JPH11105026A - 繊維補強セメント板の製造方法 - Google Patents

繊維補強セメント板の製造方法

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JPH11105026A
JPH11105026A JP27632197A JP27632197A JPH11105026A JP H11105026 A JPH11105026 A JP H11105026A JP 27632197 A JP27632197 A JP 27632197A JP 27632197 A JP27632197 A JP 27632197A JP H11105026 A JPH11105026 A JP H11105026A
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JP
Japan
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fiber
layer
slurry
cement board
reinforced cement
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JP27632197A
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English (en)
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Atsushi Uematsu
淳 植松
Kazuo Hashi
和男 橋
Hiroki Kuwayama
弘樹 桑山
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抄造により製造される繊維補強セメント板の表
面に深彫りの凹凸模様を材料の制限なく容易に製造する
ことを課題とする。 【解決手段】吸引脱水装置1を備えたフェルトベルト2
上にセメントスラリーを層状に供給し、吸引脱水して搬
送する過程において該層を基層3として、嵩比重が高く
後述のプレス圧により圧壊され易い無機多孔質粒子を1
2〜20重量%含むセメントスラリーBをさらに層状に
供給して積層後、後述のプレス成形に適した寸法に裁断
し、該裁断した未硬化の繊維補強セメント板5を上層か
らプレスして上層表面に凹凸模様を付し、以後常法に従
い養生硬化する工程よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繊維補強セメン
ト板の製造方法に関し、詳しくはフローオン成形法によ
る繊維補強セメント板の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維補強セメント板の製造方法としてフ
ローオン成形法が知られている。このフローオン成形法
とは、繊維補強セメント板の製造方法における抄造法の
一種で、繊維補強セメント配合からなるセメントスラリ
ーを吸引脱水装置を備えたフェルトベルト上に層状に供
給し、所定の含水率となるまで搬送脱水して板状に成形
し、その後フェルトベルト末端で所定長さ毎に裁断し、
プレスして表面に凹凸模様を付し、養生硬化させる工程
から構成されたものを言う。
【0003】この繊維補強セメント板の製造方法は、他
の抄造法、例えば円筒状の丸網で抄き上げた薄い種膜を
メーキングドラム上に積層し、その後切開して平らに延
ばしプレスして板状に成形する丸網抄造法に比べ一時に
厚手の繊維補強セメント板が成形可能で製造効率が良い
利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、繊維補強セ
メント板の多くは表面に凹凸模様を付し意匠性を付与す
ることが行われ、この凹凸模様は既述のようにプレスに
より付されるが、上記抄造法により製造した繊維補強セ
メント板の場合、深い凹凸模様を鮮明に付すのが比較的
困難である問題があった。
【0005】即ち、プレスで深い凹凸模様を付すには、
プレス時の未硬化板材表面の流動性を高めておけば良い
ことは知られている。このため、フローオン製法の場合
はフェルトベルト上に流し込んだスラリーを移送してい
く過程で吸引脱水量を調整し、製造可能なぎりぎりのレ
ベルまで含有水分を高め、この成形板材表面に直接凹凸
プレスすることにより深彫りの凹凸模様を付すことが通
常行われていた。
【0006】しかし、プレスによる深彫り凹凸模様をよ
り鮮明に付そうとして、吸引脱水量を調整し板材表面部
分の含有水分を上げ過ぎると、プレス時の圧力によって
基材が流れ、板材そのものの製造に不具合を生じたり、
プレス時の脱水がうまくいかず養生工程時に大量のエフ
ロレッセンス析出の原因を作るなど製品に不具合を生じ
易いといった問題があった。
【0007】もっとも、このような問題を解決するため
フローオン法による抄造板材の含水率を調整容易な50%
程度とし、この板材表面に比較的乾燥した粉状のセメン
ト配合材料を層状に散布し、この上からプレスすること
によって深彫りの凹凸模様を成形することが提案されて
いる(例えば特公平5-11004号、同6-84006号等)。
【0008】この方法は、プレス時に下層の水分を表面
層へ吸収させ、もって板材全体の含水率を低減させつつ
均一化し、同時にポーラスな表面層のプレスによって深
彫りの凹凸模様を付すことができる利点を有する。
【0009】しかし、高圧プレス時、短時間の内に下層
の水分を表面層へ移行させるには、表層材料の吸水率を
かなり良くしておく必要があり、このため表層用セメン
ト配合材料として特殊な材料及び配合としなければなら
ず、汎用的な繊維補強セメント板の配合に適用すると水
分移行不良に起因する層間剥離などの問題を生じるとい
った問題があった。
【0010】この発明は、上記問題を解消することを目
的としてなされたものであり、抄造により製造される繊
維補強セメント板の表面に深彫りの凹凸模様を、材料の
制限なく容易に製造することを目的としてなされたもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、吸引
脱水装置を備えたフェルトベルト上にセメントスラリー
を層状に供給し、吸引脱水して搬送する過程において該
層を基層として、嵩比重が高く後述のプレス圧により圧
壊され易い無機多孔質粒子を10〜20重量%含むセメ
ントスラリーをさらに層状に供給して積層後、後述のプ
レス成形に適した寸法に裁断し、該裁断した未硬化の繊
維補強セメント板を上層からプレスして上層表面に凹凸
模様を付し、以後常法に従い養生硬化することを特徴と
するものである。
【0012】即ち、表面層のみをプレスの際にプレス圧
により圧壊され易い無機多孔質粒子を10〜20重量%
の多量に含むセメントスラリーによって成層し、プレス
時に無機多孔質粒子を圧壊させることにより深彫りの凹
凸模様を表現するのである。
【0013】同時に、上記圧壊時、無機多孔質粒子に吸
収されていた水がスラリー中に放出されるので、プレス
中のスラリー流動性が維持され凹凸模様形状がより付さ
れ易くなる。
【0014】なお、基層のセメント配合そのものには特
徴はなく、従来と同様な配合とされる。ただし、補強繊
維のパルプ繊維として、繊維長の長いパルプ繊維を使用
することが望ましい。この基層により板材全体の強度が
保たれるからである。
【0015】上記において、圧壊され易い無機多孔質粒
子としては、パーライト、シラスバルーンなどがある。
また、この無機多孔質粒子の添加量を10〜20重量%
とするのは、10重量%より少ないとプレス時圧壊され
る無機多孔質粒子の量が少なく、深い凹凸模様を付する
のが困難となり、20重量%より多くするとその分スラ
リー中のセメント配合量が減少するため、上層のセメン
トの結合強度が十分でなくなるからである。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の繊維補強セ
メント板の製造方法において、上層のセメントスラリー
のスラリー濃度が15〜25%であること特徴とするも
のである。
【0017】上層のセメントスラリーのスラリー濃度を
15〜25%とするのは、上層のスラリーを流動性に富
む層とし、多量に添加される無機多孔質粒子と相まって
深彫りプレスに適した層とするためである。
【0018】そして、スラリー濃度が15%より少ない
と固形分が少なすぎ、プレス時に材料が流れて却って凹
凸模様の成形が困難となるからであり、25%より多い
と固形分が多くなる結果、無機多孔質粒子の添加にも係
わらず上層の流動性が悪くなり、深彫りの凹凸模様のプ
レス成形が困難となるためである。
【0019】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の繊維補強セメント板の製造方法において、上層のセメ
ントスラリーに添加される補強繊維がセルロースパウダ
ーであること特徴とするものである。
【0020】上層の補強繊維としてのセルロースパウダ
ーは繊維長が非常に短く、従って添加による上層のセメ
ントスラリーの流動性低下が少なく、深彫りの凹凸模様
の成形がより鮮明となる。
【0021】
【発明の実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
基層用のセメント配合として、セメント40重量%、珪砂
40重量%、パーライト10重量%、パルプ繊維として繊維
長2〜4mmのパルプ繊維10重量%の通常一般に用いられ
るセメント配合を用意し、これら配合材料を水と共に混
合槽に投入し均一混合してスラリー濃度25%のセメント
スラリーAを調整した。 [実施例1]スラリーAを図1に示すように吸引脱水装置
1を備えた無端フェルトベルト2上に厚さ15〜25mmの層
状3に供給し、吸引脱水しつつ搬送し、表面の遊離水が
消失する程度に脱水された時点で、基層のセメント層3
上に、表1に示すようにセメント42重量%、珪砂40重量
%、圧力1MPaで破壊量70%のパーライトを12重量
%、パルプ繊維6重量%からなるスラリーBを厚さ5mm
の層状に供給し、その直後にカッター4により成形板材
を裁断した。
【0022】裁断した成形板材5をプレス盤6に移送し
10cm×5cmのレンガ目地状で深さ3mmの凹凸模様のプレ
ス盤6でプレス圧15MPaで30秒間圧縮プレスした。プレ
ス後、成形板材5を24時間自然養生しその後、170℃×1
5時間のオートクレーブ養生を行い製品とした。
【0023】
【表1】
【0024】[実施例2]表面層のスラリーBとして、セ
メント37重量%、珪砂37重量%、実施例1と同質のパー
ライト20重量%、セルロースパウダー6重量%の配合よ
りなるものを使用した他は実施例1と同様にして成形板
材5を得、実施例1と同様の条件で養生を行い製品とし
た。 [実施例3]実施例1における上層3のセメントスラリー
のスラリー濃度を15%とした他は実施例1と同様にして
成形板材5を得、実施例1と同様の条件で養生を行い製
品とした。 [実施例4]実施例1における上層3のセメントスラリー
のスラリー濃度を25%とした他は実施例1と同様にして
成形板材5を得、実施例1と同様の条件で養生を行い製
品とした。 [比較例1]実施例1における上層のセメントスラリーB
のスラリー濃度を30%とした他は実施例1と同様にして
成形板材5を得、実施例1と同様の条件で養生を行い製
品とした。
【0025】[比較例2]実施例1における上層3のセメ
ントスラリーのスラリー濃度を10%としたが、スラリー
が流れプレス可能な厚さの層を形成することが困難でこ
の時点で製造を中断した。 [比較例3]実施例1における上層のセメントスラリーB
に添加されるパーライトの添加を省略したセメントスラ
リーであってスラリー濃度20%とした他は実施例1と同
様にして成形板材5を得、実施例1と同様の条件で養生
を行い製品とした。
【0026】上記実施例と比較例について表面凹凸模様
の表れ具合、JIS A−5422に基づいた凍結融解
サイクル試験および40mm×40mmの試験片を用いて平面引
張強度試験を行った。その結果を表2に示す。
【0027】なお、表2中曲げ強度はJIS 4号曲げ
試験に準拠して行ったものである。また、表2の「凹凸
模様の状態」の欄で「クラック」は表面平滑性を評価し
たもので、プレス時に生じる凹凸模様の隅角部等に沿っ
たクラック等による平滑性を評価したものである。
【0028】また、同欄の「◎」「○」等の記号は表面
のクラックや表面平滑性の他、プレス時の脱水に伴う原
料粒子の脱粒などによる表面異常を含めた総合官能評価
を示し、「◎」は極めて良好、「○」は良好、「△」は
表面のクラックがかなり多く粗面であることが目立ち製
品としては不適、「×」はクラックや脱粒が見られ、製
品としては不可であることを意味し、「○」以上の評価
を合格とした。
【0029】「凍結融解サイクル試験」は200サイクル
後の試験板材の膨潤量と合否判定を記した。合否判定の
基準はJIS法に基づき、膨潤10%以下で合格とした。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば繊維補強セメント板の構造を複層化し、基層は板
材強度、上層は凹凸模様のあらわし易い層と、それぞれ
の層で役割を分担させることで板材に適合する配合や含
有水分率の採用できる範囲を広げることができ、この結
果プレス時の表面の流動性をプレス条件にあわせ最適な
流動性に調整することが可能となり、プレス可能な柄の
深さや傾き、細かさの種類が増大する。
【0032】そして、上層に添加された無機発泡粒子
は、プレス前にスラリー中の遊離水を吸収し上層の型流
れを防ぎ、プレス時の圧壊によって水分を放出してプレ
ス過程中のスラリーの流動性を良好に保ち、形状賦形を
助ける。
【0033】また、請求項2の発明によれば、上記効果
の他、上層を構成するパルプ繊維が微小化されているた
め彫りの深い鮮明な凹凸模様をプレスすることが可能と
なる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の方法を実施する装置の
側面図である。
【符号の説明】
1 吸引脱水装置 2 無端フェルトベルト 3 基層のセメント層 4 カッター 5 裁断した成形板材 6 プレス盤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸引脱水装置を備えたフェルトベルト上に
    セメントスラリーを層状に供給し、吸引脱水して搬送す
    る過程において、該層を基層として、嵩比重が高く後述
    のプレス圧により圧壊され易い無機多孔質粒子を10〜
    20重量%含むセメントスラリーをさらに層状に供給し
    て積層後、後述のプレス成形に適した寸法に裁断し、該
    裁断した未硬化の繊維補強セメント板を上層からプレス
    して上層表面に凹凸模様を付し、以後常法に従い養生硬
    化することを特徴とする繊維補強セメント板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1の繊維補強セメント板の製造方法
    において、上層のセメントスラリーのスラリー濃度が1
    5〜25%であること特徴とする繊維補強セメント板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2の繊維補強セメント
    板の製造方法において、上層のセメントスラリーに添加
    される補強繊維がセルロースパウダーであること特徴と
    する繊維補強セメント板の製造方法。
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