JPH1087590A - カルボン酸アミド化合物の製造方法 - Google Patents

カルボン酸アミド化合物の製造方法

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JPH1087590A
JPH1087590A JP9195112A JP19511297A JPH1087590A JP H1087590 A JPH1087590 A JP H1087590A JP 9195112 A JP9195112 A JP 9195112A JP 19511297 A JP19511297 A JP 19511297A JP H1087590 A JPH1087590 A JP H1087590A
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acid
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Yoshimi Daitoku
義巳 大徳
Masanao Shiromizu
正直 白水
Miyoko Akagi
美代子 赤木
Masami Tokimine
政美 常峰
Yutaka Dejima
豊 出島
Kaoru Kodera
薫 小寺
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SHOWA CHEM
Showa Kako Co Ltd
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SHOWA CHEM
Showa Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−アセチル−6−[4−(4−フェニルブ
トキシ)ベンゾイル]アミノフェノール等のカルボン酸
アミド化合物を、アミノフェノール誘導体と安息香酸誘
導体の縮合反応により工業的に効率良く、有利に低コス
トで製造する方法を提供する。 【解決手段】 アミノフェノール誘導体と安息香酸誘導
体を、不活性な有機溶媒と水との混合溶媒中、塩基性物
質の存在下反応させ、一般式(4)で示されるカルボン
酸アミド化合物を得ることを特徴とするカルボン酸アミ
ド化合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1はC1〜C6のアルキル基、フェニル基、又
はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子もしくはニ
トロ基で置換されたフェニル基を示す。R2はフェニル
基で置換されていても良いアルコキシ基、アルキル基、
ハロゲン原子又はニトロ基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、医薬品の
中間体として有用な構造式(5)
【0002】
【化5】
【0003】で示される2−アセチル−6−[4−(4
−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノフェノールを
工業的に有利に製造するカルボン酸アミド化合物の製造
方法に関する。
【0004】
【従来の技術】上記構造式(5)で示される化合物は、
ロイコトリエンに起因するアレルギー性の各種疾患の治
療剤として有用な構造式(6)
【0005】
【化6】
【0006】で示される8−[4−(4−フェニルブト
キシ)ベンゾイル]アミノ−2−(5−テトラゾリル)
−4−オキソ−4H−1−ベンゾピランを製造するため
の重要な中間体であり、この中間体は、カルボン酸アミ
ド化合物である。一般に、アミンとカルボン酸ハライド
とを用いてカルボン酸アミドを合成する方法としては、
ハロゲン化水素酸の捕捉剤となる無機系または有機系の
塩基性物質存在下、カルボン酸ハライドとアミンとを縮
合反応させる方法や、水溶液中で塩基性物質の存在下、
アミンをベンゾイル化するショッテン−バウマン反応
(Schotten−Baumann Reaction)等が知られている。
【0007】また、特開昭58−222057号公報に
は、反応系から塩基等の回収等を容易にするため、使用
する塩基としてポリビニルピリジン系樹脂を用い、この
ポリビニルピリジン系樹脂の存在下、塩化メチレン、ベ
ンゼン等の有機溶媒中にてカルボン酸ハライドとアミン
とを縮合反応させてアミド化合物を合成する方法が開示
されている。さらに、特開平3−95144号公報に
は、上記構造式(5)で示されるアミド化合物の製造方
法として、(A)混合酸無水物を用いる方法、(B)酸
ハライドを用いる方法、(C)ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)等の縮合剤を用いる方法、の3種の
アミド化方法が開示されている。この3種のアミド化方
法のうち(B)の酸ハライドを用いる方法は、ハロゲン
化炭化水素系、エーテル系、DMF(ジメチルホルムア
ミド)等の不活性溶媒中、ピリジン、トリエチルアミ
ン、ピコリン等のアミン類の塩基性物質存在下、無水条
件にて、−20℃〜50℃の範囲で、構造式(7)
【0008】
【化7】 で示されるアミノフェノール誘導体と、構造式(8)
【0009】
【化8】 (式中、XはCl、Br、Iなどのハロゲン原子を示
す。)で示されるカルボン酸ハライドとを縮合反応させ
るオーソドックスな方法である。この(B)の酸ハライ
ドを用いる方法の場合、反応の結果生じるハロゲン化水
素酸の捕捉剤としては有機系の塩基性物質(例えば、ト
リエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン等)が
使用されている。しかしながら、上記のいずれの方法に
おいても、アミノフェノール誘導体を酸アミド化する
際、同時に水酸基もアシル化された化合物も副生するた
め、上記構造式(4)で示す目的化合物のみを得ること
が困難であった。
【0010】一方、理論製造染料化学(細田 豊著 技
報堂 発行)の536頁には、H酸のN−ベンゾイル化
として、無機系の塩基性物質存在下、アミノフェノール
類の水酸基とアミノ基を一旦ジベンゾイル化した後エス
テルを加水分解してアミド化合物を得る方法が記載され
ている。また、特開平7−33723号公報には、アミ
ノフェノール誘導体のアミノ基のみを選択的にアシル化
するために、上記構造式(7)で示されるアミノフェノ
ール誘導体と、上記構造式(8)で示されるカルボン酸
ハライドとの縮合反応を、ピリジン、ピコリン等の有機
系塩基性物質の存在下にて行うことにより、上記構造式
(5)で示されるアミド化合物を合成する方法が開示さ
れている。すなわち、ハロゲン化水素酸のトラップ剤お
よび反応促進剤として使用する塩基に関して、トリエチ
ルアミン等の脂肪族アミンは利用できないがピリジン等
の有機塩基性化合物を使用することにより水酸基とアミ
ノ基を併せ持つ誘導体に対してアミノ基のみを選択的に
アミド化することができるというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いずれの製造方法においても、塩基性物質として、反応
溶媒に混合又は溶解するアミン類を使用する場合には、
反応終了後溶媒とアミン類の塩酸塩、過剰のフリーアミ
ン類等の除去操作として酸性水洗浄,水洗等の後処理工
程が避けられない。しかも、使用するアミン類は高価で
あり、また環境保全のための廃水処理操作等も考慮する
必要があり、使用するアミン類を回収する必要がある。
そのため、アミン類等の反応系からの除去操作や、回収
等のための煩雑な操作が必要となり、製造工程が非常に
複雑になるうえ、回収したアミン類の再使用時の損失が
大きい等の問題があった。
【0012】さらには、使用するアミン類の塩基は水和
しやすいので、水が存在するとアミド化反応の進行を妨
げる等、目的化合物の製造が不利となるため、無水条件
下で行うことが望ましいことから、使用するアミノフェ
ノール誘導体の水分含量を低く抑えなければならないと
いう問題があった。本発明は、以上の問題点に鑑みてな
されたものであり、2−アセチル−6−[4−(4−フ
ェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノフェノール等をア
ミノフェノール誘導体と安息香酸誘導体とから工業的に
有利に製造する、カルボン酸アミド化合物の製造方法を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
で示されるアミノフェノール誘導体又は該アミノフェノ
ール誘導体の酸付加塩と一般式(2)で示される安息香
酸誘導体を、上記基質および反応試剤等とは反応しない
不活性な有機溶媒と水との混合溶媒中、かつ一般式
(3)で示される塩基性物質の存在下反応させ、一般式
(4)で示されるカルボン酸アミド化合物を得ることを
特徴とするカルボン酸アミド化合物の製造方法に係る。
【0014】
【化9】 (式中、R1はC1〜C6のアルキル基、フェニル基、又
はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子もしくはニ
トロ基で置換されたフェニル基を示す。)
【0015】
【化10】 (式中、R2はフェニル基で置換されていても良いアル
コキシ基、アルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基、X
はヒドロキシ基又はハロゲン原子を示す。)
【0016】
【化11】 Mm−Bn (3) (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Bは
低級脂肪酸アニオン又はリン酸系アニオン、m、nは正
の整数を示す。)
【0017】
【化12】 (式中、R1、R2は上記に同じ。)
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るカルボ
ン酸アミド化合物の製造方法は、上記構造式(1)で示
されるアミノフェノール誘導体、または該アミノフェノ
ール誘導体に対し無機酸もしくは有機酸を付加した酸付
加塩と、上記構造式(2)で示される安息香酸誘導体、
または該安息香酸誘導体のハロゲン化物であるカルボン
酸ハライドとを、上記基質および反応試剤等とは反応し
ない不活性な有機溶媒と水との混合溶媒中、かつ、塩基
性物質存在下で反応させ、上記構造式(4)で示される
反応生成物を合成するものである。この実施の形態にお
けるアミド化反応は、例えば、以下の主反応からなる。
【0019】
【化13】 HO−R3−NH2+R4−COX → (a) HO−R3−NHCO−R4+HX ↑ この反応式(a)に示すように、アミン(HOR3−N
2)1モルとカルボン酸ハライド(R4−COX)1モ
ルとが反応して1モルのカルボン酸アミド化合物(HO
3−NHCO−R4)と1モルのハロゲン化水素(H
X)が発生する。すなわち、この反応はハロゲン化水素
を副生する反応となるため、このハロゲン化水素を除去
することにより、アミド化反応を進めることができる。
しかしながら、以下の反応式(b)に示すように、発生
したハロゲン化水素は反応基質であるアミン(HOR3
−NH2)と反応して、アミンハロゲン酸塩(HOR3
NH2・HX)を生成する。
【0020】
【化14】 HO−R3−NH2+HX → (b) HO−R3−NH2・HX この塩が生成すると酸ハライドとの反応が起こりにくく
なり、アミド化反応(a)を阻害する。そこで、ハロゲ
ン化水素等のトラップ剤として塩基性物質(Base)を
反応系に存在させることで、この塩基性物質が生成した
ハロゲン化水素を捕捉するとともに、以下の反応式
(c)に示すように、アミンハロゲン酸塩からハロゲン
化水素酸を取り去ることにより、アミド化反応(a)を
スムーズに効率よく進行させる。
【0021】
【化15】 HO−R3−NH2・HX+Base → (c) HO−R3−NH2+Base・HX また、上記反応において、以下の反応式(d)に示すよ
うに、水酸基も同時にアシル化されたエステル(R4
O−OR3−NHCO−R4)等も生じる。
【0022】
【化16】 HO−R3−NH2+2R4−COX → (d) R4−CO−O−R3−NHCO−R4+2HX ↑ しかしながら、本実施の形態によれば、無機系の塩基性
物質と、さらには水とを使用した場合でも水酸基とアミ
ノ基を併せ持つ誘導体に対してアミノ基のみを選択的に
アミド化できることを本発明者らが見出した。また、本
実施の形態の製造方法においては、不活性有機溶媒と水
との混合溶媒系でアミド化を行うので、上記構造式
(4)で示されるアミド化合物を特に水とは混合しない
有機溶媒の溶液とすることができ、これにより、塩基性
物質、塩類および安息香酸誘導体の金属塩等の化合物を
水溶液として分液除去した後、水による洗浄操作により
塩基性物質等を完全に除去することができる。すなわ
ち、本実施の形態では、無機系の塩基性物質を使用する
ため、従来のような有機アミン等の分離、回収工程を削
除または回避することができ、反応後の生成処理工程の
簡略化が達成され、工業的製造方法として非常に有利な
ものとなる。
【0023】上記構造式(1)中のR1は、C1〜C6
アルキル基;またはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基などで置換されていても良いフェニル
基を示す。上記C1〜C6のアルキル基として、具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシ
ル基などが挙げられる。また、上記アルコキシ基とし
て、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などが挙げられる。さらに、ハロゲン原
子、ニトロ基などで置換されていても良いフェニル基
は、ベンゼン環の1〜5個の水素原子が同一または異な
るハロゲン原子や、ニトロ基などで単独または組み合わ
せて置換されたものが挙げられる。また、上記構造式
(1)で示されるアミノフェノール誘導体の酸付加塩に
おける酸として、例えば、ハロゲン化水素酸、硫酸等の
無機酸、もしくは酢酸、酒石酸等の有機酸が挙げられ
る。上記構造式(2)中のR2は、フェニル基で置換さ
れていても良いアルコキシ基、アルキル基、ハロゲン原
子又はニトロ基、Xはヒドロキシ基又はハロゲン原子を
示す。上記アルコキシ基として、具体的には、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル
オキシ基などのC1〜C6のアルコキシ基が挙げられる。
【0024】上記のアミド化反応の際に使用される塩基
性物質として、上記一般式(3)Mm−Bn で示され
る無機系の塩基性物質が使用され、この塩基性物質は、
反応に際し生成するハロゲン化水素酸のトラップ剤およ
び反応促進剤等として使用されるものである。一般式
(3)中のMとして具体的には、リチウム,ナトリウ
ム,カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム,マグネシ
ウム,カルシウム,バリウム等のアルカリ土類金属など
があげられ、Bとして具体的には、低級脂肪酸アニオ
ン、リン酸系アニオンなどがあげられる。m、nは正の
整数であり、m=1〜3、n=1〜2が好ましい。
【0025】かかる塩基性物質としては、具体的には、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸
マグネシウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸
カリウム、酪酸ナトリウム、酪酸カリウム等の低級脂肪
酸系塩基性化合物、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン
酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、次亜リン酸ナトリ
ウム、次亜リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸カリウム等のリン酸系塩基性化合物
等があげられる。この塩基性物質は、上記構造式(1)
で示されるアミノフェノール誘導体の酸付加塩に対して
2.0モル倍以上を必要とし、上限については特に制限
されないが、通常は2〜5モル倍使用される。
【0026】また、アシル化剤となる上記構造式(2)
で示される安息香酸誘導体の使用量は、特に制限されな
いが、上記構造式(1)で示されるアミノフェノール誘
導体に対して0.9〜1.2当量であれば任意に使用可能
であるが、通常は1.0〜1.05当量使用される。
【0027】上記の不活性な有機溶媒として、例えば、
ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、ク
ロルベンゼン,ジクロルベンゼン等の芳香族ハロゲン化
炭化水素、クロロホルム,四塩化炭素,ジクロルメタ
ン,ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素等、その他
水と混合又は溶解しない単独もしくは混合物があげられ
る。かかる有機溶媒の使用量については特に制限されな
い。
【0028】反応溶媒としては、上記の不活性有機溶媒
と水との混合溶媒が使用されるが、不活性有機溶媒と水
との2相系で反応を行うことが特に望ましい。また、反
応温度としては、通常、0℃〜150℃、好ましくは5
0℃〜100℃の範囲で反応させる。なお、反応時間は
特に制限されず、構造式(2)で示される安息香酸誘導
体を過剰に使用した場合は、構造式(1)で示すアミノ
フェノール誘導体の消失をもって反応の終点とする。逆
に構造式(1)で示されるアミノフェノール誘導体を過
剰に使用した場合は、構造式(2)で示す安息香酸誘導
体の消失をもって反応の終点とする。当量使用した場合
は、両者か一方の消失をもって反応の終点とする。
【0029】反応終了後、反応に使用した過剰の塩基性
化合物,塩化ナトリウム等の反応副生成物および4−
(4−フェニルブトキシ)安息香酸ナトリウム塩等の安
息香酸誘導体の塩類を水層に溶解させた状態で熱時、分
液除去し、次いで残存の上記塩類を温水にて洗浄し,分
液することにより、目的化合物の有機溶媒溶液を得るこ
とができる。
【0030】この得られた溶液から目的化合物を単離す
るにはそのまま冷却もしくは濃縮して冷却により結晶化
させるか、または、反応に使用した有機溶媒および水と
の混合性が良く、目的化合物を溶解しない両親媒性の有
機溶媒を添加して冷却により結晶化させて濾過等の操作
にて単離すること等により、上記構造式(4)で示した
目的化合物であるカルボン酸アミド化合物が得られる。
上記の両親媒性の有機溶媒として、例えば、メタノー
ル,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の
アルコール類、テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環
状エーテル等があげられ、好ましくはメタノール等の低
沸点有機溶媒が使用される。なお、この両親媒性の有機
溶媒の使用量については特に限定されず、また、混合溶
媒とすることにより、使用した溶媒の回収操作が困難な
場合は、有利な方法を適宜選択することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 実施例1 50mlのフラスコに、トルエン 20ml、4−(4−フ
ェニルブトキシ)安息香酸 13.5gおよびDMF 0.
05mlを加え50℃まで加熱する。この懸濁溶液に塩化
チオニル 7.2gを50〜55℃で15分かけて滴下
し、次いで同温度で1時間反応させる。薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)で反応終点を確認後、室温まで冷却
する。得られた酸クロライド溶液は以下のアミド化反応
に使用した。300mlフラスコに、トルエン 45ml、
水 27ml、3−アミノ−2−ヒドロキシアセトフェノ
ン塩酸塩 9.1g、燐酸水素二ナトリウム・12水和物
64.4gを加え、80℃まで加熱する。次いで、この溶
液に先に合成した酸クロライド溶液を80〜85℃で1
5分かけて滴下し、さらに同温度で1時間反応させた。
高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)で反応終点を
確認後、反応混合物を熱時静置して有機層と水層に分離
させ、水層を除き、さらに有機層を洗液が中性になるま
で温水50mlで2回洗浄し、次いでメタノール 50ml
を加えた。この反応溶液を冷却し、析出した結晶を濾取
し、メタノール 20mlで洗浄し2−アセチル−6−{4
−(フェニルブトキシ)ベンゾイル}アミノフェノール
18.4g(収率93.8% HPLC純度99.93%
融点114.4〜115.1℃)を得た。
【0032】実施例2 アミド化に使用した燐酸水素二ナトリウム・12水和物
64.4gを酢酸ナトリウム三水和物 24.5gに変更し
たこと以外は実施例1と同様に操作を行って2−アセチ
ル−6−{4−(フェニルブトキシ)ベンゾイル}アミノ
フェノール17.9g(収率91.5% HPLC純度9
9.83% 融点114.3〜115.1℃)を得た。
【0033】実施例3 結晶の析出時にメタノールを使用せず、そのまま単離し
たこと以外は実施例1と同様に操作を行って2−アセチ
ル−6−{4−(フェニルブトキシ)ベンゾイル}アミノ
フェノール 17.7g(収率90.5% HPLC純度9
9.90% 融点114.4〜115.1℃)を得た。
【0034】比較例1 アミド化に使用した塩基性物質を燐酸水素二ナトリウム
・12水和物からピリジンに変更したこと、および結晶
化時にメタノールを添加しないこと以外は実施例1と同
様に反応操作を行って、上記式(5)で示される2−ア
セチル−6−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイ
ル]アミノフェノール 11.71g(収率64.5%,純
度98.99%,融点113.9〜114.9℃)を得
た。
【0035】比較例2 アミド化に使用した水の使用量をゼロにしたこと以外は
実施例1と同様に反応操作を行ったところ、上記式
(5)で示す目的物の2−アセチル−6−[4−(4−
フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノフェノールは、
収率にして約30%しか生成していなかった。このと
き、残りは未反応として原料が残った。さらに、7時間
反応を行っても原料のアミノフェノール誘導体が消失し
なかった。この時、原料消失の確認は液体クロマトグラ
フィー(HPLC)にて行った。
【0036】[評価]以上の結果より、実施例1〜3に
示すように、無機系の塩基性物質と、さらには水とを使
用した場合でも、特に水酸基とアミノ基を併せ持つ芳香
族誘導体に対してアミノ基のみを選択的にアミド化でき
ることがわかった。
【0037】また、比較例1のように、ピリジンのよう
な有機系の塩基性化合物を使用してアミド化反応した場
合、ピリジンは水に対する溶解度が高いため、反応系か
らの回収操作が必要であり、かかる回収操作が煩雑で、
しかも製造過程において生じる排水の環境に対する負荷
も大きい。これに対し、実施例1〜3のような無機系の
塩基性物質を使用してアミド化反応をした場合、反応終
了後、塩酸トラップ剤、反応促進剤、及び触媒としての
塩基性化合物の回収工程を必要とせず、さらに使用した
塩基性化合物の除去が容易に行え、効率的に目的物を得
ることができるとともに、使用した反応溶媒を効率良く
回収することができ、工業的にすぐれた方法である。さ
らには、目的化合物の収率においても、比較例1に比べ
実施例1〜3の方が高いことがわかった。また、比較例
2における無機系の塩基性化合物を水を使用しない系で
反応した場合、長時間反応しても原料のアミノフェノー
ル誘導体は消失しなかったが、これに対し、実施例1〜
3における水の存在下の反応では短時間で反応が終了す
ることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明のカルボン酸アミド化合物の製造
方法によれば、無機系塩基性物質をハロゲン化水素酸の
トラップ剤および反応促進剤として使用するにも拘わら
ず、水酸基のアシル化は起こらず、選択的にアミノ基の
みをアシル化することができる。また、反応に使用する
塩基性物質として無機系のものを使用するので、反応終
了後、従来の製法のような有機アミン等の塩基性物質等
の回収工程を必要とせず、使用した塩基性化合物の除去
が容易に行え、しかも効率的に目的物を得ることができ
るとともに、使用した反応溶媒を効率良く回収および再
利用することができるという効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 出島 豊 大阪府守口市藤田町5−13−12 (72)発明者 小寺 薫 大阪府豊中市小曽根4−17−7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるアミノフェノー
    ル誘導体又は該アミノフェノール誘導体の酸付加塩と一
    般式(2)で示される安息香酸誘導体を、上記基質およ
    び反応試剤等とは反応しない不活性な有機溶媒と水との
    混合溶媒中、かつ一般式(3)で示される塩基性物質の
    存在下反応させ、一般式(4)で示されるカルボン酸ア
    ミド化合物を得ることを特徴とするカルボン酸アミド化
    合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1はC1〜C6のアルキル基、フェニル基、又
    はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子もしくはニ
    トロ基で置換されたフェニル基を示す。) 【化2】 (式中、R2はフェニル基で置換されていても良いアル
    コキシ基、アルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基、X
    はヒドロキシ基又はハロゲン原子を示す。) 【化3】 Mm−Bn (3) (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Bは
    低級脂肪酸アニオン又はリン酸系アニオン、m、nは正
    の整数を示す。) 【化4】 (式中、R1、R2は上記に同じ。)
  2. 【請求項2】 反応終了後、反応に使用した溶媒と混合
    又は溶解しない水で過剰の副生した無機系塩類を洗浄,
    除去する請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110423206A (zh) * 2019-07-17 2019-11-08 天津大学 从氨肟化反应产物中分离环己酮肟、环己酮与甲苯的方法
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