JPH08333297A - 新規アントラキノン誘導体及びその用途 - Google Patents
新規アントラキノン誘導体及びその用途Info
- Publication number
- JPH08333297A JPH08333297A JP13824095A JP13824095A JPH08333297A JP H08333297 A JPH08333297 A JP H08333297A JP 13824095 A JP13824095 A JP 13824095A JP 13824095 A JP13824095 A JP 13824095A JP H08333297 A JPH08333297 A JP H08333297A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anthraquinone derivative
- plant growth
- present
- compound
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 次式、
【化4】
(式中R1 、R2 、R3 は、R1 がHを表すときR2 及
びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3 を表し、R2
がHを表すときR1 及びR3 はOH、OCH3 又はOC
OCH3 を表す)で示されるアントラキノン誘導体、並
びに該物質を有効成分として含有する抗菌剤、除草剤、
及び植物生長調節剤。 【効果】 新規な抗菌、除草、植物生長調節活性物質を
提供する。
びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3 を表し、R2
がHを表すときR1 及びR3 はOH、OCH3 又はOC
OCH3 を表す)で示されるアントラキノン誘導体、並
びに該物質を有効成分として含有する抗菌剤、除草剤、
及び植物生長調節剤。 【効果】 新規な抗菌、除草、植物生長調節活性物質を
提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアントラキノン
誘導体、並びに該物質を有効成分として含有する抗菌
剤、除草剤及び植物生長調節剤に関する。
誘導体、並びに該物質を有効成分として含有する抗菌
剤、除草剤及び植物生長調節剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、数多くの抗菌、除草、植物生長調
節剤物質が合成され農薬、医薬等の分野で実用化されて
いるが、合成化合物は自然界で分解されにくく環境汚染
などで問題となっている。このため、自然環境の中で安
全に代謝、分解され環境汚染のない除草剤の出現が待望
されている。ところで、微生物の代謝産物は天然物であ
り、一般に酵素的分解を受けやすく環境汚染の心配が小
さいことが大きな長所となっている。また、特に抗菌、
除草剤等では耐性菌、耐性雑草の問題から現在も新規な
活性物質が求められている。
節剤物質が合成され農薬、医薬等の分野で実用化されて
いるが、合成化合物は自然界で分解されにくく環境汚染
などで問題となっている。このため、自然環境の中で安
全に代謝、分解され環境汚染のない除草剤の出現が待望
されている。ところで、微生物の代謝産物は天然物であ
り、一般に酵素的分解を受けやすく環境汚染の心配が小
さいことが大きな長所となっている。また、特に抗菌、
除草剤等では耐性菌、耐性雑草の問題から現在も新規な
活性物質が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、微生物代
謝産物を有効成分とする抗菌、除草、植物生長剤に対す
る社会的な需要は極めて大きい。しかし、これまでに微
生物の代謝産物を利用した抗菌剤としてはペニシリン、
ストレプトマイシン等多数知られているものの、植物生
長調節剤としてはジベレリン、除草剤としはビアラホス
が存在するに過ぎない。
謝産物を有効成分とする抗菌、除草、植物生長剤に対す
る社会的な需要は極めて大きい。しかし、これまでに微
生物の代謝産物を利用した抗菌剤としてはペニシリン、
ストレプトマイシン等多数知られているものの、植物生
長調節剤としてはジベレリン、除草剤としはビアラホス
が存在するに過ぎない。
【0004】本発明は、このような社会的な要請に応え
るべくなされたものであり、その目的は、微生物が生産
する物質であって、抗菌、除草、植物生長調節等の活性
を有する新規な物質を提供し、さらに、該物質を有効成
分として含有する抗菌剤、除草剤、植物生長調節剤等を
提供することにある。
るべくなされたものであり、その目的は、微生物が生産
する物質であって、抗菌、除草、植物生長調節等の活性
を有する新規な物質を提供し、さらに、該物質を有効成
分として含有する抗菌剤、除草剤、植物生長調節剤等を
提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、有用な
抗菌、植物生長調節、除草活性物質の単離を目的とし、
多数の糸状菌の生産物を探索した結果、シダの一種の病
斑から分離されたニグロスポラ属の糸状菌が、抗菌、除
草、植物生長調節活性を有する新規な物質を生産するこ
とを見出し、本発明を完成した。
抗菌、植物生長調節、除草活性物質の単離を目的とし、
多数の糸状菌の生産物を探索した結果、シダの一種の病
斑から分離されたニグロスポラ属の糸状菌が、抗菌、除
草、植物生長調節活性を有する新規な物質を生産するこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、次式、
【0007】
【化2】
【0008】(式中R1 、R2 、R3 は、R1 がHを表
すときR2 及びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3
を表し、R2 がHを表すときR1 及びR3 はOH、OC
H3 又はOCOCH3 を表す)で示されるアントラキノ
ン誘導体である。また、本発明は、上記アントラキノン
誘導体を有効成分として含有する抗菌剤、除草剤、及び
植物生長調節剤である。
すときR2 及びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3
を表し、R2 がHを表すときR1 及びR3 はOH、OC
H3 又はOCOCH3 を表す)で示されるアントラキノ
ン誘導体である。また、本発明は、上記アントラキノン
誘導体を有効成分として含有する抗菌剤、除草剤、及び
植物生長調節剤である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。最初に本
発明の新規アントラキノン誘導体について説明する。こ
の物質の構造式は、次式で表すことができる。
発明の新規アントラキノン誘導体について説明する。こ
の物質の構造式は、次式で表すことができる。
【0010】
【化3】
【0011】式中R1 、R2 、R3 は、R1 がHを表す
ときR2 及びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3 を
表し、R2 がHを表すときR1 及びR3 はOH、OCH
3 又はOCOCH3 を表す。この式で表される物質のう
ち、R1 がOH、R2 がH、R3 がOHを表す物質を、
本発明者は、「JTNC−005」と命名した。このJ
TNC−005の理化学的性質は以下の通りである。
ときR2 及びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3 を
表し、R2 がHを表すときR1 及びR3 はOH、OCH
3 又はOCOCH3 を表す。この式で表される物質のう
ち、R1 がOH、R2 がH、R3 がOHを表す物質を、
本発明者は、「JTNC−005」と命名した。このJ
TNC−005の理化学的性質は以下の通りである。
【0012】分子量:304(FAB−MS,m/z
305) 分子式:C16H17O6(高分解能FAB−MS,M
H+ ) 融点 :油状物質であるため測定不可能 沸点 :得られた量が少ないため測定不可能 〔α〕D −10.8°(CHCl3 ,c 0.01) IRcm-1 in CHCl3 1644,1607 UVnmin CHCl3(logε)251(4.02),2
92(4.03),422(3.56) 溶解性:易溶性:クロロホルム、アセトン、メタノー
ル、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水 難溶性:ヘキサン TLC(シリカゲル60F254 、メルク社) CHCl3 −MeOH(9:1):Rf 0.58 外観:黄色油状 NMR: 1H及び13CNMRを掲載(図1、図2) 以上の理化学的性質を既知物質と比較検討した結果、J
TNC−005は新規物質であることが判明した。
305) 分子式:C16H17O6(高分解能FAB−MS,M
H+ ) 融点 :油状物質であるため測定不可能 沸点 :得られた量が少ないため測定不可能 〔α〕D −10.8°(CHCl3 ,c 0.01) IRcm-1 in CHCl3 1644,1607 UVnmin CHCl3(logε)251(4.02),2
92(4.03),422(3.56) 溶解性:易溶性:クロロホルム、アセトン、メタノー
ル、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水 難溶性:ヘキサン TLC(シリカゲル60F254 、メルク社) CHCl3 −MeOH(9:1):Rf 0.58 外観:黄色油状 NMR: 1H及び13CNMRを掲載(図1、図2) 以上の理化学的性質を既知物質と比較検討した結果、J
TNC−005は新規物質であることが判明した。
【0013】本発明のアントラキノン誘導体は、ニグロ
スポラ属に属する微生物を培地に培養し、その培養物を
精製することにより得られる。ここで用いるニグロスポ
ラ属に属する微生物は、本発明のアントラキノン誘導体
生産能を有するものであればどのようなものでもよく、
例えば、JT71−2株を使用することができる。この
JT71−2株は、鹿児島市で採取されたシダの一種の
病斑から分離された菌株であり、その菌学的性質は以下
の通りである。
スポラ属に属する微生物を培地に培養し、その培養物を
精製することにより得られる。ここで用いるニグロスポ
ラ属に属する微生物は、本発明のアントラキノン誘導体
生産能を有するものであればどのようなものでもよく、
例えば、JT71−2株を使用することができる。この
JT71−2株は、鹿児島市で採取されたシダの一種の
病斑から分離された菌株であり、その菌学的性質は以下
の通りである。
【0014】生育可能なpHは6から8、生育温度15℃
〜35℃,生育適温は25℃〜30℃の範囲である。ポ
テトデキストロース寒天培地上で集落の表面は乳白色か
ら淡褐色、菌糸上に胞子が点在する。胞子は黒色、単胞
子であり、球状である。この菌株は、工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託番号FERM BP−5074
として寄託されている(寄託日平成7年4月11日)。
〜35℃,生育適温は25℃〜30℃の範囲である。ポ
テトデキストロース寒天培地上で集落の表面は乳白色か
ら淡褐色、菌糸上に胞子が点在する。胞子は黒色、単胞
子であり、球状である。この菌株は、工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託番号FERM BP−5074
として寄託されている(寄託日平成7年4月11日)。
【0015】本発明に用いられるニグロスポラ属に属す
る微生物の培養に用いられる培地は、当該微生物が利用
しうる栄養物を含有する培地であればどのようなもので
もよい。培地に用いる炭素源としてはグルコース、シュ
ークロース、スターチ、水飴、デキストリン等、窒素源
としては酵母エキス、大豆粉、ペプトン、小麦胚芽、コ
ーンスティープリカー、アンモニウム塩等を挙げること
ができる。その他、必要に応じて培地にナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、鉄その他の各種無
機塩類及び菌の生育を促進するような有機及び無機化合
物を添加することができる。
る微生物の培養に用いられる培地は、当該微生物が利用
しうる栄養物を含有する培地であればどのようなもので
もよい。培地に用いる炭素源としてはグルコース、シュ
ークロース、スターチ、水飴、デキストリン等、窒素源
としては酵母エキス、大豆粉、ペプトン、小麦胚芽、コ
ーンスティープリカー、アンモニウム塩等を挙げること
ができる。その他、必要に応じて培地にナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、鉄その他の各種無
機塩類及び菌の生育を促進するような有機及び無機化合
物を添加することができる。
【0016】培養方法としては液体培養及び固体担体を
用いた培養を用いることができ、使用菌の生育に適し、
かつ該化合物の生産に適した条件が選ばれる。培養は好
気的条件で行い、培養温度15℃〜35℃、望ましくは
25℃〜30℃、培養時間は培地や培養条件によって異
なるがほぼ7日〜50日程度である。培地からの本発明
のアントラキノン誘導体の単離は、培養液を通常の精製
手段、たとえば吸着、分配、イオン交換、ゲル濾過等に
よる各種クロマトグラフィーで精製することにより行う
ことができる。
用いた培養を用いることができ、使用菌の生育に適し、
かつ該化合物の生産に適した条件が選ばれる。培養は好
気的条件で行い、培養温度15℃〜35℃、望ましくは
25℃〜30℃、培養時間は培地や培養条件によって異
なるがほぼ7日〜50日程度である。培地からの本発明
のアントラキノン誘導体の単離は、培養液を通常の精製
手段、たとえば吸着、分配、イオン交換、ゲル濾過等に
よる各種クロマトグラフィーで精製することにより行う
ことができる。
【0017】上記方法で得られた本発明のアントラキノ
ン誘導体は壊死斑形成活性、根の伸長阻害活性、抗菌活
性等を有しているのでこれらの化合物を有効成分とする
除草剤として利用できる他、植物生長調節剤や抗菌剤と
しても利用できる。除草剤として用いる場合は、有効成
分として本発明のアントラキノン誘導体を含む水和剤、
フロアブル剤、乳剤、粉剤等の製剤として使用すること
ができる。有効成分の濃度は、0.02〜1%が適当で
あり、使用目的によって濃度は適宜変更してよい。散布
量は、有効成分濃度0.1%とした水和剤であれば10
アール当たり50〜100L程度とする。使用時期は特
に限定されないが除草対象とする雑草の発芽前から発芽
初期に土壌に施用することが好ましい。本発明のアント
ラキノン誘導体により防除され得る雑草としては、ササ
ゲなどのマメ科植物を挙げることができるが、これに限
定されるものではない。
ン誘導体は壊死斑形成活性、根の伸長阻害活性、抗菌活
性等を有しているのでこれらの化合物を有効成分とする
除草剤として利用できる他、植物生長調節剤や抗菌剤と
しても利用できる。除草剤として用いる場合は、有効成
分として本発明のアントラキノン誘導体を含む水和剤、
フロアブル剤、乳剤、粉剤等の製剤として使用すること
ができる。有効成分の濃度は、0.02〜1%が適当で
あり、使用目的によって濃度は適宜変更してよい。散布
量は、有効成分濃度0.1%とした水和剤であれば10
アール当たり50〜100L程度とする。使用時期は特
に限定されないが除草対象とする雑草の発芽前から発芽
初期に土壌に施用することが好ましい。本発明のアント
ラキノン誘導体により防除され得る雑草としては、ササ
ゲなどのマメ科植物を挙げることができるが、これに限
定されるものではない。
【0018】植物生長調節剤として用いる場合は、有効
成分として本発明のアントラキノン誘導体を含む水和
剤、フロアブル剤、乳剤、粉剤等の製剤として使用する
ことができる。有効成分の濃度は、0.01〜0.05
%が適当であり、使用目的によって濃度は適宜変更して
よい。本発明の植物生長調節剤の具体的な作用は根の伸
長を抑制することである。本発明の植物生長調節剤を根
の伸長抑制剤として使用する場合、通常、対象植物の栽
培に用いる土壌又は水耕等の栽培液に添加して使用す
る。本発明のアントラキノン誘導体は、例えば、サラダ
ナに対し有効であるが、これに限定されることなく、広
く植物一般に対し活性を有する。
成分として本発明のアントラキノン誘導体を含む水和
剤、フロアブル剤、乳剤、粉剤等の製剤として使用する
ことができる。有効成分の濃度は、0.01〜0.05
%が適当であり、使用目的によって濃度は適宜変更して
よい。本発明の植物生長調節剤の具体的な作用は根の伸
長を抑制することである。本発明の植物生長調節剤を根
の伸長抑制剤として使用する場合、通常、対象植物の栽
培に用いる土壌又は水耕等の栽培液に添加して使用す
る。本発明のアントラキノン誘導体は、例えば、サラダ
ナに対し有効であるが、これに限定されることなく、広
く植物一般に対し活性を有する。
【0019】抗菌剤として用いる場合は、有効成分とし
て本発明のアントラキノン誘導体を含む医薬、農薬等の
用途に使用することができる。本発明のアントラキノン
誘導体により生育が抑制される微生物としては、例え
ば、枯草菌(Bacillus subtilis )等を挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。本発明の抗菌
剤の剤型は、その用途に応じて決めればよく、固形剤、
液剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、粉剤等の種々の剤
型をとり得る。本発明の抗菌剤の有効成分含有量もその
用途に応じて決めればよいが、例えば、農薬として使用
する場合であれば0.01〜0.05%程度が適当であ
る。
て本発明のアントラキノン誘導体を含む医薬、農薬等の
用途に使用することができる。本発明のアントラキノン
誘導体により生育が抑制される微生物としては、例え
ば、枯草菌(Bacillus subtilis )等を挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。本発明の抗菌
剤の剤型は、その用途に応じて決めればよく、固形剤、
液剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、粉剤等の種々の剤
型をとり得る。本発明の抗菌剤の有効成分含有量もその
用途に応じて決めればよいが、例えば、農薬として使用
する場合であれば0.01〜0.05%程度が適当であ
る。
【0020】以下に実施例をあげて具体的に本発明を説
明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるも
のではない。
明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるも
のではない。
【0021】
〔実施例1〕 微生物の培養 グルコース 3%,NaNO3 0.3%,K2HPO4
0.1%,MgSO4・7H2O 0.05%,KCl
0.05%,FeSO4 ・7H2O 0.001%,
酵母エキス 0.1% を含有する培地(pH6.0)5
00mlを3000ml三角フラスコに入れ、121℃
において20分間高圧滅菌した。これにJT71−2株
を種培養スラントから植菌し25℃において14日間静
置培養した。 〔実施例2〕 培養物の精製 実施例1で得られた培養物2000mlをろ過し、得ら
れた培養ろ液を塩酸を用いてpH3に調整し、吸着剤XA
D−2カラム(径7cm×長さ20cm,アンバーライ
ト社製)にかけ、十分に水洗した後、メタノール溶出物
(5.6g)を得た。この溶出物をメタノールに溶かし
移動相メタノール−水(7:3)、カラム:ODS(径
20mm×長さ250mm、株式会社ワイエムシー社
製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。このと
き、移動相流速5.0ml/min.において17分に
流出する分画を集めた。更にこの分画をメタノールに溶
かし移動相アセトニトリル−水(3:7):カラム:O
DS(径10mm×長さ300mm、株式会社ワイエム
シー社製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。こ
のとき、移動相流速2.0ml/min.において22
分に流出する分画を集め、JTNC−005を10mg
得た。なお、本実施例において得られたJTNC−00
5の核磁気共鳴スペクトルを図1、図2に示した。 〔実施例3〕JTNC−005の生理活性試験 (有傷投与試験)シリンジを使った有傷投与法を用いて
ササゲに対する植物毒性を調べた。JTNC−005を
50、100、200ppmの水溶液とし10μlのシ
リンジを用い、種子から温室において3週間育てたササ
ゲ本葉に5μlずつ有傷投与した。その後5日間、温室
でインキュベートし形成された壊死斑の大きさ(長径×
短径)を測定した。その結果を表1に示した。
0.1%,MgSO4・7H2O 0.05%,KCl
0.05%,FeSO4 ・7H2O 0.001%,
酵母エキス 0.1% を含有する培地(pH6.0)5
00mlを3000ml三角フラスコに入れ、121℃
において20分間高圧滅菌した。これにJT71−2株
を種培養スラントから植菌し25℃において14日間静
置培養した。 〔実施例2〕 培養物の精製 実施例1で得られた培養物2000mlをろ過し、得ら
れた培養ろ液を塩酸を用いてpH3に調整し、吸着剤XA
D−2カラム(径7cm×長さ20cm,アンバーライ
ト社製)にかけ、十分に水洗した後、メタノール溶出物
(5.6g)を得た。この溶出物をメタノールに溶かし
移動相メタノール−水(7:3)、カラム:ODS(径
20mm×長さ250mm、株式会社ワイエムシー社
製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。このと
き、移動相流速5.0ml/min.において17分に
流出する分画を集めた。更にこの分画をメタノールに溶
かし移動相アセトニトリル−水(3:7):カラム:O
DS(径10mm×長さ300mm、株式会社ワイエム
シー社製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。こ
のとき、移動相流速2.0ml/min.において22
分に流出する分画を集め、JTNC−005を10mg
得た。なお、本実施例において得られたJTNC−00
5の核磁気共鳴スペクトルを図1、図2に示した。 〔実施例3〕JTNC−005の生理活性試験 (有傷投与試験)シリンジを使った有傷投与法を用いて
ササゲに対する植物毒性を調べた。JTNC−005を
50、100、200ppmの水溶液とし10μlのシ
リンジを用い、種子から温室において3週間育てたササ
ゲ本葉に5μlずつ有傷投与した。その後5日間、温室
でインキュベートし形成された壊死斑の大きさ(長径×
短径)を測定した。その結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】(植物生長調節試験)シャーレ(径3.4
cm)にろ紙を敷き、実施例2で得られたJTNC−0
05の50、100、200ppm水溶液をシャーレ
(各濃度2枚)に300μlずつ加えた。そこに予め発
芽させたサラダナ幼苗(根長2−3mm)を10粒ずつ
まき人工気象器(25度、15000lux)で2日間
生育させ根の伸長を測定した。測定値から、イオン交換
水のみで育てたサラダナ幼苗の根の伸長値を100とし
た場合の試験区の根の伸長率を算出した。その結果を表
2に示した。
cm)にろ紙を敷き、実施例2で得られたJTNC−0
05の50、100、200ppm水溶液をシャーレ
(各濃度2枚)に300μlずつ加えた。そこに予め発
芽させたサラダナ幼苗(根長2−3mm)を10粒ずつ
まき人工気象器(25度、15000lux)で2日間
生育させ根の伸長を測定した。測定値から、イオン交換
水のみで育てたサラダナ幼苗の根の伸長値を100とし
た場合の試験区の根の伸長率を算出した。その結果を表
2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】(抗菌活性試験)第3表に示した被験菌を
三角フラスコ中ニュートリエント液体培地で28度、2
00rpmで24時間培養後ニュートリエント寒天培地
に該培養液が0.1%になるように加え、シャーレに移
し検定プレートを作成した。次に実施例2で得られたJ
TNC−005の200ppm水溶液をφ5mmのろ紙
に1、2、5μlずつ染み込ませて前記の検定プレート
上に置き25度で2日間培養した。培養終了後、阻止円
の有無で抗菌活性を判定した。その結果を表3に示し
た。なお、表中+は抗菌活性有り、−は抗菌活性無しを
示す。
三角フラスコ中ニュートリエント液体培地で28度、2
00rpmで24時間培養後ニュートリエント寒天培地
に該培養液が0.1%になるように加え、シャーレに移
し検定プレートを作成した。次に実施例2で得られたJ
TNC−005の200ppm水溶液をφ5mmのろ紙
に1、2、5μlずつ染み込ませて前記の検定プレート
上に置き25度で2日間培養した。培養終了後、阻止円
の有無で抗菌活性を判定した。その結果を表3に示し
た。なお、表中+は抗菌活性有り、−は抗菌活性無しを
示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明は、抗菌、除草、植物生長調節活
性を有する新規な物質を提供する。この物質は、微生物
代謝生産物であるため、自然環境中で安全に代謝、分解
される。従って、この物質を利用することにより、環境
汚染の少ない抗菌、除草、植物生長調節剤を製造するこ
とができる。
性を有する新規な物質を提供する。この物質は、微生物
代謝生産物であるため、自然環境中で安全に代謝、分解
される。従って、この物質を利用することにより、環境
汚染の少ない抗菌、除草、植物生長調節剤を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 JTNC−005の重DMSO中での1 HN
MRスペクトル(300MHz)を示す図である。
MRスペクトル(300MHz)を示す図である。
【図2】 JTNC−005の重DMSO中での13CN
MRスペクトル(75MHz)を示す図である。
MRスペクトル(75MHz)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/18 9546−4H C07C 69/18 (72)発明者 福島 俊朗 神奈川県横浜市青葉区梅が丘6の2 日本 たばこ産業株式会社植物開発研究所横浜セ ンター内
Claims (5)
- 【請求項1】 次式、 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 は、R1 がHを表すときR2 及
びR3 はOH、OCH3又はOCOCH3 を表し、R2
がHを表すときR1 及びR3 はOH、OCH3 又はOC
OCH3 を表す)で示されるアントラキノン誘導体。 - 【請求項2】 R1 がOH、R2 がH、R3 がOHであ
る請求項1記載のアントラキノン誘導体。 - 【請求項3】 請求項1記載のアントラキノン誘導体を
有効成分として含有する抗菌剤。 - 【請求項4】 請求項1記載のアントラキノン誘導体を
有効成分として含有する除草剤。 - 【請求項5】 請求項1記載のアントラキノン誘導体を
有効成分として含有する植物生長調節剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13824095A JPH08333297A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 新規アントラキノン誘導体及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13824095A JPH08333297A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 新規アントラキノン誘導体及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08333297A true JPH08333297A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15217356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13824095A Pending JPH08333297A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 新規アントラキノン誘導体及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08333297A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029958A1 (fr) * | 2003-08-29 | 2005-04-07 | Institute For Plant Protection And Soil Science, Hubei Academy Of Agricultural Sciences | Utilisation de derives d'antrhaquinone en tant que pesticides pour la lutte contre les maladies des plantes |
JP2013542959A (ja) * | 2010-11-04 | 2013-11-28 | マロン バイオ イノベイションズ インコーポレイテッド | 成長促進剤および抗真菌剤としてアントラキノン誘導体を含む組成物 |
JP5567499B2 (ja) * | 2010-07-08 | 2014-08-06 | 株式会社河野メリクロン | ラン科植物から分離した新規物質、これを含む抽出物、抗酸化剤、抗菌剤、抗癌剤及び抗炎症剤 |
CN105152901A (zh) * | 2015-09-28 | 2015-12-16 | 三峡大学 | 一种蒽醌类化合物的制备方法及作为受体酪氨酸激酶抑制剂的应用 |
-
1995
- 1995-06-05 JP JP13824095A patent/JPH08333297A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029958A1 (fr) * | 2003-08-29 | 2005-04-07 | Institute For Plant Protection And Soil Science, Hubei Academy Of Agricultural Sciences | Utilisation de derives d'antrhaquinone en tant que pesticides pour la lutte contre les maladies des plantes |
JP5567499B2 (ja) * | 2010-07-08 | 2014-08-06 | 株式会社河野メリクロン | ラン科植物から分離した新規物質、これを含む抽出物、抗酸化剤、抗菌剤、抗癌剤及び抗炎症剤 |
JP2013542959A (ja) * | 2010-11-04 | 2013-11-28 | マロン バイオ イノベイションズ インコーポレイテッド | 成長促進剤および抗真菌剤としてアントラキノン誘導体を含む組成物 |
US10299474B2 (en) | 2010-11-04 | 2019-05-28 | Marrone Bio Innovations, Inc. | Compositions containing anthraquinone derivatives as growth promoters and antifungal agents |
CN105152901A (zh) * | 2015-09-28 | 2015-12-16 | 三峡大学 | 一种蒽醌类化合物的制备方法及作为受体酪氨酸激酶抑制剂的应用 |
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