JP4143686B2 - 検査体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査手段であるクロマト法テストストリップを、安価、持ち運び、取り扱い、および保管に便利なようにすると共に、クロマト展開済みのクロマト法テストストリップを検査結果として、ノート、アルバム等に貼って保存することができるようにしたクロマト法テストストリップで構成される検査体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クロマト法テストストリップは、病院、医院、診療所等は勿論のこと、家庭においても極めて簡易に使用することができて、早急に分析結果を知ることができる検査手段である。従来、このクロマト法テストストリップは、ある程度の強度を持った支持体上にむき出しで、場合によっては一部をテープで覆うているものであるが、これは、取り扱いに不便であり、また、クロマト法テストストリップ自体の汚染の可能性がある等の問題がある。
【0003】
この問題を改善するものとして、不透湿性固体材料で形成されている中空ケーシングに、乾燥多孔質キャリアを収容したクロマト法テストストリップ検査法に基づく分析試験装置が特公平7−46107号に開示されている。これによれば、携帯に便利で、操作し易く、一般家庭でも使用することができ、例えば、婦人尿中絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の検出による妊娠診断用のものが薬局で市販されている。
【0004】
しかし、この分析試験装置においては、中空ケーシングを用意するためにコストが掛かり、形を変更するのに、例えば、プラスチック製中空ケーシングの場合、金型を作り変えなければならず容易ではなく、一方、中空ケーシング自体にある程度の厚みがあるため、保管にスペースを要すると共に、重ね合わせた際に、ばらばらと崩れ易い難点がある。さらに、クロマト展開済みの検査体を保存する際、厚みがあるため、ノートに貼ったり、アルバムに入れて保存することができない。
【0005】
また、免疫クロマトグラフィアッセイ手段を駆使するクロマト法テストストリップを、その上面に透明な接着テープで、その下面に剛性プラスチックで挟んで接着・密閉してクロマト法テストストリップを保護する分析試験装置が特表平8−509291号に開示されている。本分析試験装置を用いて分析を実行するためには、先ず、本分析試験装置の剛性プラスチックストリップにあらかじめ設けられている所定位置をハサミで切断して、クロマト展開における被検サンプル吸い込み口を開口させた後、その開口部を一定量の被検サンプルが入った容器に垂直に立ててクロマト展開を行なわなければならない。
【0006】
本分析試験装置によるクロマト展開には、上述のように特別な被検サンプル用容器等の付属品を必須とするだけでなく、本分析試験装置を用いてクロマト展開を行うと、被検サンプル吸い込み所要時間が長いため、実験中のアクシデントが起り易く、また、クロマト展開数時間経過すると、本来陰性であるべき被検サンプルにおいて偽陽性反応が出現するので、保存ができない等の解決しなければならない問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、クロマト法テストストリップの外装に関する上記従来法の欠点を解消し、安価で、持ち運び、取り扱い、および保管、ならびに反応後の保存に便利な不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板を用いて外装としたクロマト法テストストリップを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた結果、クロマト法テストストリップを直接二枚の不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板で挟み込んで接着し、かつ、クロマト法テストストリップに一定量の被検サンプルを被検サンプル注入口からチャージしても、他の公知のケーシングに収容した方法による場合と同様に使用でき、この不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板が外装のケーシングとしての機能を果たすことを知り、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、二枚の不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板(以下、単にプラスチックフィルムまたは薄板と記す)を用い、クロマト法テストストリップをその間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるクロマトグラフ媒体である細長い帯状のクロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けられた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テストストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気抜き開口部をあらかじめ設けておき、クロマト展開用膜担体には、前記流通間隙が形成された箇所に、検査対象物質をトラップして濃縮させるための生物学的結合特性を有する物質を固定化した捕捉部位を形成したことを特徴とする検査体である。
【0009】
また、本発明は、上記の検査体において、クロマト法テストストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプル注入口を設けることなく,その代りに、クロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端側のプラスチックフィルムまたは薄板における所定位置に、あらかじめ被検サンプル吸い込み口を設けるか、もしくはクロマト展開に際して、すでに接着されているこの所定位置を切断することによって被検サンプル吸い込み口が開口されるようにしたことを特徴とする検査体である。
【0010】
また、本発明は、前記クロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端に、標識体溶液を含浸乾燥させた標識体含浸部材が重ね合わせて配置され、さらに、この標識体含浸部材を覆って、前記被検サンプル添加用部材が重ね合わせて配置されてなる検査体である。
【0011】
上記した標識体とは、目視可能な標識物を標識されてなる検査対象物質と生物学的に結合特性を有する物質のことである。また、本検査体のクロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端には、標識体溶液(以下、単に標識体液と記す)を含浸乾燥させた標識体含浸部材の末端部分が重ね合わせて配置され、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆って、上記の被検サンプル添加用部材が重ね合わせて配置される。
【0012】
本検査体の検査対象としては、血液、血清、尿、便、涙液、鼻汁等の体液、動植物の器官・組織・細胞、環境水等に含まれる物質、環境汚染物質、微生物、細菌、ウイルス、薬物等である。
【0013】
検査に際して、一定量の被検サンプル(検査対象物質を含む液体)を被検サンプル注入口にチャージすると、被検サンプルは被検サンプル添加用部材に吸収され、クロマト展開にともなって標識体が含浸乾燥されてなる標識体含浸部材の標識体を再び溶解し、被検サンプルとこの標識体が混ざり合いながらクロマト展開していく。このとき被検サンプル中に検査対象物質が存在すれば、標識体と検査対象物質が結合し、さらに捕捉部位にクロマト展開していくと、すでに標識体と結合した検査対象物質が捕捉部位にトラップ・濃縮され、検査対象物質濃度の多寡に応じて着色するため、被検サンプルにおける検査対象物質の有無のみでなく、おおよその濃度が目視で判定できる。
【0014】
検査体に標識体含浸部材を配置しない場合には、一定量の被検サンプルと一定量の標識体液を混合し、直ちに被検サンプル注入口にチャージしクロマト展開すればよく、クロマト展開により上記標識体含浸部材を配置した場合と同等の結果が得られる。
【0015】
被検サンプルの検査体へのチャージの方法としては、上述のように、被検サンプル注入口から行なう方法の他、被検サンプル注入口を設けずに、被検サンプル吸い込み口を設ける方法がある。すなわち、検査体のクロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端が被検サンプルと直接接触できるような開口である被検サンプル吸い込み口を設ける。被検サンプル吸い込み口を形成するには、クロマト法テストストリップを二枚のプラスチックフィルムまたは薄板の間に挟み込み、かつ、クロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端とこの二枚のプラスチックフィルムまたは薄板のそれとをぴったり重ね合わせて被検サンプル吸い込み口の開口とし、この被検サンプル吸い込み口以外をことごとく接着すればよい。
【0016】
また、使用の際に検査体を切断して被検サンプル吸い込み口を設ける検査体は、被検サンプル注入口を設けずに、あらかじめクロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端側のプラスチックフィルムまたは薄板における所定位置を切断し開口して被検サンプル注入口とすべき位置に目印を付す以外は、上述した検査体の製作法と全く同様にして作製される。この検査体は、プラスチックフィルムまたは薄板に付した目印部分を切断して、新たに被検サンプル吸い込み口を開口して使用する。
【0017】
このような被検サンプル吸い込み口に被検サンプルをチャージするには、検査体を垂直に立てながら、検査体の被検サンプル吸い込み口が開口している末端を、適当な容器に入った一定量の被検サンプルに浸漬させることを要する。
上述したように、本発明に係る検査体にはクロマト法テストストリップの吸収用部材の上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板に、空気抜き開口部が設けられているが、この空気抜き開口部を設けることにより、被検サンプルの吸い込みがスムーズとなり、被検サンプル吸い込み所要時間が短くなる。
【0018】
一方、空気抜き開口部を設けない場合には、クロマト展開数時間以上経過すると、本来陰性であるべき被検サンプルにおいて偽陽性が出現するため、クロマト展開が終了した検査体の保存を妨げる要因となっていたが、空気抜き開口部を設けることにより、このような偽陽性の出現が防止でき保存可能となる。
クロマト法テストストリップは、クロマト展開用膜担体、被検サンプル添加用部材、標識体含浸部材、吸収用部材から構成される。
【0019】
クロマト展開用膜担体は、細長い帯状の形体で、被検サンプル添加用部材と吸収用部材に重ね合わされていないそのクロマト展開方向側の任意の位置に検査対象物質と生物学的に結合特性を有する物質を固定化した捕捉部位が設けられている。
クロマト展開用膜担体の材質としては、クロマト展開に際して被検サンプルをクロマト展開用膜担体自体の毛細管作用により、クロマト展開方向に自ずと移動せしめるものであればよく、セルロース類膜(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ナイロン膜、ガラス繊維膜などを挙げることができ、なかでもニトロセルロース膜が好ましい。
【0020】
被検サンプル添加用部材は、クロマト展開に際して、一定量の被検サンプルを被検サンプル添加用部材の上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板に設けられてなる被検サンプル注入口にチャージして、被検サンプル添加用部材に吸収浸透させて、クロマト展開用膜担体によるクロマト展開を可能ならしめる機能を有する部材である。被検サンプル添加用部材は、通常、クロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端に、その一部あるいは全体を重ね合わせて設けられるが、特殊例として、被検サンプル添加用部材を設けないクロマト法テストストリップで構成され、かつ、被検サンプル吸い込み口を設けてなる検査体の開口を、被検サンプルと標識体液との混合液に直接浸漬させ、垂直に立ててクロマト展開を行なう検査体を挙げることができる。
【0021】
被検サンプル添加用部材の材質としては、被検サンプル注入口から被検サンプルをチャージしたとき急速に被検サンプルを吸収浸透し得るものであれば、その材質を問わないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等で形成された多孔質プラスチック類やセルロース類(濾紙、コットン等)が最適である。
【0022】
クロマト法テストストリップに配置された標識体含浸部材は、あらかじめ標識体液を含浸乾燥させた部材であるが、クロマト展開により標識体含浸部材にクロマト展開される被検サンプルによって、標識体含浸部材の標識体が再溶解される結果、以後、被検サンプルと標識体が混ざり合い、被検サンプル中の検査対象物質と標識体が結合しながらクロマト展開することとなる。標識体含浸部材は、クロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端に、その一部あるいは全体を重ね合わせて設けられ、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆って被検サンプル添加用部材が配置される。
【0023】
標識体含浸部材の材料としては、あらかじめ標識体含浸部材に標識体液を含浸させて乾燥させる際に、それをすみやかに吸収・保持・乾燥し得るものであって、クロマト展開で展開された被検サンプルにより、標識体含浸部材の標識体が容易に再溶解され、それ以降のクロマト展開がスムーズに進行するものであればよく、特にその材質を選ばない。標識体含浸部材の材料として、例えば、ガラス繊維、セルロース類(濾紙、ニトロセルロース等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック類が挙げられるが、特にガラス繊維が好ましい。しかし、被検サンプルと標識体液の混合液をクロマト展開に用いる場合は、クロマト法テストストリップに標識体含浸部材を配置する必要はなく、単にこの混合液を被検サンプル注入口からこのクロマト法テストストリップにチャージしてクロマト展開を実施すればよい。
【0024】
吸収用部材は、クロマト法テストストリップのクロマト展開方向末端にその一部あるいは全体を、クロマト法テストストリップのクロマト展開用膜担体に重ね合わせて配置されるので、クロマト展開において捕捉部位でトラップされなかった結合反応に関与しない被検サンプルおよび標識体が、この吸収用部材に吸収、保持される。
吸収用部材の材料としては、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
【0025】
本発明のクロマト法テストストリップを挟み込んでケーシングに用いた二枚のプラスチックフィルムまたは薄板は、不透湿性であればよく、また、クロマト法テストストリップの反応結果が表示される捕捉部位の上面に該当する部分は、透明で内部が透視できるものであればよく、クロマト法テストストリップの下面に該当する部分は、内部が透視できる必要がないので、不透明のものであってもよい。そして、この条件を満足するものであれば、プラスチックフィルムまたは薄板の材質を問わないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチロール等を挙げることができ、ポリエステルが好ましい。
【0026】
クロマト法テストストリップの被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成されるように、二枚のプラスチックフィルムまたは薄板を接着するには、例えば、単にこのクロマト法テストストリップの周辺部の二枚のプラスチックフィルムまたは薄板同士のみをことごとく熱融着させれば、その目的を果たすことができる。
また、被検サンプル添加用部材、および吸収用部材の巾よりも狭い巾のクロマト展開用膜担体を配置したクロマト法テストストリップであれば、これを二枚のプラスチックフィルムまたは薄板で挟み込み、単にその全体をプレス熱融着しさえすれば、被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成されるので、この方法により検査体が作製できる。
【0027】
上記のクロマト法テストストリップの上面に位置するプラスチックフィルムまたは薄板には、被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に空気抜き開口部をあらかじめ設けておく。
被検サンプル注入口の形状は、円、楕円、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、多角形等いずれでもよく、その大きさは内包されたクロマト法テストストリップの被検サンプル添加用部材巾よりも狭いことが必要で、プラスチックフィルムまたは薄板のケーシングとしての機能を考慮すると、被検サンプル注入口の大きさは被検サンプル添加用部材の1/2以下の大きさであることが好ましい。
【0028】
一方、被検サンプル注入口を設ける位置についてであるが、標識体含浸部材が設けられないクロマト法テストストリップでは、被検サンプル添加用部材の上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板であればどこでもよいが、標識体含浸部材を設けてなるクロマト法テストストリップでは、標識体含浸部材よりもクロマト展開逆方向側にあることが必要である。
【0029】
また、空気抜き開口部の形状は、上記の被検サンプル注入口の形状と同様になんら特定されるものではないが、大きさは吸収用部材巾より狭いこと、そして、この空気抜き開口部は未反応の標識体が集合する場を提供するものであるため、未反応標識体を充分に捕捉できる面積が必要であり、さらに、プラスチックフィルムまたは薄板のケーシングとしての機能を考慮すると、空気抜き開口部の大きさは吸収用部材の1/2以下の大きさであることが好ましい。空気抜き開口部を設ける位置は、吸収用部材の上に当たるプラスチックフィルムまたは薄板であればどこでもよいが、吸収用部材の中央部付近が好ましい。
【0030】
このようにして空気抜き開口部が設けられた検査体は、クロマト展開に際して被検サンプルの注入がスムーズに行なわれ、被検サンプル吸い込み所要時間が短く、その上、従来法である空気抜き開口部が設けられない検査体のクロマト展開後において認められる陰性被検サンプルの偽陽性反応出現を、空気抜き開口部を設けることにより皆無にすることができ、その結果、クロマト展開後における陰性被検サンプルの検査体の保存が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のクロマト法テストストリップに必要な金コロイドの調製、金コロイド標識抗体の作成、およびクロマト法テストストリップそれ自体の作製を参考例として記載し、かくして得られたクロマト法テストストリップを用いた本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
(参考例)
金コロイドの調製
99mlの超純水を沸騰させ、1%塩化金酸1mlを加え、その1分後に1%クエン酸ナトリウムを1.5ml加え、さらに5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却する。次いで、200mM炭酸カリウムでpH9.0に調整し、超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド液を得る。
【0032】
金コロイド標識抗体の作成
抗ヒト1gEマウスモノクローナル抗体(Biostride,Inc.,USA製)1μgを上記の金コロイド液1mlに溶解して、この抗体のことごとくを金コロイドに結合させた後、これに最終濃度が1%になるように10%BSA(ウシ血清アルブミン)液を加えてブロッキングする。さらに、この溶液を遠心分離操作により金コロイド画分を集め、これを10%サッカロース・1%BSA・0.5%Triton−X100(商標名)を含有するトリス緩衝液(pH7.4)1mlに再溶解して金コロイド標識抗体液を得る。
【0033】
クロマト法テストストリップの作製
クロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体である巾5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜のクロマト展開逆方向末端から7.5mmの位置に、2.7mg/ml抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体液(International Immunology Corporation,USA製)0.5μlをスポット状に塗布後、室温乾燥して捕捉部位を作る。
また、5mm×15mmガラス繊維不織布に、上述の金コロイド標識抗体液37.5μlを含浸乾燥させて標識体含浸部材を作る。
【0034】
次に、粘着シートの粘着面に、被検サンプル添加用部材,標識体含浸部材,ニトロセルロース膜,吸収用部材を、それぞれの所定位置に貼付してクロマト法テストストリップを作製する。
すなわち、粘着シートの粘着面上にニトロセルロース膜を貼り付け、このニトロセルロース膜のクロマト展開逆方向末端に、上述の金コロイド標識抗体液を含浸乾燥させた標識体含浸部材のクロマト展開方向末端を重ね合わせて配置し、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆って被検サンプル添加用部材を配置する。そして、ニトロセルロース膜の他方の端には、吸収用部材の一部を重ねて配置してクロマト法テストストリップを作製する。
【0035】
【実施例】
図1と図2は、本発明に係る空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなる検査体を示している。
図3は、本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、使用に際して検査体の所定の位置を切断することにより、被検サンプル吸い込み口を開口させる検査体を示している。
図4は、本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、検査体の所定の位置を切断して被検サンプル吸い込み口が開口された検査体を示している。
【0036】
図1、および図2において、1は上記のクロマト法テストストリップの上面に位置するポリエステルフィルム、1′は下面に位置する同じくポリエステルフィルムであり、この二枚のポリエステルフィルムでクロマト法テストストリップを挟み込んでいる。
2はクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体である5mm×36mmのニトロセルロース膜で、それは8mm×76mm粘着シート3の粘着面上中央のクロマト展開逆方向末端23mm部分からクロマト展開方向に貼り付けられている。このニトロセルロース膜2のクロマト展開逆方向末端に、上記の金コロイド標識抗ヒトIgEマウスモノクローナル抗体液37.5μlを含浸乾燥させた標識体含浸部材4の末端が重ね合わせて配置されており、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆って、8mm×25mmの被検サンプル添加用部材(コットン製)5が配置されている。また、ニトロセルロース膜2の他方の端に、8mm×34mmの吸収用部材(濾紙製)6がニトロセルロース膜2に重ねて配置されている。7はニトロセルロース膜2における被検サンプル添加用部材5と吸収用部材6に重ね合わされていないクロマト展開方向の任意の位置に、2.7mg/ml抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体液0.5μlをスポット状に塗布して形成した捕捉部位である。
【0037】
8は被検サンプル添加用部材5の上に当たる部分のポリエステルフィルム1にあらかじめ設けた被検サンプル注入口で、被検サンプル添加用部材のクロマト展開逆方向末端中央点から5mmの位置に中心がある直径5.8mmの円形に形成されている。9は吸収用部材6の中央部の上に当たる部分のポリエステルフィルムに、あらかじめ設けられた5mm×10mmの空気抜き開口部である。上記のクロマト法テストストリップをポリエステルフィルム1、および1′で挟み込み、その全体をプレス熱融着すると、ニトロセルロース膜の巾が被検サンプル添加用部材、および吸収用部材の巾よりも狭いため、被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成された検査体を得ることができる。
また、後述の部分改造ラミネーターを用いて、上記のクロマト法テストストリップをポリエステルフィルム1、および1′で挟み込み、全く同様にしてその両長辺部をプレス熱融着すると、後述する巾10mm帯状空洞体が形成される検査体を作製できる。
【0038】
一方、別の実施態様では、上記のクロマト法テストストリップを空気抜き開口部9のみを設けたポリエステルフィルム1、および1′で挟み込み、その全体をプレス熱融着して図3に示す検査体を得る。この検査体には、使用に際して被検サンプル吸い込み口11を開口させるための切断位置を示す目印10を設ける。この目印10同士を結ぶ線に沿って検査体を切断すると、図4に示すように検査体に内包されているクロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端に、被検サンプル吸い込み口11を開口させることができる。
【0039】
次に、表1の実験を実施するに当たって使用した検査体について説明する。
検査体に用いるプラスチックフィルム
クロマト法テストストリップのケーシングとして用いるプラスチックフィルムであるポリエステルフィルムは、文房具店などで販売されている。検査体の作製に際して、このポリエステルフィルムをハサミで切って、40mm×100mmの大きさのものを二枚作り、この二枚をクロマト法テストストリップのケーシングに用いるときに、クロマト展開方向末端になる端部を、あらかじめ約3mm巾で互いに熱融着して用いる。
また、このポリエステルフィルムの接着面の全面にわたり、加熱によって熱融解するポリエチレンの薄層が付着(以下、単にポリエステルフィルムと記す)されているので、アイロンによるプレス熱融着によって二枚のポリエステルフィルムを容易に接着させることができる。
【0040】
プレス熱融着に使用する器具
プレス熱融着に用いるラミネーター(商品名、株式会社オーム電機製)は、電熱加熱部を中央に配置し、その前方および後方に、それぞれ上下各一対のモーターでゆっくり回転するプレス用ゴムローラーが配置されており、上記の二枚のポリエステルフィルムをプレス熱融着させるために使用する器具である。電熱加熱部の前方に配置された上下一対のゴムローラーは、二枚のポリエステルフィルムをプレスしながら電熱加熱部の後方に導入していく機能を有する。電熱加熱部の後方に配置された上下一対のゴムローラーは、電熱加熱部で加熱されて通過してきた二枚のポリエステルフィルムをプレス熱融着しながら引き出していく機能を有する。したがって、ラミネーターに導入されたクロマト法テストストリップをその間に挟み込んだ二枚のポリエステルフィルムは、プレス熱融着されて、検査体となってラミネーターから出てくることになる。
【0041】
検査体作製に当たっては、完成したクロマト法テストストリップのクロマト展開方向末端部を、二枚のポリエステルフィルムのあらかじめ接着してある方向に配して、この二枚のポリエステルフィルムの間に挟み込み、さらに、この二枚のポリエステルフィルム接着側を先頭にしてラミネーターに導入し、プレス熱融着させるようにして検査体を作る。
【0042】
プレス熱融着検査体
全体プレス熱融着:ラミネーターを用いて、クロマト法テストストリップを中央部に挟み込み、かつ、あらかじめ被検サンプル注入口が設けられてなるポリエステルフィルムの全面をプレス熱融着して、全体プレス熱融着検査体を作製する。この際、使用するポリエステルフィルムに空気抜き開口部が設けられたか否かによって、空気抜き開口部のある全体プレス熱融着検査体か、または空気抜き開口部のない全体プレス熱融着検査体の何れかが作製される。空気抜き開口部のない全体プレス熱融着検査体では、上述のように、ポリエステルフィルムのプレス熱融着によってクロマト法テストストリップ自体、およびその周辺を接着しているので、被検サンプル注入口がクロマト法テストストリップの外界との唯一の連通口である。
【0043】
両長辺部プレス熱融着:ラミネーターは、電熱加熱部の前方、および後方に配置されたそれぞれ上下各一対からなるプレス用ゴムローラーのうち、それぞれの上部ゴムローラー中央部を巾10mm(クロマト法テストストリップ巾よりやや広い寸法)の帯状に、鋭利な刃物で切り取って部分改造される。この部分改造ラミネーターを用いて、クロマト法テストストリップを中央に挟み込み、かつ、あらかじめ被検サンプル注入口が設けられたポリエステルフィルムをプレス熱融着して、両長辺部プレス熱融着検査体を得る。この際、あらかじめ空気抜き開口部が設けられたポリエステルフィルムを使用すれば、空気抜き開口部のある両長辺部プレス熱融着検査体が、それが設けられていないポリエステルフィルムを使用すれば、空気抜き開口部のない両長辺部プレス熱融着検査体が、それぞれ作製される。
【0044】
このようにして作製された空気抜き開口部のない両長辺部プレス熱融着検査体のクロマト法テストストリップでは、プレス熱融着操作にも拘わらず、圧着されることなく形成されたポリエステルフィルム中央のクロマト展開方向末端が閉じている巾10mm帯状空洞体のクロマト展開逆方向末端の開口と、被検サンプル注入口とで外界と連通している。
以上の4種の検査体を用いて行なった、後述の陰性標準検体液におけるクロマト展開で得られた種々の結果をまとめて表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
次に、表1の実験成績について説明する。
空気抜き開口部の有無によるクロマト展開における金コロイド標識抗体の挙動
検査体における吸収用部材(8mm×34mm)のクロマト展開逆方向末端から15mmの位置に、5mm×10mmの空気抜き開口部を設ける。この空気抜き開口部を設けた検査体、および空気抜き開口部を設けない検査体をそれぞれ用いてクロマト展開すると、クロマト展開開始数時間ないし一晩経過後に、検査体に空気抜き開口部がない場合には、クロマト展開により標識体含浸部材から遊離した金コロイド標識抗体が吸収用部材全体に薄く分散し、一方空気抜き開口部がある場合には、金コロイド標識抗体が吸収用部材の空気抜き開口部に局在することが観察される。
【0047】
被検サンプルの吸い込み所要時間
被検サンプル100μlがマイクロピペットで空気抜き開口部のない全体プレス熱融着検査体の被検サンプル注入口からチャージされると、被検サンプルの吸い込みが悪いため、被検サンプル注入口において大きな液滴となり、その吸い込みに長時間を要する。
【0048】
もし、この状態で、誤って検査体を急激に動かしたりすると、被検サンプル注入口の被検サンプルを飛散させて、その周辺を汚染したりするため、正確な検査ができなくなる。しかし、表1に示すように、全体プレス熱融着検査体のクロマト法テストストリップの上に当たる部分のポリエステルフィルムに、あらかじめ空気抜き開口部を設けると、それを設けないものに比して極端に被検サンプル注入口における被検サンプルの吸い込み所要時間が短かい。
両長辺部プレス熱融着検査体では、検査体のポリエステルフィルム中央部に巾10mm帯状空洞体が形成され、検査体のクロマト展開逆方向末端が外界と連通しているため、被検サンプル注入口における被検サンプルの吸い込みは極めて速く、空気抜き開口部の有無による差異は全く認められない。
【0049】
クロマト展開速度
空気抜き開口部があるか、ないかの何れかである全体プレス熱融着検査体、および両長辺部プレス熱融着検査体の被検サンプル注入口に、それぞれ被検サンプルをチャージしてクロマト展開を開始し、その各検査体におけるクロマト展開速度を測定する。
その結果、表1に示すように、空気抜き開口部を有する全体プレス熱融着検査体のクロマト展開速度は、空気抜き開口部のない全体プレス熱融着検査体のそれに比して速い。しかし、両長辺部プレス熱融着検査体におけるクロマト展開速度は、空気抜き開口部の有無に左右されることなく速く、両者ともほぼ同じである。
【0050】
クロマト展開数時間経過後の偽陽性反応
クロマト展開数時間経過後のクロマト法テストストリップにおける陰性被検サンプルの捕捉部位での偽陽性反応の有無を知るために、ヒトIgE精製品(Chemicon International Inc.,U.S.A.製)を、0.85%塩化ナトリウムを含む10mM燐酸緩衝液で、それぞれ0.00,6.25,12.50,25.00,50.00ng/mlになるように希釈して、標準ヒトIgE液(以下、総称して標準検体液と記す)を調製し、このうちのヒトIgE0.00ng/mlである陰性標準検体液を実験に供する。
【0051】
また、実験には全体プレス熱融着検査体、および両長辺部プレス熱融着検査体で空気抜き開口部を設けた検査体と、それを設けない検査体とを使用し、これら各検査体の被検サンプル注入口に、上記の陰性標準検体液100μlをそれぞれチャージしてクロマト展開を行なう。
その結果を表1に示す。すなわち、空気抜き開口部が設けられなかった全体プレス熱融着検査体、および両長辺部プレス熱融着検査体の検査判定部位である捕捉部位において、何れもクロマト展開の当初は陰性反応を示すが、クロマト展開数時間経過により意外にも何れの検査体でも偽陽性反応の出現が認められる。一方、空気抜き開口部が設けられた全体プレス熱融着検査体、および両長辺部プレス熱融着検査体では、クロマト展開当初、およびクロマト展開後数時間以上の経過においても、何れも偽陽性反応は認められない。
【0052】
次に表2に示す実験に使用した検査体、および標準検体液のクロマト展開について、以下に説明する。
ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体、およびそれを用いる標準検体液のクロマト展開
従来法であるヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体は、以下の方法に従って作製した。
先ず、従来法に基づくプラスチック製中空ケーシングに内包させるクロマト法テストストリップの作製法を述べる。
【0053】
5mm×36mmのニトロセルロース膜を、8mm×59mmの粘着シートの粘着面上、クロマト展開方向末端中央部からクロマト展開逆方向に貼り付ける。このニトロセルロース膜のクロマト展開逆方向末端に、金コロイド標識抗ヒトIgEマウスモノクローナル抗体液37.5μlを含浸乾燥させた標識体含浸部材を一部重ね合わせて配置し、さらに、この標識体含浸部材の重ね合わせ部分からその全体を覆って、8mm×25mmの被検サンプル添加用部材を配置する。ニトロセルロース膜のクロマト展開方向である他方の端には、8mm×17mmの吸収用部材をニトロセルロース膜にその全体を重ねて配置する。ニトロセルロース膜のクロマト展開逆方向末端から7.5mmの位置に、2.7mg/ml抗ヒトIgEヤギポリクローナル抗体液0.5μlをスポット状に塗布し、室温乾燥して捕捉部位を形成させてクロマト法テストストリップを得る。
【0054】
使用した27mm×66mmのプラスチック製中空ケーシングは、クロマト法テストストリップを収容する容器となる底部と、その蓋となる蓋部がぴったりとはめ合わせることができるように成型されており、底部にはクロマト法テストストリップをのせるための一段高くなった台状体があり、その台状体の部分の両長辺上には、クロマト法テストストリップを動かないように保持するための突起が各々三箇所ずつ配置されている。蓋部にはクロマト法テストストリップのクロマト展開逆方向末端から7mmの中央部に、長径9mm、短径6mmの楕円形の被検サンプル注入口が、また、クロマト法テストストリップのクロマト展開方向末端から20mmの位置に、7mm×15mmの長方形の目視判定窓が配置されており、目視判定窓を通して捕捉部位におけるクロマト展開の陰性または陽性反応の有無を肉眼観察して判定する。
【0055】
底部の台状体におけるクロマト法テストストリップのクロマト展開方向末端が配置されるべき位置に、上述のクロマト法テストストリップのクロマト展開方向末端をぴったりとつけて収容し、底部に蓋部をぴったりとはめ合わせて、ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体を作製する。
このヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体の被検サンプル注入口に、先に述べたヒトIgE0.00,6.25,12.50,25.00,50.00ng/ml標準検体液の各100μlをチャージし、クロマト展開15分後の捕捉部位におけるヒトIgE濃度依存性を目視で判定した。
【0056】
空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体、ならびにそれを用いる標準検体液のクロマト展開
一方、上記のクロマト法テストストリップを、あらかじめ空気抜き開口部と被検サンプル注入口を設けた二枚のポリエステルフィルムの間に挟み込み、クロマト法テストストリップの周辺部のポリエステルフィルムを、アイロンでことごとくプレス熱融着させて、空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体を作製する。
この検査体を用いて、ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体の場合と全く同様に、ヒトIgE0.00,6.25,12.50,25.00,50.00ng/ml標準検体液の各100μlをクロマト展開して、その濃度依存性を目視で判定した。
以上の実験成績を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体、ならびに空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体を用いる標準検体液のクロマト展開
表2の結果から、これら両検査体のクロマト展開によるヒトIgE各濃度における反応性の目視判定に基づく捕捉部位の着色度は、両検査体とも濃度依存的によく相関し、何れも遜色ないことがわかる。
【0059】
使用に際して被検サンプル吸い込み口を開口させ、空気抜き開口部が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体を用いる標準検体液のクロマト展開
また、上記したクロマト法テストストリップを、あらかじめ空気抜き開口部のみを設けた二枚のポリエステルフィルムの間に挟み込み、クロマト法テストストリップの周辺部のポリエステルフィルムを、アイロンでことごとくプレス熱融着させて、使用に際して被検サンプル吸い込み口を開口させ、空気抜き開口部が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体を作製する。この検査体を使用し、ヒトIgE検出用プラスチック製中空ケーシング検査体の場合と全く同様にして、各濃度のヒトIgE標準検体液を用いたクロマト展開における各標準検体液の濃度依存性を、捕捉部位の着色度の強弱を目視して判定する。その結果は、ヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体のそれとよく一致した。したがって、使用に際して被検サンプル吸い込み口を開口させ、空気抜き開口部が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体は、空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなるヒトIgE検出用全体プレス熱融着検査体と、クロマト展開における反応性において何らの遜色なく用い得ることが判明した。
【0060】
【発明の効果】
クロマト法テストストリップを二枚の不透湿性プラスチックフィルムまたは薄板で挟み、これを接着することにより、外装のケーシングとしての機能を持たせることができる。そのため、別途ケーシングを必要としないので、コストを下げることができ、カード状の薄い検査体となるので、持ち運び、取り扱い、および保管が容易になる。さらに、クロマト展開後の検査体をノート、アルバム等に貼って保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなる検査体の平面図である。
【図2】本発明に係る空気抜き開口部、および被検サンプル注入口が設けられてなる検査体の縦断側面図である。
【図3】本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、使用に際して検査体の所定の位置を切断することにより、被検サンプル吸い込み口を開口させる検査体の平面図である。
【図4】本発明に係る空気抜き開口部が設けられ、検査体の所定の位置を切断して被検サンプル吸い込み口が開口された検査体の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 クロマト法テストストリップの上面に位置するポリエステルフィルム
1′ クロマト法テストストリップの下面に位置するポリエステルフィルム
2 ニトロセルロース膜(クロマト展開用膜担体)
3 粘着シート
4 標識体含浸部材
5 被検サンプル添加用部材
6 吸収用部材
7 捕捉部位
8 被検サンプル注入口
9 空気抜き開口部
10 被検サンプル吸い込み口を開口させるための切断位置を示す目印
11 切断位置を切断して開口された被検サンプル吸い込み口
Claims (4)
- 二枚の不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板を用い、クロマト法テストストリップをその間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるクロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けられた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テストストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の被検サンプル添加用部材の上に当たる部分に被検サンプル注入口を、また、吸収用部材の上に当たる部分に吸気抜き開口部をあらかじめ設けておき、クロマト展開用膜担体には、前記流通間隙が形成された箇所に、検査対象物質をトラップして濃縮させるための生物学的結合特性を有する物質を固定化した捕捉部位を形成したことを特徴とする検査体。
- 前記クロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端には、標識体溶液を含浸乾燥させた標識体含浸部材が重ね合わせて配置され、さらに、この標識体含浸部材を覆って、前記被検サンプル添加用部材が重ね合わせて配置されてなる請求項1に記載の検査体。
- 二枚の不透湿性のプラスチックフィルムまたは薄板を用い、クロマト法テストストリップをその間に挟み込み、クロマト法テストストリップにおけるクロマト展開用膜担体の両端に、それぞれ対峙して設けられた被検サンプル添加用部材と吸収用部材の間に空気の流通間隙が形成されるように接着し、クロマト法テストトリップのクロマト展開逆方向末端側のプラスチックフィルムまたは薄板における所定位置に、あらかじめ被検サンプル吸い込み口を設けるか、もしくはクロマト展開に際して、すでに接着されているこの所定位置を切断することによって被検サンプル吸い込み口が開口されるようにし、また、クロマト法テストストリップの上面のプラスチックフィルムまたは薄板の吸収用部材の上に当たる部分に空気抜き開口部をあらかじめ設けておき、クロマト展開用膜担体には、前記流通間隙が形成された箇所に、検査対象物質をトラップして濃縮させるための生物学的結合特性を有する物質を固定化した捕捉部位を形成したことを特徴とする検査体。
- 前記クロマト展開用膜担体のクロマト展開逆方向末端には、標識体溶液を含浸乾燥させた標識体含浸部材が重ね合わせて配置され、さらに、この標識体含浸部材を覆って、前記被検サンプル添加用部材が重ね合わせて配置されてなる請求項3に記載の検査体。
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