JPH11100207A - グラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents
グラファイトフィルムの製造方法Info
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- JPH11100207A JPH11100207A JP9261901A JP26190197A JPH11100207A JP H11100207 A JPH11100207 A JP H11100207A JP 9261901 A JP9261901 A JP 9261901A JP 26190197 A JP26190197 A JP 26190197A JP H11100207 A JPH11100207 A JP H11100207A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不純物の少ない高品質の柔軟性を有するグラ
ファイトシ−ト作製することを目的とする。 【解決手段】 ポリイミドフィルムを原料として、１０
００℃から１２００℃までの予備焼成と、２５００℃以
上での本焼成を行って発泡性シ−トをまず作製後、温
度、圧力等の最適な条件を選択してロ−ラを用いて圧
延、しごき処理を行うことにより、良質の柔軟性のある
グラファイトシ−トが得られる。
ファイトシ−ト作製することを目的とする。 【解決手段】 ポリイミドフィルムを原料として、１０
００℃から１２００℃までの予備焼成と、２５００℃以
上での本焼成を行って発泡性シ−トをまず作製後、温
度、圧力等の最適な条件を選択してロ−ラを用いて圧
延、しごき処理を行うことにより、良質の柔軟性のある
グラファイトシ−トが得られる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気伝導体あるい
は熱伝導体として、放熱材、均熱材に利用される柔軟性
のあるグラファイトフィルムの製造方法に関するもので
ある。
は熱伝導体として、放熱材、均熱材に利用される柔軟性
のあるグラファイトフィルムの製造方法に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】従来、グラファイトフィルムは、耐熱性
や耐薬品性、高電気伝導性などのために工業材料として
重要な地位を占め、熱伝導材、耐熱シール、電極などに
広く使用されている。このフィルムは人工的に作製され
るもので、「新・炭素工業」Ｐ１１８（昭和５５年１０
月発行、著者 石川敏功、発行所（株）近代編集社）な
どに記載されたものが知られている。鱗片状天然グラフ
ァイトを、硫酸と硝酸の混合液などで処理した後、１０
００℃近い高温に急熱すると層間（Ｃ軸方向）に沿って
大きく膨張し、見掛けの厚さが出発試料黒鉛の数十倍か
ら数百倍に膨張する。これを粘結剤と共に圧縮成型して
黒鉛フィルムとする。いわゆる一般に言われるエキスパ
ンド法と呼ばれる作製法である。このようにして作られ
たフィルムは、粉末を成型してフィルム状にしたもので
あるから、圧縮還元性があり、応力緩和に優れ、また熱
伝導性に優れた特徴を持っている。
や耐薬品性、高電気伝導性などのために工業材料として
重要な地位を占め、熱伝導材、耐熱シール、電極などに
広く使用されている。このフィルムは人工的に作製され
るもので、「新・炭素工業」Ｐ１１８（昭和５５年１０
月発行、著者 石川敏功、発行所（株）近代編集社）な
どに記載されたものが知られている。鱗片状天然グラフ
ァイトを、硫酸と硝酸の混合液などで処理した後、１０
００℃近い高温に急熱すると層間（Ｃ軸方向）に沿って
大きく膨張し、見掛けの厚さが出発試料黒鉛の数十倍か
ら数百倍に膨張する。これを粘結剤と共に圧縮成型して
黒鉛フィルムとする。いわゆる一般に言われるエキスパ
ンド法と呼ばれる作製法である。このようにして作られ
たフィルムは、粉末を成型してフィルム状にしたもので
あるから、圧縮還元性があり、応力緩和に優れ、また熱
伝導性に優れた特徴を持っている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のグラファイトフィルムの製造方法においては、層間
を押し広げるために硫酸や硝酸を使用しているため、水
などによる洗淨を行うが、完全にすべてを取り除くこと
はできず、従って、フィルムなどに成形加工後、残留し
ていた酸類が、ガスケット材などとして長時間使用した
場合、徐々に浸出してきて金属類を腐食するなどの問題
がある。また、粘結剤などを使用してフィルム加工して
いるために、鱗片状グラファイト間の接触性が悪くな
り、フィルムとしてはグラファイト特有の熱伝導や電気
伝導特性が十分にでにくく、さらに結合度が弱いため鱗
片状に剥離が起こりやすいなどの問題がある。また、可
撓性においても、折り曲げに弱く、折り曲げて利用する
というのは不可能であり、熱伝導性においても、通常、
銅よりも数倍も劣るものが多いという問題がある。
来のグラファイトフィルムの製造方法においては、層間
を押し広げるために硫酸や硝酸を使用しているため、水
などによる洗淨を行うが、完全にすべてを取り除くこと
はできず、従って、フィルムなどに成形加工後、残留し
ていた酸類が、ガスケット材などとして長時間使用した
場合、徐々に浸出してきて金属類を腐食するなどの問題
がある。また、粘結剤などを使用してフィルム加工して
いるために、鱗片状グラファイト間の接触性が悪くな
り、フィルムとしてはグラファイト特有の熱伝導や電気
伝導特性が十分にでにくく、さらに結合度が弱いため鱗
片状に剥離が起こりやすいなどの問題がある。また、可
撓性においても、折り曲げに弱く、折り曲げて利用する
というのは不可能であり、熱伝導性においても、通常、
銅よりも数倍も劣るものが多いという問題がある。
【０００４】本発明は、これらの問題を解決するもの
で、物性特性として、単結晶グラファイトと同様なもの
を持ち、鱗片状の剥離や、残留酸などの問題が無く、高
品質で折れ曲げに強く、柔軟性富む熱伝導性に優れたグ
ラファイトフィルムの製造方法を提供することを目的と
するものである。
で、物性特性として、単結晶グラファイトと同様なもの
を持ち、鱗片状の剥離や、残留酸などの問題が無く、高
品質で折れ曲げに強く、柔軟性富む熱伝導性に優れたグ
ラファイトフィルムの製造方法を提供することを目的と
するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、原料としてグラファイト化反応が可能で
ある縮合系芳香族高分子フィルムの中でも芳香族系ポリ
イミド高分子フィルムを選択し、窒素やＡｒなどの不活
性ガス雰囲気中で最高温度１０００℃から１２００℃ま
でに予備熱処理を一度行い、その後、さらに同じく不活
性ガス雰囲気中で、ある昇温速度で最高温度２５００℃
以上で本熱処理を行うようにしたものであり、この時の
予備熱処理と本熱処理時の昇温速度などの焼成条件をあ
る範囲内で相関を有する形で関係を制御することによっ
て発泡性のフィルムを作製し、その後、ローラを用いて
機械的に圧延、しごき処理を行って、フィルムの膜厚、
密度、表面状態などの均一化を図って、単結晶グラファ
イトと同様の物性特性を持つ、高品質で柔軟性、強靱性
に富んだ熱伝導性に優れたグラファイトのフィルムを得
ることができる。また、高品質のグラファイトフィルム
を得るために、ローラを用いて圧延、しごきを行う条件
において、圧力、温度の制御、フィルム表面の水蒸気噴
霧、耐熱性高分子フィルムとの重ね合わせ処理を併用す
ることができる。
に、本発明は、原料としてグラファイト化反応が可能で
ある縮合系芳香族高分子フィルムの中でも芳香族系ポリ
イミド高分子フィルムを選択し、窒素やＡｒなどの不活
性ガス雰囲気中で最高温度１０００℃から１２００℃ま
でに予備熱処理を一度行い、その後、さらに同じく不活
性ガス雰囲気中で、ある昇温速度で最高温度２５００℃
以上で本熱処理を行うようにしたものであり、この時の
予備熱処理と本熱処理時の昇温速度などの焼成条件をあ
る範囲内で相関を有する形で関係を制御することによっ
て発泡性のフィルムを作製し、その後、ローラを用いて
機械的に圧延、しごき処理を行って、フィルムの膜厚、
密度、表面状態などの均一化を図って、単結晶グラファ
イトと同様の物性特性を持つ、高品質で柔軟性、強靱性
に富んだ熱伝導性に優れたグラファイトのフィルムを得
ることができる。また、高品質のグラファイトフィルム
を得るために、ローラを用いて圧延、しごきを行う条件
において、圧力、温度の制御、フィルム表面の水蒸気噴
霧、耐熱性高分子フィルムとの重ね合わせ処理を併用す
ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、膜厚３００μｍ以下のポリイミドフィルムを不活性
ガス中で室温から昇温して温度１０００℃から１２００
℃まで予備焼成する工程と、その後さらに室温から温度
２５００℃以上で本焼成する工程と、その後ローラを用
いて圧延処理する工程とを含むグラファイトフィルムの
製造方法であり、グラファイトに不必要な成分原子を熱
分解させてガス化し、フィルムから除去して発泡性のグ
ラファイトを形成後、さらにローラにより圧延処理する
ことにより均一で柔軟性を有するフィルムを形成できる
という作用を有する。
は、膜厚３００μｍ以下のポリイミドフィルムを不活性
ガス中で室温から昇温して温度１０００℃から１２００
℃まで予備焼成する工程と、その後さらに室温から温度
２５００℃以上で本焼成する工程と、その後ローラを用
いて圧延処理する工程とを含むグラファイトフィルムの
製造方法であり、グラファイトに不必要な成分原子を熱
分解させてガス化し、フィルムから除去して発泡性のグ
ラファイトを形成後、さらにローラにより圧延処理する
ことにより均一で柔軟性を有するフィルムを形成できる
という作用を有する。
【０００７】請求項２記載の発明は、圧延処理する工程
が、本焼成後のフィルムを１００℃から７００℃に加熱
した状態で圧延処理することを特徴とする請求項１記載
のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィルムの
表面状態を光沢性を持って均一化できるとともに、密度
および膜厚が均一で、可撓性および柔軟性を有するグラ
ファイトフィルムを形成できるという作用を有する。
が、本焼成後のフィルムを１００℃から７００℃に加熱
した状態で圧延処理することを特徴とする請求項１記載
のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィルムの
表面状態を光沢性を持って均一化できるとともに、密度
および膜厚が均一で、可撓性および柔軟性を有するグラ
ファイトフィルムを形成できるという作用を有する。
【０００８】請求項３記載の発明は、圧延処理する工程
が、本焼成後のフィルムを１００℃から７００℃に加熱
したローラを用いて圧延処理する請求項１記載のグラフ
ァイトフィルムの製造方法であり、フィルムの表面状態
を光沢性を持って均一化できるとともに、密度および膜
厚が均一で、可撓性および柔軟性を有するグラファイト
フィルムを形成できるという作用を有する。
が、本焼成後のフィルムを１００℃から７００℃に加熱
したローラを用いて圧延処理する請求項１記載のグラフ
ァイトフィルムの製造方法であり、フィルムの表面状態
を光沢性を持って均一化できるとともに、密度および膜
厚が均一で、可撓性および柔軟性を有するグラファイト
フィルムを形成できるという作用を有する。
【０００９】請求項４記載の発明は、圧延処理する工程
が、本焼成後のフィルムを水蒸気を噴霧した状態で圧延
処理することを特徴とする請求項１から３のいずれかに
記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、水蒸気
を噴霧することにより、フィルムの表面を一層均一にで
きるという作用を有する。
が、本焼成後のフィルムを水蒸気を噴霧した状態で圧延
処理することを特徴とする請求項１から３のいずれかに
記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、水蒸気
を噴霧することにより、フィルムの表面を一層均一にで
きるという作用を有する。
【００１０】請求項５に記載の発明は、圧延処理する工
程が、本焼成後のグラファイトフィルムを１枚以上重ね
て耐熱性シートあるいは金属シートで挟んだ状態で圧延
処理することを特徴とする請求項１から４のいずれかに
記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィル
ム表面の光沢性、均一性および密度、膜厚の均一性、さ
らに可撓性および柔軟性を一層向上できるという作用を
有する。
程が、本焼成後のグラファイトフィルムを１枚以上重ね
て耐熱性シートあるいは金属シートで挟んだ状態で圧延
処理することを特徴とする請求項１から４のいずれかに
記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィル
ム表面の光沢性、均一性および密度、膜厚の均一性、さ
らに可撓性および柔軟性を一層向上できるという作用を
有する。
【００１１】請求項６に記載の発明は、本焼成後のフィ
ルムの厚さが発泡現象により処理前の厚さより３倍以上
になるような条件で行い、その後ローラを用いて圧延処
理することにより処理前の厚さの１／３〜２／３倍、密
度が０．６ｇ／ｃｃから１．６ｇ／ｃｃすることを特徴
とする請求項１から５のいずれかに記載のグラファイト
フィルムの製造方法であり、フィルム表面の光沢性、均
一性および密度、膜厚の均一性、さらに可撓性および柔
軟性を一層向上できるという作用を有する。
ルムの厚さが発泡現象により処理前の厚さより３倍以上
になるような条件で行い、その後ローラを用いて圧延処
理することにより処理前の厚さの１／３〜２／３倍、密
度が０．６ｇ／ｃｃから１．６ｇ／ｃｃすることを特徴
とする請求項１から５のいずれかに記載のグラファイト
フィルムの製造方法であり、フィルム表面の光沢性、均
一性および密度、膜厚の均一性、さらに可撓性および柔
軟性を一層向上できるという作用を有する。
【００１２】請求項７に記載の発明は、圧延処理する工
程が、ローラ間の圧力を５Ｋｇ／ｃｍ2 以上印加して圧
延処理することを特徴とする請求項１から６のいずれか
に記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィ
ルム表面の光沢性、均一性および密度、膜厚の均一性、
さらに可撓性および柔軟性を一層向上できるという作用
を有する。
程が、ローラ間の圧力を５Ｋｇ／ｃｍ2 以上印加して圧
延処理することを特徴とする請求項１から６のいずれか
に記載のグラファイトフィルムの製造方法であり、フィ
ルム表面の光沢性、均一性および密度、膜厚の均一性、
さらに可撓性および柔軟性を一層向上できるという作用
を有する。
【００１３】請求項８に記載の発明は、圧延処理する工
程を、フィルムをローラとローラとの間に挟む代わり
に、ローラと板との間に挟んで行うことを特徴とする請
求項１から７のいずれかに記載のグラファイトフィルム
製造方法であり、ローラの代わりに板も利用できるとい
う作用を有する。
程を、フィルムをローラとローラとの間に挟む代わり
に、ローラと板との間に挟んで行うことを特徴とする請
求項１から７のいずれかに記載のグラファイトフィルム
製造方法であり、ローラの代わりに板も利用できるとい
う作用を有する。
【００１４】請求項９に記載の発明は、ローラの回転速
度あるいはフィルムの送り速度を制御することにより、
圧延としごき処理を行うことを特徴とする請求項１から
８のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法
であり、フィルム表面の光沢性、均一性および密度、膜
厚の均一性、さらに可撓性および柔軟性を一層向上でき
るという作用を有する。
度あるいはフィルムの送り速度を制御することにより、
圧延としごき処理を行うことを特徴とする請求項１から
８のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法
であり、フィルム表面の光沢性、均一性および密度、膜
厚の均一性、さらに可撓性および柔軟性を一層向上でき
るという作用を有する。
【００１５】請求項１０に記載の発明は、グラファイト
フィルムの最終厚さを１ｍｍ以下にすることを特徴とす
る請求項１から９のいずれかに記載のグラファイトフィ
ルム製造方法であり、フィルムの表面状態を光沢性を持
って均一化できるとともに、密度および膜厚が均一で、
可撓性および柔軟性を有するグラファイトフィルムを形
成できるという作用を有する。
フィルムの最終厚さを１ｍｍ以下にすることを特徴とす
る請求項１から９のいずれかに記載のグラファイトフィ
ルム製造方法であり、フィルムの表面状態を光沢性を持
って均一化できるとともに、密度および膜厚が均一で、
可撓性および柔軟性を有するグラファイトフィルムを形
成できるという作用を有する。
【００１６】
【実施例】高分子フィルムの中で熱焼成によりグラファ
イト構造を有する炭素化するものとして、ある種の芳香
族縮合高分子が知られている。本発明においては、最も
良質のグラファイト構造が得られるものとして知られて
いるポリイミドフィルムを用いている。ポリイミドフィ
ルムは膜厚として、２５μｍから３００μｍまで２５μ
ｍごとに一般的に市販されている。
イト構造を有する炭素化するものとして、ある種の芳香
族縮合高分子が知られている。本発明においては、最も
良質のグラファイト構造が得られるものとして知られて
いるポリイミドフィルムを用いている。ポリイミドフィ
ルムは膜厚として、２５μｍから３００μｍまで２５μ
ｍごとに一般的に市販されている。
【００１７】ポリイミドフィルムとして、東レ・デュポ
ン製のもの（商品名カプトン）の５０μｍのものを用い
て実験を行った。熱処理による発泡性を出すために、予
備焼成を窒素中で昇温速度５℃／ｍｉｎで昇温し、最高
処理温度を１２００℃とした。さらに、本焼成をＡｒガ
ス雰囲気下で昇温速度２０℃／ｍｉｎで行い、最高処理
温度を２８００℃とした。この状態のフィルムは、発泡
状態ではあるが柔軟性がなく、固くてもろい。そこで本
発明は、圧延、しごき処理により柔軟性を出そうという
ものである。
ン製のもの（商品名カプトン）の５０μｍのものを用い
て実験を行った。熱処理による発泡性を出すために、予
備焼成を窒素中で昇温速度５℃／ｍｉｎで昇温し、最高
処理温度を１２００℃とした。さらに、本焼成をＡｒガ
ス雰囲気下で昇温速度２０℃／ｍｉｎで行い、最高処理
温度を２８００℃とした。この状態のフィルムは、発泡
状態ではあるが柔軟性がなく、固くてもろい。そこで本
発明は、圧延、しごき処理により柔軟性を出そうという
ものである。
【００１８】ローラによる圧延、しごき処理の検討を行
った。まず、図１（ａ）に示すように、予備焼成１およ
び本焼成２を終了したグラファイトフィルムＧＦを、ヒ
ータ３、４で加熱し、ローラ５、６間で圧延した。また
図１（ｂ）に示すように、予備焼成１および本焼成２を
終了したグラファイトフィルムＧＦを、ヒータ７、８を
内蔵したローラ９、１０により圧延した。ヒータ３、
４、７、８による加熱温度としては、常温、１００°
Ｃ、２００°Ｃ、３００°Ｃ、４００°Ｃで実験を行っ
た。どの温度においても圧力がある値以上であれば圧延
効果があり、外観、柔軟性について変化が見られ、光沢
性、柔軟性がでてきた。温度を加えることの効果として
は、シワの量が異なる。温度が高い方がシワが少ない。
したがって、温度は１００°Ｃ以上が好ましく、圧延処
理前に存在したシワも消失するし、圧延処理時にシワは
形成されにくい。したがって、グラファイトが熱分解し
ない温度７００°Ｃまでは、フィルムまたはローラを昇
温するとにより、圧延が効果的に行える。
った。まず、図１（ａ）に示すように、予備焼成１およ
び本焼成２を終了したグラファイトフィルムＧＦを、ヒ
ータ３、４で加熱し、ローラ５、６間で圧延した。また
図１（ｂ）に示すように、予備焼成１および本焼成２を
終了したグラファイトフィルムＧＦを、ヒータ７、８を
内蔵したローラ９、１０により圧延した。ヒータ３、
４、７、８による加熱温度としては、常温、１００°
Ｃ、２００°Ｃ、３００°Ｃ、４００°Ｃで実験を行っ
た。どの温度においても圧力がある値以上であれば圧延
効果があり、外観、柔軟性について変化が見られ、光沢
性、柔軟性がでてきた。温度を加えることの効果として
は、シワの量が異なる。温度が高い方がシワが少ない。
したがって、温度は１００°Ｃ以上が好ましく、圧延処
理前に存在したシワも消失するし、圧延処理時にシワは
形成されにくい。したがって、グラファイトが熱分解し
ない温度７００°Ｃまでは、フィルムまたはローラを昇
温するとにより、圧延が効果的に行える。
【００１９】また、この時に、ローラ５、６または９、
１０で単に圧延するだけでなく、しごき処理を加えると
可撓性は一段と良好になる。ローラ５、６または９、１
０の回転速度をグラファイトフィルムＧＦの送り速度と
は独立に制御することにより、しごき処理が効果的に行
える。グラファイトフィルムＧＦの送り速度よりもロー
ラ５、６または９、１０の回転速度を早くするか、また
は逆方向に回転させることにより、しごき処理は効果的
に行える。しごき処理は、圧延と同時またはその前後に
行うことができる。このしごき処理により、フィルムの
表面状態は光沢性が増し、均一な平滑性が得られ、グラ
ファイトフィルムの密度や膜厚の場所ムラなども低減で
きる。さらに、角度９０度以上の折り曲げを５００回以
上繰り返し行っても、グラファイトフィルムが破壊現象
を示すことはなく、良好な可撓性および柔軟性が得られ
た。
１０で単に圧延するだけでなく、しごき処理を加えると
可撓性は一段と良好になる。ローラ５、６または９、１
０の回転速度をグラファイトフィルムＧＦの送り速度と
は独立に制御することにより、しごき処理が効果的に行
える。グラファイトフィルムＧＦの送り速度よりもロー
ラ５、６または９、１０の回転速度を早くするか、また
は逆方向に回転させることにより、しごき処理は効果的
に行える。しごき処理は、圧延と同時またはその前後に
行うことができる。このしごき処理により、フィルムの
表面状態は光沢性が増し、均一な平滑性が得られ、グラ
ファイトフィルムの密度や膜厚の場所ムラなども低減で
きる。さらに、角度９０度以上の折り曲げを５００回以
上繰り返し行っても、グラファイトフィルムが破壊現象
を示すことはなく、良好な可撓性および柔軟性が得られ
た。
【００２０】圧延、しごき処理を行う際、表面に水蒸気
を噴霧した状態で処理を行うと、圧力と温度条件によ
り、シワが一層取れやすくなり、より均一な表面が得ら
れた。
を噴霧した状態で処理を行うと、圧力と温度条件によ
り、シワが一層取れやすくなり、より均一な表面が得ら
れた。
【００２１】グラファイトフィルムを耐熱性のカバーシ
ートを挟んで圧延、しごき処理を行うと、より効果的で
あった。カバーシートの耐熱性は、３００℃以上が必要
なので、カバーシートとして有機フィルムを利用する場
合は限られてしまう。有機フィルムで有効であったのは
ポリイミドフィルムであった。５００℃以上の高温の場
合は、ガラスウールで作られたカバーシートが有効であ
った。銅やステンレス等の金属製のカバーシートを用い
ても同様な効果があった。このようなカバーシートの間
に、本焼成後のグラファイトフィルムを重ね合わせて多
数枚を一度に処理すると、作業効率を上げることができ
る。
ートを挟んで圧延、しごき処理を行うと、より効果的で
あった。カバーシートの耐熱性は、３００℃以上が必要
なので、カバーシートとして有機フィルムを利用する場
合は限られてしまう。有機フィルムで有効であったのは
ポリイミドフィルムであった。５００℃以上の高温の場
合は、ガラスウールで作られたカバーシートが有効であ
った。銅やステンレス等の金属製のカバーシートを用い
ても同様な効果があった。このようなカバーシートの間
に、本焼成後のグラファイトフィルムを重ね合わせて多
数枚を一度に処理すると、作業効率を上げることができ
る。
【００２２】本焼成後のグラファイトフィルムの密度
は、焼成直後の発泡状態では、０．５ｇ／ｃｃ程度であ
り、厚みとしては、２００μｍ程度となる。このフィル
ムを圧延、しごき処理をするわけであるが、厚みが１４
０μｍ程度になると柔軟性がでてくる。さらに、圧力を
高くして圧延すると７０μｍ程度まで膜厚を小さくでき
る。したがって、柔軟性シートとして最適範囲としては
密度からみると０．６ｇ／ｃｃから１．６ｇ／ｃｃの範
囲である。膜厚の変化としては原料膜厚の異なった７５
μｍや１５０μｍもので実験を行うと、焼成直後で３倍
以上の膜厚に発泡させ、その後、圧延、しごき処理する
ことで、１／３〜２／３膜厚が小さくなったところが最
適な柔軟性を示した。
は、焼成直後の発泡状態では、０．５ｇ／ｃｃ程度であ
り、厚みとしては、２００μｍ程度となる。このフィル
ムを圧延、しごき処理をするわけであるが、厚みが１４
０μｍ程度になると柔軟性がでてくる。さらに、圧力を
高くして圧延すると７０μｍ程度まで膜厚を小さくでき
る。したがって、柔軟性シートとして最適範囲としては
密度からみると０．６ｇ／ｃｃから１．６ｇ／ｃｃの範
囲である。膜厚の変化としては原料膜厚の異なった７５
μｍや１５０μｍもので実験を行うと、焼成直後で３倍
以上の膜厚に発泡させ、その後、圧延、しごき処理する
ことで、１／３〜２／３膜厚が小さくなったところが最
適な柔軟性を示した。
【００２３】グラファイトフィルムを圧延する際の圧力
としては、低すぎると圧延効果は全くみられない。ロー
ラ間には、ある圧力以上をかける必要がある。希望する
膜厚に処理したい場合は、圧力は最適に制御しなければ
ならない。膜厚のいかんにかかわらず、単に柔軟性の発
現のみを求めるならば、圧力は高い方がよい。印加する
圧力として、効果的なのは５Ｋｇ／ｃｍ2 以上であっ
た。
としては、低すぎると圧延効果は全くみられない。ロー
ラ間には、ある圧力以上をかける必要がある。希望する
膜厚に処理したい場合は、圧力は最適に制御しなければ
ならない。膜厚のいかんにかかわらず、単に柔軟性の発
現のみを求めるならば、圧力は高い方がよい。印加する
圧力として、効果的なのは５Ｋｇ／ｃｍ2 以上であっ
た。
【００２４】また、圧延、しごき処理として、ローラと
ローラの組み合わせではなく、ローラと板との組み合わ
せを用いてもよい。
ローラの組み合わせではなく、ローラと板との組み合わ
せを用いてもよい。
【００２５】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポリイミ
ドフィルムを予備焼成と本焼成からなる焼成処理を行
い、焼成後、ローラ等を用いて最適な圧延、しごき処理
することにより、表面が均一で光沢があり、密度、膜厚
が均一で可撓性および柔軟性のある良質のグラファイト
シートが得られる。
ドフィルムを予備焼成と本焼成からなる焼成処理を行
い、焼成後、ローラ等を用いて最適な圧延、しごき処理
することにより、表面が均一で光沢があり、密度、膜厚
が均一で可撓性および柔軟性のある良質のグラファイト
シートが得られる。
【図１】本発明の実施例におけるグラファイトフィルム
の製造方法を示す工程図
の製造方法を示す工程図
１ 予備焼成 ２ 本焼成 ３、４ ヒータ ５、６ ローラ ７、８ ヒータ ９、１０ ローラ ＧＦ グラファイトフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 木 芳 正 神奈川県川崎市多摩区東三田３丁目10番１ 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 吉 村 進 神奈川県川崎市多摩区東三田３丁目10番１ 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 萩 原 実 東京都板橋区小茂根４丁目22番１号 大成 ラミネーター株式会社内
Claims (10)
- 【請求項１】 膜厚３００μｍ以下のポリイミドフィル
ムを不活性ガス中で室温から昇温して温度１０００℃か
ら１２００℃まで予備焼成する工程と、その後さらに室
温から温度２５００℃以上で本焼成する工程と、その後
ローラを用いて圧延処理する工程とを含むグラファイト
フィルムの製造方法。 - 【請求項２】 圧延処理する工程が、本焼成後のフィル
ムを１００℃から７００℃に加熱した状態で圧延処理す
ることを特徴とする請求項１記載のグラファイトフィル
ムの製造方法。 - 【請求項３】 圧延処理する工程が、本焼成後のフィル
ムを１００℃から７００℃に加熱したローラを用いて圧
延処理する請求項１記載のグラファイトフィルムの製造
方法。 - 【請求項４】 圧延処理する工程が、本焼成後のフィル
ムを水蒸気を噴霧した状態で圧延処理することを特徴と
する請求項１から３のいずれかに記載のグラファイトフ
ィルムの製造方法。 - 【請求項５】 圧延処理する工程が、本焼成後のグラフ
ァイトフィルムを１枚以上重ねて耐熱性シートあるいは
金属シートで挟んだ状態で圧延処理することを特徴とす
る請求項１から４のいずれかに記載のグラファイトフィ
ルムの製造方法。 - 【請求項６】 本焼成後のフィルムの厚さが発泡現象に
より処理前の厚さより３倍以上になるような条件で行
い、その後ローラを用いて圧延処理することにより処理
前の厚さの１／３〜２／３倍、密度が０．６ｇ／ｃｃか
ら１．６ｇ／ｃｃすることを特徴とする請求項１から５
のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。 - 【請求項７】 圧延処理する工程が、ローラ間の圧力を
５Ｋｇ／ｃｍ2 以上印加して圧延処理することを特徴と
する請求項１から６のいずれかに記載のグラファイトフ
ィルムの製造方法。 - 【請求項８】 圧延処理する工程を、フィルムをローラ
とローラとの間に挟む代わりに、ローラと板との間に挟
んで行うことを特徴とする請求項１から７のいずれかに
記載のグラファイトフィルム製造方法。 - 【請求項９】 ローラの回転速度あるいはフィルムの送
り速度を制御することにより、圧延としごき処理を行う
ことを特徴とする請求項１から８のいずれかに記載のグ
ラファイトフィルムの製造方法。 - 【請求項１０】 グラファイトフィルムの最終厚さを１
ｍｍ以下にすることを特徴とする請求項１から９のいず
れかに記載のグラファイトフィルム製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP26190197A JP4262317B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | グラファイトフィルムの製造方法 |
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| JPH11100207A true JPH11100207A (ja) | 1999-04-13 |
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