JPH10332700A - 検査体 - Google Patents

検査体

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JPH10332700A
JPH10332700A JP15429997A JP15429997A JPH10332700A JP H10332700 A JPH10332700 A JP H10332700A JP 15429997 A JP15429997 A JP 15429997A JP 15429997 A JP15429997 A JP 15429997A JP H10332700 A JPH10332700 A JP H10332700A
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剛 望月
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和加枝 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロマト法テストストリップの外装に関する
上記従来法の欠点を解消し、安価で、持ち運び、取り扱
い、および保管、ならびに反応後の保存に便利な不透湿
性のプラスチックフィルムまたは薄板を用いて外装とし
たクロマト法テストストリップを提供する。 【解決手段】 二枚の不透湿性のプラスチックフィルム
または薄板を用い、クロマト法テストストリップをその
間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるク
ロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けら
れた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の
流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テスト
ストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の
被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプ
ル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気
抜き開口部をあらかじめ設けた検査体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検査手段であるク
ロマト法テストストリップを、安価、持ち運び、取り扱
い、および保管に便利なようにすると共に、クロマト展
開済みのクロマト法テストストリップを検査結果とし
て、ノート、アルバム等に貼って保存することができる
ようにしたクロマト法テストストリップで構成される検
査体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロマト法テストストリップは、病院、
医院、診療所等は勿論のこと、家庭においても極めて簡
易に使用することができて、早急に分析結果を知ること
ができる検査手段である。従来、このクロマト法テスト
ストリップは、ある程度の強度を持った支持体上にむき
出しで、場合によっては一部をテープで覆うているもの
であるが、これは、取り扱いに不便であり、また、クロ
マト法テストストリップ自体の汚染の可能性がある等の
問題がある。
【0003】この問題を改善するものとして、不透湿性
固体材料で形成されている中空ケーシングに、乾燥多孔
質キャリアを収容したクロマト法テストストリップ検査
法に基づく分析試験装置が特公平7−46107号に開
示されている。これによれば、携帯に便利で、操作し易
く、一般家庭でも使用することができ、例えば、婦人尿
中絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の検出による妊娠診
断用のものが薬局で市販されている。
【0004】しかし、この分析試験装置においては、中
空ケーシングを用意するためにコストが掛かり、形を変
更するのに、例えば、プラスチック製中空ケーシングの
場合、金型を作り変えなければならず容易ではなく、一
方、中空ケーシング自体にある程度の厚みがあるため、
保管にスペースを要すると共に、重ね合わせた際に、ば
らばらと崩れ易い難点がある。さらに、クロマト展開済
みの検査体を保存する際、厚みがあるため、ノートに貼
ったり、アルバムに入れて保存することができない。
【0005】また、免疫クロマトグラフィアッセイ手段
を駆使するクロマト法テストストリップを、その上面に
透明な接着テープで、その下面に剛性プラスチックで挟
んで接着・密閉してクロマト法テストストリップを保護
する分析試験装置が特表平8−509291号に開示さ
れている。本分析試験装置を用いて分析を実行するため
には、先ず、本分析試験装置の剛性プラスチックストリ
ップにあらかじめ設けられている所定位置をハサミで切
断して、クロマト展開における被検サンプル吸い込み口
を開口させた後、その開口部を一定量の被検サンプルが
入った容器に垂直に立ててクロマト展開を行なわなけれ
ばならない。
【0006】本分析試験装置によるクロマト展開には、
上述のように特別な被検サンプル用容器等の付属品を必
須とするだけでなく、本分析試験装置を用いてクロマト
展開を行うと、被検サンプル吸い込み所要時間が長いた
め、実験中のアクシデントが起り易く、また、クロマト
展開数時間経過すると、本来陰性であるべき被検サンプ
ルにおいて偽陽性反応が出現するので、保存ができない
等の解決しなければならない問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロマト法
テストストリップの外装に関する上記従来法の欠点を解
消し、安価で、持ち運び、取り扱い、および保管、なら
びに反応後の保存に便利な不透湿性のプラスチックフィ
ルムまたは薄板を用いて外装としたクロマト法テストス
トリップを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を進めた結果、クロマト法テスト
ストリップを直接二枚の不透湿性のプラスチックフィル
ムまたは薄板で挟み込んで接着し、かつ、クロマト法テ
ストストリップに一定量の被検サンプルを被検サンプル
注入口からチャージしても、他の公知のケーシングに収
容した方法による場合と同様に使用でき、この不透湿性
のプラスチックフィルムまたは薄板が外装のケーシング
としての機能を果たすことを知り、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、二枚の不透湿性のプラス
チックフィルムまたは薄板(以下、単にプラスチックフ
ィルムまたは薄板と記す)を用い、クロマト法テストス
トリップをその間に挟み込み、クロマト法テストストリ
ップにおけるクロマトグラフ媒体である細長い帯状のク
ロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けら
れた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の
流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テスト
ストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の
被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプ
ル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気
抜き開口部をあらかじめ設けておくことを特徴とする検
査体である。
【0009】また、本発明は、上記の検査体において、
クロマト法テストストリップの上面のプラスチックフィ
ルムまたは薄板の被検サンプル添加用部材の上に当たる
部分に被検サンプル注入口を設けることなく,その代り
に、クロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向
末端側のプラスチックフィルムまたは薄板における所定
位置に、あらかじめ被検サンプル吸い込み口を設ける
か、もしくはクロマト展開に際して、すでに接着されて
いるこの所定位置を切断することによって被検サンプル
吸い込み口が開口されるようにしたことを特徴とする検
査体である。
【0010】また、本発明においては、クロマト法テス
トストリップにおけるクロマト展開用膜担体の両端にそ
れぞれ対峙して配置された、被検サンプル添加用部材と
吸収用部材に重ね合わされていないクロマト展開用膜担
体におけるクロマト展開方向側の任意の位置には、クロ
マト展開においてすでに標識体と結合した検査対象物質
をトラップして濃縮させるための生物学的結合特性を有
する物質を固定化した捕捉部位を設けて、被検サンプル
における検査対象物質の有無を目視で判定できるように
してある。
【0011】上記した標識体とは、目視可能な標識物を
標識されてなる検査対象物質と生物学的に結合特性を有
する物質のことである。また、本検査体のクロマト展開
用膜担体のクロマト展開逆方向末端には、標識体溶液
(以下、単に標識体液と記す)を含浸乾燥させた標識体
含浸部材の末端部分が重ね合わせて配置され、さらに、
この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆
って、上記の被検サンプル添加用部材が重ね合わせて配
置される。
【0012】本検査体の検査対象としては、血液、血
清、尿、便、涙液、鼻汁等の体液、動植物の器官・組織
・細胞、環境水等に含まれる物質、環境汚染物質、微生
物、細菌、ウイルス、薬物等である。
【0013】検査に際して、一定量の被検サンプル(検
査対象物質を含む液体)を被検サンプル注入口にチャー
ジすると、被検サンプルは被検サンプル添加用部材に吸
収され、クロマト展開にともなって標識体が含浸乾燥さ
れてなる標識体含浸部材の標識体を再び溶解し、被検サ
ンプルとこの標識体が混ざり合いながらクロマト展開し
ていく。このとき被検サンプル中に検査対象物質が存在
すれば、標識体と検査対象物質が結合し、さらに捕捉部
位にクロマト展開していくと、すでに標識体と結合した
検査対象物質が捕捉部位にトラップ・濃縮され、検査対
象物質濃度の多寡に応じて着色するため、被検サンプル
における検査対象物質の有無のみでなく、おおよその濃
度が目視で判定できる。
【0014】検査体に標識体含浸部材を配置しない場合
には、一定量の被検サンプルと一定量の標識体液を混合
し、直ちに被検サンプル注入口にチャージしクロマト展
開すればよく、クロマト展開により上記標識体含浸部材
を配置した場合と同等の結果が得られる。
【0015】被検サンプルの検査体へのチャージの方法
としては、上述のように、被検サンプル注入口から行な
う方法の他、被検サンプル注入口を設けずに、被検サン
プル吸い込み口を設ける方法がある。すなわち、検査体
のクロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末
端が被検サンプルと直接接触できるような開口である被
検サンプル吸い込み口を設ける。被検サンプル吸い込み
口を形成するには、クロマト法テストストリップを二枚
のプラスチックフィルムまたは薄板の間に挟み込み、か
つ、クロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向
末端とこの二枚のプラスチックフィルムまたは薄板のそ
れとをぴったり重ね合わせて被検サンプル吸い込み口の
開口とし、この被検サンプル吸い込み口以外をことごと
く接着すればよい。
【0016】また、使用の際に検査体を切断して被検サ
ンプル吸い込み口を設ける検査体は、被検サンプル注入
口を設けずに、あらかじめクロマト法テストストリップ
のクロマト展開逆方向末端側のプラスチックフィルムま
たは薄板における所定位置を切断し開口して被検サンプ
ル注入口とすべき位置に目印を付す以外は、上述した検
査体の製作法と全く同様にして作製される。この検査体
は、プラスチックフィルムまたは薄板に付した目印部分
を切断して、新たに被検サンプル吸い込み口を開口して
使用する。
【0017】このような被検サンプル吸い込み口に被検
サンプルをチャージするには、検査体を垂直に立てなが
ら、検査体の被検サンプル吸い込み口が開口している末
端を、適当な容器に入った一定量の被検サンプルに浸漬
させることを要する。上述したように、本発明に係る検
査体にはクロマト法テストストリップの吸収用部材の上
に当たるプラスチックフィルムまたは薄板に、空気抜き
開口部が設けられているが、この空気抜き開口部を設け
ることにより、被検サンプルの吸い込みがスムーズとな
り、被検サンプル吸い込み所要時間が短くなる。
【0018】一方、空気抜き開口部を設けない場合に
は、クロマト展開数時間以上経過すると、本来陰性であ
るべき被検サンプルにおいて偽陽性が出現するため、ク
ロマト展開が終了した検査体の保存を妨げる要因となっ
ていたが、空気抜き開口部を設けることにより、このよ
うな偽陽性の出現が防止でき保存可能となる。クロマト
法テストストリップは、クロマト展開用膜担体、被検サ
ンプル添加用部材、標識体含浸部材、吸収用部材から構
成される。
【0019】クロマト展開用膜担体は、細長い帯状の形
体で、被検サンプル添加用部材と吸収用部材に重ね合わ
されていないそのクロマト展開方向側の任意の位置に検
査対象物質と生物学的に結合特性を有する物質を固定化
した捕捉部位が設けられている。クロマト展開用膜担体
の材質としては、クロマト展開に際して被検サンプルを
クロマト展開用膜担体自体の毛細管作用により、クロマ
ト展開方向に自ずと移動せしめるものであればよく、セ
ルロース類膜(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ナイロ
ン膜、ガラス繊維膜などを挙げることができ、なかでも
ニトロセルロース膜が好ましい。
【0020】被検サンプル添加用部材は、クロマト展開
に際して、一定量の被検サンプルを被検サンプル添加用
部材の上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板に設
けられてなる被検サンプル注入口にチャージして、被検
サンプル添加用部材に吸収浸透させて、クロマト展開用
膜担体によるクロマト展開を可能ならしめる機能を有す
る部材である。被検サンプル添加用部材は、通常、クロ
マト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端に、その一
部あるいは全体を重ね合わせて設けられるが、特殊例と
して、被検サンプル添加用部材を設けないクロマト法テ
ストストリップで構成され、かつ、被検サンプル吸い込
み口を設けてなる検査体の開口を、被検サンプルと標識
体液との混合液に直接浸漬させ、垂直に立ててクロマト
展開を行なう検査体を挙げることができる。
【0021】被検サンプル添加用部材の材質としては、
被検サンプル注入口から被検サンプルをチャージしたと
き急速に被検サンプルを吸収浸透し得るものであれば、
その材質を問わないが、ポリエチレン、ポリプロピレン
等で形成された多孔質プラスチック類やセルロース類
(濾紙、コットン等)が最適である。
【0022】クロマト法テストストリップに配置された
標識体含浸部材は、あらかじめ標識体液を含浸乾燥させ
た部材であるが、クロマト展開により標識体含浸部材に
クロマト展開される被検サンプルによって、標識体含浸
部材の標識体が再溶解される結果、以後、被検サンプル
と標識体が混ざり合い、被検サンプル中の検査対象物質
と標識体が結合しながらクロマト展開することとなる。
標識体含浸部材は、クロマト展開用膜担体のクロマト展
開逆方向末端に、その一部あるいは全体を重ね合わせて
設けられ、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部
分からその全体を覆って被検サンプル添加用部材が配置
される。
【0023】標識体含浸部材の材料としては、あらかじ
め標識体含浸部材に標識体液を含浸させて乾燥させる際
に、それをすみやかに吸収・保持・乾燥し得るものであ
って、クロマト展開で展開された被検サンプルにより、
標識体含浸部材の標識体が容易に再溶解され、それ以降
のクロマト展開がスムーズに進行するものであればよ
く、特にその材質を選ばない。標識体含浸部材の材料と
して、例えば、ガラス繊維、セルロース類(濾紙、ニト
ロセルロース等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
多孔質プラスチック類が挙げられるが、特にガラス繊維
が好ましい。しかし、被検サンプルと標識体液の混合液
をクロマト展開に用いる場合は、クロマト法テストスト
リップに標識体含浸部材を配置する必要はなく、単にこ
の混合液を被検サンプル注入口からこのクロマト法テス
トストリップにチャージしてクロマト展開を実施すれば
よい。
【0024】吸収用部材は、クロマト法テストストリッ
プのクロマト展開方向末端にその一部あるいは全体を、
クロマト法テストストリップのクロマト展開用膜担体に
重ね合わせて配置されるので、クロマト展開において捕
捉部位でトラップされなかった結合反応に関与しない被
検サンプルおよび標識体が、この吸収用部材に吸収、保
持される。吸収用部材の材料としては、液体をすみやか
に吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾
紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多
孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特
に濾紙が最適である。
【0025】本発明のクロマト法テストストリップを挟
み込んでケーシングに用いた二枚のプラスチックフィル
ムまたは薄板は、不透湿性であればよく、また、クロマ
ト法テストストリップの反応結果が表示される捕捉部位
の上面に該当する部分は、透明で内部が透視できるもの
であればよく、クロマト法テストストリップの下面に該
当する部分は、内部が透視できる必要がないので、不透
明のものであってもよい。そして、この条件を満足する
ものであれば、プラスチックフィルムまたは薄板の材質
を問わないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリスチロール等を挙げることができ、ポリエステ
ルが好ましい。
【0026】クロマト法テストストリップの被検サンプ
ル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成
されるように、二枚のプラスチックフィルムまたは薄板
を接着するには、例えば、単にこのクロマト法テストス
トリップの周辺部の二枚のプラスチックフィルムまたは
薄板同士のみをことごとく熱融着させれば、その目的を
果たすことができる。また、被検サンプル添加用部材、
および吸収用部材の巾よりも狭い巾のクロマト展開用膜
担体を配置したクロマト法テストストリップであれば、
これを二枚のプラスチックフィルムまたは薄板で挟み込
み、単にその全体をプレス熱融着しさえすれば、被検サ
ンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が
形成されるので、この方法により検査体が作製できる。
【0027】上記のクロマト法テストストリップの上面
に位置するプラスチックフィルムまたは薄板には、被検
サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプル注
入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気抜き
開口部をあらかじめ設けておく。被検サンプル注入口の
形状は、円、楕円、三角形、正方形、長方形、五角形、
六角形、多角形等いずれでもよく、その大きさは内包さ
れたクロマト法テストストリップの被検サンプル添加用
部材巾よりも狭いことが必要で、プラスチックフィルム
または薄板のケーシングとしての機能を考慮すると、被
検サンプル注入口の大きさは被検サンプル添加用部材の
1/2以下の大きさであることが好ましい。
【0028】一方、被検サンプル注入口を設ける位置に
ついてであるが、標識体含浸部材が設けられないクロマ
ト法テストストリップでは、被検サンプル添加用部材の
上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板であればど
こでもよいが、標識体含浸部材を設けてなるクロマト法
テストストリップでは、標識体含浸部材よりもクロマト
展開逆方向側にあることが必要である。
【0029】また、空気抜き開口部の形状は、上記の被
検サンプル注入口の形状と同様になんら特定されるもの
ではないが、大きさは吸収用部材巾より狭いこと、そし
て、この空気抜き開口部は未反応の標識体が集合する場
を提供するものであるため、未反応標識体を充分に捕捉
できる面積が必要であり、さらに、プラスチックフィル
ムまたは薄板のケーシングとしての機能を考慮すると、
空気抜き開口部の大きさは吸収用部材の1/2以下の大
きさであることが好ましい。空気抜き開口部を設ける位
置は、吸収用部材の上に当たるプラスチックフィルムま
たは薄板であればどこでもよいが、吸収用部材の中央部
付近が好ましい。
【0030】このようにして空気抜き開口部が設けられ
た検査体は、クロマト展開に際して被検サンプルの注入
がスムーズに行なわれ、被検サンプル吸い込み所要時間
が短く、その上、従来法である空気抜き開口部が設けら
れない検査体のクロマト展開後において認められる陰性
被検サンプルの偽陽性反応出現を、空気抜き開口部を設
けることにより皆無にすることができ、その結果、クロ
マト展開後における陰性被検サンプルの検査体の保存が
可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のクロマト法テストストリ
ップに必要な金コロイドの調製、金コロイド標識抗体の
作成、およびクロマト法テストストリップそれ自体の作
製を参考例として記載し、かくして得られたクロマト法
テストストリップを用いた本発明の実施例を、図面に基
づいて説明する。 (参考例) 金コロイドの調製 99mlの超純水を沸騰させ、1%塩化金酸1mlを加
え、その1分後に1%クエン酸ナトリウムを1.5ml
加え、さらに5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却
する。次いで、200mM炭酸カリウムでpH9.0に
調整し、超純水を加えて全量を100mlとして金コロ
イド液を得る。
【0032】金コロイド標識抗体の作成 抗ヒト1gEマウスモノクローナル抗体(Biostr
ide,Inc.,USA製)1μgを上記の金コロイ
ド液1mlに溶解して、この抗体のことごとくを金コロ
イドに結合させた後、これに最終濃度が1%になるよう
に10%BSA(ウシ血清アルブミン)液を加えてブロ
ッキングする。さらに、この溶液を遠心分離操作により
金コロイド画分を集め、これを10%サッカロース・1
%BSA・0.5%Triton−X100(商標名)
を含有するトリス緩衝液(pH7.4)1mlに再溶解
して金コロイド標識抗体液を得る。
【0033】クロマト法テストストリップの作製 クロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体である巾5
mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜
のクロマト展開逆方向末端から7.5mmの位置に、
2.7mg/ml抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体
液(International Immunolog
y Corporation,USA製)0.5μlを
スポット状に塗布後、室温乾燥して捕捉部位を作る。ま
た、5mm×15mmガラス繊維不織布に、上述の金コ
ロイド標識抗体液37.5μlを含浸乾燥させて標識体
含浸部材を作る。
【0034】次に、粘着シートの粘着面に、被検サンプ
ル添加用部材,標識体含浸部材,ニトロセルロース膜,
吸収用部材を、それぞれの所定位置に貼付してクロマト
法テストストリップを作製する。すなわち、粘着シート
の粘着面上にニトロセルロース膜を貼り付け、このニト
ロセルロース膜のクロマト展開逆方向末端に、上述の金
コロイド標識抗体液を含浸乾燥させた標識体含浸部材の
クロマト展開方向末端を重ね合わせて配置し、さらに、
この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆
って被検サンプル添加用部材を配置する。そして、ニト
ロセルロース膜の他方の端には、吸収用部材の一部を重
ねて配置してクロマト法テストストリップを作製する。
【0035】
【実施例】図1と図2は、本発明に係る空気抜き開口
部、および被検サンプル注入口が設けられてなる検査体
を示している。図3は、本発明に係る空気抜き開口部が
設けられ、使用に際して検査体の所定の位置を切断する
ことにより、被検サンプル吸い込み口を開口させる検査
体を示している。図4は、本発明に係る空気抜き開口部
が設けられ、検査体の所定の位置を切断して被検サンプ
ル吸い込み口が開口された検査体を示している。
【0036】図1、および図2において、1は上記のク
ロマト法テストストリップの上面に位置するポリエステ
ルフィルム、1′は下面に位置する同じくポリエステル
フィルムであり、この二枚のポリエステルフィルムでク
ロマト法テストストリップを挟み込んでいる。2はクロ
マトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体である5mm×
36mmのニトロセルロース膜で、それは8mm×76
mm粘着シート3の粘着面上中央のクロマト展開逆方向
末端23mm部分からクロマト展開方向に貼り付けられ
ている。このニトロセルロース膜2のクロマト展開逆方
向末端に、上記の金コロイド標識抗ヒトIgEマウスモ
ノクローナル抗体液37.5μlを含浸乾燥させた標識
体含浸部材4の末端が重ね合わせて配置されており、さ
らに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全
体を覆って、8mm×25mmの被検サンプル添加用部
材(コットン製)5が配置されている。また、ニトロセ
ルロース膜2の他方の端に、8mm×34mmの吸収用
部材(濾紙製)6がニトロセルロース膜2に重ねて配置
されている。7はニトロセルロース膜2における被検サ
ンプル添加用部材5と吸収用部材6に重ね合わされてい
ないクロマト展開方向の任意の位置に、2.7mg/m
l抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体液0.5μlを
スポット状に塗布して形成した捕捉部位である。
【0037】8は被検サンプル添加用部材5の上に当た
る部分のポリエステルフィルム1にあらかじめ設けた被
検サンプル注入口で、被検サンプル添加用部材のクロマ
ト展開逆方向末端中央点から5mmの位置に中心がある
直径5.8mmの円形に形成されている。9は吸収用部
材6の中央部の上に当たる部分のポリエステルフィルム
に、あらかじめ設けられた5mm×10mmの空気抜き
開口部である。上記のクロマト法テストストリップをポ
リエステルフィルム1、および1′で挟み込み、その全
体をプレス熱融着すると、ニトロセルロース膜の巾が被
検サンプル添加用部材、および吸収用部材の巾よりも狭
いため、被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空
気の流通間隙が形成された検査体を得ることができる。
また、後述の部分改造ラミネーターを用いて、上記のク
ロマト法テストストリップをポリエステルフィルム1、
および1′で挟み込み、全く同様にしてその両長辺部を
プレス熱融着すると、後述する巾10mm帯状空洞体が
形成される検査体を作製できる。
【0038】一方、別の実施態様では、上記のクロマト
法テストストリップを空気抜き開口部9のみを設けたポ
リエステルフィルム1、および1′で挟み込み、その全
体をプレス熱融着して図3に示す検査体を得る。この検
査体には、使用に際して被検サンプル吸い込み口11を
開口させるための切断位置を示す目印10を設ける。こ
の目印10同士を結ぶ線に沿って検査体を切断すると、
図4に示すように検査体に内包されているクロマト法テ
ストストリップのクロマト展開逆方向末端に、被検サン
プル吸い込み口11を開口させることができる。
【0039】次に、表1の実験を実施するに当たって使
用した検査体について説明する。 検査体に用いるプラスチックフィルム クロマト法テストストリップのケーシングとして用いる
プラスチックフィルムであるポリエステルフィルムは、
文房具店などで販売されている。検査体の作製に際し
て、このポリエステルフィルムをハサミで切って、40
mm×100mmの大きさのものを二枚作り、この二枚
をクロマト法テストストリップのケーシングに用いると
きに、クロマト展開方向末端になる端部を、あらかじめ
約3mm巾で互いに熱融着して用いる。また、このポリ
エステルフィルムの接着面の全面にわたり、加熱によっ
て熱融解するポリエチレンの薄層が付着(以下、単にポ
リエステルフィルムと記す)されているので、アイロン
によるプレス熱融着によって二枚のポリエステルフィル
ムを容易に接着させることができる。
【0040】プレス熱融着に使用する器具 プレス熱融着に用いるラミネーター(商品名、株式会社
オーム電機製)は、電熱加熱部を中央に配置し、その前
方および後方に、それぞれ上下各一対のモーターでゆっ
くり回転するプレス用ゴムローラーが配置されており、
上記の二枚のポリエステルフィルムをプレス熱融着させ
るために使用する器具である。電熱加熱部の前方に配置
された上下一対のゴムローラーは、二枚のポリエステル
フィルムをプレスしながら電熱加熱部の後方に導入して
いく機能を有する。電熱加熱部の後方に配置された上下
一対のゴムローラーは、電熱加熱部で加熱されて通過し
てきた二枚のポリエステルフィルムをプレス熱融着しな
がら引き出していく機能を有する。したがって、ラミネ
ーターに導入されたクロマト法テストストリップをその
間に挟み込んだ二枚のポリエステルフィルムは、プレス
熱融着されて、検査体となってラミネーターから出てく
ることになる。
【0041】検査体作製に当たっては、完成したクロマ
ト法テストストリップのクロマト展開方向末端部を、二
枚のポリエステルフィルムのあらかじめ接着してある方
向に配して、この二枚のポリエステルフィルムの間に挟
み込み、さらに、この二枚のポリエステルフィルム接着
側を先頭にしてラミネーターに導入し、プレス熱融着さ
せるようにして検査体を作る。
【0042】プレス熱融着検査体 全体プレス熱融着:ラミネーターを用いて、クロマト法
テストストリップを中央部に挟み込み、かつ、あらかじ
め被検サンプル注入口が設けられてなるポリエステルフ
ィルムの全面をプレス熱融着して、全体プレス熱融着検
査体を作製する。この際、使用するポリエステルフィル
ムに空気抜き開口部が設けられたか否かによって、空気
抜き開口部のある全体プレス熱融着検査体か、または空
気抜き開口部のない全体プレス熱融着検査体の何れかが
作製される。空気抜き開口部のない全体プレス熱融着検
査体では、上述のように、ポリエステルフィルムのプレ
ス熱融着によってクロマト法テストストリップ自体、お
よびその周辺を接着しているので、被検サンプル注入口
がクロマト法テストストリップの外界との唯一の連通口
である。
【0043】両長辺部プレス熱融着:ラミネーターは、
電熱加熱部の前方、および後方に配置されたそれぞれ上
下各一対からなるプレス用ゴムローラーのうち、それぞ
れの上部ゴムローラー中央部を巾10mm(クロマト法
テストストリップ巾よりやや広い寸法)の帯状に、鋭利
な刃物で切り取って部分改造される。この部分改造ラミ
ネーターを用いて、クロマト法テストストリップを中央
に挟み込み、かつ、あらかじめ被検サンプル注入口が設
けられたポリエステルフィルムをプレス熱融着して、両
長辺部プレス熱融着検査体を得る。この際、あらかじめ
空気抜き開口部が設けられたポリエステルフィルムを使
用すれば、空気抜き開口部のある両長辺部プレス熱融着
検査体が、それが設けられていないポリエステルフィル
ムを使用すれば、空気抜き開口部のない両長辺部プレス
熱融着検査体が、それぞれ作製される。
【0044】このようにして作製された空気抜き開口部
のない両長辺部プレス熱融着検査体のクロマト法テスト
ストリップでは、プレス熱融着操作にも拘わらず、圧着
されることなく形成されたポリエステルフィルム中央の
クロマト展開方向末端が閉じている巾10mm帯状空洞
体のクロマト展開逆方向末端の開口と、被検サンプル注
入口とで外界と連通している。以上の4種の検査体を用
いて行なった、後述の陰性標準検体液におけるクロマト
展開で得られた種々の結果をまとめて表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】次に、表1の実験成績について説明する。 空気抜き開口部の有無によるクロマト展開における金コ
ロイド標識抗体の挙動 検査体における吸収用部材(8mm×34mm)のクロ
マト展開逆方向末端から15mmの位置に、5mm×1
0mmの空気抜き開口部を設ける。この空気抜き開口部
を設けた検査体、および空気抜き開口部を設けない検査
体をそれぞれ用いてクロマト展開すると、クロマト展開
開始数時間ないし一晩経過後に、検査体に空気抜き開口
部がない場合には、クロマト展開により標識体含浸部材
から遊離した金コロイド標識抗体が吸収用部材全体に薄
く分散し、一方空気抜き開口部がある場合には、金コロ
イド標識抗体が吸収用部材の空気抜き開口部に局在する
ことが観察される。
【0047】被検サンプルの吸い込み所要時間 被検サンプル100μlがマイクロピペットで空気抜き
開口部のない全体プレス熱融着検査体の被検サンプル注
入口からチャージされると、被検サンプルの吸い込みが
悪いため、被検サンプル注入口において大きな液滴とな
り、その吸い込みに長時間を要する。
【0048】もし、この状態で、誤って検査体を急激に
動かしたりすると、被検サンプル注入口の被検サンプル
を飛散させて、その周辺を汚染したりするため、正確な
検査ができなくなる。しかし、表1に示すように、全体
プレス熱融着検査体のクロマト法テストストリップの上
に当たる部分のポリエステルフィルムに、あらかじめ空
気抜き開口部を設けると、それを設けないものに比して
極端に被検サンプル注入口における被検サンプルの吸い
込み所要時間が短かい。両長辺部プレス熱融着検査体で
は、検査体のポリエステルフィルム中央部に巾10mm
帯状空洞体が形成され、検査体のクロマト展開逆方向末
端が外界と連通しているため、被検サンプル注入口にお
ける被検サンプルの吸い込みは極めて速く、空気抜き開
口部の有無による差異は全く認められない。
【0049】クロマト展開速度 空気抜き開口部があるか、ないかの何れかである全体プ
レス熱融着検査体、および両長辺部プレス熱融着検査体
の被検サンプル注入口に、それぞれ被検サンプルをチャ
ージしてクロマト展開を開始し、その各検査体における
クロマト展開速度を測定する。その結果、表1に示すよ
うに、空気抜き開口部を有する全体プレス熱融着検査体
のクロマト展開速度は、空気抜き開口部のない全体プレ
ス熱融着検査体のそれに比して速い。しかし、両長辺部
プレス熱融着検査体におけるクロマト展開速度は、空気
抜き開口部の有無に左右されることなく速く、両者とも
ほぼ同じである。
【0050】クロマト展開数時間経過後の偽陽性反応 クロマト展開数時間経過後のクロマト法テストストリッ
プにおける陰性被検サンプルの捕捉部位での偽陽性反応
の有無を知るために、ヒトIgE精製品(Chemic
on International Inc.,U.
S.A.製)を、0.85%塩化ナトリウムを含む10
mM燐酸緩衝液で、それぞれ0.00,6.25,1
2.50,25.00,50.00ng/mlになるよ
うに希釈して、標準ヒトIgE液(以下、総称して標準
検体液と記す)を調製し、このうちのヒトIgE0.0
0ng/mlである陰性標準検体液を実験に供する。
【0051】また、実験には全体プレス熱融着検査体、
および両長辺部プレス熱融着検査体で空気抜き開口部を
設けた検査体と、それを設けない検査体とを使用し、こ
れら各検査体の被検サンプル注入口に、上記の陰性標準
検体液100μlをそれぞれチャージしてクロマト展開
を行なう。その結果を表1に示す。すなわち、空気抜き
開口部が設けられなかった全体プレス熱融着検査体、お
よび両長辺部プレス熱融着検査体の検査判定部位である
捕捉部位において、何れもクロマト展開の当初は陰性反
応を示すが、クロマト展開数時間経過により意外にも何
れの検査体でも偽陽性反応の出現が認められる。一方、
空気抜き開口部が設けられた全体プレス熱融着検査体、
および両長辺部プレス熱融着検査体では、クロマト展開
当初、およびクロマト展開後数時間以上の経過において
も、何れも偽陽性反応は認められない。
【0052】次に表2に示す実験に使用した検査体、お
よび標準検体液のクロマト展開について、以下に説明す
る。 ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査
体、およびそれを用いる標準検体液のクロマト展開 従来法であるヒトIgE検出用プラスチック製中空ケー
シング検査体は、以下の方法に従って作製した。先ず、
従来法に基づくプラスチック製中空ケーシングに内包さ
せるクロマト法テストストリップの作製法を述べる。
【0053】5mm×36mmのニトロセルロース膜
を、8mm×59mmの粘着シートの粘着面上、クロマ
ト展開方向末端中央部からクロマト展開逆方向に貼り付
ける。このニトロセルロース膜のクロマト展開逆方向末
端に、金コロイド標識抗ヒトIgEマウスモノクローナ
ル抗体液37.5μlを含浸乾燥させた標識体含浸部材
を一部重ね合わせて配置し、さらに、この標識体含浸部
材の重ね合わせ部分からその全体を覆って、8mm×2
5mmの被検サンプル添加用部材を配置する。ニトロセ
ルロース膜のクロマト展開方向である他方の端には、8
mm×17mmの吸収用部材をニトロセルロース膜にそ
の全体を重ねて配置する。ニトロセルロース膜のクロマ
ト展開逆方向末端から7.5mmの位置に、2.7mg
/ml抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体液0.5μ
lをスポット状に塗布し、室温乾燥して捕捉部位を形成
させてクロマト法テストストリップを得る。
【0054】使用した27mm×66mmのプラスチッ
ク製中空ケーシングは、クロマト法テストストリップを
収容する容器となる底部と、その蓋となる蓋部がぴった
りとはめ合わせることができるように成型されており、
底部にはクロマト法テストストリップをのせるための一
段高くなった台状体があり、その台状体の部分の両長辺
上には、クロマト法テストストリップを動かないように
保持するための突起が各々三箇所ずつ配置されている。
蓋部にはクロマト法テストストリップのクロマト展開逆
方向末端から7mmの中央部に、長径9mm、短径6m
mの楕円形の被検サンプル注入口が、また、クロマト法
テストストリップのクロマト展開方向末端から20mm
の位置に、7mm×15mmの長方形の目視判定窓が配
置されており、目視判定窓を通して捕捉部位におけるク
ロマト展開の陰性または陽性反応の有無を肉眼観察して
判定する。
【0055】底部の台状体におけるクロマト法テストス
トリップのクロマト展開方向末端が配置されるべき位置
に、上述のクロマト法テストストリップのクロマト展開
方向末端をぴったりとつけて収容し、底部に蓋部をぴっ
たりとはめ合わせて、ヒトIgE検出用プラスチック製
中空ケーシング検査体を作製する。このヒトIgE検出
用プラスチック製中空ケーシング検査体の被検サンプル
注入口に、先に述べたヒトIgE0.00,6.25,
12.50,25.00,50.00ng/ml標準検
体液の各100μlをチャージし、クロマト展開15分
後の捕捉部位におけるヒトIgE濃度依存性を目視で判
定した。
【0056】空気抜き開口部、および被検サンプル注入
口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着
検査体、ならびにそれを用いる標準検体液のクロマト展
開 一方、上記のクロマト法テストストリップを、あらかじ
め空気抜き開口部と被検サンプル注入口を設けた二枚の
ポリエステルフィルムの間に挟み込み、クロマト法テス
トストリップの周辺部のポリエステルフィルムを、アイ
ロンでことごとくプレス熱融着させて、空気抜き開口
部、および被検サンプル注入口が設けられてなるヒトI
gE検出用全体プレス熱融着検査体を作製する。この検
査体を用いて、ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケ
ーシング検査体の場合と全く同様に、ヒトIgE0.0
0,6.25,12.50,25.00,50.00n
g/ml標準検体液の各100μlをクロマト展開し
て、その濃度依存性を目視で判定した。以上の実験成績
を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケー
シング検査体、ならびに空気抜き開口部、および被検サ
ンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プ
レス熱融着検査体を用いる標準検体液のクロマト展開 表2の結果から、これら両検査体のクロマト展開による
ヒトIgE各濃度における反応性の目視判定に基づく捕
捉部位の着色度は、両検査体とも濃度依存的によく相関
し、何れも遜色ないことがわかる。
【0059】使用に際して被検サンプル吸い込み口を開
口させ、空気抜き開口部が設けられてなるヒトIgE検
出用全体プレス熱融着検査体を用いる標準検体液のクロ
マト展開 また、上記したクロマト法テストストリップを、あらか
じめ空気抜き開口部のみを設けた二枚のポリエステルフ
ィルムの間に挟み込み、クロマト法テストストリップの
周辺部のポリエステルフィルムを、アイロンでことごと
くプレス熱融着させて、使用に際して被検サンプル吸い
込み口を開口させ、空気抜き開口部が設けられてなるヒ
トIgE検出用全体プレス熱融着検査体を作製する。こ
の検査体を使用し、ヒトIgE検出用プラスチック製中
空ケーシング検査体の場合と全く同様にして、各濃度の
ヒトIgE標準検体液を用いたクロマト展開における各
標準検体液の濃度依存性を、捕捉部位の着色度の強弱を
目視して判定する。その結果は、ヒトIgE検出用全体
プレス熱融着検査体のそれとよく一致した。したがっ
て、使用に際して被検サンプル吸い込み口を開口させ、
空気抜き開口部が設けられてなるヒトIgE検出用全体
プレス熱融着検査体は、空気抜き開口部、および被検サ
ンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プ
レス熱融着検査体と、クロマト展開における反応性にお
いて何らの遜色なく用い得ることが判明した。
【0060】
【発明の効果】クロマト法テストストリップを二枚の不
透湿性プラスチックフィルムまたは薄板で挟み、これを
接着することにより、外装のケーシングとしての機能を
持たせることができる。そのため、別途ケーシングを必
要としないので、コストを下げることができ、カード状
の薄い検査体となるので、持ち運び、取り扱い、および
保管が容易になる。さらに、クロマト展開後の検査体を
ノート、アルバム等に貼って保存することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気抜き開口部、および被検サン
プル注入口が設けられてなる検査体の平面図である。
【図2】本発明に係る空気抜き開口部、および被検サン
プル注入口が設けられてなる検査体の縦断側面図であ
る。
【図3】本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、使用
に際して検査体の所定の位置を切断することにより、被
検サンプル吸い込み口を開口させる検査体の平面図であ
る。
【図4】本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、検査
体の所定の位置を切断して被検サンプル吸い込み口が開
口された検査体の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 クロマト法テストストリップの上面に位置するポ
リエステルフィルム 1′ クロマト法テストストリップの下面に位置するポ
リエステルフィルム 2 ニトロセルロース膜(クロマト展開用膜担体) 3 粘着シート 4 標識体含浸部材 5 被検サンプル添加用部材 6 吸収用部材 7 捕捉部位 8 被検サンプル注入口 9 空気抜き開口部 10 被検サンプル吸い込み口を開口させるための切断
位置を示す目印 11 切断位置を切断して開口された被検サンプル吸い
込み口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の不透湿性のプラスチックフィルム
    または薄板を用い、クロマト法テストストリップをその
    間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるク
    ロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けら
    れた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の
    流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テスト
    ストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の
    被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプ
    ル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気
    抜き開口部をあらかじめ設けておくことを特徴とする検
    査体。
  2. 【請求項2】 二枚の不透湿性のプラスチックフィルム
    または薄板を用い、クロマト法テストストリップをその
    間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるク
    ロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けら
    れた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の
    流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テスト
    ストリップのクロマト展開逆方向末端側のプラスチック
    フィルムまたは薄板における所定位置に、あらかじめ被
    検サンプル吸い込み口を設けるか、もしくはクロマト展
    開に際して、すでに接着されているこの所定位置を切断
    することによって被検サンプル吸い込み口が開口される
    ようにし、また、クロマト法テストストリップの上面の
    プラスチックフィルムまたは薄板の吸収用部材の上に当
    たる部分に空気抜き開口部をあらかじめ設けておくこと
    を特徴とする検査体。
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