JPH1096728A - 検査用デバイス - Google Patents

検査用デバイス

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JPH1096728A
JPH1096728A JP20849697A JP20849697A JPH1096728A JP H1096728 A JPH1096728 A JP H1096728A JP 20849697 A JP20849697 A JP 20849697A JP 20849697 A JP20849697 A JP 20849697A JP H1096728 A JPH1096728 A JP H1096728A
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泰造 澤田
Nobuo Tsutsumi
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検査用デバイスにおいて、コンパクト且つ衛生
的で、使用前及び使用時における取り扱いを容易にし、
またデバイス構成材料の量を大幅に少なくしてコスト低
減を図るとともに、使用済み廃棄物処理の問題等をも解
決する。 【解決手段】毛細管現象によって被検溶液を移送できる
材料で構成された一枚又は連結した複数枚のシート状細
片からなり、該始端区域の始端部には被検溶液を含浸、
吸収させるためのウイックを備えるとともに、該始端区
域の終端部に移動性標識成分を含み、且つ該中間区域の
予め定められた位置に順次間隔を置いて永久的に固定、
配置された一つ又は二以上の結合対手成分を含んでなる
検査用デバイスであって、該シート状細片又はウイック
の一部又は全部を含めたシート状細片が保持体により保
持され、シート状細片又はウイックの一部又は全部を含
めたシート状細片を保持した該保持体が把持体によりス
ライド可能に把持されてなることを特徴とする検査用デ
バイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、唾液、血清、血
漿、尿、便、羊水、或いはミルクなどの生物学的液体試
料又はそれらの希釈液のような液体試料中に含まれる特
定成分の有無又はその量的割合を検出、測定することに
より検査するためのデバイスに関し、より詳しくは生物
学的液体試料又はそれらの希釈液のような液体試料中の
特定成分と特異的に結合する移動性標識成分を用いるこ
とにより液体試料中の特定成分の有無やその量的割合を
検出、測定するために用いる検査用デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】固体粒子や多孔質体を配置したカラムや
棒状、或いはシート状の細片等の形をした試験用具は簡
便且つ迅速に使用できるため、工業的液体や生物学的液
体のような各種液体試料の分析や診断に使用されてい
る。これらのうち初期の段階の試験用具は液体吸収性の
多孔性マトリックスからなるもので、その端部に含浸、
吸収された被検液体試料をその毛細管作用を利用して浸
透させ、カラムや細片等の途中に予め配置された発色性
の指示薬等の応答を観察することにより、被検液体中に
おける特定成分の有無や量的割合を検知し分析するもの
である。
【0003】その後、数種の試験反応を予め定められた
順序で起こさせる試験用ストリップ(細片)も開発され
た。例えば米国特許第3,011,874号に記載の試
験用ストリップにおいては、長手方向に順次複数の帯域
を有し、その一態様例としては第1番目に液体試料中に
浸漬するための空帯域(BLANK BAND)、続い
て順次反応帯域(REACTION BAND)、ガス
放出帯域(GAS LIBERATION BAN
D)、空帯域(BLANK BAND)、障害帯域(B
ARRIER BAND)及び指示帯域(INDICA
TOR BAND)という分割された紙片から構成され
ている。
【0004】この点、特開昭53ー47894号公報に
おいてはさらに改善された。ここには液体試料を長さ方
向に毛細管現象によって移行させることができる材料で
構成された細長い細片からなり、被検液体を適用する始
端区域、中間区域及び終端区域を備えるとともに、該中
間区域の予め定められた位置に永久的に固定、配置され
た試料受容区域を含み、毛細管現象によって展開液(液
体試料)を移送できる材料からなるシート状細片を含む
診断用デバイスが記載されている。この細片の材質とし
てしは炉紙、各種のフェルト、布、ゲル、高分子をはじ
めとする天然又は合成の物質からなるメンブレン或いは
フィルムなどが使用される。
【0005】上記診断用のデバイスにおいては、予め定
められた量の移動性の標識体及び固定形をした特異的結
合手成分が細片中に間隔を置いてそれぞれの区画に包含
させられている。使用に際しては展開液がその始端区域
から細片中を長手方向に進むに従って試料と移動性標識
体とが混合されて運ばれ、該固定された結合対手成分す
なわちパートナー成分と接触し、その時、標識体及び試
料中のリガンド(特定成分)が競争して結合対手成分と
結合する。首尾よく結合対手成分に結合した移動性標識
体の部分は、該区画において固定されることとなり、そ
の標識体により被検物質の有無或いはその量が検出され
る。
【0006】この種の診断用デバイスにおける被検液体
を適用する始端区域には、常法に従い、尿などの被検液
体の吸収を容易にするために適宜いわゆるウイック(液
体吸収体、スポンジ、灯芯など)が設けられ、またその
細片には必要に応じて補強用の支持細片(裏打ち部材)
が設けられる。また特開昭61ー145459号公報で
は、複数枚のシート(試料を適用するシートを含めると
少なくとも3枚が必要とされる)をオーバーラップさせ
ながら連結して作用領域が形成され、生物学的流体中の
被分析物の検出や定量測定に用いられる固体診断デバイ
スが記載されている。この固体診断デバイスは、説明の
仕方は異なるが、連結用シートとして少なくとも3枚以
上が必要である点を除き、上記特開昭53ー47894
号公報に記載のものと基本的に同じものであり、しかも
これらの診断用デバイスは、携帯性や使用者の使用時に
おける簡便さ、さらに衛生面などについては何も配慮さ
れていない。
【0007】また特表平1ー503174号公報には、
上記と同種のシート状細片を不透湿性固体材料からなる
箱型の中空ケーシング中に収容し、乾燥状態で保存され
てなることを特徴とする分析試験装置が記載されてい
る。この分析試験装置では、その使用前には試料付与用
の露出されている多孔質部材にキャップを嵌め、使用時
にキャップを外して該多孔質部材に試料を付与した後、
さらにキャップを嵌め直して試験結果を観察するもので
ある。しかし、このような分析試験装置では、箱型中空
ケーシングとしているためカサ張るだけでなく、別途キ
ャップが必要であるため使用材料が多く、コスト高とな
り、また試験に際してキャップの取り外しなど手間がか
かり、更には使用済み廃棄物の量も多くなるなどの問題
がある。
【0008】また、特開平5ー87807号公報には、
尿採取部、試薬部、基材部、判定部の複数の部材とこれ
ら複数の部材を一体的に固定する固定部材を有し、さら
に固定部材がスライド可能となる外側筒部材を備え、固
定部材が外側筒部材内をスライドすることにより尿採取
部あるいは判定部が外側筒部材より露出することを特徴
とする妊娠検査具が記載されている。この妊娠検査具で
は、予め尿採取部と判定部が外側筒部材内に収納されて
おり、尿を採取する場合は、固定部材を一方向にスライ
ドさせることにより尿採取部を露出させ、さらに判定す
る場合は、固定部材を前記方向とは逆方向にスライドさ
せて判定部を露出させるものである。しかしこのような
妊娠検査具では、外側筒部材を使用し、また尿採取部、
試薬部、基材部、判定部等の複数の部材を使用し、さら
にこれら複数の部材の側面及び底面を覆うことにより一
体化する固定部材を使用しているため、カサ張るだけで
なく、使用材料が多くコスト高となる。また尿を採取す
るために固定部材をスライドさせ、尿採取部を外側筒部
材から露出させた後、次いで判定するためには、固定部
材を持ち逆方向へスライドさせ判定部を露出させなけれ
ばならず、不衛生的で、しかも操作が複雑である。
【0009】このほか特開平8ー94617号公報に
は、ホルダの一側にその基端部が挿入された棒状の尿吸
収体と、前記ホルダ内に設けられるとともに、前記尿吸
収体の基端部に連結された尿の診断を行う診断片を備
え、前記ホルダに前記尿吸収体の基端部と前記診断片と
を収容する凹部と、この凹部の上端部周終縁に設けられ
たフランジ部とを有するトレーと、前記トレーのフラン
ジ部に接着された透明フィルム部とを有する携帯用診断
装置が記載されている。
【0010】上記携帯用診断装置においては、市販の診
断装置ではホルダ全体がインジェクション成形等により
成形されたプラスチック成形品で構成され、透視窓にも
別途透明プラスチック部品が用いられていることから、
製品のプラスチック材料の使用量が多く、使用後の廃棄
物処理上好ましくない上にコストも高くなってしまうの
を改善したというものである。また尿吸収体には発色性
の尿濡れチェッカー部が配置され、尿の吸収如何を確認
するようにされている。しかしこのような形式の携帯用
診断装置では、始端部から終端部までの長さが短かいた
め、これを実際に使用するに際して、その取扱上支障を
来たし不便であるばかりでなく、尿吸収体を含むデバイ
ス全体を別途硬質の包装材により保護する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、被検液体を適用する始端区域、中間区域及び終端区
域を備えるとともに、該中間区域の予め定められた位置
に永久的に固定、配置された一つ又は二以上の結合対手
成分を含み、毛管現象によって被検液体を移送できる材
料からなるシート状細片を含む検査用デバイスにおい
て、別途シート状細片を把持するための把持体を設け、
これに使用前にはシート状細片把持用の役目を果たさせ
るとともに、使用時においては、シート状細片をスライ
ドさせることで、その長さを延長させ自在に調整可能に
するようにすることにより、コンパクト且つ衛生的で、
しかも従来における上記諸欠点を一挙に解決してなる検
査用デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、始端区域、中
間区域及び終端区域を備え、毛細管現象によって被検溶
液を移送できる材料で構成された一枚又は連結した複数
枚のシート状細片からなり、該始端区域の始端部には被
検溶液を含浸、吸収させるためのウイックを備えるとと
もに、該始端区域の終端部に移動性標識成分を含み、且
つ該中間区域の予め定められた位置に順次間隔を置いて
永久的に固定、配置された一つ又は二以上の結合対手成
分を含んでなる検査用デバイスであって、該シート状細
片又はウイックの一部又は全部を含めたシート状細片が
保持体により保持され、シート状細片又はウイックの一
部又は全部を含めたシート状細片を保持した該保持体
が、両側に帯状の把持部を備えたシート状又は扁平袋状
把持体にスライド可能に把持されてなることを特徴とす
る検査用デバイスを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の検査用デバイスは、毛細
管作用又はクロマトグラフィー作用(本明細書中、両者
を含めて適宜毛細管現象、毛細管作用等と指称する)に
よって展開液すなわち被検溶液を移送できる材料からな
る一枚のシート状細片又は連結した複数枚のシート状細
片とこれを支持する支持体を含んで構成される。シート
状細片は被検溶液を適用する始端区域、中間区域及び終
端区域を備えるとともに、該中間区域の予め定められた
一つ又は二つ以上の位置にそれぞれ永久的に固定、配置
された結合対手成分を含み、その被検液体を適用する始
端区域には被検溶液を含浸させるための溶液吸収体すな
わちウイックが当接される。なお始端区域、中間区域及
び終端区域とはシート状細片における相対的な位置関係
を指称したものである。
【0014】シート状細片における該始端区域のウイッ
クが当接されている部位と相対する側には移動性の標識
成分又はトレーサー(本明細書中、適宜移動性標識成分
という)が配置されている。なお、移動性標識成分の配
置箇所は中間区域の始端区域側であってもよい。移動性
標識成分は、液体試料中の特定成分と抗原ー抗体反応に
より特異的に結合する成分からなり、常温固体で水やア
ルコール等の溶媒に可溶であるか又はこれら溶媒により
毛細管中を移動可能な物質、例えば金や銀、或いはセレ
ンのような金属又は無機粒子、フルオレセイン、ローダ
ミンのような蛍光標識、赤血球、ラテックス粒子、着色
又は有色ラテックス粒子のような色素標識、βーガラク
トシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダ
ーゼのような酵素標識、或いはそれらの混合体などで標
識したものが挙げられ、これらは表面処理によりモディ
ファイされたものでもよい。これら移動性標識成分は試
料溶液の含浸時に試料液体に伴われて移動される。ま
た、中間区域には試料溶液中の該特定成分、或いは移動
性標識成分と特異的に結合する一つ又は二つ以上の成分
が順次間隔を置いて永久的に固定され、配置されてい
る。
【0015】ウイックに対して被検溶液(=試料溶液)
を含浸させると、毛細管現象により浸透し、被検溶液中
の一種又は二種以上の特定成分が途中に配置されている
移動性標識成分と特異的に結合する。試料溶液は被検
溶液中の一種又は二種以上の特定成分(第一の特定成
分、第二の特定成分、第三の特定成分・・・)と特異的
に結合した移動性標識成分と無結合の移動性標識成分
とを伴いながら中間区域の第一の結合対手成分の箇所に
至り、標識成分と結合した第一の特定成分が第一の結
合対手成分と例えば抗原ー抗体反応(サンドウイッチ法
など:この場合の抗原とは第一の特定成分を示し、抗体
とは第一の結合対手成分を示す)により結合して標識成
分を固定し、集積させることにより第一の特定成分の有
無や量的割合などが検知される。なお、被検溶液中に第
一の特定成分が含まれていないか所定量以下のときは例
えば無と検知される。
【0016】次に試料溶液は、残余のすなわち第一の
特定成分以外の特定成分(第二の特定成分、第三の特定
成分・・・)と特異的に結合した移動性標識成分と無
結合の移動性標識成分とを伴いながら中間区域の第二の
結合対手成分の箇所に至る。ここで標識成分と結合し
た第二の特定成分が第二の結合対手成分と例えば抗原ー
抗体反応により結合して標識成分を固定し、集積させる
ことにより第二の特定成分の有無や量的割合などが検知
される。なお、被検溶液中に第二の特定成分が含まれて
いないか所定量以下のときは例えば無と検知される。
【0017】以降、上記と同様にして第三の特定成分、
第四の特定成分・・・の有無や量的割合などが検知され
た後、試料溶液は無結合の移動性標識成分を伴いなが
ら最終の結合対手成分の箇所に至り、ここで無結合の移
動性標識成分が最終の結合対手成分と例えば抗原ー抗体
反応(この場合の抗原とは移動性標識成分を示し、抗体
とは最終の結合対手成分を示す)により特異的に結合す
ることにより、標識成分を固定、集積させることによ
り、以上の一連の試験が終了したことが確認される。な
お、試料溶液中検査しようとする特定成分が一種である
場合には、中間区域には第一の結合対手成分と第二の結
合対手成分とが配置され、第一の結合対手成分の箇所で
該特定成分の有無や量的割合などが検知され、第二の結
合対手成分の箇所では試験が終了したこと及び/又は試
験が正確に実施されたことが確認される。
【0018】本発明におけるシート状細片としては、溶
媒(水、アルコール等)及び被検成分が浸透可能な多孔
質又は毛細管構造を有し、被検溶液が展開でき且つ移動
性標識成分が移動し得る材料であれば使用でき、各種材
質のメンブレン或いはフィルムで構成される。その例と
しては各種炉紙、クロマトグラフィー用紙などのシー
ト、各種のフェルト、織布や不織布などの布、ガラス繊
維などが挙げられるが、これらのうちより好ましくは有
機多孔質体が用いられる。この例としてはセルロースな
どの天然繊維、セルロースアセテートなどの半合成繊
維、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなど
の合成繊維などで形成された繊維集合体、多孔質ポリプ
ロピレン、多孔質ポリスチレン、多孔質ポリメタクリル
酸メチル、多孔質ナイロン、多孔質ポリスルフォン、多
孔質フッ素樹脂、親水性基を導入されたフッ化ポリビニ
リデン等の多孔質合成樹脂などを挙げることができる。
【0019】これら材質からなるメンブレン或いはフィ
ルムすなわちシート状細片は、被検溶液を適用する始端
区域、中間区域及び終端区域が備えられる。該始端区域
には移動性標識成分が配置され、該中間区域の予め定め
られた位置には順次第一の結合対手成分、第二の結合対
手成分、第三の結合対手成分・・・がそれぞれ永久的に
固定、配置される。そして第一の結合対手成分、第二の
結合対手成分、第三の結合対手成分が配置された各箇所
ではそれぞれ被検溶液中の特定成分の有無又は量的割合
が判定、検査され、最終端の結合対手成分が配置された
箇所では検査が終了したこと及び/又は試験が正確に実
施されたことが確認される。
【0020】本発明においてはシート状細片は保持体に
より保持される。この保持体はシート状細片を保持し、
把持体に対してスライドさせ得る材質であれば特に限定
はなく、例えば各種プラスチック製のシート(プラスチ
ックシート)や硬質紙、アルミ製等の金属(合金を含
む)製シート、例えば異質又は同質の複数の紙を張り合
わせた(貼り合わせた)複層紙、プラスチックシートと
紙とを張り合わせた(貼り合わせた)もの、紙と金属製
シートを張り合わせた(貼り合わせた)もの、プラスチ
ックシートと紙と金属製シートを張り合わせた(貼り合
わせた)もの、紙に防水用等のコーティングを施したも
のなどにより構成される。この保持体によるシート状細
片の保持は、その内面にシート状細片の適当箇所、例え
ば終端区域(最終端の結合対手成分が配置された箇所よ
り後方)の適当箇所の上面を貼着し固定することにより
行うことができる。シート状細片には、順次、移動性標
識成分、第一の結合対手成分、第二の結合対手成分、第
三の結合対手成分・・・が配置され、それら結合手成分
が配置された各箇所において被検成分の有無又は量的割
合などの判定並びに検査終了及び/又は試験が正確に実
施されたことが確認されるが、保持体にはこれら箇所に
対応して順次一つ又は二つ以上の判定窓及び確認窓が設
けられる。
【0021】本発明のデバイスによって検出、測定でき
る被検成分としては唾液、血清、血漿、尿、便、羊水、
或いはミルクなどの生物学的液体試料又はそれらの希釈
液のような液体試料中に含まれる各種成分が挙げられ
る。その例としては、例えばジランチン、ジゴキシン、
モルフィン、ジギトキシン、バルビツール酸塩類、カテ
ーコールアミン類、グルテチミン、コカイン、ヘモグロ
ビン、ジフェニルヒダントイン、トランスフェリン、メ
ルボマメート、ベンズジアゾシクロヘプタン類、フェノ
チアジンのような薬剤、ビオチン、ビタミンB群、ビタ
ミンA、ビタミンD類、ビタミンE、ビタミンK、葉
酸、アスコルビン酸のようなビタミン類、チロキシン、
インシュリン、絨毛性ゴナドトロピン、黄体形成ホルモ
ン、トリヨードチロニン、エストリオール、テストステ
ロン、アンドロステロン、エクイレニン、エストロン、
プロゲストロン、プログネノロン、コーチゾール、17
ーヒドロキシデオキシーコルチコステロン、アルドステ
ロンのようなホルモン類、結合グロブリン、アビジン、
内因子及びトランスコバラミンのような結合タンパク質
類、細菌、プロトゾア、カビ、ウイルス、高等動物に由
来する各種細胞、各種殺虫剤、殺菌剤、線虫撲滅剤、廃
液又は工業的液体中の各種有機及び無機成分などを挙げ
ることができる。これらのうち例えばヘモグロビン、ト
ランスフェリンの場合は便潜血検査のための診断用デバ
イスとして、絨毛性ゴナドトロピンの場合は妊娠検査の
ための診断用デバイスとして、また黄体形成ホルモンの
場合には排卵検査のための診断用デバイスとして用いら
れる。
【0022】
【実施例】以下、図面に基づき本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは
もちろんである。図1〜図10は本発明の検査用デバイ
スの実施例を示す図である。図1は保持体により保持さ
れたシート状細片(デバイス本体)を示す図、図2はシ
ート状細片の各種態様例を示す図、図3は保持体3に保
持されるシート状細片(メンブレン)の各種態様例を示
す図、図4はデバイス本体を保持した保持体を把持する
ための把持体を示す図、図5は把持体に対して保持体
(シート状細片を保持している)を把持した本発明の検
査用デバイスを示す図、図6は本検査用デバイスの使用
態様を示す図、図7は図1〜図6に示す態様の保持体及
び把持体に係止機構を設けてなる態様を示す図である。
さらに図8〜図10は本発明の検査用デバイスの他の態
様を示す図である。なお、以下においては、判定窓を一
つ設ける場合について述べているが、判定窓を二つ以上
設ける場合についても同様である。
【0023】まず図1(a)は、シート状細片を保持体
により保持してなるシート状細片の平面図、図1(b)
〜(c)は図1(a)中AーA線に沿う横断面図であ
り、図1(d)はその裏面を示している。図1(a)〜
(c)において、1はデバイス本体、2はウイック、3
は保持体である。シート状細片1は一枚のシート状細片
(前述のとおり各種炉紙、織布や不織布などの布、フィ
ルム、メンブレンその他:以下これらを含めて適宜メン
ブレンとも指称する)からなり、保持体3により保持さ
れるが、保持体3はプラスチック製や硬質紙製やアルミ
製その他の金属製シート、或いはこれらの積層体からな
る板状体として構成される。
【0024】メンブレン1の幅については、特に限定は
ないが、好ましくは2〜20mm程度、より好ましくは
3〜10mm程度で構成される。またメンブレン1の長
さについては、好ましくはメンブレン1から延長したウ
イック2の部分をも含めて50〜200mm程度、より
好ましくは80〜150mm程度に構成される。このメ
ンブレン1を保持する保持体3は、その幅を例えば10
〜40mm等、メンブレン1の幅に比して相対的に大き
くし、その裏面でメンブレン1を長手方向に保持するよ
うにする。保持体3の幅をメンブレン1の幅に比してそ
のように相対的に大きくすることにより、デバイス使用
時の取り扱い操作を容易に行うことができる。またこの
場合、図示の態様例においてはメンブレン1は保持体3
により固定部材4で固定され保持されている。固定部材
4としてはその固定目的を達し得る材質、例えばプラス
チック、紙、硬質ゴム等を用いるが、多孔性材料、例え
ば硬質ないし半硬質のスポンジなどで構成すれば、ウイ
ックに適用され含浸される被検溶液の吸引促進作用をも
持たせることができる。この点は以下に述べる固定部材
4についても同様である。
【0025】メンブレン1には順次移動性標識成分(被
検溶液中の特定成分と特異的に結合する)5、永久的に
固定された第一の結合手成分(標識成分と特異的に結合
した被検溶液中の特定成分と特異的に結合する)6、永
久的に固定された第二の結合手成分(被検溶液に伴われ
てくる移動性標識成分と特異的に結合する)7が配置さ
れている。図示のとおり、保持体3には第一の結合手成
分6及び第二の結合手成分7の位置に対応して、それぞ
れ順次判定窓8、終了確認窓9が設けられている。な
お、固定結合手成分は、図示の例では間隔を置いて二つ
配置しているが、検査しようとする被検溶液中の特定成
分の数に応じて三つ以上の結合手成分を配置し、複数の
被検出成分を同時に検出、分析することができる。この
場合には各結合手成分の固定位置毎に判定窓が設けられ
る。
【0026】また、ウイック2は例えば濾紙、各種材質
からなるスポンジ、多孔質のセルロースその他の水性溶
液吸収性の物質で構成される。ウイック2は、デバイス
本体すなわちメンブレン1の始端部分に当接、固定され
るが、さらに必要に応じて例えば図1(b)中符号11
で示す箇所でも固定され得る。またメンブレン1の裏面
及び両側面を液体不浸透性の薄膜でシールすることによ
り、メンブレン1自体を保護し、デバイス使用時等にお
いて被検液体がふりかかるのを回避することができる。
図1(b)〜(c)中12はそのシール薄膜を示してい
る。
【0027】メンブレン1には必要に応じて補強用の支
持細片すなわち裏打ち部材が設けられる。図1(c)中
符号13はその裏打ち部材である。この裏打ち部材13
は、上記のようにメンブレン1の裏面をシールする場合
には、そのシール面に対して貼付することにより行うこ
とができる。また裏打ち部材13は、図1(c)ではウ
イック2の先端部に相当する位置まで施しているが、保
持体3の長さ分だけ施してもよい。なお、図1中符号1
0として示す部分は、保持体3で保持されたメンブレン
1を後述把持体14に対してスライドさせるに際して押
圧箇所の目安となる箇所であり、必要に応じて表示又は
形成されるが、それが必要な場合には印刷や線状凹凸等
により表示、形成される。
【0028】保持体3は、各種態様を採ることができ
る。例えばその両端部又は一端部を開放した扁平袋状に
構成し、その中にメンブレン1を嵌挿し、固定するよう
にしても差し支えない(その後、その一端部又は両端部
をシールしてもよい)。図2はその一態様例を示すもの
で、図2(a)はその平面図、図2(b)は図2(a)
中AーA線で切断した断面図、図2(c)は裏面図、図
2(d)は図2(a)中BーB線で切断した断面図であ
る。このうち図2(d)は図2(a)〜(c)に比べて
相対的に拡大して示している。また図1と共通する部分
については同じ符号を用いており、この点以下において
も同様である。
【0029】図示のとおり、保持体3を扁平袋状に構成
し、その中にメンブレン1(上記シール及び/又は裏打
ち部材を施した場合はこれらを含む)を固定し保持する
ようにする。この態様の場合、特に図2(d)から明ら
かなとおり、その上下両面の間隔をメンブレン1(な
お、シールをする場合にはこれを含む)及び裏打ち部材
13並びにウイック2の各厚さを合わせた厚さとし(該
間隔は該合計厚さに比べて余裕を持たせることもでき
る)、ウイック2を含むメンブレン1はその間に嵌挿、
固定される。なお、保持体3の両側端部〔図2(d)中
符号Kとして示す〕の形状は後述把持体の空隙Sの両側
端部の形状に合わせた形状に構成される。
【0030】本検査用デバイスを使用するに際しては、
ウイック2に被検溶液を含浸させると、被検溶液がメン
ブレン1中を毛細管作用により浸透し、まず移動性標識
成分5が配置された位置に至る。ここで被検溶液中の特
定成分が移動性標識成分5と例えば抗原ー抗体反応によ
り特異的に結合する。次いで被検溶液は(A)該特定成
分と特異的に結合した移動性標識成分と(B)特定成分
と結合しない残余の移動性標識成分5を伴いながら、永
久的に固定、配置された第一の結合手成分6の箇所に至
る。ここで(A)移動性標識成分と結合した該特定成分
が第一の結合手成分と結合して標識粒子5が固定されて
集まるが、これによる標識成分による色調変化を判定窓
8で観察することにより特定成分の有無又は量的割合が
検知される。
【0031】被検溶液はさらに第二の結合手成分の箇所
7に至り、ここで(B)特定成分と結合しない残余の移
動性標識成分5が第二の結合手成分と特異的に結合して
標識粒子5が固定されて集まるが、これによる標識成分
による色調変化を確認窓9で観察することにより検査が
終了したことが確認される。一方上記において被検溶液
中に特定成分が存在しない場合には、被検溶液は(B)
特定成分と結合しない移動性標識成分5を伴って第一の
結合手成分6の箇所を通過して第二の結合手成分の箇所
7に至る。ここで(B)移動性標識成分5が第二の結合
手成分と特異的に結合して標識粒子5が固定されて集ま
り、検査が終了したこと及び/又は試験が正確に実施さ
れたことが確認される〔この場合には、検査の結果、特
定成分がない(或いは特定成分があっても量的割合が少
ない)ことが確認される〕。
【0032】図3は、保持体3に保持されるデバイス本
体(シート状細片=メンブレン)の各種態様例を示した
ものである。図3(a)の例ではメンブレン1を保持体
3と同じ長さ又はほぼ同じ長さとし、図3(b)の例で
はメンブレン1の後部を短かくし、その先端部をウイッ
クの先端部まで延長させた場合であり、保持体3に対す
る固定は判定窓9の近辺で固定部材4により行われる。
また、図3(c)の例では、メンブレン1の先端部を保
持体3の先端部と同じ長さ又はほぼ同じ長さとし、その
後部を図3(b)の場合と同様短かくして構成したもの
である。これら何れの態様でも、前述図1(b)〜
(c)の場合と同じく、メンブレン1は必要に応じてシ
ールすることができ、また裏打ち部材を施すことができ
る。
【0033】図3(d)〜(f)は、ウイック2をメン
ブレン1に対して上下逆位置に配置した場合の態様であ
る。これら図3(d)〜(f)の態様では、メンブレン
1中に配置された第一の結合手成分及び第二の結合手成
分に対応して保持体3に判定窓8及び確認窓9が配置さ
れる点では変わりはないが、メンブレン1の上面と保持
体3(上面)との間にウイック2の厚みに相当する間隔
が不要であるため、これら両窓を通して見られる変化が
より見易いという利点等がある。一方メンブレン1の下
部にウイック2の厚みに相当する空間が生じることにな
るので、保持体としては図2に示す態様の保持体を用い
るのが好ましい。なお、これらの態様の場合にもメンブ
レン1に対して必要に応じてシールすることができ、ま
た裏打ち部材を施すことができる点については上記と同
様である。
【0034】次に、上記のようにメンブレンを保持した
保持体(以下、適宜デバイス本体と指称する)は把持体
に対してスライド可能に把持される。図4(a)はデバ
イス本体用把持体の一態様例を示す平面図(上方から見
た図)である。図4中14は把持体、15はその本体で
あり、16はその両側から帯状に延びる袖部である。袖
部の幅は適宜に選定でき、また両袖部の一部については
その両側から連結しても差し支えない。図示のとおり、
把持体の本体15の面と両袖部16の面とは、その間に
保持体の厚みとデバイス本体1の厚みとを合わせた厚み
と同じか又はその厚みより僅かに余分の間隔を保つよう
にし、且つ本体15の面と両袖部16の面とが平行又は
ほぼ平行となるように折り曲げられる。
【0035】図4(b)〜(c)は、図4(a)中Cー
C線で切断した部分の横断面図であり、該折り曲げ部分
の好ましい一、二の態様例を示している。符号Sはその
空隙部分であり、ここにデバイス本体がスライド可能に
嵌挿される。図4(b)〜(c)のとおり、袖部16は
断面コ字状又は断面半台形状に折曲げられ、その空隙S
の厚さは保持体3の厚みとメンブレン1の厚みを合わせ
た厚みと同じか又はその厚みよりも僅かに厚くなるよう
に形成され、これによって把持体14に対するメンブレ
ン1の移動がより円滑に行えるようにすることができ
る。把持体14を構成する本体15の材質と両袖部16
の材質とは同一でも異なってもよく、プラスチック製や
紙製、或いは金属製などの材料で構成するが、好ましく
は同一の材料で一体に形成される。
【0036】把持体14の本体15と両袖部16により
保持体3で保持したメンブレン1を把持し、また使用時
に把持体14に対して保持体3で保持したメンブレン1
を相対的にスライドさせ、移動させることになる。この
ため把持体の本体15及び両袖部16の内面は保持体3
で保持されたメンブレン1を円滑に移動するようにして
おく必要があり、このため保持体3及びメンブレン1
(シート状細片)の材質に応じて適宜滑りのよい材質が
選定される。なお、符号17で示す部分は前述保持体3
(含:メンブレン1)の対応部分10との対応部分であ
り、これは使用前における把持体14への保持体3
(含:メンブレン1)の納まり具合いなどの目安とな
る。当該部分17は、必要に応じて表示又は形成される
が、それが必要な場合には印刷や線状凹凸等により表
示、形成される。
【0037】本発明においては、把持体14に対してデ
バイス本体を把持し、使用前には把持体14内にデバイ
ス本体1を納めて包むようにするが、図5はその把持状
態を示した図である。図5(a)に示すとおり、メンブ
レン1を保持した保持体3は把持体14の本体15の両
側から延びる袖部16により把持され、これによりメン
ブレン1は把持体14に対してコンパクトに納められ
る。図5(b)はその裏面を示た図であり(この裏面は
図3に示すものの裏面にも相当している)、この裏面に
は必要に応じて本デバイスの使用の仕方、メンブレン1
の判定窓や終了確認窓に現れる現象等が記載されてもよ
い。なお両袖部16は、相対してその間に開口を有する
が、使用時にデバイス本体を把持体14に対してスライ
ドさせて移動させる範囲に相当する開口部分を除き一体
化してもよい。
【0038】図6は、本検査用デバイスの使用態様を示
す図である。このうち図6(a)は本デバイスの使用前
の状態を示し、図6(b)は使用時の状態を示してい
る。使用前の状態である図6(a)の状態のものを、保
持体3で保持したメンブレン1をその把持体14との対
応部分10又はその近辺を軽く押圧しながら、把持体1
4に対して相対的にスライドさせ、移動させることによ
り図6(b)の状態とする。なお、図6(a)中矢印
(←→)はそのスライド時における両者(保持体3と把
持体14)の相対的移動方向を示している。
【0039】本検査用デバイスは、図6(b)の状態と
した後、把持体14を持ち、尿その他の被検溶液をウイ
ック2にかけて含浸させることにより使用される。この
ほか被検溶液を適当な容器に収容し、該収容被検溶液に
ウイック2の部分を漬けて含浸させるなど適宜の手法で
使用してよいことは勿論である。なお、図6(b)の状
態は、デバイスとしての使用準備が終了した状態である
が、上記使用時の状態を含むものとして記載しており、
この点以下の態様例についても同じである。
【0040】本発明の検査用デバイスの長さは、図6
(b)の状態としたときに80〜400mm程度、好ま
しくは100〜300mm程度、さらに好ましくは12
0〜230mm程度となるようにする。前述のとおりメ
ンブレン1の長さについては、好ましくはメンブレン1
から延長したウイック2の部分をも含めて50〜200
mm程度、より好ましくは80〜150mm程度に構成
される。このため把持体自体の長さを少なくともそれ以
上とすればデバイス使用時における取り扱いが格段に容
易となり、これによる検査をきわめて衛生的に行うこと
ができる。また、前述のとおりメンブレン1を保持する
保持体3の幅は、例えば10〜40mmというように、
メンブレン1の幅に比して相対的に大きく構成される
が、把持体の幅については少なくともそれ以上とする。
これら寸法については本発明における他の態様の場合に
ついても同様である。
【0041】本発明に係る検査用デバイスでは、使用前
及び使用時における、把持体に対する保持体の位置決め
を容易にするため、さらに係止機構等の各種構造を設け
ることができる。図7〜図9はそのうちの幾つかの態様
例を示す図である。まず図7(a)の態様では、図中符
号18として示すように、保持体3の両側の中間部分を
切り込んで凹状に形成する。符号19、20はその両端
部分である。一方、図7(b)中符号21として示すよ
うに、把持体14の両側部内部に凸起(突起)を設け
る。この突起21は該両側凹部18の両端部分間に介在
して保持体3のストッパーの役割を果たすものである。
図7(c)は把持体14に対して保持体3を嵌挿し、検
査用デバイスとしての使用前の状態を示しているが、凸
起21は凹状部18の端部19の部分に当接して係止さ
れている。図7(d)は検査用デバイスとしての使用時
の状態であるが、凸起21は凹状部18の端部20の部
分に当接して係止される。
【0042】次に、図8の態様においては、把持体14
をその中に保持体3を含むデバイス本体を収容できる空
間を備える扁平袋状に構成し、その両側縁部にデバイス
本体の使用前の状態から使用時の状態における移動距離
の分だけ開口した開口溝22が設けられる。一方保持体
3には、その両側に操作用の突起24を設ける。図8
(a)は把持体14の平面図、図8(b)は把持体14
の側面図、図8(c)はデバイス本体の平面図であり、
図8(b)中符号23は把持体14を構成する上下のシ
ートを示している。把持体14に対してデバイス本体を
嵌挿するが、この場合保持体3両側の操作用の突起24
が把持体14の両開口溝22に嵌挿され、それぞれ外部
に臨むように配置される〔図8(d)参照〕。
【0043】使用時には、両突起24を図8(d)中矢
印(←)のように移動させ、操作して把持体14に対し
て保持体3(デバイス本体)をスライドさせることによ
り、把持体14に対して保持体3が図8(e)に示す状
態となるようにされる。なお操作用突起24は図8に示
す態様では保持体3の両側に(二個)設けてあるが、何
れか一側だけに設けるようにしてもよく、この場合に
は、把持体14の側縁部の開口溝22は、その突起に対
応してその一側だけに設けられる。
【0044】さらに図9の態様では、把持体14をその
中に保持体3を含むデバイス本体を収容できる空間を備
える扁平袋状に構成し、その中心線に沿って保持体3の
使用前の状態から使用時の状態における移動距離の分だ
け開口した開口溝25を設ける。一方保持体3には、そ
の開口溝25に対応して操作用のつまみ26が設けられ
る。図9(a)は把持体14の平面図、図9(b)はデ
バイス本体の平面図、図9(c)は把持体14に対して
デバイス本体をセットした後の平面図である。把持体1
4に対してデバイス本体を嵌挿するが、この場合保持体
3の操作用つまみ26が把持体14の開口溝25に嵌挿
され、該つまみ26が外部に臨むように配置される〔図
9(c)参照〕。なおつまみ26は、その配置目的を達
成し得るものであれば適宜の形状、構造を採ることがで
き、また符号27は保持体3に対するつまみ26の固定
部材、例えばリベット等を示している。
【0045】使用時には、つまみ26によりデバイス本
体を図9(d)のように移動させ、操作して、把持体1
4に対して保持体3をスライドさせることにより、把持
体14に対して保持体3が図9(d)に示す状態となる
ようにされる。なお、操作用つまみ26は図9に示す態
様では保持体3の上面に設けてあるが、これは上下両面
に設けるようにしてもよく、この場合には、把持体14
の開口溝25は、それに対応してその上下両面に設けら
れる。
【0046】本検査用デバイスは、以上例示した態様で
は図6(b)、図7(d)、図8(e)、図9(d)の
ような状態で使用するが、デバイスの長さを使用時にそ
のように長くすることができるため、その取り扱いが非
常に容易である。ウイック2に被検溶液を含浸させる
と、被検溶液がメンブレン1中を毛細管作用により浸透
し、まず移動性標識成分5が配置された位置に至る。こ
こで被検溶液中の特定成分が移動性標識成分5と抗原ー
抗体反応により特異的に結合する。次いで被検溶液は移
動性標識成分5(含:該特定成分と特異的に結合した移
動性標識成分)を伴いながら、永久的に固定、配置され
た第一の結合手成分6の箇所に至る。ここで移動性標識
成分と結合した該特定成分が結合手成分6と結合して標
識成分5が固定されて集まるが、これによる標識成分に
よる色調変化などを判定窓8で観察することにより特定
成分の有無或いは量的割合が検知される。
【0047】さらに図10は本発明の別の実施例であ
る。この態様では、把持体14の幅を保持体3の使用時
におけるスライド方向に向けて漸次狭めるように構成
し、保持体3についても、把持体14の形状に対応し
て、保持体3の幅を少なくとも一部が右方部から左方部
に向けて狭まるように形成し、デバイスとしての使用前
には全体として把持体14に収納できるように構成され
る。本発明における把持体14としては、両側に帯状の
把持部を備えたシート状の把持体の場合(図4〜図7参
照)と扁平袋状の把持体の場合(図8〜図9参照)とが
あり、図10にはこのうち把持体14を扁平袋状に構成
する場合を例に示しているが、両側に帯状の把持部を備
えたシート状の把持体の場合についても同様である。
【0048】図10(a)はその把持体14の平面図で
ある。図示のとおり、把持体14の幅が右方部から左方
部に向けて(すなわちデバイス使用時における保持体3
のスライド方向に向けて)漸次狭まるように形成され
る。これを逆に云えば、左方部から右方部に向けて相対
的に広がるように形成される。また把持体14には、保
持体3の使用前の状態から使用時の状態における移動距
離の分程度だけ開口した開口溝28が設けられる。この
場合、開口溝28の幅は左右一定としてもよく、把持体
14の幅に対応して右方部から左方部に向けて漸次狭ま
るように形成してもよいが、図10(a)には後者の場
合を示している。
【0049】一方、保持体3についても、把持体14の
形状に対応して、保持体3の幅を少なくとも一部が右方
部から左方部に向けて狭まるように形成され、デバイス
としての使用前には全体として把持体14に収納できる
ように構成される。図10(b)はウイックを含む保持
体3の平面図であり、保持体3は、メンブレン1を保持
する等、基本的には図1〜図3に示すような構造を備え
ている。
【0050】本実施例においては、保持体3のウイック
2の側の端部の幅〔図10(b)中符号yで示す〕は、
把持体14の幅〔図10(a)中符号xで示す〕より小
とする必要があるが(x>y)、その端部以降(ウイッ
ク2側の端部以降)の幅は最右方部分に至るまで徐々に
大きく形成してもよく、或いは途中まで同じ幅(y=
z)又はほぼ同じ幅(y≒z)とし、それ以降最右方部
分に至るまで徐々に大きく形成してもよい。図10
(b)には後者の場合を示している。
【0051】なお、図10中符号29で示す部分は、デ
バイスとしての使用前における把持体14への保持体3
の納まり具合いなどの目安となり、またデバイスとして
の使用時における把持体に対する保持体3のスライド用
の押圧箇所の目安としてもよい。当該部分29は必要に
応じて表示又は形成されるが、それが必要な場合には印
刷や線状凹凸等により表示、形成される。また、把持体
14の対応部分にも、図4〜図7中符号17で示すよう
な印刷や線状凹凸等が必要に応じて表示、形成される。
【0052】図10(c)〜(d)は本検査用デバイス
の使用態様を示す図である。このうち図10(c)は本
態様例の使用前の状態を示し、図10(a)に示す把持
体14に図10(b)に示すデバイス本体を全体として
収納した状態を示している。使用前の状態である図10
(c)の状態のものを、保持体3で保持したメンブレン
をその把持体14との対応部分29又はその近辺を軽く
押圧しながら、把持体14に対して相対的にスライドさ
せることにより、図10(d)の状態とする。図10
(c)中、矢印(←→)は、そのスライド時における両
者の相対的移動方向を示している。
【0053】図10(d)のとおり、把持体13の幅は
左方向に向けて漸次狭くなり、これに対応して保持体3
の幅も左方向に向けて漸次狭くなっているが、把持体1
4の幅をその長手方向の途中で保持体3の最大幅と一致
するようにしてある。符号30はその一致箇所であり、
保持体3は、把持体14に対して、当該1致箇所で係止
される。その際、その一致箇所として、保持体3をスラ
イドさせたときに判定窓及び終了窓が把持体14の最左
端又は該最左端を僅かに出る程度となるように予め設計
しておき、これによりその移動幅を調整することができ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る検査用デバイスは、コンパ
クトで且つ携帯性に優れ、取り扱いがきわめて容易であ
り、しかも衛生的である。またデバイス構成材料の使用
量を大幅に少なくできるため、その分コスト低減を図る
ことができるだけでなく、使用済み廃棄物処理の問題を
も解決することができるなど各種有効な優れた利点、効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持体により保持されたデバイス本体を示す
図。
【図2】デバイス本体の各種態様例を示す図。
【図3】保持体3に保持されるシート状細片(メンブレ
ン)の各種態様例を示す図。
【図4】デバイス本体を保持した保持体を把持するため
の把持体を示す図。
【図5】把持体に対して保持体(シート状細片=デバイ
ス本体)を把持した本発明の検査用デバイスを示す図。
【図6】本検査用デバイスの使用態様を示す図。
【図7】図1〜図6に示す態様の保持体及び把持体に係
止機構を設けてなる態様を示す図。
【図8】本発明の検査用デバイスの他の態様を示す図。
【図9】本発明の検査用デバイスの他の態様を示す図。
【図10】本発明の検査用デバイスの他の態様を示す
図。
【符号の説明】
1 メンブレン 2 ウイック 3 保持体(メンブレンの) 4 固定部材 5 移動性標識成分 6 永久的に固定された第一の結合手成分 7 永久的に固定された第二の結合手成分 8 判定窓 9 終了確認窓 11 ウイックと保持体との当接部分(又は当接、固定
部分) 12 シール(薄膜) 13 裏打ち部材 14 把持体 15 把持体の本体 16 把持体の袖部 S 空隙(メンブレン1の嵌挿空間) 18 保持体3の両側の中間部分を切り込んだ凹状部 19、20 凹状部18の両端部分 21 凸起(突起) 22 開口溝 23 把持体(扁平袋状)14を構成する上下のシート 24 凸起(突起) 25 開口溝 26 つまみ 27 保持体3に対するつまみ26の固定部材 28 開口溝 30 係止箇所

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】始端区域、中間区域及び終端区域を備え、
    毛細管現象によって被検溶液を移送できる材料で構成さ
    れた一枚又は連結した複数枚のシート状細片からなり、
    該始端区域の始端部には被検溶液を含浸、吸収させるた
    めのウイックを備えるとともに、該始端区域の終端部に
    移動性標識成分を含み、且つ該中間区域の予め定められ
    た位置に順次間隔を置いて永久的に固定、配置された一
    つ又は二以上の結合対手成分を含んでなる検査用デバイ
    スであって、該シート状細片又はウイックの一部又は全
    部を含めたシート状細片が保持体により保持され、シー
    ト状細片又はウイックの一部又は全部を含めたシート状
    細片を保持した該保持体が、両側に帯状の把持部を備え
    たシート状又は扁平袋状把持体にスライド可能に把持さ
    れてなることを特徴とする検査用デバイス。
  2. 【請求項2】上記検査用デバイスが、該把持体にシート
    状細片を保持した保持体用のストッパー機構を設けてな
    る検査用デバイスである請求項1記載の検査用デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】上記両側に帯状の把持部を備えたシート状
    又は扁平袋状把持体の幅を該保持体のスライド方向に向
    けて漸次小さくしてなるとともに、該保持体の幅をその
    スライド方向に漸次小さくしてなり、両側に帯状の把持
    部を備えたシート状又は扁平袋状把持体に対する保持体
    のスライド時において、保持体が両側に帯状の把持部を
    備えたシート状又は扁平袋状把持体の途中で係止される
    ようにしてなることを特徴とする請求項1記載の検査用
    デバイス。
  4. 【請求項4】上記シート状細片が不透湿性薄膜でシール
    されてなるシート状細片である請求項1、2又は3記載
    の検査用デバイス。
  5. 【請求項5】上記シート状細片が補強用のシートで裏打
    ちされてなるシート状細片である請求項1、2、3又は
    4記載の検査用デバイス。
  6. 【請求項6】上記シート状細片を保持した保持体がプラ
    スチック製シート、硬質紙、金属製シート若しくはそれ
    らの二種以上を積層したシートからなり、順次一つ又は
    二つ以上の判定窓と確認窓とが設けられてなる保持体で
    ある請求項1、2、3、4又は5記載の検査用デバイ
    ス。
  7. 【請求項7】上記把持体がプラスチック製シート、硬質
    紙、金属製シート若しくはそれらの一種又は二種以上を
    積層したシートからなる把持体である請求項1乃至請求
    項6のいずれかに記載の検査用デバイス。
  8. 【請求項8】上記保持体及び/又は把持体の全部又は一
    部分が不透湿性薄膜でシールされてなるものである請求
    項1乃至請求項7のいずれかに記載の検査用デバイス。
  9. 【請求項9】上記検査用デバイスが体外検査用のデバイ
    スである請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の検査
    用デバイス。
  10. 【請求項10】上記検査用デバイスが便潜血検査、妊娠
    検査又は排卵検査のための診断用デバイスである請求項
    9記載の検査用デバイス。
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