JP3060859B2 - 内燃機関点火装置用信号発生装置 - Google Patents

内燃機関点火装置用信号発生装置

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JP3060859B2
JP3060859B2 JP6280834A JP28083494A JP3060859B2 JP 3060859 B2 JP3060859 B2 JP 3060859B2 JP 6280834 A JP6280834 A JP 6280834A JP 28083494 A JP28083494 A JP 28083494A JP 3060859 B2 JP3060859 B2 JP 3060859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の点火時期を
定めるための信号を発生する内燃機関点火装置用信号発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関の点火装置で
は、機関の特定の回転角度位置で信号発生装置から点火
信号を発生させて、この点火信号により半導体スイッチ
を動作させ、この半導体スイッチの動作により点火コイ
ルの1次電流を急変させて、該点火コイルの2次コイル
に点火用の高電圧を誘起させるようにしている。また、
信号発生装置から出力される矩形波信号を機関の点火時
期の最大進角位置及び最小進角位置を検出する信号とし
て、該矩形波信号を用いて機関の回転速度に応じて点火
信号の進角制御を行なわせるようにしたものも知られて
いる。
【0003】点火信号を発生する信号発生装置としては
種々のものが実用されているが、その1つとしてホール
素子等の磁気検出素子を用いたものがある。
【0004】従来のこの種の信号発生装置では、フライ
ホイール磁石回転子の外周部にリラクタを設けるととも
に、小形の永久磁石と鉄心とからなる磁気回路の一部に
磁気検出素子を配置した信号発生用の固定子をリラクタ
に近接して配置して、リラクタによる磁束の変化に応じ
て磁気検出素子に点火信号を発生させるようにしてい
る。
【0005】また実開平5−7968号(実願平3−7
7422号)に示されたものでは、磁石回転子の周方向
に間隔をあけた状態で該磁石回転子の磁極に対向させた
2つの磁気検出素子をそれぞれ電機子鉄心の磁極部に取
り付け、この磁気検出素子により磁石回転子から生ずる
磁束の変化を検出して低レベルと高レベルの2つの状態
を示す矩形波信号をそれぞれ出力させて、両磁気検出素
子の出力が同時に高レベルまたは低レベルになっている
間内燃機関の点火時期を定めるための信号を信号出力回
路から出力させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の内燃機関点火装
置用信号発生装置の内、フライホイール磁石回転子の外
周部にリラクタを設けるものにおいては、フライホイー
ルの加工が面倒になる上に、信号発生器を磁石発電機の
固定子とは別の箇所に配設する必要があるため、磁石発
電機の構造が複雑になるという問題があった。
【0007】また、磁石発電機の電機子鉄心の磁極部に
磁気検出素子を配置するようにしたものにおいては、2
個の磁気検出素子の間の間隔が電機子鉄心の磁極間隔に
よりほぼ決まるため、磁気検出素子相互間の間隔の選定
が制限されるという問題があった。更にこの場合、2個
の磁気検出素子をそれぞれ個別に位置決め固定する必要
があるため、磁気検出素子の取付が面倒になるという問
題があり、また、信号発生装置を磁石発電機内に組み込
む際に磁気検出素子相互間の結線と磁気検出素子と信号
出力回路との間の結線とを行なう必要があるため、磁石
発電機内で結線が錯綜し、信号発生装置の周辺の構造が
複雑になるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、磁石発電機の構造を複雑
にしたり回転子の加工を面倒にしたりすることがなく、
また磁石発電機に組み込む際に磁気検出素子の位置決め
や該磁気検出素子と信号出力回路との間の結線を行なう
必要がないようにした内燃機関点火装置用信号発生装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる信号発生
装置は、極弧角が等しい4個の磁極を等角度間隔で有し
て隣り合う磁極が異なる極性を呈するように各磁極が着
磁された4極の磁石回転子と、この磁石回転子により与
えられる磁束変化を検出して磁石回転子の特定の回転角
度位置でパルス信号を発生する信号発生器とにより構成
される。
【0010】上記信号発生器は、磁石回転子の磁極に対
向する位置に磁石回転子の磁極間の角度間隔よりも小さ
い角度間隔をあけて配置されて、磁石回転子により与え
られる磁束が一方の極性から他方の極性のピークに向か
って変化する過程、及び他方の極性から一方の極性のピ
ークに向かって変化する過程でそれぞれレベルが変化す
る矩形波信号を出力する第1及び第2の磁気検出素子
と、該第1及び第2の磁気検出素子の出力を入力として
両磁気検出素子の一方の出力が低レベルの状態にあり他
方の出力が高レベルの状態にある期間高レベルの状態を
とる信号を前記パルス信号として出力する波形整形用演
算回路とを備えている。波形整形用演算回路を構成する
部品はプリント基板に装着し、該プリント基板に前記第
1及び第2の磁気検出素子を固定する。プリント基板は
第1及び第2の磁気検出素子とともに非磁性材料からな
るケース内に収納し、ケース内に注型された樹脂により
第1及び第2の磁気検出素子とプリント基板とをケース
に対して固定する。
【0011】上記の波形整形用演算回路は、第1及び第
2の磁気検出素子の一方の出力を反転させて第1の矩形
波信号を出力する反転回路と、該第1の矩形波信号と第
1及び第2の磁気検出素子の他方から得られる第2の矩
形波信号とを入力として、第1及び第2の矩形波信号の
アンド条件が成立したときにパルス信号を発生するアン
ド回路とから構成することができる。
【0012】上記第1及び第2の磁気検出素子はホール
ICにより構成することができる。
【0013】
【作用】上記のように、磁石回転子の磁極間の角度間隔
よりも小さい角度間隔をあけて第1及び第2の磁気検出
素子を配置して、一方の磁気検出素子の出力を反転させ
た第1の矩形波信号と他方の磁気検出素子から得られる
第2の矩形波信号とのアンド条件が成立したときにパル
ス信号を発生させるようにすると、該パルス信号は第1
及び第2の磁気検出素子の間の角度間隔に等しいパルス
幅を有して磁石回転子の特定の回転角度位置で1回転に
つき2回発生する矩形波信号とすることができる。
【0014】第1及び第2の磁気検出素子は、信号発生
器のケース内で位置決めされてプリント基板に装着され
た波形整形用演算回路の構成部品に接続された状態でプ
リント基板とともにケースに対して固定されているの
で、磁石発電機内に信号発生器を配置するだけで磁気検
出素子の位置決めが容易にでき、かつ面倒な結線を必要
としない。
【0015】また磁気検出素子を通る磁束を変化させる
ためのリラクタを必要としないため、リラクタを形成す
るための面倒な加工を省略することができる。
【0016】
【実施例】図1ないし図6は本発明を2サイクル2気筒
内燃機関点火装置用の点火信号を発生する信号発生装置
に適用した場合の実施例を示したもので、図1及び図2
は本実施例で用いる磁石発電機の構成を示した構成図、
図3は信号発生器を点火回路に接続した状態を示した回
路図、また図4ないし図6は信号発生器の構造を示した
図である。
【0017】図1及び図2において1は図示しない内燃
機関の回転軸に取付けられる磁石回転子で、この磁石回
転子は、磁性材料からなるほぼカップ状のフライホイー
ル2と、該フライホイールの周壁部2aの内周に取付け
られた4個の永久磁石3a〜3dと、フライホイールの
底壁部2bの中央部に設けられたボス部4とからなる。
4個の永久磁石3a〜3dは極弧角(各磁石の円弧角)
が等しく形成されて、周方向に等角度間隔で配列され、
永久磁石3a〜3dは、隣り合う磁極が異なる極性を呈
するように交互に着磁方向を異ならせて径方向に着磁さ
れている。ボス部4には機関の回転軸に設けられたテー
パ部を嵌合させるためのテーパ孔4a(図2参照)が形
成されている。
【0018】5及び6はそれぞれ磁石回転子1の隣り合
う磁極に対向する磁極部5a,5b及び6a,6bをそ
れぞれの両端に有するI字形の電機子鉄心で、各電機子
鉄心は、所定の形状に打ち抜いて形成した鋼板を積層し
たものからなっている。電機子鉄心5及び6は、磁極部
5a,5b及び6a,6bをそれぞれ貫通させて貫通孔
5c,5d及び6c,6dが設けられ、これらの貫通孔
を通して図示しない機関のクランクケースに設けられた
固定子取付け部あるいはクランクケースに装着された図
示しない固定子台板にねじ込まれたネジにより、電機子
鉄心5及び6が機関に取付けられる。7は電機子鉄心5
に巻かれた点火電源コイルとしてのエキサイタコイル、
8は電機子鉄心6に巻かれた発電コイルで、発電コイル
8は点灯負荷やバッテリ充電回路を駆動するために用い
られる。
【0019】9は信号発生器で、この信号発生器9は、
そのケース10に設けられた取付け孔に挿入されたネジ
により図示しない機関のクランクケースに設けられた固
定子取付け部あるいはクランクケースに装着される図示
しない固定子台板に固定される。
【0020】11及び12は信号発生器のケース10内
に固定されたホールIC等からなる第1及び第2の磁気
検出素子で、これらの磁気検出素子は磁石回転子1の磁
極に対向する位置に、磁石回転子の磁極間の角度間隔
(90°)よりも小さい角度間隔αをあけて配置されて
いる。磁気検出素子11及び12は、磁束の交番を検出
して矩形波信号を発生する磁束交番形の磁気検出素子
で、磁石回転子1の磁極から流れる磁束が一方の極性
(例えばS極性)から他方の極性(例えばN極性)のピ
ークに向って変化する過程で高レベルになり、磁束が他
方の極性(例えばN極性)から一方の極性(例えばS極
性)のピークに向って変化する過程で低レベルになる矩
形波信号を出力する。このような磁気検出素子としては
ホールICを用いることができる。
【0021】4極の磁石回転子を用いた本実施例では、
第1及び第2の磁気検出素子11及び12が互いに位相
差αをもって磁石回転子1の1回転につき2サイクルの
矩形波信号を出力する。この例ではこれらの両矩形波信
号のうち、第1の磁気検出素子11から出力される位相
が進んだ方の一方の矩形波信号が高レベルから低レベル
に変化する角度位置が内燃機関の点火位置に一致するよ
うに該第1の磁気検出素子11の回転角度位置が選定さ
れている。
【0022】図3は上記磁気検出素子11及び12から
得られる信号を用いて点火動作を行なう点火装置の構成
を示したもので、同図において、13は機関の第1及び
第2の気筒の点火プラグ14及び15に点火電圧を供給
する点火回路、16は磁気検出素子11及び12がそれ
ぞれ出力する矩形波信号V1 及びV2 を入力としてパル
ス信号Vp を発生し、該パルス信号を点火回路13に点
火信号として供給する波形整形用演算回路である。第1
及び第2の磁気検出信号11及び12と、波形整形用演
算回路16とにより信号発生器9が構成されており、該
信号発生器の電源入力端子17には、図示しないバッテ
リの電圧あるいはエキサイタコイル7の負方向(図示破
線矢印方向)電圧を整流することにより得た直流電圧が
印加され、該直流電圧により磁気検出素子11及び12
と波形整形用演算回路16とが駆動されるようになって
いる。
【0023】波形整形用演算回路16は、PNPトラン
ジスタTr1と抵抗R1 及びR2 とからなる反転回路と、
抵抗R3 及びR4 と、アンド回路18とにより構成され
ている。反転回路は第1の磁気検出素子11が出力する
矩形波信号出力V1 のレベルを反転させて第1の矩形波
信号V1 ´を出力する。この第1の矩形波信号V1 ´は
抵抗R3 を通してアンド回路18の一方の入力端子に入
力されている。また第2の磁気検出素子12から得られ
る矩形波信号が第2の矩形波信号V2 として、抵抗R4
を通してアンド回路18の他方の入力端子に入力されて
いる。
【0024】本実施例では、第1及び第2の矩形波信号
V1 ´及びV2 が同時に高レベルの状態になっている間
(第1の磁気検出素子11が出力する矩形波信号V1 が
低レベルの状態にあり第2の磁気検出素子12が出力す
る矩形波信号V2 が高レベルの状態にある期間)高レベ
ルの状態をとるパルス信号Vp が信号発生器9から出力
される。
【0025】本実施例における点火回路13は、1次コ
イル19aと2次コイル19bとが鉄心に巻かれた点火
コイル19と、点火エネルギー蓄積用コンデンサC1
と、該コンデンサC1 に充電電流を供給するエキサイタ
コイル7と、エキサイタコイル7の出力を整流するダイ
オードD1 と、点火信号が与えられたときに導通してコ
ンデンサC1 の電荷を点火コイルの1次コイル19aに
放電させるサイリスタTh1と、該サイリスタのゲートカ
ソード間に接続された抵抗R5 とからなる周知のコンデ
ンサ放電形の回路である。この例では、内燃機関が2気
筒2サイクル機関であり、点火コイルの2次コイル19
bの両端はそれぞれ機関の第1気筒の点火プラグ14及
び第2気筒の点火プラグ15の非接地側端子に接続され
ている。
【0026】この点火回路においては、点火プラグ14
及び15に同時に火花が生じるが、2サイクル機関にお
いては、一方の点火プラグが取付けられた気筒が圧縮行
程にあるときに、他方の気筒は排気行程にあるため、両
点火プラグに同時に火花が生じても支障を来さない。
【0027】図4ないし図6は本実施例で用いる信号発
生器9の構造を示したもので、図4は信号発生器の正面
図,図5は図4のA−A線断面図、また図6(A)は信
号発生器本体部の上面図、同図(B)は(A)のB−B
線断面図である。これらの図において20はプリント基
板で、該プリント基板には図3に示した波形整形用演算
回路16を構成する部品(図示せず。)が装着されてい
る。また第1及び第2の磁気検出素子11及び12は、
樹脂からなる位置決めホルダー21により相互間の角度
間隔がαに等しくなるように位置決めされた状態でプリ
ント基板のプリント回路に半田付けにより接続されてい
る。プリント基板20からは、信号発生器の3本の入出
力導線22a,22b及び22cがグロメット23を通
して導出されている。第1及び第2の磁気検出素子11
及び12と、波形整形用演算回路の構成部品が装着され
たプリント基板20と、位置決めホルダー21と、導線
22a〜22cと、グロメット23とにより信号発生器
本体24[図6(A),(B)参照]が構成されてい
る。10は樹脂等の非磁性材料からなるケースで、該ケ
ースは、一面が開口した箱状部10aと、この箱状部の
両側に形成された耳部10b及び10cとを有し、耳部
10b及び10cにはそれぞれ信号発生器9を機関のク
ランクケースに設けられた固定子取付け部あるいは固定
子台板にねじ止めするための取付け孔10d,10eが
形成されている。信号発生器本体24は、ケース10の
箱状部10aの内側に収納されて、該ケース内に注型さ
れた樹脂25によりケースに対して固定されている。
【0028】図7は上記実施例の各部の信号波形を、磁
石回転子1の回転角θを横軸にとって示したものであ
る。磁石回転子1が図1に示した位置(θ=θ0 )から
図示の矢印方向に回転すると、図7(A)に示したよう
に、エキサイタコイル7の鉄心を通る磁束φe は1回転
につき2サイクルの変化をする。また第1及び第2の磁
気検出素子11及び12をそれぞれ流れる磁束φ1 及び
φ2 は、図7(B)及び(D)に示したように、位相差
αをもって一方の極性と他方の極性との間を交番して1
回転につき2サイクルの変化をする。磁気検出素子11
及び12の出力V1 及びV2 は、磁束φ1 及びφ2 がそ
れぞれ一方の極性から他方の極性に交番して回転角θ1
及びθ2 の位置とθ5 及びθ6 の位置とで磁気検出素子
の駆動レベル+φd に達した際に低レベルになり、磁束
φ1 及びφ2 がそれぞれ他方の極性から一方の極性に交
番して回転角がθ3 及びθ4 の位置とθ7 及びθ8 の位
置とで磁気検出素子の駆動レベル−φd に達した際に高
レベルになるので、出力V1及びV2 は、互い位相差α
をもち、1回転につき2サイクルの変化をする矩形波信
号[図7(C)及び(E)参照]となる。第1の磁気検
出素子11が発生する矩形波信号V1 は、波形整形用演
算回路16の反転回路により反転させられて、第1の矩
形波信号V1 ´[図7(F)]としてアンド回路18に
入力される。
【0029】従って、第1の矩形波信号V1 ´と第2の
磁気検出素子12から得られる第2の矩形波信号V2 と
は、回転角θがθ1 からθ2 までの区間(θ2 −θ1 =
α)及びθ5 からθ6 までの区間(θ6 −θ5 =α)だ
け同時に高レベルになって、これらの両期間波形整形用
演算算回路16からパルス幅αをもつパルス信号VP
[図7(G)]が出力される。点火回路13の点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサC1 は、磁束φe の変化により
エキサイタコイル7に誘起する電圧の正方向(図1の実
線矢示方向)の半波により図示の極性に充電されて、該
コンデンサの端子電圧Vc1[図7(H)]が上昇してい
く。回転角θ1 及びθ5 の位置においてサイリスタTh1
にパルス信号Vp が点火信号として与えられると、該サ
イリスタが導通してコンデンサC1 の電荷がサイリスタ
Th1と点火コイルの1次コイル19aとを通して放電
し、これにより点火コイルの2次コイル19bに高電圧
が誘起する。回転角θ1 の位置で生ずる高電圧により、
圧縮行程にある一方の気筒の点火が行なわれ、回転角θ
5 の位置で生ずる高電圧により、圧縮行程にある他方の
気筒の点火が行われる。
【0030】上記の実施例においては、電機子鉄心とし
てI字形の鉄心を用いているが、電機子鉄心として環状
の継鉄部から放射状に突極部が形成された4極星形鉄心
を用い、該突極部の1個または2個に点火電源用のエキ
サイタコイルを巻回してもよい。
【0031】上記の実施例においては、点火コイルの2
次コイル19bの両端がそれぞれ2サイクル2気筒内燃
機関の第1及び第2の気筒の点火プラグ14及び15に
接続されているが、2サイクル単気筒内燃機関に用いる
点火回路の場合には、点火コイルの2次コイルの一端を
接地し、他端を点火プラグに接続する。
【0032】また図3に示した回路においては、点火回
路としてコンデンサ放電形の回路を用いたが、電流遮断
形の点火回路の点火信号を与える場合にも本発明の信号
発生装置を用いることができる。図8はその例を示した
もので、この例では、電機子鉄心5に巻かれた1次コイ
ル19a及び2次コイル19bからなる点火コイル19
と、スイッチングトランジスタTr2とサイリスTh2と抵
抗R6 〜R8 とからなる1次電流制御回路26とにより
公知の電流遮断形の点火回路27が構成されている。こ
の点火回路においては、磁石回転子1の回転により生じ
た1次コイル19aの誘起電圧でトランジスタTr2が導
通して1次電流が確立されたのち、信号発生器9から出
力されるパルス信号Vp がサイリスタTh2のゲートに点
火信号として印加されて該サイリスタが導通するとトラ
ンジスタTr2が遮断状態にされる。このトランジスタT
r2の遮断により2次コイル19bに高電圧が誘起し、該
高電圧により点火プラグ14に火花が飛ぶ。
【0033】図3及び図8に示した回路では、信号発生
器から出力されるパルス信号Vp が点火信号として点火
回路に与えられたが、信号発生器から出力されるパルス
信号を点火進角制御の進角幅決定用パルス信号として用
いることもできる。図9はその回路の一例を示したもの
で、同図において、13は点火回路、9は信号発生器、
28は信号発生器9の出力パルス信号を用いて機関の回
転速度の上昇とともに点火位置を進角させる点火信号V
G を点火回路13に与える点火進角制御回路である。
【0034】図9に示した点火回路13は図3に示した
点火回路と同様であり、また本実施例における信号発生
器9は、図10(A)に示すようにそれぞれ機関の最大
進角位置θ1 及びθ3 から最小進角位置θ2 及びθ4 ま
での期間高レベルの状態を呈して進角幅αに等しいパル
ス幅を有する進角幅決定用パルス信号Vp を出力するよ
うに第1及び第2の磁気検出素子11及び12の取り付
け位置が選定されている。
【0035】点火進角制御回路28は公知の回路からな
り、進角幅決定用パルス信号Vp を入力として最小進角
位置θ2 及びθ4 で低速時用点火タイミングパルスVp1
[図10(C)]を発生する低速時用タイミングパルス
発生回路29と、積分コンデンサC2 と、低速時用点火
タイミングパルスVp1がダイオードD2 を介して入力さ
れたときに積分コンデンサC2 を瞬時に放電させるリセ
ット回路30と、図示しない直流電源から定電流回路3
1とダイオードD3 とを通して積分コンデンサC2 を一
定の割合で充電する充電回路と、定電流回路32とトラ
ンジスタからなるスイッチ回路33とからなっていて、
進角幅決定用パルス信号Vp が発生している期間積分コ
ンデンサC2 を一定の割合で放電させる放電回路と、基
準電圧Vr を発生する基準電圧発生回路34と、積分コ
ンデンサの両端に得られる積分電圧Vc2[図10
(B)]を基準電圧Vr と比較して該積分電圧Vc2が基
準電圧Vr よりも低いときに進角制御信号Vs [図10
(D)]を発生する比較器からなる進角制御信号発生回
路35と、アンド回路36及びダイオードD4 ,D5 か
らなっていて、進角幅決定用パルス信号Vp が発生して
いる間に進角制御信号Vsが発生したとき、または低速
時用タイミングパルスVp1が発生したときに点火信号V
G [図10(E)]を出力する点火信号発生回路37と
を備えている。
【0036】図10(B),(D)及び(E)に破線で
示した波形Vc2´,Vs ´及びVG´はそれぞれ機関の
回転数が高い場合の積分コンデンサの積分電圧,進角制
御信号及び点火信号であり、この点火信号の発生位置
(点火位置)は図11に示すように、所定の進角開始回
転数N1 から進角終了回転数N2 までの間で最小進角位
置θ2 (θ4 )から最大進角θ1 (θ3 )まで進角す
る。進角開始回転数N1 以下の回転数では低速時用点火
タイミングパルスVp1が点火信号VG となり、また進角
終了回転数N2 以上の回転数では進角幅決定用パルス信
号Vp が点火信号VG となって、点火位置がそれぞれ一
定に保たれる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁石回
転子の磁極間の角度間隔よりも小さい角度間隔を有する
ように位置決めされて、磁石回転子から生ずる磁束の変
化を検出することにより低レベルと高レベルの2つの状
態を示す信号を出力する第1及び第2の磁気検出素子
と、両磁気検出素子の一方の出力が低レベルの状態にあ
り他方の出力が高レベルの状態にある期間高レベルの状
態をとるパルス信号を出力する波形整形用演算回路の構
成部品を装着したプリント基板とをケース内に固定して
信号発生器を構成したので、信号発生用の特別な永久磁
石やリラクタを必要とせずに2サイクル内燃機関の点火
位置を定める点火信号や点火位置の進角範囲を定めるた
めの信号を発生させることができ、磁石発電機の構造が
複雑になるのを防ぐことができる。
【0038】また本発明によれば、磁気検出素子と波形
整形用演算回路の構成部品を装着したプリント基板とを
ケース内に収納して樹脂により固定したので、信号発生
装置を機関に組み込む際に第1及び第2の磁気検出素子
相互間の位置決めや各磁気検出素子と演算回路との間の
結線を行なう必要がなく、信号発生装置の組み込みを簡
単にすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる磁石発電機の構成を示
した構成図である。
【図2】図1のA−0−A線断面図である。
【図3】図1の実施例で用いる信号発生器の回路構成を
点火回路の構成とともに示した回路図である。
【図4】図1の実施例で用いる信号発生器の正面図であ
る。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】(A)及び(B)は図4の信号発生器に組込ま
れる信号発生器本体の構造を示したもので、(A)は上
面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図7】(A)ないし(H)は図3の回路の各部の信号
波形を示した波形図である。
【図8】図1の実施例で用いる他の点火回路の構成を信
号発生器の回路とともに示した回路図である。
【図9】本発明の他の実施例で用いる点火進角制御回路
の構成を信号発生器及び点火回路の回路構成とともに示
した回路図である。
【図10】(A)ないし(E)は図9における点火進角
制御回路の各部の信号波形を示した波形図である。
【図11】図9の実施例で得られる点火特性を示した線
図である。
【符号の説明】
1 磁石回転子 2 フライホイール 3a〜3d 永久磁石 5,6 電機子鉄心 7 発電コイル(エキサイタコイル) 8 発電コイル 9 信号発生器 10 ケース 11 第1の磁気検出素子 12 第2の磁気検出素子 13 点火回路 16 波形整形用演算回路 18 アンド回路 20 プリント基板 21 位置決めホルダー 27 点火回路 28 点火進角制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 7/067 301 - 303

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極弧角が等しい4個の磁極を等角度間隔
    で有して隣り合う磁極が異なる極性を呈するように各磁
    極が着磁された4極の磁石回転子と、前記磁石回転子に
    より与えられる磁束変化を検出して磁石回転子の特定の
    回転角度位置でパルス信号を発生する信号発生器とを備
    えた内燃機関点火装置用信号発生装置であって、 前記信号発生器は、 前記磁石回転子の磁極に対向する位置に磁石回転子の磁
    極間の角度間隔よりも小さい角度間隔をあけて配置され
    て、前記磁石回転子により与えられる磁束が一方の極性
    から他方の極性のピークに向かって変化する過程、及び
    他方の極性から一方の極性のピークに向かって変化する
    過程でそれぞれレベルが変化する矩形波信号を出力する
    第1及び第2の磁気検出素子と、 前記第1及び第2の磁気検出素子の出力を入力として両
    磁気検出素子の一方の出力が低レベルの状態にあり他方
    の出力が高レベルの状態にある期間高レベルの状態をと
    る信号を前記パルス信号として出力する波形整形用演算
    回路とを具備し、 前記波形整形用演算回路を構成する部品はプリント基板
    に装着されていて、該プリント基板に前記第1及び第2
    の磁気検出素子が固定され、 前記プリント基板は前記第1及び第2の磁気検出素子と
    ともに非磁性材料からなるケース内に収納され、 前記ケース内に注型された樹脂により前記第1及び第1
    の磁気検出素子とプリント基板とがケースに対して固定
    されていることを特徴とする内燃機関点火装置用信号発
    生装置。
  2. 【請求項2】 前記波形整形用演算回路は、 前記第1及び第2の磁気検出素子の一方の出力を反転さ
    せて第1の矩形波信号を出力する反転回路と、 前記第1の矩形波信号と、前記第1及び第2の磁気検出
    素子の他方から得られる第2の矩形波信号とを入力とし
    て、該第1及び第2の矩形波信号のアンド条件が成立し
    たときに前記パルス信号を発生するアンド回路とからな
    っていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関点
    火装置用信号発生装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の磁気検出素子はホー
    ルICからなっている請求項1または2に記載の内燃機
    関点火装置用信号発生装置。
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