JPH1110816A - 化粧シートおよび化粧板 - Google Patents

化粧シートおよび化粧板

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JPH1110816A
JPH1110816A JP16848197A JP16848197A JPH1110816A JP H1110816 A JPH1110816 A JP H1110816A JP 16848197 A JP16848197 A JP 16848197A JP 16848197 A JP16848197 A JP 16848197A JP H1110816 A JPH1110816 A JP H1110816A
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JP
Japan
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decorative sheet
decorative
layer
polyester film
resin
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JP16848197A
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English (en)
Inventor
Kenji Yoshihara
賢司 吉原
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却時に問題がなく、基材の色調による影響
を受けることなく高意匠の絵柄模様の現出が可能で、か
つ物体との接触で容易に傷が入らないこと化粧シートお
よび化粧板を提供する。 【解決手段】 透過濃度が0.1〜5.0でかつ色度b
値が−5.0以上のポリエステルフイルムに、絵柄印刷
層とロックウエル硬さが40〜130の表面硬化層とを
順次に積層してなることを特徴とする化粧シート、およ
び当該化粧シートを、前記表面硬化層が最外層となるよ
う基材と貼り合わされてなることを特徴とする化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧シートおよび
化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧板とは、基材の表面に少なくともフ
イルム層と絵柄印刷層と表面硬化層を順次に配置してな
り、通常、単独商品として取り扱われる建築材料(表面
材料)であり、化粧シートとは、各種の家具、建材、住
宅機器などの各種商品の基材の表面に貼合されかつその
表面に表面硬化層を配置して使用される装飾材料(表面
材料)である。
【0003】化粧板の基材と絵柄印刷層との間に使用さ
れるシートおよび化粧シートに使用されるシート(フイ
ルム)としては、塩化ビニル樹脂シートが最も一般的で
ある。しかしながら、塩化ビニル樹脂シートを使用した
場合、当該シートに配合された可塑剤が貼り合わせ面の
接着剤層に移行して接着不良の原因となり、また、塩化
ビニル樹脂シートの熱寸法安定性が悪いため、熱による
伸縮が生じてシワの発生原因になる等の問題がある。そ
こで、塩化ビニル樹脂シートを使用しない化粧板および
化粧シートの要望が強まって来ている。
【0004】ところで、前述のとおり、化粧板および化
粧シートは、表面材として使用されるため、通常、表面
には高意匠の絵柄模様が施される。そのため、絵柄のコ
ントラストや陰影の微妙なコントラストを出すには、色
調管理が極めて重要である。すなわち、化粧板の基材や
化粧シートが貼合される基材には合板(パーティクルボ
ード)や鋼板など多岐に渡る材料が使用されるが、これ
ら基材の色調は、例えば、材料が同じであっても多種多
様に異なっているのが通例である。したがって、化粧シ
ートを構成するシートの隠蔽度が悪い場合は、基材の色
調が化粧板や化粧シートの表面の色調に影響を与えて意
匠性が損なわれる。
【0005】そこで、化粧シートのシートとしては、様
々な色調を有する基材に広く適用できるようにするた
め、隠蔽性を有するシート(フイルム)が望まれてい
る。また、化粧シートが表面材として使用される家具、
建材、住宅機器などには木質系の材料が好まれる。した
がって、化粧シートを構成するシートは木質系の質感を
表現できる色合いのシートを用いることが望まれてい
る。
【0006】さらに、化粧板および化粧シートは、表面
材として使用されるため、例えばドアなどの表面材に用
いられた場合、家屋の施工時は施工業者の持ち込む道
具、機材、材料などがドアに接触したり、設置する家具
等の角が入室の際にドアに接触したり、さらに日常生活
でも掃除機の吸い取り口の角がドアに接触する等、様々
な物体との接触が頻繁に起こり、その物体の接触跡、す
なわち汚れ、傷等を受ける。ここで汚れとは、接触物か
ら化粧シート表面に転写し、化粧シートの絵柄と区別さ
れる柄のことであり、基本的に化粧シートの表面を破壊
しない。また傷とは接触物が化粧シート表面を破壊し、
その表面に絵柄と同調しない凹凸を作成することであ
り、その凹凸部分の光反射が周りの絵柄と異なるため、
絵柄と区別される。汚れ、傷とも化粧板および化粧シー
トの意匠性を低化させるが、特に傷は化粧シート表面を
破壊するため、化粧シートを交換しない限り消えないの
で、問題が大きい。したがって物体との接触によって傷
を受けない化粧板および化粧シートが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その解決課題は、焼却時に問
題がなく、基材の色調による影響を受けることなく高意
匠の絵柄模様の現出が可能で、かつ物体との接触で容易
に傷が入らないこと化粧板および化粧シートを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することによ
り、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、透
過濃度が0.1〜5.0でかつ色度b値が−5.0以上
のポリエステルフイルムに、絵柄印刷層とロックウエル
硬さが40〜130の表面硬化層とを順次に積層してな
ることを特徴とする化粧シート、および当該化粧シート
を、前記表面硬化層が最外層となるよう基材と貼り合わ
されてなることを特徴とする化粧板に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルとは、ジカルボン酸とジオー
ルまたはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得ら
れるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げ
られ、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等が
挙げられ、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロ
キシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが
挙げられる。
【0010】代表的なポリエステルとしては、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレー
ト等が例示される。本発明で使用するポリエステルは、
ホモポリマーであってもよく、また、第3成分を共重合
させたコポリマーでもよい。本発明における化粧シート
は、前述のように、様々な色調を有する基材に広く適用
される。したがって、本発明の化粧シートおよび化粧板
は、基材の色調によって化粧シートの色調が変化してそ
の高度な意匠性が損なわれることがないように、隠蔽性
を有するポリエステルフイルムを使用することが重要で
ある。
【0011】そこで、本発明においては、用いるポリエ
ステルフイルムの透過濃度が0.1〜5.0である必要
があり、好ましくは0.2〜4.0、さらに好ましくは
0.5〜3.0の範囲である。ポリエステルフイルムの
透過濃度が0.1より小さい場合は、ポリエステルフイ
ルムが貼着される基材の色調が化粧シート表面の絵柄模
様の色調に影響を与えて本発明の目的を達成することが
できない。ポリエステルフイルムの透過濃度が5.0よ
り大きい場合は、フイルム製造時にフイルム破断が多発
したり、ポリエステルフイルムの機械的強度が低下す
る。
【0012】上記の透過濃度で示される隠蔽性は、一般
的には、フイルム中に無機または有機の粒子を含有させ
ることによって得られる。粒子としては、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウ
ム、二酸化珪素、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロ
ム等が例示されるが、本願発明で規定する透過濃度を満
足し得る限り、使用される粒子の種類は上記の例に限定
されない。
【0013】また、隠蔽性を付与する方法としては、ポ
リエステルフイルム中に独立小気泡を含有させる方法も
好ましく採用し得る。具体的には、ポリエステルと非相
溶性であるポリオレフィンをポリエステルに少量添加し
て延伸および熱固定を行う方法、ポリエステルフイルム
に不活性ガスを含有させる方法などが例示される。本発
明の化粧シートおよび化粧板により、基材の色調の影響
を受けることなく高意匠の表面絵柄を現出することがで
き、この化粧シートおよび化粧板は建材、家具、住宅機
器などの表面加飾に好適である。
【0014】ところで、家具、建材、住宅機器などには
木質系の材料が好まれる。すなわち、和風住居が醸す木
肌の色調で囲まれた空間から精神的安らぎが得られるた
め、木質系の色調が好まれる。このような場合、ポリエ
ステルフイルムの隠蔽性に加え、ポリエステルフイルム
自身の色調を合わせるのが好ましい。そこで、本発明の
化粧シートおよび化粧板においては、ポリエステルフイ
ルムの色度b値が−5.0以上である必要があり、好ま
しくは−4.0以上、さらに好ましくは−3.0以上で
ある。色度b値が−5.0より小さい場合は、白色度が
増大して青味がかった色調となる。特に、通常の木質系
材料が有する色調を現出する必要がある場合は、色度b
値を−5.0〜50.0とすることにより、表面材の色
調の影響が少なくなって化粧シートおよび化粧シートを
基材に貼合させた化粧板の表面の色調調整が容易とな
る。
【0015】前述した隠蔽性と色調を持ったポリエステ
ルフイルム単層と絵柄印刷層とを積層して本発明の化粧
シートおよび化粧板を得てもよいが、さらに同じポリエ
ステルフイルムを複数層積層して、隠蔽性の強化を行っ
てもよい。また、ポリエステルフイルムと絵柄印刷層と
の間に隠蔽性を有する隠蔽層や、絵柄を鮮明にするため
の下引き層等を設けてもよい。
【0016】本発明の化粧シートは通常、建築材料の表
面材として使用され、高意匠性を要求されるため、絵柄
印刷層を設ける。絵柄印刷層を設けるインキとしては従
来公知のインキ、例えばインキ用ビヒクルに染料または
顔料などの着色剤を添加し、さらに可塑剤、安定剤、ワ
ックス、グリース、乾燥剤、補助乾燥剤、硬化剤、増粘
剤、分散剤、充填剤、などの添加物を任意に添加し、溶
剤あるいは希釈剤を添加して充分に混練りしてなるイン
キを使用することができる。
【0017】上記のインキにおいて使用するビヒクルと
しては、例えばアマニ油、大豆油、合成乾燥性油等の各
種の油脂類、ロジン、コパール、ダンマル、硬化ロジ
ン、ロジンエステルまたは重合ロジンなどの天然樹脂ま
たは加工樹脂類、ロジン変性フェノール樹脂、フェノー
ル樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、石油系樹
脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂などの合成
樹脂類、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セ
ルロース等のセルロース誘導体、環化ゴムなどの誘導
体、その他膠、カゼイン、デキストリン、ゼイン等を使
用することができる。
【0018】上記のインキを印刷する方法としては、グ
ラビア印刷法、ドライオフセット印刷法、凸版印刷法、
シルクスクリーン印刷法等の公知の印刷方法を用いるこ
とができる。また転写法によって設けてもよい。絵柄印
刷層は単層であってもよいし、2層以上の積層構造であ
ってもよい。本発明における化粧シートおよび化粧板は
前述したように表面材として使用され、特にドア等の表
面加飾に用いられる。ドアには前述した様々な物体が頻
繁に接触するため、化粧シートの表面が軟らかいと、簡
単に傷を受けてしまい、化粧シートおよび化粧板の意匠
性が低化する。したがって、化粧シートおよび化粧板の
最外層の表面硬化層は傷が入りにくい十分な硬さを持つ
ことが必要である。
【0019】本発明における化粧シートおよび化粧板の
最外層に設けられる表面硬化層としてはロックウエル硬
さが40〜130であることが必要であり、好ましくは
50〜125である。ロックウエル硬さが40未満で
は、物体との接触によって簡単に傷が入ってしまい好ま
しくない。なお、ロックウエル硬さはその試験方法から
130より大きくなることはない。
【0020】表面硬化層はハードコート層を印刷して設
けてもよいし、透明な表面硬化層を押出ラミネートで設
けてもよい。さらに、透明樹脂フイルムを絵柄印刷層の
最外部にラミネートすることで設けてもよい。ハードコ
ートとしては、熱硬化型樹脂、二液反応硬化型樹脂、活
性線硬化型樹脂等が使用される。ここで活性線とは紫外
線、電子線、放射線などアクリル系のビニル基を重合化
させる電磁波を意味する。
【0021】熱硬化型樹脂としてはエポキシ、メラミ
ン、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ポリシロキサ
ン等の樹脂を使用しても良い。二液反応硬化型樹脂とし
てはポリウレタン樹脂にイソシアネート硬化剤を配合し
た物を使用してもよい。活性線硬化型樹脂としては活性
線重合成分としてアクリルオリゴマーと反応性希釈剤を
含み、その他に必要に応じて光重合開始剤、光増感剤、
改質剤を含有してもよい。アクリルオリゴマーとは、ア
クリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたも
のを始めとしてポリエステルアクリ、ウレタンアクリ
ル、エポキシアクリル、ポリエーテルアクリル等があ
り、またメラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格
にアクリル基を結合したものなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。反応性希釈剤とは、塗布
剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を狙うととも
に、それ自体が単官能性あるいは多官能性のアクリルオ
リゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となる
ものである。また、特に紫外線による架橋の場合には光
エネルギーが小さいため、光エネルギーの変換や開始の
助長のため光重合開始剤および増感剤が必要である。こ
れらのアクリルオリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始
剤、増感剤、架橋装置などの具体例は山下晋三、金子東
助編、「架橋剤ハンドブック」大成社1981年発行、
第267〜275頁、第562〜593頁を参考とする
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】ハードコートを設ける方法としては公知の
塗付方法で設ければよく、特に規定されない。また、ハ
ードコートを硬化させる方法としては、熱硬化型樹脂、
二液硬化型樹脂を用いた場合は通常の外部加熱乾燥、例
えば熱風乾燥等、および電磁波加熱乾燥、例えば赤外線
乾燥等にて硬化させることができる。また活性線硬化型
樹脂についても通常の硬化方法、すなわち電子線または
紫外線の照射によって硬化することができる。
【0023】ハードコートの厚さは、0.5〜200μ
mが好ましく、さらに熱硬化型樹脂、二液硬化型樹脂は
5〜20μmが活性線硬化型樹脂は10〜100μmが
好ましい。ハードコートの厚さが0.5μm未満の場
合、傷入り防止効果が乏しくなる傾向がある。また、ハ
ードコートの厚さが200μmを超えると、ハードコー
ト塗布、硬化後の化粧シートに曲加工を施した際、ハー
ドコート層にクラックが生じ、ハードコート層の白化を
引き起こすことがある。
【0024】表面硬化層を押出ラミネートで設けること
も好ましい。押出しラミネートに使用される樹脂として
は、透明なポリエチレン樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、
ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ
オレフィン系エラストマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリウレタン系エラストマー樹脂などであり、ロックウ
エル硬さが本発明の範囲内であれば、どのような樹脂を
用いても構わない。
【0025】これらの樹脂を押出機で可塑化し、ダイ口
金を用いて絵柄印刷層を施した化粧シートの上に溶融状
態でシート状で押出し、冷却、固化させ化粧シートにラ
ミネートするとよい。また溶融状態で押出し、化粧シー
トの上に設置させた後、フイルムの両側から冷却件接着
ロールでプレスすると、急冷されることにより球晶の成
長が抑制され、透明性が保たれ、表面が平滑になり、ま
た絵柄印刷層と溶融樹脂シートとの接触面に圧力が加え
られることにより接着力が高まり、好ましい。さらに冷
却ロールの表面に凸凹を作成しておき、この凸凹を押出
ラミネートした表面硬化層に転写させることで、すなわ
ちエンボス加工を施すことで、意匠性をさらに増すこと
ができる。溶融状態で押出す表面硬化層は単層であって
もよいし、2層以上の積層であってもよい。また溶融状
態で押出す樹脂と絵柄印刷層を有した化粧シートの接着
性を向上させるために、絵柄印刷層の最外層に接着剤を
塗付した後、押出しラミネート加工を行ってもよい。
【0026】押出しラミネート層の厚さは2〜200μ
m、さらには20〜100μmが好ましい。押出しラミ
ネート層の厚さが2μmより薄ければ、傷入り防止効果
が劣る傾向があり、200μmより厚ければ、絵柄印刷
層の鮮鋭性が押出しラミネート層によって鈍化されてし
まう恐れがある。表面硬化層を透明樹脂フイルムをラミ
ネートすることで設けても好ましい。絵柄印刷層にラミ
ネートする透明樹脂フイルムの樹脂としてはポリエチレ
ン樹脂、セロハン、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルメ
タクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン
樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、EVOH樹
脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリブデン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂
等、燃焼時に塩素ガスを発生する樹脂以外であり、ロッ
クウエル硬さが本発明の範囲内であればどのような樹脂
でもよい。例えば塩化ビニル樹脂フイルムを表面硬化層
に用いた化粧シートは傷入り防止が十分に施されるが、
化粧シートの焼却時に塩素ガスの発生が起こり、本発明
の効果を満足できなくなってしまう。
【0027】印刷層の最外層に透明樹脂フイルムをラミ
ネートする方法としては、公知の方法で行うことがで
き、特に規定されない。ラミネートする際に接着剤を用
いてもよいし、用いなくてもよい。接着剤を用いる場合
は接着剤として紫外線硬化型接着剤や、熱硬化型接着
剤、二液硬化型接着剤等を用いるとよい。これらの接着
剤は絵柄印刷層の上に予め設けておいてもよいし、透明
樹脂フイルムの絵柄印刷層と接着される面に設けておい
てもよい。また、ラミネートする際に接着性を高めるた
め、熱圧着ロールにて圧着させることが好ましいが、こ
の熱圧着ロールの表面に凸凹を作成しておき、この凸凹
をラミネートした透明樹脂フイルムに転写させること
で、すなわちエンボス加工を施すことで、意匠性をさら
に増すことができる。
【0028】透明樹脂フイルムの厚さとしては2〜20
0μm、さらには20〜100μmが好ましい。透明樹
脂フイルムの厚さが2μmより薄ければ、傷入り防止効
果が劣る傾向があり、200μmより厚ければ、絵柄印
刷層の鮮鋭性が透明樹脂フイルムによって鈍化されてし
まう恐れがある。本発明により、接触物体により傷が入
らない化粧シートおよび化粧板が満足される。本発明の
化粧シートおよび化粧板は、特にドア、家具等の面状の
建築材料の表面材として適している。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を意
味する。 (1)透過濃度 マクベス濃度計(TD−904型)を使用し、Gフィル
ター下の透過光濃度を測定した。この値が大きいほど隠
蔽力が高いことを示す。 (2)色調 カラーアナライザー(東京電色(株)製「TCー180
0MKII型」)を使用し、JIS Z−8722の方法
に準じ、色調をL、a、bの値として測定した。 (3)ロックウエル硬さ JIS−K7202に準じて、スケールにMを採用し、
表面硬化層の硬さを測定した。 (4)傷入り防止性 コインにより化粧シートの表面をスクラッチし、その時
に傷がまったく入らない場合を◎、薄く傷が入る場合を
○、傷がはっきりと入る場合を×、○と×の中間を△と
した。 (5)意匠性 表面が黒色の平面基材である合板に化粧シートを貼着し
て化粧板となし、化粧シートの表面に印刷された絵柄の
色調変化を観察し、意匠性が保たれている場合を○、色
調の変化が著しくて意匠性が低下した場合を×、その中
間を△とした。 (6)易エンボス性 150℃で表面に突起物のついたロールで化粧シート面
にエンボス加工を施し、エンボス加工が容易である場合
を○、エンボス加工が困難な場合を×、特に容易に加工
できる場合を◎とした。
【0030】実施例および比較例で用いたポリエステル
原料の製造方法は以下のとおりである。 〈ポリエステルAの製造方法〉ジメチルテレフタレート
100部、エチレングリコール70部、酢酸カルシウム
ー水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共に
メタノールを留去させエステル交換反応を行い、反応開
始後、約4時間半を要して230℃に達せしめて実質的
にエステル交換反応を終了した。
【0031】次に、燐酸0.04部および三酸化アンチ
モン0.035部を添加し、常法に従って重合した。す
なわち、反応温度を徐々に上げて最終的に280℃と
し、一方、圧力を徐々に減じて最終的に0.05mmH
gとした。4時間後に反応を終了し、常法に従い、チッ
プ化してポリエステル(A)を得た。 〈ポリエステルBの製造方法〉上記の製造方法により得
られたポリエステル(A)40部とルチル型二酸化チタ
ン60部とを常法に従い、二軸押出機中で溶融混合した
後にチップ化してマスターバッチポリエステルチップ
(B)を得た。 〈ポリエステルCの製造方法〉ポリエステル(A)3
4.4部とルチル型二酸化チタン60部に加え、黄色顔
料としてアンスラキノン3.5部、カーボンブラック
0.1部、酸化鉄2.0部を使用し、常法に従い二軸押
出機中で溶融混合した後にチップ化してマスターバッチ
ポリエステルチップ(C)を得た。 〈ポリエステルDの製造方法〉ポリエステル(A)5
1.9部とルチル型二酸化チタン26部に加え、黄色顔
料としてチタンイエロー12部、黄茶色酸化鉄10部、
カーボンブラック0.1部を使用し、常法に従い二軸押
出機中で溶融混合した後にチップ化してマスターバッチ
ポリエステルチップ(D)を得た。 〈ポリエステルEの製造方法〉ポリエステル(A)3
9.9部とルチル型二酸化チタン60部、青色顔料とし
てフタロシアニンブルー0.1部を使用し、常法に従い
二軸押出機中で溶融混合した後にチップ化してマスター
バッチポリエステルチップ(E)を得た。
【0032】実施例1(白色フイルム+ハードコート) 上記ポリエステルチップ(A)88部、ポリエステルチ
ップ(B)12部を別々に180℃5時間乾燥した後混
合し、常法に従い溶融押出した後、急冷固化し、縦、横
にそれぞれ83℃で2.9倍、125℃で3.2倍、逐
次二軸延伸した後、210℃で熱処理して50μmの二
軸配向ポリエステルフイルムを得た。得られたポリエス
テルフイルムにニトロセルロース系インク、(東洋イン
キ製造社製セロカラー(茶色))を乾燥後の厚さが3μ
mとなるように塗付し、80℃の熱風乾燥炉で1分間乾
燥させて絵柄印刷層を設けた。その絵柄印刷層の上にポ
リウレタンアクリレート系の紫外線硬化型インキ(大日
本インキ化学工業社製 ユニデック17−806系)を
バーコーターを用いて塗付し、60℃で5分間予備乾燥
し、紫外線照射装置(ウシオ電機社製 UVH−200
0型)で硬化条件を50W/cm、照射距離15cm、
照射時間5秒として厚さ10μmの硬化層を形成し、化
粧シートを得た。得られた化粧シートの特性を下記表1
に示すが、化粧板適性は非常に良好であった。
【0033】実施例2(発泡フイルム+ハードコートタ
イプ) 実施例1において、ポリエステルチップ(B)4部、ポ
リオレフィン13部、ポリエステルチップ(A)83部
からなる組成に変更した以外は、実施例1と同様にして
二軸配向ポリエステルフイルムを得、実施例と同様にし
て絵柄印刷層、紫外線硬化型表面硬化層を設けた。得ら
れた化粧シートの特性を表1に示すが、化粧板適性は良
好であった* 実施例3(有機系着色フイルム+押出しラミ) 実施例1において、ポリエステルチップ(B)の代わり
にポリエステルチップ(C)を使用した以外は、実施例
1と同様にして二軸配向ポリエステルフイルムを得
た。、その後実施例1と同様にして絵柄印刷層を設け、
その絵柄印刷層の上にポリエチレン樹脂を常法により溶
融し、Tダイを用いて押出し、直ちに、表面がクロムメ
ッキされ、表面温度が23℃に設定された冷却ロールと
ゴムロールにてニップしてラミネートを行った。ポリエ
チレン樹脂の厚さは50μmとした。得られた化粧シー
トの特性を表1に示すが、化粧板適性は非常に良好であ
った。
【0034】実施例4(無機系着色フイルム+フイルム
ラミ) 実施例1において、ポリエステルチップ(A)76部、
ポリエステルチップ(D)24部からなる組成に変更し
た以外は、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステル
フイルムを得、実施例と同様にして絵柄印刷層を設け、
その絵柄印刷層の上にウレタン系二液硬化型接着剤(東
洋インキ製造社製)をバーコーターにて4〜5μm(ド
ライベース)の厚みに塗付し、乾燥炉で約70℃、1分
間乾燥した。この接着剤層の上に厚さ50μmの透明ポ
リエチレンテレフタレート(ダイアホイルヘキスト社製
T100−50)をのせ、ロール温度約120℃のラ
ミネーターでラミネートし、化粧シートを得た。得られ
た化粧シートの特性を表1に示すが、化粧板適性は非常
に良好であった。
【0035】比較例1(低OD品+ハードコート) 実施例1において、ポリエステルチップ(A)99部、
ポリエステルチップ(B)1部からなる組成に変更した
以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。得ら
れた化粧シートは化粧板としたとき平面基材である合板
の黒色に影響され色調変化がおこり、意匠性が低下し、
化粧板適性として不適当であった。
【0036】比較例2(高OD品) 実施例1において、ポリエステルフイルムの透過濃度が
6.0となるようにポリエステルチップ(B)の配合量
を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向ポリ
エステルフイルムを得ようとした。しかしながら、横延
伸時に破断が多発してフイルムが得られなかった 比較例3(青色フイルム+ハードコート) 実施例1において、ポリエステルチップ(B)の代わり
にポリエステルチップ(E)を使用する以外は、実施例
1と同様にして化粧シートを得た。得られたポリエステ
ルフイルムはb値が低く青みが強すぎるため、絵柄印刷
層の色目が変わってしまい、化粧板適性として不適当で
あった。* 比較例4(白色フイルム+ロックウエル硬さ低い) 実施例1と同様にして、絵柄印刷層を設けるまで加工
し、その上に透明なニトロセルロース系インキ(東洋イ
ンキ製造社製 セロカラー(メジウム))を乾燥後の厚
さが10μmとなるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉
で5分間乾燥させて最外層の表面硬化層を設けた。得ら
れた化粧シートは傷入り防止性試験において傷が簡単に
入ってしまい、化粧板適正として不適当であった。
【0037】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 ─────────────────────────────────── 1 2 3 4 1 2 3 <透過濃度> 0.50 0.50 1.52 1.97 0.05 0.50 0.50 <色調b値> 1.0 -4.0 25.1 28.3 1.0 -30.0 1.0 <硬さ> ロックウエル硬さ 120 120 50 100 120 120 30 <化粧板適性> 傷入防止性 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ × 意匠性 ○ △ ○ ○ × × ○ 易エンボス性 ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ <総合判定> ◎ ○ ◎ ◎ × × × ───────────────────────────────────
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、焼却時に問題がなく、
基材の色調による影響を受けることなく高意匠の絵柄模
様の現出が可能で、かつ物体との接触によっても傷が入
りにくい化粧板または化粧シートを提供することがで
き、本発明の工業的価値は非常に大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過濃度が0.1〜5.0でかつ色度b
    値が−5.0以上のポリエステルフイルムに、絵柄印刷
    層とロックウエル硬さが40〜130の表面硬化層とを
    順次に積層してなることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化粧シートを、表面硬化
    層が最外層となるよう基材と貼り合わされてなることを
    特徴とする化粧板。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7198857B2 (en) 2003-09-02 2007-04-03 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polyester film for forming
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