JP2560032Y2 - 3気筒内燃機関用磁石発電機 - Google Patents

3気筒内燃機関用磁石発電機

Info

Publication number
JP2560032Y2
JP2560032Y2 JP6479292U JP6479292U JP2560032Y2 JP 2560032 Y2 JP2560032 Y2 JP 2560032Y2 JP 6479292 U JP6479292 U JP 6479292U JP 6479292 U JP6479292 U JP 6479292U JP 2560032 Y2 JP2560032 Y2 JP 2560032Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
signal
internal combustion
combustion engine
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6479292U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0628262U (ja
Inventor
達男 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusan Denki Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP6479292U priority Critical patent/JP2560032Y2/ja
Publication of JPH0628262U publication Critical patent/JPH0628262U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2560032Y2 publication Critical patent/JP2560032Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、2サイクル3気筒内燃
機関に用いるのに好適な磁石発電機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、点火装置や点灯負
荷等の他の負荷を駆動するために磁石発電機を用いてい
る。また内燃機関用の点火装置では、機関の所定の回転
角度位置で発生する制御信号を必要とするため、該制御
信号を発生する信号発電子を、点火電源用の発電コイル
及び他の負荷を駆動する発電コイルとともに磁石発電機
に内蔵することが行われている。
【0003】更に、磁石発電機内の発電コイルを点火電
源として内燃機関用点火装置を駆動する場合、1つの発
電コイルでは、機関の低速時及び高速時にともに満足な
点火性能を得ることが難しいため、点火電源用の発電コ
イルとして、機関の低速時に大きな出力を発生する低速
用の発電コイルと、機関の高速時に大きな出力を発生す
る高速用の発電コイルとの2つの発電コイルを設けるこ
とが行われている。
【0004】従って、内燃機関に取り付ける磁石発電機
では、点灯負荷等を駆動する発電コイルとともに、点火
電源用の2つの発電コイルと、信号発電子とを設けるこ
とが必要になることが多々ある。この場合、点火電源用
の2つの発電コイルは、同位相または逆位相の出力電圧
を発生する必要がある。
【0005】低速用の発電コイルと高速用の発電コイル
と信号発電子とを内蔵した2サイクル3気筒内燃機関に
取付ける磁石発電機として、図8に示したものが知られ
ている。この磁石発電機は、内燃機関の回転軸に取付け
られた図示しないカップ状のフライホイール(回転子ヨ
ーク)の内周に6個の円弧状の永久磁石1a〜1fを取
付けて6極の磁石界磁を等角度間隔で構成した周知の構
造の磁石回転子1と、磁石回転子1の磁極に対向する磁
極部を両端に有するI字形の鉄心2a〜2cにそれぞれ
発電コイル3a〜3cを巻回した構造を有して磁石回転
子の周方向に並べて配置された第1ないし第3の固定子
4a〜4cとを備えており、固定子4a〜4cは内燃機
関のケース等に固定された円板状の固定子台板5の上に
等角度間隔(120度間隔)で配置されている。固定子
台板5の中央には、内燃機関の回転軸に固定されたフラ
イホイールのボス部を貫通させるための孔501が設け
られている。台板5の外周部には、該台板を固定するボ
ルトを貫通させるための円弧状の長孔502が120度
間隔で3個設けられ、これらの長孔を利用して、台板5
の向きを微調整し得るようになっている。
【0006】磁石回転子1の磁石1a〜1fにそれぞれ
表示されたN,Sの記号はそれぞれの磁石の内周側の磁
極の極性を示しており、各磁石は回転子の半径方向に着
磁されている。
【0007】固定子の鉄心2a〜2cは所定の形状に打
ち抜かれた鋼板を積層したものからなっていて、ボルト
6により鉄製の台板5に固定されている。ここで第1及
び第2の固定子4a及び4bの発電コイル3a及び3b
は内燃機関用点火装置の電源として用いられ、第3の固
定子4cの発電コイル3cは、バッテリの充電回路や点
灯負荷等の点火装置以外の負荷に電力を供給する電源と
して用いられる。また発電コイル3a,3bの一方が、
内燃機関の点火時期を定めるための信号を発生する信号
源としても用いられる場合もある。発電コイル3a,3
bは、点火装置の構成に応じて、同位相の出力電圧を誘
起するか、または逆位相の出力電圧を誘起するように巻
回される。
【0008】固定子台板5上の固定子4aと4bとの間
に形成されたスペースに信号発電子7が固定され、固定
子4aと4cとの間のスペースに、固定子の発電コイル
3a〜3c及び信号発電子7から引き出された引出線に
接続された電線(図示せず。)を束ねて絶縁チューブで
被覆したものからなるワイヤハーネス8の端部が、台板
5にボルト止めされた固定金具9により固定されてい
る。
【0009】信号発電子7は鉄板を折り曲げたものから
なる鉄心701に信号コイル702を巻回したものから
なっていて、鉄心701の基端部がボルト10により台
板5に固定され、鉄心701の先端に形成された磁極部
703が磁石回転子1の磁極に対向させられている。こ
の信号発電子は、例えば内燃機関の逆転を防止するため
の制御信号を得るために用いられる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】図8に示した磁石発電
機では、固定子3aと3bとの間の狭いスペースに信号
発電子7を配置していたため、信号発電子がその両側の
固定子の影響を受けて信号波形が歪んだり、信号発電子
を強固に取付けることができなかったりするという問題
があった。また信号発電子7を取付けるためのスペース
が小さいため、該信号発電子の位置を調整することが困
難になることがあり、常に最適な位置で信号を発生する
ことが困難になることがあった。
【0011】そこで、図9に示すように、磁石回転子1
のヨークを構成するフライホイール100の外周にリラ
クタ101〜103を120度間隔で設けて、該フライ
ホイール100の外周に磁石を内蔵した信号発電子7´
を対向させ、磁石回転子1の内側には固定子4a〜4c
のみを配置した磁石発電機が多く用いらるようになって
いる。
【0012】しかしながらフライホイールの外周に内燃
機関の始動装置のピニオンギアを噛み合わせるためのリ
ングギアを取付ける場合には、該フライホイールの外周
にリラクタ101〜103を設けることができないた
め、図9の構造を採用することができなかった。
【0013】本考案の目的は、フライホイールの外周部
を利用することなく、磁石回転子の内側に信号発電子を
配置して、しかも信号波形を歪ませたり、信号発電子の
取付け強度の不足を来したりすることがないようにした
3気筒内燃機関用磁石発電機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本考案は、内燃機関の回
転軸に取付けられたカップ状のフライホイールの内周に
6極の磁石界磁を等角度間隔で形成してなる6極の磁石
回転子と、磁石回転子の磁極に対向する磁極部を両端に
有するI字形の鉄心に発電コイルを巻回した構造を有し
て磁石回転子の周方向に並べて配置された第1ないし第
3の固定子とを備えた3気筒内燃機関用磁石発電機に係
わるものである。
【0015】本考案においては、第1ないし第3の固定
子を、第1の固定子と第2の固定子との間の角度間隔及
び第2の固定子と第3の固定子との角度間隔を90度と
して配置し、磁石回転子の回転に同期して信号を発生す
る信号発電子を第1の固定子と第3の固定子との間のス
ペースに配置する。そして、互いに180度の角度間隔
を隔てて配置された第1及び第3の固定子の発電コイル
を内燃機関用点火装置の電源として用い、第2の固定子
の発電コイルを内燃機関用点火装置以外の負荷に電力を
供給するために用いる。
【0016】上記信号発電子は、磁石回転子の磁石界磁
から発生する磁束を検知して信号を発生する形式のもの
でも良く、磁石を内蔵して、リラクタにより生じさせら
れる磁束変化に応じて信号を発生する誘導子形のもので
も良い。誘導子形の信号発電子を用いる場合、リラクタ
は、例えば磁石回転子のヨークを構成するフライホイー
ルのボス部に設けることができる。
【0017】
【作用】上記のように、第1ないし第3の固定子を90
度間隔で配置すると、第1の固定子と第3の固定子との
間に大きなスペースが形成される。この大きなスペース
に信号発電子を配置するようにすると、信号発電子とそ
の両側の固定子との間の距離を大きくとることができる
ため、固定子の影響を少なくして信号波形の歪みを少な
くすることができる。また信号発電子を配置するための
スペースが大きくなるため、該信号発電子の取付部の寸
法に余裕を持たせることができ、信号発電子の取付強度
を高めることができる。
【0018】また点火装置の電源として用いる第1の固
定子及び第3の固定子は180度間隔で配置されている
ため、両固定子の発電コイルの巻き方向を適宜に設定す
ることにより、両固定子の発電コイルに同位相または逆
位相の電圧を発生させることができ、支障なく点火動作
を行わせることができる。
【0019】第2の固定子は第1の固定子及び第2の固
定子に対して90度の間隔で配置されているため、第2
の固定子の出力電圧は第1の固定子及び第3の固定子の
出力電圧と同位相または逆位相にならないが、第2の固
定子は点火装置以外の負荷を駆動するために用いられる
ため、その出力電圧の位相は問題にならない。
【0020】
【実施例】図1は、本考案の実施例を示したもので、同
図において、1は内燃機関の回転軸に取付けられた図示
しないカップ状のフライホイール(回転子ヨーク)の内
周に6個の円弧状の永久磁石1a〜1fを取付けた周知
の磁石回転子、4A〜4Cは、機関のケースに固定され
た鉄製の固定子台板5に取付けられた第1ないし第3の
固定子である。これらの固定子4A〜4Cは、磁石回転
子1の磁極に対向する磁極部を両端に有するI字形の鉄
心2A〜2Cにそれぞれ発電コイル3A〜3Cを巻回し
た構造を有している。磁石回転子1、固定子4A〜4C
及び台板5の構成は従来のものと同様である。
【0021】本実施例において、第1ないし第3の固定
子4A〜4Cは、第1の固定子4Aと第2の固定子4B
との間の角度間隔及び第2の固定子4Bと第3の固定子
4Cとの角度間隔を共に90度として配置され、互いに
180度の角度間隔で配置された第1の固定子4Aと第
3の固定子4Cとの間の大きなスペースに磁石回転子の
回転に同期して信号を発生する信号発電子7が、固定子
4A寄りに位置させて配置されている。
【0022】そして互いに180度の角度間隔を隔てて
配置された第1及び第3の固定子4A及び4Cの発電コ
イル3A及び3Bは、内燃機関用点火装置の電源(点火
エネルギーを供給するための電源)として用いられ、第
2の固定子4Bの発電コイル3Bは、バッテリの充電回
路や点灯負荷等の内燃機関用点火装置以外の負荷に電力
を供給するために用いられる。また発電コイル3A,3
Bの少なくとも一方が点火時期を定めるための信号を得
る信号源として用いられる場合もある。
【0023】第1の固定子4A及び第3の固定子4Cの
発電コイル3A及び3Cは、点火装置の構成に応じて同
位相または逆位相の電圧を誘起するように巻回されてい
る。第1の固定子4Aの発電コイル3Aに誘起する電圧
の波形の一例を図4(A)に示した。
【0024】信号発電子7は鉄板を折り曲げて形成した
鉄心701に信号コイル702を巻回したものからなっ
ていて、鉄心701の基端部701aがボルト10,1
0により台板5に固定され、鉄心701の先端に形成さ
れた磁極部703が磁石回転子1の磁極に対向させられ
ている。磁石回転子の磁極がこの信号発電子の磁極部7
03に対向すると、磁石回転子の磁石−鉄心701−台
板5−磁石回転子のフライホイール(回転子ヨーク)−
磁石の経路で磁束が流れ、この磁束変化により信号コイ
ル702に図4(B)に示すような信号が誘起する。こ
の信号は、前述のように内燃機関の逆転を防止するため
の制御信号として用いられる。
【0025】8は第1ないし第3の固定子の発電コイル
3A〜3C及び信号発電子7から引き出された引出線に
接続された電線を束ねて絶縁チューブで被覆したものか
らなるワイヤハーネスで、このワイヤハーネス8の端部
は、固定子4Aと4Cとの間に位置させて、台板にボル
ト止めされた固定金具9により台板5に固定されてい
る。その他の点は従来のものと同様に構成されている。
【0026】上記のように、第1の固定子4Aないし第
3の固定子4Cを90度間隔で配置して、第1の固定子
4Aと第3の固定子4Cとの間に形成された大きいスペ
ースに信号発電子7を配置するようにすると、信号発電
子とその両側の固定子との間の距離を大きくとることが
できるため、信号波形の歪みを少なくすることができ
る。
【0027】また信号発電子を配置するためのスペース
が大きくなるため、図示のように複数のボルト10によ
り信号発電子を取り付けることができ、信号発電子の取
付強度を高めることができる。
【0028】上記の実施例では、信号発電子7の鉄心の
基部701aをボルト10により台板5に固定するとし
たが、図2(A),(B)に示したように、鉄心と該鉄
心に巻回された信号コイルとを樹脂でモールドした信号
発電子本体7Aに門形の取付け金具705を嵌合させ
て、該取付け金具705の両端に形成した基部をボルト
10,10により台板5に固定する構造を採用しても良
い。このような構造を採用すると、信号発電子をいっそ
う強固に取り付けることができる。
【0029】また上記の実施例では、信号発電子7とし
て、先端に磁極部703を有する鉄心に信号コイルを巻
回したものを用いて、該信号発電子7の鉄心の先端部の
磁極部703を磁石回転子の磁石界磁に対向させるよう
にしたが、図3に示したように、磁石回転子のフライホ
イール(図示せず。)のボス部1Aの外周部に120度
間隔でリラクタ1B1〜1B3を設けて、これらのリラクタ
に誘導子発電形の信号発電子7´の磁極部703´を対
向させるようにしてもよい。誘導子発電形の信号発電子
は、先端に磁極部703´を有する鉄心と、該鉄心に巻
回された信号コイルと、該鉄心に磁束を流す永久磁石と
を一体化して樹脂でモールドするか、またはケース内に
収納した周知のもので、この例では、その鉄心の基部に
設けられた取付け板部がボルト10,10により台板5
に固定されている。
【0030】図5は上記の磁石発電機とともに用いるこ
とができる内燃機関用点火装置の回路構成の一例を示し
たもので、同図において11a〜11cは内燃機関の3
つの気筒に対応して設けられた点火コイル、12a〜1
2cは内燃機関の3つの気筒にそれぞれ取付けられて点
火コイル11a〜11cの2次コイルに接続された点火
プラグである。
【0031】点火コイル11a〜11cの1次コイルは
互いに直列に接続されて、該1次コイルの直列回路の一
端が接地され、該直列回路の他端に点火エネルギー蓄積
用コンデンサ13の一端が接続されている。コンデンサ
13の他端と接地間には放電制御用サイリスタ14が接
続され、サイリスタ14のゲートカソード間には抵抗1
5が接続されている。
【0032】固定子4A及び4Bの発電コイル3A及び
3Bはそれぞれの一端が共通接続されて、該共通接続点
がダイオード16を通してコンデンサ13の他端に接続
され、発電コイル3Aの他端は接地されている。ダイオ
ード16の両端には、該ダイオードを逆電圧から保護す
るための高抵抗17が接続されている。
【0033】サイリスタ14のゲートにはコンデンサ1
8の一端が接続され、該コンデンサ18の他端と接地間
にはアノードを接地側に向けたサイリスタ19が接続さ
れている。サイリスタ19のアノードゲート間にはツェ
ナーダイオード20が、また該サイリスタ19のゲート
カソード間には抵抗21がそれぞれ接続されている。サ
イリスタ19のカソードにダイオード22のアノードが
接続され、ダイオード22のカソードと接地間にアノー
ドを接地側に向けた点火阻止用スイッチとしてのサイリ
スタ23が接続されている。サイリスタ23のゲートカ
ソード間に抵抗24が接続され、サイリスタ23のゲー
ト及びカソードにそれぞれダイオード25のカソード及
びダイオード26のアノードが接続されている。ダイオ
ード25のアノードとダイオード26のカソードとが共
通接続され、両ダイオードの共通接続点がダイオード2
7を通して発電コイル3Bの他端に接続されている。ま
た発電コイル3Bの両端にダイオード28が並列接続さ
れ、ダイオード25及び26の共通接続点とサイリスタ
23のカソードとの間に信号コイル702が接続されて
いる。
【0034】図5に示した内燃機関用点火装置におい
て、発電コイル3Aは、機関の回転に同期して図4
(A)に示すような交流電圧Ve を1回転当たり3サイ
クル出力する。発電コイル3Bは、発電コイル3Aの出
力電圧Ve と逆位相の電圧を内燃機関の回転に同期して
出力する。発電コイル3Aが図5に示した矢印方向の正
の半サイクルの出力電圧を発生すると、発電コイル3A
からダイオード16と点火コイル11a〜11cの1次
コイルとを通してコンデンサ13が図示の極性に充電さ
れる。また発電コイル3Bが図5の矢印と反対方向の正
の半サイクルの電圧を誘起するとツェナーダイオード2
0が導通してサイリスタ19をトリガするため、該サイ
リスタ19が導通して、発電コイル3B−ダイオード1
6−コンデンサ13−点火コイル11a〜11cの1次
コイル−サイリスタ19−ダイオード22,26,27
−発電コイル3Bの経路で電流が流れる。従って発電コ
イル3Bの出力によってもコンデンサ13が図示の極性
に充電される。即ち、コンデンサ13は、発電コイル3
Aの正の半サイクルの出力電圧により充電された後、続
いて発生する発電コイル3Bの正の半サイクルの出力電
圧により充電される。
【0035】ここで発電コイル3Aは低速用の発電コイ
ルで、内燃機関の低速回転領域で十分大きな出力電圧を
発生するようにその巻数が多く巻回されている。また発
電コイル3Bは高速用の発電コイルで、内燃機関の高速
回転領域で十分大きな出力電圧を発生するようにその巻
数が発電コイル3Aよりも少なく設定されている。従っ
て機関の低速時には、主として発電コイル3Aの出力で
コンデンサ13が充電され、機関の高速時には主として
発電コイル3Bの出力でコンデンサ13が充電される。
【0036】発電コイル3Aが図示の矢印と反対の極性
の負の半サイクルの電圧を出力すると該発電コイル3A
の出力で抵抗15を通してコンデンサ18が図示の極性
に充電される。発電コイル3Aの負の半サイクルの電圧
が所定のトリガレベルVt 以上になってコンデンサ18
の両端の電圧が所定値に達するとツェナーダイオード2
0が導通してサイリスタ19をトリガするため、該サイ
リスタ19が導通してコンデンサ18の電荷をサイリス
タ14のゲートカソード間を通して放電させる。これに
よりサイリスタ14にパルス状のトリガ信号が与えられ
るため、該サイリスタ14が導通し、コンデンサ13の
電荷がサイリスタ14と点火コイル11a〜11cの1
次コイルとを通して放電する。このとき点火コイル11
a〜11cの2次コイルに高電圧が発生し、点火プラグ
12a〜12cに同時に火花が発生する。角度θi1,θ
i2及びθi3でそれぞれ発生する火花により、機関の第1
の気筒ないし第3の気筒が点火される。各気筒が点火さ
れるときに同時に他の気筒でも火花が飛ぶが、他の気筒
は圧縮行程以外の行程にあって、点火プラグに火花が発
生しても燃料は燃焼しないため、機関は支障なく動作す
る。
【0037】この点火装置では、抵抗15、コンデンサ
18、サイリスタ19、ツェナーダイオード20及び抵
抗21により、発電コイル3Aの負の半サイクルの出力
波形をパルス波形に整形する波形整形回路30が構成さ
れている。
【0038】信号コイル702は、磁石回転子の磁石界
磁の磁束を検出して図4(B)に示すように正極性の信
号Vs1と負極性の信号Vs2とを交互に発生する。正極性
信号Vs1が発生している期間(図4Bにおいて斜線を施
して示した期間)点火阻止用スイッチとしてのサイリス
タ23が導通して発電コイル3aの負の半サイクルの出
力を波形整形回路30から側路するが、機関の正回転時
には、点火時期θi1〜θi3で発電コイル3A,3Bの負
の半サイクルの出力電圧がサイリスタ14のトリガレベ
ルに達した後に信号Vs1が発生するため、該信号Vs1に
よりサイリスタ23が導通しても点火動作には何等影響
を与えない。
【0039】これに対し、機関の逆転時には、角度θi3
´〜θi1´の位置で発電コイル3Aの負の半サイクルの
出力電圧がトリガレベルVt に達するより前に正極性信
号Vs1が発生してサイリスタ23を導通させるため、波
形整形回路30に信号が与えられなくなり、サイリスタ
14は導通することができなくなる。このようにして機
関の逆転時には点火動作が行われなくなるため、機関の
逆転が阻止される。この例では、サイリスタ23と抵抗
24とダイオード25,26と信号コイル702とによ
り、機関の逆転時に点火動作を停止させる逆転防止回路
が構成されている。
【0040】図6は本考案の磁石発電機とともに用いる
ことができる点火装置の他の回路構成例を示したもの
で、この例では、発電コイル3A及び3Bの一端が共に
接地され、発電コイル3A及び3Bの非接地側の端子が
それぞれダイオード16a及び16bを通してコンデン
サ13とサイリスタ14との接続点に接続されている。
またダイオード25,26の共通接続点がダイオード2
7を通して発電コイル3Aの非接地側端子に接続されて
いる。その他の点は図5の点火装置と同様に構成されて
いる。
【0041】図6の点火装置では、図示の矢印のよう
に、発電コイル3A及び3Bが同位相の交流電圧を誘起
するように設けられ、同時に発生する発電コイル3A及
び3Bの正の半サイクルの出力電圧により、ダイオード
16a及び16bを通してコンデンサ13が図示の極性
に充電される。発電コイル3Bの負の半サイクルの電圧
により波形整形回路30を通してサイリスタ14にトリ
ガ信号が与えられる点は図5に示した点火装置と同様で
ある。
【0042】図7は本考案の磁石発電機とともに用いる
ことができる他の点火装置の例を示したもので、この例
でも発電コイル3A及び3Bが同位相の交流電圧を出力
するように設けられている。発電コイル3Aの一端は接
地され、他端はダイオード16aを通してコンデンサ1
3とサイリスタ14との接続点に接続されている。また
発電コイル3Bの一端はアノードを接地したダイオード
31のカソードに接続され、他端はダイオード16bを
通してコンデンサ13とサイリスタ14との接続点に接
続されている。発電コイル3Bの一端はまたダイオード
32及び33を通してサイリスタ14のゲートに接続さ
れ、発電コイル3Bの他端と接地間にアノードを接地側
に向けたダイオード34が接続されている。点火阻止用
スイッチとしてのサイリスタ23はダイオード32とダ
イオード33との接続点と接地間にカソードを接地側に
向けて接続され、該サイリスタ23のゲートカソード間
に信号コイル702が接続されている。点火コイル11
a〜11cの1次コイルが直列に接続されている点は図
5の点火装置及び図6の点火装置と同様である。
【0043】図7の点火装置では、同時に発生する発電
コイル3A及び3Bの正の半サイクルの出力電圧により
ダイオード16a及び16bを通してコンデンサ13が
充電される。発電コイル3Bが負の半サイクルの電圧を
発生すると、ダイオード32、33及び34を通してサ
イリスタ14にトリガ信号が与えられ、これによりサイ
リスタ14が導通して点火動作が行われる。この例で
は、サイリスタ23と抵抗24と信号コイル702とに
より逆転防止回路が構成されている。
【0044】本考案の磁石発電機とともに用いる点火装
置の回路は図5ないし7に示したものに限られるもので
はなく、低速用及び高速用の発電コイルを点火電源と
し、信号発電子から発生する信号により何等かの制御を
行う3気筒用の点火装置であればよい。
【0045】機関の逆転防止制御を行う場合、機関の逆
転時に点火動作を停止させる逆転防止回路を設ければよ
いが、この回路は機関の逆転時に信号発電子から得られ
る信号で点火阻止用の半導体スイッチを導通させて、該
半導体スイッチの導通により点火回路の一部を短絡する
ことによって点火動作を停止させる回路であればよく、
その構成は上記実施例のものに限定されない。
【0046】また本考案の発電機に設けられる信号発電
子は、必ずしも逆転防止用の信号を得るためのものでな
くてもよい。例えば、発電コイル3A及び3Bを点火電
源(点火エネルギーを供給する電源)のみとして用い、
信号発電子7または7´から得られる信号を点火時期を
定めるための信号として用いるようにしてもよい。
【0047】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、第1な
いし第3の固定子を90度間隔で配置して、第1の固定
子と第3の固定子との間に形成された大きなスペースに
信号発電子を配置するようにしたので、信号発電子とそ
の両側の固定子との間の距離を大きくとって信号波形の
歪みを少なくすることができる。
【0048】また本考案によれば、信号発電子を配置す
るためのスペースが大きくなるため、該信号発電子の取
付部の寸法に余裕を持たせることができ、信号発電子の
取付強度を高めることができる利点がある。
【0049】更に本考案によれば、信号発電子を配置す
るためのスペースが大きくなるため、該信号発電子の取
付位置の調整範囲を広くすることができ、信号の発生位
置を常に最適な位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の構成を回転子の一部を省略し
て示した正面図である。
【図2】(A)は本考案の他の実施例の固定子側の構成
を示した正面図である。(B)は(A)の固定子に設け
られた信号発電子の取付構造を示したZ方向矢視図であ
る。
【図3】本考案の更に他の実施例の固定子側の構成を示
した正面図である。
【図4】(A)及び(B)は本考案の発電機により得ら
れる出力電圧波形及び信号波形の一例を示した波形図で
ある。
【図5】本考案の発電機とともに用いることができる点
火装置の構成の一例を示した回路図である。
【図6】本考案の発電機とともに用いることができる点
火装置の他の構成例を示した回路図である。
【図7】本考案の発電機とともに用いることができる点
火装置の更に他の構成例を示した回路図である。
【図8】従来の発電機の構成を回転子の一部を省略して
示した正面図である。
【図9】従来の他の発電機の構成を示した正面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁石回転子 1a〜1c 磁石 2A〜2C 鉄心 3A〜3C 発電コイル 4A〜4C 固定子 5 固定子台板 7,7´ 信号発電子

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転軸に取付けられたカップ
    状のフライホイールの内周に6極の磁石界磁を等角度間
    隔で形成してなる6極の磁石回転子と、前記磁石回転子
    の磁極に対向する磁極部を両端に有するI字形の鉄心に
    発電コイルを巻回した構造を有して前記磁石回転子の周
    方向に並べて配置された第1ないし第3の固定子とを備
    えた3気筒内燃機関用磁石発電機において、 前記第1ないし第3の固定子は、第1の固定子と第2の
    固定子との間の角度間隔及び第2の固定子と第3の固定
    子との角度間隔を90度として配置され、 前記第1の固定子と第3の固定子との間のスペースに前
    記磁石回転子の回転に同期して信号を発生する信号発電
    子が配置され、 互いに180度の角度間隔を隔てて配置された前記第1
    及び第3の固定子の発電コイルは内燃機関用点火装置の
    電源として用いられ、 前記第2の固定子の発電コイルは内燃機関用点火装置以
    外の負荷に電力を供給するために用いられることを特徴
    とする3気筒内燃機関用磁石発電機。
JP6479292U 1992-09-17 1992-09-17 3気筒内燃機関用磁石発電機 Expired - Lifetime JP2560032Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6479292U JP2560032Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 3気筒内燃機関用磁石発電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6479292U JP2560032Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 3気筒内燃機関用磁石発電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0628262U JPH0628262U (ja) 1994-04-15
JP2560032Y2 true JP2560032Y2 (ja) 1998-01-21

Family

ID=13268445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6479292U Expired - Lifetime JP2560032Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 3気筒内燃機関用磁石発電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2560032Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0628262U (ja) 1994-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4170207A (en) Ignition system for a multicylinder internal combustion engine
US3948239A (en) Signal generator for use in a breakerless ignition system for an internal combustion engine
US3746901A (en) Magneto generator for ignition systems of internal combustion engines
JP2560032Y2 (ja) 3気筒内燃機関用磁石発電機
JP2560031Y2 (ja) 3気筒内燃機関用磁石発電機
JPS6349565Y2 (ja)
JPH0521978Y2 (ja)
JPS6067769A (ja) エンジン用点火装置
JPH0717818Y2 (ja) 多気筒内燃機関用点火装置
JP3412370B2 (ja) 内燃機関用磁石発電機の固定子
JPS585090Y2 (ja) 内燃機関点火装置
JP2569834B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS585088Y2 (ja) 無接点点火装置用磁石発電機
JPH0139101Y2 (ja)
JPH0717816Y2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPH0224953Y2 (ja)
JPH0421070B2 (ja)
JP3435922B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関点火装置用磁石発電機
JP2653230B2 (ja) 多気筒内燃機関用点火装置
JPH0430379Y2 (ja)
JPS6145343Y2 (ja)
JP2569836B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPH0439417Y2 (ja)
JP2557693Y2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS593193Y2 (ja) エンジンのトランジスタ式点火装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970826