JP2001166414A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2001166414A
JP2001166414A JP35147999A JP35147999A JP2001166414A JP 2001166414 A JP2001166414 A JP 2001166414A JP 35147999 A JP35147999 A JP 35147999A JP 35147999 A JP35147999 A JP 35147999A JP 2001166414 A JP2001166414 A JP 2001166414A
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Masaru Ikemizu
大 池水
Hiroyuki Hoshino
裕之 星野
Nobuaki Kagawa
宣明 香川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 感度、鮮鋭性、色再現性などの画質に優れ、
感光材料の保存安定性が向上したハロゲン化銀写真感光
材料の提供。 【解決手段】 一般式(1)または(2)で表される色
素を含有し、かつ、ハロゲン化銀が一般式(3)または
(4)に示される化合物で増感されたハロゲン化銀乳剤
層を含む事を特徴とする。 一般式(3)A−(XY)k もしくは (A)k−XY 一般式(4)Z−(XY)k もしくは (Z)k−XY (式(1),(2)中,R11,R12,R21,R
22はアルキル基を、R11,R12はアニオン性の置
換基を持たず、R21,R22は有する。Z11,Z
12,Z21,Z22は5員または6員の含窒素複素環
核形成原子群を、L11〜L17,L21〜L27はメ
チン基を、P11,P12,P21,P22は0または
1を、n11,n21はO〜3を、X11,X21は電
荷均衡対イオンを、m11,m21は0〜8の数を表
す。)(式(3),(4)中、AはN,S,P,Seな
どを有するハロゲン化銀吸着基、Zは光吸収性基、kは
1又は2で、XYは、Xが電子供与部分、Yが水素原子
以外の脱離基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、詳しくは感度、鮮鋭性、色再現性などの
画質に優れ、感光材料の保存安定性が向上したハロゲン
化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハロゲン化銀材料の分光感度
をさらに高めるために多くの試みがなされている。一つ
の方法は、乳剤に添加する分光増感剤の量を多くするこ
とによって分光増感剤によって獲得される光量を増加す
ることである。しかし、ハロゲン化銀粒子表面への増感
色素の吸着量には限界があり、単層飽和吸着以上の増感
色素を吸着させるのは困難である。従って、分光増感領
域における個々のハロゲン化銀粒子の入射光量子の吸収
率は極めて低いのが現状である。
【0003】これらの点を解決する方法として提案され
たものを以下に述べる。ピー・ビー・ギルマン・ジュニ
ア(P.B.Gilman,Jr.)らは、フォトグラ
フィック・サイエンス・アンド・エンジンニアリング
(PhotographicScience and
Engineering)第20巻3号、第97頁(1
976年)において、1層目にカチオン色素を吸着さ
せ、さらに2層目にアニオン色素を静電力を用いて吸着
させた。ジー・ビー・バード(G.B.Bird)らは
米国特許第3,622,316号において、複数の色素
をハロゲン化銀に多層吸着させ、フェルスター(For
ster)型励起エネルギー移動の寄与によって増感さ
せた。
【0004】杉本らは、特開昭63−138341号、
及び同64−84244号において、発光性色素からの
エネルギー移動による分光増感を行った。アール・スタ
イガー(R.Steiger)らは、フォトグラフィッ
ク・サイエンス・アンド・エンジンニアリング(Pho
tographic Science and Eng
ineering)第27巻2号、第59頁(1983
年)において、ゼラチン置換シアニン色素からの、エネ
ルギー移動による分光増感を試みた。池川らは、特開昭
61−251842号において、シクロデキストリン置
換色素からのエネルギ−移動による分光増感を行った。
【0005】2つの別々に共役しておらず、共有結合で
連結された発色団をもつ、いわゆる連結色素について
は、例えば米国特許第2,393,351号、同第2,
425,772号、同第2,518,732号、同第
2,521,944号、同第2,592,196号、欧
州特許第565,083号などに記載されている。しか
し、これらは光吸収率向上を狙ったものではなかった。
【0006】積極的に光吸収率向上を狙ったものとし
て、ジー・ビー・バード(G.B.Bird)、エー・
エル・ボロアー(A.L.Borror)らは米国特許
第3,622,317号及び同第3,976,493号
において、複数のシアニン発色団を有する連結型増感色
素分子を吸着させて光吸収率を増やし、エネルギー移動
の寄与によって増感を図った。鵜飼、岡崎、杉本は特開
昭第64−91134号において、少なくとも2個のス
ルホ基及び/又はカルボキシル基を含む実質的に非吸着
性の色素を少なくとも1つ、ハロゲン化銀に吸着されう
る分光増感色素に結合させることを提案した。
【0007】また、エム・アール・ロバーツ(M.R.
Roberts)らは、米国特許第4,950,587
号において、シアニン色素ポリマーによる分光増感を提
案した。このように、現在まで光吸収率向上のために数
多くの検討が行われてきたが、いずれも高感度化効果が
十分ではなく、固有減感の増大・現像抑制なども問題で
あった。
【0008】ある種の増感色素において見られる分光感
度が、それ自体は分光増感効果を示さない第二の通常無
色の有機化合物と組み合わさることによって、劇的に高
まることも知られている。これは強色増感効果として知
られている。分光感度を高めるとして一般的に知られて
いる化合物の例には、米国特許第2,937,089号
及び同第3,706,567号明細書に記載されている
スルホン酸誘導体、米国特許第2,875,058号及
び同第3,695,888号明細書に記載されているト
リアジン化合物、米国特許第3,457,078号明細
書に記載されているメルカプト化合物、米国特許第3,
458,318号明細書に記載されているチオ尿素化合
物、米国特許第3,615,632号明細書に記載され
ているピリミジン誘導体、米国特許第5,192,65
4号明細書に記載されているジヒドロピリジン化合物、
米国特許第5,306,612号明細書に記載されてい
るアミノチアトリアゾール類、並びに米国特許第2,4
19,975号、同第5,459,052号、及び同第
4,971,890号明細書並びに欧州特許出願第55
4,856号A1公報に記載されているヒドラジン類が
含まれる。これらの化合物を用いて得られる感度増加
は、一般的に小さく、これらの化合物の多くは、乳剤の
安定性を低下させるか、カブリを増加させる望ましくな
い影響を与えるという欠点を有する。
【0009】ハロゲン化銀材料の分光感度を高めるため
に、種々の電子供与化合物も用いられている。米国特許
第3,695,588号明細書には、電子供与アスコル
ビン酸を特定のトリカルボシアニン色素と組み合わせ
て、赤外領域の感受性を高めることができることが記載
されている。特定のシアニン及びメロシアニン色素と組
み合わせて、分光感度を改善するアスコルビン酸の使用
は、米国特許第3,809,561号、英国特許第1,
255,084号及び同第1,064,193号明細書
にも記載されている。米国特許第4,897,343号
明細書には、アスコルビン酸、金属亜硫酸塩化合物、及
び分光増感色素を組み合わせて用いて、色素減感を少な
くさせる改善が記載されている。
【0010】増感色素に共有結合した電子供与化合物も
しくはハロゲン化銀吸着基も強色増感剤として用いられ
ている。米国特許第5,436,121号及び同5,4
78,719号明細書には、モノメチン色素に結合した
電子供与スチリル塩基を有する化合物を用いる感度改善
が記載されている。フェノチアジン、フェノキサジン、
カルバゾール、ジベンゾフェノチアジン、フェロセン、
トリス(2,2′−ビピリジル)ルテニウムから誘導さ
れる電子供与基、もしくはハロゲン化銀吸着基に結合し
たトリアリールアミン骨格を有する化合物による分光感
度改善も、米国特許第4,607,006号明細書に記
載されている。しかし、これらの化合物の多くは、それ
自体ハロゲン化銀増感効果を持たず、増感色素と組み合
わせて用いてもマイナス青感度改善を提供するだけであ
る。
【0011】特開平9−211769号、同9−211
774号、特開平10−62892号、特開平11−7
2862号、同11−95355号、同11−1020
44号には、はじめて、それ自身ハロゲン化銀の増感効
果を持ち、さらに増感色素との併用においても色素減感
が少ないという電子供与体が開示されている。
【0012】しかしながら、これらの化合物は、カブリ
を上昇させながら増感効果を提供するものであり、しか
も、増感色素の併用の仕方によっては全く増感効果を示
さず、カブリのみを与える。
【0013】加えて、これらの化合物とさまざまな添加
剤、特に画像をコントロールするような素材との併用技
術は未だ知られていない。
【0014】ハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に撮
影用カラー写真感光材料では、粒状性、鮮鋭性、色再現
性などの画質改良、感光材料の経時保存性の改良などに
対する要望が高い。画質改良に対しては、その改良方法
の1つの手段として現像抑制剤放出化合物(DIR化合
物)を使用することが周知であり、実用化されている。
これらの化合物は、例えば、リサーチ・ディスクロージ
ャー(Research Disclosure、以下
RDと略称する)No.307105のVII−F項に記
載されているものを挙げることができる。また、本発明
に係る類似化合物については、例えば米国特許第4,7
82,012号、特公昭63−776号、特開平4−2
04940号に提示されている。
【0015】一方、本発明に係わる類似のカプラー、ピ
ラゾロアゾール系カプラーに関しては、米国特許第4,
500,630号、同第4,540,654号、同第
3,725,067号、特開昭60−033552号な
どに記載されている。また、例えば特開昭60−262
158号、同62−151850号、同63−0740
58号、同64−077056号、特開平1−2510
32号にはピラゾロアゾール系カプラーと種々の現像抑
制剤放出化合物の組み合わせが提案され、ある程度の効
果が得られている。
【0016】しかしながら、これら現像抑制剤放出化合
物(DIR化合物)は、粒状性の改良、エッジ効果、I
IE効果等の好ましい効果をもたらす一方、本来、現像
液中で放出されるはずの抑制剤が感材中で脱離し、自層
の現像を抑制するために、画質が大きく劣化するという
問題も生じており、この問題を解決する必要があった。
【0017】上記の問題に関して、当業者らによる多大
な努力の結果、DIR化合物の使用については、鮮鋭
性、色再現性、粒状性などの画質の改良に関して確かに
進歩が見られるもののまだ満足できるものではなく、加
えて、感光材料を保存したときに同じように写真性能の
変動が大きいという問題があり、また、増感色素、増感
剤の技術においてもかなりの進歩が見られるが、未だ、
満足のいく段階に達しておらず、しかも、カブリ、保存
性の上で常に問題を抱えており、早急にこれらを解決し
なければならないことが明らかになった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、感度、鮮鋭性、色再現性などの画質に優れ、感光材
料の保存安定性が向上したハロゲン化銀写真感光材料を
提供することにある
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、これらの課題は、DI
R、及び特定のDIRと増感剤、増感色素、又は添加剤
を併用すること、また、特定の増感色素と増感剤を併用
することで達成できることを見いだした。
【0020】すなわち、本発明は以下の手段によって達
成される。 1.一般式(1)または一般式(2)で表される色素の
少なくとも一種を含有し、かつ、ハロゲン化銀が一般式
(3)または(4)に示される化合物で増感された少な
くとも一層のハロゲン化銀乳剤層を含むことを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】
【化8】
【0022】式中、R11およびR12はアルキル基を表
し、R11およびR12の少なくとも一方は下記R13で表さ
れるアルキル基である。 R13=−R14−Y1113においてR14は単に結合を表すか、または2価の連
結基であり、Y11はアリール基または複素芳香環基であ
る。R11、R12はいずれもアニオン性の置換基を持たな
い。Z11及びZ12は、同一でも異なっていてもよく、5
員または6員の含窒素複素環核形成原子群を表し、
11、L12、L13、L14、L15、L16、及びL17はメチ
ン基を表す。p11及びp12は0または1を表し、n
11は0、1、2または3を表す。X11は電荷均衡対イ
オンを表し、m11は分子の電荷を中和するのに必要な
0以上8以下の数を表す。
【0023】
【化9】
【0024】式中、R21およびR22はアルキル基を表
し、R21およびR22の少なくとも一方は下記R23で表さ
れるアルキル基である。 R23=−R24−Y2123においてR24は単に結合を表すか、または2価の連
結基であり、Y21はアリール基または複素芳香環基であ
る。R21及びR22はいずれもアニオン性の置換基を有す
る。Z21及びZ22は、同一でも異なっていてもよく、5
員または6員の含窒素複素環核形成原子群を表し、
21、L22、L23、L24、L25、L26、及びL27はメチ
ン基を表す。p21及びp22は0または1を表し、n
21は0、1、2または3を表す。X21は電荷均衡対イ
オンを表し、m21は分子の電荷を中和するのに必要な
0以上8以下の数を表す。
【0025】一般式(3) A−(XY)k もしくは (A)k−XY 一般式(4) Z−(XY)k もしくは (Z)k−XY 一般式(3)および(4)中、Aは、ハロゲン化銀に対
する吸着を促進するN、S、P、Se、もしくはTeの
少なくとも一つの原子を有するハロゲン化銀吸着基であ
り、Zは、光吸収性基であり、kは、1もしくは2であ
り、そしてXYは、Xが電子供与部分であり、Yが水素
原子以外の脱離基であるフラグメント化可能な電子供与
体部分であり、(1)XYが、0と1.4Vとの間の酸
化電位を有し、(2)XYの酸化形態が結合開裂反応を
受けて、ラジカルX・及び脱離フラグメントYを生じ、
そして(3)ラジカルX・が、−0.7Vと等しいかも
しくは−0.7Vよりマイナスである酸化電位を有す
る。
【0026】2.下記一般式(5)または(5−3)で
表されるメチン化合物を含有し、かつ、前記一般式
(3)または(4)で示される化合物を含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0027】
【化10】
【0028】式中、R1及びR2は、各々アルキル基を表
す。但し、R1とR2のうち少なくとも一方は解離性基で
置換されたアルキル基を表す。Z1とZ2は同じでも異な
っていても良く、各々5又は6員の含窒素複素環を形成
するために必要な原子群を表す。Lは2価の連結基を表
す。M1は電荷均衡対イオンを表し、m1は分子の電荷
を中和するのに必要な0以上10以下の数を表す。Q1
とQ2は同じでも異なっていても良く、各々、メチン色
素を形成するのに必要なメチン基又はポリメチン基を表
す。
【0029】
【化11】
【0030】式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L
7、L8、L9及びL10はメチン基を表す。p1及びp2
は0または1を表す。n1及びn2は0、1、2または
3を表す。Z3、Z4、Z5及びZ6は各々5または6員の
含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表す。M
2は電荷均衡対イオンを表し、m2は分子の電荷を中和
するのに必要な0以上4以下の数を表す。R3、R4、R
5及びR6は各々アルキル基を表す。但し、R4とR6のう
ち少なくとも一方は、解離性基で置換されたアルキル基
を表す。
【0031】3.下記一般式(D−1)で表される化合
物を含有し、かつ前記一般式(3)または(4)で表さ
れる化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写
真感光材料。
【0032】一般式(D−1) Cp−(T)m1−TR1−(L−Y)n1 式中、Cpはカプラー残基を表し、Tはカプラーのカッ
プリング位に結合し、現像主薬酸化体との反応によりC
pとTの結合が切れた後に、TとTR1の結合が切れる
タイミング基を表し、m1は0、1、2を表す。TR1
は窒素原子で(T)m1に結合した、単環若しくは縮合環
のトリアゾール基を表す。TR1−(L−Y)n1は現像
主薬酸化体との反応によりCp−(T)m1から放出され
る抑制剤残基を表す。LはTR1−(L−Y)n1として
現像液中に流出した後、現像液中の成分によってLとY
の結合が開裂する連結基であり、Yは置換基を表す。n
1は1または2を表す。
【0033】4.前記一般式(D−1)で表される化合
物を含有し、かつ前記一般式(1)または(2)で表さ
れる色素を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。
【0034】5.前記一般式(D−1)で表される化合
物を含有し、かつ前記一般式(5)または(5−3)で
表されるメチン化合物を含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0035】6.前記一般式(D−1)で表される化合
物を含有することを特徴とする前記1または2に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0036】7.前記一般式(D−1)で表される化合
物が一般式(D−3)で表される化合物であることを特
徴とする前記3〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化
銀写真感光材料。
【0037】
【化12】
【0038】式中、Yは発色現像主薬の酸化体とカップ
リング反応し得るイエローカプラー残基を表し、TR3
はYのカップリング位に窒素原子で結合した、置換基を
有しても良い1,2,4−トリアゾール若しくは1,
2,3−トリアゾール骨格を表す。R31は水素原子若し
くは置換基を有しても良いアルキル基、アリール基を表
し、R32は置換基を有しても良いアルキル基、アリール
基を表す。R33はベンゼン環上に置換し得る任意の置換
基を表し、m3は0、1、2、3、4、5を表す。
【0039】8.前記一般式(D−3)で表される化合
物を含有し、かつ下記一般式(8)で表される化合物を
含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0040】
【化13】
【0041】式中、R11およびR12は、各々独立に水素
原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基、アミノ基またはハロゲ
ン原子を表し、R11とR12は環を形成してもよく、R11
とR12の少なくとも一方はアシル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基またはアミノ基である。X
11は、>C(R11)−、および>N−より選ばれる3価
の基を表す。
【0042】9.前記一般式(D−3)で表される化合
物を含有し、かつ非感光性層に周期律表第VIII族第5周
期、第VIII族第6周期または第IB族第6周期に属する
元素を含む少なくとも1種の貴金属化合物を含有するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0043】10.前記一般式(D−3)で表される化
合物を含有し、かつ少なくとも一層の感光性乳剤層がセ
レン化合物またはテルル化合物により化学増感されたハ
ロゲン化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料。
【0044】11.前記一般式(8)表される化合物が
下記一般式(9)で表される化合物であることを特徴と
する前記8に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0045】
【化14】
【0046】式中、R1は水素原子、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表
す。R2は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もし
くは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキ
ルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置
換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環
基を表す。
【0047】12.前記一般式(3)または(4)で表
される化合物を含有し、かつ光吸収強度が100以上、
または増感色素の被覆量が飽和被覆量の80%以上であ
る乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料。
【0048】以下本発明を詳細に説明する。本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料はハロゲン化銀乳剤が次式
(3)または(4)のフラグメント化可能な電子供与体
化合物。
【0049】一般式(3) A−(XY)k もしくは (A)k−XY 一般式(4) Z−(XY)k もしくは (Z)k−XY を含んでなり、ハロゲン化銀乳剤に特定の分光増感色素
と組み合わせて加えると、あるいは特定の雰囲気条件下
で、ハロゲン化銀乳剤の写真感度を高めることができ
る。即ち、後述する一般式(1)、(2)、(5)、
(5−3)等のメチン化合物と併用すると、単独で一般
式(3)、(4)で表される化合物を用いた場合の、感
度は高めることができるが、同時にカブリも増加してし
まうという欠点が改善される。これらの理由は明確では
ないが、これらのメチン化合物のハロゲン化銀表面への
吸着性がよいためにカブリ核生成につながるような一般
式(3)、(4)の化合物による作用を抑制されるため
と考えられる。
【0050】この分子化合物は、二つの部分からなる。
ハロゲン化銀吸着基Aは、少なくとも一つのN、S、
P、Se、もしくはTe原子を有する。基Aは、好まし
くは、銀イオンリガンド部分もしくはカチオン性界面活
性剤部分であってもよい。
【0051】銀イオンリガンド部分は、 i)イオウ酸類及びそのSe及びTe類似物、 ii)窒素酸類、 iii)チオエーテル類及びそのSe及びTe類似物、 iv)ホスフィン類、 v)チオアミド類、セレナミド類、及びテルラミド類、
並びに vi)炭素酸類、 を包含する。前述の酸性化合物は、好ましくは約5より
大きく、約14より小さい酸解離定数pKaを有する。
より好ましくは、ハロゲン化銀への吸着を促進するのに
用いることができる銀イオンリガンド部分は、次のもの
である。
【0052】i)イオウ酸類(通常、メルカプタン類も
しくはチオール類とよばれることが多い)は、脱プロト
ン化時に銀イオンと反応して銀メルカプチドもしくは錯
イオンを形成できる。スルフィドイオン前駆体でない安
定なC−S結合をもつチオール類は、The Theo
ry of the Photographic Pr
ocess,第4版,T.H.James編,32〜3
4ページ,(Macmillan,1977)に記載さ
れているようなハロゲン化銀吸着物質としての用途が見
出された。下記の一般構造を有する置換もしくは未置換
のアルキル及びアリールチオール類、並びにそれらのS
e及びTe類似物を用いることができる。 Rx−SH 及び Ry−SH Rxは、脂肪族、芳香族、もしくは複素環式基であり、
ハロゲン、酸素、イオウもしくは窒素原子からなる官能
基で置換されていてもよく、Ryは、SO2官能基で置換
される、脂肪族、芳香族、もしくは複素環式基である。
yを用いる場合は、吸着基はチオスルホン酸である。
【0053】吸着基のカテゴリーでは、複素環式チオー
ル類がより好ましい種類であり、次の一般式に示すよう
に、ヘテロ原子として、O、S、Se、Te、もしくは
Nをもつことができる。
【0054】
【化15】
【0055】式中、Z4は、一つ以上の追加のヘテロ原
子、例えば、窒素、酸素、イオウ、セレン、もしくはテ
ルル原子をもつ、好ましくは5員もしくは6員環を完成
する残基であり、必要に応じて、ベンゾもしくはナフト
縮合されている。チオール基に隣接するか、もしくは結
合する−N=が存在すると、メルカプタン〔−N=C−
SH〕とチオアミド構造〔−HN−C=S〕との間に互
変異平衡を導入する。米国特許第4,378,424号
明細書記載のトリアゾリウムチオレートは、互変異でき
ないが活性Ag+リガンドである関連するメソイオン化
合物である。
【0056】本発明に用いる好ましい複素環式チオール
銀リガンド(ハロゲン化銀の技術分野で一般的なものを
含む)は、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリア
ゾール、メルカプトチアジアゾール、メルカプトイミダ
ゾール、メルカプトオキサジアゾール、メルカプトチア
ゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、メルカプトベ
ンゾチアゾール、メルカプトベンゾオキサゾール、メル
カプトピリミジン、メルカプトトリアジン、フェニルメ
ルカプトテトラゾール、1,2,4−トリアゾリウム−
3−チオレート、及び4,5−ジフェニル−1,2,4
−トリアゾリウム−3−チオレートである。
【0057】ii)窒素酸類は解離して銀イオンリガンド
としてはたらくことができる。ハロゲン化銀の技術分野
で一般的な種々の窒素酸類を用いることができるが、最
も好ましいものは、一つ以上の窒素、イオウ、セレン、
もしくはテルル原子をもつ、5員もしくは6員の複素環
化合物由来のものであり、次の一般構造を有する。
【0058】
【化16】
【0059】式中、Z4は、一つ以上の追加のヘテロ原
子、例えば、窒素、酸素、イオウ、セレン、もしくはテ
ルル原子をもつことができる、好ましくは5員もしくは
6員環を完成する残基であり、必要に応じて、ベンゾも
しくはナフト縮合されており、Z5は、少なくとも一つ
の追加のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、イオウ、セ
レン、もしくはテルル原子をもつ、好ましくは5員もし
くは6員環を完成する残基であり、必要に応じて、ベン
ゾもしくはナフト縮合されており、そしてR″は、脂肪
族、芳香族、もしくは複素環式基であり、ハロゲン、酸
素、イオウもしくは窒素原子からなる官能基で置換され
ていてもよい。
【0060】好ましいものは、米国特許第2,857,
274号明細書に記載されているような、アゾール類、
プリン類、ヒドロキシアザインデン類、及びイミド類を
含む複素環式窒素酸類である。最も好ましい窒素酸部分
は、ウラシル、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、ベ
ンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、アデニン、ロー
ダニン、及び置換された1,3,3a,7−テトラアザ
インデン類(例えば、5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン)で
ある。
【0061】iii)環式及び非環式のチオエーテル類及
びそれらのSe及びTe類似物である。このリガンドカ
テゴリーの好ましいものは、米国特許第5,246,8
27号明細書に記載されている。好ましいチオエーテル
類及び類似体の構造を次の一般式で表す。
【0062】
【化17】
【0063】式中、b=1〜30、c=1〜30である
が、b+cは、31以下であり、Z 6は、5員〜18員
環、もしくはより好ましくは、5員〜8員環を完成する
残基である。Z6を含む環式構造は、一つ以上のS、S
e、もしくはTe原子をもつことができる。このクラス
の具体例には、−SCH2CH3、1,10−ジチア4,
7,13,16−テトラオキサシクロオクタデカン、−
TeCH2CH3、−SeCH2CH3、−SCH2CH2
CH2CH3、及びチオモルホリンが含まれる。
【0064】iv)ハロゲン化銀材料中の活性ハロゲン化
銀リガンドであるホスフィン類を用いることができる。
好ましいホスフィン化合物は、つぎのものである。
【0065】(R″)2−P式中、各R″は、独立し
て、脂肪族、芳香族、もしくは複素環式基であり、ハロ
ゲン、酸素、イオウもしくは窒素原子からなる官能基で
置換されていてもよい。
【0066】特に好ましいものは、P(CH2CH2
N)2、及びm−スルホフェニル−メチルホスフィンで
ある。
【0067】v)次の一般式の、チオアミド類、チオセ
ミカルバジド類、テルロウレア類、及びセレノウレア
類、
【0068】
【化18】
【0069】式中、U1は、−NH2、−NHR″、−N
R″2、−NH−NHR″、−SR″、−OR″であ
り、B及びDは、R″であるか、もしくは一緒に結合し
て、5員もしくは6員環の残基を形成することができ、
そしてR″は、脂肪族、芳香族もしくは複素環式基であ
り、そしてRは、水素又はアルキルもしくはアリール基
である。
【0070】そのようなチオアミドAg+リガンドの多
くは、米国特許第3,598,598号明細書に記載さ
れている。チオアミド類の好ましい例には、N,N′−
テトラアルキルチオウレア、N−ヒドロキシエチル−ベ
ンゾチアゾリン−2−チオン、及びフェニルジメチルジ
チオカーバメート、並びにN置換されたチアゾリン−2
−チオンが含まれる。
【0071】vi)約5より大きく、且つ約14より小さ
い酸解離定数をもつ活性メチレン化合物由来の炭素酸、
例えば、ブロモマロニトリル、1−メチル−3−メチル
−1,3,5−トリチアンブロミド、及びアセチレン
類。カナダ国特許第1,080,532号及び米国特許
第4,374,279号明細書には、ハロゲン化銀材料
に用いる炭素酸タイプの銀イオンリガンドが記載されて
いる。一般的に、炭素酸類は、本明細書で検討する他の
種類の吸着基よりもハロゲン化銀との親和力が小さいの
で、炭素酸類は吸着基としてあまり好ましくない。この
クラスの一般式は次のものである。
【0072】
【化19】
【0073】式中、R″は、脂肪族、芳香族、もしくは
複素環式基であり、ハロゲン、酸素、イオウもしくは窒
素原子からなる官能基で置換されていてもよく、F″及
びG″は、−CO2R″、−COR″、−CHO、−C
N、−SO2R″、−SOR″、NO2から独立して選ば
れ、CHのpKaは、5〜14である。ハロゲン化銀吸
着基としてはたらくカチオン性界面活性剤部分には、少
なくとも4以上の炭素数の炭化水素鎖をもつものが含ま
れ、ハロゲン、酸素、イオウ、もしくは窒素原子に基づ
く官能基で置換されていてもよく、少なくとも一の正電
荷のアンモニウム、スルホニウム、もしくはホスホニウ
ム基に結合されている。そのようなカチオン性界面活性
剤は、J.Collid Interface Sc
i.,22巻、1966、391ページに報告されてい
るように、大部分クーロン引力によって過剰のハロゲン
化物イオンを有する乳剤中のハロゲン化銀粒子に吸着さ
れている。
【0074】有用なカチオン性部分の例は、ジメチルド
デシルスルホニウム、テトラデシルトリメチルアンモニ
ウム、N−ドデシルニコチン酸ベタイン、及びデカメチ
レンピリジニウムイオンである。Aの好ましい例には、
アルキルメルカプタン、環式もしくは非環式のチオエー
テル基、ベンゾチアゾール、テトラアザインデン、ベン
ゾトリアゾール、テトラアルキルチオウレア、及びメル
カプト置換された複素環化合物、とりわけ、メルカプト
テトラゾール、メルカプトトリアゾール、メルカプトチ
アジアゾール、メルカプトイミダゾール、メルカプトオ
キサジアゾール、メルカプトチアゾール、メルカプトベ
ンゾイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メル
カプトベンゾオキサゾール、メルカプトピリミジン、メ
ルカプトトリアジン、フェニルメルカプトテトラゾー
ル、1,2,4−トリアゾリウムチオレート、及び関連
する構造が含まれる。
【0075】Aの最も好ましい例は次のものである。
【0076】
【化20】
【0077】Zは、光吸収性基であり、好ましくは、典
型的にカラー増感技法で用いられる分光増感色素であ
り、例えば、シアニン色素類、複合シアニン色素類、メ
ロシアニン色素類、複合メロシアニン色素類、同極のシ
アニン色素類、スチリル色素類、及びヘミシアニン色素
類を含む。代表的な分光増感色素は、リサーチ・ディス
クロージャー、アイテム36544、1994年9月、
に開示されている(参照することにより本明細書の内容
とする)。前記リサーチ・ディスクロージャー、もしく
はF.M.Hamerの、The Cyanine D
yes andRelated Compounds
(Interscience Publishers,
New York,1964)に記載される手順によっ
て当業者は、これらの色素を合成することができる。特
に好ましいものは、以下の一般式(VIII)〜(XII)で
ある。
【0078】
【化21】
【0079】式中、E1及びE2は、置換もしくは未置換
の複素環を形成するのに必要な原子団を表し、同じでも
異なっていてもよく、各Jは、独立して、置換もしくは
未置換のメチン基を表し、qは、1〜4の正の整数であ
り、p及びrは、独立して、0もしくは1であり、D1
及びD2は、独立して、置換もしくは未置換のアルキル
又は未置換のアリールを表し、そしてW2は、電荷均衡
対イオンである。
【0080】
【化22】
【0081】式中、E1、D1、J、p、q及びW2は、
上記式(VIII)で定義したものと同じであり、そしてG
は、
【0082】
【化23】
【0083】(ここで、E4は置換もしくは未置換の複
素環核を完成するのに必要な原子団を表し、そしてF及
びF′はそれぞれ独立して、シアノ基、エステル基、ア
シル基、カルバモイル基、もしくはアルキルスルホニル
基)である。
【0084】
【化24】
【0085】式中、D1、E1、J、p、q及びW2は、
上記式(VIII)で定義したものと同じであり、そしてG
2は、置換もしくは未置換のアミノ基又は置換もしくは
未置換のアリール基である。
【0086】
【化25】
【0087】式中、D1、E1、D2、E2、J、p、q、
r及びW2は、上記式(VIII)で定義したものと同じで
あり、そしてE3は、上記式(IX)で定義したE4と同じ
である。
【0088】
【化26】
【0089】式中、D1、E1、J、G、p、q、r及び
2は、上記式(VIII)で定義したものと同じであり、
そしてE3は、上記式(XI)で定義したものと同じであ
る。
【0090】上記式で、E1及びE2は、それぞれ独立し
て、置換もしくは未置換の、5員又は6員の複素環核を
完成するのに必要な原子団を表す。これらには、置換も
しくは未置換の、チアゾール核、オキサゾール核、セレ
ナゾール核、キノリン核、テルラゾール核、ピリジン
核、チアゾリン核、インドリン核、オキサジアゾール
核、チアジアゾール核、もしくはイミダゾール核が含ま
れる。これらの核は、公知の置換基、例えば、ハロゲン
(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ)、アルコキシ
(例えば、メトキシ、エトキシ)、置換もしくは未置換
のアルキル(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、
置換もしくは未置換のアリール、置換もしくは未置換の
アラルキル、スルホネート、及び当該技術分野で公知の
もので置換されていてもよい。
【0091】本発明の一つの態様では、式(VIII)に従
う色素類を用いる場合、E1及びE2は、それぞれ独立し
て、置換もしくは未置換のチアゾール核、置換もしくは
未置換のセレナゾール核、置換もしくは未置換のイミダ
ゾール核、もしくは置換もしくは未置換のオキサゾール
核を完成するのに必要な原子団である。E1及びE2の有
用な核の例には次のものが含まれる、チアゾール核(例
えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニ
ルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチ
アゾール、4,5−ジメチル−チアゾール、4,5−ジ
フェニルチアゾール、4−(2−チエニル)チアゾー
ル、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、
5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾ
ール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾ
チアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチル
ベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、6−
ブロモベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾー
ル、6−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベン
ゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メ
トキシベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾー
ル、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベン
ゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、
5,6−ジオキシメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロ
キシベンゾチアゾール、6,5−ジヒドロキシベンゾチ
アゾール、ナフト〔2,1−d〕チアゾール、5−エト
キシナフト〔2,3−d〕チアゾール、8−メトキシナ
フト〔2,3−d〕チアゾール、7−メトキシナフト
〔2,3−d〕チアゾール、4′−メトキシチアナフテ
ノ−7′,6′−4,5−チアゾール等);オキサゾー
ル核(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオ
キサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフ
ェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5
−ジメチル−オキサゾール、5−フェニルオキサゾー
ル、ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾー
ル、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベン
ゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,
6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベ
ンゾオキサゾール、5−エトキシベンゾオキサゾール、
5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオ
キサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−
ヒドロキシベンゾオキサゾール、ナフト〔2,1−d〕
オキサゾール、ナフト〔1,2−d〕オキサゾール、
等);セレナゾール核(例えば、4−メチルセレナゾー
ル、4−フェニルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、
5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセ
レナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テト
ラヒドロベンゾセレナゾール、ナフト〔2,1−d〕セ
レナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾール、
等);ピリジン核(例えば、2−ピリジン、5−メチル
−2−ピリジン、4−ピリジン、3−メチル−4−ピリ
ジン、3−メチル−4−ピリジン、等);キノリン核
(例えば、2−キノリン、3−メチル−2−キノリン、
5−エチル−2−キノリン、6−クロロ−2−キノリ
ン、8−クロロ−2−キノリン、6−メトキシ−2−キ
ノリン、8−エトキシ−2−キノリン、8−ヒドロキシ
−2−キノリン、4−キノリン、6−メトキシ−4−キ
ノリン、7−メチル−4−キノリン、8−クロロ−4−
キノリン、等);テルラゾール核(例えば、ベンゾテル
ラゾール、ナフト〔2,1−d〕ベンゾテルラゾール、
5,6−ジメトキシベンゾテルラゾール、5−メトキシ
ベンゾテルラゾール、5−メチルベンゾテルラゾール、
等);チアゾリン核(例えば、チアゾリン、4−メチル
チアゾリン、等);ベンゾイミダゾール核(例えば、ベ
ンゾイミダゾール、5−トリフルオロメチルベンゾイミ
ダゾール、5,6−ジクロロベンゾイミダゾール);及
びインドール核(例えば、3,3−ジメチルインドー
ル、3,3−ジエチルインドール、3,3,5−トリメ
チルインドール);もしくはジアゾール核(例えば、5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メチ
ル−1,3,4−チアジアゾール。
【0092】F及びF′は、それぞれシアノ基、エステ
ル基(例えば、エトキシカルボニル、メトキシカルボニ
ル、等)、アシル基、カルバモイル基、もしくはアルキ
ルスルホニル基(例えば、エチルスルホニル、メチルス
ルホニル、等)である。E4の有用な核の例には、2−
チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核(即ち、2−チ
オ−2,3−(3H,5H)−オキサゾリジノン系列の
もの)(例えば、3−エチル−2−チオ−2,4オキサ
ゾリジンジオン、3−(2−スルホエチル)−2−チオ
−2,4オキサゾリジンジオン、3−(4−スルホブチ
ル)−2−チオ−2,4オキサゾリジンジオン、3−
(3−カルボキシプロピル)−2−チオ−2,4オキサ
ゾリジンジオン、等);チアナフテノン核(例えば、2
(2H)−チアナフテノン、等);2−チオ−2,5−
チアゾリジンジオン核(即ち、2−チオ−2,5(3
H,4H)−チアゾリジンジオン系列)(例えば、3−
エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン、
等);2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4
−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリ
ジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオ
ン、3−α−ナフチル−2,4−チアゾリジンジオン、
等);チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノ
ン、3−エチル−4−チアゾリジノン、3−フェニル−
4−チアゾリジノン、3−α−ナフチル−4−チアゾリ
ジノン、等);2−チアゾリン−4−オン系列(例え
ば、2−エチルメルカプト−2−チアゾリン−4−オ
ン、2−アルキルフェニルアミノ−2−チアゾリン−4
−オン、2−ジフェニルアミノ−2−チアゾリン−4−
オン、等);2−イミノ−4−オキサゾリジノン(即
ち、擬似ヒダントイン)系列〔例えば、2,4−イミダ
ゾリジンジオン(ヒダントイン)系列(例えば、2,4
−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダ
ゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−イミダゾリジ
ンジオン、3−α−ナフチル−2,4−イミダゾリジン
ジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダゾリジンジ
オン、1−エチル−3−フェニル−2,4−イミダゾリ
ジンジオン、1−エチル−2−α−ナフチル−2,4−
イミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル−2,4−
イミダゾリジンジオン、等〕;2−チオ−2,4−イミ
ダゾリジンジオン(即ち、2−チオヒダントイン)核
(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、
3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオ
ン、3−(2−カルボキシエチル)−2−チオ−2,4
−イミダゾリジンジオン、3−フェニル−2−チオ−
2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2
−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1−エチル−
3−フェニル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオ
ン、1−エチル−3−ナフチル−2−チオ−2,4−イ
ミダゾリジンジオン、1,3−ジフェニル−2−チオ−
2,4−イミダゾリジンジオン、等);2−イミダゾリ
ン−5−オン核、が含まれる。
【0093】G2は、置換もしくは未置換のアミノ基
(例えば、第一級アミノ、アニリノ)、又は置換もしく
は未置換のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、
ジアルキルアミノフェニル、トリル、クロロフェニル、
ニトロフェニル)である。式(VIII)〜(XII)に従
う、各Jは、置換もしくは未置換のメチン基を表す。メ
チン基の置換基の例には、アルキル(好ましくは、炭素
数1〜6のもの、例えば、メチル、エチル、等)及びア
リール(例えば、フェニル)である。その上、メチン基
上の置換基は架橋結合を形成することができる。
【0094】W2は、色素分子の電荷を中和するのに必
要な対イオンである。そのような対イオンには、カチオ
ン及びアニオン、例えば、ナトリウム、カリウム、トリ
エチルアンモニウム、テトラメチルグアニジニウム、ジ
イソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウ
ム、クロリド、ブロミド、ヨージド、p−トルエンスル
ホネート、等が含まれる。
【0095】D1及びD2は、それぞれ独立して、置換も
しくは未置換のアリール(好ましくは炭素数6〜15の
もの)、又はより好ましくは、置換もしくは未置換のア
ルキル(好ましくは炭素数1〜6のもの)である。アリ
ール基の例には、フェニル、トリル、p−クロロフェニ
ル、及びp−メトキシフェニルが含まれる。アルキル基
の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、デシル、ドデシ
ル、等、及び置換されたアルキル基(好ましくは、炭素
数1〜6の置換された低級アルキル基)、例えば、ヒド
ロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、4
−ヒドロキシブチル、等)、カルボキシアルキル(例え
ば、2−カルボキシエチル、4−カルボキシブチル、
等)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、
3−スルホブチル、4−スルホブチル、等)、スルファ
トアルキル基等、アシルオキシアルキル基(例えば、2
−アセトキシエチル、3−アセトキシプロピル、4−ブ
チルオキシブチル、等)、アルコキシカルボニルアルキ
ル基(例えば、2−メトキシカルボニルエチル、4−エ
トキシカルボニルブチル、等)、もしくは、アラルキル
基(例えば、ベンジル、フェネチル、等)が含まれる。
このアルキルもしくはアリール基は、上記の置換された
アルキル基上で、一種以上の置換基で置換されてもよ
い。
【0096】特に好ましい光吸収性基Zは、以下に示す
色素1〜19である。
【0097】
【化27】
【0098】
【化28】
【0099】
【化29】
【0100】
【化30】
【0101】XYのハロゲン化銀吸着基Aもしくは光吸
収性基Zに対する結合点の置換基は、AもしくはZの構
造によって変わり、1(もしくはそれ以上)のヘテロ原
子のところ、又は1(もしくはそれ以上)の芳香環もし
くは複素環のところ、となることができる。XYは、フ
ラグメント化可能な電子供与部分であり、Xは電子供与
基であり、Yは脱離基である。以下の式は、XY部分が
酸化及びフラグメント化を受けて、好ましい形態でさら
に酸化を受けるラジカルX・生成するときに起きると思
われる反応を示す。
【0102】
【化31】
【0103】分子XYの構造上の特色を、二つの部分
(即ち、フラグメントX及びフラグメントY)の特徴で
規定する。フラグメントXの構造上の特徴が、XY部分
の酸化電位(E1)及びラジカルX・の酸化電位(E2
を決定するのに対し、X及びYフラグメントの両方は、
酸化された分子X−Y・+のフラグメント化速度に影響
を与える。
【0104】好ましいX基は、次の一般式を有する。
【0105】
【化32】
【0106】水素原子又は未置換もしくは置換されたア
ルキル基を表すために、記号「R」(添字の無いR)を
本明細書の全ての構造式で用いる。
【0107】一般式(I)では、 m:0、1 Z:O、S、Se、Te Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル、アントリル)、もしくは複素環式基(例え
ば、ピリジン、インドール、ベンゾイミダゾール、チア
ゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾール、等) R1:R、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、ハ
ロゲン、N(R)2、(OH)n、(OR′)n、もしく
は(SR)n R′:アルキルもしくは置換されたアルキル n:1〜3 R2:R、Ar′ R3:R、Ar′ R2及びR3は、一緒になって5員〜8員環を形成でき
る、R2及びArは、結合して5員〜8員環を形成でき
る、R3及びArは、結合して5員〜8員環を形成でき
る、Ar′は、フェニル、置換されたフェニル等のアリ
ール、もしくは複素環式基(例えば、ピリジン、ベンゾ
チアゾール、等)R:水素原子又は未置換もしくは置換
されたアルキル基。
【0108】一般式(II)では、 Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル)、もしくは複素環式基(例えば、ピリジ
ン、ベンゾチアゾール、等) R4:ハメットシグマ値が−1〜+1、好ましくは、−
0.7〜+0.7である、例えば、R、OR、SR、ハ
ロゲン、CHO、C(O)R、COOR、CON(R)
2、SO3R、SO2N(R)2、SO2R、SOR、C
(S)R、等の置換基 R5:R、Ar′ R6及びR7:R、Ar′ R5及びArは、結合して5員〜8員環を形成できる、
6及びArは、結合して5員〜8員環を形成できる
(この場合、R6はヘテロ原子となることができる)、
5及びR6は、結合して5員〜8員環を形成できる、R
6及びR7は、結合して5員〜8員環を形成できる、A
r′は、フェニル、置換フェニル等のアリール、もしく
は複素環式基 R:水素原子又は未置換もしくは置換されたアルキル
基。
【0109】ハメットシグマ値の議論は、Hansch
及びR.W.Taftの、Chem.Rev.91巻、
(1991)ページ165,に記載されている。
【0110】一般式(III)では、 W:O、S、Se Ar:アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、フェ
ナントリル、アントリル)、もしくは複素環式基(例え
ば、インドール、ベンゾイミダゾール、等) R8:R、カルボキシル、NR2、(OR)n、もしくは
(SR)n(n=1〜3)R9及びR10:R、Ar′ R9及びArは、結合して5員〜8員環を形成できる、
Ar′は、フェニル、置換されたフェニル等のアリー
ル、もしくは複素環式基 R:水素原子又は未置換もしくは置換されたアルキル
基。
【0111】一般式(IV)では、「ring」は、置換
又は未置換の5員、6員もしくは7員の不飽和環、好ま
しくは複素環を表す。Xは、電子供与基(例えば、電子
過多有機基)であるので、いずれの特定のX基でも芳香
基(Ar及び/もしくはAr′)上の置換基を、Xが電
子過多のままであるように選定する方がよい。例えば、
芳香基が、非常に電子過多である場合(例えば、アント
ラセン)、電子吸引置換基を用いて、0〜約1.4Vの
酸化電位を有するXY部分を提供することができる。反
対に、芳香環が電子過多でない場合、電子供与性置換基
を選定する。
【0112】本明細書中で引用する置換「基」は、置換
基それ自体が置換されているかもしくは未置換であるこ
とを意味する。例えば、「アルキル基」は、置換された
アルキルもしくは未置換のアルキルを意味する。一般的
に、特に断らない限り、本明細書で引用するいずれの
「基」上の置換基、もしくは置換可能性となる何かを述
べる場合には、写真の有用性に必要な特性を損なわな
い、置換もしくは未置換のいずれかの可能性のある基を
含む。また、本明細書全体を通して、特定の一般式の化
合物の引用には、具体的な式が当該一般式の定義内に入
る他のより具体的な式の化合物を包含すると理解する。
言及した基の置換基の例には、公知の置換基、例えば、
ハロゲン(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨー
ド)、アルコキシ、特に炭素数1〜12のもの(例え
ば、メトキシ、エトキシ)、置換もしくは未置換のアル
キル、特に低級アルキル(例えば、メチル、トリフルオ
ロメチル)、アルケニルもしくはチオアルキル(例え
ば、メチルチオもしくはエチルチオ)、特に炭素数1〜
12を有するもののいずれか、置換及び未置換のアリー
ル、特に炭素数6〜20のもの(例えば、フェニル)、
及び、置換もしくは未置換のヘテロアリール、特に、
N、O、SもしくはSeから選ばれる1〜3個のヘテロ
原子を有する5員もしくは6員環を有するもの(例え
ば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル)、並びに
当該技術分野で公知のものが含まれる。
【0113】アルキル置換基は、好ましくは炭素数1〜
12を有し、特に、「低級アルキル」(炭素数1〜6の
もの、例えば、メチル、エチル等)を含む。さらに、い
ずれのアルキル基、アルキレン基もしくはアルケニル基
に関しても、分岐鎖もしくは直鎖のものとなることがで
き、そして環構造を包含する。
【0114】基AもしくはZは、通常、XY部分のX基
に結合されているが、ある状況では、Y基に結合されて
いてもよい(下記の式を参照されたい)。AもしくはZ
基は、窒素原子のところでXと、もしくは一般式(I)
〜(III)のXのアリール基と、又は一般式(IV)の環
と、結合することができる。好ましいX基の具体例を以
下に示す。簡単にするために、そして複数の可能な結合
部位のために、AもしくはZ基の結合を構造式では特に
示さない。
【0115】一般式(I)の好ましいX基は次の通りで
ある。
【0116】
【化33】
【0117】本明細書の構造では、−OR(N
(R)2)のような記号は、−ORもしくは−N(R)2
のいずれかが存在することを示す。以下のものは、一般
式(II)のX基の具体例である。
【0118】
【化34】
【0119】R11及びR12は、H、アルキル、アルコキ
シ、アルキルチオ、ハロ、カルバモイル、カルボキシ
ル、アミド、ホルミル、スルホニル、スルホンアミド、
ニトリルである。
【0120】
【化35】
【0121】Z1は、共有結合、S、O、Se、NR、
C(R)2、CR=CR、もしくはCH2CH2である。
【0122】
【化36】
【0123】Z2は、S、O、Se、NR、C(R)2
CR=CRであり、R13は、アルキル、置換されたアル
キルもしくはアリールであり、R14は、H、アルキル、
置換されたアルキルもしくはアリールである。
【0124】以下のものは、一般式(III)のX基の具
体例である。
【0125】
【化37】
【0126】以下のものは、一般式(IV)のX基の具体
例である。
【0127】
【化38】
【0128】Z3は、O、S、Se、NRであり、R15
は、R、OR、N(R)2であり、R 16は、アルキル、
置換されたアルキルである。
【0129】好ましいY基は、 (1)X′(ここで、X′は、一般式(I)〜(IV)に
規定したX基であって、それが結合するX基と同じであ
っても、異なっていてもよい。)(2)
【0130】
【化39】
【0131】(3)
【0132】
【化40】
【0133】式中、Mは、Si、SnもしくはGeであ
り、R′は、アルキルもしくは置換されたアルキルであ
る。 (4)
【0134】
【化41】
【0135】式中、Ar″は、アリールもしくは置換さ
れたアリールである。(3)及び(4)の場合、基Aも
しくはZをY基に結合させることができる。簡単にする
ために、AもしくはZ基の結合を一般式では特に示して
いない。本発明の好ましい態様では、Yは、−COO-
もしくは−Si(R′)3又は−X′である。特に好ま
しいY基は、−COO-もしくは−Si(R′)3であ
る。
【0136】好ましいX−Y化合物由来の好ましいXY
部分は、次式のものである(簡単にするために、そして
複数の可能な結合部位のために、AもしくはZ基の結合
は特に示さない)。
【0137】
【化42】
【0138】
【化43】
【0139】
【化44】
【0140】
【化45】
【0141】
【化46】
【0142】
【化47】
【0143】上記式では、XY部分の電荷を中和させる
のに必要な対イオンは示されていないが、いずれの対イ
オンも用いることができる。通常の対イオンには、ナト
リウム、カリウム、トリエチルアンモニウム(TE
+)、テトラメチルグアニジニウム(TMG+)、ジイ
ソプロピルアンモニウム(DIPA+)、及びテトラブ
チルアンモニウム(TBA+)が含まれる。
【0144】フラグメント化可能な電子供与部分XY
は、後述の最初の二つの基準に適合するフラグメント化
可能な1電子供与体もしくは後述の三つの全ての基準に
適合するフラグメント化可能な2電子供与体となること
ができる。第一の基準は、X−Y(E1)の酸化電位に
関する。E1は、約1.4V以下が好ましく、好ましく
は約1.0V未満である。この酸化電位は好ましくは0
より高く、より好ましくは約0.3Vより高い。E
1は、好ましくは、約0〜約1.4V、より好ましく
は、約0.3V〜約1.0Vの範囲である。
【0145】酸化電位は周知であり、例えば、「Enc
yclopedia of Electrochmis
try of the Elements」,Orga
nic Section,XI〜XV巻,A.Bard及び
H.Lund編,Marcel Dekkar In
c.,NY(1984)に見つけることができる。E1
を、サイクリックボルタンメトリーの技法で測定するこ
とができる。この技法では、電子供与体を、アセトニト
リル対0.1M過塩素酸リチウムを含有する水の80%
/20%(容量%)の溶液に溶解する。測定前にこの溶
液に10分間窒素ガスを通気して酸素を除去する。ガラ
ス状のカーボンディスクを動作電極に用い、プラチナ線
を対電極に用い、そして飽和カロメル電極(SCE)を
参照電極に用いる。25℃で、0.1V/秒の電位走査
速度で測定を実施する。サイクリックボルタンメトリー
波のピーク電位のときに酸化電位(対SCE)をとる。
【0146】本発明に従う有用な典型的なX−Y化合物
のE1値を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】フラグメント化可能なXY基を規定する第
二の基準は、X−Yの酸化形態(即ち、ラジカルカチオ
ンX−Y・+)が、結合開裂反応を受けて、ラジカルX
・及びフラグメントY+(もしくは、アニオン性化合物
の場合は、ラジカルX・及びフラグメントY)を与える
ことを要件とする。結合開裂反応は、本明細書では「フ
ラグメント化」とも呼ぶ。1電子酸化反応によって形成
されるラジカル種、及び特にラジカルカチオンは、多く
の反応を受けることができ、いくつかはその濃度及びそ
れらが生成される特定の環境に依存することが広く知ら
れている。「Kinetics and Mechan
isms of Reactionsof Organ
ic Cation Radicals in Sol
ution」,Advances in Physic
al Organic Chemistry,20巻,
1984,55〜180ページ、及び「Formati
on,Properties and Reactio
ns of Cation Radicals in
Solution」,Advances inPhys
ical Organic Chemistry,13
巻,1976,156〜264ページ、V.Gold
編,1984,出版Academic Press,N
Y、に記載されているように、そのようなラジカル種を
入手できる反応の範囲には、二量化、脱プロトン化、加
水分解、求核置換、不均等化反応、及び結合開裂が含ま
れる。本発明に用いる有用な化合物では、X−Yの酸化
時に形成されるラジカルは結合開裂反応を受ける。
【0149】結合開裂、即ち、フラグメント化反応の速
度を、通常のレーザー閃光光分解によって測定すること
ができる。過渡的な化学種の特性を調査する方法として
のレーザー閃光光分解は、周知である(例えば、W.H
erkstroeter and I.R.Gould
のPhysical Methods of Chem
istry Series,第2版,8巻,225ペー
ジ,B.Rossiter及びR.Baetzold
編,John Wiley&Sons,NewYor
k,1993の「Absorption Spectr
oscopy of Transient Spesi
es」を参照されたい)。フラグメント化速度定数及び
ラジカル酸化電位を測定するのに用いた具体的な試験装
置の詳細を以下に記載する。本発明に有用な化合物のフ
ラグメント化速度定数は、おおよそ0.1/秒より速い
(即ち、0.1/秒以上速く、言い換えれば、ラジカル
カチオンX−Y+・の寿命は、10秒以下であるのがよ
い)のが好ましい。フラグメント化速度定数は、これよ
りもかなり速くなることができる。即ち、102〜10
13/秒の範囲である。フラグメント化速度定数は、好ま
しくは、約0.1/秒〜約1013/秒、より好ましくは
約102/秒〜約109/秒である。本発明使用化合物の
調製に有用な典型的な化合物XYのフラグメント化速度
定数kfr(秒 -1)を以下に示す。
【0150】CH3CN/H2O(4:1)のラジカルカ
チオンの脱カルボキシル化速度定数
【0151】
【化48】
【0152】
【化49】
【0153】
【化50】
【0154】
【化51】
【0155】
【化52】
【0156】
【化53】
【0157】
【化54】
【0158】本発明の好ましい態様では、XY部分は、
フラグメント化可能な2電子供与体部分であり、結合開
裂反応から生じるラジカルX・が、酸化電位−0.7V
以下であり、好ましくは、約−0.9Vよりもマイナス
であるという第三の基準に適合する。この酸化電位は、
好ましくは約−0.7〜約−2Vであり、より好ましく
は、約−0.8〜約−2Vであり、最も好ましくは、約
−0.9〜約−1.6Vである。
【0159】多くのラジカルの酸化電位が、Wayne
r,D.D;McPhee,D.J.;Grille
r,Dにより、J.Am.Chem.Soc.198
8,110,.132で、Rao,P.S.,Hayo
n,EによりJ.Am.Chem.Soc.1974,
96,.1287で、そしてRao,P.S.,Hay
on,EによりJ.Am.Chem.Soc.197
4,96,.1295で報告されているように、過度的
な電気化学及びパルス放射線分解技法によって測定され
ている。このデータは、三元性ラジカルの酸化電位は、
対応する二元性ラジカルよりもプラスでなく(即ち、こ
のラジカルは、より強い還元剤である)、そして、この
二元性ラジカルは、対応する一元性ラジカルよりもプラ
スでないと説明する。例えば、ベンジルラジカルの酸化
電位は、一つもしくは二つの水素原子をメチル基と置き
換えると、0.73Vから0.37V、そして0.16
Vへと低くなる。
【0160】
【化55】
【0161】ラジカルの酸化電位の大きな低下は、ヒド
ロキシもしくはアルコキシ置換基により達成される。例
えば、ベンジルラジカルの酸化電位(+0.73V)
は、水素原子の一つをメトキシ基で置換すると、−0.
44Vまで低下する。
【0162】
【化56】
【0163】α−アミノ置換基は、ラジカルの酸化電位
を約−1Vの値に低下させる。本発明に従って、−0.
7よりもマイナスの酸化電位をもつラジカルX・を提供
する化合物が、ハロゲン化銀乳剤の増感に用いるのに特
に有用であることを我々は見出した。上記したように、
α炭素の置換基がラジカルの酸化電位を左右する。フェ
ニル部分を少なくとも1電子供与置換基で置換するか、
又はこのフェニル部分を電子供与アリールもしくは複素
環式基で置換してもX・の酸化電位に影響を与えること
を我々は見出した。−0.7よりもマイナスの酸化電位
を有するX・の具体例を下記表Cに示す。過度的化学種
X・の酸化電位を、以下に詳細に述べるレーザー閃光光
分解技法を用いて測定することができる。この技法で
は、短レーザーパルスで開始する電子移動反応によって
化合物X−Yを酸化する。X−Yの酸化形態は、その後
結合開裂反応を受けてラジカルX・を生じる。そして、
X・を、既知の還元電位の種々の電子受容体化合物と相
互作用させる。所定の電子受容体化合物を還元するX・
の能力は、X・の酸化電位が、その電子受容体化合物還
元電位とほとんど等しいかもしくはよりマイナスである
ことを示す。実験の詳細を以下に述べる。本発明に有用
な典型的な化合物のラジカルX・の酸化電位(E2)を
下記化57〜化68に示す。電位の範囲しか決定できな
い場合、次の記号を用いた。「<−0.90V」は、−
0.90Vよりもマイナスであることを示し、「>−
0.40V」は、−0.40Vよりもプラスであること
を示す。
【0164】本発明の第三の基準に従う具体的なX・ラ
ジカルは、−0.7Vよりもマイナスの酸化電位E2
有する下記のものである。−0.7VよりもプラスのE
2を有する比較例もいくつか含まれている。
【0165】ラジカル(X・)の酸化電位E2
【0166】
【化57】
【0167】
【化58】
【0168】
【化59】
【0169】
【化60】
【0170】
【化61】
【0171】
【化62】
【0172】
【化63】
【0173】
【化64】
【0174】
【化65】
【0175】
【化66】
【0176】
【化67】
【0177】
【化68】
【0178】上述の一般式に従う具体的な本発明使用化
合物を次に示すが、化合物はこれらに限定されると解す
べきでない。これらの例に具体的に示されるように、A
とXYもしくはZとXYの結合点は、XYのX部分の、
一つ(もしくは複数)のヘテロ原子のところか、一つ
(もしくは複数)の芳香環もしくは複素環のところとな
ることができる。いくつかの具体例を次に示す。
【0179】
【化69】
【0180】
【化70】
【0181】
【化71】
【0182】
【化72】
【0183】
【化73】
【0184】
【化74】
【0185】
【化75】
【0186】
【化76】
【0187】
【化77】
【0188】
【化78】
【0189】上記式では、化合物の正味電荷をバランス
させるのに必要な対イオンは示されていないが、いずれ
の対イオンも用いることができる。使用可能な通常の対
イオンには、ナトリウム、カリウム、トリエチルアンモ
ニウム(TEA+)、テトラメチルグアニジニウム(T
MG+)、ジイソプロピルアンモニウム(DIPA+)、
及びテトラブチルアンモニウム(TBA+)が含まれ
る。
【0190】表2は、次式、 A−(XY)k もしくは(A)k−XY、 Z−(XY)k もしくは(Z)k−XY に従って選定されるフラグメント化可能な電子供与増感
剤に含まれるXY部分の電気化学的データ及びレーザー
閃光光分解データを併せたものである。具体的には、こ
の表は、E1(親のフラグメント化可能な電子供与部分
X−Yの酸化電位)、kfr(酸化されたX−Y(X−
Y・+を含む)のフラグメント化速度定数)、及びE
2(ラジカルX・の酸化電位)を含んでいる。表2で
は、部分XYのこれらの特性を、AもしくはZが、水素
原子で置き換えられたモデル化合物の場合で、報告す
る。
【0191】A−(XY)k もしくは(A)k−XY、 Z−(XY)k もしくは(Z)k−XY の実際の化合物では、これらの特性は、モデル化合物の
値とは少し異なるが、おおきく異なることはないであろ
う。表2のデータは、フラグメント化可能な2電子供与
増感剤であり、且つ上記三つの基準の全てに適合する本
発明に有用な化合物を示す。
【0192】
【表2】
【0193】上掲の一般式と似ている比較化合物を以下
に示す。比較化合物COMP1のXY成分をエチルエス
テル(フラグメント化しない)として表したので、本発
明の二つの基準及び三つの基準に適合しない。同様に、
比較化合物COMP2及びCOMP3のXY成分は、上
記規定のフラグメント化基を有しないので、本発明の二
つの基準及び三つの基準に適合しない。
【0194】
【化79】
【0195】上記式では、比較化合物の正味電荷をバラ
ンスさせるのに必要な対イオンは示されていないが、い
ずれの対イオンも用いることができる。使用可能な通常
の対イオンには、ナトリウム、カリウム、トリエチルア
ンモニウム(TEA+)、テトラメチルグアニジニウム
(TMG+)、ジイソプロピルアンモニウム(DIP
+)、及びテトラブチルアンモニウム(TBA+)が含
まれる。通常のアニオン対イオンには、ハロゲンイオン
(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、等)、p−トルエンス
ルホネート、p−クロロベンゼンスルホネート、メタン
スルホネート、テトラフルオロボレートイオン、パーク
ロレートイオン、メチルスルフェートイオン及びエチル
スルフェートイオンが含まれる。
【0196】本発明に有用なフラグメント化可能な電子
供与体は、米国特許第4,607,006号明細書に記
載されるハロゲン化銀吸着(1)−電子供与体とは大き
く異なる。この特許明細書に記載されている電子供与部
分、例えば、フェノチアジン、フェノキサジン、カルバ
ゾール、ジベンゾフェノチアジン、フェロセン、トリス
(2,2′−ビピリジル)ルテニウム、もしくはトリア
リールアミンは極度に安定な(即ち、フラグメント化可
能でない)ラジカルカチオンを形成する場合に良く知ら
れており、次の文献:J.Heterocyclic
Chem.,12巻,1975,397〜399ペー
ジ;J.Org.Chem.,42巻,1977,98
3〜988ページ;「The Encyclopedi
a ofElectrochemistry of t
he Elements」,XIII巻,25〜33ペー
ジ;Marcel Dekker Inc.,発行の
A.J.Bard Editorの、Advances
in Physical Organic Chem
istry,20巻,55〜180ページ;V.Gol
d編,1984,Academic Press,NY
発行、に示されている。また、米国特許第4,607,
006号明細書記載の電子供与吸着化合物は、酸化のと
きに1分子当たり一つの電子しか提供しない。本発明の
好ましい態様では、フラグメント化可能な電子供与体
は、二つの電子を提供することができる。
【0197】本発明使用のフラグメント化可能な電子供
与体も、R型剤、核生成剤、及び安定化剤のような他の
公知の写真的に活性な化合物とは異なっている。既知の
R型剤、例えば、Sn錯体、二酸化チオ尿素、ホウ水素
化物、アスコルビン酸、及びアミンボラン類は、非常に
強い還元剤である。これらの試薬は、典型的に多電子酸
化を受けるが、酸化電位は、SCEに対し0Vよりもマ
イナスである。例えば、SnCl2の酸化電位は、略−
0.10Vであると、CRC Handbook of
Chemistry and Physics,第5
5版,CRCPress Inc.,Clevelan
d OH 1975,D122ページに報告されてお
り、ホウ水素化物は、SCEに対して−0.48Vであ
ると、J.Electrochem.Soc.,199
2,139巻,2212〜2217ページに報告されて
いる。これらのレドックス特性は、ハロゲン化銀乳剤に
加えたときのハロゲン化銀のコントロールされない還元
を見越しているので、得られる感度改善は、望ましくな
いレベルのカブリを伴うことが非常に多い。不活性形態
で通常写真乳剤に加える、ヒドラジン及びヒドラジド類
のような通常の核生成剤は、本明細書でいうフラグメン
ト化可能な電子供与体とは異なる。核生成剤は、当該核
生成剤化合物が脱プロトン化もしくは加水分解反応を受
けて強還元剤を提供する現像液のような強い塩基性溶液
中で活性化されたときにのみ、写真的に活性な化合物に
転換する。さらに、フラグメント化可能な電子供与体と
は対照的に、伝統的なR型試薬及び核生成剤の酸化は、
結合開裂反応とは反対に、一般的に脱プロトン化もしく
は加水分解反応を伴う。
【0198】本明細書に記載されている化合物は、特開
平11−95355号と同様の方法で合成することが出
来る。
【0199】前記、一般式(3)、(4)で表される化
合物は以下のようなDIR化合物との併用においても、
効果を発揮する。即ち、特に鮮鋭性向上や、インターイ
メージ効果を主眼とするやや拡散性の高い抑制剤を放出
する様なDIR化合物の使用においては添加した層や隣
接層の、DIR化合物の幾分かの分解により放出される
と思われる抑制剤による減感が避けられないが、これら
の化合物はこの減感に対しこれを抑える効果がある。こ
れらの効果により自層、或いは隣接層の減感が抑制され
るので、DIR化合物の本来のインターイメージ効果或
いは鮮鋭性向上効果が充分に発揮されるものと考えられ
る。また、これらの分解が抑えられるためと考えられる
が、保存安定性も向上する。
【0200】以下に本発明に用いられる一般式(D−
1)、(D−3)に代表される化合物について説明す
る。
【0201】本発明に係わる感光材料は、発色現像反応
によってカプラーの活性位から離脱された後、現像抑制
性を示す化合物となり、それが発色現像液中に流れ出し
た後は、実質的に写真性に影響を与えない化合物に分解
される性質を持つ基をカップリング活性位に有する化合
物を含有する。これは、いわゆる失活型DIRといわれ
る化合物である。好ましい失活型DIRカプラーとして
は、以下の一般式(D−1)で表されるものがあげられ
る。
【0202】一般式(D−1) Cp−(T)m1−TR1−(L−Y)n1 一般式(D−1)に於てCpはカプラー残基を表し、T
はカプラーのカップリング位に結合し、現像主薬酸化体
との反応によりCpとTの結合が切れた後に、TとTR
1の結合が切れるタイミング基を表し、m1は0,1,
2を表す。TR1は窒素原子で(T)m1に結合した、単
環若しくは縮合環のトリアゾール基を表す。TR1
(L−Y)n1は現像主薬酸化体との反応によりCp−
(T)m1から放出される抑制剤残基を表す。LはTR1
−(L−Y)n1として現像液中に流出した後、現像液中
の成分によってLとYの結合が開裂する連結基であり、
Yは置換基を表す。n1は1または2を表す。
【0203】より好ましくは一般式(D−2)で表され
るものがあげられ、更に好ましくは一般式(D−3)で
表されるものがあげられる。
【0204】一般式(D−2) Cp−(T)m2−TR2−S−J−COOR21 一般式(D−2)に於てCpはカプラー残基を表し、T
はカプラーのカップリング位に結合し、現像主薬酸化体
との反応によりCpとTの結合が切れた後に、TとTR
2の結合が切れるタイミング基を表し、m2は0,1,
2を表す。TR2は窒素原子で(T)m2に結合した、
1,2,3−トリアゾール骨格若しくは1,2,4−ト
リアゾール骨格を表す。TR2−S−J−COOR21
現像主薬酸化体との反応によりCp−(T)m2から放出
される抑制剤残基を表す。SはTR2の炭素原子上に結
合したイオウ原子を表す。Jはアルキレン基を表し、R
21は置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基を表
す。
【0205】
【化80】
【0206】式中、Yは発色現像主薬の酸化体とカップ
リング反応し得るイエローカプラー残基を表し、TR3
はYのカップリング位に窒素原子で結合した、置換基を
有しても良い1,2,4−トリアゾール若しくは1,
2,3−トリアゾール骨格を表す。R31は水素原子若し
くは置換基を有しても良いアルキル基、アリール基を表
し、R32は置換基を有しても良いアルキル基、アリール
基を表す。R33はベンゼン環上に置換し得る任意の置換
基を表し、m3は0,1,2,3,4,5を表す。
【0207】一般式(D−2)で表される失活型DIR
のうち、特に好ましい構造としては、以下の一般式(D
−4),(D−5)で表される化合物があげられる。
【0208】
【化81】
【0209】式中、Ar41、Ar42は各々置換基を有し
ても良いアリール基、複素環基を表す。R41は水素原子
若しくは置換基を有しても良いアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。R42、R43
各々水素原子若しくは、置換基を有しても良いアルキル
基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基を表す。R44は置換アルキル基若しくは置換
アリール基を表す。
【0210】
【化82】
【0211】式中、R51は置換基を有しても良いアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R52は置
換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基を表す。R53は置換基を表し、m
4は1,2,3,4を表す。R54は水素原子若しくは置
換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、ヘテロ環基を表す。R55は水素原子若しく
は、置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表し、
56は置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表
す。R57は置換アルキル基若しくは置換アリール基を表
す。
【0212】また、一般式(D−1)で表される化合物
のうち、一般式(D−6)で表される化合物も本発明の
目的をより効率的に達成する上で好ましい。
【0213】
【化83】
【0214】式中、Cpはカプラー残基を表し、TはC
pのカップリング位とベンツトリアゾール上の窒素原子
に結合しており、現像主薬酸化体との反応によりCpと
Tの結合が切れた後に、Tとベンツトリアゾール上の窒
素原子との結合が切れるタイミング基を表し、m6は
0、1、2を表す。R61、R62は各々脂肪族基、芳香族
基を表し、Xはハメットのσp値が0.35以上の置換
基を表し、n6は1〜4迄の整数を表す。
【0215】以下、一般式(D−1)〜(D−6)につ
いて、より詳細に説明する。まず、一般式(D−1)に
ついて説明する。
【0216】一般式(D−1)に於て、Cpはカプラー
残基を表し、Tは現像主薬酸化体との反応によりCpと
Tの結合が切れた後に、TとTR1の結合が切れる連結
基を表し、好ましくはカプラーのカップリング位と結合
する。
【0217】LはTR1を含む化合物が現像抑制作用を
発揮した後に、現像液中の成分によって開裂する化学結
合を含む連結基である。
【0218】Yは置換基を表す。m1は0、1又は2を
表し、好ましくは0又は1である。n1は1又は2を表
し、n1が2を表すときL−Yは、それぞれ同じもので
も異なるものでもよい。
【0219】Cpが表すカプラー残基は、イエロー色画
像形成カプラー残基、マゼンタ色画像形成カプラー残
基、シアン色画像形成カプラー残基及び実質的に画像形
成発色色素を形成しないカプラー残基等を表す。
【0220】Cpで表されるイエロー色画像形成カプラ
ー残基としては、アシルアセトアニリド型(例えばピバ
ロイルアセトアニリド型、ベンゾイルアセトアニリド
型)、マロンジエステル型、マロンジアミド型、ジベン
ゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルアセトアミド型、マ
ロンエステルモノアミド型、ベンゾチアゾリルアセテー
ト型、ベンゾオキサゾリルアセトアミド型、ベンゾオキ
サゾリルアセテート型、ベンゾイミダゾリルアセトアミ
ド型もしくはベンゾイミダゾリルアセテート型のカプラ
ー残基、米国特許第3,841,880号に含まれるヘ
テロ環置換アセトアミドもしくはヘテロ環置換アセテー
トから導かれるカプラー残基又は米国特許第3,77
0,446号、英国特許第1,459,171号、西独
特許(OLS)第2,503,099号、特開昭50−
139738号もしくはリサーチ・ディスクロージャー
15737号等に記載のアシルアセトアミド類から導か
れるカプラー残基又は、米国特許第4,046,574
号に記載のヘテロ環型カプラー残基等が好ましい。
【0221】Cpで表されるマゼンタ色画像形成カプラ
ー残基としては、5−オキソ−2−ピラゾリン核、ピラ
ゾロアゾール核(例えば5−オキソ−2−ピラゾリン
核、ピラゾロトリアゾール核)を有するカプラー残基及
びシアノアセトフェノン型カプラー残基が好ましい。
【0222】Cpで表されるシアン色画像形成カプラー
残基としては、フェノール核又はα−ナフトール核を有
するカプラー残基が好ましい。
【0223】更に、カプラーが現像主薬の酸化体とカッ
プリングし現像抑制剤を放出した後、実質的に画像形成
発色色素を形成しなくてもDIRカプラーとしての効果
は同じである。
【0224】Cpで表されるこの型のカプラー残基とし
ては、例えば米国特許第4,052,213号、同第
4,088,491号、同第3,632,345号、同
第3,958,993号又は同第3,961,959号
等に記載のカプラー残基が挙げられ、例えば発色色素を
生成しないカプラー残基、発色色素が感光材料中から処
理液中に流出する、いわゆる流出性色素形成カプラー残
基及び処理液中の成分と反応して漂白される、いわゆる
漂白性色素形成カプラー残基が挙げられる。
【0225】特に好ましくは、Cpはピバロイルアセト
アニリド型及びベンゾイルアセトアニリド型イエロー色
画像形成カプラー残基、5−オキソ−2−ピラゾリン核
マゼンタ色画像形成カプラー残基、α−ナフトール核シ
アン色画像形成カプラー残基及び親水性基の置換したα
−ナフトール核の流出性色素形成カプラー残基が挙げら
れる。
【0226】Tで表される基としては、例えば(1)共
役系に沿った電子移動反応を利用して開裂反応を起こさ
せる基、(2)分子内求核置換反応を利用して開裂反応
を起こさせる基、(3)ヘミアセタールの開裂反応を利
用する基、(4)イミノケタールの開裂反応を用いた
基、(5)エステルの加水分解開裂反応を用いた基が挙
げられる。
【0227】(1)の基については、例えば特開昭56
−114946号、同57−154234号、同57−
188035号、同58−98728号、同58−16
0954号、同58−209736号、同58−209
737号、同58−209738号、同58−2097
39号、同58−209740号、同62−86361
号及び同62−87958号に、(2)の基について
は、例えば特開昭57−56837号、米国特許第4,
248,962号に、(3)の基については、例えば特
開昭60−249148号、同60−249149号、
米国特許第4,146,396号に、(4)の基につい
ては、例えば米国特許第4,546,073号に、又、
(5)の基については、例えば西独公開特許第2,62
6,315号に詳しく述べられている。
【0228】又、TはCpとTとの結合が切断された後
に、更に現像主薬酸化体との反応によってTとTR1
の結合が切断されるものであってもよく、例えば現像主
薬の酸化体とカップリング反応するカプラー成分及び現
像主薬の酸化体とレドックス反応するレドックス成分が
挙げられる。
【0229】Tがカプラー成分の場合、その例として
は、Cpで挙げた各カプラー残基が挙げられる。
【0230】Tがレドックス成分の場合、その例として
は、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、アミノフェノール類(例えばp−アミノフェノ
ール類、o−アミノフェノール類)、ナフタレンジオー
ル類(例えば1,2−ナフタレンジオール類、1,4−
ナフタレンジオール類、2,6−ナフタレンジオール
類)、又はアミノナフトール類(例えば1,2−アミノ
ナフトール類、1,4−アミノナフトール類、2,6−
アミノナフトール類)などが挙げられる。Tで表される
基のうち、次に示すものが好ましい。構造中、*1はC
pと、*2はTR1と結合する部位を示す。
【0231】
【化84】
【0232】R1は置換基を表し、R2,R3は水素原子
又は置換基を表し、rは0,1又は2を表し、rが2の
ときR1は同じでも互いに異なってもよく、又、R1同士
で縮合環を形成してもよい。pは0,1又は2を表す。
【0233】R1で表される置換基としては、例えばハ
ロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アニリノ基、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミ
ド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリール
基、カルボキシル基、スルホ基、シクロアルキル基、ア
ルカンスルホニル基、アリールスルホニル基又はアシル
基が挙げられ、これらは更に置換基を有するものを含
む。
【0234】R2及びR3で表される置換基としては、例
えばアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又は
アリール基が挙げられ、これらは更に置換基を有するも
のを含む。
【0235】Lは2価の連結基であり、現像液中の成
分、例えばヒドロキシイオンもしくはヒドロキシルアミ
ンなどの求核試薬により開裂する化学結合を含む。
【0236】このような化学結合としては、例えば、
【0237】
【化85】
【0238】が挙げられ、これらの化学結合は、TR1
と直接又はアルキレン基もしくは/及びフェニレン基を
介在して連結し、他方はYと直接結合する。
【0239】アルキレン基又はフェニレン基を介在して
TR1と連結する場合、この介在する2価基の部分に、
エーテル結合、アミド結合、カルボニル基、チオエーテ
ル結合、スルホ基、スルホンアミド結合及び尿素結合等
を含んでもよい。
【0240】W3は水素原子又は置換基を表す。置換基
としてはハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基又はア
ルキル基を表す。
【0241】Lで表される連結基としては、例えば次に
示す例が好ましい。構造中*3はTR1と、*4はYと
結合する部位を表す。
【0242】
【化86】
【0243】R4及びR5は各々、水素原子若しくは置換
基を有しても良いアルキル基、アリール基を表す。好ま
しくはR4は水素原子であり、R5は炭素数1〜4のアル
キル基である。
【0244】W1,W2及びW3′は水素原子又は置換基
を表す。dは0〜10、好ましくは0〜5の整数を表
す。
【0245】W1で表される置換基としては、ハロゲン
原子、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキル
基、アルカンアミド基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アルカンスルホンアミド基並びにアルキルカ
ルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、アリール
基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、アリールス
ルホンアミド基、スルファモイル基、イミド基等から選
ばれる。
【0246】W2で表される置換基としては、アルキル
基、アリール基又はアルケニル基等が挙げられ、W3
はW3と同義であり、同じ置換基が例示され、qは0〜
6の整数を表す。
【0247】Yで表される置換基の例としては、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケ
ニル基、アリール基又はヘテロ環基が挙げられ、又、更
に置換基を有するものを含む。
【0248】Yで表されるアルキル基、シクロアルキル
基又はアルケニル基は、詳しくは炭素数1〜10、好ま
しくは1〜5の直鎖、分岐鎖のアルキル基、アルケニル
基又はシクロアルキル基を表し、好ましくは置換基を有
するものであり、置換基としてはハロゲン原子、ニトロ
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のア
リールオキシ基、炭素数1〜4のアルカンスルホニル
基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、炭素数2
〜5のアルカンアミド基、アニリノ基、ベンズアミド
基、炭素数2〜6のアルキルカルバモイル基、カルバモ
イル基、炭素数7〜10のアリールカルバモイル基、炭
素数1〜4のアルキルスルホンアミド基、炭素数6〜1
0のアリールスルホンアミド基、炭素数1〜4のアルキ
ルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基、フタール
イミド基、スクシンイミド基、イミダゾリル基、1,
2,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾトリア
ゾリル基、フリル基、ベンゾチアゾリル基、炭素数1〜
4のアルキルアミノ基、炭素数2〜4のアルカノイル
基、ベンゾイル基、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ
基、ベンゾイルオキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロ
アルキル基、シアノ基、テトラゾリル基、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホ基、アミノ
基、炭素数1〜4のアルキルスルファモイル基、炭素数
6〜10のアリールスルファモイル基、モルホリノ基、
炭素数6〜10のアリール基、ピロリジニル基、ウレイ
ド基、オキシアミド基、炭素数2〜6のアルコキシカル
ボニル基、炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル
基、イミダゾリジニル基又は炭素数1〜6のアルキリデ
ンアミノ基などから選ばれる。
【0249】Yで表されるアリール基はフェニル基又は
ナフチル基等を表し、これらは更に置換基を有するもの
を含み、置換基としては前記アルキル基又はアルケニル
基のところで列挙した置換基又は炭素数1〜4のアルキ
ル基等から選ばれる。
【0250】Yで表されるヘテロ環基は、ジアゾリル基
(2−イミダゾリル基、4−ピラゾリル基など)、トリ
アゾリル基(1,2,4−トリアゾール−3−イル基な
ど)、チアゾリル基(2−ベンゾチアゾリル基など)、
オキサゾリル基(1,3−オキサゾール−2−イル基な
ど)、ピロリル基、ピリジル基、ジアジニル基(1,4
−ジアジン−2−イル基など)、トリアジニル基(1,
2,4−トリアジン−5−イル基など)、フリル基、ジ
アゾリニル基(イミダゾリン−2−イル基など)、ピロ
リニル基及びチエニル基等から選ばれる。
【0251】TR1は窒素原子で(T)m1に結合した単
環若しくは縮合環のトリアゾール基を表す(m1=0の
場合、TR1は直接Cpのカップリング位と結合す
る)。
【0252】TR1で表される基は、炭素原子上に置換
基を有していても良く、TR1として好ましくは、置換
基を有しても良い1,2,3−トリアゾリル基、1,
2,4−トリアゾリル基及びベンツトリアゾリル基が挙
げられる。
【0253】TR1がCp若しくはTに結合する際、T
1上の3個の窒素原子のうち任意の窒素原子で結合す
る事が出来、3種の異性体が存在する。一般式(D−
1)で示される失活型DIRカプラーをハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料に含有させる場合、それら3種の異性
体を各々単離精製して単独で用いても良く、またそれら
3種の異性体の混合物或いは、3種の異性体の何れか2
種の混合物として用いても良い。
【0254】一般式(D−1)に於て、TR1が置換基
を有しても良い1,2,3−トリアゾリル基、1,2,
4−トリアゾリル基である場合、Lで示される連結基中
にチオエーテル結合が含まれる事が好ましく、特にイオ
ウ原子が直接1,2,3−トリアゾリル基若しくは1,
2,4−トリアゾリル基の炭素原子上に置換したチオエ
ーテル結合が含まれる事が好ましい。
【0255】一般式(D−1)に於てCpがイエローカ
プラー残基若しくはマゼンタカプラー残基を表すとき、
m1は0である事が好ましい。(D−1)に於てCpが
シアンカプラー残基を表すとき、m1は1で有ることが
好ましく、その場合のTとしてはヘミアセタールの開裂
反応を利用する基である事が好ましい。
【0256】次に一般式(D−2)について説明する。
一般式(D−2)に於てCp及びTは各々、一般式(D
−1)のCp及びTと同義である。
【0257】TR2は窒素原子で(T)m2に結合した、
1,2,3−トリアゾリル基若しくは1,2,4−トリ
アゾリル基を表す(m2=0の場合、TR2は直接Cp
のカップリング位と結合する)。TR2で表される基
は、炭素原子上に置換基を有していても良い。
【0258】TR2がCp若しくはTに結合する際、T
2上の3個の窒素原子のうち任意の窒素原子で結合す
る事が出来、3種の異性体が存在する。一般式(D−
2)で示される失活型DIRカプラーをハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料に含有させる場合、それら3種の異性
体を各々単離精製して単独で用いても良く、またそれら
3種の異性体の混合物或いは、3種の異性体の何れか2
種の混合物として用いても良い。
【0259】Jで表されるアルキレン基は直鎖或いは分
岐の何れでも良く、環状であっても良い。またJで表さ
れるアルキレン基は置換基を有していても良い。
【0260】Jで表されるアルキレン基としては、Sと
COOR21の間に介在する炭素原子数が1〜6である場
合が好ましい。特に好ましくは炭素原子数1及び2の場
合である。
【0261】Jで表されるアルキ連基が直鎖状である場
合、R21としては無置換のアルキル基が好ましく、特に
炭素数6以上のアルキル基である事が好ましい。Jで表
されるアルキ連基が分岐状である場合、R21としては置
換アルキル基(特に好ましくはアラルキル基)、若しく
は置換アリール基(特に好ましくはo−位にアルキル基
の置換したフェニル基)が好ましい。
【0262】次に一般式(D−3)について説明する。
一般式(D−3)に於て、Ycはイエローカプラー残基
を表し、具体的には一般式(D−1)で例示したイエロ
ーカプラー残基が挙げられる。TR3は窒素原子で
(T)m3に結合した、1,2,3−トリアゾリル基若し
くは1,2,4−トリアゾリル基を表す(m3=0の場
合、TR3は直接Cpのカップリング位と結合する)。
TR3で表される基は、炭素原子上に置換基を有してい
ても良い。
【0263】TR3がCp若しくはTに結合する際、T
3上の3個の窒素原子のうち任意の窒素原子で結合す
る事が出来、3種の異性体が存在する。一般式(D−
3)で示される失活型DIRカプラーをハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料に含有させる場合、それら3種の異性
体を各々単離精製して単独で用いても良く、またそれら
3種の異性体の混合物或いは、3種の異性体の何れか2
種の混合物として用いても良い。
【0264】R31としては水素原子が好ましく、R32
しては無置換アルキル基(特にメチル基、エチル基)が
好ましい。
【0265】R33はベンゼン環上に置換可能な基を表
し、m3が2以上の場合R33で示される基は各々同じで
あっても異なっても良い。
【0266】(R33m3としてはm3個のR33のハメッ
トのσp値の合計が0.2以上0.7以下と成る様に選
択される事が好ましい。特に好ましくはm3が1であ
り、かつR33が塩素原子、臭素原子、アルコキシカルボ
ニル基の場合である。
【0267】次に一般式(D−4)について説明する。
一般式(D−4)に於て、Ar41,Ar42は各々置換基
を有しても良いアリール基、複素環基を表す。
【0268】Ar41,Ar42上の置換基としては、一般
式(D−4)で示される失活型DIRカプラーを耐拡散
化する目的で、いわゆるバラスト基と呼ばれる高分子量
の置換基がAr41若しくはAr42の両方或いは何れか一
方に、少なくとも一つ含まれている事が好ましい。バラ
スト基としては、総炭素数6以上30以下、好ましくは
10以上20以下の基が好ましい。
【0269】Ar41,Ar42としては置換基を有したフ
ェニル基が好ましい。フェニル基の置換基としては、オ
キシカルボニル基(例えばシクロヘキシルオキシカルボ
ニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカ
ルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリ
ールオキシカルボニル基、および2−ピリジルオキシカ
ルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカル
ボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバ
モイル基(例えば4−(2,4−ジ−t−アミルフェノ
キシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモ
イル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチルカルバ
モイル基等のアリールカルバモイル基)、スルファモイ
ル基(例えばジメチルスルファモイル基、4−(2,4
−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル
基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモ
イル基等のアリールスルファモイル基)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニル
スルホニル)フェノキシ基等)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキ
ルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリール
カルボニルアミノ基)及びハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子等)が好ましい。
【0270】Ar41,Ar42としては2位にハロゲン原
子、好ましくは塩素原子、或いはアルコキシ基、好まし
くはメトキシ基が置換したフェニル基が好ましく、かつ
それら2位の置換基を含め、置換基の炭素数の総和が6
以上と成る置換フェニル基が好ましい。
【0271】一般式(D−4)に於て、R41は水素原子
若しくは置換基を有しても良いアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
【0272】R42,R43は各々水素原子若しくは、置換
基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基を表す。R44は置
換基を有しても良いアルキル基若しくはアリール基を表
す。
【0273】R41は具体的には、水素原子若しくは置換
基を有しても良いアルキル(例えばメチル基、エチル
基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例
えばシクロプロピル基、シクロへキシル基等)、アリー
ル基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基
(例えばフリル基、ピリジル基等)が挙げられる。
【0274】R42、R43は具体的には、水素原子若しく
は置換基を有しても良いアルキル(例えばメチル基、エ
チル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル
基、シクロブチル基等)、アルケニル基(例えばビニル
基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(例えばエチ
ニル基、プロピニル基等)、アリール基(例えばフェニ
ル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基等)が挙げ
られる。
【0275】R44は具体的には、無置換のアルキル基
(例えばヘキシル基、オクチル基等)、置換アルキル基
(例えばベンジル基、1−へキシルオキシカルボニルエ
チル基、2−フェノキシエチル基等)、無置換アリール
基(例えばフェニル基等)、置換アリール基(例えば
2,6−ジメチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル
基等)が挙げられる。
【0276】一般式(D−4)に於て、R42,R43のう
ち何れか一方が置換基を有しても良いアルキル基である
事が好ましく、特に好ましくは一方が水素原子で他方が
炭素数4以下のアルキル基で有ることが好ましい。
【0277】次に一般式(D−5)について説明する。
一般式(D−5)に於て、R51は置換基を有しても良い
アルキル基(例えばメチル基、i−プロピル基、t−ブ
チル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基
(例えばシクロプロピル基、1−エチルシクロプロピル
基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えばフェニ
ル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基等)を表
す。R51としてはt−ブチル基、1−エチルシクロプロ
ピル基、フェニル基及びp−メトキシフェニル基が好ま
しい。
【0278】一般式(D−5)に於て、R52は置換基を
有しても良いアルキル基(例えばt−オクチル基、ドデ
シル基、テトラデシル基、2−へキシルデシル基等)、
シクロアルキル基(例えばシクロへキシル基、シクロド
デシル基等)、アリール基(例えばフェニル基、o−シ
クロへキシルフェニル基等)、アシル基(例えばオクタ
ノイル基、ドデカノイル基、トリフルオロアセチル基、
ピバロイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル
基、n−ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオ
キシカルボニル基(フェノキシカルボニル基、2,4−
ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチル
オキシカルボニル基等)を表す。R52で示される基の総
炭素数は8以上30以下が好ましく、10以上16以下
が特に好ましい。R52としては、総炭素数10〜16迄
の、置換基を有しても良いアルキル基が特に好ましい。
【0279】一般式(D−5)に於て、R53はベンゼン
環上に置換可能な基ならば何でも良く、m4は0、1、
2、3、4を表す。m4が2、3、4を表すときR53
各々同一であっても、異なっていても良い。m4は0、
1、2が好ましい。
【0280】R53としてはハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子等)、シアノ基、オキシカルボニル基(例
えばメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカル
ボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−
ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチル
オキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、
および2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニル
ピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキ
シカルボニル基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタ
ンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホ
ニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等
のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニ
ル基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のア
リールスルホニルアミノ基)、カルボニルアミノ基(例
えばアセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアル
キルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリー
ルカルボニルアミノ基)等が好ましい。R53としてはハ
ロゲン原子が特に好ましい。
【0281】R54は水素原子若しくは置換基を有しても
良いアルキル基(例えばメチル基、エチル基、トリフル
オロメチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプ
ロピル基、シクロへキシル基等)、アリール基(例えば
フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(例えばフリ
ル基、ピリジル基等)を表す。
【0282】R54としては水素原子及び、炭素数6以下
の置換基が好ましい。一般式(D−5)に於て、R55
水素原子若しくは、置換基を有しても良いアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)、シクロアルキル基
(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基等)、アル
ケニル基(例えばビニル基、イソプロペニル基等)、ア
ルキニル基(例えばエチニル基、プロピニル基等)、ア
リール基(例えばフェニル基、p−メトキシフェニル
基、ナフチル基等)を表す。
【0283】R55としては水素原子若しくは炭素数4以
下の置換基を有しても良いアルキル基が好ましい。
【0284】一般式(D−5)に於て、R56は置換基を
有しても良いアルキル基(例えばメチル基、エチル基
等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シ
クロブチル基等)、アルケニル基(例えばビニル基、イ
ソプロペニル基等)、アルキニル基(例えばエチニル
基、プロピニル基等)、アリール基(例えばフェニル
基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基等)を表す。
【0285】R56としては、炭素数4以下の置換基を有
しても良いアルキル基が好ましく、特にメチル基及びエ
チル基が好ましい。
【0286】R57は置換アルキル基(例えばベンジル
基、1−へキシルオキシカルボニルエチル基、2−フェ
ノキシエチル基等)若しくは置換アリール基(例えば
2,6−ジメチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル
基等)を表す。R57としては置換ベンジル基若しくは
2,6−ジ置換フェニル基が好ましく、特にp−クロロ
ベンジル基及び2,6−ジメチルフェニル基が好まし
い。
【0287】一般式(D−5)に於て、トリアゾール環
上に投げ込みで示されている結合は、トリアゾール環状
の3つの窒素原子の何れか一つと結合していることを示
す。
【0288】一般式(D−5)で示される失活型DIR
カプラーをハロゲン化銀カラー写真感光材料に含有させ
る場合、それら3種の異性体を各々単離精製して単独で
用いても良く、またそれら3種の異性体の混合物或い
は、3種の異性体の何れか2種の混合物として用いても
良い。
【0289】次に一般式(D−6)について説明する。
一般式(D−6)に於てCp及びTは各々、一般式(D
−1)のCp及びTと同義である。
【0290】R61,R62は各々水素原子若しくは脂肪族
基、芳香族基を表すが、R61が水素でありかつR62が水
素原子若しくは炭素数1〜5の脂肪族基である事が好ま
しい。R62としては水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基が特に好ましい。
【0291】Xはハメットのσp値が0.30以上の置
換基を表し、具体的にはオキシカルボニル基(例えばブ
トキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニ
ル基等)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基等)、カルボニル基(例
えばアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル
基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフ
ルオロベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、シ
アノ基等が挙げられる。Xで表される基のハメットのσ
p値は0.35以上0.7以下である事が好ましい。
【0292】以下に本発明の失活型DIRカプラーの具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0293】
【化87】
【0294】
【化88】
【0295】
【化89】
【0296】
【化90】
【0297】
【化91】
【0298】
【化92】
【0299】
【化93】
【0300】
【化94】
【0301】
【化95】
【0302】
【化96】
【0303】
【化97】
【0304】
【化98】
【0305】
【化99】
【0306】
【化100】
【0307】
【化101】
【0308】
【化102】
【0309】
【化103】
【0310】
【化104】
【0311】
【化105】
【0312】
【化106】
【0313】
【化107】
【0314】
【化108】
【0315】
【化109】
【0316】
【化110】
【0317】
【化111】
【0318】
【化112】
【0319】本発明に用いられる失活型DIRカプラー
は、例えば特開昭57−151944号、同58−20
5150号、同60−218644号、同60−221
750号、同60−233650号、同61−1174
3号等に記載された方法に従い合成することが出来る。
【0320】これらの失活型DIRカプラーは、感光材
料中の感光性乳剤層、または非感光性層のどちらに添加
しても良い。添加量は全塗布銀量の1×10-4モル%〜
1×10-1モル%の範囲が好ましい。
【0321】本発明の失活型DIRカプラーを感光材料
に添加する場合、アンチハレーション層、中間層、感光
性乳剤層、非感光性乳剤層、保護層など、いずれの層に
添加しても良く、また2層以上に添加しても良い。
【0322】前述したように、一般式(3)、(4)で
表される化合物と併用される増感色素は以下に述べるよ
うなメチン化合物である。
【0323】先ず、一般式(1)、および一般式(2)
で示される化合物について説明する。
【0324】一般式(1)中、Z11及びZ12が表す好ま
しい含窒素複素環核としては、チアゾール、ベンゾチア
ゾール、ナフトチアゾール、ジヒドロナフトチアゾー
ル、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナ
ゾール、ジヒドロナフトセレナゾール、オキサゾール、
ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンズイミ
ダゾール、ナフトイミダゾール、ピリジン、キノリン、
イミダゾ[4,5−b]キノキザリンまたは3、3ージ
アルキルインドレニン等の含窒素複素環核が挙げられ
る。より好ましい含窒素複素環核としては、ベンゾチア
ゾール、ナフトチアゾール、ジヒドロナフトチアゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、ジヒド
ロナフトセレナゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオ
キサゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール
等の含窒素複素環核を表す場合である。
【0325】前記のZ11及びZ12が表す含窒素複素環核
は置換基を一個以上有していてもよい。置換基としては
特に制限はないが、Z11及びZ12が表す含窒素複素環核
がベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール以外を表す
場合の好ましい置換基の例としては、低級アルキル基
(分岐していても更に置換基{例えば、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、アリー
ルチオ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシ
カルボニル基等}を有していてもよい。より好ましくは
総炭素数8以下のアルキル基。例えば、メチル基、エチ
ル基、ブチル基、クロロエチル基、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピル基、ヒドロキシ基、ベンジル基、
メトキシエチル基、エチルチオエチル基、エトキシカル
ボニルエチル基等が、挙げられる。)、低級アルコキシ
基(更に置換基を有していてもよく、置換基の例として
は前記アルキル基の置換基の例として挙げたものと同じ
置換基等が挙げられる。より好ましくは総炭素数8以下
のアルコキシ基で、例えばメトキシ基、エトキシ基、ペ
ンチルオキシ基、エトキシメトキシ基、メチルチオエト
キシ基、フェノキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ
基、クロロプロポキシ基等が挙げられる。)、ヒドロキ
シ基、ハロゲン原子、アリール基(例えば、フェニル
基、トリル基、アニシル基、クロロフェニル基等)、複
素環基(例えばチエニル基、フリル基、ピリジル基
等)、アリールオキシ基(例えば、トリルオキシ基、ア
ニシルオキシ基、フェノキシ基、クロロフェノキシ
基)、アリールチオ基(例えば、トリルチオ基、クロロ
フェニルチオ基、フェニルチオ基)、低級アルキルチオ
基(更に置換されていてもよく置換基の例としては、前
記低級アルキル基の置換基の例として挙げたもの等が挙
げられる。より好ましくは総炭素数8以下のアルキルチ
オ基で、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキ
シエチルチオ基、クロロエチルチオ基、ベンジルチオ基
等)、アシルアミノ基(より好ましくは総炭素数8以下
のアシルアミノ基、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイ
ルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスル
ホニルアミノ基等)、カルボキシ基、低級アルコキシカ
ルボニル基(より好ましくは総炭素数6以下のアルコキ
シカルボニル基、例えばエトキシカルボニル基、ブトキ
シカルボニル基等)、パーフルオロアルキル基(より好
ましくは総炭素数5以下のパーフルオロアルキル基、例
えばトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基等)及
びアシル基(より好ましくは総炭素数8以下のアシル
基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル
基、ベンゼンスルホニル基等)が挙げられる。
【0326】また、Z11及びZ12が表す含窒素複素環核
がベンズイミダゾール、ナフトイミダゾールを表す場合
の好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ
基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基(より
好ましくは総炭素数6以下のアルコキシカルボニル基、
例えばエトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基
等)、パーフルオロアルキル基(より好ましくは総炭素
数5以下のパーフルオロアルキル基、例えばトリフルオ
ロメチル基、ジフルオロメチル基等)及びアシル基(よ
り好ましくは総炭素数8以下のアシル基、例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、ベンゼンスルホ
ニル基等)が挙げられる。
【0327】Z11及びZ12が表す含窒素複素環核の具体
例としては、例えば、ベンゾチアゾール、5−メチルベ
ンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−エ
チルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾ
ール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベ
ンゾチアゾール、5−ブトキシベンゾチアゾール、5,
6−ジメトキシベンゾチアゾール、5−メトキシ−6−
メチルベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾー
ル、5−クロロ−6−メチルベンゾチアゾール、5−フ
ェニルベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチ
アゾール、6−プロピオニルアミノベンゾチアゾール、
5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6
−メチルベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベ
ンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾール、ナ
フト〔1,2−d〕チアゾール、ナフト〔2,1−d〕
チアゾール、5ーメチルナフト〔1,2−d〕チアゾー
ル、8−メトキシナフト〔1,2−d〕チアゾール、
8,9−ジヒドロナフトチアゾール、3,3−ジエチル
インドレニン、3,3−ジプロピルインドレニン、3,
3−ジメチルインドレニン、3,3,5−トリメチルイ
ンドレニン、ベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセ
レナゾール、6−メチルベンゾセレナゾール、5−メト
キシベンゾセレナゾール、6−メトキシベンゾセレナゾ
ール、5−クロロベンゾセレナゾール、5,6−ジメチ
ルベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾ
ール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾセレナゾー
ル、5,6−ジメトキシベンゾセレナゾール、5−エト
キシカルボニルベンゾセレナゾール、ナフト〔1,2−
d〕セレナゾール、ナフト〔2,1−d〕セレナゾー
ル、ベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサ
ゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5−フェニ
ルベンゾオキサゾール、5−フェネチルベンゾオキサゾ
ール、5−フェノキシベンゾオキサゾール、5−クロロ
ベンゾオキサゾール、5−クロロ−6−メチルベンゾオ
キサゾール、5−フェニルチオベンゾオキサゾール、6
−エトキシ−5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−
メトキシベンゾオキサゾール、ナフト〔1,2−d〕オ
キサゾール、ナフト〔2,1−d〕オキサゾール、ナフ
ト〔2,1−d〕オキサゾール、1−エチル−5−シア
ノベンズイミダゾール、1−エチル−5−クロロベンズ
イミダゾール、1−エチル−5,6−ジクロロベンズイ
ミダゾール、1−エチル−6−クロロ−5−シアノベン
ズイミダゾール、1−エチル−6−クロロ−5−トリフ
ルオロメチルベンズイミダゾール、1−エチル−6−フ
ルオロ−5−シアノベンズイミダゾール、1−プロピル
−5−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、1−ベ
ンジル−5−メチルスルホニルベンズイミダゾール、1
−アリル−5−クロロ−6−アセチルベンズイミダゾー
ル、1−エチルナフト〔1,2−d〕イミダゾール、1
−エチルナフト〔2,1−d〕イミダゾール、1−エチ
ル−6−クロロナフト〔2,1−d〕イミダゾール、2
−キノリン、4−キノリン、8−フルオロ−4−キノリ
ン、6−メチル−2−キノリン、6−ヒドロキシ−2−
キノリン、6−メトキシ−2−キノリン等が挙げられ
る。
【0328】一般式(1)中のR11及びR12はそれぞれ
主鎖中に酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含んで
もよく、二重結合あるいは三重結合を含んでも良い置換
あるいは無置換アルキル基を表す。好ましい置換基とし
ては前述のZ11及びZ12の置換基として挙げた置換基を
挙げることができるが、アニオン性の置換基は持たな
い。本発明で言うアニオン性の置換基とは、負電荷を有
した置換基であり、中性あるいは弱アルカリ性条件下で
解離しやすい原子団、特に水素原子を有する置換基であ
る。例えば、スルホ基(−SO3 -)、硫酸基(−OSO
3 -)、カルボキシル基(−CO2 -)、リン酸基(−PO
3 -)、アルキルスルフォニルカルバモイルアルキル基
(例えばメタンスルフォニルカルバモイルメチル基)、
アシルカルバモイルアルキル基(例えば、アセチルカル
バモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基
(例えば、アセチルスルファモイルメチル基)、アルキ
ルスルフォニルスルファモイルアルキル基(例えばメタ
ンスルフォニルスルファモイルメチル基)が挙げられ
る。
【0329】R11及びR12の具体例としては例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシ
ル基、オクタデシル基、ベンジル基、2−フェニルエチ
ル基、アリル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−フェノキ
シエチル基、2−(1−ナフトキシ)エチル基エトキシ
カルボニルメチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエ
チル基、2−フェノキシカルボニルプロピル基、2−ア
セチルエチル基、2−(ピロリジン−2−オン−1−イ
ル)エチル基、テトラヒドロフルフリル基などが挙げら
れる。
【0330】R11及びR12は、両方ともR13で表される
ことがより好ましい。R13において、R14で表す2価の
連結基は総炭素数10以下のアルキレン基がより好まし
く、主鎖中に酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含
んでもよく、二重結合あるいは三重結合を含んでも良
い。また分岐していても、さらに置換基を有していても
良いが、アニオン性の置換基(上記のアニオン性置換基
の例として挙げたものを挙げることができる。例えばス
ルホ基、カルボキシ基)はもたない。アルキレン基の好
ましい置換基としてはZ11及びZ12の好ましい置換基と
して挙げた置換基を挙げることができる。例えば、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルコキシ
基、炭素数8以下の置換されていてもよいアリール基
(例えば、フェニル基、トリル基等)、複素環基(例え
ば、フリル基、チエニル基等)、炭素数8以下の置換さ
れていてもよいアリールオキシ基(例えば、クロロフェ
ノキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基)、
炭素数8以下のアシル基(例えば、ベンゼンスルホニル
基、メタンスルホニル基、アセチル基、プロピオニル基
等)、炭素数6以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基
等)、シアノ基、炭素数6以下のアルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、炭素数8以下の
置換されていてもよいアリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ基、トリルチオ基等)、炭素数8以下の置換され
ていてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル
基、N−エチルカルバモイル基等)、アミノ基、アンモ
ニウム基、炭素数8以下のアシルアミノ基(例えば、ア
セチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基等)等が挙
げられる。置換基は、一個以上有していてもよい。
【0331】R14が表す基の具体例としては、例えばメ
チレン基、エチレン基、トリメチレン基、アリレン基、
テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン
基、メトキシエチレン基、エトキシエチレン基、エチレ
ンオキシ基、エチレンチオ基、フェネチレン基、2ート
リフルオロメチルエチレン基、2,2,3,3−テトラ
フルオロエチレン基、カルバモイルエチレン基、ヒドロ
キシエチレン基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチ
レン基等が挙げられる。好ましくはメチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチ
レン基、3−メチル−テトラメチレン基、エチレンオキ
シ基である。
【0332】Y11は好ましくは縮合五環以下のアリール
基、または複素芳香環基であり、さらに置換基を有して
いても良いが、アニオン性の置換基(上記のアニオン性
置換基の例として挙げたものを挙げることができる。例
えばスルホ基、カルボキシ基)は有さない。好ましいア
リール基はフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基
等であり、好ましい複素芳香環基はピリジニウム基、キ
ノリン基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基等で
ある。アリール基および複素芳香環基の好ましい置換基
としては前述のZ11及びZ12の置換基として挙げた置換
基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基等の炭素数6以下の低級アルキル基、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルコキシ基、
炭素数8以下の置換されていてもよいアリール基、複素
環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、炭素数8以
下の置換されていてもよいアリールオキシ基(例えば、
クロロフェノキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノ
キシ基)、炭素数8以下のアシル基(例えば、ベンゼン
スルホニル基、メタンスルホニル基、アセチル基、プロ
ピオニル基等)、炭素数6以下のアルコキシカルボニル
基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基等)、シアノ基、炭素数6以下のアルキルチオ基
(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、炭素数8
以下の置換されていてもよいアリールチオ基(例えば、
フェニルチオ基、トリルチオ基等)、炭素数8以下の置
換されていてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモ
イル基、N−エチルカルバモイル基等)、アミノ基、ア
ンモニウム基、炭素数8以下のアシルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基等)
等が挙げられる。置換基は、一個以上有していてもよ
い。
【0333】一般式(1)中のL11、L12、L13
14、L15、L16及びL17はそれぞれ独立にメチン基を
表す。L11〜L16で表されるメチン基は置換基を有して
いてもよく、置換基としては例えば置換もしくは無置換
の炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに
好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、2−カルボキシルエチル基)、置換もし
くは無置換の炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜1
5、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例
えばフェニル基、o−カルボキシフェニル基)、置換も
しくは無置換の炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜
15、さらに好ましくは炭素数6〜10の複素環基(例
えばN,N−ジエチルバルビツール酸基)、ハロゲン原
子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)、炭素数1〜
15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭
素数1〜5のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキ
シ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、
さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基(例え
ばメチルチオ基、エチルチオ基)、炭素数6〜20、好
ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜
10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、炭素
数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好まし
くは炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニル
チオ基)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数2〜1
0、さらに好ましくは炭素数4〜10のアミノ基(例え
ば、N,N−ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フ
ェニルアミノ基、N−メチルピペラジノ基)などが挙げ
られる。また他のメチン基と環を形成してもよく、ある
いは助色団環を形成することもできる。
【0334】X11は色素のイオン電荷を中性にするため
に必要な電荷均衡イオンを表す。典型的な陽イオンとし
ては水素イオン(H+)、アルカリ金属イオン(例えば
ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオ
ン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオ
ン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば
アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオ
ン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン)
などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオ
ンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロ
ゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ
素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp
−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスル
ホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば
1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタ
レンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホ
ン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸
イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸
イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオ
ン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン
が挙げられる。好ましくは陰イオンである。さらに、イ
オン性ポリマーまたは色素と逆電荷を有する他の色素を
用いても良い。以下に具体的な色素の例示す。
【0335】
【化113】
【0336】
【化114】
【0337】
【化115】
【0338】
【化116】
【0339】
【化117】
【0340】
【化118】
【0341】
【化119】
【0342】
【化120】
【0343】
【化121】
【0344】
【化122】
【0345】
【化123】
【0346】一般式(2)中Z21及びZ22は、同一でも
異なっていてもよく、5員または6員の含窒素複素環核
形成原子群を表し、好ましい含窒素複素環としてはZ11
及びZ12の形成する好ましい含窒素複素環として挙げた
含窒素複素環を挙げることができる。またZ21及びZ22
が表す含窒素複素環核は置換基を一個以上有していても
よく、好ましい置換基の例としては、前述のZ11および
12が有していてもよい、好ましい置換基として挙げた
置換基が挙げられる。Z21及びZ22が表す含窒素複素環
核の具体例としては、前記のZ11およびZ12が表す含窒
素複素環核の具体例として挙げたものを挙げることがで
きる。
【0347】R21およびR22はアルキル基を表す。ただ
しR21及びR22はいずれも少なくとも1つのアニオン性
の置換基(上記のアニオン性置換基の例として挙げたも
のを挙げることができる。例えばスルホ基、カルボキシ
基)を有することが必須である。好ましいアルキル基と
しては一般式(1)中のR11及びR12の好ましいアルキ
ル基と同じアルキル基を挙げることができる。R21およ
びR22の少なくとも一方はR23で表され、さらにR21
よびR22のいずれもR23で表されることがより好まし
い。R23においてR24は単に結合を表すか、または2価
の連結基であり、好ましい連結基としてはアニオン性の
置換基(上記のアニオン性置換基の例として挙げたもの
を挙げることができる。例えばスルホ基、カルボキシ
基)を有していてもよいこと以外はR14の好ましい連結
基として挙げた連結基と同じ連結基を挙げることができ
る。
【0348】Y21はアリール基、または複素芳香環基で
あり、好ましいアリール基、複素環基としてはアニオン
性の置換基(上記のアニオン性置換基の例として挙げた
ものを挙げることができる。例えばスルホ基、カルボキ
シ基)を有していてもよいこと以外はY11の好ましいア
リール基、複素環基として挙げたアリール基、複素環基
を挙げることができる。
【0349】R23においてはアニオン性の置換基の置換
位置はR24でもY21でもよく、あるいは両方に置換され
ていてもよい。またR24あるいはY21のどちらか一方に
複数のアニオン性置換基を有していても良い。
【0350】L21、L22、L23、L24、L25、L26及び
27はそれぞれ独立にメチン基を表す。L21〜L26は置
換基を有していてもよく、好ましい置換基としては前述
のL 11〜L16の好ましい置換基として挙げた置換基を挙
げることができる。また他のメチン基と環を形成しても
よく、あるいは助色団環を形成することもできる。X 21
は色素のイオン電荷を中性にするために必要な電荷均衡
イオンを表す。電荷均衡イオンとしてはX11の例として
挙げたものを用いることができるが、好ましくは陽イオ
ンである。m21は分子の電荷を中和するのに必要な0
以上8以下の数を表す。以下に具体的な色素の例を示
す。
【0351】
【化124】
【0352】
【化125】
【0353】
【化126】
【0354】
【化127】
【0355】
【化128】
【0356】
【化129】
【0357】
【化130】
【0358】
【化131】
【0359】
【化132】
【0360】
【化133】
【0361】
【化134】
【0362】
【化135】
【0363】本特許において構造を特に限定していない
増感色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン
色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素などを
用いることができる。特に有用な色素はシアニン色素で
ある。
【0364】これらの色素類には、塩基性異節環核とし
てシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用
できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チア
ゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、イミグゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核など、これらの核に脂環式炭化水素環が
融合した核、およびこれらの核に芳香族炭化水素環が融
合した核、すなわち、インドレニン核、ベンズインドレ
ニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフト
オキサゾール核、ベンズチアゾール核、ナフトチアゾー
ル核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、
キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上
に置換されていてもよい。
【0365】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてビラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核、2−チ
オセレナゾリン−2,4−ジオン核などの5〜6員異節
環核を適用することができる。
【0366】例えばリサーチ・ディスクロージャー17
643、第23頁IV項(1978年12月)に記載され
た化合物または引用された文献に記載された化合物を用
いることができる。より具体的には以下の化合物(色
素)を用いることができる。 a:5,5′−ジクロロ−3,3′−ジエチルチアシア
ニン臭化物、 b:5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ(4−スルホブ
チル)−チアシアニンNa塩、 c:5−メトキシ−4,5−ベンゾ−3,3′−ジ(3
−スルホプロピル)チアシアニンNa塩、 d:5,5′−ジクロロ−3,3′−ジエチルセレナシ
アニン沃化物、 e:5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ
(3−スルホプロピル)チアカルボシアニンピリジニウ
ム塩、 f:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル−3
−(4−スルホブチル)−3′−エチル水酸化物、 g:1,1−ジエチル−2,2′−シアニン臭化物、 h:1,1−ジペンチル−2,2′−シアニン過塩素
酸、 i:9−メチル−3,3′−ジ(4−スルホブチル)−
チアカルボシアニンピリジニウム塩、 j:5,5′−ジフェニル−9−エチル−3,3′−ジ
(2−スルホエチル)−オキサカルボシアニンNa塩、 k:5−クロロ−5′−フェニル−9−エチル−3−
(3−スルホプロピル)−3′−(2−スルホエチル)
オキサカルボシアニンNa塩、 l:5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ
(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンNa塩、 m:5,5′−ジクロロ−6,6′−ジクロロ.−1,
1′−ジエチル−3,3′−ジ(3−スルホプロピル)
イミダカルボシアニンNa塩、 n:5,5′−ジフェニル−9−エチル−3,3′−ジ
(3−スルホプロピル)チアカルボシアニンNa塩。
【0367】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀写真乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳
剤中に分散してもよいし、或いは水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、アセトン、メチルセロソルブ、
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,
2,2−トリフルオロエタノール、3−メトキシ−1−
プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メ
トキシ−2−プロパノール、アセトニトリル、テトラヒ
ドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の
単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよ
い。また、米国特許第3,469,987号明細書等に
記載のごとき、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶
液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物を
乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185号等に
記載のごとき、水不溶性色素を溶解することなしに水溶
性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方
法、特公昭44−23389号、特公昭44−2755
5号、特公昭57−22091号等に記載されているご
とき、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加した
り、酸または塩基を共存させて水溶液とし乳剤中へ添加
する方法、米国特許第3,822,135号、米国特許
第4,006,025号明細書等に記載のごとき、界面
活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物とし
たものを乳剤中へ添加する方法、特開昭53−1027
33号、特開昭58−105141号に記載のごとき、
親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を
乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74624号に記
載のごとき、レッドシフトさせる化合物を用いて色素を
溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法等を用いる事も
出来る。また、溶解に超音波を使用することも出来る。
【0368】本発明に用いられる一般式(1)及び一般
式(2)で表される増感色素は、例えば、特開昭52−
104917号、特公昭43−25652号、特公昭5
7−22368号等の明細書や、F.M.Hamer,
The Chemistryof Heterocyc
lic Compounds,Vol.18,The
Cyanine Dyes and Related
Compounds,A.Weissberger e
d.,Interscience,NewYork,1
964.、D.M.Sturmer.The Chem
istryof HeterocyclicCompo
unds,Vol.30,A.Weissberger
and E.C.Taylor ed.,John
Willy,New York,p.441.等を参照
すれば合成できる。
【0369】本発明において使用する増感色素の総添加
量のうちの30%以上がアニオン性のシアニン色素であ
り、かつ30%以上がカチオン性のシアニン色素である
ことが好ましい。色素の添加は数種の色素をあらかじめ
混合して乳剤に添加してもよいが、カチオン性のシアニ
ン色素とアニオン性のシアニン色素は分割して添加する
ことが好ましい。また好ましくはカチオン性のシアニン
色素を先に添加することであり、より好ましくは一般式
(1)で表されるカチオン色素を飽和被覆量の80%以
上に相当する量を添加した後、アニオン性のシアニン色
素を添加することであり、特に好ましくは一般式1で表
されるカチオン色素を飽和被覆量の80%以上に相当す
る量を添加した後、一般式(2)で表されるアニオン色
素を飽和被覆量の50%以上に相当する量を添加するこ
とである。
【0370】色素を分割して添加する場合には、後から
添加する色素のゼラチン乾膜中での蛍光収率は好ましく
は0.5以上であり、さらに0.8以上であることが好
ましい。また後から添加する色素の還元電位が先に添加
する色素の還元電位と等しいかあるいは卑であることが
好ましく、さらに0.03V以上卑であることがより好
ましい。また後から添加する酸化電位が先に添加する色
素の酸化電位より0.01V以上卑であることが好まし
く、さらに0.03V以上卑であることがより好まし
い。
【0371】色素の添加はハロゲン化銀乳剤調製時のい
かなる時期に添加してもよい。色素の添加温度は何度で
もよいが、色素添加時の乳剤温度は好ましくは10℃以
上75℃以下、特に好ましくは30℃以上65℃以下で
ある。本発明で用いられる乳剤は未化学増感でもよい
が、化学増感してあることが好ましい。色素の全添加量
が化学増感前に添加されてもよいし、化学増感後に添加
されてもよいが、好ましくは添加色素の一部を添加した
後に化学増感を行い、その後残りの色素を添加すること
でより最適に化学増感が可能となる。
【0372】化学増感方法としては、いわゆる金化合物
による金増感法(例えば、米国特許第2,448,06
0号、同第3,320,069号)またはイリジウム、
白金、ロジウム、パラジウム等の金属による増感法(例
えば、米国特許第2,448,060号、同第2,56
6,245号、同第2,566,263号)、或いは含
硫黄化合物を用いる硫黄増感法(例えば、米国特許第
2,222,264号)、セレン化合物を用いるセレン
増感法、或いは、錫塩類、二酸化チオ尿素、ポリアミン
等による還元増感法(例えば、米国特許第2,487,
850号、同第2,518,698号、同第2,52
1,925号)、或いはこれらの二つ以上の組み合わせ
を用いる事ができる。本発明のハロゲン化銀写真乳剤
は、金増感または硫黄増感、或いはこれらの併用がより
好ましい。好ましい金増感剤及び硫黄増感剤の添加量
は、各々銀1モル当たり1×10-7〜1×10-2モルで
あり、より好ましくは5×10-6〜1×10-3である。
金増感と硫黄増感の併用の場合の金増感剤と硫黄増感剤
の好ましい比率はモル比で1:3〜3:1であり、より
好ましくは1:2〜2:1である。
【0373】次に、一般式(5)で表される化合物につ
いて説明する。一般式(5)で表される化合物のうちで
は、一般式(5−2)、一般式(5−4)で表されるも
のが好ましい。又、一般式(5−3)で表される化合物
も好ましい。
【0374】
【化136】
【0375】
【化137】
【0376】
【化138】
【0377】
【化139】
【0378】一般式(5)、(5−3)、(5−4)に
おいてZ1、Z2、Z3、Z5、Z7及びZ9で表される5員
又は6員の含窒素複素環としてはイミダゾール核、ベン
ゾイミダゾール核、イミダゾリン核、オキサジアゾール
核、チアジアゾール核、ピリミジン核、キナゾリン核を
挙げることが出来る。好ましくはイミダゾール核、ベン
ゾイミダゾール核、及びイミダゾリン核であり、更に好
ましくはイミダゾール核及びベンゾイミダゾール核であ
り、特に好ましくはベンゾイミダゾール核である。
【0379】一般式(5−3)及び一般式(5−4)に
おいて、Z4、Z6、Z8及びZ10で表される5員又は6
員の含窒素複素環としてはチアゾリン核、チアゾール
核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾー
ル核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナ
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、3,3−ジアルキル
インドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニ
ン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダ
ゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノ
リン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イ
ソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン
核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾ
ール核、ピリミジン核を挙げることが出来る。好ましく
はベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾ
イミダゾール核、及びキノリン核であり、更に好ましく
は、ベンズオキサゾール核、及びベンズイミダゾール核
である。
【0380】Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7
8、Z9及びZ10上の置換基をVとすると、Vで示され
る置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(例
えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シア
ノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキ
シ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、さら
に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカ
ルボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜
8、さらに好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイ
ル、ピペリジノスルホニル)、ニトロ基、炭素数1〜2
0、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素
数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、
2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素
数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好まし
くは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノ
キシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、
ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜
12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例え
ばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素
数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好まし
くは炭素数2〜8ノアシルオキシ基(例えばアセチルオ
キシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましく
は炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のア
シルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜2
0、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素
数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エ
タンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、炭素数1
〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは
炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィ
ニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ま
しくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8
のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミ
ノ、エタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミ
ノなど)、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素
数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換アミ
ノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジル
アミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ)、炭素数0〜1
5、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素
数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニ
ウム基、トリエチルアンモニウム基)、炭素数0〜1
5、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素
数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ
基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜1
5、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素
数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジ
メチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素
数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のイミド基
(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好まし
くは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の
アルキルチオ、又はアリールチオ基(例えば2−ピリジ
ルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜1
2、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボ
ニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好
ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜
8のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノシキカル
ボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜1
0、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素
数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好まし
くは炭素数1〜5の置換アルキル基(ヒドロキシメチ
ル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチ
ル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチ
ル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3
〜10、さらに好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水
素基(例えばビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセ
ニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アル
キル基に含まれることにする。)、炭素数6〜20、好
ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜
10の置換または無置換のアリール基(例えばフェニ
ル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフ
ェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニ
ル、m−フルオロフェニル、p−トリル)、炭素数1〜
20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭
素数4〜6の置換されても良いヘテロ環基(例えばピリ
ジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホ
リノ、テトラヒドロフルフリル)が挙げられる。また、
ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造をとることも
できる。さらに、これらの置換基上にさらにVが置換し
ていても良い。置換基として好ましいものは上述のアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ベ
ンゼン環縮合であり、さらに好ましくはメチル基、フェ
ニル基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、沃素原子、
及びベンゼン環縮合である。
【0381】一般式(5)、一般式(5−2)、一般式
(5−3)、及び一般式(5−4)中のR1、R2
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10はそれぞ
れアルキル基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8、R9及びR10で表されるアルキル基としては
例えば、炭素数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ま
しくは1〜4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、炭素
数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4
の置換アルキル基が挙げられ、置換基としては前述の置
換基Vの説明で記載したものなどが挙げられる。好まし
くは、非解離性基(後述の解離性基で示した置換基以外
の置換基)が置換したアルキル基{ハロゲン化アルキル
基(置換基として例えばクロロ、ブロモ、フルオロ、ヨ
ード)、アラルキル基(例えば、ベンジル、2−フェニ
ルエチル)、不飽和炭化水素基(例えば、アリル、クロ
チル)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキ
シエチル、3−ヒドロキシプロピル)、アルコキシアル
キル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メト
キシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例
えば、2−フェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)
エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えば、
エトキシカルボニルエチル、2−ベンジルオキシカルボ
ニルエチル)、アリールオキシカルボニルアルキル基
(3−フェノキシカルボニルプロピル、2−(1−ナフ
トキシカルボニル)エチル)、アシルオキシアルキル基
(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキ
ル基(2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基
(例えば、2−モルホリノカルボニルエチル)、スルフ
ァモイルアルキル基(例えば、N,N−ジメチルスルフ
ァモイルメチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2
−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル)などが
挙げられる。}である。
【0382】解離性基(解離性基とはプロトン解離性基
すなわち酸性基をあらわし、以下に示した置換基がこれ
に当たる。)で置換されたアルキル基{解離性基で置換
されたアルキル基としては、炭素数1〜18、好ましく
は1〜7、特に好ましくは1〜5のカルボキシアルキル
基(例えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプ
ロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチルであ
り、これらは更に置換されていても良い。置換基として
はVの説明で記載したものなどが挙げられる。)、炭素
数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4
のカルボキシアルケニル基(例えば、カルボキシアリル
であり、これらは更に置換されていても良い。置換基と
してはVの説明で記載したものなどが挙げられる。)、
炭素数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1
〜4のスルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、
3−スルホプロピル、4−スルホブチル、2−〔3−ス
ルホプロポキシ〕エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホ
プロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチルであ
り、これらは更に置換されていても良い。置換基として
はVの説明で記載したものなどが挙げられる。)、炭素
数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4
のスルホアルケニル基(例えば、スルホアリルであり、
これらは更に置換されていても良い。置換基としてはV
の説明で記載したものなどが挙げられる。)、炭素数1
〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4のス
ルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル、
3−スルファトプロピル、4−スルファトブチルであ
り、これらは更に置換されていても良い。置換基として
はVの説明で記載したものなどが挙げられる。)、炭素
数1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4
のホスホノアルキル基(例えば、2−ホスホノエチル、
3−ホスホノプロピル、4−ホスホノブチルであり、こ
れらは更に置換されていても良い。置換基としてはVの
説明で記載したものなどが挙げられる。)、アルキルス
ルフォニルカルバモイルアルキル基(例えば、メタンス
ルフォニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイ
ルアルキル基(例えば、アセチルカルバモイルメチル
基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば、アセ
チルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォニル
スルファモイルアルキル基(例えば、メタンスルフォニ
ルスルファモイルメチル基)があげられる。}が挙げら
れる。
【0383】一般式(5)及び一般式(5−2)におい
て、R1とR2のうち少なくとも一方は上述の解離性基で
置換されたアルキル基を表す。R1とR2がともに解離性
基で置換されたアルキル基でも良いが、R1とR2のうち
一方は上述の解離性基で置換されたアルキル基で、他方
が解離性基で置換されていないアルキル基すなわち上述
の無置換アルキル基または非解離性基が置換したアルキ
ル基であることが好ましい。
【0384】一般式(5−3)において、R4とR6のう
ち少なくとも一方は上述の解離性基で置換されたアルキ
ル基を表す。R4とR6が共に解離性基で置換されたアル
キル基でも良いが、R4とR6のうち一方は上述の解離性
基で置換されたアルキル基で、他方が解離性基で置換さ
れていないアルキル基すなわち上述の無置換アルキル基
または非解離性基が置換したアルキル基であることが好
ましい。
【0385】一般式(5−4)において、R7とR9のう
ち少なくとも一方は上述の解離性基で置換されたアルキ
ル基を表す。R7とR9が共に解離性基で置換されたアル
キル基でも良いが、R7とR9の一方は上述の解離性基で
置換されたアルキル基で、それぞれの他方が解離性基で
置換されていないアルキル基すなわち上述の無置換アル
キル基または非解離性基が置換したアルキル基であるこ
とが好ましい。
【0386】解離性基が置換したアルキル基としてより
好ましくは、炭素数1〜5のカルボキシアルキル基(例
えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピ
ル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル)、炭素
数1〜4のスルホアルキル基(例えば、2−スルホエチ
ル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル)、炭素数
1〜4のスルホアルケニル基(例えば、スルホアリ
ル)、アルキルスルフォニルカルバモイルアルキル基
(例えば、メタンスルフォニルカルバモイルメチル基)
であり、特に好ましくは、炭素数1〜4のスルホアルキ
ル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピ
ル、4−スルホブチル)である。
【0387】解離性基が置換していないアルキル基とし
て好ましくは炭素数1〜18の無置換アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オク
タデシル)、非解離性基が置換したアルキル基{アラル
キル基(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル)、不
飽和炭化水素基(例えば、アリル、クロチル)、アルコ
キシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−
(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアル
キル基(例えば、2−フェノキシエチル、2−(1−ナ
フトキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基
(例えば、エトキシカルボニルエチル、2−ベンジロキ
シカルボニルエチル)、アリールオキシカルボニルアル
キル基(3−フェノキシカルボニルプロピル、2−(1
−ナフトキシカルボニル)エチル)、アシルオキシアル
キル基(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシル
アルキル基(2−アセチルエチル)であり、更に好まし
くは炭素数1〜18の無置換アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシ
ル)、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチルである。
【0388】一般式(5−3)、及び一般式(5−4)
において、R3とR5、及びR8とR1 0は無置換アルキル
基でも非解離性基が置換したアルキル基でも解離性基が
置換したアルキル基でもいずれでもかまわないが、好ま
しくは炭素数1〜18の無置換アルキル基、アラルキル
基、不飽和炭化水素基、アルコキシアルキル基、アリー
ルオキシアルキル基、炭素数1〜5のカルボキシアルキ
ル基(例えば、2−カルボキシエチル、3−カルボキシ
プロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチ
ル)、炭素数1〜4のスルホアルキル基(例えば、2−
スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチ
ル)、炭素数1〜4のスルホアルケニル基(例えば、ス
ルホアリル)、アルキルスルフォニルカルバモイルアル
キル基(例えば、メタンスルフォニルカルバモイルメチ
ル基)であり、更に好ましくは炭素数1〜18の無置換
アルキル基、炭素数1〜5のカルボキシアルキル基、炭
素数1〜4のスルホアルキル基、炭素数1〜4のスルホ
アルケニル基、特に好ましくは、炭素数1〜4のスルホ
アルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプ
ロピル、4−スルホブチル)である。
【0389】Lは2価の連結基を表す。此の連結基は、
炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少な
くとも1種を含む原子又は原子団からなる。好ましく
は、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基(例えば、
エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルエチレ
ン、2−メチルプロピレンなどであり、置換されていて
もよい。置換基としてはVの説明で記載したものなどが
挙げられる。アルキレン基の間にヘテロ原子(例えば、
酸素原子、硫黄原子、窒素原子)、アリール基(例え
ば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4
−フェニレン、1,2−ナフチレン)、複素環(例え
ば、2,3−ピリジレン)などが存在していてもよ
い。)、炭素数1〜20のアルケニレン基(例えば、
1,2−エテニレン、1−メチル−1,2−エテニレ
ン、1,2−ジメチル−1、2−エテニレン、1,3−
(1−プロペニレン)、1,4−(2−ブテニレン)な
どであり、置換されていてもよい。置換基としてはVの
説明で記載したものなどが挙げられる。)、炭素数1〜
20のアルキニレン基(例えば、エチニレン、プロピニ
レンなどであり、置換されていてもよい。置換基として
はVの説明で記載したものなどが挙げられる。)などが
挙げられる。Lとして更に好ましくは、アルキレン基及
びアルケニレン基であり、特に好ましくは炭素数1〜1
0の無置換アルキレン基である。
【0390】V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7及び
8はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、置換基とし
てはVの説明で記載したものなどが挙げられる。好まし
くは水素原子、ハロゲン原子(特に好ましくはクロロ、
ブロモ基)、アルキル基、シアノ基、アシル基、アミノ
基などであり、特に好ましくは水素原子、ハロゲン原
子、メチル基、エチル基である。
【0391】L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7
8、L9、L10、L11、L12、L13、L14、L15
16、L17、L18、L19及びL20はそれぞれ独立にメチ
ン基を表す。L1〜L20で表されるメチン基は置換基を
有していてもよく、置換基としては例えば置換もしくは
無置換の炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、
さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(例えばメ
チル、エチル、2−カルボキシエチル)、置換もしくは
無置換の炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、
さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば
フェニル、o−カルボキシフェニル)、置換もしくは無
置換の炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜15、さ
らに好ましくは炭素数6〜10の複素環基(例えばN,
N−ジエチルバルビツール酸基)、ハロゲン原子(例え
ば塩素、臭素、フッ素、沃素)、炭素数1〜15、好ま
しくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5
のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素数
1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましく
は炭素数1〜5のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、
エチルチオ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜
15、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールチオ
基(例えばフェニルチオ)、炭素数0〜15、好ましく
は炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜10の
アミノ基(例えば、N,N−ジフェニルアミノ、N−メ
チル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジノ)な
どが挙げられる。また他のメチン基と環を形成してもよ
く、あるいは助色団の環を形成することもできる。
【0392】n1、n2、n3及びn4として好ましく
は0、1、2、3である。さらに好ましくは0、1であ
り、特に好ましくは1である。n1、n2、n3及びn
4が2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一である
必要はない。
【0393】M1、M2、及びM3は色素のイオン電荷を
中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオ
ンの存在を示すために式の中に含められている。典型的
な陽イオンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金属
イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リ
チウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカル
シウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオ
ン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアン
モニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニ
ウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオン
は無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであって
もよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素
イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオ
ン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロル
ベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イ
オン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,
5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレ
ンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば
メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオ
ン、過酸塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、
ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンス
ルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマ
ー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。
m1、m2及びm3は電荷を均衡させるのに必要な数を
表し、分子内で塩を形成する場合に0である。p1、p
2、p3、及びp4はそれぞれ独立に0または1を表
す。好ましくは0である。
【0394】Q1及びQ2におけるメチン基の数は、好ま
しくは0〜7、更に好ましくは0〜5、特に好ましくは
3である。メチン基にはメチン色素を形成するのに必要
な置換基(複素環基、脂肪族基、または芳香族基)が置
換することが好ましく、好ましい置換基としては複素環
基または芳香族基が挙げられ、特に好ましくは複素環基
である。複素環基としては前述のZ4及びZ6の例として
挙げたものが好ましい。芳香族基としては置換又は無置
換の芳香族基(例えば、4−ジメチルアミノフェニル
基、4−メトキシフェニル基、フェニル基、4−ジメチ
ルアミノナフチル基)などが挙げられる。脂肪族基とし
ては、アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボ
ニル基)、アシル基(例えばアセチル基)、が好まし
い。また、その他前述のVで示した置換基などが挙げら
れ、例えば、置換又は無置換のアミノ基(例えば、アミ
ノ基、ジメチルアミノ基)、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基(例えばエトキシカルボニル)、置換又は無置
換のアルキルスルフォニル基(例えばメチルスルフォニ
ル基)、置換又は無置換のアシル基(例えばアセチル
基)が好ましい。
【0395】以下に本発明に用いられる一般式(5)
(一般式(5−2)と(5−4)を含む)の具体例を示
すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0396】
【化140】
【0397】
【化141】
【0398】
【化142】
【0399】
【化143】
【0400】
【化144】
【0401】
【化145】
【0402】
【化146】
【0403】
【化147】
【0404】
【化148】
【0405】
【化149】
【0406】
【化150】
【0407】
【化151】
【0408】
【化152】
【0409】以下に本発明に用いられる一般式(5−
3)の具体例を示すが、これにより本発明が制限される
わけではない。まず、一般式(5)の具体例として挙げ
た化合物(1)〜(7)、(9)〜(14)、(1
6)、(17)、(19)、(22)、(24)、(2
6)、(27)、(29)、(33)、(34)は一般
式(5−3)が表す化合物に含まれる。また、このほか
に以下に挙げる化合物などが挙げられる。
【0410】
【化153】
【0411】
【化154】
【0412】
【化155】
【0413】
【化156】
【0414】
【化157】
【0415】
【化158】
【0416】
【化159】
【0417】本発明に用いられる一般式(5)(一般式
(5−2)と(5−4)を含む)及び一般式(5−3)
で表される化合物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.
Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
−シアニンダイズ・アンド・リレイテイド・コンパウン
ズ(Heterocyclic Compounds−
Cyanine Dyes and Related
Compounds)」、ジョン・ウイリー・アンド・
サンズ(John Wiley&Sons)社−ニュー
ヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スター
マー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリッ
ク・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘ
テロサイクリック・ケミストリー(Heterocyc
licCompouds−Special Topic
s in Heterocyclic Chemist
ry)」、第18章、第14節、482〜515頁、ジ
ョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wile
y&Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1977
年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コン
パウンズ(Rodd′s Chemistry of
Carbon Compouds)」第2版、ボリュー
ムIV、パートB、第15章、369〜422頁エルセビ
ア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(E
lsevier Science Publishin
g Company Inc.)社−ニューヨーク、1
977年刊などに記載の方法を参考にして合成すること
が出来る。
【0418】本発明に用いられる一般式(5)及び一般
式(5−3)で表されるメチン化合物(以下、本発明使
用のメチン化合物)は単独又は他の増感色素と組合せて
ハロゲン化銀写真感光材料に用いることができる。
【0419】本発明使用のメチン化合物(又、その他の
増感色素についても同様)を本発明のハロゲン化銀乳剤
中に添加する時期は、これまで有用である事が認められ
ている乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例え
ば、米国特許第2,735,766号、同第3,62
8,960号、同第4,183,756号、同第4,2
25,666号、特開昭58−184142号、同60
−196749号等に開示されているように、ハロゲン
化銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工
程中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時
期、特開昭58−113920号等に開示されているよ
うに、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後
塗布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、
工程に於いて添加されても良い。また、米国特許第4,
225,666号、特開昭58−7629号等に開示さ
れているように、同一化合物を単独で、または異種構造
の化合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化
学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学
熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割
して添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合
物の組み合わせの種類をも変えて添加されても良い。
【0420】本発明使用のメチン化合物の添加量として
は、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、
ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6〜8×10-3
ルで用いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サ
イズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1
モル当たり、2×10-6〜3.5×10-3モルの添加量
が好ましく、7.5×10-6〜1.5×10-3モルの添
加量がより好ましい。
【0421】本発明使用のメチン化合物は、直接乳剤中
へ分散することができる。また、これらはまず適当な溶
媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチ
ルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれら
の混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添
加することもできる。この際、塩基や酸、界面活性剤な
どの添加物を共存させることもできる。また、溶解に超
音波を使用することもできる。また、このメチン化合物
の添加方法としては米国特許第3,469,987号な
どに記載のごとき、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解
し、該溶液を親水性コロイド中に分散し、この分散物を
乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185号など
に記載のごとき、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,13
5号に記載のごとき、界面活性剤にメチン化合物を溶解
し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74
624号に記載のごとき、レッドシフトさせる化合物を
用いて溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭
50−80826号に記載のごとき、メチン化合物を実
質的に水を含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加
する方法などが用いられる。その他、乳剤中への添加に
は米国特許第2,912,343号、同第3,342,
605号、同第2,996,287号、同第3,42
9,835号などに記載の方法も用いられる。
【0422】また、本発明使用のメチン化合物は、鮮鋭
度、色分解能向上などの目的のための種々のフィルター
染料、イラジェーション防止染料またはアンチハレーシ
ョン用染料等として用いることができる。このメチン化
合物は慣用の方法でハロゲン化銀写真感光材料層、フィ
ルター層および/またはハレーション防止層などの塗布
液に含有させることができる。染料の使用量は写真層を
着色させるに充分な量でよく、当業者は容易にこの量を
使用目的に応じて適宜選定できる。一般には、光学濃度
が0.05ないし3.0の範囲になるように使用するの
が好ましい。添加時期は塗布される前のいかなる工程で
もよい。また、染料イオンと反対の荷電をもつポリマー
を媒染剤として層に共存させ、これを染料分子との相互
作用によって、染料を特性層中に局在化させることもで
きる。ポリマー媒染剤としては例えば米国特許第2,5
48,564号、同第4,124,386号、同第3,
625,694号、同第3,958,995号、同第
4,168,976号、同第3,445,231号に記
載されているものなどを挙げることができる。
【0423】これらのメチン化合物は一般式(3)、
(4)で表される化合物と併用したときに、その効果を
発揮するが、前述したDIR化合物と一緒に用いると更
にその効果が高められる。
【0424】次に、一般式(8)で表される化合物につ
いて説明する。一般式(8)において、詳しくは、R11
およびR12は水素原子、アルキル基(例えばメチル、エ
チル、n−プロピル)、置換アルキル基、アラルキル基
(例えばベンジル)、置換アラルキル基、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル)、置換アリール基、アシ
ル基(例えばアセチル、マロニル、ベンゾイル、シンナ
モイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル)、カルバモイル基、ア
ルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エ
チルカルバモイル)、ジアルキルカルバモイル基(例え
ばジメチルカルバモイル)、アリールカルバモイル基
(例えばフェニルカルバモイル)、またはアミノ基、ア
ルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミ
ノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ、ナフ
チルアミノ)、およびハロゲン原子(例えば塩素原子、
臭素原子)を表し、R11とR12の炭素数はそれぞれ20
を越えることはなく、R11とR12は環を形成してもよ
く、R11とR12の少なくとも一方は、アシル基、アルコ
キシカルボニル基、カルバモイル基、またはアミノ基で
ある。ここでアルキル基、アラルキル基およびアリール
基の置換基としては、ニトロ基、水酸基、シアノ基、ス
ルホ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオ
キシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば
アセトキシ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド)、スルファモイル基(例えばメチルスルファモイ
ル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭
素原子)、カルボキシル基、カルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば
メトキシカルボニル)、スルホニル基(例えばメチルス
ルホニル)が挙げられる。この置換基が2つ以上あると
きは同じでも異なってもよい。
【0425】X11は、>CR11−、または>N−を表
す。ここで、一般式(8)で表される化合物は、以下で
定義される活性水素1単位当りの相当分子量が300以
下のものである。
【0426】 〔相当分子量〕=〔分子量〕÷〔分子中の活性水素〕 一般式(8)で表される化合物として好ましいものは、
下記に示される一般式(8−1)〜(8−10)で表さ
れる化合物である。ただし、ケトーエノール互変異性体
も含まれる。
【0427】
【化160】
【0428】ここでR14〜R35およびR37〜R39は、水
素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子)、アルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基)、
置換アルキル基、アラルキル基(例えばベンジル)、置
換アラルキル基、アリール基(例えばフェニル、ナフチ
ル)、置換アリール基を表し、さらにR37〜R39は、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例
えばフェノキシ)、カルボキシル基、カルバモイル基
(例えばメチルカルバモイル)、アルコキシカルボニル
基(例えばメトキシカルボニル)をも表す。R14〜R35
の炭素数はそれぞれ20を越えることなく、R21
22、R23およびR24のうちいずれか1つ、並びにR29
〜R33のいずれかひとつは水素原子でなければならな
い。ここでアルキル基、アリール基およびアラルキル基
の置換基としては、ニトロ基、水酸基、アミノ基、シア
ノ基、スルホ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基
(例えばアセトキシ)、アシルアミノ基(例えばアセチ
ルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホン
アミド)、スルファモイル基(例えばメチルスルファモ
イル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子)、カルボキシル基、ウレイド基(例えばウレ
イド、3−メチルウレイド)、カルバモイル基(例えば
メチルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル)、スルホニル基(例えばメチル
スルホニル)が挙げられる。これらのさらに上述の置換
基を有していてもよい。置換基が2つ以上あるときは同
じでも異なってもよい。
【0429】R36は、水素原子、ハロゲン原子(例えば
塩素原子、臭素原子)、アルキル基、置換アルキル基、
アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換ア
リール基、複素環基、カルボニル基(例えばメチルカル
ボニル、フェニルカルボニル)、スルホニル基(例えば
メチルスルホニル、フェニルスルホニル)、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル)、−CO−NH−NH2、−CS−NH2、−CS
−NHR(Rはアリール基を表す)、−C(NH)−N
2を表す。
【0430】R14とR15、R16とR17、R34とR35は環
を形成してもよく、R18〜R20、R 21〜R24、R25〜R
28、R29〜R33およびR36〜R39は各々の群の中のいず
れか2つの置換基が環を形成してもよい。
【0431】R40及びR41は、それぞれ独立に水素原子
または置換基を表す。R40は、好ましくは水素原子また
は少なくとも1個の親水性置換基(例えば、スルホ基、
カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基)
で置換されたフェニル基である。R41は、好ましくはハ
メットのσp値が0.20以上の置換基であり、さらに
好ましくはシアノ基、カルボキシル基またはいずれも炭
素原子数6以下のパーフルオロアルキル基、アシル基、
カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基である。
【0432】(8−1)ないし(8−10)で表される
化合物のなかで、より好ましいのは(8−3)〜(8−
10)で表される化合物である。
【0433】その中でも、とりわけ好ましい化合物は
(8−9)、(8−10)、下記に示す(8−3a)及
び(8−3b)で表されるものである。
【0434】
【化161】
【0435】本発明に用いられる化合物の具体例を更に
以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0436】
【化162】
【0437】
【化163】
【0438】
【化164】
【0439】
【化165】
【0440】ここで化合物(X−10)は1個のくり返
し単位を持つオリゴマーまたはポリマーである。
【0441】化合物(X−1)〜(X−6)および(X
−12)〜(X−23)は通常に市販されている化合物
であり、(X−7)〜(X−11)は、例えば、ブレテ
イン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・オブ・ジャ
パン(Bulletin of the Chemic
al Society of Japan)、39巻、
1559〜1567頁、1734〜1738頁(196
6)、ヒエミッシェ・ベリヒテ(Chemische
Berichte),54巻B1802〜1833頁、
2441〜2479頁(1921)、バイルシュタイン
・ハンドブーフ・デル・オーガニッシェン・ヒエミー
(Beilstein Handbuchder Or
ganischen Chemie)H、p98(19
21)に記載されている方法に従って容易に合成するこ
とができる。(X−24)および(X−25)は、例え
ば、バイルシュタイン・ハンドブーフ・デル・オーガニ
ッシェン・ヒエミー(Beilstein Handb
uch der Organischen Chemi
e)第一増補版第4巻354頁、同3巻63頁に記載さ
れた方法で合成できる。(X−26)〜(X−28)
は、例えば、米国特許第4,411,987号に記載の
方法で、(X−29)〜(X−31)は、例えば、米国
特許第4,414,309号および、R.H.ワイリー
(R.H.Wiley)、P.ワイリー(P.Wile
y)著、“ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリッ
ク・コンパウンズ(The Chemistry of
Heterocyclic Compound
s)”、ピラゾロンズ、ピラゾリドンズ・アンド・デリ
バティブズ(Pyrazolones,Pyrazol
idondand Derivatives)、インタ
ーサイエンス・パブリッシャーズ(Interscie
nce Publishers)(1964)に記載の
方法により、(X−35)〜(X−37)は、例えば、
特開昭51−77327号、同62−273527号、
英国特許第585,780号に記載の方法により、既知
化合物から容易に合成することができる。
【0442】本発明で用いられる化合物は、2種以上組
合わせて使用してもよい。本発明に用いられる化合物
は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料のハロゲン化銀乳
剤層、下塗層、保護層、中間層、フィルター層、アンチ
ハレーション層、その他の補助層の少なくとも1層に含
有させる。好ましくは、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する
上記非感光性層であり、さらには支持体から遠い側の上
記非感光性層が好ましい。
【0443】本発明で用いられる化合物をこれら層中に
添加するには、層を形成するための塗布液中に、化合物
をそのままの状態、あるいはハロゲン化銀カラー写真感
光材料に悪影響を与えない溶媒、例えば、水、アルコー
ルに適当な濃度に溶解して添加することができる。ま
た、化合物を高沸点有機溶媒および/または低沸点有機
溶媒に溶解し、水溶液中に乳化分散して、添加すること
もできる。化合物の添加時期は、製造工程中のいかなる
時期を選んでもよいが、一般には塗布する直前が好まし
い。また、その添加量はハロゲン化銀カラー写真感光材
料1m2について、0.005g〜1.5gが適当であ
るが、好ましくは0.01g〜1.0gであり、更に好
ましくは0.05g〜0.50gである。
【0444】本発明に用いられる化合物の感光材料への
使用は、感光材料の経時保存性、特に露光後の経時によ
る写真性の変動を抑制し、感光材料の巻き込みなどによ
る圧力負荷に対して写真性の変動を防止し、脱銀性を良
化して色再現性を改良する。さらに、アルデヒド類化合
物、特にホルムアルデヒドガスによる発色濃度低下を防
止する効果を発現する。
【0445】これらの化合物は前述のDIR化合物と用
いたとき、やはり感光材料の経時保存性の向上に効果が
あり、DIR化合物による減感や、保存中にこれが起こ
ることによる感光材料の経時での劣化(感度低下や減
感)によって、最適に設計された、DIR化合物による
インターイメージ効果に基づく色再現や鮮鋭性向上効果
等を劣化させてしまうといった問題に対して効果を発揮
する。
【0446】次に、本発明に用いられる周期律表第VIII
族第5周期、同第6周期または第IB族第6周期に属す
る元素を含む貴金属化合物について説明する。
【0447】本発明においては、上記貴金属化合物は、
上記貴金属の無機または有機化合物から選択することが
できる。上記貴金属のうちで特に好ましいものは、パラ
ジウム(II又はIV)、白金(II又はIV)の化合物であ
る。金(I又はIII)の化合物も好ましい。ロジウム(I
II)、イリジウム(III又はIV)およびオスミウム(I
I、III又はIV)の化合物もまた効果的であるが、同等の
効果を得るのに、より多量必要である。
【0448】有用な無機又は有機貴金属化合物の具体例
としては、例えばグメリンハンドブック(Gmelin
Handbook)に詳細に記述されており、市販
品、合成品、及びin situ合成品を写真感光材料
に悪影響を与えることがない程度の純度で使用すること
ができる。
【0449】有用なパラジウム化合物の代表例として
は、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、水
酸化パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、チオシ
アン酸パラジウム(II)、テトラクロロパラジウム(I
I)酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩)、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸塩、テトラブロ
モパラジウム(II)酸塩、ヘキサブロモパラジウム(I
V)酸塩、ビス(サリチラト)パラジウム(II)酸塩、
ビス(ジチオオキサラト−S,S′)パラジウム(II)
酸塩、trans−ジクロロビス(チオエーテル)パラ
ジウム(II)、テトラアンミンパラジウム(II)塩、ジ
クロロジアンミンパラジウム(II)、ジブロモジアンミ
ンパラジウム(II)、オキサラトジアンミンパラジウム
(II)、ジニトロジアンミンパラジウム(II)、ビス
(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジクロロエ
チレンジアミンパラジウム(II)、ビス(2,2′−ビ
ピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(1,10−フェ
ナントロリン)パラジウム(II)塩、テトラニトロパラ
ジウム(II)酸塩、ビス(グリシナト)パラジウム(I
I)、テトラキス(チオシアナト)パラジウム(II)酸
塩、ジクロロビス(ホスフィン)パラジウム(II)、ジ
−μ−クロロ−ビス[クロロ(ホスフィン)パラジウム
(II)]、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(アルシン)
パラジウム(II)]、およびジニトロビス(アルシン)
パラジウム(II)が挙げられる。
【0450】有用な白金化合物の代表例としては、塩化
白金(II)、塩化白金(IV)、ヘキサフルオロ白金(I
V)酸塩、テトラクロロ白金(II)酸塩、ヘキサクロロ
白金(IV)酸塩、トリクロロトリフルオロ白金(IV)酸
塩、テトラブロモ白金(II)酸塩、ヘキサブロモ白金
(IV)酸塩、ジブロモジクロロ白金(II)酸塩、ヘキサ
ヒドロキソ白金(IV)酸塩、ビス(オキサラト)白金
(II)酸塩、ジクロロビス(オキサラト)白金(IV)酸
塩、ビス(チオオキサラト)白金(II)酸塩、ビス(ア
セチルアセトナト)白金(II)、ビス(1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナ
ト)白金(II)、ビス(1,1,1−トリフルオロ−
2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、テトラキス
(チオシアナト)白金(II)酸塩、ヘキサキス(チオシ
アナト)白金(IV)酸塩、ビス{(Z)−1,2−ジシ
アノエチレン−1,2−ジチオラト}白金(II)酸塩、
ジクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(II)、テト
ラクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(IV)、ビス
(グリシナト)白金(II)、ジクロログリシナト白金
(II)酸塩、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白
金(II)、クロロヒドリドビス(トリエチルホスフィ
ン)白金(II)、テトラアンミン白金(II)塩、テトラ
クロロ白金(II)酸塩、ジクロロジアンミン白金(I
I)、トリクロロアンミン白金(II)塩、ヘキサアンミ
ン白金(IV)塩、クロロペンタアンミン白金(IV)塩、
テトラクロロジアンミン白金(IV)、ジニトロジアンミ
ン白金(II)、ジクロロテトラキス(メチルアミン)白
金(IV)塩、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(I
I)、ビス(エチレンジアミン)白金(II)塩、トリス
(エチレンジアミン)白金(IV)塩、ジクロロビス(エ
チレンジアミン)白金(IV)塩、ジクロロジヒドロキソ
(エチレンジアミン)白金(IV)、テトラキス(ピリジ
ン)白金(II)塩、ジクロロビス(ピリジン)白金(I
I)、ビス(2,2′−ビピリジン)白金(II)塩、テ
トラニトロ白金(II)酸塩、クロロトリニトロ白金(I
I)酸塩、ジクロロジニトロ白金(II)酸塩、ジブロモ
ジニトロ白金(II)酸塩、ヘキサニトロ白金(IV)酸
塩、クロロペンタニトロ白金(IV)酸塩、ジクロロテト
ラニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロトリニトロ白金
(IV)酸塩、テトラクロロジニトロ白金(IV)酸塩、ジ
ブロモジクロロジニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロ
(エチレン)白金(II)酸塩、ジ−μ−クロロ−ビス
{クロロ(エチレン)白金(II)}、trans−ジク
ロロ(エチレン)(ピリジン)白金(II)、ビス[ビス
(β−メルカプトエチルアミン)ニッケル(II)−S,
S′−]白金(II)塩、およびジクロロジカルボニル白
金(II)が挙げられる。
【0451】金(I又はIII)、ロジウム(III)、イリ
ジウム(III又はIV)及びオスミウム(II、III又はIV)
の化合物も同様に挙げることができ、例えば、カリウム
テトラクロロオーレート(III)、ロジウム(III)クロ
ライド、カリウムヘキサクロロイリデート(IV)、カリ
ウムテトラクロロイリデート(III)およびカリウムヘ
キサクロロオスメート(IV)が挙げられる。
【0452】本発明の効果が得られる限りにおいて、貴
金属の無機又は有機化合物は上述の具体例のみに制限さ
れるものではない。
【0453】本発明においては、上述の貴金属の無機又
は有機化合物は、写真感光材料を構成する層の感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を除いた非感光性層に使用する。ここ
でいう非感光性層とは、例えばバック層、ハレーション
防止層、中間層、イエローフィルター層、保護層であ
る。本発明においては、本発明のこれら貴金属化合物
は、上記非感光性層のいずれの層にも使用することがで
きる。また支持体にも使用することができる。
【0454】本発明のこれら貴金属化合物の添加時期
は、非感光性層には非感光性層の塗設に必要な添加剤の
調製時や塗布液調製時から塗布直前のいかなる時期であ
ってもよい。支持体に使用する場合には、例えばポリマ
ーチップスブレンド時の混練時や溶融、延伸時に添加し
て含有させることができる。
【0455】本発明においては、貴金属の無機又は有機
化合物は、好ましくは非感光性層に添加する。より好ま
しくは、感光性ハロゲン化銀乳剤層が塗設されている側
の支持体より遠い側に位置する非感光性層の保護層に使
用する。添加時期としては、塗布直前が最も好ましい。
【0456】また、本発明の貴金属の無機又は有機化合
物は、感光材料の経時保存性をより効果的に達成するた
めには貴金属化合物を感光材料以外の包装材料(例えば
遮光紙)、遮光容器を形成するパーツ(例えばパトロー
ネ収納ケースの容器本体及び蓋)に塗布もしくは練り込
んで成型したものを使用することが好ましい。
【0457】本発明の貴金属の無機又は有機化合物を該
非感光性層に添加する方法としては、写真感光材料に添
加剤を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。
例えば、水溶性の化合物は適当な濃度の水溶液とし、水
に不溶または難溶性の化合物は水と混和しうる適当な有
機溶媒、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン
類、エステル類、アミド類のうちで、写真特性に悪い影
響を与えない溶媒に溶解し、溶液として添加することが
できる。
【0458】バック層、ハレーション防止層、中間層、
イエローフィルター層及び保護層は通常バインダーによ
る分散物であるが、有用なバインダーとしては、天然に
産出するポリマー性ビヒクル、例えば、ゼラチン及びセ
ルロース誘導体、並びに合成ビヒクル、例えば、ポリビ
ニルアルコール及びその誘導体、アクリレート及びメタ
クリレートポリマー、ブタジエン−スチレンポリマー及
び同様の物質が挙げられる。本発明の貴金属の無機又は
有機化合物をこれらの層に直接添加する場合には、用い
る化合物の種類及び量に応じてバインダーの濃度及びp
H等の条件を注意深く選択する必要がある。一般に、貴
金属化合物とゼラチンとは相互作用し、条件によっては
系の粘度が著しく上昇する場合がある。例えば、パラジ
ウム(II)イオンとゼラチンとの相互作用については、
日本写真学会誌34巻159ページ(1971)田中啓
一、日本写真学会誌37巻133ページ(1974)田
中啓一、日本写真学会誌39巻73ページ(1976)
田中啓一、ジャーナル オブ フォトグラフィック サ
イエンス21巻134ページ(1973)田中啓一およ
びジャーナル オブ フォトグラフィック サイエンス
26巻222ページ(1978)田中啓一に詳細に記載
されている。パラジウム(II)イオンはゼラチンのアミ
ド結合及びアミノ酸残基との結合が強いため、条件によ
っては、ゼラチンの塊状の異物を生成する場合があり、
前述のパラジウム化合物の中からその条件に応じて適宜
選択して用いることが好ましい。
【0459】本発明における上記貴金属の無機又は有機
化合物の添加量は、感光材料1m2当り1×10-6モル
〜1×10-3モルの範囲である。好ましくは5×10-6
モル〜5×10-4モルの範囲であり、さらに好ましくは
1×10-5モル〜2×10-4モルの範囲である。上記貴
金属の無機又は有機化合物は、単独で複数の層に分割添
加をしてもよいし、複数の化合物を併用しても、また各
層に個々に使用してもよい。これらは感光材料に要求さ
れる性能に応じて使用することができる。
【0460】前述のDIR化合物はセレン化合物または
テルル化合物を用いて化学増感されたハロゲン化銀粒子
と共に用いたとき、DIR化合物による減感がなく、有
利である。DIR化合物の中でも特に一般式(D−3)
で表される化合物と共に用いるのが好ましい。保存安定
性が向上するほか、やはり減感が改良されるためと考え
られるが、DIR化合物による粒状性改良効果等の発現
が充分に達成されるという効果を有する。
【0461】次に、セレン化合物またはテルル化合物に
より化学増感されたハロゲン化銀粒子について説明す
る。本発明で用いられるセレン増感剤としては、従来公
知の特許に開示されているセレン化合物を用いることが
できる。すなわち通常、不安定型セレン化合物および/
または非不安定型セレン化合物を添加して、高温、好ま
しくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することにより
用いられる。不安定型セレン化合物としては特公昭44
−15748号、特公昭43−13489号、特開平4
−25832号、特開平4−109240号などに記載
の化合物を用いることが好ましい。具体的な不安定セレ
ン増感剤としては、イソセレノシアネート類(例えばア
リルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレノシア
ネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン類、セレノア
ミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2−セレノプロ
ピオン酸、2−セレノ酪酸)、セレノエステル類、ジア
シルセレニド類(例えば、ビス(3−クロロ−2,6−
ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セレノホスフェー
ト類、ホスフィンセレニド類、コロイド状金属セレンな
どが挙げられる。不安定型セレン化合物の好ましい類型
を上に述べたがこれらは限定的なものではない。当業技
術者には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合
物といえば、セレンが不安定である限りに於いて該化合
物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分
子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳
剤中に存在せしめる以外何らの役割をもたないことが一
般に理解されている。本発明においては、かかる広範な
概念の不安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明
で用いられる非不安定型セレン化合物としては特公昭4
6−4553号、特公昭52−34492号および特公
昭52−34491号に記載の化合物が用いられる。非
不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレ
ノシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類
の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニ
ド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−
セレナゾリジンジオン、2−セレナオキサゾリジンチオ
ンおよびこれらの誘導体等が挙げられる。これらのセレ
ン化合物のうち、好ましくは以下の一般式(S−I)お
よび(S−II)で表される化合物が挙げられる。
【0462】
【化166】
【0463】一般式(S−I)中、Z1およびZ2はそれ
ぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、t−ブチル、アダマンチル、t−
オクチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニ
ル)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチ
ル)、アリール基(例えば、フェニル、ペンタフルオロ
フェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル、
4−オクチルスルファモイルフェニル、α−ナフチ
ル)、複素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリ
ル、イミダゾリル)、−NR1(R2)、−OR3または
−SR4を表す。R1、R2、R 3およびR4はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル
基、アリール基または複素環基を表す。アルキル基、ア
ラルキル基、アリール基または複素環基としてはZ1
同様な例が挙げられる。ただし、R1およびR2は水素原
子またはアシル基(例えば、アセチル、プロパノイル、
ベンゾイル、ヘプタフルオロブタノイル、ジフルオロア
セチル、4−ニトロベンゾイル、α−ナフトイル、4−
トリフルオロメチルベンゾイル)であってもよい。一般
式(S−I)中、好ましくはZ1はアルキル基、アリー
ル基または−NR1(R2)を表し、Z2は−NR
5(R6)を表す。R1、R2、R5およびR6はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ア
リール基、またはアシル基を表す。一般式(S−I)
中、好ましい化合物はN,N−ジアルキルセレノ尿素、
N,N,N′−トリアルキル−N′−アシルセレノ尿
素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N−ジアルキル−
アリールセレノアミド、N−アルキル−N−アリール−
アリールセレノアミドである。
【0464】
【化167】
【0465】一般式(S−II)中、Z3、Z4およびZ5
はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、脂肪族基、芳
香族基、複素環基、−OR7、−NR8(R9)、−SR
10、−SeR11、X、または水素原子を表す。R7、R
10およびR11は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原
子またはカチオンを表し、R8およびR9は脂肪族基、芳
香族基、複素環基または水素原子を表し、Xはハロゲン
原子を表す。一般式(S−II)において、Z3、Z4、Z
5、R7、R8、R9、R10およびR11で表される脂肪族基
は、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アラルキル基(例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−
ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、2−ブ
テニル、3−ペンテニル、プロパルギル、3−ペンチニ
ル、ベンジル、フェネチル)を表す。一般式(S−II)
において、Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10および
11で表される芳香族基は、単環または縮環のアリール
基(例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−
クロロフェニル、3−スルホフェニル、α−ナフチル、
4−メチルフェニル)を表す。一般式(S−II)におい
て、Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10およびR11
表される複素環基は、窒素原子、酸素原子または硫黄原
子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和もし
くは不飽和の複素環基(例えば、ピリジル、チエニル、
フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリ
ル)を表す。一般式(S−II)において、R7、R10
よびR11で表されるカチオンはアルカリ金属原子または
アンモニウムを表し、Xで表されるハロゲン原子は、例
えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を
表す。一般式(S−II)中、好ましくはZ3、Z4または
5は脂肪族基、芳香族基または−OR7を表し、R7
脂肪族基または芳香族基を表す。一般式(S−II)中、
より好ましくはトリアルキルホスフィンセレニド、トリ
アリールホスフィンセレニド、トリアルキルセレノホス
フェートまたはトリアリールセレノホスフェートを表
す。以下に一般式(S−I)および(S−II)で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0466】
【化168】
【0467】
【化169】
【0468】次に、本発明において用いられるテルル増
感剤の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0469】
【化170】
【0470】
【化171】
【0471】これらのセレン増感剤およびテルル増感剤
は水またはメタノール、エタノールなどの有機溶媒の単
独または混合溶媒に溶解し、または特開平4−1407
38号、同4−140742号、同5−11381号、
同5−11385号ないし同5−11388号に記載の
形態にて化学増感時に添加することができる。好ましく
は化学増感開始前に添加される。使用されるセレン増感
剤およびテルル増感剤は1種に限られず上記セレン増感
剤およびテルル増感剤の2種以上を併用して用いること
ができる。不安定セレン化合物と非不安定セレン化合物
を併用してもよい。また、セレン増感剤とテルル増感剤
の各々少なくとも1種を併用してもよい。本発明に使用
されるセレン増感剤およびテルル増感剤の添加量は、用
いるセレン増感剤およびテルル増感剤の活性度、ハロゲ
ン化銀の種類や大きさ、熟成の温度および時間などによ
り異なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×
10-8モル以上である。より好ましくは1×10-7モル
以上3×10-5モル以下である。セレン増感剤およびテ
ルル増感剤を用いた場合の化学熟成の温度は好ましくは
45℃以上である。より好ましくは50℃以上、80℃
以下である。pAgおよびpHは任意である。例えばp
Hは4〜9までの広い範囲で本発明の効果は得られる。
セレン増感およびテルル増感は、ハロゲン化銀溶剤の存
在下で行うことは、より効果的である。
【0472】本発明で用いることができるハロゲン化銀
溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第
3,531,289号、同第3,574,628号、特
開昭54−1019号、同54−158917号等に記
載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−82
408号、同55−77737号、同55−2982号
等に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−1
44319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と
窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロ
ゲン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載され
た(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオ
シアネート等が挙げられる。特に好ましい溶剤として
は、チオシアネートおよびテトラメチルチオ尿素があ
る。また用いられる溶剤の量は種類によっても異なる
が、例えばチオシアネートの場合、好ましい量はハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-4モル以上1×10-2モル以
下である。
【0473】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、化学増
感においてイオウ増感および/または金増感を併用する
ことによりさらに高感度、低かぶりを達成することがで
きる。イオウ増感は、通常、イオウ増感剤を添加して、
高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌する
ことにより行なわれる。また、金増感は、通常、金増感
剤を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一
定時間攪拌することにより行なわれる。上記のイオウ増
感には硫黄増感剤として公知のものを用いることができ
る。例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、
ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許第1,5
74,944号、同第2,410,689号、同第2,
278,947号、同第2,728,668号、同第
3,501,313号、同第3,656,955号各明
細書、ドイツ特許第1,422,869号、特公昭56
−24937号、特開昭55−45016号公報等に記
載されている硫黄増感剤も用いることができる。硫黄増
感剤の添加量は、乳剤の感度を効果的に増大させるのに
十分な量でよい。この量は、pH、温度、ハロゲン化銀
粒子の大きさなどの種々の条件の下で相当の範囲にわた
って変化するが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-7
ル以上、5×10-4モル以下が好ましい。
【0474】上記の金増感の金増感剤としては金の酸化
数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用
いられる金化合物を用いることができる。代表的な例と
しては塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリ
ックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネー
ト、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリッ
クアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジ
ルトリクロロゴールドなどが挙げられる。金増感剤の添
加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-7モル以上5×10-4モル以
下が好ましい。化学熟成に際して、ハロゲン化銀溶剤お
よびセレン増感剤またはテルル増感剤と併用することが
できるイオウ増感剤および/または金増感剤等の添加の
時期および順位については特に制限を設ける必要はな
く、例えば化学熟成の初期(好ましくは)または化学熟
成進行中に上記化合物を同時に、あるいは添加時点を異
にして添加することができる。また添加に際しては、上
記の化合物を水または水と混合し得る有機溶媒、例えば
メタノール、エタノール、アセトン等の単液あるいは混
合液に溶解せしめて添加させればよい。
【0475】本発明においては、感光材料中の全カルシ
ウム含量が3mg/m2以上であることが好ましく、5
mg/m2以上50mg/m2以下であることがより好ま
しく、7mg/m2以上30mg/m2以下であることが
さらに好ましい。カルシウム含量がこれらの値より高い
と保存時特に高温・高湿時におけるカブリが増加するの
で好ましくなく、これより低いと低感度になり好ましく
ない。
【0476】前記一般式(8)の化合物のうちで好まし
いものは一般式(9)で表される。これらの化合物はま
た、DIR化合物のうちでも一般式(D−3)と共に用
いるのが好ましく、一般式(8)の化合物を用いた時の
前述の効果を更に高めることが出来る。
【0477】以下に一般式(9)について詳しく説明す
る。一般式(9)中、R1が置換又は無置換のアルキル
基を表すとき、アルキル基は炭素数1〜30が好まし
い。更に好ましくは炭素数1〜6である。アルキル基の
例としては、メチル、エチル、sec−ブチル、t−オ
クチル、ベンジル、シクロヘキシル、クロロメチル、ジ
メチルアミノメチル、n−ヘプチル、n−ウンデシル、
n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシ
ル、トリフルオロメチル、3,3,3−トリクロロプロ
ピル、メトキシカルボニルメチルが挙げられる。これら
のアルキル基の置換基としては、例えばアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、ヒドロキシル
基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル又はアリール
スルホニル基、アシルアミノ基、アルキル又はアリール
スルホンアミド基が挙げられ、具体例を挙げると、2−
クロロエチル、2−メトキシエチル、2−シアノエチ
ル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メチルチオプ
ロピル、2−アセチルアミノエチル、3−ヒドロキシプ
ロピル、2−アセチルオキシエチル、3−クロロエチ
ル、3−メトキシエチルアリル、プレニルである。R1
がアルキル基を表すとき置換アルキルより無置換アルキ
ルが好ましい。
【0478】R1が置換又は無置換のアリール基を表す
とき、アリール基は炭素数6〜30が好ましい。更に好
ましくは炭素数6〜8である。アリール基の例として
は、フェニル、ナフチル、3−スルホフェニル、4−メ
トキシフェニル、3−ラウロイルアミノフェニル、など
が挙げられる。R1は炭素数1〜6の置換又は無置換の
アルキル基が好ましい。
【0479】一般式(9)のR2が置換又は無置換のア
ルキル基であるとき、アルキル基は炭素数1〜30が好
ましい。更に好ましくは、炭素数8〜19である。アル
キル基の例としては、R1で述べたものを挙げることが
できる。R2が置換又は無置換のアリール基を表すと
き、アリール基のは炭素数6〜30が好ましい。アリー
ル基は置換されているものが好ましい。アリール基の例
としては、R1で述べたものを挙げることができる。
【0480】R2が置換又は無置換のアルキルアミノ基
を表すとき、アルキルアミノ基の炭素数は1〜20が好
ましい。更に好ましくは8〜22である。アルキルアミ
ノ基の例としては、メチルアミノ、ジエチルアミノアミ
ノ、メチルオクタデシルアミノが挙げられる。
【0481】R2が置換又は無置換のアリールアミノ基
を表すとき、アリールアミノ基の炭素数は6〜30が好
ましい。更に好ましくは8〜22である。アリールアミ
ノ基の例としては、フェニルアミノ、p−エチルフェニ
ルアミノ、3−テトラデシルスルファモイルフェニルア
ミノが挙げられる。
【0482】R2が置換又は無置換のアルコキシ基を表
すとき、アルコキシ基の炭素数は1〜30が好ましい。
更に好ましくは8〜22である。アルコキシ基の例とし
ては、メトキシ、エトキシ、ドデシルオキシ、ベンジル
オキシが挙げられる。
【0483】R2が置換又は無置換のアリールオキシ基
を表すとき、アリールオキシ基は炭素数6〜30が好ま
しい。更に好ましくは炭素数6〜22である。アリール
オキシ基の例としては、フェノキシ、4−メトキシフェ
ノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、3−メトキシ
カルボニルプロピルオキシが挙げられる。
【0484】R2が置換又は無置換のヘテロ環を表すと
き、ヘテロ環の炭素数は2〜30が好ましい。更に好ま
しくは8〜22である。ヘテロ環の例としては、2−ピ
リジル、1−イミダゾリル、ベンゾチアゾール−2−イ
ル、モルホリノ、ベンゾオキサゾール−2−イルが挙げ
られる。
【0485】又これらの基は、ポリマー分子にペンダン
ト状に結合する基の末端であっても良く、そのポリマー
残基としてはポリエチレン残基、ポリビニルアルコール
残基、ポリスチレン残基、ポリアクリル残基およびその
コポリマーが挙げられる。
【0486】R2は炭素数6〜19の置換又は無置換の
アルキル基又は炭素数6〜22の置換又は無置換のアリ
ール基が好ましい。
【0487】本発明で用いる一般式(9)で表される化
合物は、分子量が小さいと感光材料中を容易に拡散し、
重層構成の全ての層に効果を発揮する。この場合は、一
般式(9)で表される化合物の分子量は300未満が好
ましく、200未満が更に好ましい。
【0488】一方、一般式(9)で表される化合物は、
分子量が大きいと感光材料中で拡散せず、添加した特定
の層に固定される。そして、意図した特定の層の潜像の
保存性を改良することができる。特定の層の潜像の保存
性を改良するのに使用されるとき、一般式(9)で表さ
れる化合物は、好ましくはR1が炭素数1〜6の置換又
は無置換のアルキル基であり、R2は炭素数20以上の
分岐アルキル基、炭素数17以上の直鎖又は分岐アルケ
ニル基、および少なくとも1つのアルコキシカルボニル
基、アルケノキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルもしくはアリ
ールスルホニル基、アリール基又はヘテロ環基から選択
される基を置換基として有する炭素数の総和が12以上
の置換アルキルもしくは、置換アルケニル基である。以
下に更に詳しく説明する。この場合の好ましい実施態様
のひとつは、R2が無置換のアルキル基である。
【0489】R2がアルキル基のとき、無置換のアルキ
ル基としては炭素数20以上60以下の分岐アルキル基
が好ましい。その具体例としては、下記の構造が例とし
て挙げられる。
【0490】
【化172】
【0491】又、炭素数20以上60以下の直鎖アルキ
ル基も好ましい。その具体例としては、エイコシル、ド
コシルが挙げられる。
【0492】本発明の他の好ましい実施態様は、R2
炭素数17以上60以下の直鎖又は分岐アルケニル基で
ある。その具体例としては、1−オクタデセニル、2−
オクタデセニルが挙げられる。
【0493】本発明の他の好ましい実施態様は、R2
少なくとも1つの置換基によって置換された炭素数の総
和が12以上60以下のアルキル基又はアルケニル基で
ある。このときアルキル基に置換する置換基としては、
カルボキシル基、アリール基、シアノ基、スルファモイ
ル基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、
アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ
基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基である。その中でもアルコキシカルボ
ニル基、アルケノキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルもしく
はアリールスルホニル基、アリール基又はヘテロ環基が
好ましい。
【0494】これらの中でもアルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、カルバモイル基、アミノ基(アニリノ基を含
む)が好ましい。その具体例を以下に挙げる。アルコキ
シ基としては炭素数1〜22の例えばメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−オクチルオ
キシ、ステアリルオキシ、ドデシルオキシ、エイコシル
オキシ、ドコシルオキシ、オレイルオキシがあげられ
る。アルコキシ基としては更に日本化学工業(株)製の
商品名ファインオキソコール、140、1600、18
00、180、180N、2000、2600の高級ア
ルコールがら誘導されるアルコキシ基も具体例に挙げら
れる。
【0495】アリールオキシ基としては炭素数6〜16
の例えばフェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−オ
クチルオキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、2,
4−ジ−t−オクチルフェノキシがあげられる。アルコ
キシカルボニル基としては炭素数2〜23の例えばメト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、n−ブロキシカ
ルボニル、イソプロポシキカルボニル、t−ブトキシカ
ルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、n−ドデシ
ルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、
ステアリルオキシカルボニル、オレイルオキシカルボニ
ル、ドコシルオキシカルボニルがあげられる。更にアル
コキシカルボニル基としては、日本化学工業(株)製の
商品名ファインオキソコール、140、1600、18
00、180、180N、2000、2600の各高級
アルコールがら誘導されるアルコキシカルボニル基も具
体例に挙げられる。
【0496】アリールオキシカルボニル基としては炭素
数6〜17の例えばフェノキシカルボニル、p−エトキ
シフェノキシカルボニル、m−ドデシルオキシフェノキ
シカルボニル、o−フロロフェノキシカルボニル、2,
4−ジ−t−オクチルフェノキシカルボニルがあげられ
る。カルバモイル基としては炭素数3〜37の例えばジ
メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジオクチ
ルカルバモイル、ジステアリルカルバモイル、ジオレイ
ルカルバモイル、ビス−(2−エチルヘキシル)カルバ
モイル、ステアリルオキシプロピルカルバモイルがあげ
られる。アミノ基としては炭素数1〜22の例えばオク
チルアミノ、ジオクチルアミノ、ステアリルアミノ、ジ
ステアリルアミノ、オレイルアミノ、ジオレイルアミ
ノ、メチルアミノ、アニリノがあげられる。
【0497】この場合の一般式(9)で表される化合物
の好ましい構造は、R1が炭素数1〜6の置換又は無置
換のアルキルであり、R2が下記一般式(9−A)で表
されるものである。
【0498】一般式(9−A) R4−L−R3− 一般式(9−A)中、R3は炭素数2〜20のアルキレ
ン基又はアルケニレン基であり、R4は炭素数1〜30
の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換
又は無置換のアリール基、炭素数2〜20の置換又は無
置換のヘテロ環基を表す。Lは−CO−、−N(R5
−、−S−、−SO2−、−O−、−SO−、−COO
−、−SO2O−、−SO2N(R5)−、−CON
(R5)−を表す。R5は水素原子又は炭素数1〜18の
置換又は無置換のアルキル基を表す。ただし、Lが−O
−を表すとき、R4は炭素数1〜40の置換又は無置換
のアルキル基である。R3、L、R4の炭素数の合計は1
2以上が好ましい。
【0499】一般式(9−A)中、R3は炭素数2〜2
0のアルキレン基又はアルケニレン基を表すが、好まし
くは1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基および
置換1,2−エチレン基が好ましい。R3の具体例を挙
げる。
【0500】
【化173】
【0501】R4は上記の中でも炭素数1〜30の置換
又は無置換のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
その中でも炭素数6〜22の置換又は無置換のアルキル
基又はアルケニル基が更に好ましい。Lは−CO−、−
N(R5)−、−O−、−SO2−、−S−、−COO
−、−CON(R5)−を表す。その中でもLは−O
−、−CO−O−、−CO−NR5−、−NR5−が好ま
しい。
【0502】その中でもR4−L−は、アルコキシカル
ボニル基、アルケノキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルもしく
はアリールスルホニル基、アリール基、又はヘテロ環基
を表すのが好ましい。R4、L、R3の炭素数の合計は1
2以上60以下が好ましい。
【0503】一般式(9)で表される化合物の中でも最
も好ましいものは、下記一般式(9−2)で表される化
合物である。
【0504】
【化174】
【0505】一般式(9−2)中、R1は炭素数1〜6
の置換又は無置換のアルキル基を表し、Ra、Rb
c、Rdは各々独立に同じでも異なっていてもよく、水
素原子、炭素数1〜18の置換もくしは無置換のアルキ
ル基、又は炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアル
ケニル基を表し、Xは−OR6又は−NR67を表し、
6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22
の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜22の
置換もしくは無置換のアルケニル基、又は炭素数6〜2
2の置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1はメ
チル基、エチル基、またはn−ヘキシル基が好ましい。
a、Rb、Rc、Rdはすべて水素原子又はR a、Rb、R
c、Rdのうち少なくとも1つは炭素数5〜18のアルキ
ル又はアルケニル基であるものが好ましく、そのとき他
は水素原子が好ましい。R6は炭素数6〜22のアルキ
ル基又はアルケニル基が好ましい。ただし、Ra、Rb
c、Rdがすべて水素原子のときは、R6は炭素数が1
4以上が好ましい。R7は炭素数6〜18のアルキル基
が好ましい。Xは−OR6の方が−N(R6)(R7)よ
り好ましい。
【0506】一般式(9−2)の中で最も好ましい1つ
の構造は、Raが炭素数12〜18のアルケニル基又は
アルキル基であり、Rb、Rc、Rdが水素原子であり、
1がメチル基、エチル基またはn−ヘキシル基であ
り、Xが−OR6であり、R6が炭素数12〜18のアル
キル基又はアルケニル基のものである。
【0507】一般式(9−2)の中でもう1つの最も好
ましい構造は、Rcが炭素数12〜18のアルケニル基
又はアルキル基であり、Ra、Rb、Rdが水素原子であ
り、R1がメチル基、エチル基またはヘキシル基であ
り、Xが−OR6であり、R6が炭素数12〜18のアル
キル基又はアルケニル基のものである。一般式(9−
2)の中で他の1つの最も好ましい構造は、Ra、Rb
c、Rdがすべて水素原子であり、XがOR6であり、
6が炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基
のものである。この使用法での本発明の化合物中で、最
も好ましいものは、R a、Rb、Rc、Rdが全て水素原子
であり、R6がミリスチル基、パルミチル基、またはス
テアリル基であり、R1がメチル基、エチル基、または
n−ヘキシル基の場合である。
【0508】この場合の使用法では、一般式(9)で表
される化合物は、分子量が300以上が好ましく、35
0以上が更に好ましく、450以上が最も好ましい。
【0509】そのとき本発明の化合物はゼラチン膜中を
拡散しない観点から水に実質的に不溶であることが必要
である。なお、水に対して実質的に不溶とは水に対する
25℃における溶解度が5%以下のものであるが、好ま
しくは1%以下である。
【0510】本発明に使用される化合物は、その合成原
料が(例えば後述する酸無水物やアルコール)が異性体
や同族体の混合物としてのみ入手が可能な場合がある。
そのため、本発明の化合物は異性体や同族体の混合物と
して合成を行った方が製造が簡単な場合がある。このと
き、本発明の化合物は混合物としてハロゲン化銀感光材
料へ添加されることが好ましい。
【0511】本発明使用の化合物の具体例を例示する。
ただし、これによって本発明が制限されるものではな
い。
【0512】
【化175】
【0513】
【化176】
【0514】
【化177】
【0515】
【化178】
【0516】
【化179】
【0517】
【化180】
【0518】
【化181】
【0519】
【化182】
【0520】
【化183】
【0521】
【化184】
【0522】
【化185】
【0523】
【化186】
【0524】
【化187】
【0525】
【化188】
【0526】
【化189】
【0527】
【化190】
【0528】
【化191】
【0529】
【化192】
【0530】
【化193】
【0531】
【化194】
【0532】本発明に使用する化合物は、特開平3−2
93666号、特開昭59−198453号、米国特許
第4,330,606号、米国特許第4,339,51
5号に記載の方法によりいずれも容易に合成することが
できる。
【0533】以下に本発明使用の化合物の一般的合成法
について説明する。本発明の化合物は、対応するカルボ
ン酸クロリドとヒドロキシルアミンとを縮合して得られ
る。カルボン酸クロリドは、対応するカルボン酸が入手
容易である場合は、カルボン酸を塩化チオニルやオキザ
リルクロリドで処理することによって容易に得ることが
できる。又、複雑なカルボン酸の場合には、それぞれに
応じた合成法によってカルボン酸を合成した後、塩化チ
オチルやオキザリルクロリドで処理することによって得
ることができる。カルボン酸は、以下の合成例に準じて
合成できる。一方、N−アルキルヒドロキシルアミン
は、アルキルがメチル基であるものは市販されている。
他のものについては下記の方法により合成することがで
きる。
【0534】
【化195】
【0535】ヒドロキシルアミンにアセトンを付加し、
アセトキシムに変換した後、アルキル化剤と反応させ、
N−アルキル体(ニトロン)を合成する。その後酸処理
を行いアセトンを脱離させてN−アルキルヒドロキシル
アミンを得る。
【0536】本発明使用の化合物の添加量に特に制限は
ないが、感光性ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合は添
加層のAg1モルに対し1.0×10-4〜1.0×10
-1モルの範囲が好ましく、1.0×10-3〜5.0×1
-2の範囲がさらに好ましい。非感光性層に添加する場
合には1×10-6〜3×10-4mol/m2が好まし
く、1×10-5〜1×10-4mol/m2がさらに好ま
しい。
【0537】本発明使用の化合物は水可溶性溶媒(例え
ばメタノール、エタノール、アセトンのような)に溶解
して添加しても良いし、乳化分散によりカプラー等と共
乳化して添加してもよい。更に乳剤調製時にあらかじめ
添加してもよいが、乳化分散により添加する方法が最も
好ましい。
【0538】本発明使用の化合物を添加する層に特に制
限はないが、ハロゲン化銀乳剤層に添加することが好ま
しく、赤感光性層および/あるいは緑感光性層に添加す
ることがさらに好ましい。
【0539】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カ
ラーネガフィルム、反転フィルム、映画用カラーネガフ
ィルム、カラーポジフィルム、映画用ポジフィルムなど
一般用、映画用カラー感光材料や、黒白のネガフィル
ム、マイクロフィルム、X−レイフィルムなどの黒白感
光材料に適用することができる。好ましくは一般用のカ
ラー及び黒白撮影用感光材料である。
【0540】本発明に使用の化合物がカラー感光材料に
適用される場合は、支持体上に少なくとも1層の感光性
層が設けられていればよい。典型的な例としては、支持
体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる
複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくと
も1つ有するハロゲン化銀写真感光材料である。該感光
性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性
を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー
写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列
が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色
性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順
が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層
が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン
化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層
を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR
化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感
光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE
1,121,470あるいはGB923,045に記載
されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層
を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列す
るのが好ましい。また、特開昭57−112751号、
同62−200350号、同62−206541号、同
62−206543号に記載されているように支持体よ
り離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳
剤層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠
い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性
層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光
性層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感
光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/
RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL
/RHの順等に設置することができる。また特公昭55
−34932号公報に記載されているように、支持体か
ら最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RL
の順に配列することもできる。また特開昭56−257
38号、同62−63936号に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL
/GH/RHの順に配列することもできる。また特公昭
49−15495号に記載されているように上層を最も
感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低
い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に
感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向
かって感光度が順次低められた、感光度の異なる3層か
ら構成される配列が挙げられる。このような感光度の異
なる3層から構成される場合でも、特開昭59−202
464号に記載されているように、同一感色性層中にお
いて支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤
層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高
感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低
感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置さ
れていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如
く配列を変えてよい。色再現性を改良するために、米国
特許第4,663,271号、同第4,705,744
号、同第4,707,436号、特開昭62−1604
48号、同63−89850号の明細書に記載の、B
L,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる
重層効果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは
近接して配置することが好ましい。
【0541】本発明に関する感光材料においては、ハロ
ゲン化銀乳剤としては、リサーチ・ディスクロージャー
No.308119(以下RD308119と略す)に
記載されているものを用いることができる。
【0542】以下に記載箇所を示す。 〔項目〕 〔RD308119〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 晶癖 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成一様 993 I−B項 ハロゲン組成一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 潜像形成位置 内部 995 I−G項 適用感材ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合している 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明においては、ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。この様な
工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17643、No.18716及びNo.3
08119(それぞれ、以下RD17643、RD18
716及びRD308119と略す)に記載されてい
る。以下に記載箇所を示す。
【0543】 〔項目〕〔RD308119〕 〔RD17643〕〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A−A, B,C,D, 23〜24 648〜649 H,I,J項 強色増感剤 996 IV−A−E, J項 23〜24 648〜649 カブリ防止剤998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーチ
・ディスクロージャーに記載されている。以下に関連の
ある記載箇所を示す。
【0544】 〔項目〕 〔RD308119〕 〔RD17643〕〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII−I項, XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤1006XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤1005XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有) 1001 XXB項 本発明には種々のカプラーを加えて使用することが出
来、その具体例は、上記リサーチ・ディスクロージャー
に記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0545】 〔項目〕 〔RD308119〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VIIG項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VIIF項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基放出1001 VII−F項 カプラー アルカリ可溶カプラー1001 VII−E項 本発明に用いられる添加剤は、RD308119XIVに
記載されている分散法などにより、添加することができ
る。
【0546】本発明においては、前述RD17643
28頁、RD18716 647〜648頁及びRD3
08119のXIXに記載されている支持体を使用するこ
とができる。
【0547】本発明の感光材料には、前述RD3081
19VII−K項に記載されているフィルター層や中間層
等の補助層を設けることができる。
【0548】本発明の感光材料は、前述RD30811
9VII−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構
成等の様々な層構成をとることができる。
【0549】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
を現像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セ
オリイ オブ ザ ホトグラフィック プロセス第4版
(The Theory of The Photog
rafic ProcessForth Editio
n)第291頁〜第334頁及びジャーナル オブザ
アメリカン ケミカル ソサエティ(Journal
of the American Chemical
Society)第73巻、第3,100頁(195
1)に記載されている、それ自体公知の現像剤を使用す
ることができ、また、前述のRD17643 28〜2
9頁,RD18716 615頁及びRD308119
XIXに記載された通常の方法によって、現像処理するこ
とができる。
【0550】色素の光吸収を増加させることは色増感感
度の向上につながるが、実際には、余り量を増やしてい
っても色素の吸着量は増やした割には増加せず、色増感
感度はそれほど上がらない。また、固有減感も大きくな
り、好ましくない。本発明において、一般式(3)、
(4)の化合物を用いることにより、驚くべきことであ
るが、添加した色素の吸着が充分に行われるようであ
り、これらの色素の吸着量を増加させ、光吸収を高め、
色増感感度の向上させることができる。従ってこの結果
色増感感度を飛躍的に上昇させ、さらに、驚くべきこと
に固有減感をも抑えることが出来る。即ち、一般式
(3)、(4)の化合物を含有させた光吸収強度が10
0以上、または増感色素の被覆量が飽和被覆量の80%
以上である乳剤を用いる事が色増感感度の向上に大きな
効果を有する。特に本発明に係わるメチン化合物を増感
色素として用いたときにはその効果が高い。
【0551】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0552】実施例1(請求項1,2の発明の効果の実
施例) 下引き層を施したセルローストリアセテートフィルム支
持体上に下記に示すような組成の各層を順次支持体側か
ら塗布して多層カラー写真感光材料の比較試料101を
作製した。
【0553】添加量は特に記載しない限り1m2当たり
のグラム数を示す。また、ハロゲン化銀とコロイド銀は
銀に換算して示し、増感色素(SDで示す)は銀1モル
当たりのモル数で示した。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.16 UV−1 0.30 CM−1 0.05 CC−1 0.03 OIL−1 0.10 ゼラチン 1.80 第2層(低感度赤感色性層) 沃臭化銀乳剤b 0.36 沃臭化銀乳剤c 0.12 SD−1 2.2×10-5 SD−2 3.0×10-5 SD−3 1.0×10-4 SD−4 1.0×10-4 SD−5 2.0×10-4 C−1 0.34 CC−1 0.025 OIL−2 0.22 AS−2 0.001 ゼラチン 0.80 第3層(中感度赤感色性層) 沃臭化銀乳剤a 0.39 沃臭化銀乳剤b 0.39 沃臭化銀乳剤d 0.53 SD−1 1.7×10-4 SD−4 2.5×10-4 SD−5 3.0×10-4 C−1 0.19 C−2 0.53 CC−1 0.08 DI−1 0.086 DI−4 0.01 OIL−2 0.53 AS−2 0.005 ゼラチン 2.30 第4層(高感度赤感色性層) 沃臭化銀乳剤c 0.07 沃臭化銀乳剤d 1.34 SD−1 1.5×10-5 SD−2 6.5×10-5 SD−4 2.8×10-5 SD−5 2.5×10-5 C−1 0.017 C−2 0.075 C−3 0.074 CC−1 0.03 DI−1 0.02 DI−4 0.01 OIL−2 0.22 AS−2 0.005 ゼラチン 1.10 第5層(中間層) F−1 0.01 Y−1 0.09 OIL−1 0.40 AS−1 0.30 ゼラチン 1.00 第6層(低感度緑感色性層) 沃臭化銀乳剤b 0.25 沃臭化銀乳剤c 0.13 SD−6 6.0×10-5 SD−7 5.5×10-4 M−1 0.22 CM−1 0.040 DI−3 0.007 OIL−1 0.24 AS−2 0.005 AS−3 0.05 ゼラチン 0.75 第7層(中感度緑感色性層) 沃臭化銀乳剤e 1.09 SD−6 3.5×10-5 SD−7 1.7×10-4 SD−8 2.0×10-4 SD−9 1.5×10-4 SD−10 2.5×10-5 M−1 0.26 CM−1 0.07 CM−2 0.03 DI−2 0.06 OIL−1 0.50 AS−3 0.02 AS−2 0.02 ゼラチン 1.10 第8層(高感度緑感色性層) 沃臭化銀乳剤c 0.06 沃臭化銀乳剤f 1.20 SD−6 3.0×10-5 SD−8 3.0×10-4 SD−9 3.0×10-5 SD−10 3.5×10-5 M−1 0.070 CM−2 0.010 DI−3 0.003 OIL−1 0.30 AS−3 0.030 AS−2 0.010 ゼラチン 1.00 第9層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.10 OIL−1 0.20 AS−1 0.20 X−1 0.06 ゼラチン 0.85 第10層(低感度青感色性層) 沃臭化銀乳剤g 0.23 沃臭化銀乳剤h 0.29 沃臭化銀乳剤i 0.13 SD−11 2.5×10-4 SD−12 5.5×10-4 SD−13 1.5×10-5 Y−1 0.96 DI−4 0.022 OIL−1 0.29 AS−2 0.005 X−1 0.08 ゼラチン 1.80 第11層(高感度青感色性層) 沃臭化銀乳剤j 0.60 沃臭化銀乳剤h 0.26 SD−11 5.0×10-5 SD−12 1.0×10-4 SD−13 5.0×10-5 Y−1 0.31 DI−1 0.01 OIL−1 0.10 AS−2 0.005 X−1 0.07 ゼラチン 0.80 第12層(第1保護層) 沃臭化銀乳剤k 0.30 UV−1 0.10 UV−2 0.06 流動パラフィン 0.50 X−1 0.15 ゼラチン 1.50 第13層(第2保護層) PM−1 0.15 PM−2 0.05 WAX−1 0.02 ゼラチン 0.56 上記で用いた沃臭化銀乳剤の特徴を下記に表示する(平
均粒径とは同体積の立方体の一辺長)。
【0554】 乳剤No. 平均粒径(μm) 平均AgI量(mol%) 直径/厚み比 沃臭化銀乳剤a 0.56 2.4 5.5 沃臭化銀乳剤b 0.38 8.0 8面体双晶 沃臭化銀乳剤c 0.27 2.0 1.0 沃臭化銀乳剤d 0.70 2.4 6.4 沃臭化銀乳剤e 0.65 8.0 6.5 沃臭化銀乳剤f 0.85 2.9 6.4 沃臭化銀乳剤g 0.74 3.5 6.2 沃臭化銀乳剤h 0.44 4.2 6.1 沃臭化銀乳剤i 0.30 1.9 5.5 沃臭化銀乳剤j 1.00 8.0 2.0 沃臭化銀乳剤k 0.03 2.0 1.0 上記各乳剤には前述の増感色素を添加し、熟成した後、
チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシアン酸カリウム
を添加し、常法に従い、カブリ、感度関係が最適になる
ように化学増感を施したものを用いた。
【0555】尚、上記の組成物の他に、塗布助剤SU−
1、SU−2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整
剤V−1、安定剤ST−1、ST−2、カブリ防止剤A
F−1、重量平均分子量:10,000及び重量平均分
子量:100,000の2種のポリビニルピロリドン
(AF−2)、抑制剤AF−3、AF−4、AF−5、
硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤Ase−1を添加し
た。
【0556】上記試料に用いた化合物の構造を以下に示
す。
【0557】
【化196】
【0558】
【化197】
【0559】
【化198】
【0560】
【化199】
【0561】
【化200】
【0562】
【化201】
【0563】
【化202】
【0564】
【化203】
【0565】
【化204】
【0566】
【化205】
【0567】
【化206】
【0568】試料101の11、8、4層に一般式
(3)又は(4)に示される化合物をそれぞれ0.55
ミリモル/Agモル量添加し、同じく11、8、4層の
増感色素を等モル量の一般式(1)、(2)及び(5)
に示される化合物に変えた試料102〜113を作製し
た。使用した化合物の種類は下記の表3に示す通りであ
る。
【0569】
【表3】
【0570】これらの試料に対し白色光でウエッジ露光
を施し、以下に示すカラー現像処理を施した。 《基準カラー現像処理》 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38± 0.3℃ 780ml 漂 白 45秒 38± 2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38± 2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38± 5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55± 5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0571】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。 (発色現像液) 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH1 0.06に調整する。 (発色現像補充液) 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH1 0.18に調整する。 (漂白液) 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に 調整する。 (漂白補充液) 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に調整後水を加えて1リットル とする。 (定着液) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1リットル とする。 (定着補充液) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.5に調整後水を加えて1リットル とする。 (安定液及び安定補充液) 水 900ml パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル(n=10)2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水または50%硫酸を用いてpH 8.5に調整する。
【0572】処理の終了した各試料の青、緑、赤の感度
とカブリを測定した結果を表4に示す。感度は比較試料
101の青、緑、赤の各感度を100とし、それぞれそ
の相対感度を求めた。
【0573】また、カブリについては、試料101の青
色(B)光で測定した最小濃度を求め、これを基準値と
して、各試料の最小青色(B)光濃度との差をとりカブ
リの相対値とした。同様の方法で緑色(G)光、赤色
(R)光に対しても試料101を基準とした各試料の相
対カブリ値とした。
【0574】
【表4】
【0575】表4の結果から、一般式(3)又は(4)
の化合物を含有する試料のみでも感度の向上が見られる
が、若干のカブリを抑えることが出来ない。それに対
し、一般式(1)または(2)の化合物、および一般式
(5)の化合物を用いると、感度が更に上昇することの
みならず、カブリも殆ど生じないことが分かる。
【0576】実施例2(請求項3,6,7の発明の効果
の実施例) 実施例1の試料101〜105の第10層のDI−4に
代えて等モルの一般式(D−1)の化合物を添加した試
料201〜205を作製した。同様にして、実施例1の
試料101〜105の第10層に一般式(D−3)の化
合物をDI−4に代えて等モル量添加した試料206〜
210を作製した。これらの試料に対し、実施例1と同
様に白色光でウエッジ露光を施し、カラー現像処理を施
した。
【0577】処理の終了した各試料の感度については、
試料201の青色光で測定した感度を100とした相対
値で各試料の感度を表し、色再現性、粒状性、鮮鋭性、
並びに保存安定性を測定した評価方法は下記に示す通り
である。
【0578】(保存安定性)各試料を40℃、80%R
Hの条件下に10日間保存し、もう一方の試料を5℃に
同期間保存し、これらの試料に同一の露光を与え、同時
に処理を行った。これらの試料の青色(B)光で測定し
た最小濃度を求め、各試料間の5℃保存試料の最小濃度
を基準にして、40℃、80%RH試料との差(ΔDm
in)を算出した。数値が小さい程カブリ増加が少な
く、好ましいことを示す。
【0579】(a)粒状性 直径が48μmの口径を有するアパーチャーを用い、最
小濃度+0.6のマゼンタ濃度およびイエロー濃度を与
えるところの粒状度を示す。
【0580】(b)色再現性 各試料に緑色光で1ルックス・秒の均一露光を与えてか
ら、青色光で階調露光を与えて処理を行い、イエロー濃
度が最小濃度+1.5の濃度を与える露光量のところで
のマゼンタ濃度から、イエローの最小濃度におけるマゼ
ンタ濃度を減じた値を色濁り度として評価した。数値が
小さい程色濁りが少なく、色再現上好ましいことを表
す。
【0581】(鮮鋭性)また、これらの試料を用いて慣
用の手法を用い、白光でMTFパターンを露光、現像処
理して、最小濃度+1.0の濃度のところの25サイク
ル/mmにおけるマゼンタ色像のMTF値を測定し、鮮
鋭性を調べた。
【0582】これらの結果を表5に示す
【0583】
【表5】
【0584】表5において、本発明の試料203〜20
5および207〜210が感光材料の感度、色再現性、
鮮鋭性、粒状性、および保存安定性を良化することは、
比較試料との比較から明らかである。
【0585】実施例3(請求項8の発明に対する実施
例) 実施例1で作製した試料101を基本にし、第10層に
実施例2と同様の一般式(D−3)の化合物をDI−4
に代えて等モル添加した比較試料301を作製した。ま
た、この試料の第9層、第12層に一般式(8)で表さ
れる化合物を添加した試料302〜305を作製した。
更に比較試料として第10層に実施例2と同様の一般式
(D−1)の化合物を添加した比較試料306を作製し
た。これらの試料は、以下に記載の方法に準じて諸性能
を調べた。処理は実施例1に記載のものを用いた。結果
を表6に示す。
【0586】(1)感材の経時安定性 (a)各試料2組を準備し、1つの組は50℃、相対湿
度80%条件下に3日間保存し、もう1つの組は25
℃、相対湿度50%に同期間保存し、これらの試料に白
光(4800°K)の階調露光を与え、同時に処理を実
施した。処理済の試料はB、G、R濃度を測定し、それ
ぞれの特性曲線から最小濃度+0.2の濃度を与える露
光量の逆数の対数値を求め、同一試料間の感度の差をと
った。G(マゼンタ)濃度測定での感度差(ΔSG)を
表6に示す。 (b)同じく各試料2組を準備し、1つの組は容積1×
104cm3の容器に入れ、水100mlにKBr13
0gを加えた液中に、37%のホルムアルデヒド溶液
0.2mlを加え、40℃の密封条件(この時の相対湿
度は80%)で3日間保存し、もう1組の試料はホルム
アルデヒド溶液の非存在下で同様に保存した。これらの
資料を同時露光、同時処理を行った。処理済み試料は上
記と同様に濃度測定し、そのG濃度についてホルムアル
デヒド非存在下に保存した試料の最小濃度+2.0の濃
度を与える露光量点のホルムアルデヒド存在下の試料の
同点の濃度を読み取り、同一試料間での濃度変化(ΔD
G)を求めた。結果を表6に示す。
【0587】(2)画質 (a)色再現性 Gフィルターを付し、階調露光を与え、処理した試料に
ついてそのマゼンタ色像のG濃度及びB濃度を測定して
特性曲線を得た。これらの特性曲線から最小濃度+2.
0のG濃度を与える露光量点のB濃度を読み、B濃度の
最小濃度値を差し引いた値(ΔGB)を求め、マゼンタ
色像中のイエロー成分濃度を調べることにより色再現性
評価の1つとした。次に、白光の均一露光を与え(1×
10-2秒、1CMS)、処理済みの試料を近赤外の干渉
フィルター(720nm、半値幅20nm)を通して濃
度測定し、試料301を基準にとってその濃度差(Δ
D)を求め、残存銀量の多少を調べる尺度とした。 (b)鮮鋭性 慣用の手法によりMTF測定パターンを露光し、現像処
理後、最小濃度+1.0濃度のところの25サイクル/
mmにおけるマゼンタ色像のMTF値を測定した。得ら
れた結果はまとめて表6に示す。
【0588】
【表6】
【0589】表6から、一般式(8)で表される化合物
を添加した試料302〜305が感光材料の経時安定性
及び画質を良化することは、試料301および306と
の比較から明らかである。
【0590】実施例4(請求項9の発明の実施例) 実施例3の試料301の保護層第12層と第13層に、
貴金属化合物を表7に示すように加え調製した試料40
1〜405を作製した。比較としては、試料301と、
更に試料301の第10層に実施例2と同様の一般式
(D−1)の化合物を添加した比較試料406を作製し
用いた。
【0591】作製した試料は、前述の現像処理を実施
し、比較試料と本発明試料の感度と鮮鋭性を評価した。
【0592】即ち、B、G、R濃度を測定し、それぞれ
の特性曲線から最小濃度+0.2の濃度を与える露光量
の逆数の対数値を求め感度として、試料301の感度を
100とした相対値で表した。ここでは青色光感度を示
す。鮮鋭性は実施例3と同様に現像処理後、最小濃度+
1.0濃度のところの25サイクル/mmにおけるマゼ
ンタ色像のMTF値を測定した。なお処理は自動現像機
を用いて実施した。
【0593】結果を表7に示す。
【0594】
【表7】
【0595】表7から、貴金属化合物を添加した試料4
01〜403が感光材料の感度と鮮鋭性を良化すること
は、比較から明らかである。特に、保護層第12層と第
13層の両方に貴金属化合物を添加した感光材料が、最
も好ましい結果を示す。
【0596】実施例5(請求項10の発明の実施例) 実施例1の試料101で第10層に用いた沃臭化銀乳剤
g,h,iに、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシ
アン酸カリウムに加え、表8に挙げられた様にセレン化
合物またはテルル化合物を添加し、これを最適に増感し
使用した以外は同様にして試料501〜505を作製し
た。
【0597】
【表8】
【0598】次に、上記、試料501〜505の第10
層に一般式(D−3)の化合物を添加した試料511〜
515を作製した。これらの試料に対し、実施例1と同
様に白色光でウエッジ露光を施し、カラー現像処理を施
した。なお、比較は試料101の第10層に一般式(D
−3)の化合物を添加した試料301、および試料50
5の第10層に実施例2と同様の一般式(D−1)の化
合物を添加した比較試料516を用いた。
【0599】処理の終了した各試料の感度、粒状性、並
びに保存安定性を実施例2と同様の方法で評価した。結
果を表9に示す。
【0600】
【表9】
【0601】表9から、10層に一般式(D−3)の化
合物を添加した試料511〜515が感光材料の感度、
粒状性、並びに保存安定性を良化することは、比較試料
の結果から明らかである。
【0602】実施例6(請求項11の発明の実施例) 試料301の第3層に一般式(9)の化合物をこの層の
カプラーと共乳化して、この層のAg1モルに対して5
×10-2モルになるように添加した。その他は試料30
1を作製した方法に準じて試料601〜605を作製し
た。又、化合物が2つ記してある場合は、1:1のモル
比で混合して用いて、合計のモル数がAgX1モルに対
して5×10-2モルになるようにした。比較試料は、試
料301および、試料605の第10層の化合物を一般
式(D−1)の化合物で置き換えた試料606を用い
た。
【0603】撮影後、処理するまでの写真性の変動の評
価を以下の方法で行なった。これらの感光材料センシト
メトリー用露光を与えた後、60℃70%及び50℃8
0%の強制劣化条件下に7日間保存した後に下記カラー
現像処理を38℃にして行ない、処理後の試料を赤色フ
ィルター及び青色フィルターで濃度測定した。これと露
光後直ちに現像処理を行なったサンプルとの感度の差異
の大きさを評価した。
【0604】写真性の感度表示には光学濃度がカブリよ
りも1.0だけ高くなるのに要した露光量の逆数の対数
値を用いた。撮影後処理するまでの写真性の変動は露光
後強制劣化条件下に保存したものの感度を露光後直ちに
処理したものの感度に対する相対感度(対数値の差)で
示した。この値が0に近いほど感光材料の保存による感
度の変動が小さく好ましい。
【0605】評価は、一般式(9)の化合物を添加した
赤感性層の写真性変動で行った。結果を表10に示し
た。
【0606】
【表10】
【0607】一般式(9)の化合物を添加した場合、添
加しない場合(試料301)に対して写真性の変動が小
さくなっていることがわかる。また、一般式(D−3)
の化合物を用いた場合も一般式(D−1)の化合物を用
いたときと比較し写真性の変動が小さくなっていること
がわかる。
【0608】実施例7(請求項4、5、7の発明に対す
る実施例) 試料301の11層の増感色素を表11に示す化合物に
代えた試料701〜703を作製した。また、試料70
1および702の第10層の化合物を一般式(D−1)
の化合物に置き換えた試料704と705を作製した。
【0609】又、試料301の4層の増感色素をやはり
表12に示す化合物に代え、第3層のDI−1及びDI
−4に代え等モルのDIR−22及びDIR−1にかえ
た試料706〜710を作製した。
【0610】これらの試料に対し白色光でウエッジ露光
を施し、前述のカラー現像処理を施した。
【0611】処理の終了した試料について、青、緑、赤
光で濃度測定を行った。試料701〜705については
青光での感度とカブリを、又、試料706〜710につ
いては赤光での感度とカブリを、試料101と103を
比較として示す。即ち、試料701〜705の各試料に
ついては、感度を、比較試料101の青感度を100と
した相対値で求め、また、カブリも比較試料101の青
光でのカブリをそれぞれ0.00とし、それからの増加
分で表し、試料706〜710については比較試料10
1の赤光での感度とカブリを基準に同様にして求めた。
カブリはこの値が小さいほどカブリが少ない。結果を表
11,12に示す。
【0612】
【表11】
【0613】
【表12】
【0614】表11,12の結果から、一般式(D−
1)または(D−3)の化合物と一般式(1)または
(2)化合物、および一般式(5)の化合物を用いる
と、感度が更に上昇することのみならず、カブリも殆ど
生じないことが分かる。
【0615】実施例8(請求項12の発明に対する実施
例) (純臭化銀辺板粒子乳剤の調製)1.2リットルの水に
臭化カリウム6.4gと平均分子量が1万5千以下の低
分子量ゼラチン6.2gを溶解させ30℃に保ちながら
16.4%の硝酸銀水溶液8.1mlと23.5%の臭
化カリウム水溶液7.2mlを10秒にわたってダブル
ジェット法で添加した。次に11.7%のゼラチン水溶
液をさらに添加し75℃に昇温し40分間熟成させた
後、32.2%の硝酸銀水溶液370mlと20%の臭
化カリウム水溶液を、銀電位を−20mVに保ちながら
10分間にわたって添加し、1分間物理熟成後温度を3
5℃に下げた。このようにして平均投影面積径2.32
μm、厚み0.09μm、直径の変動係数15.1%の
単分散純臭化銀平板乳剤(比重1.15)を得た。この
後凝集沈殿法により可溶性塩類を除去した。再び温度を
40℃に保ち、ゼラチン45.6g、1mol/リット
ルの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を10ml、水16
7ml、さらに5%フェノール10mlを添加し、pA
gを6.88、pHを6.16に調整した乳剤を得た。
その後乳剤を最適感度となるようにチオシアン酸カリウ
ムと塩化金酸およびチオ硫酸ナトリウムを添加し、55
℃で50分間熟成した。上記のようにして得られた乳剤
を50℃に保ちながら表13に示した一般式(3)又は
(4)に示される化合物及び第一の増感色素を添加して
50℃で30分間攪拌した後、第二の色素を添加し、さ
らに50℃で30分間攪拌し乳剤801〜810を作製
した。
【0616】
【表13】
【0617】
【化207】
【0618】上記の乳剤について、色素吸着量、被覆
率、単位面積当たりの光吸収強度を測定した。
【0619】色素吸着量は、得られた液体乳剤を10,
000rpmで10分間遠心沈降させ、沈殿を凍結乾燥
した後、沈殿0.05gを25%チオ硫酸ナトリウム水
溶液25mlとメタノールを加えて50mlにした。こ
の溶液を高速液体クロマトグラフィーで分析し、色素濃
度を定量して求めた。
【0620】単位面積当たりの光吸収強度の測定は、得
られた乳剤をスライドガラス上に薄く塗布し、カールツ
アイス株式会社製の顕微分光光度計MSP65を用いて
以下の方法でそれぞれの粒子の透過スペクトルおよび反
射スペクトルを測定して、吸収スペクトルを求めた。透
過スペクトルのリファレンスは粒子の存在しない部分
を、反射スペクトルは反射率の分かっているシリコンカ
ーバイドを測定してリファレンスとした。測定部は直径
1μmの円形アパチャー部であり、粒子の輪郭にアパー
チャー部が重ならないように位置を調整して14000
cm-1(714nm)〜28000cm-1(357n
m)までの波数領域で透過スペクトル及び反射スペクト
ルを測定し、1−T(透過率)−R(反射率)を吸収率
Aとして吸収スペクトルを求めた。ハロゲン化銀の吸収
を差し引いて吸収率A′とし、−Log(1−A′)を
波数(cm-1)に対して積分した値を1/2にして単位
表面積あたりの光吸収強度とした。積分範囲は1400
0cm-1〜28000cm-1までである。この際、光源
はタングステンランプを用い、光源電圧は8Vとした。
光照射による色素の損傷を最小限にするため、一次側の
モノクロメータを使用し、波長間隔は2nm、スリット
幅を2.5nmに設定した。
【0621】また得られた乳剤にゼラチン硬膜剤、及び
塗布助剤を添加し、塗布銀量が3.0g/m2になるよ
うに、セルロースアセテートフィルム支持体上に、ゼラ
チン保護層とともに同時塗布し、試料801〜810を
作製した。得られた試料をタングステン電球(色温度2
854K)に対して連続ウエッジ色フィルターを通して
1秒間露光した。色フィルターとしては、ハロゲン化銀
を励起する青露光としてUVD33SフィルターとV4
0フィルター(東芝ガラス(株)製)を組み合わせるこ
とで波長域330nm〜400nmの光を試料に照射し
た。また色素側を励起するマイナス青露光としてフィル
ターを介し520nm以下の光を遮断し、試料に照射し
た。露光した試料は、一般的に用いられる表面現像液を
用いて20℃で10分間現像した。
【0622】現像した試料は自動濃度計で光学濃度を測
定し、被りは未露光部の濃度として、感度は被り+0.
2の光学濃度を与えるのに要した光量の逆数を比較例1
を基準とした相対値として示した。得られた乳剤につい
ての測定結果を表14に、又これを用い作製した感光材
料の評価結果を表15に示す。
【0623】
【表14】
【0624】
【表15】
【0625】表14で示されるように本発明のハロゲン
化銀感材において、増感色素粒子表面上に多層吸着させ
ることができ、粒子表面の単位面積当たりの光吸収強度
(一粒子の光吸収強度の1/2)が飛躍的に増加してい
ることがわかる。また、この結果表15で示されるよう
に色増感感度が飛躍的に上昇し、さらに、驚くべきこと
に固有減感をも抑えることが出来た。
【0626】
【発明の効果】本発明により、感度、鮮鋭性、色再現性
などの画質に優れ、感光材料の保存安定性が向上したハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/392 G03C 7/392 A Fターム(参考) 2H016 BC03 BD00 BD02 BE02 BF07 BH03 2H023 CA04 CA06 CA07 CA10 CD00 CD11 FA09 FD00 GA00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)または一般式(2)で表さ
    れる色素の少なくとも一種を含有し、かつ、ハロゲン化
    銀が一般式(3)または(4)に示される化合物で増感
    された少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を含むこと
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (式中、R11およびR12はアルキル基を表し、R11およ
    びR12の少なくとも一方は下記R13で表されるアルキル
    基である。 R13=−R14−Y1113においてR14は単に結合を表すか、または2価の連
    結基であり、Y11はアリール基または複素芳香環基であ
    る。R11、R12はいずれもアニオン性の置換基を持たな
    い。Z11及びZ12は、同一でも異なっていてもよく、5
    員または6員の含窒素複素環核形成原子群を表し、
    11、L12、L13、L14、L15、L16、及びL17はメチ
    ン基を表す。p11及びp12は0または1を表し、n
    11は0、1、2または3を表す。X11は電荷均衡対イ
    オンを表し、m11は分子の電荷を中和するのに必要な
    0以上8以下の数を表す。) 【化2】 (式中、R21およびR22はアルキル基を表し、R21およ
    びR22の少なくとも一方は下記R23で表されるアルキル
    基である。 R23=−R24−Y2123においてR24は単に結合を表すか、または2価の連
    結基であり、Y21はアリール基または複素芳香環基であ
    る。R21及びR22はいずれもアニオン性の置換基を有す
    る。Z21及びZ22は、同一でも異なっていてもよく、5
    員または6員の含窒素複素環核形成原子群を表し、
    21、L22、L23、L24、L25、L26、及びL27はメチ
    ン基を表す。p21及びp22は0または1を表し、n
    21は0、1、2または3を表す。X21は電荷均衡対イ
    オンを表し、m21は分子の電荷を中和するのに必要な
    0以上8以下の数を表す。) 一般式(3) A−(XY)k もしくは (A)k−XY 一般式(4) Z−(XY)k もしくは (Z)k−XY (一般式(3)および(4)中、Aは、ハロゲン化銀に
    対する吸着を促進するN、S、P、Se、もしくはTe
    の少なくとも一つの原子を有するハロゲン化銀吸着基で
    あり、Zは、光吸収性基であり、kは、1もしくは2で
    あり、そしてXYは、Xが電子供与部分であり、Yが水
    素原子以外の脱離基であるフラグメント化可能な電子供
    与体部分であり、(1)XYが、0と1.4Vとの間の
    酸化電位を有し、(2)XYの酸化形態が結合開裂反応
    を受けて、ラジカルX・及び脱離フラグメントYを生
    じ、そして(3)ラジカルX・が、−0.7Vと等しい
    かもしくは−0.7Vよりマイナスである酸化電位を有
    する。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(5)または(5−3)で表
    されるメチン化合物を含有し、かつ、前記一般式(3)
    または(4)で示される化合物を含有することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。 【化3】 (式中、R1及びR2は、各々アルキル基を表す。但し、
    1とR2のうち少なくとも一方は解離性基で置換された
    アルキル基を表す。Z1とZ2は同じでも異なっていても
    良く、各々5又は6員の含窒素複素環を形成するために
    必要な原子群を表す。Lは2価の連結基を表す。M1
    電荷均衡対イオンを表し、m1は分子の電荷を中和する
    のに必要な0以上10以下の数を表す。Q1とQ2は同じ
    でも異なっていても良く、各々、メチン色素を形成する
    のに必要なメチン基又はポリメチン基を表す。) 【化4】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L
    9及びL10はメチン基を表す。p1及びp2は0または
    1を表す。n1及びn2は0、1、2または3を表す。
    3、Z4、Z5及びZ6は各々5または6員の含窒素複素
    環を形成するために必要な原子群を表す。M2は電荷均
    衡対イオンを表し、m2は分子の電荷を中和するのに必
    要な0以上4以下の数を表す。R3、R4、R5及びR6
    各々アルキル基を表す。但し、R4とR6のうち少なくと
    も一方は、解離性基で置換されたアルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(D−1)で表される化合物
    を含有し、かつ前記一般式(3)または(4)で表され
    る化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。 一般式(D−1) Cp−(T)m1−TR1−(L−Y)n1 (式中、Cpはカプラー残基を表し、Tはカプラーのカ
    ップリング位に結合し、現像主薬酸化体との反応により
    CpとTの結合が切れた後に、TとTR1の結合が切れ
    るタイミング基を表し、m1は0、1、2を表す。TR
    1は窒素原子で(T)m1に結合した、単環若しくは縮合
    環のトリアゾール基を表す。TR1−(L−Y)n1は現
    像主薬酸化体との反応によりCp−(T)m1から放出さ
    れる抑制剤残基を表す。LはTR1−(L−Y)n1とし
    て現像液中に流出した後、現像液中の成分によってLと
    Yの結合が開裂する連結基であり、Yは置換基を表す。
    n1は1または2を表す。)
  4. 【請求項4】 前記一般式(D−1)で表される化合物
    を含有し、かつ前記一般式(1)または(2)で表され
    る色素を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。
  5. 【請求項5】 前記一般式(D−1)で表される化合物
    を含有し、かつ前記一般式(5)または(5−3)で表
    されるメチン化合物を含有することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記一般式(D−1)で表される化合物
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 前記一般式(D−1)で表される化合物
    が一般式(D−3)で表される化合物であることを特徴
    とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。 【化5】 (式中、Yは発色現像主薬の酸化体とカップリング反応
    し得るイエローカプラー残基を表し、TR3はYのカッ
    プリング位に窒素原子で結合した、置換基を有しても良
    い1,2,4−トリアゾール若しくは1,2,3−トリ
    アゾール骨格を表す。R31は水素原子若しくは置換基を
    有しても良いアルキル基、アリール基を表し、R32は置
    換基を有しても良いアルキル基、アリール基を表す。R
    33はベンゼン環上に置換し得る任意の置換基を表し、m
    3は0、1、2、3、4、5を表す。)
  8. 【請求項8】 前記一般式(D−3)で表される化合物
    を含有し、かつ下記一般式(8)で表される化合物を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化6】 (式中、R11およびR12は、各々独立に水素原子、アル
    キル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル
    基、カルバモイル基、アミノ基またはハロゲン原子を表
    し、R11とR12は環を形成してもよく、R11とR12の少
    なくとも一方はアシル基、アルコキシカルボニル基、カ
    ルバモイル基またはアミノ基である。X11は、>C(R
    11)−、および>N−より選ばれる3価の基を表す。)
  9. 【請求項9】 前記一般式(D−3)で表される化合物
    を含有し、かつ非感光性層に周期律表第VIII族第5周
    期、第VIII族第6周期または第IB族第6周期に属する
    元素を含む少なくとも1種の貴金属化合物を含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  10. 【請求項10】 前記一般式(D−3)で表される化合
    物を含有し、かつ少なくとも一層の感光性乳剤層がセレ
    ン化合物またはテルル化合物により化学増感されたハロ
    ゲン化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  11. 【請求項11】 前記一般式(8)表される化合物が下
    記一般式(9)で表される化合物であることを特徴とす
    る請求項8に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化7】 (式中、R1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキ
    ル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R2
    置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
    のアリール基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ
    基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もし
    くは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリ
    ールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表
    す。)
  12. 【請求項12】 前記一般式(3)または(4)で表さ
    れる化合物を含有し、かつ光吸収強度が100以上、ま
    たは増感色素の被覆量が飽和被覆量の80%以上である
    乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
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