JP2012232582A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材の表面に少なくともフィルム層とハードコート層を順次に配置してなる化粧板または化粧シートの前記フィルム層に使用されるポリエステルフィルムであって、当該ポリエステルフィルムの透過濃度が0.1〜5.0であり、ハードコート層を配置する少なくとも片面に、イソシアネート化合物、ナフタレン骨格を含有するポリエステル樹脂、および金属酸化物を含有する塗布液から形成されたプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明で使用するポリエステルは、ホモポリマーであってもよく、また、第3成分を共重合させたコポリマーでもよい。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
熱収縮率が−5.0%より大きい場合は、化粧シートの表面が膨れ上がり外観が大きく損なわれることがある。熱収縮率が+7%を超える場合は、化粧シートが建材や家具などから剥離したり、絵柄模様が歪んだりする等の問題を生じることがある。なお、収縮率が負の値であることは、熱処理後にフィルムが伸張することを表す。
製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、プライマー層の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
しかし、本発明においてはイソシアネート化合物を用いることで極めて優れた接着性を得ることができる。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
TEM(日立製作所社製 H−7650、加速電圧100V)を使用してプライマー層を観察し、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とした。
プライマー層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4で染色し、プライマー層断面をTEM(日立製作所社製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(日本分光社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/minでプライマー層面を波長範囲300〜800nmの絶対反射率を測定し、その極小値における波長(ボトム波長)と反射率を評価した。
マクベス濃度計(TD−904型)を使用し、Gフィルター下の透過光濃度を測定した。この値が大きいほど隠蔽力が高いことを示す。
表面が黒色の平面基材である合板に化粧シートを貼着して化粧板となし、化粧シートの表面に印刷された絵柄模様の色調変化を観察し、意匠性が保たれている場合を○、色調の変化が著しくて意匠性が低下した場合を×、その中間を△とした。
ポリエステルフィルムのプライマー層側に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート72重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート18重量部、五酸化アンチモン10重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバスペシャルティケミカルズ社製)1重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合塗液を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線を照射して硬化させハードコート層を形成した。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、干渉ムラが確認できないものを◎、薄くまばらな干渉ムラが確認されるものを○、薄いが線状の干渉ムラが確認できるものを△、明瞭な干渉ムラが確認されるものを×とした。
より厳しい密着性の評価を行うために、上記(5)の評価で使用したハードコート液から五酸化アンチモンを除いた材料で検討した。すなわち、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート20重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバスペシャルティケミカルズ社製)5重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合塗液を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線を照射して硬化させハードコート層を形成した。得られたフィルムに対して、80℃、90%RHの環境下で100時間後、10×10のクロスカットをして、その上に18mm幅のテープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後の剥離面を観察し、剥離面積が3%未満ならば◎、3%以上10%未満なら○、10%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。
次にこの反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、常法に従い4時間重縮合反応を行った。すなわち、反応温度を230℃から徐々に上げて最終的に280℃とし、一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させチップ化してポリエステル(A)を得た。得られたポリエステル(A)の固有粘度は0.63であった。
上記のポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、平均粒径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、固有粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)の固有粘度は0.65であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム・一水塩0.07重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、4時間半後に230℃と、実質的にエステル交換反応を終了させた。
次にこの反応混合物に正燐酸0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.035重量部を加えて、常法に従い4時間重縮合反応を行った。すなわち、反応温度を徐々に上げて最終的に280℃とし、一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.05mmHgとした。反応開始約4時間後、反応を停止し、常法に従いチップ化してポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.75であった。
上記のポリエステル(C)40重量部とルチル型二酸化チタン60重量部とを定法に従い二軸押出機中で溶融混合した後にチップ化してマスターバッチポリエステル(D)を得た。
上記のポリエステル(C)40重量部とルチル型二酸化チタン60重量部に加えて、黄色顔料としてアンスラキノン3.5重量部、カーボンブラック0.1重量部、酸化鉄2.0重量部使用し、常法に従い二軸押出機中で溶融混合した後にチップ化してマスターバッチポリエステル(E)を得た。
(化合物例)
・ナフタレン骨格を含有するポリエステル樹脂:(IA)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8//80/20(mol%)
・ナフタレン骨格を含有するポリエステル樹脂:(IB)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=78/15/7//90/10(mol%)
・金属酸化物:(IIB)平均粒径15nmの酸化ジルコニウム粒子
・金属酸化物:(IIC)平均粒径15nmの酸化チタン粒子
・芳香族イソシアネート化合物:(III)
メチルエチルケトン溶媒中で、アジピン酸/イソフタル酸//1,6−ヘキサンジオール=50/50//100(モル%)のポリエステルポリオール(平均分子量1700)100重量部、1,4−ブタンジオール9重量部、トリメチロールプロパン8重量部に、トリレンジイソシアネート80重量部を添加して、反応を行った後、ジメチロールプロピオン酸12重量部、ポリエチレングリコール(平均分子量600)16重量部、アミン触媒を添加し、75℃で反応を行った。次に55℃にてメチルエチルケトンオキシム16重量部を添加し、ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとした。さらに、トリエチルアミン7.2重量部、水450重量部を混合し、トリエチレンテトラミン2.9重量部を添加し、反応させ、メチルエチルケトン溶媒を除去し得られたブロック芳香族イソシアネート化合物。
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
・ヘキサメトキシメチルメラミン(V)
・粒子:(VIA)平均粒径0.45μmのシリカ粒子
・粒子:(VIB)平均粒径0.30μmのシリカ粒子
・粒子:(VIC)平均粒径0.16μmのシリカ粒子
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料を最外層原料とし、ポリエステル(C),(D)をそれぞれ88%、12%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=6/38/6の吐出量)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度83℃で縦方向に3.0倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に125℃で3.2倍延伸し、215℃で熱処理を行い、膜厚(乾燥後)が0.10μmのプライマー層を有する厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムにハードコート層を積層後のフィルムには明瞭な干渉ムラはなく、また密着性も良好であった、このフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、干渉ムラレベルも良好で、密着性も良好なものであった。
実施例1において、最外層の原料をポリエステル(A)単独とする以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、ハードコート層を積層後の干渉ムラレベルも良好で、密着性も良好なものであった。
実施例19において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、ハードコート層を積層後の干渉ムラレベルも良好で、密着性も良好なものであった。
実施例1において、ポリエステル(D)の替わりに、ポリエステル(E)を使用した以外は、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、ハードコート層を積層後の干渉ムラレベルも良好で、密着性も良好なものであった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、明瞭な干渉ムラが観察できる場合、密着性が劣る場合が見られた。
実施例1において、ポリエステル(C),(D)をそれぞれ99%、1%の割合で混合した混合原料を原料とした以外は、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、ハードコート層を積層後の干渉ムラレベルも良好で、密着性も良好なものであったが、印刷色変化が大きく化粧板適性は不十分だった。
Claims (1)
- 基材の表面に少なくともフィルム層とハードコート層を順次に配置してなる化粧板または化粧シートの前記フィルム層に使用されるポリエステルフィルムであって、当該ポリエステルフィルムの透過濃度が0.1〜5.0であり、ハードコート層を配置する少なくとも片面に、イソシアネート化合物、ナフタレン骨格を含有するポリエステル樹脂、および金属酸化物を含有する塗布液から形成されたプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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