすることが
できる。か\る抗生後の任意の時期に行えばよいが、で
きれば発生初期に行うのが有効であり、この時期に散布
すると十分な殺卵、殺幼虫、殺成虫効果を発揮する。
また、本発明の農園芸用薬剤を除草剤として用いる場合
は次のように使用される。すなわち、上記のように調製
された製剤は、粒剤の場合は、そのまま、雑草の発生前
あるいは発生後の土壌表面、土壌中、または水中に10
アール当り有効成分量として5〜500g程度の範囲で
散布すればよい。
また、水和剤、乳剤、液剤、ゾル剤などの場合は、水で
希釈して生育期の雑草の茎葉に散布するか、雑草の発生
前あるいは発生後に土壌表面、土壌中または水中に、1
0アール当り有効成分量として5〜500g程度の範囲
で散布すればよい。
また本発明の農園芸用薬剤を植物ウィルス病防除剤とし
て用いる場合は、他の既知の殺ダニ剤と同様に水和剤、
液剤が使用される。すなわち、製剤を100〜3000
倍に希釈してIMC29物質の濃度を10〜500pp
mで10アール当り100−300 /相当を有用植物
、例えば、キュウリ、メロン、タバコなどに全体にまん
べんなく散布することにより有効に防除できる。
次に、本発明のIMC29物質の殺ダニ効果、除草効果
およ□び植物ウィルス病防除効果について試験例を挙げ
る。
威狭班上 ナミハダニに対する防除効果状直径5.5c
mのビニール製ポットに植えた第一本葉展開期のいんげ
んに、累代飼育中のナミハダニ雌成体を1ポット当り1
0頭ずつ接種して定着させ、産卵させた。そしてその2
4時間後に、本発明の抗生物質の所定濃度水溶液を1ポ
ット当り15−ずつ散布した。その後ポットを25℃恒
温下に置き、14日後に寄生している次世代のナミハダ
ニの離底体数を調べ、防除価(%)を求めた。
本試験は、1薬液散布区当り2ポツト制で行い、次式に
より防除価(%)を算出し、その平均防除価を求めた。
その結果は第4表のとおりである。
Ca:無散布区散布前の虫数 Cb:無散布区散布後の虫数 Ta:散布区散布前の虫数 Tb:散布区散布後の虫数 員土人 4.5cmX 4,5cmのシフイーポットおよび7 
cm x7 cmのプラスチック製ポットにそれぞれ洪
積土壌を入れ、シフイーポットに雑草の種子、すなわち
メヒシバ、エノコログサ、イヌビエ、イヌタデ、アサガ
オ、カヤツリの種子(20粒ずつ)を、またプラスチッ
ク製ポットに作物の種子、すなわち、コムギ、ダイズ、
トウモロコシ、ナタネ、ビート、ワタの種子(5粒ずつ
)とイネの種子(10粒)をそれぞれlポットずつ播種
し、約1.5cmの深さに覆土した。各植物が2〜3葉
期に達したとき有効成分が所定の割合となるように茎葉
部へ均一に散布処理した。
本試験は1区2連制で行い、薬剤処理17日後に、下記
の評価、指標に基づいて除草効果または薬害程度を調査
した。
(イ)除草効果の判定基準は次の通りである。
洩華率 5・・・ 1%未満 4・・・ 1〜10%未満 3・・・10〜20%〃 2・・・20〜40%〃 1・・・40〜60%〃 0・・・60%以上 (ロ)薬害の判定基準は次の通りである。
皿腿皇 5・・・50%以上 4・・・30〜50%未満 3・・・20〜30%〃 2・・・10〜20%〃 l・・・ 1〜10%/l O・・・ 1%未満 その結果は、第5表および第6表の通りである。
ffi  キュウリモザイクウィルス「防除交果賎 播種後14日の鉢植えササゲ苗(品種:黒種三尺)の初
生葉に実施例2に準じて調製した水和剤を20mfl/
ポットの量で散布し、風乾後、CMVを常法によりカー
ボラムダムで汁液接種し5日後に局部病斑を調査して、
次式により病斑阻止率で算出した。
なお、試験は温室内で1薬液濃度につき1区5株で3連
制で行った。接種源は、CMV接種1カ月t&のタバコ
(品種: Samsun)のモザイク病徴の葉を20倍
量の燐酸緩衝液で磨砕後ガーゼでろ過した汁液(0,8
xlO−’g/lnlウィルス量相当、1葉あたり約5
0個局部病斑)を用いた。
この結果を第7表に示す。
策1表 キュウリモザイクウィルス病防除効果
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のIMC29物質の臭化カリウム錠剤法
での赤外部吸収スペクトルを示す。 第2図はIMC29物質の重水溶液中でのプロトン核磁
気共鳴(400MHz)を示す。 手続ネfn jE fi薯(自発) 昭和63年 8月1 日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記の理化学的性質を有する、すなわち、無色アメ
    状の物質であり、元素分析値は炭素38.37%、水素
    6.49%、窒素4.38%、酸素50.76%(差に
    よる)を示し、分子量は590(SI−MS)であり、
    紫外部吸収スペクトルは、末端吸収のみを示し(水溶液
    )、また添付図面の第1図に示される赤外部吸収スペク
    トルを有し、溶解に対する溶解性としては、水によく溶
    け、メタノールに僅かに溶け、酢酸エチル、ベンゼン、
    アセトン、クロロホルム、エチルエーテルに不溶であり
    、更に、酸に不安定であり、呈色反応としては、ニンヒ
    ドリン、過マンガン酸カリ、バニリン硫酸に陽性で且つ
    坂口反応、塩化第二鉄反応、ビューレット反応に陰性で
    あることを特徴とする抗生物質IMC29。 2、ストレプトミセス属に属する抗生物質IMC29生
    産菌を培養し、その培養物から抗生物質IMC29を採
    取することを特徴とする抗生物質IMC29の製造法。 3、抗生物質IMC29を有効成分として含有すること
    を特徴とする殺ダニ剤、除草剤および植物ウィルス病防
    除剤。
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