JPH11102044A - 写真要素 - Google Patents

写真要素

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JPH11102044A
JPH11102044A JP10211019A JP21101998A JPH11102044A JP H11102044 A JPH11102044 A JP H11102044A JP 10211019 A JP10211019 A JP 10211019A JP 21101998 A JP21101998 A JP 21101998A JP H11102044 A JPH11102044 A JP H11102044A
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JP
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silver halide
group
emulsion
nucleus
sensitivity
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JP10211019A
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English (en)
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Samir Yacoub Farid
ヤコブ ファリッド サミル
Ian Robert Gould
ロバート ゴールド イアン
Stephen A Godleski
エー.ゴドルスキ スティーブン
Jerome Robert Lenhard
ロバート レンハード ジェロム
Annabel Adams Muenter
アダムス ミェンター アナベル
Paul A Zielinski
エー.ジーリンスキ ポール
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真乳剤の感度を改善する新規化合物を含む
写真要素を提供する。 【解決手段】 ハロゲン化銀が次式の化合物: Q−XY (Qは、XYと共役結合したとき、アミジニウムイオ
ン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性発色系を
含む発色団を形成するのに必要な原子団を表し、そして
XYは、Xが電子供与基であり、Yが水素以外の脱離基
であるフラグメント化可能な電子供与体部分である)で
増感されている、支持体及び少なくとも一層のハロゲン
化銀乳剤層を含んでなる写真要素であって、(1)XY
が、0と1.4Vとの間の酸化電位を有し、そして
(2)XYの酸化形態が結合開裂反応を受けて、ラジカ
ルX. 及び脱離フラグメントYを生じる、写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真感度を高めた少
なくとも一層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含んでなる
写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の技法を用いて、写真用ハロゲン化
銀材料の感光性が改善されている。ハロゲン化銀の固有
の感度を高めるために、化学増感剤が用いられている。
通常の化学増感剤には、種々の、イオウ、金及び第VI
II族金属化合物が含まれる。
【0003】特定の波長領域において乳剤に分光感度を
与えるために、分光増感剤、例えば、シアニン及び他の
ポリメチン色素類を、単独もしくは組み合わせて用いる
ことが行われている。ハロゲン化銀乳剤に本来的に吸収
されない長波長光を吸収し、ハロゲン化銀に潜像形成を
起こすためにその光のエネルギーを用いることによっ
て、これらの増感色素類は機能を果たす。
【0004】ハロゲン化銀材料の分光感度をさらに高め
るために多くの試みがなされている。一つの方法は、乳
剤に添加する分光増感剤の量を多くすることによって分
光増感剤によって獲得される光量を増加することであ
る。しかし、最適量を超えて色素を乳剤に添加すると、
写真感度が著しく減少する。この現象は、色素減感とし
て知られ、増感色素が光を吸収する分光領域、及びハロ
ゲン化銀に本来備わっている感度領域の両方において感
度低下を伴う。色素減感は、The Theory of thePhotogr
aphic Process, 第4 版, T.H. James編, 265-266 ペー
ジ, (Macmillan,1977) に記載されている。
【0005】ある種の増感色素において見られる分光感
度が、それ自体は分光増感効果を示さない第二の通常無
色の有機化合物と組み合わさることによって、劇的に高
まることも知られている。これは強色増感効果として知
られている。分光感度を高めるとして一般的に知られて
いる化合物の例には、米国特許第2,937,089号
及び同3,706,567号明細書に記載されているス
ルホン酸誘導体、米国特許第2,875,058号及び
同3,695,888号明細書に記載されているトリア
ジン化合物、米国特許第3,457,078号明細書に
記載されているメルカプト化合物、米国特許第3,45
8,318号明細書に記載されているチオ尿素化合物、
米国特許第3,615,632号明細書に記載されてい
るピリミジン誘導体、米国特許第5,192,654号
明細書に記載されているジヒドロピリジン化合物、米国
特許第5,306,612号明細書に記載されているア
ミノチアトリアゾール類、並びに米国特許第2,41
9,975号、同5,459,052号、及び同4,9
71,890号明細書並びに欧州特許出願第554,8
56号A1公報に記載されているヒドラジン類が含まれ
る。これらの化合物を用いて得られる感度増加は、一般
的に小さく、これらの化合物の多くは、乳剤の安定性を
低下させるか、カブリを増加させる望ましくない影響を
与えるという欠点を有する。
【0006】ハロゲン化銀材料の分光感度を高めるため
に、種々の電子供与化合物も用いられている。米国特許
第3,695,588号明細書には、電子供与アスコル
ビン酸を特定のトリカルボシアニン色素と組み合わせ
て、赤外領域の感受性を高めることができることが記載
されている。特定のシアニン及びメロシアニン色素と組
み合わせて、分光感度を改善するアスコルビン酸の使用
は、米国特許第3,809,561号、英国特許第1,
255,084号及び同1,064,193号明細書に
も記載されている。米国特許第4,897,343号明
細書には、アスコルビン酸、金属亜硫酸塩化合物、及び
分光増感色素を組み合わせて用いて、色素減感を少なく
させる改善が記載されている。
【0007】増感色素に共有結合した電子供与化合物も
しくはハロゲン化銀吸着基も強色増感剤として用いられ
ている。米国特許第5,436,121号及び同5,4
78,719号明細書には、モノメチン色素に結合した
電子供与スチリル塩基を有する化合物を用いる感度改善
が記載されている。フェノチアジン、フェノキサジン、
カルバゾール、ジベンゾフェノチアジン、フェロセン、
トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウムから誘導さ
れる電子供与基、もしくはハロゲン化銀吸着基に結合し
たトリアリールアミン骨格を有する化合物の場合の分光
感度改善も、米国特許第4,607,006号明細書に
記載されている。しかし、これらの化合物の多くは、そ
れ自体ハロゲン化銀増感効果を持たず、増感色素と組み
合わせて用いてマイナス青感度改善を提供するだけであ
る。
【0008】我々の同時継続出願明細書(米国特許出願
第08/740,536号、1996年10月30日出願、参照
することにより、この明細書の開示を本発明の内容とす
る)には、新規なクラスの有機電子供与化合物が開示さ
れており、ハロゲン化銀乳剤中に導入すると、単独もし
くは色素と組合わさって増感効果を提供する。これらの
化合物は少なくとも一つの電子を供与し、フラグメント
化可能である。即ち、これらは、脱プロトン化以外の結
合開裂反応を受ける。我々の同時継続出願明細書(米国
特許出願第08/739,911号、同08/739,
921号、両方とも1996年10月30日出願、参照すること
により、この明細書の開示を本発明の内容とする)に
は、そのようなフラグメント化可能な電子供与体の増感
色素との結合が開示されている。フラグメント化可能な
電子供与体の増感色素との結合は、少なくとも一種の
C、N、SもしくはO原子を有する有機連結基を含む共
有結合によって達成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】写真材料に添加した場
合、その感度を高める物質のニーズが依然としてある。
理想的には、そのような物質は、広範囲の乳剤タイプに
利用可能である方がよく、その活性がコントロール可能
であり、カブリを容認できる限界以上に増加させない方
がよい。本発明はそのような物質を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述したように、同時継
続出願明細書(米国特許出願第08/739,911
号、1996年10月30日出願)には、少なくとも一種のC、
N、SもしくはO原子を有する有機連結基を含む共有結
合によって、増感色素に結合されるフラグメント化可能
電子供与体が開示されている。我々は、その発色団構造
の不可欠部分としてフラグメント化可能電子供与体部分
を有する増感色素を見出した。
【0011】我々は、写真乳剤の感度を改善する物質を
分光増感色素の発色団に導入して、相対的に低濃度で乳
剤効率を高める追加の利点を提供することができること
を見出した。本発明に従って、写真要素のハロゲン化銀
乳剤層を、電子を供与する際に脱プロトン化以外の結合
開裂反応を受けるフラグメント化可能な電子供与体部分
で増感する。本明細書で用いる「増感」の用語は、写真
要素のハロゲン化銀乳剤層の写真レスポンスの増加を意
味し、「増感剤」の用語は、ハロゲン化銀乳剤層に在る
ときに増感を提供する化合物の意味に用いる。
【0012】本発明の一つの態様は、ハロゲン化銀が次
式の化合物: Q−XY (式中、Qは、XYと共役結合したとき、アミジニウム
イオン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性(am
idic) 発色系を含む発色団を形成するのに必要な原子団
を表し、そしてXYは、Xが電子供与基であり、Yが水
素以外の脱離基であるフラグメント化可能な電子供与体
部分である)で増感された少なくとも一層のハロゲン化
銀乳剤層を含んでなる写真要素であって、(1)XY
が、0と約1.4Vとの間の酸化電位を有し、そして
(2)XYの酸化形態が結合開裂反応を受けて、ラジカ
ルX. 及び脱離フラグメントYを生じる、写真要素を含
んでなる。
【0013】本発明のもう一つの態様は、ハロゲン化銀
が次式の化合物: Q−XY (式中、Qは、XYと共役結合したとき、アミジニウム
イオン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性発色
系を含む発色団を形成するのに必要な原子団を表し、そ
してXYは、Xが電子供与基であり、Yが水素以外の脱
離基であるフラグメント化可能な電子供与体部分であ
る)で増感された少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層
を含んでなる写真要素であって、(1)XYが、0と約
1.4Vとの間の酸化電位を有し、(2)XYの酸化形
態が結合開裂反応を受けて、ラジカルX. 及び脱離フラ
グメントYを生じ、そして(3)ラジカルX. が、酸化
電位≦−0.7V(即ち、約−0.7Vと等しいかもし
くは約−0.7Vよりマイナスである)を有する、写真
要素を含んでなる。基準(1)及び(2)に適合する
が、(3)に適合しない化合物は、一つの電子を供与す
ることができ、本明細書では、フラグメント化可能な1
電子供与体と呼ぶ。三つの基準全てに適合する化合物
は、二つの電子を供与することができ、本明細書では、
フラグメント化可能な2電子供与体と呼ぶ。
【0014】本明細書では、酸化電位を、飽和カロメル
参照電極に対するボルトを表す「V」として報告する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の写真要素は、次式のフラ
グメント化可能な電子供与増感剤部分: Q−XY を有するハロゲン化銀乳剤層を含んでなり、当該増感剤
部分は、ハロゲン化銀乳剤に単独もしくは第二の分光増
感色素と組み合わせて加えると、ハロゲン化銀乳剤の写
真感度を高めることができる。
【0016】この分子Q−XYは、二つの部分からな
り、一緒に結合すると、F.M.Hamer の、The Cyanine Dy
es and Related Compounds (Interscience Publishers,
New York, 1964 )に記載されている、シアニン、複合
シアニン、ヘミシアニン、メロシアニン、及び複合メロ
シアニン色素アミジニウムイオン、カルボキシルイオン
もしくは両性アミド性発色系を含む発色団を形成する。
【0017】特に好ましいものは、以下の一般式VII
I〜XIで表されるQである:
【0018】
【化1】
【0019】(式中、E1 は、置換もしくは未置換の複
素環を形成するのに必要な原子団を表し、各Jは、独立
して、置換もしくは未置換のメチン基を表し、qは、1
〜4の正の整数であり、pは、0もしくは1であり、D
1 は、置換もしくは未置換のアルキル又は置換もしくは
未置換のアリールを表し、そしてW2 は、電荷バランス
をとるための対イオンである);
【0020】
【化2】
【0021】[式中、J及びqは、上記式(VIII)
で定義したものと同じであり、そしてGは、
【0022】
【化3】
【0023】(ここで、E2 は置換もしくは未置換の複
素環核を完成するのに必要な原子団を表し、そしてF及
びF’はそれぞれ独立して、シアノ基、エステル基、ア
シル基、カルバモイル基、もしくはアルキルスルホニル
基)である];
【0024】
【化4】
【0025】[式中、D1 、E1 、J、p、及びqは、
上記式(VIII)及び(IX)で定義したものと同じ
であり、そしてE3 は、上記式(IX)で定義したE2
と同じである];
【0026】
【化5】
【0027】[式中、E3 、J、G、及びqは、上記式
(IX)及び(X)で定義したものと同じである]。上
記式で、E1 は、置換もしくは未置換の、5員又は6員
の複素環核を完成するのに必要な原子団を表し、追加の
縮合芳香環を含むことができる。これらには、置換もし
くは未置換の:チアゾール核、オキサゾール核、セレナ
ゾール核、キノリン核、テルラゾール核、ピリジン核、
チアゾリン核、インドリン核、オキサジアゾール核、チ
アジアゾール核、もしくはイミダゾール核が含まれる。
これらの核は、公知の置換基、例えば、ハロゲン(例え
ば、クロロ、フルオロ、ブロモ)、アルコキシ(例え
ば、メトキシ、エトキシ)、置換もしくは未置換のアル
キル(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換も
しくは未置換のアリール、置換もしくは未置換のアラル
キル、スルホネート、及び当該技術分野で公知のもので
置換されていてもよい。
【0028】本発明の一つの態様では、E1 は、置換も
しくは未置換のチアゾール核、置換もしくは未置換のセ
レナゾール核、置換もしくは未置換のイミダゾール核、
もしくは置換もしくは未置換のオキサゾール核を完成す
るのに必要な原子団である。E1 の有用な核の例には次
のものが含まれる:チアゾール核(例えば、チアゾー
ル、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、
5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,
5−ジメチル−チアゾール、4,5−ジフェニルチアゾ
ール、4−(2−チエニル)チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾ
チアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロ
ベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−
メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾー
ル、5−ブロモベンゾチアゾール、6−ブロモベンゾチ
アゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、6−フェニ
ルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、
5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチ
アゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキ
シベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、
5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキ
シメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチア
ゾール、6−5−ジヒドロキシベンゾチアゾール、ナフ
ト[2,1−d]チアゾール、5−エトキシナフト
[2,3−d]チアゾール、8−メトキシナフト[2,
3−d]チアゾール、7−メトキシナフト[2,3−
d]チアゾール、4’−メトキシチアナフテノ−7’,
6’−4,5−チアゾール等);オキサゾール核(例え
ば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾー
ル、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオ
キサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチ
ル−オキサゾール、5−フェニルオキサゾール、ベンゾ
オキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メ
チルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾ
ール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチ
ルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサ
ゾール、5−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロ
ベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾー
ル、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキ
シベンゾオキサゾール、ナフト[2,1−d]オキサゾ
ール、ナフト[1,2−d]オキサゾール、等);セレ
ナゾール核(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フ
ェニルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、5−クロロ
ベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾー
ル、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロ
ベンゾセレナゾール、ナフト[2,1−d]セレナゾー
ル、ナフト[1,2−d]セレナゾール、等);ピリジ
ン核(例えば、2−ピリジン、5−メチル−2−ピリジ
ン、4−ピリジン、3−メチル−4−ピリジン、3−メ
チル−4−ピリジン、等);キノリン核(例えば、2−
キノリン、3−メチル−2−キノリン、5−エチル−2
−キノリン、6−クロロ−2−キノリン、8−クロロ−
2−キノリン、6−メトキシ−2−キノリン、8−エト
キシ−2−キノリン、8−ヒドロキシ−2−キノリン、
4−キノリン、6−メトキシ−4−キノリン、7−メチ
ル−4−キノリン、8−クロロ−4−キノリン、等);
テルラゾール核(例えば、ベンゾテルラゾール、ナフト
[1,2−d]ベンゾテルラゾール、5,6−ジメトキ
シベンゾテルラゾール、5−メトキシベンゾテルラゾー
ル、5−メチルベンゾテルラゾール、等);チアゾリン
核(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、
等);ベンゾイミダゾール核(例えば、ベンゾイミダゾ
ール、5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、
5,6−ジクロロベンゾイミダゾール);及びインドー
ル核(例えば、3,3−ジメチルインドール、3,3−
ジエチルインドール、3,3,5−トリメチルインドー
ル);もしくはジアゾール核(例えば、5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、5−メチル−1,3,
4−チアジアゾール。
【0029】ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、及
びベンゾイミダゾール核が、特に好ましい。F及びF’
は、それぞれシアノ基、エステル基(例えば、エトキシ
カルボニル、メトキシカルボニル、等)、アシル基、カ
ルバモイル基、もしくはアルキルスルホニル基(例え
ば、エチルスルホニル、メチルスルホニル、等)であ
る。
【0030】E2 は、置換もしくは未置換の酸性複素環
核を表し、一般的にメロシアニン色素に見出されるいず
れの形態もとることができる。E2 の有用な核の例に
は、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核(即
ち、2−チオ−2,3−(3H,5H)−オキサゾリジ
ノン系列のもの)(例えば、3−エチル−2−チオ−
2,4オキサゾリジンジオン、3−(2−スルホエチ
ル)−2−チオ−2,4オキサゾリジンジオン、3−
(4−スルホブチル)−2−チオ−2,4オキサゾリジ
ンジオン、3−(3−カルボキシプロピル)−2−チオ
−2,4オキサゾリジンジオン、等);チアナフテノン
核(例えば、2−(2H)−チアナフテノン、等);2
−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(即ち、2−チ
オ−2,5−(3H,4H)−チアゾリジンジオン系
列)(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾ
リジンジオン、等);2,4−チアゾリジンジオン核
(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−
2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−
チアゾリジンジオン、3−α−ナフチル−2,4−チア
ゾリジンジオン、等);チアゾリジノン核(例えば、4
−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン、
3−フェニル−4−チアゾリジノン、3−α−ナフチル
−4−チアゾリジノン、等);2−チアゾリン−4−オ
ン系列(例えば、2−エチルメルカプト−2−チアゾリ
ン−4−オン、2−アルキルフェニルアミノ−2−チア
ゾリン−4−オン、2−ジフェニルアミノ−2−チアゾ
リン−4−オン、等);2−イミノ−4−オキサゾリジ
ノン(即ち、擬似ヒダントイン)系列[例えば、2,4
−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)系列(例え
ば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,
4−イミダゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−イ
ミダゾリジンジオン、3−α−ナフチル−2,4−イミ
ダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダ
ゾリジンジオン、1−エチル−3−フェニル−2,4−
イミダゾリジンジオン、1−エチル−2−α−ナフチル
−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル
−2,4−イミダゾリジンジオン、等];2−チオ−
2,4−イミダゾリジンジオン(即ち、2−チオヒダン
トイン)核(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジ
ンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリ
ジンジオン、3−(2−カルボキシエチル)−2−チオ
−2,4−イミダゾリジンジオン、3−フェニル−2−
チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチ
ル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1−エ
チル−3−フェニル−2−チオ−2,4−イミダゾリジ
ンジオン、1−エチル−3−ナフチル−2−チオ−2,
4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル−2−
チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、等);2−イミ
ダゾリン−5−オン、ローダニン、イソ−ローダニン、
バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−
2,4−ジオン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−
1,3−ジオン核、が含まれる。
【0031】ローダニン核、3−アルキルローダニン
核、3−アルキル−2−チオキサゾリジン−2,4−ジ
オン核、3−アルキル−2−チオヒダントイン核、3−
アルキル−2−チオ−オキサゾリン−2,4−ジオン
核、イソ−ローダニン核、バルビツール酸核、及び2−
チオバルビツール酸核が特に好ましい。式(VIII)
〜(XI)に従う、各Jは、置換もしくは未置換のメチ
ン基を表す。メチン基の置換基の例には、アルキル(好
ましくは、炭素数1〜6のもの、例えば、メチル、エチ
ル、等)及びアリール(例えば、フェニル)である。そ
の上、メチン基上の置換基は架橋結合を形成することが
できる。
【0032】W2 は、色素分子の電荷をバランスするの
に必要な対イオンである。そのような対イオンには、カ
チオン及びアニオン、例えば、ナトリウム、カリウム、
トリエチルアンモニウム、テトラメチルグアニジニウ
ム、ジイソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモ
ニウム、クロリド、ブロミド、ヨージド、p-トルエンス
ルホネート、等が含まれる。必要ならば、一つ以上のつ
いイオンを用いてバランスをとることができる。
【0033】D1 は、置換もしくは未置換のアリール
(好ましくは炭素数6〜15のもの)、又はより好まし
くは、置換もしくは未置換のアルキル(好ましくは炭素
数1〜6のもの)である。アリール基の例には、フェニ
ル、トリル、p-クロロフェニル、及びp-メトキシフェニ
ルが含まれる。アルキル基の例には、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘ
キシル、デシル、ドデシル、等、及び置換されたアルキ
ル基(好ましくは、炭素数1〜6の置換された低級アル
キル基)、例えば、ヒドロキシアルキル基(例えば、2
−ヒドロキシエチル、4−ヒドロキシブチル、等)、カ
ルボキシアルキル(例えば、2−カルボキシエチル、4
−カルボキシブチル、等)、スルホアルキル基(例え
ば、2−スルホエチル、3−スルホブチル、4−スルホ
ブチル、等)、スルファトアルキル基等、アシルオキシ
アルキル基(例えば、2−アセトキシエチル、3−アセ
トキシプロピル、4−ブチルオキシブチル、等)、アル
コキシカルボニルアルキル基(例えば、2−メトキシカ
ルボニルエチル、4−エトキシカルボニルブチル、
等)、もしくは、アラルキル基(例えば、ベンジル、フ
ェネチル、等)が含まれる。このアルキルもしくはアリ
ール基は、上記の置換されたアルキル基上で、一種以上
の置換基で置換されてもよい。
【0034】Q基の例には次のものが含まれる:
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】特に好ましいものは次式のQ基である:
【0040】
【化10】
【0041】(式中、X2 は、O、S、N、もしくはC
(R522 であり、ここで、R52は、置換もしくは未置
換のアルキルであり、各R50は、独立して、水素原子、
ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、又は
置換もしくは未置換のアリール基であり、aは1〜4の
整数であり、そしてR51は、置換もしくは未置換のアル
キル、又は置換もしくは未置換のアリールである)。
【0042】XYは、フラグメント化可能な電子供与部
分であり、Xは電子供与基であり、Yは脱離基である。
式X−Yの化合物の調製は同時継続出願の米国特許出願
第08/740,536号(1996年10月30日出願)明細
書に開示されており、参照することにより本発明の内容
とする。以下の式は、XY部分が酸化及びフラグメント
化を受けて、好ましい形態でさらに酸化を受けるラジカ
ルX. 生成するときに起きると思われる反応を示す。
【0043】
【化11】
【0044】分子XYの構造上の特色を、二つの部分
(即ち、フラグメントX及びフラグメントY)の特徴で
規定する。フラグメントXの構造上の特徴が、XY部分
の酸化電位(EOX1 )及びラジカルX. の酸化電位(E
OX2 )を決定するのに対し、X及びYフラグメントの両
方は、酸化された分子X−Y.+のフラグメント化速度に
影響を与える。
【0045】好ましいX基は、次の一般式を有する:
【0046】
【化12】
【0047】水素原子又は未置換もしくは置換されたア
ルキル基を表すために、記号「R」(添字の無いR)を
本明細書の全ての構造式で用いる。
【0048】構造式(I)では、 m:0、1; z:O、S、Se、Te; Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル、アントリル);もしくは複素環式基(例え
ば、ピリジン、インドール、ベンゾイミダゾール、チア
ゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾール、等); R1 :R、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、ハ
ロゲン、NR2 、(OH)n 、(OR’)n 、もしくは
(SR)n ; R’:アルキルもしくは置換されたアルキル; n:1〜3; R2 :R、Ar’; R3 :R、Ar’; R2 及びR3 は、一緒になって5員〜8員環を形成でき
る;R2 及びArは、結合して5員〜8員環を形成でき
る;R3 及びArは、結合して5員〜8員環を形成でき
る;Ar’は、フェニル、置換されたフェニル等のアリ
ール、もしくは複素環式基(例えば、ピリジン、ベンゾ
チアゾール、等); R:水素原子又は未置換もしくは置換されたアルキル
基。
【0049】構造式(II)では、 Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル);もしくは複素環式基(例えば、ピリジ
ン、ベンゾチアゾール、等); R4 :ハメットシグマ値が−1〜+1、好ましくは、−
0.7〜+0.7である、例えば、R、OR、SR、ハ
ロゲン、CHO、C(O)R、COOR、CONR2
SO3 R、SO2 NR2 、SO2 R、SOR、C(S)
R、等の置換基; R5 :R、Ar’; R6 及びR7 :R、Ar’;R5 及びArは、結合して
5員〜8員環を形成できる;R6 及びArは、結合して
5員〜8員環を形成できる(この場合、R6 はヘテロ原
子となることができる);R5 及びR6 は、結合して5
員〜8員環を形成できる;R6 及びR7 は、結合して5
員〜8員環を形成できる;Ar’は、フェニル、置換フ
ェニル等のアリール、もしくは複素環式基; R:水素原子又は未置換もしくは置換されたアルキル
基。
【0050】ハメットシグマ値の議論は、Hansch及びR.
W. Taftの、Chem. Rev. 91 巻、(1991)ページ165,に見
つけることができ、参照することにより本明細書の内容
とする。
【0051】構造式(III)では、 W:O、S、Se; Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル、アントリル);もしくは複素環式基(例え
ば、インドール、ベンゾイミダゾール、等); R8 :R、カルボキシル、NR2 、(OR)n 、もしく
は(SR)n (n=1〜3); R9 及びR10:R、Ar’; Ar’は、フェニル、置換されたフェニル等のアリー
ル、もしくは複素環式基;R9 及びArは、結合して5
員〜8員環を形成できる; R:水素原子又は未置換もしくは置換されたアルキル
基。
【0052】構造式(IV)では、「ring」は、置換又
は未置換の5員、6員もしくは7員の不飽和環、好まし
くは複素環を表す。Xは、電子供与基(例えば、電子過
多有機基)であるので、いずれの特定のX基でも芳香基
(Ar及び/もしくはAr’)上の置換基を、Xが電子
過多のままであるように選定する方がよい。例えば、芳
香基が、非常に電子過多である場合(例えば、アントラ
セン)、電子吸引置換基を用いて、0〜約1.4Vの酸
化電位を有するXY部分を提供することができる。反対
に、芳香環が電子過多でない場合、電子供与性置換基を
選定する。
【0053】本明細書中で引用する置換「基」は、置換
基それ自体が置換されているかもしくは未置換であるこ
とを意味する。例えば、「アルキル基」は、置換された
アルキルもしくは未置換のアルキルを意味する。一般的
に、特に断らない限り、本明細書で引用するいずれの
「基」上の置換基、もしくは置換可能性となる何かを述
べる場合には、写真の有用性に必要な特性を損なわな
い、置換もしくは未置換のいずれかの可能性のある基を
含む。また、本明細書全体を通して、特定の一般式の化
合物の引用には、具体的な式が当該一般式の定義内に入
る他のより具体的な式の化合物を包含すると理解する。
言及した基の置換基の例には、公知の置換基、例えば:
ハロゲン(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨー
ド);アルコキシ、特に炭素数1〜12のもの(例え
ば、メトキシ、エトキシ);置換もしくは未置換のアル
キル、特に低級アルキル(例えば、メチル、トリフルオ
ロメチル);アルケニルもしくはチオアルキル(例え
ば、メチルチオもしくはエチルチオ)、特に炭素数1〜
12を有するもののいずれか;置換及び未置換のアリー
ル、特に炭素数6〜20のもの(例えば、フェニル);
及び、置換もしくは未置換のヘテロアリール、特に、
N、O、SもしくはSeから選ばれる1〜3個のヘテロ
原子を有する5員もしくは6員環を有するもの(例え
ば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル);並びに
当該技術分野で公知のものが含まれる。
【0054】アルキル置換基は、好ましくは炭素数1〜
12を有し、特に、「低級アルキル」(炭素数1〜6の
もの、例えば、メチル、エチル等)を含む。さらに、い
ずれのアルキル基、アルキレン基もしくはアルケニル基
に関しても、分枝鎖もしくは直鎖のものとなることがで
き、そして環構造を包含することが理解されるであろ
う。
【0055】Q基(VIII)〜(XI)は、共有結合
様式でXY部分のX基に結合して、アミジニウムイオ
ン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性発色系を
含む発色団を形成する。従って、基(VIII)〜(X
I)は、窒素原子もしくは構造式(I)〜(III)の
X基のアリール基、構造式(I)〜(II)のX基の窒
素原子、又は構造式(IV)のringに結合することがで
きる。
【0056】好ましいX基の例を以下に示す。簡単にす
るために、そして複数の可能な結合部位のために、基
(VIII)〜(XI)の結合を構造式では特に示さな
い。Q−XY化合物の具体的な構造を次に示す。次のも
のは、一般構造Iの基Xの具体例である:
【0057】
【化13】
【0058】本明細書の構造では、−OR(NR2 )の
ような記号は、−ORもしくは−NR2 のいずれかが存
在することを示す。以下のものは、一般構造IIの基X
の具体例である:
【0059】
【化14】
【0060】R11及びR12は、H、アルキル、アルコキ
シ、アルキルチオ、ハロ、カルバモイル、カルボキシ
ル、アミド、ホルミル、スルホニル、スルホンアミド、
ニトリルである。
【0061】
【化15】
【0062】Z1 は、共有結合、S、O、Se、NR、
CR2 、CR=CR、もしくはCH2 CH2 である。
【0063】
【化16】
【0064】Z2 は、S、O、Se、NR、CR2 、C
R=CRであり、R13は、アルキル、置換されたアルキ
ルもしくはアリールであり、R14は、H、アルキル、置
換されたアルキルもしくはアリールである。
【0065】以下のものは、一般構造IIIの基Xの具
体例である:
【0066】
【化17】
【0067】以下のものは、一般構造IVの基Xの具体
例である:
【0068】
【化18】
【0069】Z3 は、O、S、Se、NRであり、R15
は、R、OR、NR2 であり、R16は、アルキル、置換
されたアルキルである。
【0070】好ましいY基は: (1)X’(ここで、X’は、構造式I〜IV規定した
X基であって、それが結合するX基と同じであっても、
異なっていてもよい) (2)
【0071】
【化19】
【0072】(3)
【0073】
【化20】
【0074】(式中、Mは、Si、SnもしくはGeで
あり、R’は、アルキルもしくは置換されたアルキルで
ある) (4)
【0075】
【化21】
【0076】(式中、Ar''は、アリールもしくは置換
されたアリールである)。本発明の好ましい態様では、
Yは、−COO- もしくは−Si(R’)3 又はX基で
ある。特に好ましいY基は、−COO- もしくは−Si
(R’)3 である。
【0077】好ましいX−Y化合物由来の好ましいXY
部分は、次式のものである(簡単にするために、そして
複数の可能な結合部位のために、Q基の結合は特に示さ
ない):
【0078】
【化22】
【0079】
【化23】
【0080】
【化24】
【0081】
【化25】
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】
【0084】上記式では、XY部分の電荷をバランスさ
せるのに必要な対イオンは示されていないが、いずれの
対イオンも用いることができる。通常の対イオンには、
ナトリウム、カリウム、トリエチルアンモニウム(TE
+ )、テトラメチルグアニジニウム(TMG+ )、ジ
イソプロピルアンモニウム(DIPA+ )、及びテトラ
ブチルアンモニウム(TBA+ )が含まれる。
【0085】フラグメント化可能な電子供与部分XY
は、後述の最初の二つの基準に適合するフラグメント化
可能な1電子供与体もしくは後述の三つの全ての基準に
適合するフラグメント化可能な2電子供与体となること
ができる。第一の基準は、X−Y(E1 )の酸化電位に
関する。E1 は、約1.4V以下が好ましく、好ましく
は約1.0V未満である。この酸化電位は好ましくは0
より高く、より好ましくは約0.3Vより高い。E1
は、好ましくは、約0〜約1.4V、より好ましくは、
約0.3V〜約1.0Vの範囲である。
【0086】酸化電位は周知であり、例えば、「Encycl
opedia of Electrochmistry of theElements 」, Organ
ic Section, XI-XV巻, A. Bard 及びH. Lund 編, Marce
l Dkkar Inc., NY(1984) に見つけることができる。E1
を、サイクリックボルタンメトリーの技法で測定する
ことができる。この技法では、電子供与体を、アセトニ
トリル対0.1M過塩素酸リチウムを含有する水の80
%/20%(容量%)の溶液に溶解する。測定前にこの
溶液に10分間窒素ガスを通気して酸素を除去する。ガ
ラス状のカーボンディスクを動作電極に用い、プラチナ
線を対電極に用い、そして飽和カロメル電極(SCE)
を参照電極に用いる。25℃で、0.1V/秒の電位走
査速度で測定を実施する。サイクリックボルタンメトリ
ー波のピーク電位のときに酸化電位対SCEをとる。本
発明に従う有用な典型的なX−Y化合物のE1 値を表A
に示す。
【0087】
【表1】
【0088】フラグメント化可能なXY基を規定する第
二の基準は、X−Yの酸化形態(即ち、ラジカルカチオ
ンX−Y+.)が、結合開裂反応を受けて、ラジカルX.
及びフラグメントY+ (もしくは、アニオン性化合物の
場合は、ラジカルX. 及びフラグメントY)を与えるこ
とを要件とする。結合開裂反応は、本明細書では「フラ
グメント化」とも呼ぶ。1電子酸化反応によって形成さ
れるラジカル種、及び特にラジカルカチオンは、多くの
反応を受けることができ、いくつかはその濃度及びそれ
らが生成される特定の環境に依存することが広く知られ
ている。「Kinetics and Mechanisms of Reactions of
Organic Cation Radicals in Solution」, Advances in
Physical Organic Chemistry, 20巻, 1984, 55-180ペ
ージ、及び「Formation, Properties and Reactions of
Cation Radicals in Solution」, Advances in Physic
al Organic Chemistry, 13巻, 1976, 156-264 ページ、
V.Gold 編, 1984, 出版 Academic Press, NY 、に記載
されているように、そのようなラジカル種を入手できる
反応の範囲には、二量化、脱プロトン化、加水分解、求
核置換、不均等化反応、及び結合開裂が含まれる。本発
明に従う有用な化合物では、X−Yの酸化時に形成され
るラジカルは結合開裂反応を受ける。
【0089】結合開裂、即ち、フラグメント化反応の速
度を、通常のレーザー閃光光分解によって測定すること
ができる。過渡的な化学種の特性を調査する方法として
のレーザー閃光光分解は、周知である(例えば、W. Her
kstroeter and I. R. GouldのPhysical Methods of Che
mistry Series, 第2 版, 8 巻, 225 ページ, B. Rossit
er 及びR. Baetzold 編, John Wiley & Sons, New Yor
k, 1993 の「Absorption Spectroscopy of Transient S
pesies」を参照されたい)。フラグメント化速度定数及
びラジカル酸化電位を測定するのに用いた具体的な試験
装置の詳細を以下に記載する。本発明に有用な化合物の
フラグメント化速度定数は、おおよそ0.1/秒より速
い(即ち、0.1/秒以上速く、言い換えれば、ラジカ
ルカチオンX−Y+.の寿命は、10秒以下であるのがよ
い)のが好ましい。フラグメント化速度定数は、これよ
りもかなり速くなることができる。即ち、102 〜10
13/秒の範囲である。フラグメント化速度定数は、好ま
しくは、約0.1/秒〜約1013/秒、より好ましくは
約102 /秒〜約109 /秒である。本発明の化合物の
調製に有用な典型的な化合物XYのフラグメント化速度
定数kfr(秒-1)を表Bに示す。
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】本発明の好ましい態様では、XY部分は、
フラグメント化可能な2電子供与体部分であり、結合開
裂反応から生じるラジカルX. が、酸化電位−0.7V
以下であり、好ましくは、約−0.9Vよりもマイナス
であるという第三の基準に適合する。この酸化電位は、
好ましくは約−0.7〜約−2Vであり、より好ましく
は、約−0.8〜約−2Vであり、最も好ましくは、約
−0.9〜約−1.6Vである。
【0094】多くのラジカルの酸化電位が、Wayner, D.
D; McPhee, D.J.; Griller, D により、J. Am. Chem. S
oc. 1988, 110,.132で、Rao, P.S., Hayon, E によりJ.
Am.Chem. Soc. 1974, 96,.1287で、そしてRao, P.S.,
Hayon, E によりJ. Am. Chem. Soc. 1974, 96,.1295で
報告されているように、過度的な電気化学及びパルス放
射線分解技法によって測定されている。このデータは、
三元性ラジカルの酸化電位は、対応する二元性ラジカル
よりもプラスでなく(即ち、このラジカルは、より強い
還元剤である)、そして、この二元性ラジカルは、対応
する一元性ラジカルよりもプラスでないと説明する。例
えば、ベンジルラジカルの酸化電位は、一つもしくは二
つの水素原子をメチル基と置き換えると、0.73Vか
ら0.37V、そして0.16Vへと低くなる。
【0095】
【化28】
【0096】ラジカルの酸化電位の大きな低下は、ヒド
ロキシもしくはアルコキシ置換基により達成される。例
えば、ベンジルラジカルの酸化電位(+0.73V)
は、水素原子の一つをメトキシ基で置換すると、−0.
44Vまで低下する。
【0097】
【化29】
【0098】α−アミノ置換基は、ラジカルの酸化電位
を約−1Vの値に低下させる。本発明に従って、−0.
7よりもマイナスの酸化電位をもつラジカルX. を提供
する化合物が、ハロゲン化銀乳剤の増感に用いるのに特
に有用であることを我々は見出した。上記したように、
α炭素の置換基がラジカルの酸化電位を左右する。フェ
ニル部分を少なくとも1電子供与置換基で置換するか、
又はこのフェニル部分を電子供与アリールもしくは複素
環式基で置換してもX. の酸化電位に影響を与えること
を我々は見出した。−0.7よりもマイナスの酸化電位
を有するX. の具体例を下記表Cに示す。過度的化学種
. の酸化電位を、以下に詳細に述べるレーザー閃光光
分解技法を用いて測定することができる。 この技法で
は、短レーザーパルスで開始する電子移動反応によって
化合物X−Yを酸化する。X−Yの酸化形態は、その後
結合開裂反応を受けてラジカルX. を生じる。そして、
. を、既知の還元電位の種々の電子受容体化合物と相
互作用させる。所定の電子受 容体化合物を還元するX
. の能力は、X. の酸化電位が、その電子受容体化合物
還元電位とほとんど等しいかもしくはよりマイナスであ
ることを示す。実験の詳細を以下に述べる。本発明に有
用な典型的な化合物のラジカルX. の酸化電位(E2
を表Cに示す。電位の範囲しか決定できない場合、次の
記号を用いた。「<− 0.90V」は、−0.90V
よりもマイナスであることを示し、「>−0.40V」
は、−0.40Vよりもプラスであることを示す。
【0099】本発明の第三の基準に従う具体的なX.
ジカルは、−0.7Vよりもマイナスの酸化電位E2
有する下記のものである。−0.7VよりもプラスのE
2 を有する比較例もいくつか含まれている。
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】上述の一般式に従う具体的な本発明の化合
物を次に示すが、本発明はこれらに限定されると解すべ
きでない。これらの例に具体的に示されるように、Qと
XYの結合点は、XYのX部分の、一つのヘテロ原子の
ところか、一つの芳香環もしくは複素環のところとなる
ことができる。
【0105】
【化30】
【0106】
【化31】
【0107】
【化32】
【0108】
【化33】
【0109】
【化34】
【0110】
【化35】
【0111】
【化36】
【0112】
【化37】
【0113】
【化38】
【0114】上記式では、Q−XY化合物の正味電荷を
バランスさせるのに必要な対イオンは示されていない
が、いずれの対イオンも用いることができる。使用可能
な通常の対イオンには、ナトリウム、カリウム、トリエ
チルアンモニウム(TEA+ )、テトラメチルグアニジ
ニウム(TMG+ )、ジイソプロピルアンモニウム(D
IPA+ )、及びテトラブチルアンモニウム(TB
+ )が含まれる。
【0115】表Dは、式Q−XYに従って選定されるフ
ラグメント化可能な電子供与増感剤に含まれるXY部分
の電気化学的データ及びレーザー閃光光分解データを併
せたものである。具体的には、この表は、E1 (親のフ
ラグメント化可能な電子供与部分X−Yの酸化電位)、
fr(酸化されたX−Y(X−Y.+を含む)のフラグメ
ント化速度定数)、及びE2 (ラジカルX. の酸化電
位)を含んでいる。表Dでは、部分XYのこれらの特性
を、Qが、INV2及びINV10のホルミル基、又は
水素原子もしくはINV20及びINV27のアルキル
で置き換えられたモデル化合物の場合で、報告する。
【0116】実際のQ−XY化合物では、これらの特性
は、モデル化合物の値とは少し異なるが、おおきく異な
ることはないであろう。表Dのデータは、フラグメント
化可能な2電子供与増感剤であり、且つ上記三つの基準
の全てに適合する本発明に有用なQ−XY化合物を示
す。
【0117】
【表9】
【0118】上掲の一般式と似ている比較化合物を以下
に示す。比較化合物COMP1、COMP2、及びCO
MP3のXY成分をエチルエステル(フラグメント化し
ない)として表したので、本発明の二つの基準及び三つ
の基準に適合しない。同様に、比較化合物COMP4、
COMP5、及びCOMP6のXY成分は、ジメチルア
ニリン(フラグメント化しない)であるので、本発明の
二つの基準及び三つの基準に適合しない。最後に、比較
化合物COMP7、COMP8、及びCOMP9は、カ
ルボキシ基等の種々の官能基を有するが、上記規定のよ
うな完全なXY基を有しない。
【0119】
【化39】
【0120】
【化40】
【0121】
【化41】
【0122】上記式では、比較化合物の正味電荷をバラ
ンスさせるのに必要な対イオンは示されていないが、い
ずれの対イオンも用いることができる。使用可能な通常
の対イオンには、ナトリウム、カリウム、トリエチルア
ンモニウム(TEA+ )、テトラメチルグアニジニウム
(TMG+ )、ジイソプロピルアンモニウム(DIPA
+ )、及びテトラブチルアンモニウム(TBA+ )が含
まれる。通常のアニオン対イオンには、ハロゲンイオン
(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、等)、p−トルエンス
ルホネート、p−クロロベンゼンスルホネート、メタン
スルホネート、テトラフルオロボレートイオン、パーク
ロレートイオン、メチルスルフェートイオン及びエチル
スルフェートイオンが含まれる。
【0123】本発明に有用なフラグメント化可能な電子
供与体は、米国特許第4,607,006号明細書に記
載されるハロゲン化銀吸着(1)−電子供与体とは大き
く異なる。この特許明細書に記載されている電子供与部
分、例えば、フェノチアジン、フェノキサジン、カルバ
ゾール、ジベンゾフェノチアジン、フェロセン、トリス
(2,2’−ビピリジル)ルテニウム、もしくはトリア
リールアミンは極度に安定な(即ち、フラグメント化可
能でない)ラジカルカチオンを形成する場合に良く知ら
れており、次の文献:J. Heterocyclic Chem., 12 巻,
1975, 397-399ページ;J. Org. Chem., 42 巻, 1977, 9
83-988 ページ;「The Encyclopedia of Electrochemis
try of the Elements」, XIII巻, 25-33 ページ;Marce
l Dekker Inc., 発行のA. J. Bard Editor の、Advance
s in Physical Organic Chemistry, 20巻, 55-180ペー
ジ;V. Gold 編, 1984, Academic Press, NY発行、に示
されている。また、米国特許第4,607,006号明
細書記載の電子供与吸着化合物は、酸化のときに1分子
当たり一つの電子しか提供しない。本発明の好ましい態
様では、フラグメント化可能な電子供与体は、二つの電
子を提供することができる。
【0124】本発明のフラグメント化可能な電子供与体
も、R型剤、核生成剤、及び安定化剤のような他の公知
の写真的に活性な化合物とは異なっている。既知のR型
剤、例えば、Sn錯体、二酸化チオ尿素、ホウ水素化
物、アスコルビン酸、及びアミンボラン類は、非常に強
い還元剤である。これらの試薬は、典型的に多電子酸化
を受けるが、酸化電位は、SCEに対する0Vよりもマ
イナスである。例えば、SnCl2 の酸化電位は、〜−
0.10Vであると、CRC Handbook of Chemistry and
Physics,第55版, CRC Press Inc., Cleveland OH 1975,
D122 ページに報告されており、ホウ水素化物は、SC
Eに対して−0.48Vであると、J. Electrochem. So
c., 1992, 139 巻, 2212-2217 ページに報告されてい
る。これらのレドックス特性は、ハロゲン化銀乳剤に加
えたときのハロゲン化銀のコントロールされない還元を
見越しているので、得られる感度改善は、望ましくない
レベルのカブリを伴うことが非常に多い。不活性形態で
通常写真乳剤に加える、ヒドラジン及びヒドラジド類の
ような通常の核生成剤は、本明細書でいうフラグメント
化可能な電子供与体とは異なる。核生成剤は、当該核生
成剤化合物が脱プロトン化もしくは加水分解反応を受け
て強還元剤を提供する現像液のような強い塩基性溶液中
で活性化されたときにのみ、写真的に活性な化合物に転
換する。さらに、フラグメント化可能な電子供与体とは
対照的に、伝統的なR型試薬及び核生成剤の酸化は、結
合開裂反応とは反対に、一般的に脱プロトン化もしくは
加水分解反応を伴う。
【0125】本発明の写真要素の乳剤層は、写真要素の
一層以上の感光性層を含んでなることができる。本発明
に従って作成される写真要素は、黒白要素、単色要素も
しくは多色要素となることができる。多色要素は、スペ
クトルの三原色のそれぞれの領域に感度を有する色素画
像生成ユニットを有する。各ユニットは、所定の領域の
スペクトルに感度を有する単一乳剤層もしくは複式乳剤
層を有することができる。この要素のこれらの層(画像
生成ユニットの層を含む)を、当該技術分野で知られて
いる種々の順序に配列することができる。別のフォーマ
ットでは、スペクトルの三原色のそれぞれに対して感度
を有する乳剤を、単一セグメント層として配置すること
ができる。
【0126】典型的な多色写真要素は、それと組合わさ
る少なくとも一種のシアン色素生成カプラーを持つ少な
くとも一つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色
素画像生成ユニット、それと組合わさる少なくとも一種
のマゼンタ色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの緑
感性ハロゲン化銀乳剤層を含むマゼンタ色素画像生成ユ
ニット、及びそれと組合わさる少なくとも一種のイエロ
ー色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を含むイエロー色素画像生成ユニットを
坦持する支持体を含んで成る。この要素は、フィルター
層、中間層、オーバーコート層、下引き層等の追加の層
を含むことができる。これらの全ての層を、透明もしく
は反射(例えば、紙支持体)となることができる支持体
に塗布することができる。
【0127】また、本発明の写真要素は、リサーチディ
スクロージャー、アイテム34390 、1992年11月、に記載
される磁気記録材料、もしくは米国特許第4,279,
945号及び同4,302,523号各明細書に記載さ
れる、透明支持体の裏面に磁性粒子を含有するような透
明磁気記録層も有効に含むことができる。この要素は、
典型的に、総厚5〜30μm(支持体を除く)を有する
であろう。これらの色感性層の順序は変えることができ
るが、透明支持体上の順序では、通常、赤感性、緑感性
及び青感性であり(即ち、青感性層が支持体から最も遠
い)、反射支持体上では、反対の順序であるのが一般的
である。
【0128】本発明は、シングルユースカメラ(即ち、
「レンズ付きフィルム」ユニット)と呼ばれることが多
いカメラに本発明の写真要素を用いることも企図する。
これらのカメラはその中に予め装填されたフィルムと共
に販売され、カメラの内部に露光済みフィルムを残した
ままでカメラ全体が回収される。そのようなカメラはそ
れを通して写真要素を露光するガラスレンズもしくはプ
ラスチックレンズを有することができる。
【0129】本発明の要素に使用するのに適切な材料の
以下の検討においては、英国ハンプシャー州P010
7DQ エムスワース 12aノースストリートダッド
レーアネックスにあるKenneth Mason Publications, Lt
d.が発行しているリサーチディスクロージャー、1994年
9 月、No. 365 、アイテム36544 (以下、「リサーチデ
ィスクロージャーI」と称する)を参照されたい。以下
で言及するセクションは、特に断らない限り、リサーチ
ディスクロージャーIのセクションである。
【0130】本発明の写真要素に用いられるハロゲン化
銀乳剤は、表面感受性乳剤もしくは未カブリ内部潜像形
成乳剤等のネガ型、又は内部潜像形成タイプ(処理時に
カブラせる)のポジ型となることができる。好適な乳剤
及びそれらの調製並びに化学増感及び分光増感方法につ
いては、セクションI〜Vに記載されている。カラー材
料及び現像改良剤は、セクションV〜XXに記載されて
いる。この写真要素に使用できるベヒクルは、セクショ
ンIIに記載されており、蛍光増白剤、カブリ防止剤、
安定化剤、光吸収剤及び光散乱剤、硬膜剤、塗布助剤、
可塑剤、滑剤並びに艶消剤等の種々の添加剤は、例え
ば、セクションVI〜XIIIに記載されている。製造
方法は全てのセクションに記載されており、層配列は特
にセクションXI、露光の変法はXVIに、そして処理
方法並びに処理剤はXIX及びXXに記載されている。
【0131】ネガ型ハロゲン化銀を用いてネガ像を形成
することができる。必要に応じてポジ(即ち、リバーサ
ル)像も形成することができるが、ネガ像を一般的に最
初に作成する。本発明の写真要素は、欧州特許第213
490号、特開昭58−172647号、米国特許第
2,983,608号、ドイツ国出願第2,706,1
17号C、英国特許第1,530,272号、日本特許
出願A−113935号、米国特許第4,070,19
1号、及びドイツ国出願第2,643,965号各明細
書に記載されているような、カラードカプラー(例え
ば、インターレイヤー補正のレベルを調節するため)及
びマスキングカプラーも用いることができる。これらの
マスキングカプラーは、シフトもしくはブロックされて
いてもよい。
【0132】また、この写真要素は、漂白もしくは定着
の処理工程を加速したりもしくは変更して画像の品質を
向上させる物質を含有することもできる。欧州特許第1
93,389号;同301,477号;米国特許第4,
163,669号;同4,865,956号;及び同
4,923,784号各明細書に記載の漂白促進剤が、
特に有用である。また、核生成剤、現像促進剤もしくは
それらの前駆体(英国特許第2,097,140号、同
2,131,188号各明細書);現像抑制剤及びそれ
らの前駆体(米国特許第5,460,932号、同5,
478,711号明細書);電子移動剤(米国特許第
4,859,578号;同4,912,025号各明細
書);ヒドロキノン類、アミノフェノール類、アミン
類、没食子酸;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジ
ド類;スルホンアミドフェノール類の誘導体等のカブリ
防止剤及び混色防止剤;並びに無呈色カプラーも使用で
きる。
【0133】また、この要素は、コロイド状銀ゾル、又
は水中油滴型分散体、ラテックス分散体もしくは固体粒
子分散体の形態で、イエロー及び/もしくはマゼンタフ
ィルター色素及び/もしくはハレーション防止色素(特
に、全ての感光性層の下のアンダーコート層中もしくは
全ての感光性層が配置されている支持体の反対側に)を
含んでなるフィルター色素層を含むこともできる。さら
に、「スミア(smearing)」カプラー(例えば、米国特
許第4,366,237号;欧州特許第096,570
号;米国特許第4,420,556号;及び米国特許第
4,543,323号各明細書に記載されているような
もの)とともに使用できる。また、これらのカプラー類
は、例えば、特願昭61−258249号もしくは米国
特許第5,019,492号各明細書に記載されている
ような保護された形態でブロック又は塗布することがで
きる。
【0134】写真要素は、さらに「現像抑制剤放出型」
化合物(DIR)等の他の画像改良化合物を含有するこ
とができる。本発明写真要素に有用な追加のDIRは当
該技術分野で公知であり、その例は以下の特許文書に記
載されている。すなわち米国特許第3,137,578
号、同3,148,022号、同3,148,062
号、同3,227,554号、同3,384,657
号、同3,379,529号、同3,615,506
号、同3,617,291号、同3,620,746
号、同3,701,783号、同3,733,201
号、同4,049,455号、同4,095,984
号、同4,126,459号、同4,149,886
号、同4,150,228号、同4,211,562
号、同4,248,962号、同4,259,437
号、同4,362,878号、同4,409,323
号、同4,477,563号、同4,782,012
号、同4,962,018号、同4,500,634
号、同4,579,816号、同4,607,004
号、同4,618,571号、同4,678,739
号、同4,746,600号、同4,746,601
号、同4,791,049号、同4,857,447
号、同4,865,959号、同4,880,342
号、同4,886,736号、同4,937,179
号、同4,946,767号、同4,948,716
号、同4,952,485号、同4,956,269
号、同4,959,299号、同4,966,835
号、及び同4,985,336号;並びに英国特許公告
第1,560,240号、同2,007,662号、同
2,032,914号、同2,099,167号;ドイ
ツ国特許公告第2,842,063号、同2,937,
127号、同3,636,824号、同3,644,4
16号;並びに欧州特許第272,573号、同33
5,319号、同336,411号、同346,899
号、同362,870号、同365,252号、同36
5,346号、同373,382号、同376,212
号、同377,463号、同378,236号、同38
4,670号、同396,486号、同401,612
号及び同401,613号である。
【0135】またDIR化合物は、Photographic Scien
ce and Engineering, 13巻、174 頁、1969年に記載のC.
R. Barr, J.R. Thirtle 及びP.W. Vittum の論文 "Deve
loper-Inhibitor-Releasing (DIR) Couplers for color
Photgraphy"にも開示されている。また、本発明の概念
は、リサーチディスクロージャー、1979年11月、アイテ
ム18716 号に記載されているような反射カラープリント
を得るのに使用できる。本発明の要素を形成するのに使
用される乳剤及び物質は、米国特許第4,917,99
4号明細書に記載されているようなpH調整支持体上
に、エポキシ溶剤(欧州特許第164,961号明細
書)とともにか;追加の安定化剤(例えば、米国特許第
4,346,165号;同4,540,653号及び同
4,906,559号各明細書に記載されている)とと
もにか;カルシウム等の多価カチオンに対する感受性を
減少させるために米国特許第4,994,359号明細
書に記載されているようなバラスト化キレート化剤とと
もにか;米国特許第5,068,171号及び同5,0
96,805号各明細書に記載されているような汚染減
少化合物とともに塗布できる。
【0136】本発明の写真要素に有用な他の化合物は、
特開昭58−09959号;同58−62586号;特
開平02−072629号;同02−072630号;
同02−072632号;同02−072633号;同
02−072634号;同02−077822号;同0
2−078229号;同02−078230号;同02
−079336号;同02−079338号;同02−
079690号;同02−079691号;同02−0
80487号;同02−080489号;同02−08
0490号;同02−080491号;同02−080
492号;同02−080494号;同02−0859
28号;同02−086669号;同02−08667
0号;同02−087361号;同02−087362
号;同02−087363号;同02−087364
号;同02−088096号;同02−088097
号;同02−093662号;同02−093663
号;同02−093664号;同02−093665
号;同02−093666号;同02−094668
号;同02−094055号;同02−094056
号;同02−101937号;同02−103409
号;同02−151577号の各明細書に開示されてい
る。
【0137】この写真要素に使用されるハロゲン化銀
は、ヨウ臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭
化銀等となることができる。ハロゲン化銀粒子の種類に
は、好ましくは多形態、立方及び八面体が含まれる。ハ
ロゲン化銀の粒径は、写真組成物に有用であることが知
られているいずれの分布を有していてもよく、多分散、
単分散のいずれでもよい。
【0138】平板状粒子ハロゲン化銀乳剤も用いること
ができる。平板状粒子は残りの粒子面よりそれぞれ明か
に大きい二つの平行主面を有するものであり、平板状粒
子乳剤は、平板状粒子が総粒子投影面積の少なくとも3
0%、より典型的には少なくとも50%、好ましくは7
0%を超え、最適には90%より多くを占める乳剤であ
る。平板状粒子は、総粒子投影面積の実質的に全部(9
7%を超える)を占めることができる。前記平板状粒子
乳剤は、高アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD
/t>8である乳剤(ECDは粒子投影面積と等しい面
積を持つ円の直径であり、tは平板状粒子の厚さであ
る);中アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/
t=5〜8;又は低アスペクト比平板状粒子乳剤、即
ち、ECD/t=2〜5と、なることができる。前記乳
剤は、典型的に、高平板状度(T)(T=ECD/t2
である)、即ち、ECD/t2 >25である(ECD及
びtは、両方ともμmで測定する)。
【0139】この平板状粒子は、平板状粒子乳剤の目的
の平均アスペクト比及び/もしくは平均平板状度を達成
するのに適合するいずれの厚さにもなることができる。
投影面積の要件を満足する平板状粒子は、0.3μmよ
り薄い厚さを有するものであるのが好ましく、特に薄型
(<0.2μm)平板状粒子が好ましく、最大の容積対
粒子面積比のためには、超薄型(<0.07μm)平板
状粒子が考えられる。青スピードの場合に、ヨードハロ
ゲン化物平板状粒子の本来の青吸収を頼りにする場合に
は、より厚い平板状粒子(典型的には最大0.5μmの
厚さ)が考えられる。
【0140】高ヨウ化物平板状粒子乳剤は、House の米
国特許第4,490,458号明細書、Maskaskyの同
4,459,353号明細書及びYagi等の欧州特許第0
410410号明細に説明されている。面心立方(岩塩
型)結晶格子構造を形成するハロゲン化銀から形成され
る平板状粒子は、{100}もしくは{111}主面の
いずれかを有することができる。{111}主面平板状
粒子を持つ乳剤(コントロールされた粒子分散度、ハロ
ゲン化物分布、双晶面間隔、エッジ構造及び粒子転位並
びに吸着される{111}粒子面安定剤を含む)は、
サーチディスクロージャーI、セクションI.B.
(3)(503 ページ)に具体的に記載されている。
【0141】本発明で使用されるハロゲン化銀粒子は、
リサーチディスクロージャーI及びJames の The theor
y of the Photographic Process に記載されているよう
な当該技術分野において公知の方法に従って製造でき
る。これらの方法には、アンモニア性乳剤製造方法、中
性もしくは酸性乳剤製造方法及び当該技術分野において
公知の他の方法等が含まれる。これらの方法では、保護
コロイドの存在下で水溶性銀塩を水溶性ハロゲン化物塩
と混合させ、沈澱によりハロゲン化銀を生成中に温度、
PAg、pH値等を適当な値に制御することを一般的に
要する。
【0142】粒子沈殿時に、一つ以上のドーパント(銀
及びハロゲン化物以外の粒子吸蔵)を導入して粒子特性
を改良することができる。例えば、リサーチディスクロ
ージャー、アイテム36544 、セクションI.乳剤粒子及
びその特性、サブセクションG.粒子改良条件及び調
整、パラグラフ(3)、(4)及び(5)に記載されて
いる種々の通常のドーパントを、本発明の乳剤中に存在
せしめることができる。更に、米国特許第5,360,
712号(Olm 等)明細書に記載されるように、一種以
上の有機リガンドを有する遷移金属のヘキサ配位錯体で
粒子をドープすることが考えられる。
【0143】リサーチディスクロージャー、アイテム36
736 、1994年11月発行には、粒子の面心立方結晶格子に
浅い電子トラップ(以下、「SET」とも記載する)を
形成して写真スピードを高めることができるドーパント
を組み込みことが特に検討されている。SETドーパン
トを粒子内のいずれの位置に配置しても有効である。一
般的に、SETドーパントを粒子の外側の50%(銀に
対して)内に組み入れると良好な結果が得られる。SE
T組み込みの最適な粒子範囲は、粒子を形成する総銀の
50〜85%の銀範囲に形成される範囲である。SET
を全て一度に導入するか、粒子沈殿を継続しながらその
間にわたって反応容器に導入することができる。一般的
に、SET形成ドーパントは、少なくとも1×10-7
ル/銀モル、その溶解度限界に至るまで、典型的に約5
×10-4モル/銀モルまでの濃度で導入することが考え
られる。
【0144】SETドーパントは相反則不軌を小さくす
るのに有効であるとして知られている。特に、SETド
ーパントとして、イリジウムヘキサ配位錯体もしくはI
+4錯体が有利である。浅い電子トラップを提供するの
に有効でない(非−SETドーパント)イリジウムドー
パントも、ハロゲン化銀粒子乳剤の粒子内に導入して相
反則不軌を小さくすることができる。
【0145】相反則改善に有効となるために、Irは、
粒子構造のいずれの場所にも存在することができる。相
反則改善を生じるIrドーパントの粒子構造内の好まし
い位置は、粒子を形成する全ての銀が沈殿する最初の6
0%の後で且つ最終の1%の前(最も好ましくは最終の
3%の前)の粒子生成の範囲内である。このドーパント
を一度に全て導入してもよく、もしくは粒子沈殿を継続
している期間に亘って反応容器に混ぜてもよい。一般的
に、相反則改善非−SET Irドーパントは、その最
低有効濃度で組み入れることが企図される。
【0146】写真要素のコントラストを、McDugle 等の
米国特許第4,933,272号明細書に開示されるよ
うに、ニトロシルもしくはチオニトロシルリガンド(N
Zドーパント)を含有するヘキサ配位錯体を用いてこの
粒子をドープすることによってさらに高めることができ
る。コントラスト増加ドーパントを都合のよい位置で粒
子構造に組み込むことができる。しかし、NZドーパン
トが粒子表面に存在する場合は、粒子感度が小さくなる
可能性がある。従って、ヨウ塩化銀粒子形成に沈殿する
総銀の少なくとも1%(最も好ましくは少なくとも3
%)まで、粒子面からNZドーパントが分離されるよう
に、このドーパントを配置することが好ましい。NZド
ーパントの好ましいコントラスト増強濃度は、1×10
-11 モル〜4×10-8モル/銀モルであり、特に好まし
いのは、1×10-10 モル〜1×10-8モル/銀モルで
ある。
【0147】種々のSET、非−SET Ir及びNZ
ドーパントの一般的に好ましい濃度範囲を上に示した
が、これらの一般的な範囲内の特定の最適濃度範囲を、
通常の試験により特定の用途に結びつけることができ
る。SET、非−SET Ir及びNZドーパントを単
独もしくは組み合わせて用いることが特に考えられる。
例えば、SETドーパント及び非−SET Irドーパ
ントの組合せを含有する粒子を特に考えることができ
る。同じように、SET及びNZドーパントを組み合わ
せて用いることができる。また、SETドーパントでな
い、NZ及びIrドーパントも組み合わせて用いること
ができる。最後に、非−SET IrドーパントをSE
Tドーパント及びNZドーパントと組み合わせることが
できる。この後者の三通りのドーパント組合せの場合、
最初にNZドーパントを導入し、次にSETドーパント
を導入し、最後に非−SET Irドーパントを導入す
るのが、沈殿に関して一般的に最も都合がよい。
【0148】本発明の写真要素は、一般的に乳剤の形態
でハロゲン化銀を提供する。写真乳剤は、一般的に写真
要素の一つの層として乳剤を塗布するためのベヒクルを
含む。有用なベヒクルには、タンパク質、タンパク質誘
導体、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル
類)、ゼラチン(例えば、牛骨もしくは皮ゼラチン等の
アルカリ処理ゼラチン、又は豚皮ゼラチン等の酸処理ゼ
ラチン)、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチ
ン、フタル化ゼラチン等)等の天然物質、並びにリサー
チディスクロージャーIに記載されているような他のベ
ヒクルの両方が含まれる。また、ベヒクルもしくはベヒ
クル増量剤として有用なものは、親水性透水性コロイド
である。これらは、リサーチディスクロージャーIに記
載されているような、合成ポリマー解こう剤、キャリヤ
ー、及び/もしくは、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルラクタム、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセ
タール、アルキル並びにスルホアルキルアクリレート及
びメタクリレートのポリマー、加水分解した酢酸ポリビ
ニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルア
ミドコポリマー等のバインダーを含む。ベヒクルは、写
真乳剤に有用な量で乳剤中に存在することができる。ま
た、この乳剤は、写真乳剤に有用であるとして知られて
いるいずれの添加剤も含有することができる。
【0149】本発明で用いられるハロゲン化銀を、有利
に化学増感することができる。ハロゲン化銀の化学増感
に有用な化合物及び技法は、当該技術分野で公知であ
り、リサーチディスクロージャーI及びそこで引用され
ている文献に記載されている。化学増感に有用な化合物
には、例えば、活性ゼラチン、イオウ、セレン、テル
ル、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、オスミウ
ム、レニウム、亜リン酸、もしくはそれらの組合せが含
まれる。化学増感は、リサーチディスクロージャーI
セクションIV(510-511 ページ)及びそこで引用され
ている文献に記載されているように、一般的に、pAg
レベル5〜10、pHレベル4〜8、そして温度30〜
80℃で実施される。
【0150】ハロゲン化銀を、リサーチディスクロージ
ャーIに記載されるような当該技術分野で公知の技法に
より、増感色素で増感することができる。この色素を、
乳剤を写真要素に塗布する前のいずれかの時期(例え
ば、化学増感中もしくは化学増感後)に、もしくは写真
要素への乳剤の塗布と同時に、ハロゲン化銀粒子と親水
性コロイドからなる乳剤に添加してもよい。この色素
を、例えば、水もしくはアルコールの溶液として添加す
ることができる。色素/ハロゲン化銀乳剤を、塗布直前
もしくは塗布に先立ち(例えば、2時間前)、カラー画
像生成カプラーの分散体と混合することができる。
【0151】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャーI、セクションXVIに記載されている技法を
含むいずれかの公知の技法を用いて像様露光するのが好
ましい。これには、典型的にはスペクトルの可視領域で
の露光を必要とし、一般的にそのような露光は、レンズ
を通した生の像であるが、保存された画像(コンピュー
タに記憶されたような画像)を発光装置(発光ダイオー
ド、CRT等)を用いて露光することもできる。
【0152】本発明の組成物を含む写真要素は、例え
ば、リサーチディスクロージャーI、もしくはT.H. Jam
es編のThe theory of the Photographic Process、第4
版、Macmillan, New York, 1977 年に記載されているい
くつかの周知の処理組成物のいずれかを用いた周知の写
真プロセスで処理できる。ネガ型要素を処理する場合
は、この要素を発色現像主薬(即ち、カラーカプラーと
共にカラー像色素を形成するもの)で処理し、その後酸
化剤及び溶剤で処理して銀及びハロゲン化銀を除去す
る。リバーサルカラー要素を処理する場合は、この要素
をまず黒白現像主薬(即ち、カプラー化合物と共にカラ
ー像色素を形成しない現像主薬)で処理し、次にハロゲ
ン化銀をカブラせ(一般的に、化学カブリもしくは光カ
ブリ)、発色現像主薬で処理する。
【0153】好ましい発色現像主薬は、p−フェニレン
ジアミン類である。とりわけ好ましい現像主薬は:4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ
−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−
アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタン
スルホンアミド)エチルアニリンセスキ硫酸塩水和物、
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−β−
(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルア
ニリン塩酸塩及び4−アミノ−N−エチル−N−(2−
メトキシエチル)−m−トルイジン ジ−p−トルエン
スルホン酸である。
【0154】Bissonetteの米国特許第3,748,13
8号、同3,826,652号、同3,862,842
号及び同3,989,526号並びにTravisの同3,7
65,891号明細書に記載されている、色素像生成還
元剤、不活性遷移金属イオン錯体酸化剤、及び/もしく
はMatejec の米国特許第3,674,490号明細書、
リサーチディスクロージャー、116 巻, 1973年12月、ア
イテム11660 及びBissonetteのリサーチディスクロージ
ャー、148 巻, 1976年8 月、アイテム14836, 14846, 及
び14847 に記載されている過酸化物酸化剤を組み合わせ
て用いる処理で、色素像を生成もしくは増強することが
できる。Dunn等の米国特許第3,822,129号、Bi
ssonetteの同3,834,907号及び同3,902,
905号、Bissonette等の同3,847,619号、Mo
wreyの同3,904,413号、Hirai 等の同4,88
0,725号、Iwano の同4,954,425号、Mars
den 等の同4,983,504号、Evans 等の同5,2
46,822号、Twist の同5,324,624号、Fy
son のEPO0487616号、Tannahill 等のWO9
0/13059号、Marsden 等のWO90/13061
号、Grimsey 等のWO91/16666号、Fyson のW
O91/17479号、Marsden 等のWO92/019
72号、Tannahill のWO92/05471号、Henson
のWO92/07299号、Twist のWO93/015
24号、及びWO93/11460号、並びにWingende
r 等のドイツ国OLS第4,211,460号に説明さ
れているような処理により色素像を形成するのに、当該
写真要素は特に好適である。
【0155】現像の次に漂白−定着を行い、銀もしくは
ハロゲン化銀を除去し、洗浄、乾燥する。本発明のフラ
グメント化可能な電子供与増感剤化合物を、ハロゲン化
銀乳剤に直接分散させて乳剤含ませることができ、ある
いは、例えば、水、メタノール、もしくはエタノールの
溶剤、又はそれらの溶剤の混合物に溶解することがで
き、生じた溶液を乳剤に加える。また、本発明の化合物
を塩基及び/もしくは界面活性剤を含有する溶液から添
加することもでき、又は水性スラリーもしくはゼラチン
分散体に混ぜて、乳剤に加えることもできる。これらの
化合物は一般的に従来の増感色素と一緒に用いられ、増
感色素添加の、前、途中、もしくは後に添加することが
できる。
【0156】本発明で用いるフラグメント化可能な電子
供与体化合物の量は、乳剤層中、少なくても1×10-8
モル/銀モルから多くても約2×10-3モル/銀モルの
範囲である。より好ましくはこの化合物の量は、乳剤層
中、少なくても5×10-7モル/銀モルから約2×10
-4モル/銀モルの範囲である。2電子供与増感剤のXY
部分の酸化電位E1 が、相対的に低電位であるほど、ま
すます活性であり、用いるのに必要な試薬は相対的に少
なくなる。反対に、2電子供与増感剤のXY部分の酸化
電位が、相対的に高いと、多くの量(銀1モル当たり)
を用いる。フラグメント化可能な1電子供与体の場合
も、銀1モル当たり相対的に多くの量を用いる。
【0157】本発明のフラグメント化可能な電子供与増
感剤と組み合わせて通常の分光増感色素を用いることが
できる。用いられる好ましい増感色素は、シアニン色素
類、複合シアニン色素類、メロシアニン色素類、複合メ
ロシアニン色素類、スチリル色素類、ヘミシアニン色素
類である。使用することができる具体的な増感色素は、
以下の一般式(XII)〜(XVI)の色素である:
【0158】
【化42】
【0159】(式中、E1 、J、q、p、D1 及びW2
は、上記定義のものであり、E4 は、E1 と同様に定義
され、rは、0もしくは1であり、D2 は、D1 と同様
に定義される);
【0160】
【化43】
【0161】[式中、E1 、D1 、J、p、q及びW2
は、上記式(XII)で定義したものと同じであり、そ
してGは、
【0162】
【化44】
【0163】(ここで、E2 、F及びF’は上記式(I
X)で定義したものと同じである)である];
【0164】
【化45】
【0165】[式中、D1 、E1 、J、p、q及びW2
は、上記式(XII)で定義したものと同じであり、そ
してG2 は、置換もしくは未置換のアミノ基又は置換も
しくは未置換のアリール基である];
【0166】
【化46】
【0167】[式中、D1 、E1 、D2 、E4 、J、
p、q、r及びW2 は、上記式(XII)及び(XII
I)で定義したものと同じであり、そしてE3 は、上記
式(X)で定義したものと同じである];
【0168】
【化47】
【0169】[式中、D1 、E1 、J、G、p、q、r
及びW2 は、上記式(XV)で定義したものと同じであ
り、そしてE3 は、上記式(X)で定義したものと同じ
である]。上記式で、E1 及びE4 は、それぞれ独立し
て、置換もしくは未置換の、5員又は6員の複素環核を
完成するのに必要な原子団を表す。これらには、置換も
しくは未置換の:チアゾール核、オキサゾール核、セレ
ナゾール核、キノリン核、テルラゾール核、ピリジン
核、チアゾリン核、インドリン核、オキサジアゾール
核、チアジアゾール核、もしくはイミダゾール核が含ま
れる。これらの核は、公知の置換基、例えば、ハロゲン
(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ)、アルコキシ
(例えば、メトキシ、エトキシ)、置換もしくは未置換
のアルキル(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、
置換もしくは未置換のアリール、置換もしくは未置換の
アラルキル、スルホネート、及び当該技術分野で公知の
もので置換されていてもよい。
【0170】本発明の一つの態様では、式(X II)に
従う色素類を用いる場合、E1 及びE4 は、それぞれ独
立して、置換もしくは未置換のチアゾール核、置換もし
くは未置換のセレナゾール核、置換もしくは未置換のイ
ミダゾール核、もしくは置換もしくは未置換のオキサゾ
ール核を完成するのに必要な原子団である。E1 及びE
4 の有用な核の例には次のものが含まれる:チアゾール
核(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−
フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェ
ニルチアゾール、4,5−ジメチル−チアゾール、4,
5−ジフェニルチアゾール、4−(2−チエニル)チア
ゾール、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾー
ル、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチ
アゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベ
ンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メ
チルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、
6−ブロモベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチア
ゾール、6−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシ
ベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6
−メトキシベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチア
ゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロ
ベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾー
ル、5,6−ジオキシメチルベンゾチアゾール、5−ヒ
ドロキシベンゾチアゾール、6−5−ジヒドロキシベン
ゾチアゾール、ナフト[2,1−d]チアゾール、5−
エトキシナフト[2,3−d]チアゾール、8−メトキ
シナフト[2,3−d]チアゾール、7−メトキシナフ
ト[2,3−d]チアゾール、4’−メトキシチアナフ
テノ−7’,6’−4,5−チアゾール等);オキサゾ
ール核(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチル
オキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジ
フェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,
5−ジメチル−オキサゾール、5−フェニルオキサゾー
ル、ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾー
ル、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベン
ゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,
6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベ
ンゾオキサゾール、5−エトキシベンゾオキサゾール、
5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオ
キサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−
ヒドロキシベンゾオキサゾール、ナフト[2,1−d]
オキサゾール、ナフト[1,2−d]オキサゾール、
等);セレナゾール核(例えば、4−メチルセレナゾー
ル、4−フェニルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、
5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセ
レナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テト
ラヒドロベンゾセレナゾール、ナフト[2,1−d]セ
レナゾール、ナフト[1,2−d]セレナゾール、
等);ピリジン核(例えば、2−ピリジン、5−メチル
−2−ピリジン、4−ピリジン、3−メチル−4−ピリ
ジン、3−メチル−4−ピリジン、等);キノリン核
(例えば、2−キノリン、3−メチル−2−キノリン、
5−エチル−2−キノリン、6−クロロ−2−キノリ
ン、8−クロロ−2−キノリン、6−メトキシ−2−キ
ノリン、8−エトキシ−2−キノリン、8−ヒドロキシ
−2−キノリン、4−キノリン、6−メトキシ−4−キ
ノリン、7−メチル−4−キノリン、8−クロロ−4−
キノリン、等);テルラゾール核(例えば、ベンゾテル
ラゾール、ナフト[1,2−d]ベンゾテルラゾール、
5,6−ジメトキシベンゾテルラゾール、5−メトキシ
ベンゾテルラゾール、5−メチルベンゾテルラゾール、
等);チアゾリン核(例えば、チアゾリン、4−メチル
チアゾリン、等);ベンゾイミダゾール核(例えば、ベ
ンゾイミダゾール、5−トリフルオロメチルベンゾイミ
ダゾール、5,6−ジクロロベンゾイミダゾール);及
びインドール核(例えば、3,3−ジメチルインドー
ル、3,3−ジエチルインドール、3,3,5−トリメ
チルインドール);もしくはジアゾール核(例えば、5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メチ
ル−1,3,4−チアジアゾール。
【0171】F及びF’は、それぞれシアノ基、エステ
ル基(例えば、エトキシカルボニル、メトキシカルボニ
ル、等)、アシル基、カルバモイル基、もしくはアルキ
ルスルホニル基(例えば、エチルスルホニル、メチルス
ルホニル、等)である。E2の有用な核の例には、2−
チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核(即ち、2−チ
オ−2,3−(3H,5H)−オキサゾリジノン系列の
もの)(例えば、3−エチル−2−チオ−2,4オキサ
ゾリジンジオン、3−(2−スルホエチル)−2−チオ
−2,4オキサゾリジンジオン、3−(4−スルホブチ
ル)−2−チオ−2,4オキサゾリジンジオン、3−
(3−カルボキシプロピル)−2−チオ−2,4オキサ
ゾリジンジオン、等);チアナフテノン核(例えば、2
−(2H)−チアナフテノン、等);2−チオ−2,5
−チアゾリジンジオン核(即ち、2−チオ−2,5−
(3H,4H)−チアゾリジンジオン系列)(例えば、
3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン、
等);2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4
−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリ
ジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオ
ン、3−α−ナフチル−2,4−チアゾリジンジオン、
等);チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノ
ン、3−エチル−4−チアゾリジノン、3−フェニル−
4−チアゾリジノン、3−α−ナフチル−4−チアゾリ
ジノン、等);2−チアゾリン−4−オン系列(例え
ば、2−エチルメルカプト−2−チアゾリン−4−オ
ン、2−アルキルフェニルアミノ−2−チアゾリン−4
−オン、2−ジフェニルアミノ−2−チアゾリン−4−
オン、等);2−イミノ−4−オキサゾリジノン(即
ち、擬似ヒダントイン)系列[例えば、2,4−イミダ
ゾリジンジオン(ヒダントイン)系列(例えば、2,4
−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダ
ゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−イミダゾリジ
ンジオン、3−α−ナフチル−2,4−イミダゾリジン
ジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダゾリジンジ
オン、1−エチル−3−フェニル−2,4−イミダゾリ
ジンジオン、1−エチル−2−α−ナフチル−2,4−
イミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル−2,4−
イミダゾリジンジオン、等];2−チオ−2,4−イミ
ダゾリジンジオン(即ち、2−チオヒダントイン)核
(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、
3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオ
ン、3−(2−カルボキシエチル)−2−チオ−2,4
−イミダゾリジンジオン、3−フェニル−2−チオ−
2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2
−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1−エチル−
3−フェニル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオ
ン、1−エチル−3−ナフチル−2−チオ−2,4−イ
ミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル−2−チオ−
2,4−イミダゾリジンジオン、等);2−イミダゾリ
ン−5−オン核、が含まれる。
【0172】G2 は、置換もしくは未置換のアミノ基
(例えば、第一級アミノ、アニリノ)、又は置換もしく
は未置換のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、
ジアルキルアミノフェニル、トリル、クロロフェニル、
ニトロフェニル)である。式(XII)〜(XVI)に
従う、各Jは、置換もしくは未置換のメチン基を表す。
メチン基の置換基の例には、アルキル(好ましくは、炭
素数1〜6のもの、例えば、メチル、エチル、等)及び
アリール(例えば、フェニル)である。その上、メチン
基上の置換基は架橋結合を形成することができる。
【0173】W2 は、色素分子の電荷をバランスするの
に必要な対イオンである。そのような対イオンには、カ
チオン及びアニオン、例えば、ナトリウム、カリウム、
トリエチルアンモニウム、テトラメチルグアニジニウ
ム、ジイソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモ
ニウム、クロリド、ブロミド、ヨージド、p-トルエンス
ルホネート、等が含まれる。
【0174】D1 及びD2 は、それぞれ独立して、置換
もしくは未置換のアリール(好ましくは炭素数6〜15
のもの)、又はより好ましくは、置換もしくは未置換の
アルキル(好ましくは炭素数1〜6のもの)である。ア
リール基の例には、フェニル、トリル、p-クロロフェニ
ル、及びp-メトキシフェニルが含まれる。アルキル基の
例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、ヘキシル、シクロヘキシル、デシル、ドデシル、
等、及び置換されたアルキル基(好ましくは、炭素数1
〜6の置換された低級アルキル基)、例えば、ヒドロキ
シアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、4−ヒ
ドロキシブチル、等)、カルボキシアルキル(例えば、
2−カルボキシエチル、4−カルボキシブチル、等)、
スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−ス
ルホブチル、4−スルホブチル、等)、スルファトアル
キル基等、アシルオキシアルキル基(例えば、2−アセ
トキシエチル、3−アセトキシプロピル、4−ブチルオ
キシブチル、等)、アルコキシカルボニルアルキル基
(例えば、2−メトキシカルボニルエチル、4−エトキ
シカルボニルブチル、等)、もしくは、アラルキル基
(例えば、ベンジル、フェネチル、等)が含まれる。こ
のアルキルもしくはアリール基は、上記の置換されたア
ルキル基上で、一種以上の置換基で置換されてもよい。
【0175】特に好ましい色素は次のものである:
【0176】
【化48】
【0177】
【化49】
【0178】
【化50】
【0179】
【化51】
【0180】
【化52】
【0181】従来の分光増感色素対本発明のフラグメン
ト化電子供与増感剤の比は、通常の乳剤テストによって
定めることができるが、一般的には、モル比で約99.
99:0.01〜約50:50である。製造、貯蔵、も
しくは処理時における写真材料のカブリを小さくする目
的のために、種々の化合物を本発明の写真材料に加える
ことができる。典型的な、カブリ防止剤は、リサーチデ
ィスクロージャーIのセクションVIに記載されてお
り、例えば、テトラアザインデン類、メルカプトテトラ
ゾール類、ポリヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシアミ
ノベンゼン類、チオスルホン酸塩及びスルフィン酸塩と
の組合せ、等である。
【0182】本発明の場合、ポリヒドロキシベンゼン及
びヒドロキシアミノベンゼン化合物(以下、「ヒドロキ
シベンゼン化合物」という)が好ましい。なぜなら、そ
れらが乳剤感度を低下させずにカブリを小さくするのに
有効だからである。ヒドロキシベンゼン化合物の例は次
のものである:
【0183】
【化53】
【0184】これらの式中、V及びV’は、それぞれ独
立して、−H、−OH、ハロゲン原子、−OM(Mはア
ルカリ金属イオン)、アルキル基、フェニル基、アミノ
基、カルボニル基、スルホン基、スルホン化されたフェ
ニル基、スルホン化されたアルキル基、スルホン化され
たアミノ基、カルボキシフェニル基、カルボキシアルキ
ル基、カルボキシアミノ基、ヒドロキシフェニル基、ヒ
ドロキシアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルフ
ェニル基、アルキルチオエーテル基、もしくはフェニル
チオエーテル基である。
【0185】より好ましくは、それらは、それぞれ独立
して、−H、−OH、−Cl、−Br、−COOH、−
CH2 CH2 COOH、−CH3 、−CH2 CH3 、−
C(CH33 、−OCH3 、−CHO、−SO3 K、
−SO3 Na、−SO3 H、−SCH3 、もしくは−フ
ェニルである。とりわけ好ましいヒドロキシベンゼン化
合物は次のものである:
【0186】
【化54】
【0187】
【化55】
【0188】ヒドロキシベンゼン化合物を、本発明の乳
剤層もしくは写真材料を構成するいずれの層にも加える
ことができる。好ましい添加量は、ハロゲン化銀1モル
当たり1×10-3〜1×10-1モル、より好ましくは1
×10-3〜2×10-2モルである。レーザー閃光光分解法 (a)ラジカルX. の酸化電位 ナノ秒パルスにしたエキシマー(Questek model 2620、
308 nm 、約20ナノ秒、約100mJ)励起した色
素レーザー(Lambda Phisik model FL 3002 )を用い
て、レーザー閃光光分解測定を実施した。レーザー色素
は、p-ジオキサン中のDPS(Exciton Co. 製)であっ
た(410nm、約20ナノ秒、約10mJ)。分解光
源は、パルスにした150Wキセノンアークランプ(Os
ram XBO 150/W )であった。アークランプ電源は、PRA
model 302 であり、パルサーは、PRA model M-306 であ
った。パルサーは、約2〜3ミリ秒の時間に、光出力を
約100倍にまで高めた。分解光を、小さな開口部(約
1.5mm)を通して1cm 2 キュベットを保持するよ
うに設計されたセルホルダーに焦点を合わせた。レーザ
ービームと分解ビームは、反対方向からセルを照らし
て、小さな角度(約15度)で交差した。このセルを放
置した後、分解光を平行にし、ISA H-20モノクロメータ
ーのスリット(1mm、4nm通過幅)上に焦点を合わ
せた。Hamamatsumodel R446光電子増倍管の5個のダイ
ノードを用いて、光を検波した。光電子増倍管の出力は
50オームに落ちつき、そしてTektronix DSA-602 ディ
ジタルオシロスコープで捕獲した。全体の試験をパーソ
ナルコンピュータでコントロールした。
【0189】この試験を、アセトニトリル中、もしくは
80%アセトニトリルと20%水との混合物中のいずれ
かで行った。シアノアントラセン(A)(電子受容体と
してはたらく)の第一の一重線励起状態を、410nm
でのナノ秒レーザーパルスで生じさせた。相対的に高い
酸化電位供与体ビフェニル(B)からの電子移動によっ
てこの励起状態を失わせると、溶液中に分離したフリー
ラジカルの有効な形成、A.-+B.+を生じた。その後、
第二の電子移動が、B.+とより低い酸化電位電子供与体
X−Yとの間に起き、高収率でX−Y.+を生成した。ラ
ジカルX. の酸化電位調査の場合の、典型的なシアノア
ントラセン濃度は、約2×10-5M〜10-4Mであり、
ビフェニル濃度は約0.1Mであった。X−Y供与体の
濃度は、約10-3Mであった。電子移動反応の速度を基
質の濃度で決定した。用いた濃度で、確実に、A.-及び
X−Y.+が、100ナノ秒のレーザーパルス内で生じ
た。これらのラジカルイオンをその可視吸収スペクトル
で直接観察できた。光発生したラジカルイオンの速度
を、適当な波長での光学濃度の変化を観察してモニター
した。
【0190】9,10−ジシアノアントラセン(DC
A)の還元電位(Ered )は、−0.91Vである。典
型的な試験では、DCAを励起し、ビフェニル(B)か
らDCAへの初期の光誘導電子移動によりDCA.-を生
成する。これは、約20ナノ秒のレーザーパルス内で、
その独特な吸収最大(λobs =705nm)のところで
観察される。急速な第二の電子移動が、X−YからB.+
に起き、X−Y.+を生成し、そしてフラグメントX.
与えた。そして、X. による第2DCAの還元のため
に、吸収の増加が、約1マイクロ秒の時間定数と共に7
05nmで観察される。マイクロ秒成長時間に対する吸
収信号は20ナノ秒内に生成された吸収信号の大きさに
等しい。そのような実験で2DCAの還元が観察された
ならば、X.の酸化電位が−0.9Vよりもマイナスで
あることを示している。
【0191】X. の酸化電位が、DCAを還元するほど
十分にマイナスでない場合、その酸化電位の推定値を、
受容体として別のシアノアントラセンを用いて得た。
2,9,10−トリシアノアントラセン(TriCA、
red −0.67V、λobs =710nm)もしくはテ
トラシアノアントラセン(TCA、Ered −0.44
V、λobs =715nm)を電子受容体として用いた以
外は、上記したのと同じように実験を行った。2Tri
CAの還元が見られた場合、X. の酸化電位を、−0.
7Vよりマイナスであるとし、2TCAの還元が見られ
た場合、−0.5Vよりマイナスであるとした。ときお
り、第二の還元された受容体由来の信号の大きさは、第
一のものよりも小さかった。これは、X. から受容体へ
の電子移動が僅かに発熱性である(即ち、ラジカルの酸
化電位は、本質的に受容体の還元電位と同じであった)
ことを示していると理解した。
【0192】−0.5Vよりもマイナスでない値(即
ち、テトラシアノアントラセンを還元するほど十分に低
くない)を有するX. の酸化電位を推定するために、僅
かに異なる方法を用いた。第一の受容体、A(例えば、
DCA)よりもマイナスでない還元電位をもつ低濃度の
追加の受容体Qの存在下では、A.-からQへの第二の電
子移動が起こるであろう。Qの還元電位が、X. の酸化
電位よりもマイナスでない場合は、その時はQもこのラ
ジカルによって還元されるであろうし、Q.-吸収信号の
大きさの2倍となるであろう。この場合、第一及び第二
の電子移動反応の両方とも制御された拡散移動であり、
同じ速度で起きる。従って、第二の還元は第一のものと
時間分解できない。それ故、二つの電子還元が実際に起
きるかどうかを決定するためには、Q.-信号サイズを信
号Qだけが生じる還元であるとして知られた類似の系と
比較しなければならない。例えば、還元X. を与える反
応性X−Y.+を、非反応性X−Y.+と比較することがで
きる。用いられる有用な第二の電子受容体(Q)は、ク
ロロベンゾキノン(Ered −0.34V、λobs =45
0nm)、2,5−ジクロロベンゾキノン(Ered
0.18V、λobs =455nm)及び2,3,5,6
−テトラクロロベンゾキノン(Ered 0.00V、λ
obs =460nm)である。
【0193】(b)フラグメント化速度定数決定 また、レーザー閃光光分解技法を用いて、例えば、酸化
される供与体X−Yのフラグメント化速度定数を決定す
る。X−Y供与体のラジカルカチオンは、可視領域のス
ペクトルを吸収する。関連する化合物のスペクトルが、
T. Shidaの「Electron Absorption Spectra of Radical
Ions 」、Elsevier, New York, 1988、に示されてい
る。これらの吸収を用いて、X−Yのラジカルカチオン
のフラグメント化反応速度を測定した。上記のように、
ビフェニル及びX−Y供与体の存在下で、9,10−ジ
シアノアントラセン(DCA)を励起させると、DCA
.-及びX−Y.+を生じる。約10-2Mの濃度のX−Yを
用いると、約20ナノ秒のレーザパルス内でX−Y.+
形成する。X−Y.+の吸収バンド内に設定したモニター
波長を用いて、時間の関数としてフラグメント化反応に
よる吸収の減衰を観察する。使用するモニター波長は、
供与体毎に幾分異なるが、多くは約470〜530nm
である。一般的に、DCA.-もまたモニター波長のとこ
ろで吸収されるが、ラジカルアニオンによる信号は、一
般的にラジカルカチオンによる信号よりも非常に弱く、
実験のタイムスケールでは、A.-は減衰せず、それ故観
察される速度に寄与しなかった。X−Y.+が減衰したと
き、ラジカルX. が形成され、多くの場合、シアノアン
トラセンと反応して第二のA.-を形成した。A.-が時間
分解される減衰測定と干渉しないことによる、この吸収
の「増大」を確実にするために、シアノアントラセンの
濃度を約2×10-5Mより下に維持した。この濃度で
は、第二の還元反応がX−Y.+減衰よりも非常にゆっく
りとしたタイムスケールで起きた。もう一つ、X−Y.+
の減衰速度が106 /秒よりも小さい場合、溶液を酸素
で通気した。この条件下では、DCA.-は酸素と反応し
て100ナノ秒内にO2 .-を生じ、その結果、その吸収
度は、その減衰のタイムスケールではX−Y.+の吸収度
と抵触しなかった。
【0194】フラグメント化速度定数を測定する実験
を、全ての塩が容易に溶解するように、水20%を加え
たアセトニトリル中で行った。大部分の実験を室温で行
った。いくつかの場合では、フラグメント化速度は速す
ぎるか、もしくは遅すぎて、室温で容易に測定できなか
った。この場合、フラグメント化速度定数を温度の関数
として測定し、室温での速度定数を外挿して決定した。
【0195】化合物Q−XYの典型的な合成例を次に示
す。公知の出発原料を適当に選択して用いて同じよう
に、他の化合物も合成できる。反応スキームIに従って
次の化合物を合成する。
【0196】
【化56】
【0197】中間体Aの調製、1 =CH3 アニリン(21.4g、230ミリモル)、ヨウ化カリ
ウム(4.6g)、エチル2−ブロモプロプリオネート
(50.0g、276ミリモル)及び炭酸カリウム(8
2.8g、599ミリモル)を、アセトニトリル300
mLに加え、この混合物を窒素下で還流で2日間加熱し
た。この溶液を冷却し、沈殿した塩を濾過して除去し
た。濾液をジクロロメタンと水性重炭酸ナトリウムに分
配した。有機相を分離し、水洗し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧下で濃縮した。生じたオイルを間欠吸引
蒸留すると、0.05mmでbp108〜115℃の所
望の中間体A(31.9g、72%)が得られた。
【0198】中間体Bの調製、1 =CH3 ;R2'=C
2 CO2 t−ブチル アニリン(126.7g、1.36モル)、t−ブチル
アクリレート(174.5g、1.36モル)及びスル
ホン酸メタン(4mL)を混合し、還流で4時間攪拌し
た。その後、この混合物を冷却し、リグロイン(1L)
を加えた。生じた沈殿物を濾過して除去した。濾液を減
圧下で濃縮し、残留物を間欠吸引蒸留すると、138
g、46%、0.3〜0.5mmでbp115〜125
℃となった。
【0199】t−ブチル3−フェニルアミノプロプリオ
ネート(170g、0.77モル)、炭酸カリウム(1
06g、0.77モル)、エチル2−ブロモプロプリオ
ネート(139g、0.77モル)及びブチロニトリル
1200mLの混合物を、還流で18時間加熱した。反
応が完了するのを助けるために、追加の、0.23モル
の炭酸カリウム及びエチル2−ブロモプロプリオネート
を添加し、この混合物を還流で24時間加熱した。この
反応混合物を冷却し、濾過し、そして濾液を減圧下で濃
縮した。生じたオイルを間欠吸引蒸留した。所望の生成
物は、0.05mmでbp170〜185℃であり、1
38g(56%)を分離した。
【0200】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=C
2 CO2 t−ブチル ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)を0℃ま
で冷却し、POCl3(2mL)をゆっくりと加えた。
この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温まで温
め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル(B、
1 =CH3 ;R2'=CH2 CO2 t−ブチル)(2.
0g)を2mLのDMFに溶解し、ゆっくりと加えた。
この溶液を室温まで温めて、その温度で18時間攪拌し
た。そして、この反応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢
酸ナトリウム水溶液50mLを加えた。そして、この溶
液をエーテル100mLに加え、水性相を分離した。有
機相を100mLのブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られたオイル
をシリカゲルカラムに充填し、ヘプタン:THF(3:
1)で溶離した。所望のアルデヒドを明黄色オイルとし
て分離した(1.6g、74%)。
【0201】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=C
2 CO2 H エステル(C、R1 =CH3 ;R2'=CH2 CO2 t−
ブチル、1.6g)を10mLのトリフルオロ酢酸(T
FA)に溶解し、室温で18時間攪拌した。減圧下でT
FAを除去し、生じたオイルを10時間、圧力0.01
mmにして、残留TFAを全て除去した。残ったオイル
をさらに精製することなく用いた。
【0202】中間体Dの調製、1 =CH3 ;R2 =C
2 CO2 Na エステル(R1 =CH3 ;R2'=CH2 CO2 H、2.
0g、6.8ミリモル)を10mLのエタノールに溶解
し、1Nの水酸化ナトリウム(13.6ミリモル)を添
加した。この反応混合物を18時間室温で攪拌し、そし
て減圧下で濃縮した。生じた白色固形分(2.0g)を
精製することなく用いた。
【0203】INV1の調製、1 =CH3 ;R2 =C
2 CO2 Na、X=H このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =CH2 CO
2 Na、0.8g、2.6ミリモル)、及び3−エチル
−2−メチルベンゼンチアゾリウムP−トルエンスルホ
ネート(0.9g、2.6ミリモル)を20mLのエタ
ノールに溶解し、この混合物を18時間室温で攪拌し
た。溶剤を減圧下で除去し、生じた紫色の固体を溶離液
としてメタノールを用いて、シリカゲル上でクロマトグ
ラフすると、INV1(0.3g、27%)を生じた。
【0204】INV2の調製、1 =CH3 ;R2 =C
2 CO2 Na、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =CH2 CO
2 Na、0.3g、1.0ミリモル)及び5−クロロ−
3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムp−トルエ
ンスルホネート(0.39g、1.0ミリモル)を、5
mLのエタノールに溶解し、この混合物を18時間室温
で攪拌した。溶剤を減圧下で除去し、生じた紫色の固体
を溶離液としてメタノールを用いて、シリカゲル上でク
ロマトグラフすると、INV2(0.18g、40%)
を生じた。
【0205】中間体Bの調製、1 =CH3 ;R2'=C
2 Et エステル(A、R1 =CH3 )(24.6g、127ミ
リモル)、ブロモ酢酸エチル(31.9g、191ミリ
モル)、炭酸カリウム(26.0g、190ミリモル)
及びヨウ化カリウム(触媒量)をアセトニトリル200
mLに加え、窒素下で還流で6日間加熱した。この反応
混合物を冷却し、沈殿した塩を濾過した。濾液をジクロ
ロメタンに溶解し、水性重炭酸ナトリウム及び水で洗浄
した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で
濃縮した。生じたオイルを間欠吸引蒸留すると、B、R
1 =CH3 ;R2'=CO2 Et(20.8g、58%、
0.028mmでbp138〜142℃)が得られた。
【0206】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=C
2 Et ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)を0℃ま
で冷却し、POCl3(2mL)をゆっくりと加えた。
この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温まで温
め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル(B、
1 =CH3 ;R2'=CO2 Et)(2.0g)を2m
LのDMFに溶解し、ゆっくりと加えた。この溶液を室
温まで温めて、その温度で18時間攪拌した。そして、
この反応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢酸ナトリウム
水溶液50mLを加えた。そして、この溶液をエーテル
100mLに加え、水性相を分離した。有機相を100
mLのブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲル
カラムに充填し、ヘプタン:THF(1:1)で溶離し
た。所望のアルデヒドを明黄色オイルとして分離した
(1.8g、82%)。
【0207】中間体Dの調製、1 =CH3 ;R2 =C
2 Na エステル(R1 =CH3 ;R2'=CO2 Et、1.0
g、3.2ミリモル)を5mLのエタノールに溶解し、
1Nの水酸化ナトリウム(6.5ミリモル)を添加し
た。この反応混合物を18時間室温で攪拌し、そして減
圧下で濃縮した。生じた白色固形分(1.0g)を精製
することなく用いた。
【0208】INV3の調製、1 =CH3 ;R2 =C
2 Na、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =CO2
a、0.3g、1.0ミリモル)及び5−クロロ−3−
エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムp−トルエンス
ルホネート(0.39g、1.0ミリモル)を、10m
Lのエタノールに溶解し、この混合物を6時間室温で攪
拌した。溶剤を減圧下で除去し、生じた紫色の固体を溶
離液としてメタノールを用いて、シリカゲル上でクロマ
トグラフすると、INV3(0.15g、36%)を生
じた。
【0209】中間体Bの調製、1 =CH3 ;R2'=P
h エステル(A、R1 =CH3 )(3.8g、20ミリモ
ル)、塩化ベンジル(2.6g、21ミリモル)、及び
ルチジン(2.5g、23ミリモル)をアセトニトリル
25mLに溶解し、還流で36時間加熱した。この溶液
を200mLの酢酸エチルと100mLのブラインに分
配した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下で濃縮した。生じたオイルをシリカゲルカラ
ムに充填し、ヘプタン:THF(4:1)で溶離した。
所望の生成物を無色オイルとして分離した(2.0g、
36%)。
【0210】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=P
h ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)を0℃ま
で冷却し、POCl3(2mL)をゆっくりと加えた。
この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温まで温
め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル(B、
1 =CH3 ;R2'=Ph)(2.0g)を2mLのD
MFに溶解し、ゆっくりと加えた。この溶液を室温まで
温めて、その温度で18時間攪拌した。そして、この反
応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢酸ナトリウム水溶液
50mLを加えた。そして、この溶液をエーテル100
mLに加え、水性相を分離した。有機相を100mLの
ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲルカラム
に充填し、ヘプタン:THF(4:1)で溶離した。所
望のアルデヒドを明黄色オイルとして分離した(1.6
g、73%)。
【0211】中間体Dの調製、1 =CH3 ;R2 =P
h エステルC(R1 =CH3 ;R2'=Ph、1.4g、
4.5ミリモル)を25mLのメタノールに溶解し、1
Nの水酸化ナトリウム(4.5ミリモル)を添加した。
この反応混合物を18時間室温で攪拌し、そして減圧下
で濃縮した。生じた白色固形分(1.4g)を精製する
ことなく用いた。
【0212】INV4の調製、1 =CH3 ;R2 =P
h、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =Ph、0.
6g、2.0ミリモル)及び5−クロロ−3−エチル−
2−メチルベンゾチアゾリウムp−トルエンスルホネー
ト(0.76g、2.0ミリモル)を、5mLのエタノ
ールに溶解し、この混合物を6時間室温で攪拌した。溶
剤を減圧下で除去し、生じた紫色の固体を溶離液として
メタノールを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフす
ると、INV4(0.07g、7%)を生じた。
【0213】中間体Bの調製、1 =CH3 ;R2'=C
N エステル(A、R1 =CH3 )(3.8g、20ミリモ
ル)、ブロモアセトニトリル(2.5g、20ミリモ
ル)、及びルチジン(2.5g、23ミリモル)をアセ
トニトリル25mLに溶解し、この混合物を還流で36
時間加熱した。この溶液を200mLの酢酸エチルと1
00mLのブラインに分配した。有機相を分離し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。生じたオ
イルをシリカゲルカラムに充填し、ヘプタン:THF
(4:1)で溶離した。所望の生成物を無色オイルとし
て分離した(3.0g、65%)。
【0214】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=C
N ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)を0℃ま
で冷却し、POCl3(3mL)をゆっくりと加えた。
この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温まで温
め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル(B、
1 =CH3 ;R2'=CN)(3.0g)を2mLのD
MFに溶解し、ゆっくりと加えた。この溶液を室温まで
温めて、その温度で18時間攪拌した。そして、この反
応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢酸ナトリウム水溶液
50mLを加えた。そして、この溶液をエーテル100
mLに加え、水性相を分離した。有機相を100mLの
ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲルカラム
に充填し、ヘプタン:THF(4:1)で溶離した。所
望のアルデヒドを明黄色オイルとして分離した(1.1
g、32%)。
【0215】中間体Dの調製、1 =CH3 ;R2 =C
ONH2 エステルC(R1 =CH3 ;R2'=CN、1.1g、
4.2ミリモル)を20mLのメタノールに溶解し、1
Nの水酸化ナトリウム(4.2ミリモル)を添加した。
この反応混合物を18時間室温で攪拌し、そして減圧下
で濃縮した。生じた白色固形分(0.9g)を精製する
ことなく用いた。
【0216】INV5の調製、1 =CH3 ;R2 =C
ONH2 、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =CONH
2 、0.9g、3.5ミリモル)及び5−クロロ−3−
エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムp−トルエンス
ルホネート(1.3g、3.5ミリモル)を、5mLの
エタノールに溶解し、この混合物を18時間室温で攪拌
した。溶剤を減圧下で除去し、生じた紫色の固体を溶離
液としてメタノールを用いて、シリカゲル上でクロマト
グラフすると、INV5(0.5g、32%)を生じ
た。
【0217】中間体Bの調製、1 =CH3 ;R2'=C
3 エステル(A、R1 =CH3 )(1.0g、5.2ミリ
モル)、トリフルオロエチルトリフレート(1.2g、
5.2ミリモル)、及びルチジン(1.0g、9.3ミ
リモル)を、密封した管中で135℃で48時間加熱し
た。管の内容物を酢酸エチルとブラインとに分配した。
有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下
で濃縮した。生じたオイルをシリカゲルカラムに充填
し、ヘプタン:THF(4:1)で溶離した。所望の生
成物を分離した(0.5g、35%)。
【0218】中間体Cの調製、1 =CH3 ;R2'=C
3 ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)を0℃ま
で冷却し、POCl3(3mL)をゆっくりと加えた。
この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温まで温
め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル(B、
1 =CH3 ;R2'=CF3 )(1.0g)を2mLの
DMFに溶解し、ゆっくりと加えた。この溶液を室温ま
で温めて、その温度で18時間攪拌した。そして、この
反応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢酸ナトリウム水溶
液50mLを加えた。そして、この溶液をエーテル10
0mLに加え、水性相を分離した。有機相を100mL
のブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲルカ
ラムに充填し、ヘプタン:THF(1:1)で溶離し
た。所望のアルデヒドを明黄色オイルとして分離した
(0.5g、45%)。
【0219】中間体Dの調製、1 =CH3 ;R2 =C
3 エステルC(R1 =CH3 ;R2'=CF3 、0.87
g、2.9ミリモル)を10mLのメタノールに溶解
し、1Nの水酸化ナトリウム(2.9ミリモル)を添加
した。この反応混合物を18時間室温で攪拌し、そして
減圧下で濃縮した。生じた白色固形分(0.9g)を精
製することなく用いた。
【0220】INV6の調製、1 =CH3 ;R2 =C
3 、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =CH3 ;R2 =CF3
0.9g、3ミリモル)及び5−クロロ−3−エチル−
2−メチルベンゾチアゾリウムp−トルエンスルホネー
ト(1.2g、3.0ミリモル)を、5mLのエタノー
ルに溶解し、この混合物を18時間室温で攪拌した。溶
剤を減圧下で除去し、生じた固体を溶離液としてメタノ
ールを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフすると、
INV6(0.1g、7%)を生じた。
【0221】中間体Cの調製、1 =H;R2'=CH3 ジメチルホルムアミド(DMF)(400mL)を0℃
まで冷却し、POCl 3 (40mL)をゆっくりと加え
た。この混合物を0℃で1時間攪拌し、一時的に室温ま
で温め、その後再度0℃まで冷却した。このエステル
(B、R1 =H;R2'=CH3 )(42g)を20mL
のDMFに溶解し、ゆっくりと加えた。この溶液を室温
まで温めて、その温度で18時間攪拌した。そして、こ
の反応混合物を0℃まで冷却し、飽和酢酸ナトリウム水
溶液500mLを加えた。そして、この溶液をエーテル
500mLに加え、水性相を分離した。有機相を100
mLのブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲル
カラムに充填し、ヘプタン:THF(1:1)で溶離し
た。所望のアルデヒドを明黄色オイルとして分離した
(25g、52%)。
【0222】中間体Dの調製、1 =H;R2 =CH3 エステルC(R1 =H;R2'=CH3 、5g、23ミリ
モル)を50mLのメタノールに溶解し、1Nの水酸化
ナトリウム(23ミリモル)を添加した。この反応混合
物を18時間室温で攪拌し、そして減圧下で濃縮した。
生じた白色固形分(5g)を精製することなく用いた。
【0223】INV7の調製、1 =H;R2 =CH
3 、X=Cl このアルデヒド(D、R1 =H;R2 =CH3 、2.3
g、10ミリモル)及び5−クロロ−3−エチル−2−
メチルベンゾチアゾリウムp−トルエンスルホネート
(3.8g、10ミリモル)を、25mLのエタノール
に溶解し、この混合物を18時間室温で攪拌した。溶剤
を減圧下で除去し、生じた固体を溶離液としてメタノー
ルを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフすると、I
NV7(0.4g、10%)を生じた。
【0224】INV42を反応スキームIIに従って合
成した。
【0225】
【化57】
【0226】中間体Eの調製 5−メチルアミノ−2−メチルベンゾチアゾール(1
0.7g、60ミリモル)、エチル−2−ブロモプロプ
リオネート(21.7g、120ミリモル)、及び炭酸
カリウム(16.6g、120ミリモル)を、ブチロニ
トリル500mLに加え、この混合物を還流で52時間
加熱した。この混合物を冷却し、沈殿した塩を濾過して
除去した。減圧下で蒸発させて溶剤を濾液から除去し
た。ヘプタン/酢酸エチル(3/2)で溶離するシリカ
ゲルカラムでフラッシュクロマトグラフして、明褐色の
粘稠物質を精製した。無色の粘稠液体として所望の生成
物(16.0g)を得た。
【0227】中間体Fの調製 中間体E(12.4g、45ミリモル)、1,2−プロ
パンスルホン(6.6g、54ミリモル)、及び1−メ
チル−2−ピロリジノン(100mL)を一緒にし、攪
拌し、160℃で16時間加熱した。この混合物を冷却
し、回転蒸留器で溶剤を除去した。暗色の残留物を塩化
メチレン/メタノール(95/5)混合物に溶解し、シ
リカゲルでクロマトグラフすると、所望の生成物を4.
2g得た。
【0228】中間体Hの調製 中間体F(4.0g、10ミリモル)、中間体G(3.
34g、10ミリモル)、氷酢酸80mL、及び無水酢
酸10mLを一緒にし、攪拌し、50℃でオイル浴で5
分間加熱した。加熱を止め、ピリジン20mLを加え、
この混合物を10分間攪拌し、そして、この混合物を攪
拌しながら50℃で1時間加熱した。回転蒸留器で溶剤
を完全に除去し、生じた褐色の残留物をアセトン、エー
テル及びペンタンと一緒に粉砕した。暗黄色固体を濾過
し、ペンタン(100mL)で洗浄した。この固体を真
空オーブンでで乾燥し、溶離液として塩化メチレン/メ
タノール(85/15)混合物を用いてフラッシュクロ
マトグラフして、所望の生成物0.95gを得た。
【0229】INV42の調製 中間体H(0.66g、0.86ミリモル)、水酸化ナ
トリウム(0.08g、2ミリモル)、メタノール(2
00mL)、及び水(100mL)を、一緒にし、室温
で2日攪拌した。減圧して溶剤を除去し、褐色の残留物
をメタノール(20mL)と一緒に粉砕した。不溶性物
質を濾過し、アセトン、エーテル、及びペンタンで成功
裏に洗浄した。この固体を室温で真空オーブンでで乾燥
して、INV42を0.56gを得た。
【0230】
【実施例】以下の例は、ハロゲン化銀乳剤にこれらのフ
ラグメント化可能な電子供与体を用いる利点を具体的に
示す。例1 Chang 等の米国特許第5,314,793号明細書に記
載されているように、1.5%Iを含んだ乳剤粒子の中
心部分及び実質的により高いIを含んだ周囲領域のよう
な4.05%の総I分布をもったAgBrI平板状ハロ
ゲン化銀乳剤(乳剤T−1)を調製した。この乳剤粒子
は、平均厚み0.103μm及び平均円直径1.25μ
mを有した。この乳剤T−1は脱イオンゼラチンと一緒
に沈殿させた。この乳剤を、40℃で、1,3−ジカル
ボキシメチル−1,3−ジメチル−2−チオ尿素を加え
てイオウ増感し、温度を5℃/3分の速度で60℃まで
高め、この乳剤を20分間維持し、40℃まで冷却し
た。使用したイオウ増感化合物の量は、8.5×10-6
モル/Agモルであった。この化学増感した乳剤を用い
て、表Iに示す実験用塗膜バリエーションを調製した。
【0231】これらの試験塗膜バリエーションは全て、
13ミリモル/Agモルの濃度でヒドロキシベンゼン、
2,4−ジスルホカテコール(HB3)を含有し、追加
の化合物を加える前に溶融物に添加した。表Iに示すよ
うに、フラグメント化可能な電子供与増感剤(FED)
化合物を、メタノールに溶解し、表Iに示す相対濃度で
乳剤に加えた。FED増感剤添加時に、この乳剤溶融物
は、VAg:85〜90mVであり、pH:6.0であ
った。40℃で5分後、追加の水、ゼラチン、及び界面
活性剤を、乳剤溶融物に添加して、銀1モル当たりゼラ
チン216gを含有する最終乳剤溶融物を得た。これら
の乳剤溶融物を、Ag1.61g/m2及びゼラチン
3.22g/m2 の量でアセテートフィルムベースに塗
布した。これらの塗膜を、ゼラチン1.08g/m2
コーティング界面活性剤、及びゼラチン硬膜剤としてビ
スビニルスルホニルメチルエーテルを含有する保護オー
バーコートと一緒に調製した。
【0232】写真評価のために、各塗膜試験片を、コダ
ックラッテンフィルターNo.18A及び0.2濃度ス
テップの0〜4濃度単位の濃度範囲のステップウェッジ
を通して、フィルターを着けたHgランプの365nm
放射線に対し、0.1秒間露光した。露光したフィルム
片を、コダックラピッドX線現像剤(KRX)で6分現
像した。S365 (356nmでの相対感度)をカブリ上
方0.15濃度単位のところで評価した。
【0233】表Iのデータは、フラグメント化可能電子
供与増感化合物INV1を含有する未着色乳剤の写真感
度を比較したものである。この露光では、フラグメント
化電子供与増感剤を含まない対照乳剤塗膜(テストN
o.1)での、相対感度を100とした。フラグメント
化可能電子供与増感剤を含有する例(テストNo.2〜
5)では、365nm露光での感度改善が見られた。表
Iのデータは、INV1によって、対照と比較して最大
1.6倍の感度増加が得られたことを示す。これらの感
度増加に伴うカブリ増加はほんの僅かであった。
【0234】
【表10】
【0235】例2 例1に記載したイオウ増感した乳剤T−1を用いて、表
IIに挙げたフラグメント化可能電子供与増感剤及び青
分光増感色素D−Iもしくは緑分光増感色素D−IIと
の組合せを含有する塗膜を調製した。これらの試験用塗
膜バリエーションは、13ミリモル/Agモルの濃度で
ヒドロキシベンゼン2,4−ジスルホカテコール(HB
3)を含有し、増感色素化合物を添加する前に溶融物に
加えた。使用した色素の総濃度(即ち、通常の分光増感
色素+フラグメント化可能電子供与増感剤の合計量)
は、色素D−Iを含有する塗膜では、0.91ミリモル
/Agモルであり、色素D−IIを含有する塗膜では、
0.86ミリモル/Agモルであった。増感色素とフラ
グメント化可能電子供与化合物を、40℃で乳剤に添加
し、例1に記載したように塗膜を調製した。
【0236】写真評価のために、各塗膜試験片を、コダ
ックラッテンフィルターNo.18A及び0.2濃度ス
テップの0〜4濃度単位の濃度範囲のステップウェッジ
を通して、フィルターを着けたHgランプの365nm
放射線に対し、0.1秒間露光した。露光したフィルム
片を、コダックラピッドX線現像剤(KRX)で6分現
像した。S365 (356nmでの相対感度)をカブリ上
方0.15濃度単位のところで評価した。この露光で
は、色素を含まないか、もしくはフラグメント化可能電
子供与増感剤を含まない対照乳剤塗膜(テストNo.
1)の、相対感度を100とした。
【0237】表IIのデータは、フラグメント化可能電
子供与増感化合物と通常の青もしくは緑分光増感色素の
種々の組合せを含有する乳剤の写真感度を比較したもの
である。通常の増感色素D−IもしくはD−IIを加え
ると、365nm露光では、減感のために未着色の対照
(テストNo.2及び10)と比較して少し感度低下を
起こした。D−I及びフラグメント化可能電子供与増感
剤を含有する例(テストNo.3〜9)では、365n
m露光での感度改善が見られた。表IIのデータは、I
NV1〜7によって、D−Iのみを含有する比較乳剤塗
膜と比べて1.6〜1.8倍の感度増加が得られたこと
を示す。これらの感度増加に伴うカブリ増加は無い。フ
ラグメント化可能電子供与増感剤を、通常の緑増感色素
と組み合わせて用いた場合(テストNo.11〜17)
にも、比較(テストNo.10)と比べて、最大1.6
倍S365 感度増加が見られた。これは、フラグメント化
可能電子供与増感剤が、色素減感の改善にも有効である
ことを示す。しかし、緑増感色素D−IIが存在する
と、本発明の化合物では幾分大きなカブリ増加があっ
た。フラグメント化可能電子供与増感剤のXY部分が電
子吸引基(例えば、INV5及びINV7の構造に示さ
れるような、CF3 CH2 −もしくはCONH2−基)
を有すると、このカブリ増加は最小になる。
【0238】緑分光増感色素D−IIを含有する塗膜の
分光露光に対するレスポンスを測定するために追加の試
験を行った。各塗膜試験片(テストNo.10、12、
15及び17)を、有効な色温度5500Kを得るため
にフィルターを着け、さらにコダックラッテンフィルタ
ーNo.9及び0.2濃度ステップの0〜4濃度単位の
範囲のステップウェッジを通して、3000K色温度タ
ングステンランプに対し、0.1秒間露光した。このフ
ィルターは460nmより長い波長の光だけを通し、緑
増感色素D−IIによって主に吸収される光を与えた。
露光したフィルム片を、コダックラピッドX線現像剤
(KRX)で6分現像した。SWR9 (コダックラッテン
フィルターNo.9露光での相対感度)をカブリ上方
0.15濃度単位のところで評価した。この分光露光の
場合、添加するフラグメント化可能電子供与化合物を含
まない対照乳剤塗膜の相対感度を100とした。
【0239】表IIのデータは、365nmでのハロゲ
ン化銀の固有の露光及びコダックラッテン9フィルター
を用いる緑増感色素の分光露光の両方において感度の利
点が得られたことを示す。フラグメント化可能な電子供
与増感可能混合物INV2、INV5及びINV7を含
有する試験塗膜では、比較に対して1.3〜1.4倍の
感度SWR9 増加が得られた。全体としてこれらの結果
は、フラグメント化可能電子供与増感剤が、通常の増感
色素によって起こされる色素減感を除くことができ、ま
た、写真感度に追加の増加を与えることができることを
示している。
【0240】
【化58】
【0241】
【表11】
【0242】例3 例1に記載した化学増感したAgBrI平板状乳剤T−
1を用いて、表IIIに挙げた試験用塗膜バリエーショ
ンを調製し、種々のフラグメント化可能2電子供与体と
フラグメント化しない構造的に関連する化合物を比較し
た。発明化合物及び比較化合物をこの乳剤に添加し、塗
膜を調製し、例1に記載したように試験した。
【0243】表IIIのINV1、INV5及びINV
7は、フラグメント化可能電子供与部分XYを有する。
同時継続出願米国特許出願第08/740,536号明
細書(1996年10月30日出願)に示すように、これらの増
感剤のXY基は1.4Vよりもプラスでない1電子酸化
電位E1 を有し、酸化時にフラグメント化してCO2
対応する中性基を生じ、そしてその中性基は−0.7V
と等しいかよりマイナスである酸化電位を有する。36
5nm露光では、表IIIのデータは、青分光増感色素
D−Iを含有する塗膜では、フラグメント化可能2電子
供与化合物INV1及びINV7が、1.6倍を超える
大きな感度増加を与えたことを示す。これらの感度増加
は、カブリレベルの増加をほんの僅かしか伴わないで得
ることができた。反対に、比較化合物COMP1及びC
OMP2(カルボキシレート官能基がエチルエステル基
と置き換えられているINV及びINV7から誘導され
たもの)は、酸化時にフラグメント化を受けず、ほとん
どもしくは全く感度増加が得られない。同様に、関連す
る化合物、例えば、COMP4〜COMP10(ヘミシ
アニン発色団を有するが、XY基を有しない)は、ほと
んどもしくは全く感度増加が得られない。
【0244】同様に、比較化合物COMP4〜COMP
10は、緑増感色素D−IIを含む乳剤を含有する塗膜
では、ほとんどもしくは全く感度増加が得られない。一
方、INV5及びINV7は、緑増感色素D−IIを有
する塗膜で、1.4倍を超える感度増加を与えた。
【0245】
【表12】
【0246】例4 Chang 等の米国特許第5,314,793号明細書に記
載されているように、1.5%Iを含んだ乳剤粒子の中
心部分及び実質的により高いIを含んだ周囲領域のよう
な4.05%の総I分布をもったAgBrI平板状ハロ
ゲン化銀乳剤T−2を調製した。この乳剤粒子は、平均
厚み0.13μm及び平均円直径2.9μを有した。こ
の乳剤を、NaSCN、ベンゾチアゾリウム仕上げ改良
剤、銀1モル当たり0.40ミリモルの青増感色素D−
I及びD−III、置換されたフェニルメルカプトテト
ラゾール(PMT)カブリ防止剤、Na3 Au(S2
32 ・2H2 O、並びにNa223 ・5H2 Oを
加え、そして65℃までこの乳剤を加熱サイクルにかけ
て、最適に化学増感及び分光増感した。緩還元剤及び金
属イオン封鎖剤、1.6×10-3モル/Agモルの濃度
で2,4−ジスルホカテコール(HB3)を乳剤溶融物
に添加し、化学増感操作を開始した。フラグメント化可
能電子供与増感剤INV1を、二種類の方法:化学増感
操作中の追加の成分として、色素D−I及びD−III
並びにPMTカブリ防止剤の後添加するか、もしくはカ
ブリ防止剤テトラアザインデン添加の後、溶融物調製時
に乳剤に加えた。1.25g/Agモルでカブリ防止剤
及び安定剤テトラアザインデン、追加の水、及びゼラチ
ンを添加してコーティング用溶融物を調製した。乳剤溶
融物と、ゼラチン、コーティング界面活性剤、並びにイ
エロー生成カラーカプラーYY−1及びYY−2の水性
分散体を含有する溶融物とを混合し、生じた混合物をア
セテート支持体に塗布して塗膜を調製した。最終の塗膜
は、Ag0.86g/m2 、YY−1カプラー1.08
g/m2 、YY−2カプラー0.03g/m2 、及びゼ
ラチン3.22g/m2 を含んでいた。この塗膜を、ゼ
ラチン2.16g/m2 、コーティング界面活性剤、及
びゼラチン硬膜剤としてビスビニルスルホニルメチルエ
ーテルを含有する保護層でオーバーコートした。
【0247】写真評価のために、各塗膜試験片を、有効
な色温度5500Kを得るためにフィルターを着け、さ
らにコダックラッテンフィルターNo.2B及び0.2
0濃度ステップの0〜4濃度単位の範囲のステップウェ
ッジを通して、3000K色温度タングステンランプに
対し、0.02秒間露光した。この露光は、増感色素に
よって主に吸収される光を与えた。さらに、第二の組の
塗膜試験片を、コダックラッテンフィルターNo.18
A及び0.20濃度ステップの0〜4濃度単位の濃度範
囲のステップウェッジを通して、フィルターを着けたH
gランプの365nm放射線に対し、0.02秒間露光
した。この露光は、ハロゲン化銀材料それ自体によって
主に吸収される光を与えた。露光したフィルム片を、コ
ダックC−41現像液で3分15秒現像した。S
WR2B(コダックラッテンフィルターNo.2Bフィルタ
ーを着けた露光での相対感度)及びS365 (365nm
露光での相対感度)をカブリ上方0.15濃度単位のと
ころで評価し、そして、S365 (356nmでの相対感
度)をカブリ上方0.15イエロー濃度単位のところで
評価した。
【0248】表IVのデータは、最適に増感し、青着色
した乳剤のカラーフォーマットにおいて、フラグメント
化可能電子供与増感剤INV1を用いると、少量のカブ
リ増加を伴って、大きな分光感度増加が得られることを
示す。365nmの固有のハロゲン化銀領域での露光に
おける、同様の感度増加も観察された。このデータは、
化学増感時での添加、もしくは化学増感操作後の添加に
おいて、INV1が十分に機能したことも示す。
【0249】
【化59】
【0250】
【表13】
【0251】例5 例1由来のAgBrI平板状ハロゲン化銀乳剤T−1
を、NaSCN、銀1モル当たり1.07ミリモルの青
増感色素D−I、Na3 Au(S232 ・2H2
O、Na223 ・5H2 O、及びベンゾチアゾリウ
ム仕上げ改良剤を加え、そして65℃までこの乳剤を加
熱サイクルにかけて最適に化学増感及び分光増感した。
化学増感操作の後、緩還元剤及び金属イオン封鎖剤、1
3×10-3モル/Agモルの濃度で2,4−ジスルホカ
テコール(HB3)、並びに1.75g/Agモルの濃
度でカブリ防止剤及び安定化剤テトラアザインデンを乳
剤溶融物に添加した。さらに、総ヨウ素3.6%を含有
する単分散AgBrI平板状乳剤T−3を、米国特許第
5,476,760号(Fenton等)明細書の記載に従っ
て調製した。これは、乳剤粒子の中心部が実質的にヨウ
素を含有せず、ヨウ素が粒子外周に濃縮されているがコ
ーナーのところよりもエッジのところが濃いような様式
で調節されていた。この乳剤粒子は、平均厚み0.12
μm及び平均円直径2.7μmを有した。この乳剤T−
3を、NaSCN、銀1モル当たり0.77ミリモルの
緑増感色素D−II、銀1モル当たり0.17ミリモル
の緑増感色素D−IV 、Na3 Au(S232
2H2 O、Na223 ・5H2O、及びベンゾチア
ゾリウム仕上げ改良剤を加え、そして65℃までこの乳
剤を加熱サイクルにかけて最適に化学増感及び分光増感
した。化学増感操作の後、緩還元剤及び金属イオン封鎖
剤、13×10-3モル/Agモルの濃度で2,4−ジス
ルホカテコール(HB3)、並びに1.00g/Agモ
ルの濃度でカブリ防止剤及び安定化剤テトラアザインデ
ンを乳剤溶融物に添加した。DSC及びテトラアザイン
デンの添加後、フラグメント化可能電子供与増感剤IN
V2及びINV5を両方の乳剤に添加した。試験したバ
リエーションを表Vに示す。
【0252】追加の水、脱イオンゼラチン、及びコーテ
ィング界面活性剤を添加してコーティング用溶融物を調
製した。乳剤溶融物と、脱イオンゼラチン及びシアン生
成カラーカプラーCC−1の水性分散体を含有する溶融
物とを混合し、生じた混合物をアセテート支持体に塗布
して塗膜を調製した。最終の塗膜は、Ag0.80g/
2 、カプラー1.61g/m2 、及びゼラチン3.2
2g/m2 を含んでいた。この塗膜を、ゼラチン1.0
8g/m2 、コーティング界面活性剤、及びゼラチン硬
膜剤としてビスビニルスルホニルメチルエーテルを含有
する保護層でオーバーコートした。得られた塗膜試験片
を、露光時間が0.01秒であった以外は、例4に記載
したコダックラッテン2B露光を用いてテストした。
【0253】表Vのデータは、最適に増感し、青着色し
た乳剤のカラーフォーマットに添加した場合、INV2
及びINV5の両方とも、ほんの僅かしかカブリ増加を
伴わないで、大きな分光感度増加が得られたことを示
す。最適に増感し、緑着色した乳剤のカラーフォーマッ
トに添加した場合、感度増加とカブリ増加のバランスを
達成するために、前記二つの化合物の濃度が非常に低く
ても良かった。それにもかかわらず、適当な化合物濃度
で、ほんの僅かしかカブリ増加を伴わないで、緑着色乳
剤で有用な感度増加を得ることができた。
【0254】
【化60】
【0255】
【表14】
【0256】例6 例1に記載したイオウ増感した乳剤T−1を用いて、フ
ラグメント化可能電子供与増感剤INV42及び青分光
増感色素D−Iもしくは緑分光増感色素D−IIとの組
合せを含有する塗膜を調製した。これらの試験用塗膜バ
リエーションは、13ミリモル/Agモルの濃度でヒド
ロキシベンゼン2,4−ジスルホカテコール(HB3)
を含有し、増感色素化合物を添加する前に溶融物に加え
た。使用した色素の総濃度(即ち、通常の分光増感色素
+フラグメント化可能電子供与増感剤の合計量)は、色
素D−Iを含有する塗膜では、0.91ミリモル/Ag
モルであり、色素D−IIを含有する塗膜では、0.8
6ミリモル/Agモルであった。増感色素とフラグメン
ト化可能電子供与化合物を、40℃で乳剤に添加し、例
1に記載したように塗膜を調製した。
【0257】写真評価のために、各塗膜試験片を、コダ
ックラッテンフィルターNo.18A及び0.2濃度ス
テップの0〜4濃度単位の濃度範囲のステップウェッジ
を通して、フィルターを着けたHgランプの365nm
放射線に対し、0.1秒間露光した。露光したフィルム
片を、コダックラピッドX線現像剤(KRX)で6分現
像した。S365 (356nmでの相対感度)をカブリ上
方0.15濃度単位のところで評価した。この356n
m露光では、フラグメント化電子供与増感剤を含まない
対照乳剤塗膜(テストNo.1)での、相対感度を10
0とした。
【0258】表VIのデータは、フラグメント化可能電
子供与増感化合物INV42と通常の青もしくは緑分光
増感色素の種々の組合わせを含有する乳剤の写真感度を
比較したものである。通常の増感色素D−IもしくはD
−IIを加えると、365nm露光では、減感のために
未着色の対照(テストNo.2及び5)と比較して少し
感度低下を起こした。D−I及びフラグメント化可能電
子供与増感剤を含有する例(テストNo.3及び4)で
は、365nm露光での感度改善が見られた。表VIの
データは、INV42によって、D−Iのみを含有する
比較乳剤塗膜と比べて2.2倍の感度増加が得られたこ
とを示す。これらの感度増加に伴うカブリ増加はほんの
僅かである。フラグメント化可能電子供与増感剤を、通
常の緑増感色素と組み合わせて用いた場合(テストN
o.6及び7)にも、比較(テストNo.5)と比べ
て、最大1.4倍のS365 感度増加が見られた。これ
は、フラグメント化可能電子供与増感剤が、色素減感の
改善にも有効であることを示す。しかし、緑増感色素D
−IIが存在すると、本発明の化合物では幾分大きなカ
ブリ増加があった。
【0259】全体として、これらの結果は、Xが次の構
造式:
【0260】
【化61】
【0261】からなるフラグメント化可能電子供与増感
剤Q−XYが、通常の増感色素によって起こされる色素
減感を除くことができ、また、写真感度に追加の増加を
与えることができることを示している。
【0262】
【表15】
【0263】
【発明の効果】本発明は、ハロゲン化銀乳剤の固有の感
度、及び分光感度の両方を高めることができる有機電子
供与体を含有するハロゲン化銀写真要乳剤を提供する。
置換基を用いてこれらの化合物の活性を容易に変えて、
それらの化合物を用いる特定のハロゲン化銀乳剤にふさ
わしいように、その感度及びカブリ効果をコントロール
することができる。これらの化合物の重要な特徴は、そ
れらが増感色素部分有し、その結果、乳剤に有益な効果
を与えるのに必要な添加物の量を最小することである。
これらの化合物を単独で用いるか、もしくは一般的にハ
ロゲン化銀乳剤を増感するのに用いられる他の増感色素
と組み合わせて用いることができる。
【0264】本発明に従って、その発色団の一部として
フラグメント化可能電子供与体部分を有する増感色素
は、その電子供与体部分が明瞭な連結基で結合されてい
る増感色素よりも合成が容易であるという利点を有す
る。増感色素発色団へのフラグメント化可能電子供与体
部分の統合によって、ハロゲン化銀粒子表面への付着を
促進するハロゲン化銀吸着基を有するので、より低い濃
度のフラグメント化可能電子供与体で、有利な増感効果
を得ることができる。増感色素は特定の分光領域に特定
の感度を与えるために存在する必要があるので、フラグ
メント化可能電子供与体部分が組み込まれた増感色素を
用いると、主たる分光増感剤を変えることなしに、フラ
グメント化可能電子供与化合物をハロゲン化銀の表面の
直ぐ近くに置くことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン エー.ゴドルスキ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14450, フェアポート,ルックアウト ビュー ロ ード 38 (72)発明者 ジェロム ロバート レンハード アメリカ合衆国,ニューヨーク 14450, フェアポート,カンタベリー トレイル 52 (72)発明者 アナベル アダムス ミェンター アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,パーク プレイス 9 (72)発明者 ポール エー.ジーリンスキ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,ドービット ロード 26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀が次式の化合物: Q−XY (式中、Qは、XYと共役結合したとき、アミジニウム
    イオン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性発色
    系を含む発色団を形成するのに必要な原子団を表し、そ
    してXYは、Xが電子供与基であり、Yが水素以外の脱
    離基であるフラグメント化可能な電子供与体部分であ
    る)で増感されている、支持体及び少なくとも一層のハ
    ロゲン化銀乳剤層を含んでなる写真要素であって、 (1)XYが、0と1.4Vとの間の酸化電位を有し、
    そして(2)XYの酸化形態が結合開裂反応を受けて、
    ラジカルX. 及び脱離フラグメントYを生じる、写真要
    素。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀が次式の化合物: Q−XY (式中、Qは、XYと共役結合したとき、アミジニウム
    イオン、カルボキシルイオンもしくは両性アミド性発色
    系を含む発色団を形成するのに必要な原子団を表し、そ
    してXYは、Xが電子供与基であり、Yが水素以外の脱
    離基であるフラグメント化可能な電子供与体部分であ
    る)で増感されている、支持体及び少なくとも一層のハ
    ロゲン化銀乳剤層を含んでなる写真要素であって、 (1)XYが、0と1.4Vとの間の酸化電位を有し、
    (2)XYの酸化形態が結合開裂反応を受けて、ラジカ
    ルX. 及び脱離フラグメントYを生じ、そして(3)ラ
    ジカルX. が、−0.7Vと等しいかもしくは−0.7
    Vよりマイナスである酸化電位を有する、写真要素。
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