JPH11115869A - 自動二輪車用ブレーキ装置 - Google Patents

自動二輪車用ブレーキ装置

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JPH11115869A
JPH11115869A JP9303459A JP30345997A JPH11115869A JP H11115869 A JPH11115869 A JP H11115869A JP 9303459 A JP9303459 A JP 9303459A JP 30345997 A JP30345997 A JP 30345997A JP H11115869 A JPH11115869 A JP H11115869A
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brake
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parking
braking performance
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Zenichi Fukita
善一 吹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行時おける後輪の制動性を向上させると共
に、駐車時における後輪の安定した制動性を確保できる
自動二輪車用ブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 後輪1の左右の一方側に機械式ドラムブ
レーキ12を、他方側に油圧式ディスクブレーキ13を
それぞれ配設し、該油圧式ディスクブレーキ13のブレ
ーキレバーをハンドルの左グリップ部に設け、該機械式
ドラムブレーキ12の操作部を前記ハンドルのグリップ
部以外の部分に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行時と駐車時
とに使用される自動二輪車のブレーキ装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動二輪車には、後輪に機械
式ドラムブレーキが設けられたものがあり、ハンドルの
左グリップ部に設けられたブレーキレバーを握ることに
より、ワイヤが引かれ、カムレバーが回動されて、ブレ
ーキシューがブレーキドラムに圧接される。これで、走
行中等に後輪が制動されてブレーキが掛けられることと
なる。
【0003】また、駐車時には、そのように左グリップ
部のブレーキレバーを握り、ブレーキを掛けた状態で、
そのブレーキレバーをロック手段にてロックするように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、走行時
おける後輪の制動性を向上させるには、機械式ドラムブ
レーキよりも油圧式ディスクブレーキを用いるのが望ま
しいが、駐車時等、長時間に渡って、ブレーキを掛けて
いる場合には、油圧の圧力低下が考えられるため、これ
を防止するのに、シール性能を向上させたり、油圧管に
低膨張率のものを使用したりする必要があり、高価なも
のとなると共に、そのような対策を施しても、まだ不十
分な場合がある。
【0005】そこで、この発明は、走行時おける後輪の
制動性を向上させると共に、駐車時における後輪の安定
した制動性を確保できる自動二輪車用ブレーキ装置を提
供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、後輪の左右の一方側に
機械式ドラムブレーキを、他方側に油圧式ディスクブレ
ーキをそれぞれ配設し、該油圧式ディスクブレーキのブ
レーキレバーをハンドルの左グリップ部に設け、該機械
式ドラムブレーキの操作部を前記ハンドルのグリップ部
以外の部分に設けた自動二輪車用ブレーキ装置としたこ
とを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加え、前記機械式ドラムブレーキの操作部を、
アクセル側に設定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0009】図1乃至図12には、この発明の実施の形
態を示す。
【0010】まず構成について説明すると、図1中符号
1は自動二輪車の後輪で、この後輪1は、リヤタイヤ2
及びリヤホイール3を有し、このリヤホイール3にリヤ
シャフト4が挿通されて固定されている。
【0011】このリヤシャフト4は、エンジン5により
回転駆動されるようになっており、クランクケース7に
ベアリング8を介して回転自在に支持されると共に、先
端部4a側がリヤアーム9にベアリング10を介して回
転自在に支持されている。
【0012】そして、その後輪1の図1中左側(エンジ
ン5側)には、機械式ドラムブレーキ12が、又、後輪
1の図1中右側(マフラー14側)には、油圧式ディス
クブレーキ13が配設されている。
【0013】その機械式ドラムブレーキ12は、図1及
び図2に示すように、一対のブレーキシュー15がピボ
ットシャフト6を中心に回動自在に設けられることによ
り、拡径・縮径自在に設けられ、両ブレーキシュー15
に一対のスプリング17,18が掛け渡されて、縮径方
向に付勢されている。また、一対のブレーキシュー15
の先端部の間には、カムシャフト19が回動自在に設け
られ、このカムシャフト19が図2に示す状態から回動
されることにより、両ブレーキシュー15が拡径され、
このブレーキシュー15の周縁部に設けられたライニン
グ15aが、後輪リヤホイール3に形成されたブレーキ
ドラム20の内面に圧接されて後輪1が制動されるよう
になっている。そのカムシャフト19は、以下のような
機構により回動されるようになっている。
【0014】すなわち、そのカムシャフト19には、カ
ムレバー23が固定され、このカムレバー23に図2に
示すようにパーキングブレーキワイヤ24が連結されて
おり、このパーキングブレーキワイヤ24は、図3及び
図4に示すように、パーキングブレーキホース25に挿
通されると共に、ハンドル26のアクセル27側に設け
られた「操作部」としてのレバー部材28に連結されて
いる。
【0015】そのパーキングブレーキホース25等は、
後方から前方に向けて図3中斜線に示すように、車体後
方から見て車体の左側を通って延長され、ハンドル26
の前側の部位Aから、図4の部位Aに連続して車体後方
から見て車体右側に回され、前記レバー部材28に以下
のように接続されている。
【0016】すなわち、図5乃至図7に示すように、レ
ッグシールド30にブラケット31が固定され、このブ
ラケット31にカム部材32が回動軸33にて回動自在
に配設され、このカム部材32にレバー部材28の先端
部28aが軸35により回動自在に取り付けられてい
る。このカム部材32は、図8等に示すように2分割さ
れ、両側面の一方に、ハート型カム溝32aが形成さ
れ、他方に円弧状カム溝32bが形成されている。
【0017】そして、それらカム溝32a,32bに棒
状スプリング36が係合されている。この棒状スプリン
グ36は、略コ字状を呈し、図6,図7及び図9に示す
ように、中間部36aがブラケット31の円弧状の保持
部31aに回動自在に取り付けられる一方、このコ字状
の先端部に内側に向けて係止部36b,36cが突設さ
れ、一方の係止部36bがハート型カム溝23aに移動
自在に挿入され、他方の係止部36cが円弧状カム溝3
2bに移動自在に挿入されている。
【0018】また、前記カム部材32には、係止切欠部
32dが形成され、この係止切欠部32dにパーキング
ブレーキワイヤ24の引掛け部24bが挿入係止されて
いる。さらに、このワイヤ24が挿入されたパーキング
ブレーキホース25の端部が、図6及び図10に示すよ
うに、ブラケット31に形成されたフック31bに係止
されている。なお、動きは作用の欄で説明する。
【0019】一方、油圧式ディスクブレーキ13は、図
1及び図11に示すように、後輪1のリヤホイール3に
ディスクプレート39が固定される一方、リヤアーム9
にキャリパ40が固定されている。このキャリパ40に
は、油圧により作動して両側からディスクプレート39
を挟持するパッド41が設けられ、そのキャリパ40に
油圧を付与するブレーキホース42が図4及び図11に
示すように、接続されている。このブレーキホース42
は、図4中黒塗りで示すように、キャリパ40接続部
(後端部)から前方に向けて車両後方から見て車体の右
側を通って延長され、途中で、図4のXから図12のX
へ連続し、図12に示すように、鉄パイプ43の中を通
って、車体の右側から左側に抜け、図12のYから図3
のYへ連続し、図3中黒塗りで示すように、ハンドル2
6の左側に配設された油圧ポンプ44に接続されてい
る。この油圧ポンプ44は、その左グリップ45のブレ
ーキレバー46を握ることにより、油圧が上昇して、キ
ャリパ40のパッド41により、ディスクプレート39
が挟持されるようになっている。
【0020】次に、作用について説明する。
【0021】車両走行中において、後輪1の動きを制動
するには、ハンドル26の左グリップ部45に設けられ
たブレーキレバー46を握ることにより、油圧ポンプ4
4からブレーキホース42を介して油がキャリパ40に
送られる。これにより、キャリパ40内に油圧が上昇
し、一対のパッド41がディスクプレート39側に向け
て移動することにより、これらパッド41でディスクプ
レート39が挟持されて動きが規制されることとなる。
このように油圧式ディスクブレーキ13を使用すること
により、機械式ドラムブレーキ12を使用するものと比
較すると、後輪1の制動性が向上する。このように走行
中に制動性の良好な油圧式ディスクブレーキ13を使用
することは極めて運転性が向上する。
【0022】一方、自動二輪車を駐車する場合には、例
えば、上記のように左手で、左グリップ部45を握り、
油圧式ディスクブレーキ13を掛けた状態で、右手をア
クセル27から離して、このアクセル27側に設けられ
たレバー部材28を図4及び図6中二点鎖線に示すよう
に引く。
【0023】すると、カム部材32が図6に示すように
回動し、棒状スプリング36の一方の係止部36bが、
ハート型カム溝32aの上辺部32e内を移動する。こ
れは、棒状スプリング36の他方の係止部36cが、円
弧状カム溝32b内を移動することにより、棒状スプリ
ング36の一方の係止部36b側に上方に向かう付勢力
が作用することから、その一方の係止部36bが、ハー
ト型カム溝32aの下辺部32cから上辺部32eに移
動して行く。そして、この一方の係止部36dが上辺部
32eの端部32fに達すると、この一方の係止部36
dには、他方の係止部36cが円弧状カム溝32aに挿
入されていることから、下方に向かう付勢力が作用して
いるため、その一方の係止部36dは、上辺部32eか
らU字状のストッパ部32gに移動して係止され、カム
部材32はこの回動位置で停止される。
【0024】このように、カム部材32が回動されるこ
とにより、パーキングブレーキワイヤ24が図3に示す
コイルスプリング48の付勢力に抗して引っ張られ、機
械式ドラムブレーキ12が作動してブレーキが掛かると
共に、そのカム部材32がその回動位置で停止されるた
め、そのブレーキが掛かった状態が維持されることとな
る。パーキングブレーキワイヤ24が引っ張られると、
カムレバー23を介してカムシャフト19が回動される
ことにより、一対のブレーキシュー15がピボットシャ
フト16を中心に外側に向けて回動され、ライニング1
5aがブレーキドラム20の内壁面に押し付けられる。
これで、いわゆるパーキングブレーキが作動することと
なる。
【0025】また、このパーキングブレーキ状態を解除
するには、レバー部材28を再度引くことにより、棒状
スプリング36の係止部36bがストッパ部32gから
抜け出し、ハート型カム溝32aの下辺部32cに至
る。すると、コイルスプリング48の付勢力により、カ
ム部材32が図6中実線に示す位置まで復帰することと
なり、カムシャフト19が元の回動位置に戻り、一対の
スプリング17,18の付勢力により、一対のブレーキ
シュー15が閉じる方向に回動されて、ライニング15
aがブレーキドラム20から離間してパーキングブレー
キ状態が解除されることとなる。
【0026】このような機械式ドラムブレーキ12は、
制動性能が、それ程、高精度ではないが、油圧式のよう
に、圧力低下を考慮する必要が無く、長時間ブレーキを
掛けた状態でも、安定した制動力を維持できることか
ら、パーキングブレーキには最適である。
【0027】このように、高精度の制動性能が要求され
る走行時には、油圧式ディスクブレーキ13を使用する
ことにより、制動性能の要求を充足し、又、長時間に渡
り安定した制動力が要求される駐車時には、機械式ドラ
ムブレーキ12を使用することにより、長時間に渡る安
定した制動力の要求を充足することができる。
【0028】また、機械式ドラムブレーキ12のレバー
部材28をアクセル27側に設定することにより、右手
で操作し易いことから、左手で油圧式ディスクブレーキ
13を作動させた状態で、機械式ドラムブレーキ12の
作動又は解除を行うことができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、各請求項に記
載の発明によれば、高精度の制動性能が要求される走行
時には、油圧式ディスクブレーキを使用することによ
り、制動性能の要求を充足し、又、長時間に渡り安定し
た制動力が要求される駐車時には、機械式ドラムブレー
キを使用することにより、長時間に渡る安定した制動力
の要求を充足することができる。
【0030】請求項2に記載の発明によれば、上記効果
に加え、機械式ドラムブレーキのレバー部材をアクセル
側に設定することにより、右手で操作し易いことから、
左手で油圧式ディスクブレーキを作動させた状態で、機
械式ドラムブレーキの作動又は解除を行うことができ
る、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る腰部を示す後輪部
分の車両後方から見た断面図である。
【図2】同実施の形態に係る機械式ドラムブレーキを示
す図である。
【図3】同実施の形態に係る自動二輪車の右側面図であ
る。
【図4】同実施の形態に係る自動二輪車の左側面図であ
る。
【図5】同実施の形態に係るレバー部材の配設部分を示
す図である。
【図6】同実施の形態に係る図6のA−A線に沿う断面
図である。
【図7】同実施の形態に係るレバー部材等の分解斜視図
である。
【図8】同実施の形態に係るカム部材の分解斜視図であ
る。
【図9】同実施の形態に係る棒状スプリングの取付部分
の分解斜視図である。
【図10】同実施の形態に係るブラケットへのパーキン
グブレーキホース等の取付状態を示す斜視図である。
【図11】同実施の形態に係る油圧式ディスクブレーキ
や後輪を示す正面図である。
【図12】同実施の形態に係る油圧式ディスクブレーキ
のブレーキホースの配索状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 後輪 2 リヤタイヤ 3 リヤホイール 12 機械式ドラムブレーキ 13 油圧式ディスクブレーキ 26 ハンドル 27 アクセル 28 レバー部材(操作部) 45 左グリップ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪の左右の一方側に機械式ドラムブレ
    ーキを、他方側に油圧式ディスクブレーキをそれぞれ配
    設し、該油圧式ディスクブレーキのブレーキレバーをハ
    ンドルの左グリップ部に設け、該機械式ドラムブレーキ
    の操作部を前記ハンドルのグリップ部以外の部分に設け
    たことを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記機械式ドラムブレーキの操作部を、
    アクセル側に設定したことを特徴とする請求項1記載の
    自動二輪車用ブレーキ装置。
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