JP2569836B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2569836B2 JP1289290A JP28929089A JP2569836B2 JP 2569836 B2 JP2569836 B2 JP 2569836B2 JP 1289290 A JP1289290 A JP 1289290A JP 28929089 A JP28929089 A JP 28929089A JP 2569836 B2 JP2569836 B2 JP 2569836B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置に
関するものである。
[従来の技術] コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、点火コイ
ルと、点火コイルの1次側に設けられた点火エネルギー
蓄積用コンデンサと、バッテリ等からなる直流電源の出
力を昇圧して該コンデンサを充電するための直流電圧を
発生する昇圧回路と、ゲートに点火信号が与えられたと
きに導通して該コンデンサの電荷を点火コイルの1次コ
イルを通して放電させるように設けられたサイリスタと
により構成される。
この種の点火装置として、特公平1−15702号に見ら
れるように、磁石発電機内に設けられた発電コイルの出
力電圧によりサイリスタに点火信号を与えるようにした
ものがある。
また昇圧回路としては、直流電源からリアクトルまた
はトランス1次コイルを通して電流を流す半導体スイッ
チと、トリガ信号が与えられたときに動作して該半導体
スイッチを遮断状態にする遮断制御用スイッチとを備え
て、半導体スイッチの遮断時にリアクトルまたはトラン
スの2次コイルに誘起する電圧により点火エネルギー蓄
積用コンデンサを充電するようにしたものがある。遮断
制御用スイッチに与えるトリガ信号は直流電源により駆
動される発振器により得ている。
[発明が解決しようとする課題] 従来のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置では、磁
石発電機として4極を超える多極の磁石発電機が用いら
れる場合に、該磁石発電機の発電コイルから得た電圧で
サイリスタに点火信号を与えることができなかった。
例えば2サイクル機関を点火する場合に、磁石発電機
が4極で、発電コイルから1回転当り2サイクルの電圧
が誘起するものとする。この場合例えば先に発生する負
の半サイクルの電圧が2サイクル機関の点火位置でトリ
ガレベルに達するように設定すると、後から発生する負
の半サイクルの電圧は排気行程でトリガレベルに達する
ことになるため、機関の運転には支障を来さない。しか
し磁石発電機が例えば6極で、発電コイルが機関の1回
転当り3サイクルの電圧を誘起する場合には、3番目に
発生する負の半サイクルの電圧が圧縮行程でサイリスタ
のトリガレベルに達することになるため、機関の動作に
支障を来す。
上記のように、4極を超える多極の磁石発電機が用い
られる場合には、磁石発電機内の発電コイルの出力でサ
イリスタに点火信号を与えることができないため、磁石
発電機の回転子ヨーク(通常はフライホイール)の外周
に誘導子磁極部(リラクタ)を設けて、該誘導子磁極部
と信号発電子とにより、1回転当り1回だけ信号を発生
する信号発電機を構成している。
しかしながらこのようにした場合には、回転子ヨーク
に誘導子磁極部を加工する必要がある上に、信号発電子
を必要とするため、コストが高くなるのを避けられな
い。また磁石発電機の回転子の周囲に信号発電子を取付
けるためのスペースを確保する必要があるため、機関が
大形化するという問題もあった。
また従来の点火装置では、昇圧回路の遮断制御用スイ
ッチにトリガ信号を与えるために発振器等の信号源を設
ける必要があるため、コストが高くなるのを避けられな
かった。
本発明の目的は、2n(nは3以上の整数。)極の磁石
回転子と2n極の固定子とからなる磁石発電機から点火信
号と昇圧回路の遮断制御用スイッチのトリガ信号とをそ
れぞれ1回転当り1回だけ得ることができるようにし
て、上記の問題を解決した内燃機関用点火装置を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、2n(nは3以上の整数)極の磁石回転子と
2n極の固定子とを備えた磁石発電機の前記固定子に設け
られた発電コイルと、点火コイルと、該点火コイルの1
次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサと、
ゲートに点火信号が与えられたときに導通して前記コン
デンサの電荷を点火コイルの1次コイルを通して放電さ
せるように設けられたサイリスタと、直流電源と、イン
ダクタンスを有する電圧誘導素子と、直流電源から電圧
が印加されたときに導通して該直流電源から電圧誘導素
子を通して電流を流すように設けられた半導体スイッチ
と、トリガ信号が与えられたときに動作して半導体スイ
ッチを遮断状態にする遮断制御用スイッチとを備え、半
導体スイッチの遮断時に電圧誘導素子に誘起する電圧に
よりコンデンサを充電するようにした内燃機関用点火装
置に係わるものである。
本発明においては、磁石回転子の2n個の磁極の内の特
定の1つの磁極とその両側の磁極とが同極性に着磁され
て該磁石回転子の一部に同極性の3個の磁極が周方向に
並ぶ領域が形成される。
磁石回転子の上記3個の磁極以外の磁極は、特定の1
つの磁極以外の一連の2n−1個の磁極により交互に異な
る極性の磁極が周方向に並ぶ領域が形成されるように交
互に極性を異ならせて着磁される。
また発電コイルは、磁石発電機の固定子の隣り合う第
1及び第2の極にそれぞれ巻回されて第1及び第2の電
圧を誘起する第1及び第2のコイルからなっていて、第
1のコイル及び第2のコイルは第1及び第2の電圧が18
0度の位相差を有する状態で合成される向きで互いに直
列に接続される。
そして第1のコイル及び第2のコイルの直列回路の両
端に得られる正負の半サイクルの電圧の内の一方により
遮断制御用スイッチにトリガ信号が与えられ、第1のコ
イル及び第2のコイルの直列回路の両端に得られる正負
の半サイクルの電圧の内の他方によりサイリスタに点火
信号が与えられる。
上記第1及び第2のコイルの共通接続点から第1及び
第2のコイルの出力を取り出す中間タップを引き出すこ
とができる。
上記直流電源はバッテリからなる場合には、前記中間
タップに得られる出力を整流回路を介して該バッテリに
印加することにより、バッテリの充電を行うことができ
る。
上記の構成では、第1及び第2のコイルの直列回路か
ら得られる信号により遮断制御用スイッチにトリガ信号
を与えているが、第1及び第2のコイルから、中間タッ
プを通して遮断制御用スイッチにトリガ信号を与えるよ
うにしても良い。
上記電圧誘導素子はインダクタンスを有していて通電
電流が遮断されたときに電圧を誘起する素子であれば良
く、この素子としてはリアクトルまたはトランスを用い
ることができる。
電圧誘導素子としてリアクトルを用いる場合には、該
リアクトルを半導体スイッチに対して直列に接続して半
導体スイッチの遮断時に該リアクトルに電圧を誘起さ
せ、該電圧を点火エネルギー蓄積用コンデンサに印加し
て該コンデンサを充電する。
また、電圧誘導素子としてトランスを用いる場合に
は、その1次コイルを半導体スイッチに直列に接続し、
半導体スイッチの遮断時に該トランスの2次コイルに誘
起する電圧を点火エネルギー蓄積用コンデンサに印加し
て該コンデンサを充電する。
[作用] 2n極の磁石発電機内の発電コイルには、本来であれば
1回転当りnサイクルの磁束変化が生じ、これにより発
電コイルには1回転当りnサイクルの電圧が誘起する筈
である。しかし上記のように磁石回転子に同極性の3個
の磁極部が周方向に並ぶ領域を設けておくと、該同極性
の3個の磁極部が設けられている領域が固定子鉄心の極
に対向する特定の区間で第1及び第2のコイルに鎖交す
る磁束の1サイクル分の変化が無くなり、該特定の区間
で本来発生する筈の1サイクルの電圧が発生しなくな
る。
ここで一例としてn=6とし、第1のコイルが第2の
コイルよりも位相が進んだ位置に配置されているとする
と、第1のコイルには第4図(B)に示すようにな電圧
Vaが誘起し、第2のコイルには第4図(A)に示すよう
な電圧Vbが誘起する。第1及び第2のコイルは隣り合う
第1及び第2の極に巻回されているため、電圧Va,Vbは1
80度の位相差を有している。
第1及び第2のコイルはそれぞれが誘起する第1の電
圧及び第2の電圧が180度の位相差を有する状態で合成
されるように直列接続されているため、両コイルの直列
回路では対応する各半サイクルの電圧が打ち消し合って
消滅し、両コイルの直列回路の両端には、打ち消し合う
相手がない半サイクルの電圧Vp5及びVn1′のみが現れ
る。したがって第1及び第2のコイルの直列回路の両端
には第4図(C)に見られるように正負の半サイクルの
電圧Vp5,Vn1′が1回転当たり1回だけ得られる。これ
ら正負の半サイクルの電圧の内の一方により遮断制御用
スイッチにトリガ信号が与えられる。遮断制御用スイッ
チにトリガ信号が与えられると、半導体スイッチが遮断
状態になるため電圧誘導素子に比較的高い電圧が誘起
し、該誘起電圧により点火エネルギー蓄積用コンデンサ
が充電される。
また第1及び第2のコイルの直列回路の両端に得られ
る正負の半サイクルの電圧の内の他方によりサイリスタ
に点火信号が与えられる。サイリスタに点火信号が与え
られると、該サイリスタが導通して点火エネルギー蓄積
用コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルを通して
放電させ、点火コイルに磁束変化を生じさせる。これに
より点火コイルの2次コイルに点火用の高電圧が発生
し、該高電圧により点火プラグに火花が生じて機関が点
火される。
上記のように、本発明によれば、多極の磁石発電機を
用いて1回転当たり1回だけサイリスタに点火信号を与
えることができる。また磁石発電機の出力により昇圧回
路の遮断制御用スイッチにトリガ信号を与えることがで
きる。
したがって別個に信号発電機を設けたり、遮断制御用
スイッチにトリガ信号を与える信号源を設けたりする必
要がなく、コストの低減と機関の小形化を図ることがで
きる。
また第1及び第2のコイルの共通接続点から中間タッ
プを引き出しておくと、該中間タップを点火装置以外の
負荷に接続することにより、第1及び第2のコイルの各
半サイクルの電圧を同じ極性で負荷に印加して、該負荷
を駆動することができる。
上記のように第1及び第2のコイルの直列回路から得
られる電圧により遮断制御用スイッチにトリガ信号を与
えるようにした場合には、点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサを充電するための電圧が1回転当り1回だけ発生す
るが、第1及び第2のコイルから中間タップを通して遮
断制御用スイッチにトリガ信号を与えるようにした場合
には、1回転当りn−1回点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサを充電するための電圧が発生する。
[実施例] 以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の実施例の基本構成を示したもので、
同図において1は1次コイル1a及び2次コイル1bを有す
る点火コイルである。1次コイル1a及び2次コイル1bは
それぞれの一端が接地され、1次コイル1aの非接地側端
子に点火エネルギー蓄積用コンデンサ2の一端が接続さ
れている。2次コイル1bの非接地側端子は機関の気筒に
取付けられた点火プラグ3の非接地側端子に高圧コード
を介して接続されている。コンデンサ2の他端にはサイ
リスタ4のアノードが接続され、該サイリスタのカソー
ドは接地されている。5は後記する2n(nは3以上の整
数)極の磁石発電機内に設けられた発電コイルを電源と
した電源回路、6はバッテリ等からなる直流電源、7は
直流電源6の出力電圧を昇圧する昇圧回路で、この昇圧
回路の動作により昇圧された電圧によりダイオード8を
通してコンデンサ2が図示の極性に充電される。
サイリスタ4のゲートには電源回路5からトリガ信号
が供給されている。
第2図は第1図の電源回路5と直流電源6と昇圧回路
7の具体的構成例を示したものである。
電源回路5は、発電コイルWと、第1ないし第5のダ
イオードD1ないしD5とにより構成されている。
発電コイルWは第3図(A),(B)に示すような磁
石発電機10内に設けられている。図示の磁石発電機10
は、12極(n=6)の磁石回転子11と、12極の固定子12
とにより構成されている。磁石回転子11はカップ状に形
成された鉄製のフライホイール(ヨーク)13の内周に12
個の磁石を等角度間隔で取付けて各磁石を径方向に着磁
することにより12個の回転子磁極M1ないしM12を形成し
たものからなっり、フライホイール13の底壁部に固定さ
れたボス14が図示しない機関の回転軸に嵌着されて機関
に取付けられる。
本発明において用いる2n極の磁石回転子は、同極性に
着磁された3個の磁極部が周方向に並ぶ領域と交互に異
なる極性に着磁された2n−1個の磁極部が周方向に並ぶ
領域とを有するように構成される。本実施例では、磁石
回転子11の1つの磁極M2とその両側の磁極M1及びM3とが
同極性(この例ではN極)に着磁され、これにより磁石
回転子の一部に3個の同極性の磁極M1ないしM3が周方向
に並ぶ領域が形成されている。
上記3個の同極性の磁極M1〜M3以外の磁極M4〜M12
は、上記1つの磁極M2以外の一連の磁極M3,M4,…M12,M1
により、交互に異なる極性の磁極が周方向に並ぶ領域が
形成されるように、交互に異なる極性に着磁されてい
る。
固定子12は、環状の継鉄部15aの外周部から12個の極P
1ないしP12を等角度間隔で放射状に突出させた環状星形
の固定子鉄心15と、12個の極P1ないしP12にそれぞれ巻
回されたコイルW1ないしW12とからなっている。これら
のコイルの内、隣り合う第1及び第2の極P1及びP2にそ
れぞれ巻回された第1及び第2のコイルW1及びW2により
発電コイルWeが構成されている。
本実施例ではこれらのコイルW1及びW2が同相に(同じ
向きに)巻回されて、両コイルW1及びW2にそれぞれ誘起
する電圧が180度の位相差を有する状態で合成される向
きで両コイルが互いに直列に接続されている。そしてコ
イルW1及びW2の接続点から中間タップtmが引き出され、
コイルW1の中間タップと反対側の端子t1がアノードが接
地された第1のダイオードD1のカソードと第2のダイオ
ードD2のアノードとに共通接続されている。コイルW2の
中間タップと反対側の端子t2はアノードが接地された第
3のダイオードD3のカソードと第4のダイオードD4のア
ノードとに共通接続され、中間タップtmには第5のダイ
オードD5のアノードが接続されている。
磁石発電機の他のコイルW3〜W12は、ヘッドランプ等
の適宜の負荷を駆動するために用いられる。
直流電源6は負極が接地されたバッテリBからなり、
該バッテリの正極にダイオードD5のカソードが接続され
ている。ダイオードD5はコイルW1及びW2にそれぞれ誘起
する交流電圧を整流する整流回路を構成するもので、コ
イルW1及びW2の誘起電圧がダイオードD5により整流され
てバッテリBに印加される。これによりバッテリBが充
電される。
昇圧回路7は、リアクトルLと、NPNトランジスタTr1
及びTr2と、抵抗R1とからなっている。
リアクトルLはその一端がスイッチSWを介してバッテ
リBの正極に接続され、該リアクトルの他端はエミッタ
が接地されたトランジスタTr1のコレクタに接続されて
いる。トランジスタTr1のベースにはトランジスタTr2の
コレクタが接続され、該トランジスタTr2のエミッタは
接地されている。トランジスタTr1のベースは抵抗R1と
スイッチSWとを通してバッテリの正極に接続されてい
る。
またこの実施例では、サイリスタ4のゲートカソード
間に抵抗R4が並列接続されている。
この実施例では、トランジスタTr1により直流電源6
から電圧が印加されたときに導通して該直流電源からリ
アクトル(電圧誘導素子)Lを通して電流を流す半導体
スイッチが構成され、トランジスタTr2によりトリガ信
号が与えられたときに動作してトランジスタTr1(半導
体スイッチ)を遮断状態にする遮断制御用スイッチが構
成されている。
次に上記実施例の動作につき説明する。機関が回転す
ると、磁石発電機10の固定子の第1の極P1及び第2の極
P2にそれぞれ流れる時速φp1及びφp2が回転子の回転角
θに対してそれぞれ第4図(B)及び(A)に示すよう
に変化する。これらの磁束変化により、第1のコイルW1
及びW2にはそれぞれ第4図(B)に示す電圧Va及び同図
(A)に示す電圧Vbが誘起する。これらの電圧は180度
の位相差を有している。コイルW1及びW2はそれぞれの誘
起電圧が180度の位相差を有する状態で合成されるよう
に直列接続されているため、コイルW1及びW2の直列回路
内では、電圧Vaの正の半サイクルVp1′,Vp2′,…Vp5と
電圧Vbの負の半サイクルVn1,Vn2,…Vn5とが互いに打ち
消し合い、電圧Vaの負の半サイクルVn2′,Vn3′,…Vn
5′と電圧Vbの正の半サイクルVp1,Vp2,…Vp4とが互いに
打ち消し合う。したがってコイルW1及びW2の直列回路の
両端には電圧Vp5及びVn1′のみが現れ、第4図(C)に
示すように、正の半サイクルの電圧Vp5と負の半サイク
ルの電圧Vn1′とが1回転当り1回だけ発生する。本実
施例では、これらの電圧の内、負の半サイクルの電圧Vn
1′によりダイオードD2とトランジスタTr2とを通してト
ランジスタTr2にトリガ信号が与えられる。また正の半
サイクルの電圧Vp5によりダイオードD4を通してサイリ
スタ4のゲートに点火信号Vgが与えられる。即ち、電圧
Vp5が機関の点火位置でサイリスタ4のトリガレベルに
達するように磁石回転子11の取付位置が設定されてい
る。
第2図においてスイッチSWが閉じられると、バッテリ
Bから抵抗R1を通してトランジスタTr1にベース電流が
与えられるため、該トランジスタTr1が導通する。した
がってバッテリBからリアクトルLとトランジスタTr1
のコレクタエミッタ間とを通して電流が流れる。
第1及び第2のコイルW1及びW2の直列回路の両端から
負の半サイクルの電圧Vn1′が発生すると、トランジス
タTr2にトリガ信号が与えられるため、該トランジスタT
r2が導通し、トランジスタTr1が遮断する。これにより
リアクトルLを流れていた電流が遮断され、該リアクト
ルに電流を流し続けようとする向きの(図示の矢印方向
の向きの)高い電圧Ve(100〜300ボルト)が誘起する。
この電圧Veはダイオード8を通してコンデンサ2に印加
されるため、該コンデンサ2が図示の極正に充電され
る。この充電は次にコイルW1及びW2の直列回路から正の
半サイクルの電圧Vp5が発生するまで続く。
第1及び第2のコイルW1及びW2の直列回路から正の半
サイクルの電圧Vp5が発生すると、ダイオードD4を通し
てサイリスタ4のゲートに点火信号Vgが与えられる。こ
れによりサイリスタ4が導通し、コンデンサ2の電荷を
点火コイルの1次コイル1aを通して放電させる。したが
って点火コイルの鉄心中に大きな磁束変化が生じ、該点
火コイルの2次コイル1bに点火用の高電圧が誘起する。
この高電圧は点火プラグ3に印加されるため、該点火プ
ラグに火花が生じ、機関が点火される。
コイルW1の誘起電圧Vaの各半サイクルの内、正の半サ
イクルの電圧Vp1′,Vp2′,…Vp5′は発電コイルWの中
間タップ(コイルW1及びW2の接続点)tmがアースに対し
て正電位になる極性を示す。またコイルW2の誘起電圧Vb
の各半サイクルの内、負の半サイクルの電圧Vn1,Vn2,…
Vn5は中間タップtm側がアースに対して正電位になる極
性を示す。コイルW1及びW2から中間タップtm側が正極性
になる半サイクルの電圧が発生する毎に両コイルからダ
イオードD5を通してバッテリBに電流が供給され、該バ
ッテリが充電される。
上記の実施例では、コイルW1及びW2の直列回路の両端
に得られる電圧Vp5及びVn1′の内、正極性の電圧Vp5に
よりサイリスタ4に点火信号Vgを与えるようにしたが、
電圧Vn1′によりサイリスタ4に点火信号を与え、電圧V
p5により遮断制御用スイッチ(上記の例ではトランジス
タTr2)にトリガ信号を与えるようにしても良い。
上記の実施例では、コイルW1及びW2が同方向に巻かれ
ているが、これらのコイルの巻き方は任意である。コイ
ルW1及びW2とを互いに逆方向に巻いた場合でも、両コイ
ルの誘起電圧が180度の位相差を有する状態で合成され
るように極性を合わせて両コイルを直列に接続するよう
にすれば上記実施例と同様の結果を得ることができる。
上記の実施例では、磁石回転子の磁極が12個(2n個)
の磁石により構成されているが、フライホイールの内周
にリング状に磁石を配置して、該リング状の磁石を所定
の極数に着磁する場合にも本発明を適用できる。この場
合、3個の同極性の磁極が並ぶ領域では、該領域を3つ
の磁極部に分けること無く、該領域全体を均一に(上記
の実施例ではN極に)着磁するようにしてもよい。
上記の実施例では、電圧誘導素子としてリアクトルL
を用いているが、この電圧誘導素子はインダクタンスを
有していて通電電流が遮断されたときに電圧を誘起する
素子であれば良く、昇圧トランスを電圧誘導素子として
用いることもできる。トランスを用いる場合には、該ト
ランスの1次コイルを半導体スイッチ(トランジスタTr
1)に対して直列に接続して半導体スイッチの遮断によ
り1次コイルに電圧を誘起させ、該電圧を昇圧して該ト
ランスの2次コイルに高い電圧を誘起させる。
上記の実施例では、コイルW1及びW2の直列回路から1
回転当り1回得られる信号により遮断制御用スイッチ
(トランジスタTr2)をトリガして、点火エネルギー蓄
積用コンデンサ2を充電するための電圧を1回転当り1
回だけ発生させるようにしているが、コイルWの中間タ
ップtmから遮断制御用スイッチ(トランジスタTr2)に
トリガ信号を与えることにより、コンデンサ2を充電す
るための電圧を1回転当り複数回発生させるようにする
こともできる。例えば第2図において、ダイオードD2の
アノードを抵抗を通して中間タップtmに接続することに
より、1回転当り5回トランジスタTr2にトリガ信号を
与えて、コンデンサ2を充電するための電圧を5回誘起
させることができる。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、2n極の磁石発電機の
回転子磁極の一部に3個の同極性の磁極が並ぶ領域を設
けて、固定子側に設けられるコイルに本来誘起する筈の
nサイクルの電圧の内の1サイクルを消滅させるととも
に、固定子の隣り合う極に巻かれた第1及び第2のコイ
ルを直列に接続することにより、これらのコイルにそれ
ぞれ誘起する電圧を差働的に合成して、1回転当たり1
回だけ発生する電圧を得るようにしたため、磁石発電機
内のコイルのみを用いてサイリスタに1回転当り1回だ
け点火信号を与えることができる。したがって、別個に
信号発電機を設けることなく、多極の磁石発電機内のコ
イルのみを用いて1回転当り1発火動作を行う点火装置
を得ることができる。
また上記第1及び第2のコイルから昇圧回路の遮断制
御用スイッチのトリガ信号をも得るようにしたので、サ
イリスタをトリガする信号を得るためのコイルと遮断制
御用スイッチにトリガ信号を供給するための信号源とを
別個に設ける必要がなく、発電機の構造を簡単にするこ
とができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の全体的な構成を示す回路図、
第2図は第1図の各部を更に具体的にした実施例を示す
回路図、第3図(A)は同実施例で用いる磁石発電機の
構成を示す構成図、第3図(B)は同磁石発電機の半部
概略断面図、第4図は第3図(A),(B)に示した磁
石発電機により得られる電圧波形を示した波形図であ
る。 1……点火コイル、2……点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサ、3……点火プラグ、4……サイリスタ、5……電
源回路、6……直流電源、7……昇圧回路、10……磁石
発電機、11……磁石回転子、12……固定子、13……フラ
イホイール、15……固定子鉄心、W1……第1のコイル、
W2……第2のコイル、W……発電コイル、W3〜W12……
点火装置以外の負荷を駆動するコイル、D1〜D5……第1
ないし第3のダイオード、Tr1……トランジスタ(半導
体スイッチ)、Tr2……トランジスタ(遮断制御用スイ
ッチ)、R1……抵抗。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2n(nは3以上の整数)極の磁石回転子と
    2n極の固定子とを備えた磁石発電機の前記固定子に設け
    られた発電コイルと、点火コイルと、前記点火コイルの
    1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
    と、ゲートに点火信号が与えられたときに導通して前記
    コンデンサの電荷を前記点火コイルの1次コイルを通し
    て放電させるように設けられたサイリスタと、直流電源
    と、インダクタンスを有する電圧誘導素子と、前記直流
    電源から電圧が印加されたときに導通して該直流電源か
    ら前記電圧誘導素子を通して電流を流すように設けられ
    た半導体スイッチと、トリガ信号が与えられたときに動
    作して前記半導体スイッチを遮断状態にする遮断制御用
    スイッチとを備え、前記半導体スイッチの遮断時に前記
    電圧誘導素子に誘起する電圧により前記コンデンサが充
    電されるようにした内燃機関用点火装置において、 前記磁石回転子の2n個の磁極の内の特定の1つの磁極と
    その両側の磁極とが同極性に着磁されて該磁石回転子の
    一部に同極性の3個の磁極が周方向に並ぶ領域が形成さ
    れ、 前記磁石回転子の前記3個の磁極以外の磁極は、前記特
    定の1つの磁極以外の一連の2n−1個の磁極により交互
    に異なる極性の磁極が周方向に並ぶ領域が形成されるよ
    うに交互に極性を異ならせて着磁され、 前記発電コイルは、前記磁石発電機の固定子の隣り合う
    第1及び第2の極にそれぞれ巻回されて第1及び第2の
    電圧を誘起する第1及び第2のコイルからなり、 前記第1のコイル及び第2のコイルは前記第1及び第2
    の電圧が180度の位相差を有する状態で合成される向き
    で互いに直列に接続され、 前記第1のコイル及び第2のコイルの直列回路の両端に
    得られる正負の半サイクルの電圧の内の一方により前記
    遮断制御用スイッチにトリガ信号が与えられ、 前記第1のコイル及び第2のコイルの直列回路の両端に
    得られる正負の半サイクルの電圧の内の他方により前記
    サイリスタに点火信号が与えられていることを特徴とす
    る内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2のコイルの共通接続点か
    ら前記第1及び第2のコイルの出力を取り出す中間タッ
    プが引き出されていることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】前記直流電源はバッテリからなり、 前記中間タップに得られる出力が整流回路を介して前記
    バッテリに印加されていることを特徴とする請求項2に
    記載の内燃機関用点火装置。
  4. 【請求項4】2n(nは3以上の整数)極の磁石回転子と
    2n極の固定子とを備えた磁石発電機の前記固定子に設け
    られた発電コイルと、点火コイルと、前記点火コイルの
    1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
    と、ゲートに点火信号が与えられたときに導通して前記
    コンデンサの電荷を前記点火コイルの1次コイルを通し
    て放電させるように設けられたサイリスタと、直流電源
    と、インダクタンスを有する電圧誘導素子と、前記直流
    電源から電圧が印加されたときに導通して該直流電源か
    ら前記電圧誘導素子を通して電流を流すように設けられ
    た半導体スイッチと、トリガ信号が与えられたときに動
    作して前記半導体スイッチを遮断状態にする遮断制御用
    スイッチとを備え、前記半導体スイッチの遮断時に前記
    電圧誘導素子に誘起する電圧により前記コンデンサが充
    電されるようにした内燃機関用点火装置において、 前記磁石回転子の2n個の磁極の内の特定の1つの磁極と
    その両側の磁極とが同極性に着磁されて該磁石回転子の
    一部に同極性の3個の磁極が周方向に並ぶ領域が形成さ
    れ、 前記磁石回転子の前記3個の磁極以外の磁極は、前記特
    定の1つの磁極以外の一連の2n−1個の磁極により交互
    に異なる極性の磁極が周方向に並ぶ領域が形成されるよ
    うに交互に極性を異ならせて着磁され、 前記発電コイルは、前記磁石発電機の固定子の隣り合う
    第1及び第2の極にそれぞれ巻回されて第1及び第2の
    電圧を誘起する第1及び第2のコイルからなり、 前記第1のコイル及び第2のコイルは前記第1及び第2
    の電圧が180度の位相差を有する状態で合成される向き
    で互いに直列に接続され、 前記第1のコイル及び第2のコイルの共通接続点から中
    間タップから引き出されて、該第1及び第2のコイルか
    ら該中間タップを通して前記遮断制御用スイッチにトリ
    ガ信号が与えられ、 前記第1のコイル及び第2のコイルの直列回路の両端に
    得られる正負の半サイクルの電圧の内の一方により前記
    サイリスタに点火信号が与えられていることを特徴とす
    る内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】前記電圧誘導素子はリアクトルからなり、
    前記半導体スイッチの遮断時に前記リアクトルに誘起す
    る電圧が前記点火エネルギー蓄積用コンデンサに印加さ
    れている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃
    機関用点火装置。
  6. 【請求項6】前記電圧誘導素子はトランスからなってい
    て該トランスの1次コイルが前記半導体スイッチに直列
    に接続され、 前記半導体スイッチの遮断時に前記トランスの2次コイ
    ルに誘起する電圧が前記点火エネルギー蓄積用コンデン
    サに印加されている請求項1ないし4のいずか1つに記
    載の内燃機関用点火装置。
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