JPH1045662A - 新規抗生物質ab5362−a、−bおよび−cならびにその製造法と用途 - Google Patents

新規抗生物質ab5362−a、−bおよび−cならびにその製造法と用途

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JPH1045662A
JPH1045662A JP20462796A JP20462796A JPH1045662A JP H1045662 A JPH1045662 A JP H1045662A JP 20462796 A JP20462796 A JP 20462796A JP 20462796 A JP20462796 A JP 20462796A JP H1045662 A JPH1045662 A JP H1045662A
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antibiotic
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JP20462796A
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English (en)
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Yasuyuki Tezuka
保行 手塚
Atsushi Takahashi
篤 高橋
Masahito Maruyama
雅人 丸山
Takeshi Tamamura
健 玉村
Seiichi Kutsuma
誠一 久津間
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医療用抗真菌剤として有用である抗真菌活性を
有し且つ農園芸用殺菌剤として有用である抗菌活性を示
す新規な抗生物質を提供する。 【解決手段】次式 で表される新規な抗生物質AB5362-A 、および次式 で表される新規な抗生物質AB5362-B 、ならびに次式 で表されて比旋光度[α]D 23 −72°(c 1.0,アセトニ
トリル)を有する白色粉末状の抗生物質AB5362-C がホ
ーマ属に属する抗生物質AB5362生産菌、例えばホーマ・
エスピー AB5362株の培養により得られた。これら抗生
物質AB5362-A 、-Bおよび-C は抗真菌活性と植物病原菌
に対する抗菌活性とを有し、新規な医療用抗真菌剤とし
て有用であり、また農園芸用殺菌剤として、特にキュウ
リべと病菌の防除剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人間および動物に感
染する真菌に対する抗真菌活性と植物の病原菌に対する
抗菌活性を有する新規な抗生物質AB5362-A 、AB5362-B
およびAB5362-Cに関し、またそれらの製造法およびその
用途に関する。
【0002】更に詳しく言えば、本発明はホーマ属に属
する抗生物質AB5362生産菌を培養して生産される新規な
抗生物質AB5362-A 、AB5362-B およびAB5362-Cに関し、
またこれら新規な抗生物質の製造法に関し、さらにこれ
ら抗生物質の用途に関する。しかもまた、本発明は抗生
物質AB5362の生産菌として有用である新規微生物である
ホーマ・エスピー AB5362株に関するものである。
【0003】本発明による新規な抗生物質AB5362-A 、-
B および-C は、人間および動物に感染する真菌に抗真
菌活性を有することから真菌感染症に対する化学療法剤
として有用であり、また植物病原菌に対して抗菌活性を
有し且つ植物病害防除試験にても実際に優れた防除効果
を示すことから農園芸用殺菌剤として有用である。
【0004】
【従来の技術】微生物が生産する抗生物質のうち、医療
用の抗真菌性抗生物質としては、アンホテリシンBおよ
びナイスタチン等が知られ、また農園芸用殺菌剤として
は、カスガマイシンおよびバリダマイシン等が知られて
いる。また、本発明の抗生物質AB5362-A 、-B および-C
と化学構造が近似の物質としては、アンジオテンシンII
レセプターの阻害物質であるバリエコリン(Variecolin)
〔Hensens, O. D.et al.「J. Org. Chem.」56巻、10
号、3399−3403頁(1991年)〕が従来知られている。この
文献の3399頁には、バリエコリンの相対立体構造式が示
されるが、それを平面構造式に書き直すと次式(A)の
とおりである。
【0005】 バリエコリンはアスペルギルス・バリエカラー MF138株
(米国メルク社のカルチュアコレクション保存株)の固
相培養により得られた物質である。これの分子式はC25
362で分子量は368である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来知られる医療用の
抗真菌性抗生物質は、臨床で実用される薬剤が僅かに限
られていること、さらにその副作用を示すものが多いこ
とから、抗真菌剤として有用な新しい抗生物質が常に要
望されている。農園芸用殺菌剤として用いる抗生物質に
ついても、耐性菌の出現、薬害および施用の安全性の面
から、従来開発された殺菌剤とは異なる作用機作あるい
は新規な化学構造をもつ物質が同様に要望されている。
特に、キュウリ等のべと病の防除に有効である抗菌性物
質は、現在までに僅かしか知られておらず、それらの既
知の物質の防除効果も充分ではなく問題があった。本発
明の目的は、上記の課題に対応できる優れた抗真菌活性
を有し且つ植物病原菌に対する抗菌活性と防除活性を有
して農園芸用殺菌剤として望ましい性質をもつ新規で有
用な抗生物質を提供することである。また、そのような
新規な抗生物質の製造法を確立することであり、それに
よって前記の要望を解決しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する目的のために、種々の土壌および植物など
から多くの微生物を分離し、それらの微生物が培養液中
に生産する抗生物質について鋭意研究を重ねた。その結
果、糸状菌の一種であるホーマ属に属する新規な菌株を
土壌試料から単離することに成功し、ホーマ・エスピー
AB5362株と命名した。またその菌株の培養液中に抗真
菌活性と抗かび活性を示す3種の抗生物質が生産されて
いることを発見した。そこで、該微生物の培養物から抗
真菌活性を指標にして活性な3種の抗生物質を単離精製
したところ、得られた3種の抗生物質が上記の抗真菌活
性または植物病原菌に対する抗菌活性を示すことを見い
だした。さらに、このようにして得られた抗生物質につ
いてそれらの構造式を決定したが、これら抗生物質の化
学構造および生物活性の対象、効果などを含めた諸性質
の点で既知の抗生物質と一致しない新規な抗生物質であ
って抗真菌活性および植物病原菌に対する抗菌活性を有
することを確認した。その結果、これらをそれぞれに抗
生物質AB5362-A 、抗生物質AB5362-B および抗生物質AB
5362-C と称することにした。
【0008】なお、ここで本発明者が得た抗生物質AB53
62-C は、その平面構造式の面でみるとバリエコリンと
同じであるが後記のとおり赤外吸収スペクトルおよび紫
外吸収スペクトルの吸収ピークの点で微妙に相違し且つ
旋光度でも微妙に相違するから、バリエコリンとは区別
できる新規な物質であると推認した。
【0009】従って、第1の本発明によると、次式 で表される化合物である抗生物質AB5362-A と、次式 で表される化合物である抗生物質AB5362-B と、次式 で表されて比旋光度[α]D 23 −72°(c 1.0,アセトニ
トリル)を有する白色粉末状の化合物である抗生物質AB
5362-C とからなる群から選ばれる抗生物質が提供され
る。
【0010】次に、第1の本発明による抗生物質AB5362
-A の物理化学的性質を記載する。 (1)外 観:白色粉末 (2)分子式:C25363 (3)分子量:384 (4)比旋光度:[α]D 23 +120.0°(c 1.0、アセトニ
トリル) (5)紫外部吸収スペクトル(アセトニトリル溶液
中): λmax 、nm(ε): 242(8,140)
【0011】(6)赤外部吸収スペクトル(KBr錠): 添
付図面の図1に示す。 (7)1H-NMRスペクトル(500MHz、重クロロホルム中で
測定): 添付図面の図2に示す。 (8)13C-NMRスペクトル(125MHz、重クロロホルム中で
測定): 添付図面の図3に示す。 (9)溶解性:メタノールのような低級アルコール、酢
酸エチル、クロロホルムに可溶、水に不溶である。
【0012】(10)薄層クロマトグラフィー:Rf値=0.
31 吸着剤としてメルク社製キーゼルゲル 60F254(Art.57
15)を使用し、展開溶剤としてヘキサン−酢酸エチル
(7:3)で展開して測定した。 (11)呈色反応:バニリン硫酸反応およびヨウ素反応が
陽性、ニンヒドリン反応および塩化第二鉄反応が陰性で
ある。
【0013】次に、第1の本発明による抗生物質AB5362
-B の物理化学的性質を記載する。 (1)外 観:無色結晶 (2)分子式:C25363 (3)分子量:384 (4)比旋光度:[α]D 23 −6.0°(c 1.0、アセトニト
リル) (5)紫外部吸収スペクトル(アセトニトリル溶液
中): λmax 、nm(ε): 231(8,520)
【0014】(6)赤外部吸収スペクトル(KBr錠): 添
付図面の図4に示す。 (7)1H-NMRスペクトル(500MHz、重クロロホルム中で
測定): 添付図面の図5に示す。 (8)13C-NMRスペクトル(125MHz、重クロロホルム中で
測定): 添付図面の図6に示す。 (9)溶解性:メタノールのような低級アルコール、酢
酸エチル、クロロホルムに可溶、水に不溶である。
【0015】(10)薄層クロマトグラフィー:Rf値=0.
39 吸着剤としてメルク社製キーゼルゲル 60F254(Art.57
15)を使用し、展開溶剤としてヘキサン−酢酸エチル
(7:3)で展開して測定した。 (11)呈色反応:バニリン硫酸反応およびヨウ素反応が
陽性、ニンヒドリン反応および塩化第二鉄反応が陰性で
ある。
【0016】第1の本発明による抗生物質AB5362-C の
物理化学的性質を記載する。 (1)外 観:白色粉末 (2)分子式:C25362 (3)分子量:368 (4)比旋光度:[α]D 23 −72°(c 1.0、アセトニト
リル) (5)紫外部吸収スペクトル(アセトニトリル溶液
中): λmax 、nm(ε):240(8,550)
【0017】(6)赤外部吸収スペクトル(KBr錠): 添
付図面の図7に示す。 主なピーク:1730, 1680, 1620, 1450, 1405, 1380, 12
30, 1190,1140, 930, 880, 840, 760, 710 cm-1 (7)1H-NMRスペクトル(500MHz、重アセトニトリル中
で測定): 添付図面の図8に示す。 (8)13C-NMRスペクトル(125MHz、重アセトニトリル中
で測定): 添付図面の図9に示す。 (9)溶解性:メタノールのような低級アルコール、酢
酸エチル、クロロホルムに可溶、水に不溶である。
【0018】(10)薄層クロマトグラフィー:Rf値=0.
51 吸着剤としてメルク社製キーゼルゲル 60F254(Art.57
15)を使用し、展開溶剤としてヘキサン−酢酸エチル
(7:3)で展開して測定した。 (11)呈色反応:バニリン硫酸反応およびヨウ素反応が
陽性、ニンヒドリン反応および塩化第二鉄反応が陰性で
ある。
【0019】前記のバリエコリン(Variecolin)は前記の
文献「J. Org. Chem.」56巻、10号、3403頁の記載値によ
ると、[α]D −11.5°(c 0.50、アセトニトリル)の旋
光度を有するものであり、またそれの赤外吸収スペクト
ルおよび紫外線吸収スペクトルの吸収ピーク値も本発明
の抗生物質AB5362-C のそれと微妙に相違する。抗生物
質AB5362-C はバリエコリンに対して立体異性体の関係
にある新規物質であると現時点では推認されるが、物理
化学的性質および生物学的活性の諸点で更に詳細な比較
検討が予定されている。
【0020】次に、本発明の抗生物質AB5362-A、-Bおよ
び-Cの生物学的活性を説明する。
【0021】試験例 1 抗生物質AB5362-A 、-B およ
び-C の抗真菌活性 抗生物質AB5362-A 、-B および-C の動物感染性の各種
真菌に対する最小生育阻止濃度(MIC)(μg/ml)を感
性ディスク培地(日水製薬製)を用いて寒天平板上で倍
数希釈法にて測定した。その結果を表1に示した。
【0022】
【0023】試験例 2 抗生物質AB5362-A 、-B およ
び-C の植物病原菌に対する抗菌活性 抗生物質AB5362-A 、-B および-C の各植物病原菌に対
する最小生育阻止濃度(MIC)(μg/ml)をポテト・ス
クロース寒天培地を用いた寒天平板希釈法にて測定し
た。その結果を表2に示した。
【0024】
【0025】さらに、第2の本発明においては、ホーマ
属に属する前記の抗生物質AB5362-A 、-B および-C の
生産菌を培地で培養し、その培養物中に抗生物質AB5362
-A、-B および-C を生成して蓄積せしめ、次いで培養物
から抗生物質AB5362-A 、-Bおよび-C の少なくとも一つ
を採取することを特徴とする抗生物質AB5362-A 、抗生
物質AB5362-B および(または)抗生物質AB5362-C の製
造法が提供される。
【0026】次に、第2の本発明による抗生物質AB5362
-A 、-B および-C の製造法について説明する。
【0027】第2の本発明の方法で用いられる抗生物質
AB5362-A 、-B および-C の生産菌は、抗生物質AB5362-
A 、-B および-Cを産生する能力を有する微生物であれ
ばいかなる微生物でもよい。その微生物の具体的な例と
しては、本発明者らが神奈川県南足柄市の竹林より採取
した土壌試料から新たに分離したAB5362菌株がある。こ
の菌株はホーマ属(Phoma属)に属する菌株であり、本発
明の方法に好適に用いられる抗生物質AB5362-A 、-B お
よび-C の生産菌の一例である。
【0028】このAB5362株の菌学的性質を以下に記載す
る。 (1)各培地における生育状態 オートミール寒天培地上において本菌株は良好に生育
し、25℃、14日間培養で集落の直径は39〜41mmに達す
る。集落はビロード状を呈し、各々の集落の中心部には
うす灰白色の気生菌糸を形成し、同心円状に輪紋を形成
する。集落表面は灰白色〜うす灰黒色を呈する。集落裏
面はうす黒緑色を呈する。菌糸は隔壁を有して、培地上
および培地中に伸長する。菌糸は幅が2.0〜5.0μmで、
無色、平滑で分枝する。
【0029】麦芽エキス寒天培地およびポテト・デキス
トロース寒天培地上における生育は、オートミール寒天
培地上に比べやや遅く、25℃、14日間培養では集落の直
径が15〜17mmに達する。集落は綿毛状で不規則な輪紋を
形成し、集落表面は灰白色〜うす灰黒色を呈する。ま
た、培養10日目頃から集落表面の綿毛状菌糸のところど
ころに、黄褐色の斑点を生ずる。集落裏面はうす黒緑色
を呈する。
【0030】コーンミール寒天培地および三浦寒天培地
上における生育は、麦芽エキス寒天培地上と同様で、25
℃、14日間培養で集落の直径が17〜19mmに達する。集落
は綿毛状で、集落表面は灰白色〜うす灰黒色を呈する。
集落裏面はうす黒緑色を呈する。しかし、麦芽エキス寒
天培地上で見られた集落表面の黄褐色の斑点は、培養1
か月目においても観察されなかった。
【0031】MY20寒天培地上における生育はやや遅
く、25℃、14日間培養で集落の直径が18〜20mmに達す
る。集落はビロード状で、集落表面はうす灰白色〜クリ
ーム色を示し、集落裏面はうす黄褐色を呈する。
【0032】この菌株を上記の寒天培地上において、25
℃、暗黒下で2か月間培養した場合に、テレオモルフ
(完全世代の特徴)およびアナモルフ(不完全世代の特
徴)の形成は認められなかった。そこで、上記の寒天培
地上で25℃、暗黒下で7日間培養後、さらに25℃、ブラ
ック・ライト・ブルー蛍光灯(20w)連続照明下で培養
した結果、培養2か月後にオートミール寒天培地、麦芽
エキス寒天培地および三浦寒天培地上で暗褐色〜暗黒色
の分生子殻(pycnidium)の形成が観察された。三浦寒
天培地上における分生子殻は、暗褐色を呈して、寒天培
地中に埋生するか、または培地上に表在し、単生するか
あるいは集合して生じる。分生子殻は、球形〜亜球形あ
るいは扁球形で網目状の表面を呈し、直径は80〜300 μ
mで、通常、頂部に1個の孔口、ときに2〜3個の孔口
を有する。分生子形成細胞は、無色、平滑のフィアライ
ド(phialide)でアンプル形〜フラスコ形で、大きさは
6.0〜15.0×2.0〜3.5μmである。分生子は単細胞、無
色、平滑で、だ円形〜円筒形、大きさが2.5〜4.0×2.0〜
2.5μmである。
【0033】(2)生理学的性質 生育温度 麦芽エキス寒天培地を用いて、5℃、10℃、15℃、20
℃、25℃、30℃および37℃の各温度で培養した結果、AB
5362株は10℃〜30℃までいずれの温度でも生育したが、
5℃および37℃では生育しなかった。生育最適温度は25
℃〜30℃である。 生育pH オートクレープ滅菌後、pHを2、3、4、5、6、7、
8、9、10および11に調整した麦芽エキス寒天培地を用
いて、25℃で培養した結果、AB5362株はpH4〜11まで生
育した。生育最適pHは、pH6〜11と思われる。
【0034】(3)分類学的考察 AB5362株は、1)子座におおわれない分生子殻を有す、2)
分生子殻は剛毛を有さない、3)分生子の形成方法が出芽
型、4)分生子の形成様式がフィアライド型、5)分生子が
単細胞、無色、平滑の特徴を有する。以上の菌学的性状
により、AB5362株は不完全菌亜門(Deutermycotina)、
分生子果不完全菌網(Coelomycetes)に帰属すると認め
られる。本菌株の分類学上の位置をブライアン・シー・
サットン著、「ザ・シーロマイセテス」、英国コモンウ
エルス・マイコロジカル・インスティテュート刊行(19
80年)〔Brian C. Sutton.「The Coelomycetes」,Commo
nwealth Mycological Institute,England (1980)〕に従
って検索したところ、本菌株の特徴はホーマ属(Phoma
属)の形態学的特徴によく合致した。従って、本発明者
らは、本菌株をホーマ属の菌株と同定しAB5362株をホー
マ・エスピー AB5362(Phoma sp. AB5362)と称すること
にした。
【0035】なお、AB5362株は工業技術院生命工学工業
技術研究所に寄託申請され、平成8年6月11日、FERM P
−15679として受託されている。
【0036】以上では、抗生物質AB5362-A 、-B および
-C の生産菌の一例であるAB5362株について説明した
が、一般的には糸状菌類はその菌学的性状が極めて変化
しやすく、一定したものではない。菌類は、自然的ある
いは通常行なわれている紫外線照射、X線照射、変異誘
発剤(例えば、N-メチル-N-ニトロ-N-ニトロソグアニジ
ンなど)または遺伝子組換えを用いる人為的変異手段に
より変異することは周知の事実である。このような自然
変異株ならびに人工変異株も含め、ホーマ属に属して抗
生物質AB5362-A 、-B および-C を生産する能力を有す
る菌株はすべて本発明の方法に使用することができる。
【0037】第2の本発明の方法を実施するに当たって
は、ホーマ属の糸状菌に属する抗生物質AB5362-A 、-B
および-C の生産菌を、通常の微生物が利用しうる栄養
物を含有する培地、好ましくは液体培地中で培養する。
本生産菌の培養には、微生物の培養に用いられる通常の
培養方法が適用される。使用された微生物が栄養源とし
て資化しうる炭素源、窒素源および無機塩などを適当な
量で含有する培地であれば天然培地、合成培地のいずれ
でも利用できる。
【0038】用いる培地に含有される資化しうる炭素源
としては、グルコース、シュークロース、ガラクトー
ス、デキストリン、グリセロール、澱粉、水飴、糖蜜、
動・植物油等を利用できる。また、窒素源としては、魚
粉、大豆粉、小麦胚芽、コーンスティープリカー、綿実
かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素などを
使用できる。そのほか必要に応じて、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、燐
酸、硫酸およびその他のイオンを生成することができる
無機塩類を培地中に添加することは有効である。また、
使用する抗生物質AB5362-A 、-B および-Cの生産菌の発
育を助け、AB5362-A 、-B および-C 物質の生産を促進
するような無機物質および(または)有機物質を適当に
添加できる。
【0039】抗生物質AB5362-A 、-B および-Cの生産菌
の培養方法には、好気的条件下での培養法、特に通気下
の深部液体培養法が最も適している。培養に適当な温度
は、15℃〜30℃であるが、多くの場合25〜30℃で培養す
るのがよい。抗生物質AB5362-A 、-B および-Cの生産
は、用いた培地の種類や培養条件によって異なるが、振
とう培養、タンク培養とも3〜10日間の培養でその蓄積
量が最高に達する。
【0040】培養物中に生産された抗生物質AB5362-A
、-B および-C の蓄積量が最高に達した時点で培養を
停止して、その培養物から、発酵生産物を採取する一般
的な方法に準じて抗生物質AB5362-A 、-B および-C の
単離を行なうのがよい。これら抗生物質を効率よく生産
させる培養条件は、前記の培地成分の組成、培養温度、
攪拌速度、pH、通気量、種母の培養時間、種母の接種量
等を、使用する生産菌株の種類および外部条件等に応じ
て、適宜に調節あるいは選択して設定する。液体培養に
おいて発泡がある場合は、シリコーン油、植物油および
界面活性剤等の消泡剤を単独または混合して適宜に培地
に配合することができる。
【0041】この様にして抗生物質AB5362-A 、-B およ
び-C 生産菌の培養で得られた培養物中に蓄積された抗
生物質AB5362-A 、-B および-C は、前述した物理化学
的性質を有するので、それらの性質に従い培養物から分
離して精製することが可能である。特に、以下の方法に
より効率的に分離精製することが好ましい。
【0042】蓄積した抗生物質AB5362-A 、-B および-C
を培養物中から採取するに際しては、通常の生理活性
物質を培養物中から単離する方法が適用される。すなわ
ち培養液からブタノールによる抽出法、また菌体からメ
タノール等の有機溶剤による抽出法により、あるいは水
または二種類以上の有機溶媒系を用いる向流分配法によ
り、もしくは合成吸着樹脂、シリカゲル、シラナイズド
シリカゲル、アルミナ、セルロース、珪藻土、ゲル濾過
剤、活性炭等を用いるカラムクロマトグラフィーもしく
は薄層クロマトグラフィーによる活性物質の吸脱着処理
法により、あるいは逆相カラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーなどによって抗生物質AB5362-A 、-B およ
び-C の少なくとも一つを夫々単独にまたは混合物とし
て採取できる。
【0043】第3の本発明および第4の本発明による
と、前記の抗生物質AB5362-A 、-B および-C の少なく
とも一つを有効成分として含有することを特徴とする医
療用の抗真菌剤および農園芸用殺菌剤がそれぞれ提供さ
れる。
【0044】抗生物質AB5362-A 、-B および-C の少な
くとも一つを医療用の抗真菌剤で有効成分として使用す
る場合には、経口的または非経口的に投与できる。
【0045】これには、有効成分である上記の抗生物質
を単独に、あるいは賦形剤と配合した組成物の形にして
軟膏剤、注射剤、経口剤、坐剤等として製剤化できる。
賦形剤は薬剤学的に許容される固体又は液体状の担体で
あればいずれでもよく、その種類および組成は投与経路
や投与方法によって適宜選択する。抗生物質AB5362-A、
-B または-C の投与量は、年齢、体重等によって異なる
が、通常は成人に対して1〜1000mg程度を経口的にある
いは非経口的に、例えば静脈注射により投与できる。
【0046】一方、本発明の抗生物質AB5362-A 、-B お
よび-C の少なくとも一つを農園芸用殺菌剤で有効成分
として用いる場合には、その使用目的に応じて単体でも
施用できるが、生物効果を助長または安定化するため
に、農薬に常用される適当な担体および補助剤例えば界
面活性剤と混和して製剤化された組成物とし、これを直
接に植物の茎葉または種子に施用するか、あるいは必要
に応じて水で希釈した液を施用する。
【0047】第5の本発明によると、新規な微生物とし
て、前記の抗生物質AB5362-A 、-Bおよび-C を産生でき
る特性を持ち、かつ前記の菌学的特徴を有するホーマ・
エスピー AB5362株が提供される。
【0048】
【発明の実施の形態】次に実施例を挙げて本発明をより
具体的に説明するが、後記の実施例は単なる一例であっ
て、これによって本発明が限定されない。また、ここに
例示しなかった多くの変法または修飾手段が用いられる
ことは言うまでもなく可能であり、有効な手段となり得
る。なお、実施例中に部とあるのは重量部を示してい
る。
【0049】実施例 1 本例は抗生物質AB5362-A 、-B および-C の発酵的製造
を例示する。菌の培養に用いた生産培地は、ブドウ糖
1.0%、溶性デンプン 3.0%、ポリペプトン 0.5%、酵
母エキス 0.2%、マルトエキス 0.5%、炭酸カルシウム
0.2%の組成からなる(pH 6.4)。
【0050】前記の組成の培地110mlを分注した500ml容
量バッフル付き三角フラスコ91本(培地の総量10リット
ル分)を121℃で20分間滅菌した。滅菌された培地に1本
当たりホーマ・エスピー AB5362株(FERM P-15679)の斜
面寒天培養菌体の1〜2白金耳を植菌した。
【0051】その後、ロータリーシェーカー(180rpm)上
で25℃で6日間、回転振とう培養した。培養終了後、培
養液を濾過することにより、培養濾過液9リットルを得
た。上記の培養濾過液9リットルに等量の酢酸エチルを
加え、十分に攪拌後に酢酸エチル層を分液した。この酢
酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下
で濃縮し、活性成分を含有する褐色油状物質を得た。
【0052】この褐色油状物質を、シリカゲル(メルク
社製)を充填させたカラム(内径22.5mm×長さ 250mm)
に吸着させ、ヘキサン−酢酸エチル(7:3)の組成か
らなる混合溶媒で展開溶出した。10gずつ分画すると、
活性成分は画分 No.25〜33および No.35〜57にかけて溶
出された。活性画分 No.25〜33を減圧下で濃縮乾固する
ことにより活性成分AB5362-B を含む白色粉末 26.5mgを
得た。さらにこれを、少量の酢酸エチルに溶解させた
後、ヘキサンを適量加え、室温で放置することにより無
色結晶を得た。次にこの結晶を濾過し、抗生物質AB5362
-B を無色結晶として14.5mg得た。また、活性画分No.35
〜57を減圧下で濃縮乾固することにより抗生物質AB5362
-A を無色粉末として470.0mg得た。
【0053】実施例 2 本例は抗生物質AB5362-B の発酵的製造を例示する。菌
の培養に用いた生産培地は、ブドウ糖 1.0%、溶性デン
プン 3.0%、ポリペプトン 0.5%、酵母エキス 0.2%、
マルトエキス 0.5%、炭酸カルシウム 0.2%の組成から
なる(pH 6.4)。
【0054】前記の組成の培地 110mlを分注した500ml
容量バッフル付き三角フラスコ91本(培地の総量10リッ
トル分)を121℃で20分間滅菌した。滅菌された培地に
1本当たりホーマ・エスピー AB5362株(FERM P-15679)
の斜面寒天培養菌体の1〜2白金耳を植菌した。
【0055】その後、ロータリーシェーカー(180rpm)
上で25℃で6日間、回転振とう培養した。培養終了後
に、培養液を濾過することにより、培養濾液と菌体を得
た。上記の濾別された菌体中の活性物質はメタノール5
リットルで菌体から抽出し、濾過により菌体を除いた菌
体抽出液として得た。この菌体抽出液から減圧下でメタ
ノールを溜去し、得られた濃縮液1リットルに等量の酢
酸エチルを加え、十分に攪拌後に酢酸エチル層を分液し
た。この酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水した
後、減圧下で濃縮し、活性成分を含有する褐色油状物質
を得た。
【0056】この褐色油状物質を、シリカゲル(メルク
社製)を充填させたカラム(内径22.5mm×長さ 250mm)
に吸着させ、ヘキサン−酢酸エチル(7:3)の組成か
らなる混合溶媒で展開溶出した。15gづつ分画すると、
活性成分は画分 No.12〜20にかけて溶出された。活性画
分 No.12〜20を減圧下で濃縮乾固することにより活性成
分AB5362-Bを含む白色粉末21.8mgを得た。さらにこれ
を、少量の酢酸エチルに溶解させた後、ヘキサンを適当
量加え、室温で放置することにより無色結晶を得た。次
にこの結晶を濾過し、抗生物質AB5362-Bを無色結晶とし
て10.2mg得た。
【0057】実施例 3 本例は抗生物質AB5362-C の発酵的製造を例示する。菌
の培養に用いた生産培地は、ブドウ糖 1.0%、溶性デン
プン 3.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.2%、マ
ルトエキス 0.5%、炭酸カルシウム 0.2%、の組成から
なる(pH 6.4)。
【0058】前記の組成の培地 110mlを分注した 500ml
容量バッフル付き三角フラスコ91本(培地の総量10リッ
トル分)を121℃で20分間滅菌した。滅菌された培地に
1本当たりホーマ・エスピー AB5362株(FERM P-15679)
の斜面寒天培養菌体の1〜2白金耳を植菌した。
【0059】その後、ロータリーシェーカー(180rpm)上
で25℃で6日間、回転振とう培養した。培養終了後に、
培養液を濾過することにより、培養濾液9リットルを得
た。上記の培養濾液9リットルに等量の酢酸エチルを加
え、十分に攪拌後に酢酸エチル層を分液した。この酢酸
エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下で
濃縮し、活性成分を含有する褐色油状物質を得た。
【0060】この褐色油状物質を、シリカゲル(メルク
社製)を充填させたカラム(内径22.5mm×長さ 250mm)
に吸着させ、ヘキサン−酢酸エチル(7:3)の組成か
らなる混合溶媒で展開溶出した。10gづつ分画すると、
活性成分は画分 No.16〜23にかけて溶出された。活性画
分 No.16〜23を減圧下で濃縮乾固することにより活性成
分としてAB5362-C 物質を含む白色粉末29.5mgを得た。
さらにこの白色粉末を、少量をクロロホルムに溶解させ
た後、シリカゲル薄層クロマト(メルク社製)に吸着さ
せ、クロロホルム−メタノール(15:1)の組成からなる混
合溶媒で展開する薄層クロマトグラフィーを行なった。
Rf 0.50付近のUV吸着帯をかきとり、酢酸エチルで活
性成分を溶出させ、減圧下で濃縮乾固することにより抗
生物質AB5362-Cを白色粉末として15.3 mg得た。
【0061】次に、第3の本発明による抗生物質AB5362
-A 、-B および-C の少なくとも一つを含有する農園芸
用殺菌剤の製剤例を実施例4〜6に例示する。実施例 4 (水和剤) 抗生物質AB5362-A 、AB5362-B またはAB5362-C 20部、
アルキルベンゼンスルホン酸カリウム 3部、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル 5部および白土 72
部を均一に混合し、粉砕して、有効成分を20%含有する
各種の水和剤を得た。
【0062】実施例 5(粉剤) 抗生物質AB5362-A 、AB5362-B またはAB5362-C 2部、
PAP(物理性改良剤)1部およびクレー 97部を均一に
混合し、粉砕して、有効成分を2%含有する各種の粉剤
を得た。
【0063】実施例 6(乳剤) 抗生物質AB5362-A 、AB5362-B またはAB5362-C 30部、
メチルエチルケトン 40部およびポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル 30部を混合し、溶解して、有効成
分を30%含有する各種の乳剤を得た。
【0064】次に、本発明による抗生物質AB5362-A 、-
B または-C を含む農園芸用殺菌剤の植物病害防除効果
を試験例3〜4について説明する。試験例 3 キュウリべと病の防除効果試験 温室内において直径6cmの大きさのビニール樹脂製ポッ
トで土耕栽培した第2葉期のキュウリ苗(品種:相模半
白)に対して、実施例4に準じて調製した水和剤の所定
濃度希釈液を1鉢当り20mlの量で散布した。一方、湿ら
せた筆でキュウリべと病菌(シュードペロノスポラ クベ
ンシス:Pseudoperonospora cubensis)が感染した罹病
葉より胞子をかきとり、展着剤(ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル)の 50ppm水溶液に懸濁させた後、胞子
濃度を5×106胞子数(個/ml)に調整して胞子懸濁液を
調製した。
【0065】このキュウリべと病菌の胞子懸濁液を薬剤
散布1日後のキュウリ苗に噴霧接種した。次いでキュウ
リ苗を20℃、湿度100%の湿室内に2日間静置し、その
後、発病室に移し、キュウリべと病を発病させた。接種
6日後、1葉当たりのキュウリべと病病斑面積歩合(%)
を調査し、平均病斑面積を求めて、下記の計算式により
平均防除価(%)を算出した。本試験は1薬液濃度区当り
2連制で行なった。その試験結果は後記の表3に示すと
おりである。
【0066】
【0067】さらに平均防除価(%)から下記の基準に
より防除効果の評価値を求めた。また、下記の薬害調査
の基準により、キュウリ(品種:相模半白)に対する薬
害も調査した。
【0068】 平均防除価(%) 防除効果の評価値 100% 5 80〜100%未満 4 60〜 80%未満 3 40〜 60%未満 2 20〜 40%未満 1 20%未満 0 〈薬害の調査指数〉 5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
【0069】
【0070】試験例 4 オオムギうどんこ病の防除効
果試験 温室内において直径6cmの大きさのビニール樹脂製ポッ
トで土耕栽培した第2葉期のオオムギ苗(品種:アサ
マ)に対して、実施例4に準じて調製した水和剤の所定
濃度希釈液を1鉢当り20mlの量で散布した。一方、湿ら
せた筆でオオムギうどんこ病菌(エリシフェ グラミニ
ス エフ エスピー ホールディ:Erysiphe graminis
f. sp.hordei)が感染した罹病葉より胞子をかきとり、
展着剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の 50p
pm水溶液に懸濁させた後、胞子濃度を5×106胞子数(個
/ml)に調整して胞子懸濁液を調製した。
【0071】このオオムギうどんこ病菌の胞子懸濁液を
薬剤散布1日後のオオムギ苗に噴霧接種後、オオムギ苗
を20℃、湿度100%の湿室内に1日間静置し、その後に
発病室に移し、オオムギうどんこ病を発病させた。接種
8日後、1葉当たりのオオムギうどんこ病病斑面積歩合
(%)を調査し、平均病斑面積を求め、下記の計算式に
より平均防除価(%)を算出した。本試験は1薬液濃度
区当り2連制で行なった。その試験結果は後記の表4に
示すとおりである。
【0072】
【0073】さらに平均防除価(%)から下記の基準に
より防除効果の評価値を求めた。また、下記の薬害調査
の基準により、オオムギ(品種:アサマ)に対する薬害
も調査した。
【0074】 平均防除価(%) 防除効果の評価値 100% 5 80〜100%未満 4 60〜 80%未満 3 40〜 60%未満 2 20〜 40%未満 1 20%未満 0 〈薬害の調査指数〉 5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
【0075】
【0076】
【発明の効果】本発明の新規抗生物質AB5362-A 、-B お
よび-C は、以上に述べたように人間および動物に感染
する真菌に抗真菌活性を有し、また植物病原菌に抗菌活
性を有することから、医療用抗真菌剤および農園芸用殺
菌剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗生物質AB5362-A の臭化カリウム錠
剤中で測定した赤外部吸収スペクトル図である。
【図2】抗生物質AB5362-A の重クロロホルム中で測定
した1H核磁気共鳴スペクトル図である。
【図3】抗生物質AB5362-A の重クロロホルム中で測定
した13C核磁気共鳴スペクトル図である。
【図4】本発明の抗生物質AB5362-B の臭化カリウム錠
剤中で測定した赤外部吸収スペクトル図である。
【図5】抗生物質AB5362-B の重クロロホルム中で測定
した1H核磁気共鳴スペクトル図である。
【図6】抗生物質AB5362-B の重クロロホルム中で測定
した13C核磁気共鳴スペクトル図である。
【図7】本発明の抗生物質AB5362-C の臭化カリウム錠
剤中で測定した赤外部吸収スペクトル図である。
【図8】抗生物質AB5362-C の重アセトニトリル中で測
定した1H核磁気共鳴スペクトル図である。
【図9】抗生物質AB5362-C の重アセトニトリル中で測
定した13C核磁気共鳴スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 15/00 C12P 15/00 17/04 17/04 //(C12P 17/04 C12R 1:645) (72)発明者 丸山 雅人 神奈川県厚木市旭町5丁目37番地12号 (72)発明者 玉村 健 神奈川県相模原市東林間6丁目2番3号 (72)発明者 久津間 誠一 神奈川県厚木市妻田東1丁目5番9号 901 (72)発明者 長縄 博 東京都大田区田園調布本町3番17号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5丁目1番11号 ニ ューフジマンション701

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式 で表される化合物である抗生物質AB5362-Aと、次式 で表される化合物である抗生物質AB5362-Bと、次式 で表されて比旋光度[α]D 23 −72°(c 1.0,アセトニ
    トリル)を有する白色粉末状の化合物である抗生物質AB5
    362-Cとからなる群から選ばれる抗生物質。
  2. 【請求項2】 ホーマー属に属して請求項1に記載の抗
    生物質AB5362-A 、AB5362-BおよびAB5362-Cの生産菌を
    培地で培養し、その培養物中に抗生物質AB5362-A 、AB5
    362-B およびAB5362-C を生成し蓄積させ、次いでその
    培養物から抗生物質AB5362-A 、AB5362-B およびAB5362
    -C のうちの少なくとも一つを採取することを特徴とす
    る、抗生物質AB5362-A 、AB5362-B および(または)AB53
    62-Cの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の抗生物質AB5362-A、AB
    5362-BおよびAB5362-Cのうちの少なくとも一つを有効成
    分として含有することを特徴とする医療用抗真菌剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抗生物質AB5362-A、AB
    5362-BおよびAB5362-Cのうちの少なくとも一つを有効成
    分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の抗生物質AB5362-A、AB
    5362-BおよびAB5362-Cを産生できる特性を持ち、かつ後
    記する菌学的特性を有するホーマ・エスピーAB5362(Pho
    ma sp. AB5362)菌株。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1209240A4 (en) * 1999-09-03 2004-08-11 Sankyo Co CONNECTION F-15078
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