JP2782138B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
ハロゲン化銀写真感光材料Info
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Description
ハロゲン化銀写真感光材料に関するものであり、特に赤
外分光域に於いて必要な波長域のみが強く増感され、他
の波長域に於いては感度が低い所謂J−バンド型に増感
されたハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
を走査し、その画像信号に基づいてハロゲン化銀写真感
光材料上に露光を行い、原図の画像に対応するネガ画像
もしくはポジ画像を形成する所謂スキャナー方式による
画像形成方法が知られている。スキャナー方式による画
像形成方法を実用した記録装置は種々あり、これらのス
キャナー方式による記録装置の記録用光源には、従来、
グローランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、タングス
テンランプ、発光ダイオード等が用いられてきた。しか
し、これらの光源はいずれも出力が弱く寿命も短いとい
う実用上の欠点を有していた。これらの欠点を補うもの
として、Ne−Heレーザー、アルゴンレーザー、He
−Cdレーザーなどのコヒーレントなレーザー光源をス
キャナー方式の光源として用いるスキャナーがある。こ
れらは高出力が得られるが、装置が大型であること、高
価であること、変調器が必要であること、更に、可視光
を用いるため感光材料のセーフライトが制限されてしま
い、取扱い性に劣ることなどの欠点がある。これに対し
て、半導体レーザーは小型で安価、しかも変調が容易で
あり、上記レーザーよりも長寿命で、且つ、赤外光に発
光するため赤外域に感光性を有する感光材料を用いる
と、明るいセーフライトが使用できるため、取扱い作業
性が良くなるという利点を有している。しかし、赤外域
のみに高い感光性を有し、且つ、保存性にも優れた感光
材料がないために、上記の如く優れた性能を有する半導
体レーザーの特性を生かしきる事が出来なかった。
る種のシアニン色素をハロゲン化銀写真乳剤に添加する
事によって、その感光波長域を長波長側に拡張させる技
術、即ち分光増感技術が適用される事、そしてこの分光
増感技術が可視域のみならず赤外域に適用される事は知
られている。赤外域の分光増感には、赤外光に対して吸
収を有する増感色素が用いられ、これらは例えば、Mees
著 "The Theory of the Photographic Process、第3版
“(MacMillan社1966年発行)の198〜201頁に
記載されている。この場合、分光感度、即ち、所望の赤
外域の光に対する感度は高感度である事が望ましく、且
つ、感光材料の保存中や製造過程でのハロゲン化銀乳剤
の液体中での存在中にも感度の変化の小さい事が望まれ
る。この為、従来から数多くの増感色素が開発されてき
た。これらは、例えば、米国特許第2,095,854
号、同第2,095,856号、同第2,955,93
9号、同第3,482,978号、同第3,552,9
74号、同第3,573,921号、同第3,582,
344号などに記載がある。しかし、これらに記載の増
感色素を用いても、感度や保存性が十分であるとはとて
も言えない。
他に第二の、ある種の特異的に選択された有機化合物を
加える事によって、分光感度が著しく上昇する事があ
り、この効果は強色増感効果として知られている。赤外
域の強色増感については、特開昭59−191,032
号、同59−192,242号、同60−80,841
号に赤外増感色素(トリカルボシアニン色素や4−キノ
リンジカルボシアニン色素など)と環状オニウム塩化合
物やある種の複素環化合物の組み合わせが記載されてい
る。しかし、これらに記載の技術でもまだ十分高い感度
を得るに至っていない。
波長が決まっているため、レーザーの発振波長に合わせ
た特性波長のみを強く増感すれば良く、言い換えれば、
レーザーの発振波長以外の波長域の感度がむしろ出来る
だけ低い方がセーフライト安全性や多層構成カラー感光
材料に於ける混色防止などの点から好ましい事が多い。
このように特定波長のみを強く増感させる技術は、ハロ
ゲン化銀写真乳剤の分光増感技術に於いてはJ−バンド
増感として知られている。J−バンドはJ凝集体という
特殊な会合体の形成によってもたらされ、吸光度が非常
に高く、且つ、半値幅の非常に狭い、極めて鋭い吸収を
示す。分光感度も、この吸収特性を反映して鋭い分光感
度分布スペクトルを示す。しかし、このJ−バンド増感
は可視光領域に於いては極めて多くの例が知られてお
り、例えば、フルカラー感光材料の製造にとって必須の
分光増感方法となっているが、赤外光領域に於ける例は
極めて少なく、A.H.Herz,Photogr.Sci.Eng.,18巻(3
号)323〜335頁(1974年)と、H.Kampfer,IC
PS予稿集366〜369頁(1986年)に簡単な記載
が見られるに過ぎず、カラーカプラー共存下での例は知
られていない。一方、730nmよりも長波長側に増感極
大を有するような赤外増感系では、増感色素の添加量を
増すと減感が強く発生する(米国特許第4,011,0
83号等に記載)。この減感は増感色素によりもたらさ
れる固有減感として良く知られており、長波長吸収の色
素ほど大きくなることも知られている。前述のような赤
外域の増感色素では、この減感が極めて大きいため、通
常はハロゲン化銀粒子表面に対する増感色素の被覆率を
10〜20%程度にせざるを得ず、必然的に光捕捉率も
低く、得られる分光感度も可視域で施されている分光感
度に比べ極めて低いものであり、かかる状態で得られる
分光感度分布はモレキュラー状態の吸収に基づく非常に
ブロードなものであった。更にまた、上記の文献ではJ
−バンドの形成に言及してはいるものの、非常にブロー
ドな分光感度分布スペクトルを沃臭化銀及び臭化銀主体
の塩臭化銀乳剤で得たとされていることからも、該分光
増感は増感色素のモレキュラー状態の分子に基づくM−
バンド型分光増感と増感色素のJ会合体に基づくJ−バ
ンド型分光増感を混在したものと推察され、レーザー露
光やセーフライト下での取扱いやフルカラー感光材料へ
の適応などに充分な意識を持っていなかったために、不
必要な領域の感度を抑えようとする認識が不足してお
り、とにかくJ−バンド増感は得られたものの、分光増
感分布の狭いJ−バンド型分光増感を主体的に実現した
ものでもなく、実用性から見れば極めて不十分なもので
あった。
の波長に適合した分光感度の高いJ−バンド増感を与え
てなおかつ不要な領域の感度の低い増感方法がのぞまれ
ている。また、730nmより長波長の分光増感を施そう
とすると、用いる分光増感色素は長波長の光を効率的に
吸収できる色素となる。特開昭61−137,149
号、同63−197,947号、同55−13,505
号等、及び前述の特開昭59−191,032号、同5
9−192,242号、同60−80,841号等に赤
外増感色素が開示されているが、赤外域に吸収を持たせ
るために共役メチン鎖の長い色素が用いられている。か
かるメチン鎖の長いシアニン色素ではJ−会合体をハロ
ゲン化銀粒子上で形成させ、J−バンド増感を支配的に
施すことは極めて困難であるばかりか、還元電位が余り
卑でないため増感効果が低く、しかも酸化電位が可視域
色素に比べ卑であるため、湿熱及び酸素に対する安定性
も劣ることが知られている。この傾向はフルカラー画像
を得るために必要なカラーカプラーを共存させると一層
著しくなる。ハロゲン化銀感光材料を安価に、大量に且
つ均質に製造、提供するためには、分光増感色素を添加
し、分光増感せしめたハロゲン化銀乳剤を溶液状態で時
には数時間にわたって保存する必要があり、前述の赤外
域用色素でのかかる状態での大きな感度低下は製造上の
大きな問題であった。更にまた、製造後、使用されるま
での期間中に於ける感度の低下や被りの増大も深刻な問
題である。市販されている赤外感光用ハロゲン化銀感光
材料、それも、カラーカプラーが共存しない黒白用の赤
外感光用ハロゲン化銀感光材料でも、使用するまでの間
冷蔵庫や冷凍庫に保存せねば性能が保てないものも在る
ほどであり、その改良が切望されている。一方、自動現
像機を用いた処理のスピードが近年上がってきており、
それに伴い、色素の処理中での脱色に充分な時間が確保
されず、増感色素に起因する残色が目立つようになって
きており、残色の少ない増感系が望まれている。
光に対して高い感度を有するハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにあり、且つ、所望の波長域で高い分光
感度を有し、必要としない波長域の感度が抑えられた、
特に、半導体レーザー光に対して高い感度を与え、且つ
半導体レーザー光以外の光に対しては充分に低い感度を
有する迅速処理可能な改良されたハロゲン化銀写真感光
材料を提供することにある。目的の第2は、溶液状態で
塗布前に保存された乳剤及び塗布後の保存中に於ける感
光材料の赤外光域の写真感度の低下と被り濃度の増大が
抑えられた超迅速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。目的の第3は、赤外光に対して
高感度で迅速処理に対して残色の少ないハロゲン化銀写
真感光材料を提供することにある。
持体及び少なくとも1層のハロゲン化銀写真乳剤層を有
するハロゲン化銀写真感光材料に於いて、該ハロゲン化
銀乳剤層の少なくとも1層は730nmよりも長波長に
増感極大を有し、且つ、分光増感剤によるこの分光感度
極大波長での感度が該分光感度極大波長より30nm長
波長の光に対する分光感度の4.5倍以上であり、該分
光感度極大波長より30nm短波長の光に対する分光感
度の2倍以上であるように、飽和カロメラ電極に対する
ポーラログラフ半波還元電位が−1.26Vより卑であ
り、且つ、ポーラログラフ半波酸化電位が0.38Vよ
り貴である分光増感剤をハロゲン化銀粒子の表面積1m
2 当たり、6.2×10 −7 モル以上2.7×10 −6
モル以下とし、40℃以上90℃以下の範囲で添加、熟
成することにより、分光増感されたことを特徴とするハ
ロゲン化銀感光材料を用いることによって、達成され
た。ハロゲン化銀写真乳剤の分光感度分布スペクトル
は、分光増感を施すために用いた増感色素のハロゲン化
銀上での吸収と一対一ではないが、それを反映したもの
となる。従って、上記本発明の目的は、支持体及び少な
くとも1層のハロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン
化銀写真感光材料に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層は730nmよりも長波長に増感極大を有
し、且つ、分光増感剤による光吸収が下記式(1)及び
(2)をともに満足するように、飽和カロメラ電極に対
するポーラログラフ半波還元電位が−1.26Vより卑
であり、且つ、ポーラログラフ半波酸化電位が0.38
Vより貴である分光増感剤をハロゲン化銀粒子の表面積
1m 2 当たり、6.2×10 −7 モル以上2.7×10
−6 モル以下とし、40℃以上90℃以下の範囲で添
加、熟成することにより、分光増感されたことを特徴と
するハロゲン化銀感光材料を用いることによっても達成
された。 Abs(ピーク波長)/Abs(ピーク波長+30nm)≧4.5・・・・ (1) Abs(ピーク波長)/Abs(ピーク波長−30nm)≧ 2・・・・ (2)
ていて、前述の如き分光感度比または光学濃度比を満足
するには、分光増感色素を単にハロゲン化銀乳剤中に添
加しただけでは難しく、ハロゲン化銀粒子の表面積1m
2当たり、6.2×10−7モル(この量は、増感色素
1分子当たりの占有面積が106Å2とした場合、添加
した増感色素がすべてハロゲン化銀粒子に単層吸着した
とすると、粒子表面のほぼ40%弱を被覆する量に相当
する)以上2.7×10−6モル以下、好ましくは、
9.3×10−7モル以上2.1×10−6モル以下、
より好ましくは、1.1×10−6モル以上1.9×1
0−6モル以下とし、40℃以上90℃以下、好ましく
は50℃以上80℃以下、より好ましくは60℃から7
0℃の範囲で添加、熟成することによって、前述の感度
比または/及び光学濃度比を満足させることが可能にな
った。
感色素を添加したハロゲン化銀乳剤層を有する塗布フィ
ルムを等エネルギー分光露光機でウエッジを通して露光
後、現像処理してそれぞれの露光波長での感度を比較す
れば良い。感度は、黒白現像を行った場合には被り濃度
に0.2加えた濃度を与えた露光量の逆数で、カラー発
色現像を行った場合には被り濃度に0.5加えた濃度を
与えた露光量の逆数でもって表した。カラーカプラーを
共存させなかった場合の現像は下記の組成を持つ現像液
で20℃以下、10分間(塩化銀含量80%以上の塩臭
化銀または塩化銀を用いた場合は5分間)現像し、停
止、定着後、水洗した。 (黒白現像液処方) メトール 2.5g L−アスコルビン酸 10.0g 塩化カリウム 1.0g ナボックス 35.0g 水を加えて 1000ml pH(20℃) 9.8 また、カプラーを共存させた場合の現像は、下記の処理
工程でカラー現像処理をした。 〔処理工程〕 〔温度〕 〔時間〕 〔補充量〕* 〔タンク容量〕 カラー現像 35℃ 45秒 161ml 17リットル 漂白定着 30〜35℃ 45秒 215ml 17リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 350ml 10リットル 乾 燥 70〜80℃ 60秒 (リンス→リンスへの3タンク向流方式とした。) * 補充量は感光材料1m2当たりの量 各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 (タンク液) (補充液) 水 800ml 800ml エチレンジアミン−N,N,N−テトラメチレン ホスホン酸 1.5g 2.0g トリエタノールアミン 8.0g 12.0g 塩化ナトリウム 1.4g − 炭酸カリウム 25.0g 25.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ ル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 7.0g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン 5.5g 7.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B、 住友化学(株)社製) 1.0g 2.0g 水を加えて 1000ml 1000 ml pH(25℃) 10.05 10.4 5〔漂白定着液〕(タンク液と補充液は同じ) 水 800ml チオ硫酸アンモニウム(70%) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジ四酢酸鉄(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.0 〔リンス液〕(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm 以下) また、前述の光学濃度比(吸光度比)を満足するか否か
は、同様に分光増感色素を添加したハロゲン化銀乳剤層
を有する塗布フィルムを積分球付きの分光光度計(例え
ば、日立製作所分光光度計U−3410型)を用いて測
定すれば良い。測定波長領域は、赤外領域のピーク波長
よりも30nm以上長波長域からピーク波長よりも30nm
以上短波長域迄の範囲を測定し、ピーク波長での吸光度
(Abs)、ピーク波長から30nm長波長の波長での吸光
度及びピーク波長から30nm短波長の波長での吸光度と
を求め、上記の式(1) 及び式(2) に従って、それらの比
を求めればよい。
で、且つ、溶液状態で塗布前に保存された乳剤及び塗布
後の保存中に於ける感光材料の赤外光域の写真感度の低
下と被り濃度の増大が抑えられたハロゲン化銀感光材料
を提供するためには、用いられる分光増感色素の飽和カ
ロメラ電極に対するポーラログラフ半波還元電位が−
1.26Vより卑であり、且つ、ポーラログラフ半波酸
化電位が0.38Vより貴である。分光増感色素のポー
ラログラフ半波還元電位と分光増感効率との関係は、例
えば、T.Tani,T.Suzumoto,K.Oh
zeki,Journalof Physical C
hemistry,94巻(1990年)、1298頁
等にも記載されているように、半波還元電位が卑になる
ほど効率がよい。しかしながら、前述赤外増感に関する
特許などにも記載されている、従来のモレキュラー型分
光増感をもたらす増感色素の半波還元電位は−1.1〜
−1.25V vs SCEのものが大半で、あまり卑
でなく、増感効率はより卑な半波還元電位を持つ可視域
増感用の色素に比べ、極めて悪いのが現状である。本発
明はJバンド増感で赤外増感をさせ得た結果、増感効率
の高い−1.26V vsSCEより卑な増感色素を用
いる事をも可能にしたものであり、分光感度をより高め
るためには、用いる増感色素のポーラログラフ半波還元
電位が−1.26Vvs SCEより卑であることが望
ましい。一方、従来から使用されてきた前述のモレキャ
ラー型の赤外増感色素の酸化電位は0.45V VSS
CEより卑なものが一般的で大半は0.40V vs
SCEより卑、中には0.30Vvs SCEより卑な
色素も珍しくない。これは可視域用に用いられる増感色
素に比べかなり卑である。酸化電位がより卑になると、
それだけ酸化を受け易くなる。従って、かかる卑な酸化
電位を持つ従来からのキレキュラー型増感色素で分光増
感された赤外感光材料は保存中における感度低下が著し
い。酸化電位が0.38より貴な増感色素でJバンド型
増感を施せば、この保存中の安定性が非常に向上するこ
とを見いだした。従って、本発明の目的の一つでもあ
る、溶液状態で塗布前に保存された乳剤及び塗布後の保
存中に於ける感光材料の赤外光域の写真感度の低下と被
り濃度の増大か抑えるためには、用いる増感色素のポー
ラログラフ半波酸化電位が0.38V vs SCEよ
り貴であることがより望ましい。ポーラログラフ半波電
位の測定は、T.Tani,K.Ohzeki,K.S
eki.Journal of the Electr
ochemical Society.138巻、14
11〜1415頁及びJ.Lenhard.Journ
al of Imaging Science.30
巻、27〜35頁に記載の位相弁別第2高調波交流ボル
タンメトリー法により測定すればよい。
は、特に、一般式(I)で表される化合物が有用であ
る。 一般式(I)
いてもよく、硫黄原子またはセレン原子を表す。Y1 及
びY4 は水素原子を表すほか、Y2 が水素原子でない場
合のY1 、及びY5 が水素原子でない場合のY4 はメチ
ル基、エチル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基をも表
す。Y2 及びY5 は水素原子、炭素数3以下の置換され
ていても良いアルキル基(より好ましくは、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、ヒ
ドロキシエチル基等。)、ヒドロキシ基、メトキシ基、
エトキシ基、単環式アリール基(より好ましくは、例え
ば、フェニル基、トリル基、アニシル基、2−ピリジル
基、4−ピリジル基、2−チエニル基、2−フリル基
等)、アセチルアミノ基及びプロピオニルアミノ基を表
すほか、Y2 はY1 とで、Y5 はY4 とで、それぞれ連
結し、メチレンジオキシ基、トリメチレン基またはテト
ラメチレン基をも表す。Y3 及びY6 は水素原子を表す
ほか、Y3 はY2 と、Y6 とY5 とで、それぞれ連結
し、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメ
チレン基、テトラメチレン基、またはテトラデヒドロテ
トラメチレン基をも表す。R1 及びR2 は同一でも異な
っていてもよく、総炭素数10以下の置換されていても
よいアルキル基又はアルケニル基を表す。アルキル基及
びアルケニル基のより好ましい置換基としては、例え
ば、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、炭素数6以下のアルコキシ基、炭素数12以下の
置換されていてもよいアリール基(例えば、フェニル
基、トリル基、スルホフェニル基、カルボキシフェニル
基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、4−スルホナ
フチル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル
基等)、炭素数12以下の置換されていてもよいアリー
ルオキシ基(例えば、クロロフェノキシ基、フェノキシ
基、スルホフェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナ
フチルオキシ基等)、炭素数8以下のアシル基(例え
ば、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、アセ
チル基、プロピオニル基等)、炭素数6以下のアルコキ
シカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブト
キシカルボニル基等)、シアノ基、炭素数6以下のアル
キルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基
等)、炭素数8以下の置換されていてもよいアリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等)、炭
素数8以下の置換されていてもよいカルバモイル基(例
えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基
等)、炭素数8以下のアシルアミノ基(例えば、アセチ
ルアミノ基、メタンスルホンアミノ基等)、炭素数8以
下のアシルアミノカルボニル基(例えば、アセチルアミ
ノカルボニル基、メタンスルホニルアミノカルボニル基
等)、炭素数7以下のウレイド基(例えば、3−エチル
ウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基等)等が挙げ
られる。置換基は、一個以上有していてもよい。R3 及
びR5 は、水素原子を表す他、R3 はR1 と、R5 はR
2 と、それぞれ連結して5員環または6員環をも形成出
来ることを表す。R4 は水素原子または置換されていて
も良い低級アルキル基を表す。R6 は水素原子、メチル
基、エチル基またはプロピル基を表し、R7 は置換され
ていても良い低級アルキル基または置換されていても良
いフェニル基を表す。Xは、電荷を中和するに必要な対
イオンを表す。nは、0または1を表し、分子内塩の場
合は0である。
って表わされる、前述の含窒素複素環核の具体例として
は、例えば、ベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチア
ゾール、5−エチルベンゾチアゾール、5−プロピルベ
ンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、
5−メトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチ
アゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5−
メトキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5−フェニル
ベンゾチアゾール、5−p−トリルベンゾチアゾール、
5−アセチルアミノベンゾチアゾール、5−プロピオニ
ルアミノベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチア
ゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾー
ル、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、4,
5−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5,6−トリ
メチレンベンゾチアゾール、ナフト〔1,2−d〕チア
ゾール、5−メチルナフト〔1,2−d〕チアゾール、
8−メトキシナフト〔1,2−d〕チアゾール、8,9
−ジヒドロナフトチアゾール、ベンゾセレナゾール、5
−メチルベンゾセレナゾール、5−エチルベンゾセレナ
ゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−エトキ
シベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナ
ゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、5−ヒド
ロキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、ナフト〔1,
2−d〕セレナゾール、等が挙げられる。
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、メトキシエチル基、エトキシエ
チル基、フェネチル基、トリルエチル基、フェノキシエ
チル基、フェノキシプロピル基、ナフトキシエチル基、
スルホフェネチル基、2,2,2−トリフルオロエチル
基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、カル
バモイルエチル基、ヒドロキシエチル基、2−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)エチル基、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、スル
ホエチル基、2−クロロ−3−スルホプロピル基、3−
スルホプロピル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル基、3−スルホブチル基、4−スルホブチル基、2−
(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、2
−〔2−(3−スルホプロピルオキシ)エトキシ〕エチ
ル基、アセチルアミノエチル基、メチルスルホニルアミ
ノエチル基、メチルスルホニルアミノカルボニルエチル
基、アセチルアニノカルボニルエチル基、等が挙げられ
る。R4 が表す置換されていても良い低級アルキル基の
好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基またはベンジル基が挙げられ、R7 が表す置換され
ていても良い低級アルキル基または置換されていても良
いフェニル基が表す好ましい具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、フ
ェニル基、p−メトキシフェニル基、p−トリル基、等
が挙げられる。X1 が表す対イオンの具体例としては、
カチオンの場合にはカリウム、ナトリウム等のアルカリ
金属イオン、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチ
ルベンジルアンモニウム等のアンモニウムイオン、ピリ
ジニウム等のインモニウムイオン等が挙げられ、アニオ
ンの場合には塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等の
ハライドイオン、p−トルエンスルホナート、ベンゼン
スルホナート等のスルホナートイオン、アセタート等の
カルボキシラートイオン、等が挙げられる。
て、より好ましい増感色素は、一般式(I)により表さ
れる増感色素のうち、Z1 及びZ2 のうちの少なくとも
いずれか一方が硫黄原子を表す場合であり、Y1 及びY
4 は水素原子を表わし、Y2及びY5 が水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、ヒド
ロキシエチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ
基、フェニル基、アセチルアミノ基を表すほか、Y2 は
Y3 と、Y5 とY6 とで、それぞれ、メチレンジオキシ
基、テトラメチレン基、またはテトラデヒドロテトラメ
チレン基を表し、且つ、R6 が水素原子を表す場合であ
る。
具体例を本発明の内容をより具体的に説明するために列
挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されるもので
はない。
る増感色素は、公知の化合物であり、例えば、特開昭5
2−104,917号、特公昭48−25,652号、
特公昭57−22,268号等の各公報や、F.M.H
amer,The Chemistry of Het
erocyclic Compounds,Vol.1
8,The Cyanine Dyes and Re
lated compounds,A.Weissbe
rger ed.,Interscience,New
York,1964.、D.M.Sturmer,T
he Chemistry of Heterocyc
lic Compounds,Vol.30,A.We
issberger and E.C.Taylor
ed.,Jhon Willy,New York,
p.441.、特願平2−270,164号等を参照す
れば合成できる。
アニン色素を本発明のハロゲン化銀乳剤中に含有せしめ
るには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、或い
は水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセト
ン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノー
ル、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−
1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、
N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは
混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。また、米国
特許3,469,987号明細書等に記載のごとき、色
素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶解を水または親水
性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する
方法、特公昭46−24,185号等に記載のごとき、
水不溶製色素を溶解することなしに水溶性溶剤中に分散
させ、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44
−23,389号、特公昭44−27,555号、特公
昭57−22,091号等に記載されているごとき、色
素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加したり、酸また
は塩基を共存させて水溶液とし乳剤中へ添加する方法、
米国特許3,822,135号、米国特許4,006,
025号明細書等に記載のごとき、界面活性剤を共存さ
せて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中
へ添加する方法、特開昭53−102,733号、特開
昭58−105,141号に記載のごとき、親水性コロ
イド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中へ添
加する方法、特開昭51−74,624号に記載のごと
きレッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該
溶液を乳剤中へ添加する方法等を用いる事も出来る。ま
た、溶解に超音波を使用することも出来る。
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事
が認められている乳剤調製の如何なる工程中であっても
よい。例えば、米国特許2,735,766号,米国特
許3,628,960号、米国特許4,183,756
号、米国特許4,225,666号、特開昭58−18
4,142号、特開昭60−196,749号等の明細
書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工
程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び/または
脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、特開昭58−1
13,920号等の明細書に開示されているように、化
学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の
時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工程に於
いて添加されても良い。また、米国特許4,225,6
66号,特開昭58−7,629号等の明細書に開示さ
れているように、同一化合物を単独で、または異種構造
の化合物と組み合わせて、例えば、同一工程中、または
粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後
とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに
分けるなどの異種工程に分割して添加しても良く、分割
して添加する化合物及び化合物の組み合わせの種類をも
変えて添加されても良い。また、短時間で所定量を添加
しても良いし、長時間、例えば、粒子形成工程中の核形
成後から粒子形成完了迄や化学熟成工程の大半などにわ
たって連続的に添加しても良い。より好ましい添加時期
は、ハロゲン化銀の粒子形成工程の核形成後から化学熟
成工程の前半迄の任意の時期である。
銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化
銀、沃臭化銀のいずれでもよい。また、本発明に用いら
れるハロゲン化銀乳剤は、これらのハロゲン化銀粒子を
単独または複数混合して含有していても良い。ハロゲン
化銀粒子は、内部と表層が異なる相をもっていても、接
合構造を有するような多相構造であっても、粒子表面に
局在相を有するものであっても、あるいは粒子全体が均
一な相から成っていても良い。またそれらが混在してい
てもよい。本発明に使用するハロゲン化銀粒子は単分散
でも多分散でもよく、その形は、立方体、八面体、十四
面体のような規則的(regular)な結晶体を有するもので
も、変則的(irregular)な結晶形を持つものでもよく、
またこれらの結晶形の複合形を持つものでもよい。ま
た、平板状粒子でもよく、ハロゲン化銀粒子の円相当直
径/粒子厚みの比の値が5以上とくに8以上の平板状粒
子が、粒子の全投影面積の50%以上を占める乳剤でも
良い。更にこれら種々の結晶形の混合から成る乳剤であ
ってもよい。これら各種の乳剤は潜像を主として表面に
形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像
型のいずれでもよい。
デ著「写真の化学と物理」(P.Glafkides, Chemie et P
hysique Photographique, Paul Montel,1967.)、ダフイ
ン著「写真乳剤化学」(G.F.Daffin, Photographic Emu
lsion Chemistry, Focal Press,1966.) 、ゼリクマンら
著「写真乳剤の製造と塗布」(V.L.Zelikman et al.,Mak
ing and Coating Photographic Emulsion, Focal Pres
s, 1964.) 、F.H.Claes et al., The Journal of Photo
graphic Science,(21)39〜50, 1973. 及びF.H.Claes et
al., The Journal of Photographic Science,(21)85〜
92, 1973. 等の文献、特公昭55−42,737号、米
国特許第4,400,463号、米国特許第4,80
1,523号、特開昭62−218,959号、同63
−213,836号、同63−218,938号、特願
昭62−291,487号等の明細書に記載された方法
を用いて調製する事ができる。即ち、酸性法、中性法、
アンモニウア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と
可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合
法、同時混合法、そられの組み合わせなどのいずれを用
いてもよい。粒子を銀過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いる事もできる。同時混合法
の一つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相中の
pAgを一定に保つ方法、即ち、いわゆるコントロール
ド・ダブルジェット法を用いる事もできる。この方法に
よると、結晶形が規則的で粒子サイズの均一に近いハロ
ゲン化銀乳剤が得られる。
るまでの間に既に形成されているハロゲン化銀に変換す
る過程を含むいわゆるコンバージョン法によって調製し
た乳剤や、ハロゲン化銀粒子形成過程の終了後に同様の
ハロゲン変換を施した乳剤もまた用いる事ができる。
ロゲン化銀溶剤を用いても良い。しばしば用いられるハ
ロゲン化銀溶剤としては、例えば、チオエーテル化合物
(例えば米国特許3,271,157号、同3,57
4,628号、同3,704,130号、同4,27
6,347号等)、チオン化合物及びチオ尿素化合物
(例えば特開昭53−144,319号、同53−8
2,408号、同55−77,737号等)、アミン化
合物(例えば特開昭54−100,717号等)などを
挙げる事ができ、これらを用いる事ができる。また、ア
ンモニアも悪作用を伴わない範囲で使用する事ができ
る。本発明のハロゲン化銀粒子の製造時に、粒子成長を
速めるために、添加する銀塩溶液(例えば、硝酸銀水溶
液)とハロゲン化物溶液(例えば、食塩水溶液)の添加
速度、添加量、添加濃度を時間に従って上昇させる方法
が好ましくもちいられる。これらの方法に関しては、例
えば、英国特許1,335,925号、米国特許3,6
72,900号、同3,650,757号、同4,24
2,445号、特開昭55−142,329号、同55
−158,124号、同55−113,927号、同5
8−113,928号、同58−111,934号、同
58−111,936号等の記載に参考にする事ができ
る。
程に於いて、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、カリウム
塩、レニウム塩、ルテニウム塩、イリジウム塩またはそ
の錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩またはその錯
塩等を共存させてもよい。特に、レニウム塩、イリジウ
ム塩、ロジウム塩、または鉄塩がより好ましい。これら
の添加量としては、必要に応じ任意の量を添加できる
が、例えば、イリジウム塩(例えば、Na3IrCl6 、 Na2Ir
Cl6 、 Na3Ir(CN)6等)は、銀1モル当たり1×10-8以
上、1×10-5以下の範囲の量が、ロジウム塩(例え
ば、RhCl3 、K3Rh(CN)6 等)は銀1モル当たり1×10
-8以上、1×10-8以下の範囲の量が望ましい。
のままでもよいが必要により化学増感をすることが出来
る。化学増感方法としては、いわゆる金化合物による金
増感法(例えば、米国特許2,448,060号、同
3,320,069号)またはイリジウム、白金、ロジ
ウム、パラジウム等の金属による増感法(例えば、米国
特許2,448,060号、同2,566,245号、
同2,566,263号)、或いは含硫黄化合物を用い
る硫黄増感法(例えば、米国特許2,222,264
号)、セレン化合物を用いるセレン増感法、或いは、錫
塩類、二酸化チオ尿素、ポリアミド等による還元増感法
(例えば、米国特許2,487,850号、同2,51
8,698号、同2,521,925号)、或いはこれ
らの二つ以上の組み合わせを用いる事ができる。本発明
のハロゲン化銀乳剤は、金増感または硫黄増感、或いは
これらの併用がより好ましい。好ましい金増感剤及び硫
黄増感剤の添加量は、各々銀1モル当たり1×10-7〜
1×10-2モルであり、より好ましくは5×10-6〜1
×10-3である。金増感と硫黄増感の併用の場合の金増
感剤と硫黄増感剤の好ましい比率はモル比で1:3〜
3:1であり、より好ましくは1:2〜2:1である。
本発明の化学増感を行う温度としては、30℃から90
℃の間の任意の温度から選択できる。また、化学増感を
行う際のpHは、4.5から9.0、好ましくは5.0
から7.0の範囲で行われる。化学増感の時間は、温
度、化学増感剤の種類及び使用量、pH等で変わるた
め、一概に決められないが、数分から数時間の間の任意
に選ぶことができ、通常は10分から200分の間で行
われる。
して、本発明に用いられる増感色素は、そのハロゲン化
銀に対する吸着やJ会合体形成を強め、より高い分光感
度を得るために沃化カリウムをはじめとする水溶性沃化
物塩や臭化カリウムをはじめとする水溶性臭化物塩やチ
オシアン酸カリウムなどの水溶性チオシアン酸塩を併用
されることが良くあるが、本発明に於いても好ましく用
いられ、水溶性臭化物塩及び水溶性チオシアン酸塩は塩
化銀もしくは塩化銀含有量の多い塩臭化銀でその効果が
顕著である。現像に要する時間が30秒以下の超迅速処
理を達成するには塩化銀含有率が50モル%以上の高塩
化銀乳剤の方が好ましい。かかる目的にあっては沃素イ
オンは周知のように現像抑制性が強く上述の水溶性沃化
物塩を含め沃素イオンは銀1モル当たり0.05モル%
以下に抑えた方が好ましい。超迅速処理適性のあるハロ
ゲン化銀感光材料の製造のためには、塩化銀含有率80
モル%以上の高塩化銀乳剤がより好ましく、かかる乳剤
に於いては、上述したように水溶性臭化物塩または/及
び水溶性チオシアン酸塩の併用は、J会合体形成を強
め、より高い分光感度が得られ好ましいが、それらの添
加量は、銀1モル当たり0.03〜3モル%の範囲、特
に0.08〜1モル%の範囲が好ましい。
子に於いては、赤外域分光増感した場合に、高い感度が
得られ、その安定性、特に優れた潜像の安定性が得られ
る特徴を有する、特開平2−248,945号等にも開
示されている粒子中に局在相を有する高塩化銀粒子がよ
り好ましい。この局在相は上記特許にも開示されている
ように臭化銀含有率が15モル%を越えていることが好
ましく、特に、20〜60モル%の範囲がより好まし
く、30〜50モル%の範囲で残りが塩化銀であること
が最も好ましい。また、該局在相は、ハロゲン化銀粒子
内部にあっても、表面または亜表面にあってもよく、内
部を表面または亜表面に分割されていても良い。またこ
の局在相は内部或いは表面に於いて、ハロゲン化銀粒子
を取り囲むような層状構造を成していても或いは不連続
に独立した構造を有していても良い。臭化銀含有率が周
囲より高い局在相の配置の好ましい一具体例、ハロゲン
化銀粒子表面に臭化銀含有率に於いて少なくとも15モ
ル%を越える局在相が局在的にエピタキシャル成長した
ものである。該局在相の臭化銀含有率は、X線回折法
(例えば、「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解
析」丸善に記載されている)或いはXPS法(例えば表
面分析、IMA、オージェ電子・光電子分光の応用」講
談社、に記載されている)等を用いて分析することがで
きる。該局在相は、ハロゲン化銀粒子を構成する全銀量
の0.1〜20%の銀から構成されている事が好まし
く、0.5〜7%の銀から構成されている事が更に好ま
しい。
の他の相との界面は、明確な相境界を有していても良い
し、ハロゲン組成が徐々に変化する短い転移領域を有し
ていても良い。このような臭化銀含有率の高い局在相を
形成するためには、様々な方法を用いる事ができる。例
えば、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を片側混合法或い
は同時混合法で反応させて局在相を形成する事ができ
る。更に、既に形成されているハロゲン化銀をより溶解
度積の小さなハロゲン化銀に変換する過程を含む、所謂
コンバージョン法を用いても局在相を形成する事ができ
る。或いは臭化銀微粒子を添加する事によって塩化銀粒
子の表面に再結晶させる事によっても局在相をできる。
を更に増大せしめるためには、本発明に係わるハロゲン
化銀乳剤中に下記一般式(II) または一般式(III)のい
ずれかで表されてテトラザインデン化合物と組み合わせ
て、増感色素を含有せしため方がより好ましい。 一般式(II)
でも異なっていてもよく、各々水素原子、総炭素数1〜
20の環や分岐を有していてもよい無置換或いは置換さ
れたアルキル基、単環もしくは双環の無置換或いは置換
されたアリール基、無置換或いは置換されたアミノ基、
ヒドロキシ基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭
素数1〜6のアルキルチオ基、脂肪族基または芳香族基
で置換されていてもよいカルバモイル基、ハロゲン原
子、シアノ基、カルボキシ基、総炭素数2〜20のアル
コキシカルボニル基、または、窒素原子、酸素原子、イ
オウ原子のごときヘテロ原子を有する5員もしくは6員
環を含むヘテロ環残基を表す。R21とR22またはR22と
R23とが連結し5員もしくは6員環を形成してもよい。
但し、R21とR23のうち、少なくともその一つはヒドロ
キシ基を表す。
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル
基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘプタデ
シル基などが挙げられる。前記置換アルキル基に於ける
置換基の例としては、例えば、単環もしくは双環のアリ
ール基、ヘテロ残基、ハロゲン原子、カルボキシ基、炭
素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数19以下
のアルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられ、置換アル
キル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネ
チル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、トリフ
ルオロメチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシ
エチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、エト
キシカルボニルメチル基、2−メトキシエチル基、ヒド
ロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられ
る。前述無置換アリール基の例としては、例えば、フェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられ、アリール基が置換さ
れた場合の置換基の例としては、例えば、炭素数4以下
のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基、シアノ
基、炭素数6以下のアルコキシカルボニル基、ヒドロキ
シ基、炭素数6以下のアルコキシ基等が挙げられ、置換
アリール基の具体例としては、例えば、p−トリル基、
m−トリル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェ
ニル基、o−クロロフェニル基、m−シアノフェニル
基、p−カルボキシフェニル基、o−カルボキシフェニ
ル基、0−(メトキシカルボニル)フェニル基、p−ヒ
ドロキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−エ
トキシフェニル基等が挙げられる。前述置換アミノ基の
置換基の置換基の例としては、例えば、アルキル基(例
えばメチル基、エチル基、ブチル基)、アシル基(例え
ばアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メチル
スルホニル基)等が挙げられ、置換アミノ基の具体例と
しては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ブチルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられ
る。前述アルコキシ基の具体例としては、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘプタデシルオキシ
基等が挙げられる。前述アルキルチオ基の具体例として
は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ヘキシルチ
オ基等が挙げられる。前述カルバモイル基は、置換基と
して炭素数20以下のアルキル基や2環以内のアリール
基を一つまたは二つ有する事ができる。置換カルバモイ
ル基の具体例としては、メチルカルバモイル基、ジメチ
ルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、フェニルカ
ルバモイル基等が挙げられる。前述アルコキシカルボニ
ル基の具体例としては、例えば、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が
挙げられる。前述ハロゲン原子の具体例は、フッソ原
子、塩素原子及び臭素原子である。前述ヘテロ環残基は
単環でも、2〜3環の縮合環を有していてもよく、具体
例としては、例えば、フリル基、ピリジル基、2−(3
−メチル)ベンゾチアゾリル基、1−ベンゾトリアゾリ
ル基等が挙げられる。前述の置換アルキル基に於いて、
R24が表す置換アルキル基の置換基がヘテロ環残基であ
る場合、下記の一般式(IV)で表される置換基は好まし
い。 一般式(IV)
じ意義を表し、nは2、3または4を表す。本発明に於
いて、一般式(II)または一般式(III)のいずれかで表
される化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5
〜0.2モル、特に、3×10-4〜0.02モルの範囲
で含有され得るが、化合物の添加量は、ハロゲン化銀乳
剤の粒子サイズ、ハロゲン組成、化学増感の方法と程
度、本発明に係わる乳剤層と他の層との関係、被り防止
化合物の種類等に応じて、最適の量を選択する事が望ま
しい。その選択の為の試験の方法は、当業者のよく知る
所であり、当業者には容易である。本発明に於いて、一
般式(II) または一般式(III) のいずれかで表される化
合物を本発明に係わるハロゲン化銀乳剤中に含有させる
には、前述の一般式(I)で示されるシアニン色素の添
加方法とまったく同様にして、該化合物を直接乳剤中に
分散しても良いし、水に混和し得る有機溶剤の溶液とす
るか、水溶性の場合には水溶液として、また、親水性コ
ロイド溶液中に分散してものを添加すれば良い。アルカ
リ性水溶液とするのが溶解する上で好都合なこともあ
る。本発明に於いて、一般式(II) または一般式(III)
のいずれかで表される化合物をハロゲン化銀乳剤中に添
加する場合、その添加は、ハロゲン化銀の粒子形成の工
程からハロゲン化銀乳剤の塗布までの任意の時期に行っ
てよいが、添加量のうち、銀1モル当たり3×10-3モ
ル以下の範囲でハロゲン化銀の種類、粒子サイズにより
適切な量を選択して(増感色素による吸収強度が低下し
ないかむしろシャープで吸収強度が増大する量)、前記
一般式(I)で示されるシアニン色素の添加前に添加す
るのがより好ましく、高塩化銀乳剤では化学熟成の開始
以前の時期にその量を添加するのがより好ましい。かか
る添加方法をとれば、被りがより効果的に抑えられ、且
つ感度もより高められる。
いずれかで表される化合物の具体例を示すが、本発明は
これらの具体的化合物のみに限定されるものではない。
の拡大や強色増感の目的で、本発明に係わるシアニン色
素以外のメチン色素または/及び強色増感剤を含有して
いてもよく、本発明に係わるハロゲン化銀粒子以外のハ
ロゲン化銀粒子を同一層または別の層中に含有する場
合、該ハロゲン化銀粒子が本発明に係わるシアニン色素
はもとより、その他のメチン色素及び強色増感剤で分光
増感されていてもよい。
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、シチリル色素及びヘミオキソノール色素等が挙
げられる。特に有用な色素はシアニン色素、メロシアニ
ン色素及び複合メロシアニン色素に属する色素である。
これらの色素類には、塩基性複素環核としてシアニン色
素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。即
ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、セレ
ナゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、イミダゾール核、テルラゾール
核、ピリジン核、テトラゾール核等;これらの核に脂環
式炭化水素環が縮合した核;及びこれらの核に芳香族炭
化水素環が縮合した核、即ち、インドレニン核、ベンズ
インドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール
核、ナフトオキサゾール核、ベンズイミダゾール核、ナ
フトイミダゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチア
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール
核、キノリン核、ベンゾテルラゾール核等が適用でき
る。これらの複素環核は炭素原子上に置換されていても
よい。
色素には、ケトメチレン構造を有する核として、通常メ
ロシアニン色素に利用される核のいずれをも適用でき
る。特に有用な核として、ピラゾリン−5−オン核、チ
オヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−
ジオン核、チオゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルビツール酸核、2−チオセレナゾリジン
−2,4−ジオン核等の5員、6員の複素環核等を適用
することができる。
が、組み合わせて用いてもよい。増感色素の組合せは、
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例
は米国特許第2,688,545号、同2,977,2
29号、同3,397,060号、同3,522,05
2号、同3,527,641号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,703,377号、同3,769,301
号、同3,614,609号、同3,837,862
号、同4,026,707号、英国特許1,344,2
81号、同1,507,803号、特公昭43−4,9
36号、同53−12,375号、特開昭52−11
0,618号、同52−109,925号等に記載され
ている。
−142,541号等に記載のビスピリジニウム塩化合
物、特公昭59−18,691号等に記載のスチルベン
誘導体、特公昭49−46,932号等に開示されてい
る水溶性臭化物、米国特許3,743,510号に開示
されている芳香族化合物とホルムアルデヒドとの縮合
物、カドミウム塩類及びアザインデン化合物などが挙げ
られる。
に添加する時期は、これまで有用であると知られている
乳剤調製の如何なる段階であってもよく、添加する方
法、添加量もこれまで有用であると知られている如何な
る方法、量であってもよい。具体的には、前述の一般式
(I)で示されるシアニン色素の添加時期、添加方法、
並びに添加量として記載した時期、添加方法、添加量が
挙げられる。
被りをもたらす事も多く、前述した如く一般式(II) ま
たは一般式(III) で表される化合物はその被りを防止し
その点でも好ましいが、ベンゾチアゾール4級塩化合物
及び次の一般式(VI)で表される化合物もかかる被りを
抑制したり、強色増感作用をもたらすものも多く好まし
い。その添加時期は、本発明に係わる増感色素を添加し
た後であって、化学増感を施す場合には化学増感工程の
後半以後の時期から塗布される迄の間の任意の時期がよ
り好ましい。また、その添加量は、本発明に用いる増感
色素に対しての比率が0.3〜10当量がより好まし
い。 一般式(VI)
ばイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾ
ール、オキサゾール、セレナゾール、ベンズイミダゾー
ル、ベンズインダゾール、ベンズトリアゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンズチアゾール、チアジアゾールオキ
サジアゾール、ベンズセレナゾール、ピラゾール、ナフ
トチアゾール、ナフトイミダゾール、ナフトオキサゾー
ル、アザベンズイミダゾール、プリンなど)、ピリミジ
ン環、トリアジン環、ピリジン環、アザインデン環(例
えば、トリアザインデン、ペンタインデンなど)であ
る。
基の具体例としては置換または無置換のアルキル基(例
えば、メチル、エチル、ヒドロキシルエチル、トリフル
オロメチル、スルホプロピル、ジ−プロピルアミノエチ
ル、アダマンチル、ベンジル、p−クロロフェネチル、
エトキシエチル、エチルメルカプトエチル、シアノプロ
ピル、フェノキシエチル、カルバモイルエチル、カルボ
キシエチル、エトキシカルボニルプロピル、アセチルア
ミノエチルなど)、無置換または置換のアルケニル基
(例えば、アリルなど)、無置換または置換のアリール
基(例えば、フェニル、ナフチル、p−カルボキシ−フ
ェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、m−スルホフ
ェニル、p−アセトアミドフェニル、3−カプリルアミ
ドフェニル、p−スルファモイルフェニル、m−ヒドロ
キシ−フェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロ
ロフェニル、p−アニシル、o−アニシル、p−シアノ
フェニル、p−N′−メチルウレイドフェニル、m−フ
ルオロフェニル、p−トリル、m−トリルなど)、置換
されていてもよいヘテロ環残基(例えば、ピリジル、5
−メチル−2−ピリジル、チエニルなど)、ハロゲン原
子(例えば、塩素、臭素)、メルカプト基、シアノ基、
カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アミド基、ニトロ基、置換され
ていてもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ、な
ど)、置換されていてもよいアリーロキシ基(例えば、
フェノキシ、p−メチルフェノキシなど)、アシル基
(例えば、アセチル、ベンゾイル、メタンスルホニルな
ど)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、カプ
ロイルアミノ、メチルスルホニルアミノ)、置換アミノ
基(例えば、ジエチルアミノ、ヒドロキシアミノ)、ア
ルキル又はアリールチオ基(例えば、メチルチオ、カル
ボキシエチル、スルホブチルチオ)、アルコキシカルボ
ニル基(例えば、メトキシカルボニル)、アリーロキシ
カルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)などが
挙げられる。
61が表わす置換基が同種または/及び異種の組合せで複
数含まれていてもよいことを表わす。一般式(VI)の化
合物に於て、更により好ましい化合物は、メルカプト置
換アゾール環化合物類である。
としては分子中にバラスト基とよばれる疎水性基を有す
る非拡散性のもの、またはポリマー化されたものが望ま
しい。カプラーは、銀イオンに対し4当量性あるいは2
当量性のどちらでもよい。又、色補正の効果をもつカラ
ードカプラー、あるいは現像にともなって現像抑制剤を
放出するカプラー(いわゆるDIRカプラー)を含んで
もよい。又、カッブリング反応の生成物が無色であっ
て、現像抑制剤を放出する無呈色DIRカップリング化
合物を含んでいてもよい。
ゾロンカプラー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラ
ー、ピラゾロトリアゾールカプラー、ピラゾロテトラゾ
ールカプラー、シアノアセチルクマロンカプラー、開鎖
アシルアセトニトリルカプラー等があり、イエローカプ
ラーとして、アシルアセトアミドカプラー(例えばベン
ゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトアニリド
類)、等があり、シアンカプラーとして、ナフトールカ
プラー及びフェノールカプラー等がある。シアンカプラ
ーとしては米国特許第3772002号、同27721
62号、同第3758308号、同4126396号、
同4334011号、同4327173号、同3446
622号、同4333999号、同4451559号、
同4427767号等に記載のフェノール核のメタ位に
エチル基を有するフェノール系カプラー、2,5−ジア
シルアミノ置換フェノール系カプラー、2位にフェノー
ルウレイド基を有し5位にアシルアミノ基を有するフェ
ノール系カプラー、ナフトールの5位にスルホンアミ
ド、アミドなどが置換したカプラーなどが画像の堅牢性
がすぐれており好ましい。
としては、特開平2−248,945号22頁から30
頁に開示されたものと同様のものが挙げられる。
特性を満足するために同一層に二種類以上を併用するこ
ともできるし、同一の化合物を異なった2層以上に添加
することも、もちろん差支えない。
ハロゲン化銀乳剤層中に、通常、好ましくは、ハロゲン
化銀1モル当り0.1〜1.0モル、より好ましくは
0.1〜0.5モル含有される。
添加するためには、公知の種々の技術を適用することが
できる。通常、オイルプロテクト法として公知の水中油
滴分散法により添加することができ、溶媒に溶解した
後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液に乳化分散させ
る。あるいは界面活性剤を含むカプラー溶液中に水ある
いはゼラチン水溶液を加え、転相を伴って水中油滴分散
物としてもよい。またアルカリ可溶性のカプラーは、い
わゆるフィッシャー分散法によっても分散できる。カプ
ラー分散物から、蒸留、ヌードル水洗あるいは限界濾過
などの方法により、低沸点有機溶媒を除去した後、写真
乳剤と混合してもよい。
率(25℃)2〜20、屈折率(25℃)1.5〜1.
7の高沸点有機溶媒および/または水不溶性高分子化合
物を使用するのが好ましい。
ものとしては、特開平2−248,945号30頁に開
示されているものを挙げることができ、それらの詳細に
ついては、特開昭62−215,272号137頁〜1
44頁に記載されている。
機溶媒の存在下でまたは不存在下でローダブルラテック
スポリマー(例えば米国特許第4,203,716号)
に含浸させて、または水不溶性且つ有機溶媒可溶性のポ
リマーに溶かして親水性コロイド水溶液に乳化分散させ
る事ができる。
号明細書の第12頁〜30頁に記載の単独重合体または
共重合体が用いられ、特にアクリルアミド系ポリマーの
使用が色像安定化等の上で好ましい。
ブリ防止剤として、ハイドロキノン誘導体、アミノフェ
ノール誘導体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体
などを含有してもよい。
を用いることができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/
又はイエロー画像用の有機褪色防止剤としてはハイドロ
キノン類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシ
クマラン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノ
ール類、ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェ
ノール類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン
類、アミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこ
れら各化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキ
ル化したエーテルもしくはエステル誘導体が代表例とし
て挙げられる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)
ニッケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオ
カルバマト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども
使用できる。
細書に記載されている。ハイドロキノン類は米国特許第
2,360,290号、同第2,418,613号、同
第2,700,453号、同第2,701,197号、
同第2,728,659号、同第2,732,300
号、同第2,735,765号、同第3,982,94
4号、同第4,430,425号、英国特許第1,36
3,921号、米国特許第2,710,801号、同第
2,816,028号などに、6−ヒドロキシクロマン
類、5−ヒドロキシクマラン類、スピロクロマン類は米
国特許第3,432,300号、同第3,573,05
0号、同第3,574,627号、同第3,698,9
09号、同第3,764,337号、特開昭52−15
2225号などに、スピロインダン類は米国特許第4,
360,589号に、p−アルコキシフェノール類は米
国特許第2,735,765号、英国特許第2,06
6,975号、特開昭59−10539号、特公昭57
−19765号などに、ヒンダードフェノール類は米国
特許3,700,455号、特公昭52−72224
号、米国特許第4,228,235号、特公昭52−6
223号などに、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベ
ンゼン類、アミノフェノール類はそれぞれ米国特許第
3,457,079号、同第4,332,886号、特
公昭第56−21144号などに、ヒンダードアミン類
は米国特許第3,336,135号、同第4,268,
593号、英国特許第1,326,889号、同第1,
354,313号、同第1.410,846号、特公昭
51−1420号、特開昭58−114036号、同第
59−53846号、同第59−78344号などに、
金属錯体は米国特許第4,050,938号、同第4,
241,155号、英国特許第2,027,731
(A)号などにそれぞれ記載されている。これらの化合
物は、それぞれ対応するカラーカプラーに対し通常5な
いし100重量%をカプラーと共乳化して感光層に添加
することにより、目的を達成することができる。シアン
色素像の熱および特に光による劣化を防止するために
は、シアン発色層およびそれに隣接する両側の層に紫外
線吸収剤を導入することがより効果的である。
されたベンゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第
3,533,794号に記載のもの)、4−チアゾアド
ン化合物(例えば米国特許第3,314,794号、同
第3,352,681号に記載のも)、ベンゾフェノー
ン化合物(例えば特開昭46−2784号に記載のも
の)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第3,
705,805号、同第3,707,395号に記載の
も)、ブタジエン化合物(米国特許第4,045,22
9号に記載のもの)、あるいはベンゾオキシドール化合
物(例えば米国特許第3,700,455号に記載のも
の)を用いることができる。紫外線吸収性のカプラー
(例えばα−ナフトール系のシアン色素形成カプラー)
や、紫外線吸収性のポリマーなどを用いてもよい。これ
らの紫外線吸収剤は特定の層に媒染されていてもよい。
ンゾトリアゾール化合物が好ましい。また前述のカプラ
ーと共に、特に下記のような化合物を使用することが好
ましい。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好ま
しい。
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。
アニシジンとの二次反応速度定数k2 (80℃のトリオ
クチルホスフェート中)が1.0 l/mol.sec
〜1×10-5 l/mol.secの範囲で反応する化
合物である。なお、二次反応速度定数は特開昭63−1
58545号に記載の方法で測定することができる。
体が不安定となり、ゼラチンや水と反応して分解してし
まうことがある。一方、k2 がこの範囲より小さければ
残存する芳香族アミン系現像主薬と反応が遅く、結果と
して残存する芳香族アミン系現像主薬お副作用を防止す
ることができないことがある。
のは下記一般式(FI)または(FII)で表すことが
できる。 一般式(FI)
基、芳香族基、またはヘテロ環基を表す。n101 は1ま
たは、0を表す。Aは芳香族アミン系現像薬と反応し、
化学結合を形成する基を表わし、Y101 は芳香族アミン
系現像薬と反応して離脱する基を表わす。Bは水素原
子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、また
はスルホニル基を表し、Y102 は芳香族アミン系現像主
薬が一般式(FII)の化合物に対して付加するのを促
進する基を表す。ここでR101 とY101 、Y102 とR
102 またはBとが互いに結合して環状構造となってもよ
い。
る方式のうち、代表的なものは置換反応と付加反応であ
る。一般式(FI)、(FII)で表される化合物の具
体例については、特開昭63−158545号、同第6
2−283338号、特願昭62−158342号、欧
州特許公開277589号や同293321号などの明
細書に記載されているものが好ましい。
ミン系現像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活
性でかつ無色の化合物を生成する化合物(G)のより好
ましいものは下記一般式(GI)で表わすことができ
る。
ヘテロ環基を表わす。Y103 は求核性の基または感光材
料中で分解して求核性の基を放出する基を表わす。一般
式(G1)で表わされる化合物はY103 がPearso
nの求核性“CH2 I値(R.G.Pearson.e
t al.,J.Am.Chem.Soc.,90,3
19(1968))が5以上の基か、もしくはそれから
誘導される基が好ましい。
例については欧州公開特許第255722号、特開昭6
2−143048号、同62−229145号、特開平
1−230039号、同1−57259号、特開昭64
−2042号や欧州特許公開277589号や同298
321号などに記載されているものが好ましい。
の組合せの詳細については欧州特許公開277589号
に記載されている。本発明に用いて作られた感光材料に
は、親水性コロイド層に紫外線吸収剤を含んでもよい。
例えば、アリール基で置換されたベンゾトリアゾール化
合物(例えば米国特許第3,533,794号に記載の
も)、4−チアゾリドン化合物(例えば米国特許第3,
314,794号、同3,352,681号に記載の
も)、ベンゾフェノン化合物(例えば特開昭46−27
84号に記載のも)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば
米国特許第3,705,805号、同3,707,37
5号に記載のもの)、ブタジエン化合物(例えば米国特
許第4,045,229号に記載のもの)、あるいはベ
ンゾオキシドール化合物(例えば米国特許第3,70
0,455号に記載のもの)を用いることができる。紫
外線吸収性のカプラー(例えばα−ナフトール系のシア
ン色素形成カプラー)や、紫外線吸収性ポリマーなどを
用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒染
されていてもよい。
ーション防止、ハレーション防止、とくに各感光層の分
光感度分布の分離並びに可視波長域のセーフライトに対
する安全性確保のために、コロイド銀や染料が用いられ
る。このような染料にはオキソノール染料、ヘミオキソ
ノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニ
ン染料及びアゾ染料が包含される。なかでもオキソノー
ル染料、ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料が
有用である。
昭62−3250号、同62−181381号、同62
−123454号、同63−197947号などに記載
された脱色可能の染料、またバック雇用や特開昭62−
39682号、同62−123192号、同62−15
877号や同62−174741号などに記載の染料ま
たは同染料を処理中に流出可能の水溶性基を導入して用
いることができる。本発明の赤外用染料は可視波長域に
実質的に光吸収をもたない無色のものであってもよい。
長域を分光増感されたハロゲン化銀乳剤に混合すると、
減感、カブリの発生、あるときは染料自体がハロゲン化
銀粒子に吸着し弱いブロードな分光増感をするなどの問
題がある。好ましくは感光層以外のコロイド層にのみ、
実質的に含有させることが好ましい。このためには、染
料を所定の着色層に耐拡散の状態において含有させるが
よい。第1には染料をバラスト基を入れて耐拡散性にす
ることである。しかし残色や処理ステインを発生しやす
い。第2には本発明のアニオン性染料を、カチオン・サ
イトを提供するポリマーまたはポリマーラテックスを併
せ用いて媒染することである。第3にはpH7以下の水
に不溶であり、処理過程で脱色溶出する染料を微粒子分
散して用いることである。それには低沸点有機溶媒に溶
解または界面活性剤に可溶化しこれをゼラチンなどの親
水性保護コロイド水溶液中に分散して用いる。好ましく
は当該染料の固体を、界面活性剤水溶液と混練してミル
で機械的に微粒子としてそれをゼラチンなどの親水性コ
ロイド水溶液中に分散して用いるがよい。
できる結合剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを
用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも
単独あるいはゼラチンと共に用いることができる。
ものでも、酸を使用して処理されたものでもどちらでも
よい。ゼラチンの製法の詳細はアーサー・ヴァイス著
「ザ・・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼ
ラチン(アカデミック・プレス、1964年発行)に記
載がある。
持体の上にイエロー・カプラーを含有する感光層(Y
L)、マゼンタ・カプラーを含有する感光層(ML)、
シアンカプラーを含有する感光層(CL)、保護層(P
L)、中間層(IL)、必要により現像処理の間に脱色
可能の着色層とくにハレーション防止層(AH)を設け
る。YL、MLおよびCLは、夫々主波長が異なる少な
くとも3種の光束に適合した分光感度を有する。YL、
MLおよびCLの主感度波長は、夫々30nm以上、好
ましくは50nmないし100nm離れてあり、一つの
感光層の主感度波長において、その他の感光層と少なく
とも0.8Log.E(光量)、好ましくは1.0以
上、より好ましくは1.2以上の感度差がある。各感光
層の少なくとも1層は、650nmより長波長に感度を
もち、さらに好ましくはさらに少くとも2層が730n
mより長波領域に感度をもつことが好ましい。
成をとることである。表中、Rは赤増感されているこ
と、またIR−1とIR−2はそれぞれ異なった赤外波
長域に分光増感されていることを表わす。 試料 1 2 3 4 保護層 PL PL PL PL YL=R YL=IR−2 YL=R ML=R 感光層 ML=IR−1 ML=IR−1 CL=IR−1 YL=IR−1 ユニット CR=IR−2 CL=R MR=IR−2 CL=IR−2 (AH) (AH) (AH) (AH) 支持体 試料 5 6 7 8 保護層 PL PL PL PL CL=R CL=R CL=IR−2 ML=IR−2 感光層 YL=IR−1 ML=IR−1 ML=IR−1 CL=IR−1 ユニット ML=IR−2 YL=IR−2 YL=R YL=R (AH) (AH) (AH) (AH) 支持体 試料 9 保護層 PL ML=R 感光層 CL=IR−1 ユニット YL=IR−2 (AH) 支持体
感度の極大波長を有するハロゲン化銀乳剤はもとより、
目的により更に含有させる本発明を用いないハロゲン化
銀乳剤もともに、画像鮮鋭度やセーフライト安定性をよ
り高めたり、混色をより防ぐなどの目的のために染料を
用いても良い。染料は上記の乳剤が含有された層であっ
ても、含有されていない層であっても良いが、好ましく
は特定の層に固定するのが良い。そのためには染料をコ
ロイド層中に耐拡散性状態で含有させ、且つ現像処理の
過程で脱色できるよう用いる。第1にはpH7の水に実
質的に不溶であり、pH7以上の水に可溶となる染料の
微粒子分散物を用いることである。第2には、酸性染料
を、カチオンサイトを提供するポリマーまたはポリマー
ラテックスとともに用いることである。第1及び第2の
方法には、特開昭63−197,947号明細書に記載
の一般式(VI) 及び(VII)によって表される染料が有用
である。特に、第1の方法には、カルボキシ基を持つ染
料が有用である。
の他の添加剤に関しては特に制限はなく、例えばリサー
チ・ディスクロージャー誌(Research Disclosure)17
6巻アイテム17643(RD17643)、同187
巻アイテム18716(RD18716)及び同307
巻アイテム307105(RD307105)の記載を
参考にすることができる。
307105に於ける各種添加剤の記載箇所を以下にリ
スト化して示す。
感光材料に用いられるセルロースナイトレートフィルム
やポリエチレンテレフタレートなどの透明フィルムや反
射型支持体が使用できる。それらの厚さとしては、10
〜350μm が好ましく、30〜250μm がより好ま
しい。
射性を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像
を鮮明にするものをいい、このような反射支持体には、
支持体上に可視光波長域の反射率を高めるために酸化チ
タン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の
光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆したものや
光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂を支持体として
用いたものが含まれる。例えば、バライタ紙、ポリエチ
レン被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を併設し
た、或いは反射性物質を併用する透明支持体、例えばガ
ラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セルロー
スあるいは硝酸セルロースなどのポリエステルフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、
ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等があり、これ
らの支持体は使用目的によって適宜選択できる。
下に白色顔料を充分に混練するのがよく、また顔料粒子
の表面を2〜4価のアルコールで処理したものを用いる
のが好ましい。
の占有面積比率(%)は、最も代表的には観察された面
積を、相接する6μm ×6μm の単位面積に区分し、そ
の単位面積に投影される微粒子の占有面積比率(%)
(R1)を測定して求めることが出来る。占有面積比率
(%)の変動係数は、R1 の平均値(Rav)に対するR1
の標準偏差sの比s/Rav によって求めることが出来
る。対象とする単位面積の個数(n)は6以上が好まし
い。従って変動係数s/Rav は次式によって求めること
が出来る。
比率(%)の変動係数は、0.15以下とくに0.12
以下が好ましい。光反射性物質に金属薄膜、例えばアル
ミニウムまたは光の合金など、特開昭63−11815
4号、同63−24247号、同63−24251号な
いし同63−24253号、同63−24255号など
に記載の鏡面反射性もしくは第2種拡散反射性表面をも
つ金属を用いることもできる。
黒白及びカラーネガフィルム(一般用、映画用)、カラ
ー反転フィルム(スライド用、映画用)、白黒及びカラ
ー印画紙、カラーポジフィルム(映画用)、カラー反転
印画紙、熱現像用白黒及びカラー感光材料、製版用黒白
及びカラー写真感光材料(リスフィルム、スキャナーフ
ィルム等)、白黒及びカラー医療用及び工業用感光材
料、白黒及びカラー拡散転写感光材料(DTR)等に適
用できる。
説明する。本発明において用いることのできるレーザー
としては半導体レーザーが好ましく、その具体例として
は、In1-x Gax P(〜700nm)、GaAs1-x
Px (610〜900nm)、Ga1-x Alx As(6
90〜900nm)、InGaAsP(1100〜16
70nm)AlGaAsSb(1250〜1400n
m)等の材料を用いた半導体レーザーが挙げられる。本
発明におけるカラー感光材料への光の照射は、上記半導
体レーザーによるものの他に、Nb:YAG結晶をGa
Asx P(1-x) 発光ダイオードにより励起するYAGレ
ーザー(1064nm)であっても良い。好ましくは、
670、680、750、780、810、830、8
80nmの半導体レーザーの光束の中から選択して用い
るのがよい。
子(SHG素子)とは、非線形光学効果を応用してレー
ザー光の波長を2分の1に変換するものであり、例え
ば、非線形光学結晶としてCD* AおよびKD* Pを用
いたものが挙げられる(レーザーハンドブック、レーザ
ー学会編、昭和57年12月15日発行、122頁〜1
39頁参照)。また、LiNbO3 結晶内にLi+ をH
+ でイオン交換した光導波路を形成したLiNbO3 光
導波路素子を用いることができる(NIKKEIELE
CTRONICS 1986.7.14(no.39
9)第89〜90頁)。本発明には、特開昭63−22
6552号明細書に記載の出力装置を用いることができ
る。
理及び適用システムについては前記のRD17643の
XIX 〜XXIV、RD307105のXIX 〜XXIII に記載の
内容を適用することができる。
下に実施例を示すが、本発明はそれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 反応容器中に水1000ml、脱イオン化した骨ゼラチ
ン25g、50%のNH4NO3水溶液15ml及び2
5%のNH4水溶液7.5mlを加えて50℃に保ち、
よく攪拌し、1Nの硝酸銀水溶液750mlと1Nの臭
化カリウム水溶液とを50分で添加し、反応中の銀電位
を飽和甘汞電極に対して+50mVに保った。得られた
臭化銀粒子は立方体で、辺長が0.76±0.06μm
であった。上記の乳剤の温度を下げ、イソブテンとマレ
イン酸モノナトリウム塩との共重合物を凝集剤として添
加し、沈降水洗して脱塩した。次いで、脱イオン化した
骨ゼラチン95gと水430mlとを加え、50℃でp
H6.5、及びpAg8.3に調整した後、この乳剤を
各々50gづつ秤取し、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン5mgを添加し、
次いで第1表に示した増感色素を添加し、70℃で30
分熟成後最適感度となるようチオ硫酸ナトリウムと塩化
金酸ナトリウム及びチオシアン酸カリウムを添加し、6
0℃で45分間、熟成した。この乳剤1kg中には0.
74モルの臭化銀が含有された。4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン10m
g、脱イオン化したゼラチンの10%ゲル15g、及び
水55mlを加え、セルローストリアセタートフィルム
ベース上に下記のように塗布した。塗布液量は、銀量
2.5g/m2、ゼラチン量3.8g/m2となるよう
に塗設し、上層にはゼラチン量1.0g/m2となるよ
うに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.22
g/リットル、p−スルホスチレンナトリウムホモポリ
マー0.50g/リットル、1,3−ビス(ビニルスル
ホニル)−2−プロパノール3.9g/リットル、ゼラ
チン50g/リットルを主成分とする水溶液を同時塗布
した。
製分光光度計U−3410を用いて吸収スペクトルを測
定した、更に等エネルギー分光露光機を用い、ウエッジ
を通してスペクトル露光した。露光した試料は前述の黒
白現像液には現像後、停止、定着し、水洗、乾燥した。
次いで分光感度極大波長、分光感度極大波長+30nm及
び分光感度極大波長−30nmでの感度を各々求めた。感
度は被り濃度に0.2の光学濃度を与えるに必要であっ
た露光量の逆数でもって表した。得られた分光感度極大
波長での感度〔S(max) 〕と分光感度極大波長より30
nm短波長の感度〔S(-30nm) 〕及び30nm長波長の感度
〔S(+30nm) 〕の比、及び最長波長吸収極大波長での吸
光度〔Abs(max) 〕と同吸収極大波長より30nm短波長
の吸光度〔Abs(-30nm) 〕及び30nm長波長の吸光度
〔Abs(+30nm) 〕の比を第1表に示した。第2表には、
分光感度極大波長〔λmax 〕とその波長での感度の結果
を試料1−1の感度を100とした相対値で、各々の分
光増感色素のポーラログラフ半波還元電位〔Ere
d1/2〕及びポーラログラフ半波酸化電位〔Eox1/2 〕
とともに示した。さらに第2表には、塗布試料を6ケ月
間室温下に保存後、分光感度極大波長で露光して同様に
現像処理して求めた感度を、−30℃の冷凍庫に同期間
保存しておいた同じ塗布試料での感度を各々100とし
た時の相対値で示した。
調製した。 (1液) 水 1000cc NaCl 4.65g ゼラチン 22g クエン酸 0.80g (2液) KBr 25.3g NaCl 32.3g K2 IrCl6 (0.005%) 11.2cc Na3 RhCl6 ・2H2 O(10-5mol/リットル) 18.9cc 水を加えて 348cc (3液) AgNO3 120.6g 水を加えて 348cc (4液) KBr 30.0g NaCl 48.7g 水を加えて 552cc (5液) AgNO3 176.3g 水を加えて 552cc (1液)を50℃に加熱し、(2液)と(3液)の各々
262ccを12分間費やして同時に一定流量で添加し
た。その後、(4液)と(5液)を20分間費やして同
時添加した。(4液)と(5液)の添加開始10分後か
ら添加終了までの10分間にわたって、第3表に示した
増感色素のメタノール溶液を一定流量で同時に添加し
た。次いで、温度を下げ、イソブテンとマレイン酸モノ
ナトリウム塩との共重合物を凝集剤として添加し、沈降
水洗して脱塩した。水と脱イオン化した骨ゼラチンを加
え、pHを6.1、pAgを7.5に合わせた。この乳
剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸及びチオシアン酸カ
リウムとを添加し、最適化学増感を施した。粒子サイズ
の平均辺長0.28μm 、変動係数(標準偏差を平均辺
長で割った値:s/d)0.08、臭化銀30モル%の
単分散立方体塩臭化銀乳剤を調製した。この乳剤に乳剤
1kg当たり4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデンを0.75g、脱イオン化し
たゼラチンの10%ゲルを280g、水を1.041加
えポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に銀量
が1.2g/m2となるように、実施例1と同様にして塗
布した。
様にして、吸収スペクトルと分光感度極大波長、分光感
度極大波長−30nm及び分光感度極大波長+30nmでの
感度を各々求め、得られた分光感度極大波長での相対感
度(試料2−1の感度を100とした相対値)、感度
比、及び吸光度比の結果を第3表に示した。
調製した。 (1液) 水 1000cc NaCl 5.5g ゼラチン 32g (2液) 硫酸(1N) 24cc (3液) 1,4−ジメチルイミダゾリジン−5−チオンの1% 水溶液 3cc (4液) NaCl 11.00g 水を加えて 200cc (5液) AgNO3 32g 水を加えて 200cc (6液) NaCl 44.05g K2 IrCl6 (0.001%) 4.54cc 水を加えて 600cc (7液) AgNO3 128cc 水を加えて 600cc (1液)を56℃に加熱し、(2液)と(3液)を添加
した。その後、(4液)と(5液)を10分間費やして
同時添加した。更に、10分後、(6液)と(7液)を
20分間費やして同時添加した。添加完了5分後、温度
を下げ、イソブテンとマレイン酸モノナトリウム塩との
共重合物を凝集剤として添加し、沈降水洗して脱塩し
た。水と脱イオン化した骨ゼラチンを加え、pHを6.
2、pAgを7.4に合わせて、粒子サイズの平均辺長
0.54μm 、変動係数(標準偏差を平均辺長で割った
値:s/d)0.09、の単分散塩化銀立方体乳剤を調
製した。この乳剤に銀1モル当たり4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを2.
5×10-3モル及び臭化カリウム8×10-3モルと表4
に示した増感色素とを加え、60℃で30分間熟成し
た。次いでこの乳剤にチオ硫酸ナトリウムを添加し、最
適化学増感を施した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを乳剤1kg当たり
0.3g更に添加した。支持体としては、ポリエチレン
テレフタレートフィルム支持体を用いた。塗布液量は銀
量1.6g/m2、ゼラチン量3.0g/m2となるように
設定し、上層には、ゼラチン量1.0g/m2となるよう
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.1g、p
−スルホスチレンナトリウムホモポリマー0.22g/
リットル、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,
3,5−トリアジンのナトリウム塩3.1g/リット
ル、ゼラチン50g/リットルを主成分とする水溶液を
同時塗布した。
様にして、吸収スペクトルと分光感度極大波長、分光感
度極大波長−30nm及び分光感度極大波長+30nmでの
感度を各々求め、得られた分光感度極大波長での相対感
度(試料3−1の感度を100とした相対値)、感度
比、及び吸光度比の結果を第4表に示した。
調製した。石灰処理ゼラチン3%水溶液に塩化ナトリウ
ム3.3gを加え、N,N′−ジメチルイミダゾリジン
−2−チオン1%水溶液3.2mlを添加した。この水溶
液に硝酸銀0.2モルを含む水溶液と、三塩化ロジウム
15μg及び塩化ナトリウム0.2モルを含む水溶液と
を激しく攪拌しながら56℃で添加混合した。続いて、
硝酸銀0.780モルを含む水溶液と、塩化ナトリウム
0.780モル及びフェロシアン化カリウム4.2mgを
含む水溶液とを激しく攪拌しながら56℃で添加混合し
た。硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液の添加が終了
した5分後に更に硝酸銀0.020モルを含む水溶液
と、臭化カリウム0.015モル、塩化ナトリウム0.
005モル及びヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウ
ム0.8mgを含む水溶液とを激しく攪拌しながら40℃
で添加混合した。その後高分子凝集剤を加え沈降し、脱
塩及び水洗を施した。次いで、銀1モル当たり8×10
-3モルの臭化カリウムと第5表に示した増感色素を加え
60℃にて30分間熟成後、石灰処理ゼラチン90.0
gとトリエチルチオ尿素を加えて55℃で最高感度が得
られるように熟成し、化学増感を施してから、1−(5
−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾ
ールを銀1モル当たり4.0×10-4モル添加した。こ
のようにして調製した乳剤の塩臭化銀粒子は、平均粒子
サイズが0.52μm (変動係数0.08)のいずれも
立方体であった。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な
円の直径をもって表し、変動係数は粒子サイズの標準偏
差を平均粒子サイズで割った値を用いた。
を測定することにより、乳剤粒子のハロゲン組成を決定
した。単色化されたCuK(α)線を線源とし(20
0)面から回折角度を詳細に測定した。ハロゲン組成が
均一な結晶からの回折線は単一のピークを与えるのに対
し、組成の異なる局在相を有する結晶からの回折線はそ
れらの組成に対応した複数のピークを与える。測定され
たピークの回折角度から格子定数を算出することで、結
晶を構成するハロゲン化銀のハロゲン組成を決定するこ
とが出来る。前述のようにして調製した塩臭化銀乳剤の
測定結果は、塩化銀100%の主ピークの他に塩化銀7
0モル%(臭化銀30モル%)に中心をもち、塩化銀6
0モル%(臭化銀40モル%)の辺りまで裾を引いたブ
ロードな回折パターンを観測することが出来た。
両面をラミネートした紙支持体上に以下に示すようにカ
ラーカプラーとともに塗布し、試料を作成した。塗布液
は下記のようにして調製した。イエローカプラー(Ex
−Y)19.1g、色像安定剤(Cpd−1)4.4g
及び色像安定剤(Cpd−2)1.4gに酢酸エチル2
7.2mlと溶媒(Solv−1)8.2gとを加えて溶
解し、この溶液をドデシルベンゼンスルホン酸10%水
溶液8mlを含む10%ゼラチン水溶液185ml中に乳化
分散させた。先に調製した塩臭化銀乳剤に40℃にて前
記の乳化分散物を加えて溶解混合し、下記に示した組成
となるように塗布液を調製した。上層には保護層を設
け、各層のゼラチン硬化剤としては、2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンのナトリウ
ム塩を用いた。以下に各層の組成を示す。数字は塗布量
(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量
を表す。 <支持体> ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味
染料(群青)を含む〕 <塩臭化銀乳剤層(イエロー発色層)> 前記塩臭化銀乳剤 0.30 ゼラチン 1.86 イエローカプラー(Ex−Y) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 色像安定剤(Cpd−2) 0.06 溶媒(Solv−1) 0.35 <上層(保護層)> ゼラチン 1.33 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
実施例1は同様に測定した。分光感度も実施例1と同様
に露光し、感度を求めたが、現像処理は前述のカラー現
像処理を行い、感度は被り濃度に0.5の発色濃度を与
えるに必要であった露光量の逆数でもって表した。得ら
れた分光感度極大極大波長での相対感度(試料4−1の
感度を100とした相対値)、感度比、及び吸光度比の
結果を第5表に示した。
30nmより長波長の赤外域にJバンド増感を乳剤のハロ
ゲン組成に拘らず実現したものである。比較用に用いた
増感色素をはじめとして、赤外増感はこれまでJバンド
増感が開発されていないにひとしく、モレキュラー型分
光増感が用いられてきた。赤外域、赤末域のモレキュラ
ー型分光増感色素は一般に固有減感が強く、感度を出す
ためには添加量を少なくした方がよい。試料1−1、1
−3、1−5、2−1、3−1及び4−1の添加量が本
発明のものの添加量に比べ少ないのはそのためであり、
それらはそれらの色素で最高感度がもたらされた添加量
である。比較用色素R−1及びR−2は、これまでに知
られていたモレキュラー型赤外増感色素としては、非常
に高い分光感度と保存中の感度低下が比較的すくないも
のとして知られている。それらの色素では、比較用色素
R−3とともに、本発明と同量添加しても分光感度が極
端に低下するだけでJバンド増感は得られない。本発明
のものは、それらに比べて吸収分布及び分光感度分布が
表1、3、4及び5にも見られるように、シャープであ
ぬ。分光感度極大波長から僅か30nm短波長になっただ
けで分光極大感度の半分以下になるという事は、それだ
けセーフライト安全性を高くできる事につながり、本発
明では1/3以下を実現できることも珍しくない。より
シャープな分光感度を分布を持つということは、30nm
よりもっと短波長になるに従い、従来のモレキュラー型
増感に比べ、分光極大感度からの感度の低下がより大き
くなることを示唆している。従って、セーフライト安全
性を同じにすれば、感度を3倍以上に上げる設計も、逆
に、感度を同じに抑えるならセーフライト安全性を3倍
以上に高められる。現実のセーフライト光は可視域光で
あり、セーフライト安全性は30nm短波長での感度差よ
りはるかに高められた。また更に、本発明のJバンド増
感は長波長側が更にシャープである。分光感度極大波長
から僅か30nm長波長になっただけで、分光極大感度の
1/4.5以下と従来のモレキュラー型増感に比べ倍近
い感度差が付与できた。10倍以上の感度差を付与でき
るものも珍しくなく、試料1−8のように、中には10
0倍以上の感度差も付与できた。このことは、多層構成
フルカラー感光材料の設計に於いて、極めて有用なこと
である。例えば、シアン発色層に対して30nm短波長の
レーザー光で露光させるマゼンタ発色層を設けようとし
た場合、両層の分光極大感度を仮に同一に設計したとす
ると、マゼンタ層を感光させないで(マゼンタ発色をさ
せないで)シアン層のみを感光させられる露光エネルギ
ー幅がモレキュラー型増感では2.5倍程度にしか取れ
ないのに対し、本発明のJバンド増感を用いれば、4.
5倍以上取れることを意味し、10倍以上取れることも
たやすい事を意味する。画像の再現を行うには、この感
度差が6.5倍以上ある事が望ましく、忠実な画像再現
には10倍以上の感度差がある事が望ましい。両層の分
光感度極大波長を50nmも離せば、従来のモレキュラー
型増感でも6.5倍の感度差はつくが、感度差はせいぜ
い10倍である。本発明のJバンド増感では、10倍ど
ころか、数十倍の感度差も容易であった。一方、シアン
層を感光させないで、短波長側のマゼンタ層のみを感光
できる露光エネルギー幅は、モレキュラー型での1.5
〜1.85倍に対し、本発明のJバンド増感では希には
6.5倍以上も可能だが多くは2倍強とそれほど大きく
はない。しかしながら、両層の分光感度極大波長を50
nmも離せば、長波長側での感度差が大きいので、シアン
層の感度差を必要感度に抑える分、マゼンタ層の感度を
高めるか、またはシアン層の感度を落とす設計ができ
る。本発明のJバンド増感では上記の感度差を、このよ
うにして短波長露光のマゼンタ層でも容易に付与できる
が、モレキュラー型増感での50nmの分離では、シアン
層に感度差の余力がなく、フィルター染料などでシアン
層の分光感度極大波長から50nm短波の感度を落とすな
どの他の手段をとらねばならる。しかし、他の手段をと
っても、10倍以上の感度差を従来のモレキュラー型増
感で付与する事は極めて困難であり、染料の吸収そのも
のも、一般には、それほどシャープではないので、感度
を低下させたい波長域だけでなく露光したい波長域の感
度までも幾分低下させてしまうなど、種々の弊害も生じ
てくる。このように本発明の技術を使えば、露光する半
導体レーザー光源の選択の自由度もあげられた色再現性
の良いフルカラー感光材料が容易に設計、製造できる。
ハロゲン化銀への分光増感の効率は還元電位のより卑な
増感色素を用いるほど高まることが知られている。一
方、吸収の遷移エネルギーが同じなら、増感色素の酸化
電位は、還元電位がより卑になるほど、より卑になる。
酸化電位のより卑な色素はそれだけ酸化され易く、保存
中に酸化されて感度の低下を招き易い。モレキュラー型
の赤外色素では、感度を高めようとして還元電位をより
卑にしようとすると酸化電位が卑になりすぎ、安定性が
極めて悪くなる。表2に示したようにこの酸化電位がが
0.38V vs SCE より卑になると感光材料の保存中の
感度の低下が著しかった。市販されている赤外感光材料
に用いられている増感色素を含め、モレキュラー型の赤
外増感色素の還元電位は−1.1〜−1.25V vsSCE
のものが大半であり、より卑な還元電位を持つ可塑域
増感用の増感色素に比べ、分光感度がかなり低い。感度
が低いにも拘らず、酸化電位も0.4V vs SCE より卑
なものが多く(0.3V vs SCE より卑なものも珍しく
ない)、保存中の感度低下が著しい。本発明に用いる事
ができる増感色素は還元電位がより卑であるにも拘ら
ず、酸化電位は可視域増感用色素並に、より貴であり、
従来の赤外色素としては高い分光感度をもたらず色素に
比べ、高い感度がもたらされ、保存中の感度の低下も僅
かであった。本発明のJバンド増感により10倍以上、
中には50倍以上の高い感度も得られた。このような、
大幅な感度増加が、しかも保存中での感度の低下も極め
て少ない状態で得られた事は、これまで考えられなかっ
たことである。
で高い分光感度を有し、必要としない波長域の感度が抑
えられた、迅速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料が
得られる。また塗布前に保存された分光増感されたハロ
ゲン化銀乳剤及び塗布後の保存中の感光材料の赤外光域
の感度低下、被り濃度の増大が抑えられた超迅速処理可
能なハロゲン化銀写真感光材料が得られる。また増感色
素に起因する残色の少ないハロゲン化銀写真感光材料が
得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体及び少なくとも1層のハロゲン化
銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於い
て、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層は730n
mよりも長波長に増感極大を有し、且つ、分光増感剤に
よるこの分光感度極大波長での感度が該分光感度極大波
長より30nm長波長の光に対する分光感度の4.5倍
以上であり、該分光感度極大波長より30nm短波長の
光に対する分光感度の2倍以上であるように、飽和カロ
メラ電極に対するポーラログラフ半波還元電位が−1.
26Vより卑であり、且つ、ポーラログラフ半波酸化電
位が0.38Vより貴である分光増感剤をハロゲン化銀
粒子の表面積1m 2 当たり、6.2×10 −7 モル以上
2.7×10 −6 モル以下とし、40℃以上90℃以下
の範囲で添加、熟成することにより、分光増感されたこ
とを特徴とするハロゲン化銀感光材料。 - 【請求項2】 支持体及び少なくとも1層のハロゲン化
銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於い
て、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層は730n
mよりも長波長に増感極大を有し、且つ、分光増感剤に
よる光吸収が下記式(1)及び(2)をともに満足する
ように、飽和カロメラ電極に対するポーラログラフ半波
還元電位が−1.26Vより卑であり、且つ、ポーラロ
グラフ半波酸化電位が0.38Vより貴である分光増感
剤をハロゲン化銀粒子の表面積1m 2 当たり、6.2×
10 −7 モル以上2.7×10 −6 モル以下とし、40
℃以上90℃以下の範囲で添加、熟成することにより、
分光増感されたことを特徴とするハロゲン化銀感光材
料。 Abs(ピーク波長)/Abs(ピーク波長+30nm)≧4.5・・・・ (1) Abs(ピーク波長)/Abs(ピーク波長−30nm)≧ 2・・・・ (2) - 【請求項3】 用いられる分光増感剤の少なくとも一つ
が、下記一般式(I)で表されるジカルボシアニン色素
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
のハロゲン化銀感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中、Z1及びZ2は、同一でも異なっていてもよく、
硫黄原子またはセレン原子を表す。Y1及びY4は水素
原子を表すほか、Y2が水素原子でない場合のY1、及
びY5が水素原子でない場合のY4はメチル基、エチル
基、ヒドロキシ基またはメトキシ基をも表す。Y2及び
Y5は水素原子、炭素数3以下の置換されていても良い
アルキル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、
メチルチオ基、単環式アリール基、アセチルアミノ基及
びプロピオニルアミノ基を表すほか、Y2はY1とで、
Y5はY4とで、それぞれ連結し、メチレンジオキシ
基、トリメチレン基またはテトラメチレン基をも表す。
Y3及びY6は水素原子を表すほか、Y3はY2と、Y
6とY5とで、それぞれ連結し、メチレンジオキシ基、
エチレンジオキシ基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、またはテトラデヒドロテトラメチレン基をも表す。
R1及びR2は同一でも異なっていてもよく、置換され
ていてもよいアルキル基又はアルケニル基を表す。R3
及びR5は、水素原子を表す他、R3はR1と、R5は
R2と、それぞれ連結して5員環または6員環をも形成
出来ることを表す。R4は水素原子または置換されてい
ても良い低級アルキル基を表す。R6は水素原子、メチ
ル基、エチル基またはプロピル基を表し、R7は置換さ
れていても良い低級アルキル基または置換されていても
良いフェニル基を表す。Xは、電荷を中和するに必要な
対イオンを表す。nは、0または1を表し、分子内塩の
場合は0である。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091437A JP2782138B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | ハロゲン化銀写真感光材料 |
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Family Applications (1)
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