JPH11117841A - 内燃機関点火装置 - Google Patents

内燃機関点火装置

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JPH11117841A
JPH11117841A JP28353597A JP28353597A JPH11117841A JP H11117841 A JPH11117841 A JP H11117841A JP 28353597 A JP28353597 A JP 28353597A JP 28353597 A JP28353597 A JP 28353597A JP H11117841 A JPH11117841 A JP H11117841A
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Hiroshi Yamada
浩 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信号発生器を構成する2つの磁気検出素子の間
の角度間隔を拡大することなく点火位置の進角幅を広く
とることができる内燃機関点火装置を提供する。 【解決手段】内燃機関に取り付けた磁石回転子の磁極間
の角度間隔よりも小さい角度間隔をもって2つの磁気検
出素子11及び12を配置し、これらの磁気検出素子が
出力する矩形波信号V1 及びV2 に論理演算を施すこと
により、両矩形波信号の位相差に相当する信号幅を有す
るパルス信号Vp と、パルス信号Vp よりも位相が進ん
だ位置で立上る制御信号Vq とを発生させる。機関の低
速時にはパルス信号Vp の立下り位置で点火回路13に
点火信号Vg を与えて点火動作を行わせ、進角開始回転
速度以上の回転領域では、制御信号Vq の立上り位置で
点火回路13に点火信号Vg を与えて点火動作を行わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関を点火す
る内燃機関点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関点火装置は、点
火信号が与えられた時に内燃機関の気筒に取り付けられ
た点火プラグに印加するための点火用高電圧を発生する
点火回路と、内燃機関の回転情報を有する信号を発生す
る信号発生装置と、該信号発生装置から得られる信号に
基づいて決定した点火位置で点火回路に点火信号を与え
る点火位置制御装置とにより構成される。
【0003】機関の回転情報を有する信号を発生する信
号発生装置としては種々のものが知られているが、その
1つとしてホール素子等の磁気検出素子を用いたものが
ある。
【0004】本出願人は先に、特願平6−280834
号において、内燃機関の回転方向に位置をずらした状態
で配置された第1及び第2の磁気検出素子と、内燃機関
の回転に伴って該第1及び第2の磁気検出素子が検出す
る磁束に変化を生じさせるロータと、第1の磁気検出素
子及び第2の磁気検出素子からそれぞれ得られる第1の
矩形波信号及び該第1の矩形波信号に論理演算を施して
第1の矩形波信号及び第2の矩形波信号の一方が低レベ
ルの状態にあり、他方が高レベルの状態にある期間高レ
ベルの状態を保持するパルス信号を発生する波形整形回
路とにより内燃機関点火装置用の信号発生装置を構成し
て、該パルス信号の信号幅により点火位置の進角幅を決
定することを提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、第1の
磁気検出素子と第2の磁気検出素子との間の角度間隔に
相当する信号幅を有するパルス信号を発生させて、該パ
ルス信号の信号幅により点火位置の進角幅を決定するよ
うにした場合には、第1の磁気検出素子と第2の磁気検
出素子との間の角度間隔により最大進角幅が決まるた
め、進角幅を広くとろうとすると、2つの磁気検出素子
の間の角度間隔が広くなって信号発生装置が多くのスペ
ースを占有することになるため、点火装置が大形化する
という問題があった。
【0006】また上記のように第1及び第2の磁気検出
素子の間の角度間隔により進角幅を決めるようにした場
合には、進角幅を変更する毎に2つの磁気検出素子の間
の角度間隔を変える必要があるため、面倒であった。
【0007】本発明の目的は、信号発生装置を構成する
第1及び第2の磁気検出素子の間の角度間隔を変更する
ことなく、両磁気検出素子の間の角度間隔よりも広い進
角幅を有する点火特性を得ることができるようにして上
記の問題を解決した内燃機関点火装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられた時に内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラ
グに印加するための点火用高電圧を発生する点火回路
と、内燃機関の回転方向の後方側及び前方側に互いに位
置をずらした状態で配置されて磁束の交番を検出した時
にレベルが変化する第1及び第2の矩形波信号をそれぞ
れ発生する第1及び第2の磁気検出素子と、内燃機関の
回転に伴って第1及び第2の磁気検出素子がそれぞれ検
出する磁束を交番させるロータと、第1の磁気検出素子
が発生する第1の矩形波信号と第2の磁気検出素子が発
生する第2の矩形波信号とに論理演算を施して第1及び
第2の矩形波信号の一方が低レベルの状態にあり他方が
高レベルの状態にある期間高レベルの状態を保持するパ
ルス信号を発生する波形整形回路とを備えた信号発生装
置と、信号発生装置の出力に基づいて決定した内燃機関
の点火位置で点火回路に点火信号を与える点火位置制御
装置とを備えた内燃機関用点火装置に係わるものであ
る。
【0009】本発明においては、上記パルス信号の立下
り位置を内燃機関の上死点付近に設定した設定位置に一
致させるように信号発生装置を構成する。
【0010】本発明においてはまた、上記点火位置制御
装置が、第1の矩形波信号と第2の矩形波信号とに論理
演算を施して上記パルス信号の立上り位置よりも位相が
進んだ位置で生じる第1の矩形波信号のレベル変化位置
または第2の矩形波信号のレベル変化位置で立上がり、
パルス信号の立下がり位置までの間に立下がる矩形波状
の制御信号を発生する制御信号発生回路と、パルス信号
の立下がりを検出して第1の点火位置信号を発生させる
第1の点火位置信号発生回路と、積分コンデンサと該積
分コンデンサを定電流充電する充電回路とからなってい
て積分コンデンサの両端に所定の傾きで上昇する積分電
圧を発生させる積分回路と、第1の点火位置信号が発生
した時に積分コンデンサに蓄積されている電荷をほぼ瞬
時に放電させるリセット回路と、制御信号が発生してい
る状態で積分電圧が基準電圧よりも低くなった時に第2
の点火位置信号を発生する第2の点火位置信号発生回路
と、第1の点火位置信号及び第2の点火位置信号のいず
れか一方が入力された時に点火回路に点火信号を与える
オア回路とを備えていて、内燃機関の回転速度が進角開
始回転速度よりも低い時には制御信号が発生している区
間で積分電圧が基準電圧よりも高くなっており、回転速
度が進角開始回転速度に達した時に制御信号の立上り位
置で積分電圧が基準電圧よりも低くなるように、積分回
路の定数と基準電圧のレベルとが設定されている。
【0011】上記のように構成すると、内燃機関の回転
速度が進角開始回転速度よりも低いときには、第2の点
火位置信号が発生しないため、機関の上死点付近に設定
された設定位置で第1の点火位置信号が発生したときに
点火回路に点火信号が与えられる。また回転速度が進角
開始回転速度に達すると、パルス信号の立上り位置より
も更に進角した位置にある制御信号の立上り位置で第2
の点火位置信号が発生するため、パルス信号の立上り位
置より更に進角した位置で点火回路に点火信号が与えら
れる。即ち、機関の回転速度が進角開始回転速度よりも
低い領域では、機関の上死点付近で点火が行われ、回転
速度が進角開始回転速度に達した時に点火位置がパルス
信号の立上り位置よりも更に進んだ位置までステップ状
に進角する特性が得られる。従って、第1及び第2の磁
気検出素子の間の角度間隔を大きくしなくても進角幅を
広くとることができ、点火信号発生装置を大形にするこ
となく広い進角幅を有する点火特性を得ることができ
る。また第1及び第2の磁気検出素子の間の角度間隔を
変更することなく、種々の進角幅を有する点火特性を得
ることができる。
【0012】本発明においてはまた、上記積分回路を、
積分コンデンサと、該積分コンデンサを定電流充電する
充電回路と、制御信号が発生している間積分コンデンサ
を定電流放電させる放電回路とにより構成して、定電流
充電が行われる期間一定の傾きで上昇し、定電流放電が
行われる期間一定の傾きで下降する波形の積分電圧を積
分コンデンサの両端に発生させるようにすることもでき
る。この場合には、内燃機関の回転速度が進角開始回転
速度よりも低いときに、制御信号が発生している区間で
積分電圧が基準電圧以上になっており、回転速度が進角
開始回転速度に達した時に制御信号が立下がる位置で積
分電圧が基準電圧よりも低くなるように、積分回路の定
数と基準電圧のレベルとを設定しておく。
【0013】このように積分回路を構成した場合には、
積分電圧が基準電圧よりも低くなる時の機関の回転角度
位置が機関の回転速度の上昇に伴って進んでいくため、
機関の回転速度が進角開始回転速度以上になる領域で、
点火位置が回転速度の上昇に伴って、制御信号の立上り
位置まで徐々に進角する特性が得られる。
【0014】上記信号発生装置のロータとしては、カッ
プ状のフライホイールの周壁部の内周に永久磁石を取り
付けて多極の磁石界磁を構成した磁石回転子を用いるこ
とができる。この場合、第1及び第2の磁気検出素子は
磁石回転子の内側に配置して該磁石回転子から生じる磁
束を検出するように設ける。
【0015】上記のように多極の磁石回転子を信号発生
装置のロータとして用いると、信号発生装置用のロータ
を特別に構成する必要がないため、構成を簡単にするこ
とができる。
【0016】上記第2の点火位置信号発生回路は、積分
電圧を前記基準電圧と比較して積分電圧が基準電圧より
も低くなった時に高レベルの点火指令信号を発生し、積
分電圧が基準電圧を超えている時には該高レベルの点火
指令信号を消滅させる点火指令信号発生回路と、制御信
号と点火指令信号とを入力として、制御信号が発生して
いる状態で点火指令信号が発生した時に第2の点火位置
信号を出力するアンド回路とにより構成することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明の一実施
形態を示したもので、図1及び図2は本発明に係わる点
火装置で用いる磁石発電機の構成例を示し、図3は同点
火装置の回路図を示している。この例では、2サイクル
2気筒内燃機関を点火する場合を想定している。
【0018】図1及び図2において1は図示しない内燃
機関の回転軸に取付けられる磁石回転子で、この磁石回
転子は、磁性材料からなるほぼカップ状のフライホイー
ル2と、該フライホイールの周壁部2aの内周に取付け
られた4個の永久磁石3a〜3dと、フライホイールの
底壁部2bの中央部に設けられたボス部4とからなる。
4個の永久磁石3a〜3dは極弧角(各磁石の円弧角)
が等しく形成されて、周方向に等角度間隔で配列されて
いる。永久磁石3a〜3dは、隣り合う磁極が異なる極
性を呈するように交互に着磁方向を異ならせて径方向に
着磁されている。ボス部4に形成されたテーパ孔4aに
図示しない機関の回転軸が嵌合され、該回転軸とボス部
4とが図示しないネジ手段により締結されて磁石回転子
1が機関に取り付けられる。
【0019】5及び6はそれぞれ磁石回転子1の隣り合
う磁極に対向する磁極部5a,5b及び6a,6bをそ
れぞれの両端に有するI字形の電機子鉄心である。電機
子鉄心5及び6の磁極部5a,5b及び6a,6bに
は、貫通孔5c,5d及び6c,6dが設けられ、これ
らの貫通孔を通して図示しない機関のクランクケースに
設けられた固定子取付け部にねじ込まれたネジにより、
電機子鉄心5及び6が機関に取付けられる。電機子鉄心
5には点火電源コイルとしてのエキサイタコイル7が巻
回され、電機子鉄心6には、点灯負荷やバッテリ充電回
路を駆動するため発電コイル8が巻回されている。
【0020】9は信号発生器で、この信号発生器は、磁
石回転子1の磁極に対向する位置に、磁石回転子の磁極
間の角度間隔(90°)よりも小さい角度間隔αをあけ
て、かつ内燃機関の回転方向(図示の矢印CL方向)の
後方側及び前方側に互いに位置をずらした状態で配置さ
れた第1及び第2の磁気検出素子11及び12からなっ
ている。
【0021】磁気検出素子11及び12は、磁束の交番
を検出して矩形波信号を発生する磁束交番形のもので、
磁石回転子1の磁極から流れる磁束が一方の極性(例え
ばS極性)から他方の極性(例えばN極性)のピークに
向って変化する過程で高レベルになり、磁束が他方の極
性(例えばN極性)から一方の極性(例えばS極性)の
ピークに向って変化する過程で低レベルになる矩形波信
号を出力する。このような磁気検出素子としてはホール
ICを用いることができる。
【0022】第1及び第2の磁気検出素子11及び12
がそれぞれ検出する磁束φ1 及びφ2 の波形を図4
(A)及び(B)に示し、第1及び第2の磁気検出素子
11及び12から得られる矩形波信号V1 及びV2 の波
形をそれぞれ図4(C)及び(D)に示した。なお図4
の各図の横軸は機関の回転角度θを示している。
【0023】4極の磁石回転子を用いた図示の例では、
第1及び第2の磁気検出素子11及び12が互いに位相
差αをもって磁石回転子1の1回転につき2サイクルの
矩形波信号V1 及びV2 を出力する。各矩形波信号に
は、低レベルから高レベルへのレベル変化と、高レベル
から低レベルへのレベル変化とがそれぞれ1回転当り2
回発生する。この例では、第1及び第2の磁気検出素子
11及び12からそれぞれ得られる矩形波信号のうち、
第2の磁気検出素子12から出力される位相が遅れた方
の矩形波信号V2 のレベルが低レベルから高レベルに変
化するレベル変化位置θ01及びθ02(図4参照)がそれ
ぞれ内燃機関の第1の気筒及び第2の気筒の上死点より
も僅かに進んだ位置に設定された設定位置に一致するよ
うに第2の磁気検出素子12の回転角度位置が選定され
ている。
【0024】図3は磁気検出素子11及び12から得ら
れる信号を用いて点火動作を行なう点火装置の回路構成
を示したもので、図3に示した回路中のC点ないしK点
における信号波形をそれぞれ図4(C)ないし(K)に
示してある。
【0025】図3において、13は機関の第1及び第2
の気筒の点火プラグ14及び15に点火電圧を供給する
点火回路、16は信号発生器9と波形整形回路17とか
らなる信号発生装置、18は信号発生装置16から与え
られる信号に基づいて決定した機関の点火位置で点火回
路13に点火信号Vg を与える点火位置制御装置であ
る。
【0026】信号発生器9を構成する第1及び第2の磁
気検出素子11及び12の電源端子11a及び12aに
は、図示しない直流電源から直流電圧Vb が与えられて
いる。
【0027】波形整形回路17は、エミッタが接地され
るとともにベースが抵抗R1 を通して第1の磁気検出素
子11の出力端子に接続されたNPNトランジスタTr1
とトランジスタTr1のコレクタを直流電源に接続する抵
抗R2 とからなる反転回路IN1 と、反転回路IN1 の
出力が抵抗R3 を通して入力されるとともに、第2の器
検出素子12の出力が抵抗R4 を通して入力されたノア
回路NORとにより構成されている。反転回路IN1
は、第1の磁気検出素子11が出力する第1の矩形波信
号出力V1 のレベルを反転させて図4(E)に示す矩形
波信号V1 ´を出力する。
【0028】ノア回路NORは、第1の矩形波信号V1
を反転して得た矩形波信号V1 ´と第2の矩形波信号V
2 とが同時に低レベルの状態になっている間(第1の磁
気検出素子11が出力する第1の矩形波信号V1 が低レ
ベルの状態にあり第2の磁気検出素子12が出力する矩
形波信号V2 が高レベルの状態にある期間)高レベルの
状態をとるパルス信号Vp (図4H)を出力する。
【0029】点火回路13は、一次コイルW1 及び二次
コイルW2 を有する点火コイルIGと、点火コイルIG
の一次側に設けられてエキサイタコイル7(図1参照)
の出力によりダイオードD1 を通して充電される点火用
コンデンサC1 と、点火信号Vg が与えられた時に導通
して点火用コンデンサC1 の電荷を点火コイルの一次コ
イルW1 を通し放電させるサイリスタTh1とを備えた周
知のコンデンサ放電式の回路である。点火コイルIGの
2次コイルW2 の両端はそれぞれ機関の第1気筒の点火
プラグ14及び第2気筒の点火プラグ15の非接地側端
子に接続されている。
【0030】この点火回路13においては、エキサイタ
コイル7の出力により点火用コンデンサC1 が図示の極
性に充電される。点火位置制御装置18からサイリスタ
Th1に点火信号Vg が与えられると、サイリスタTh1が
導通してコンデンサC1 に蓄積された電荷を点火コイル
IGの一次コイルW1 を通して放電させるため、点火コ
イルIGの二次コイルW2 に点火用高電圧が誘起する。
このとき点火プラグ14及び15に同時に火花が生じる
が、2サイクル機関においては、一方の点火プラグが取
り付けられた気筒が圧縮行程にあるときに、他方の気筒
は排気行程にあるため、両点火プラグに同時に火花が生
じても支障を来さない。
【0031】点火位置制御装置18は、制御信号発生回
路18Aと、第1の点火位置信号発生回路18Bと、積
分回路18Cと、リセット回路18Dと、第2の点火位
置信号発生回路18Eと、オア回路18Fとからなって
いる。
【0032】更に詳述すると、制御信号発生回路18A
は、第1の矩形波信号V1 と第2の矩形波信号V2 とに
論理演算を施して、パルス信号Vp の立上り位置よりも
位相が進んだ位置で生じる第1の矩形波信号V1 のレベ
ル変化位置または第2の矩形波信号V2 のレベル変化位
置で立上がり、パルス信号Vp の立下がり位置までの間
に立下がる矩形波状の制御信号Vq を発生する回路で、
図3に示した例では、エミッタが接地されるとともにベ
ースが抵抗R5 を通して第2の磁気検出素子12の出力
端子に接続されたNPNトランジスタTr2と、トランジ
スタTr2のコレクタを図示しない直流電源に接続する抵
抗R6 とからなる反転回路IN2 と、波形整形回路17
の反転回路IN1 の出力(トランジスタTr1のコレクタ
の電位)が抵抗R3 を通して入力されるとともに、反転
回路IN2 の出力(トランジスタTr2のコレクタの電
位)が抵抗R7 を通して入力されたアンド回路AN1 と
により構成されている。
【0033】反転回路IN2 は、第2の矩形波信号V2
を反転して、図4(F)に示す矩形波信号V2 ´に変換
する。この矩形波信号V2 ´は、第1の矩形波信号V1
を波形整形回路17のトランジスタTr1と抵抗R1 及び
R2 とからなる反転回路により反転して得た矩形波信号
V1 ´とともに、アンド回路AN1 に入力される。アン
ド回路AN1 は、矩形波信号V1 ´及びV2 ´が共に高
レベルになっている期間高レベルの状態を保持する制御
信号Vq (図4G)を出力する。この制御信号Vq は、
第1の矩形波信号V1 が立上る位置θ31,θ32で立上
り、第2の矩形波信号V2 が立上る位置θ01,θ02で立
下がる矩形波状の信号である。
【0034】第1の点火位置信号発生回路18Bは、パ
ルス信号Vp の立下りを検出して設定位置で第1の点火
位置信号Vg1を発生させる回路で、エミッタが接地され
るとともにベースが抵抗R8 を通してノア回路NORの
出力端子に接続されたNPNトランジスタTr3とトラン
ジスタTr3のコレクタを直流電源に接続する抵抗R9と
からなる反転回路IN3 と、ナンド回路ND1 及びND
2 、抵抗R10ないしR14、コンデンサC3 ,C4 、及び
トランジスタTr4からなる単安定マルチバイブレータM
1 とにより構成されている。
【0035】反転回路IN3 は、図4(H)に示すパル
ス信号Vp を反転して図4(I)に示す矩形波信号Vp
´に変換する。単安定マルチバイブレータM1 は、矩形
波信号Vp ´の立上り(設定位置θ01及びθ02)でトリ
ガされて図4(J)に示すパルス信号を第1の点火位置
信号Vg1として出力する。
【0036】積分回路18Cは、FET F1 と、抵抗
R15と、ダイオードD2 とからなる定電流充電回路と、
図示しない直流電源の出力で該定電流充電回路を通して
定電流充電される積分コンデンサCi とからなってい
て、積分コンデンサCi の両端に一定の傾きで上昇する
積分電圧を出力する。
【0037】リセット回路18Dは、積分コンデンサC
i の両端に並列に接続されたサイリスタTh2と、抵抗R
16及びR17とからなっていて、第1の点火位置信号Vg1
が抵抗R16を通してサイリスタTh2のゲートに与えられ
ている。このリセット回路18Dにおいては、第1の点
火位置信号Vg1が発生したときにサイリスタTh2が導通
して、積分コンデンサCi の電荷をほぼ瞬時に放電させ
る。
【0038】したがって、積分コンデンサCi の両端に
は、図4(K)に示したように、設定位置θ01及びθ02
からそれぞれ一定の傾きで上昇して、次の設定位置θ02
及びθ01で零に戻る三角波形の積分電圧Vi が得られ
る。
【0039】第2の点火位置信号発生回路18Eは、エ
ミッタが接地されたNPNトランジスタTr5と、トラン
ジスタTr5のベースと積分コンデンサCi の非接地側端
子との間にアノードをトランジスタTr5側に向けて接続
されたツェナーダイオードZDと、トランジスタTr5の
コレクタとアンド回路AN1 の出力端子との間に接続さ
れた抵抗R18とからなっている。図示の例では、トラン
ジスタTr5とツェナーダイオードZDとにより、積分電
圧を前記基準電圧と比較して積分電圧Vi が基準電圧
(図示の例ではツェナー電圧Vz )よりも低くなってい
るときに高レベルの点火指令信号を発生し、積分電圧が
基準電圧以上になったときに点火指令信号を消滅させる
点火指令信号発生回路が構成され、トランジスタTr5の
コレクタと抵抗R18とを接続することにより、制御信号
Vq が発生している状態で点火指令信号が発生した時に
第2の点火位置信号Vg2を出力するアンド回路AN2 が
構成されている。
【0040】トランジスタTr5は、積分コンデンサCi
の両端に得られる積分電圧Vi がツェナーダイオードZ
Dのツェナー電圧Vz を超えている期間導通して、その
コレクタの電位を低レベルの状態に保って点火指令信号
の発生を停止している。アンド回路AN2 は、制御信号
Vq が発生している状態で点火指令信号が発生した時
(トランジスタTr5が遮断状態になってそのコレクタの
電位が高レベルになった時)に第2の点火位置信号Vg2
を出力する。
【0041】オア回路18Fは、第1及び第2の点火位
置信号発生回路18B及び18Eの出力端子にアノード
が接続され、カソードが共通接続されたダイオードD3
及びD4 からなっていて、第1の点火位置信号Vg1及び
第2の点火位置信号Vg2のいずれか一方が入力された時
に点火回路13に点火信号Vg を与える。
【0042】図3に示した点火装置においては、内燃機
関の回転速度が進角開始回転速度よりも低い時には制御
信号Vq が発生している区間で積分電圧Vi が基準電圧
Vzよりも高くなっており、回転速度が進角開始回転速
度に達した時に制御信号Vqの立上り位置で積分電圧Vi
が基準電圧Vz よりも低くなるように、積分回路18
Cの定数と基準電圧Vz のレベルとが設定されている。
【0043】図3の点火装置において、内燃機関の回転
速度が進角開始回転速度よりも低いときには、制御信号
Vq が発生している区間で積分電圧Vi が基準電圧Vz
よりも高くなっているため、第2の点火位置信号Vg2は
発生しない。そのため、機関の上死点付近に設定された
設定位置θ01,θ02で第1の点火位置信号Vg1が発生し
たときに点火回路13に点火信号Vg が与えられる。
【0044】機関の回転速度の上昇に伴って積分コンデ
ンサCi が充電される時間(設定位置θ01,θ02から次
の設定位置θ02,θ01まで機関が回転するのに要する時
間)が短くなっていくため、積分電圧Vi は機関の回転
速度の上昇に伴って低くなっていく。
【0045】回転速度が進角開始回転速度に達すると、
図4(K)に破線て示したように、制御信号Vq の立上
り位置θ21,θ22で積分電圧Vi が基準電圧Vz より低
くなるため、制御信号Vq の立上り位置θ21,θ22で第
2の点火位置信号Vg2(図4には図示せず。)が発生す
る。そのため、機関の回転速度が進角開始回転速度以上
になる領域では、パルス信号Vp の立上り位置θ31,θ
32より更に進角した位置θ21,θ22で点火回路13に点
火信号Vg が与えられる。
【0046】したがって、図3に示した点火装置を用い
た場合、図7に示した特性aのように、機関の回転速度
が進角開始回転速度Ns よりも低い領域では、機関の上
死点付近の設定位置θ01及びθ02で第1の気筒及び第2
の気筒の点火が行われ、回転速度が進角開始回転速度に
達した時に点火位置がパルス信号の立上り位置θ31,θ
32よりも更に進んだ位置θ21,θ22までステップ状に進
角する点火特性を得ることができる。図7に示した特性
cは、パルス信号Vp を制御信号として用いて進角開始
回転速度に達した時に該パルス信号の立上り位置まで点
火位置を進角させた場合の点火特性を示している。また
図7においてTDCは機関の上死点を示し、BTDCは
上死点より進角側であることを示している。
【0047】このように、本発明によれば、機関の回転
速度が進角開始回転速度よりも低い領域では、機関の上
死点付近で点火を行わせ、回転速度が進角開始回転速度
に達した時に点火位置をパルス信号の立上り位置よりも
更に進んだ位置までステップ状に進角させることができ
るため、信号発生装置を大形にすることなく、広い進角
幅を有する点火特性を得ることができる。また信号発生
装置の第1及び第2の磁気検出素子の間の角度間隔を変
更することなく、種々の進角幅を有する点火特性を得る
ことができる。
【0048】図5は本発明に係わる点火装置の他の構成
例の要部(点火回路13を除いた部分)を示したもの
で、図5の回路のC点ないしJ点の各部の波形をそれぞ
れ図6(C)ないし(J)に示してある。
【0049】図5に示した点火装置においては、制御信
号発生回路18Aが抵抗R5 とアンド回路AN1 とから
なっていて、第1の矩形波信号を反転して得た矩形波信
号V1 ´(図6E)と第2の矩形波信号V2 (図6D)
とが共に高レベルになっている期間高レベルの状態を保
持する制御信号Vq (図6F)を出力する。その他の点
は図3に示した点火装置と全く同様に構成されている。
【0050】図5に示した点火装置において、内燃機関
の回転速度が進角開始回転速度よりも低いときには、制
御信号Vq が発生している区間で積分電圧Vi が基準電
圧Vz よりも高くなっていて、第2の点火位置信号Vg2
は発生しないため、機関の上死点付近に設定された設定
位置θ01,θ02で第1の点火位置信号Vg1が発生したと
きに点火回路13に点火信号Vg が与えられる。
【0051】回転速度が進角開始回転速度に達すると、
図6(J)に破線て示したように、制御信号Vq の立上
り位置θ11,θ12で積分電圧Vi が基準電圧Vz より低
くなるため、制御信号Vq の立上り位置θ11,θ12で第
2の点火位置信号Vg2(図6には図示せず。)が発生す
る。そのため、機関の回転速度が進角開始回転速度以上
になる領域では、パルス信号Vp の立上り位置θ31,θ
32より更に進角した位置θ11,θ12で点火回路13に点
火信号Vg が与えられる。
【0052】図5に示した点火装置を用いた場合の点火
特性は図7に示した折れ線bの通りであり、図3に示し
た点火装置を用いた場合(折れ線a)よりも更に進角幅
を広くとることができる。
【0053】図8は本発明に係わる点火装置の更に他の
構成例の要部を示したものである。図8の回路のC点な
いしK点の各部の信号波形をそれぞれ図9の(C)ない
し(K)に示してある。
【0054】図8に示した例は、図3に示した点火位置
制御装置18に定電流放電回路18Gを付加したもの
で、定電流放電回路18Gは、NPNトランジスタTr6
及びTr7と、抵抗R20ないしR24と、FET F2 とか
らなっている。図8に示した定電流放電回路18におい
ては、制御信号Vq (図9G)が発生している間トラン
ジスタTr6が導通し、トランジスタTr6が導通している
間トランジスタTr7が遮断状態になる。従って、トラン
ジスタTr7のコレクタには制御信号Vq と同波形の矩形
波信号(図9G´)が得られる。この例では、トランジ
スタTr6及びTr7と抵抗R20ないしR23とにより放電用
スイッチ回路が構成され、FET F2 と抵抗R24とに
より、放電用スイッチ回路の出力段のスイッチ素子(ト
ランジスタTr7)が導通状態になっている間、積分コン
デンサCi を定電流放電させる定電流回路が構成されて
いる。その他の点は図3に示した点火装置と同様に構成
されている。
【0055】図8に示した点火装置では、制御信号発生
回路18Aが制御信号Vq (図9G)を発生している間
トランジスタTr7が導通状態を保持して、積分コンデン
サCi の電荷を定電流放電させる。制御信号Vq が消滅
すると、トランジスタTr7が遮断状態になるため、積分
コンデンサCi はFET F1 を通して再び定電流充電
される。従って、積分コンデンサCi の両端には、図9
(K)に示したように、設定位置θ01,θ02から一定の
傾きで上昇した後、制御信号Vq の立上り位置(第2の
矩形波信号V2 の立下がり位置)θ21,θ22からパルス
信号Vp (図9H)の立上り位置θ31,θ32まで一定の
傾きで下降し、パルス信号Vp の立上り位置θ31,θ32
から設定位置θ01,θ02に至る区間一定の傾きで上昇し
た後設定位置θ01,θ02で零に戻る波形の積分電圧Vi
が得られる。
【0056】図8に示した点火装置では、機関の回転速
度が進角開始回転速度よりも低いときに、制御信号Vq
が発生している区間で、積分電圧Vi が基準電圧Vz を
超え、回転速度が進角開始回転速度Ns に達した時に積
分電圧Vi が基準電圧Vz よりも低くなるように積分回
路18Cの定数と、放電回路18Gの定数とが設定され
ている。
【0057】図8に示した点火装置において、機関の回
転速度が進角開始回転速度Ns1よりも低いときには、制
御信号Vq が発生している区間で積分電圧Vi が基準電
圧Vz を超えているため、トランジスタTr5が導通状態
を保持している。この状態では、制御信号Vq により抵
抗R18を通して流れる電流が全てトランジスタTr5を通
してオア回路18Fから側路されるため、制御信号Vq
によりオア回路18Fに第2の点火位置信号Vg2が与え
られることはない。従って、機関の回転速度が進角開始
回転速度Ns1よりも低い状態では、パルス信号Vp の立
下がり位置(設定位置)θ01,θ02で第1の点火位置信
号Vg1が発生したときに点火回路(図8には図示せず)
に点火信号が与えられる。
【0058】回転速度が進角開始回転速度Ns1に達する
と、図9に破線で示したように積分電圧Vi が制御信号
Vq の立下がり位置θ31,θ32で基準電圧Vz よりも低
くなって、トランジスタTr5が遮断状態になるため、制
御信号の立下がり位置θ31,θ32まで点火位置がステッ
プ状に進角する。回転速度が更に上昇していくと、積分
電圧Vi が低くなっていくため、該積分電圧Vi が基準
電圧Vz よりも低くなる位置が進んでいき、点火位置が
進角していく。回転速度が進角終了速度Ns2に達する
と、制御信号Vq の立上り位置θ21,θ22よりも進んだ
位置で積分電圧Vi が基準電圧Vz よりも低くなるた
め、点火位置は制御信号Vq の立上り位置θ21,θ22に
固定される。従って、図8の点火装置を用いた場合に
は、図12の折れ線aのように、進角開始回転速度Ns1
と進角終了回転速度Ns2との間で点火位置が徐々に進角
していく点火特性を得ることができる。
【0059】図10は本発明に係わる点火装置の更に他
の構成例の要部を示したもので、図10の回路のC点な
いしJ点の各部の信号波形をそれぞれ図11(C)ない
し(J)に示してある。
【0060】図10に示した点火装置は、図8に示した
点火位置制御装置18の制御信号発生回路18Aを、図
5に示した制御信号発生回路18Aで置き換えたもので
あり、その他の点は図8に示した例と全く同様に構成さ
れている。
【0061】図10に示した点火装置では、図11
(F)に示すように、制御信号Vq が第1の矩形波信号
V1 の立下がり位置θ11,θ12から第2の矩形波信号V
2 の立下がり位置θ21,θ22までの間高レベルの状態を
保持し、この制御信号が発生している間、定電流放電回
路18Gが積分コンデンサCi を定電流放電させる。従
って、積分電圧Vi の波形は、図11(J)のようにな
る。
【0062】図10に示した点火装置において、機関の
回転速度が進角開始回転速度Ns1よりも低いときには、
制御信号Vq が発生している区間で積分電圧Vi が基準
電圧Vz を超えているため、トランジスタTr5が導通状
態を保持して、制御信号Vqによりオア回路18Fに第
2の点火位置信号Vg2が与えられるのを阻止している。
従って、機関の回転速度が進角開始回転速度Ns1よりも
低い状態では、パルス信号Vp の立下がり位置(設定位
置)θ01,θ02で第1の点火位置信号Vg1が発生したと
きに点火回路(図8には図示せず)に点火信号が与えら
れる。
【0063】回転速度が進角開始回転速度Ns1に達する
と、図11に破線で示したように積分電圧Vi が制御信
号Vq の立下がり位置θ21,θ22で基準電圧Vz よりも
低くなって、トランジスタTr5が遮断状態になるため、
制御信号の立下がり位置θ21,θ22まで点火位置がステ
ップ状に進角する。回転速度が更に上昇していくと、積
分電圧Vi が低くなっていくため、該積分電圧Vi が基
準電圧Vz よりも低くなる位置が進んでいき、点火位置
が進角していく。回転速度が進角終了速度Ns2に達する
と、制御信号Vq の立上り位置θ11,θ21よりも進んだ
位置で積分電圧Vi が基準電圧Vz よりも低くなるた
め、点火位置は制御信号Vq の立上り位置θ11,θ21に
固定される。従って、図10に示した点火装置を用いた
場合には、図12の折れ線bのような点火特性を得るこ
とができる。
【0064】図3,図5、図8,図10にそれぞれ示し
た点火装置において、トランジスタTr5とツェナーダイ
オードZDとからなる部分は、積分電圧Vi が反転入力
端子(−端子)に入力された比較器と、直流電源の出力
を分圧することにより基準電圧を発生させて、該基準電
圧を上記比較器の非反転入力端子(+端子)に与える基
準電圧発生回路とにより構成することができる。
【0065】上記の例に示したように、磁石発電機の回
転子を構成する多極の磁石回転子を信号発生装置のロー
タとして利用するようにすると、信号発生装置用のロー
タを特別に構成する必要がないため、構成を簡単にする
ことができるが、本発明においては、第1及び第2の磁
気検出素子が検出する磁束を交番させるようにロータを
設ければよいので、上記のように磁石回転子を信号発生
装置のロータとして利用する場合に限定されるものでは
ない。例えば磁石回転子1を構成するフライホイール2
の外周にリラクタを形成して、該リラクタを形成したフ
ライホイールを信号発生装置のロータとして用いること
により磁気検出素子が検出する磁束を交番させるように
してもよい。
【0066】例えば図13に示したように、T字形の鉄
心101と、鉄心101の継鉄部101aの中央に形成
された脚部101bの先端に取り付けられた磁気検出素
子11と、鉄心101の継鉄部101aの一端及び他端
にそれぞれ向きを異ならせて取り付けた磁石102及び
103と、磁石102、磁気検出素子11及び磁石10
3のそれぞれの先端に取り付けられた極片部104ない
し106とにより信号発電子110を構成して、フライ
ホイール2の外周に形成したリラクタ200を信号発電
子110の極片部104ないし106に対向させること
によっても、磁気検出素子11が検出する磁束を交番さ
せて該磁気検出素子11から矩形波信号を発生させるこ
とができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機関の
回転速度が進角開始回転速度よりも低い領域では、機関
の上死点付近で点火を行わせ、回転速度が進角開始回転
速度に達した時に点火位置をパルス信号の立上り位置よ
りも更に進んだ位置までステップ状に進角させるか、ま
たは回転速度の上昇に伴って徐々に進角させることがで
きるため、信号発生装置の第1及び第2の磁気検出素子
の間の角度間隔を広くすることなく進角幅を拡大するこ
とができる。従って、信号発生装置を大形にすることな
く広い進角幅を有する点火特性を得ることができる。
【0068】また本発明によれば、第1及び第2の磁気
検出素子の間の角度間隔を変更することなく、両磁気検
出素子の間の角度間隔よりも広い進角幅を有する種々の
点火特性を得ることができるため、進角幅の変更に容易
に対処することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関点火装置で用いる磁石
発電機の構成を示した構成図である。
【図2】図1の要部の断面図である。
【図3】本発明に係わる内燃機関点火装置の回路構成例
を示した回路図である。
【図4】図3に示した回路の各部の信号波形を示す信号
波形図である。
【図5】本発明に係わる内燃機関点火装置の他の回路構
成例の要部を示した回路図である。
【図6】図5に示した回路の各部の信号波形を示した波
形図である。
【図7】図3及び図5に示した点火装置により得られる
点火特性を示した線図である。
【図8】本発明に係わる内燃機関点火装置の更に他の回
路構成例の要部を示した回路図である。
【図9】図8の点火装置の各部の信号波形を示した波形
図である。
【図10】本発明に係わる内燃機関点火装置の更に他の
回路構成例の要部を示した回路図である。
【図11】図10の点火装置の各部の信号波形を示した
波形図である。
【図12】図8及び図10の点火装置により得られる点
火特性を示した線図である。
【図13】本発明で用いることができる信号発生器の変
形例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 磁石回転子 2 フライホイール 3a〜3d 永久磁石 5,6 電機子鉄心 7 発電コイル(エキサイタコイル) 8 発電コイル 9 信号発生器 11 第1の磁気検出素子 12 第2の磁気検出素子 13 点火回路 16 信号発生装置 17 波形整形回路 18 点火位置制御装置 18A 制御信号発生回路 18B 第1の点火位置信号発生回路 18C 積分回路 18D リセット回路 18E 第2の点火位置信号発生回路 18F オア回路 18G 定電流放電回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられた時に内燃機関の気
    筒に取り付けられた点火プラグに印加するための点火用
    高電圧を発生する点火回路と、 内燃機関の回転方向の後方側及び前方側に互いに位置を
    ずらした状態で配置されて磁束の交番を検出した時にレ
    ベルが変化する第1及び第2の矩形波信号をそれぞれ発
    生する第1及び第2の磁気検出素子と、内燃機関の回転
    に伴って前記第1及び第2の磁気検出素子が検出する磁
    束を交番させるロータと、前記第1の磁気検出素子が発
    生する第1の矩形波信号と第2の磁気検出素子が発生す
    る第2の矩形波信号とに論理演算を施して第1及び第2
    の矩形波信号の一方が低レベルの状態にあり他方が高レ
    ベルの状態にある期間高レベルの状態を保持するパルス
    信号を発生する波形整形回路とを備えた信号発生装置
    と、 前記信号発生装置の出力に基づいて決定した内燃機関の
    点火位置で前記点火回路に点火信号を与える点火位置制
    御装置とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記パルス信号の立下り位置が内燃機関の上死点付近の
    設定位置に一致するように前記信号発生装置が構成さ
    れ、 前記点火位置制御装置は、前記第1の矩形波信号と第2
    の矩形波信号とに論理演算を施して前記パルス信号の立
    上り位置よりも位相が進んだ位置で生じる前記第1の矩
    形波信号のレベル変化位置または第2の矩形波信号のレ
    ベル変化位置で立上がり、前記パルス信号の立下がり位
    置までの間に立下がる矩形波状の制御信号を発生する制
    御信号発生回路と、前記パルス信号の立下りを検出して
    第1の点火位置信号を発生させる第1の点火位置信号発
    生回路と、積分コンデンサと該積分コンデンサを定電流
    充電する充電回路とからなっていて前記積分コンデンサ
    の両端に所定の傾きで上昇する積分電圧を発生させる積
    分回路と、前記第1の点火位置信号が発生した時に前記
    積分コンデンサに蓄積されている電荷をほぼ瞬時に放電
    させるリセット回路と、前記制御信号が発生している状
    態で前記積分電圧が基準電圧よりも低くなった時に第2
    の点火位置信号を発生する第2の点火位置信号発生回路
    と、前記第1の点火位置信号及び第2の点火位置信号の
    いずれか一方が入力された時に前記点火回路に点火信号
    を与えるオア回路とを具備し、 前記内燃機関の回転速度が進角開始回転速度よりも低い
    時には前記制御信号が発生している区間で前記積分電圧
    が基準電圧よりも高くなっており、前記回転速度が進角
    開始回転速度に達した時に前記制御信号の立上り位置で
    前記積分電圧が基準電圧よりも低くなるように前記積分
    回路の定数と前記基準電圧のレベルとが設定されている
    ことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 点火信号が与えられた時に内燃機関の気
    筒に取り付けられた点火プラグに印加するための点火用
    高電圧を発生する点火回路と、 内燃機関の回転方向の後方側及び前方側に互いに位置を
    ずらした状態で配置されて磁束の交番を検出した時にレ
    ベルが変化する第1及び第2の矩形波信号をそれぞれ発
    生する第1及び第2の磁気検出素子と、内燃機関の回転
    に伴って前記第1及び第2の磁気検出素子が検出する磁
    束を交番させるロータと、前記第1の磁気検出素子が発
    生する第1の矩形波信号と第2の磁気検出素子が発生す
    る第2の矩形波信号とに論理演算を施して第1及び第2
    の矩形波信号の一方が低レベルの状態にあり他方が高レ
    ベルの状態にある期間高レベルの状態を保持するパルス
    信号を発生する波形整形回路とを備えた信号発生装置
    と、 前記信号発生装置の出力に基づいて決定した内燃機関の
    点火位置で前記点火回路に点火信号を与える点火位置制
    御装置とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記パルス信号の立下り位置が内燃機関の上死点付近の
    設定位置に一致するように前記信号発生装置が構成さ
    れ、 前記点火位置制御装置は、前記第1の矩形波信号と第2
    の矩形波信号とに論理演算を施して前記パルス信号の立
    上り位置よりも位相が進んだ位置で生じる前記第1の矩
    形波信号のレベル変化位置または第2の矩形波信号のレ
    ベル変化位置で立上がり、前記パルス信号の立下がり位
    置までの間に立下がる矩形波状の制御信号を発生する制
    御信号発生回路と、前記パルス信号の立下りを検出して
    第1の点火位置信号を発生させる第1の点火位置信号発
    生回路と、積分コンデンサと該積分コンデンサを定電流
    充電する充電回路と前記制御信号が発生している間前記
    積分コンデンサを定電流放電させる放電回路とからなっ
    ていて定電流充電が行われる期間一定の傾きで上昇し、
    定電流放電が行われる期間一定の傾きで下降する積分電
    圧を前記積分コンデンサの両端に発生させる積分回路
    と、前記第1の点火位置信号が発生した時に前記積分コ
    ンデンサに蓄積されている電荷をほぼ瞬時に放電させる
    リセット回路と、前記制御信号が発生している状態で前
    記積分電圧が基準電圧よりも低くなった時に第2の点火
    位置信号を発生する第2の点火位置信号発生回路と、前
    記第1の点火位置信号及び第2の点火位置信号のいずれ
    か一方が入力された時に前記点火回路に点火信号を与え
    るオア回路とを具備し、 前記内燃機関の回転速度が進角開始回転速度よりも低い
    ときには前記制御信号が発生している区間で前記積分電
    圧が基準電圧以上になっており、前記回転速度が進角開
    始回転速度に達した時に前記制御信号が立下がる位置で
    前記積分電圧が前記基準電圧よりも低くなるように前記
    積分回路の定数と前記基準電圧のレベルとが設定されて
    いることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記信号発生装置のロータは、カップ状
    のフライホイールの周壁部の内周に永久磁石を取り付け
    て多極の磁石界磁を構成した磁石回転子からなり、 前記第1及び第2の磁気検出素子は前記磁石回転子の内
    側に配置されて前記磁石回転子から生じる磁束を検出す
    るように設けられていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の内燃機関点火装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の点火位置信号発生回路は、 前記積分電圧を前記基準電圧と比較して積分電圧が基準
    電圧よりも低くなった時に高レベルの点火指令信号を発
    生し、前記積分電圧が基準電圧以上になった時に該高レ
    ベルの点火指令信号を消滅させる点火指令信号発生回路
    と、前記制御信号と点火指令信号とを入力として、前記
    制御信号が発生している状態で前記点火指令信号が発生
    した時に前記第2の点火位置信号を出力するアンド回路
    とを備えていることを特徴とする請求項1,2または3
    のいずれかに記載の内燃機関点火装置。
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