JPH1087345A - 酸化チタン薄膜形成用塗布液組成物 - Google Patents

酸化チタン薄膜形成用塗布液組成物

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JPH1087345A
JPH1087345A JP8275198A JP27519896A JPH1087345A JP H1087345 A JPH1087345 A JP H1087345A JP 8275198 A JP8275198 A JP 8275198A JP 27519896 A JP27519896 A JP 27519896A JP H1087345 A JPH1087345 A JP H1087345A
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JP
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titanium
complex
soln
acid
thin film
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JP8275198A
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Terubumi Sato
光史 佐藤
Yoshiaki Sakashita
好顕 阪下
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Teikoku Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス、金属などの基板表面上に、酸化チタン
薄膜を形成させる材料の提供および当該薄膜の形成方法
の提供。 【構成】アミノポリカルボン酸化合物とチタン塩から合
成される錯体と芳香族アミンおよび脂肪族アミンとをア
ルコール系溶媒中で反応させることによる塗布液の提供
およびこれを基板上に塗布し焼成することによる酸化チ
タン薄膜の形成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化チタン薄膜の形成法
に係わる。酸化チタンは光によって分極し触媒として働
くことは良く知られている。ガラスや金属などの表面に
形成された薄膜は光があたると酸化触媒膜として働き、
表面の有機物を分解するので優れた防汚、殺菌、消臭効
果を発揮する。また、酸化チタン薄膜は高屈折率を有
し、高反射膜や低屈折率膜と組み合わせることにより、
波長選択反射または吸収膜として有用である。本発明は
酸化チタン薄膜を基板表面上に形成させる簡便な方法を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスや金属などの表面に酸化チタンの
薄膜を形成させる方法としては、従来スパッター法、C
VD法、蒸着法などのドライ法、ゾルーゲル法、メッキ
法、電解重合法などのウェット法が知られている。ドラ
イ法の代表的な方法であるスパッター法は均一で安定し
た薄膜が得られるものの装置が複雑、高価で製造コスト
が高くなり、また大面積化が難しいなどの制約がある。
ウェット法の代表的な方法であるゾルーゲル法は装置が
簡単で大面積化は可能であるが、薄膜形成条件の厳密な
制御を行わないと均一な薄膜が得られないことや、ゾル
ーゲル液の安定性が悪いため工業化に際しては予想以上
にコスト高になる。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】本発明は基板上に酸化チ
タンの薄膜を形成させるに適したチタン含有溶液組成物
およびこれを用いる酸化チタン薄膜形成方法を提供す
る。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者等は簡単な装置
で、容易に均質な酸化チタン薄膜を作成する方法につい
て探索を進めてきたところ、アミノポリカルボン酸また
はその塩とチタン化合物とから得られるチタン錯体のア
ミン塩が安定なアルコール溶液を形成し、この液をガラ
ス、金属などの基板上に塗布したところ基板表面への密
着性に優れた透明で均質な薄膜が得られることを発見し
た。しかしチタン錯体と塩を形成させるアミンの種類、
量については詳細な実験を行った結果、欠陥の無い均質
な薄膜を得るためおよび長期にわたって安定な塗布液を
得るためにはアミンの種類、量の選択は極めて重要な要
素であることが分かりこれらを適切な範囲に限定するこ
とによって初めて目的を達成することが出来た。即ち、
チタン錯体の溶液をつくるに際し芳香族アミンと脂肪族
アミンを組み合わせて用いたとき、得られる溶液の安定
性が確保されると共に、これを用いることにより優れた
酸化チタンの薄膜を得ることができる。
【0005】本発明のチタン錯体から誘導された塗布液
は極めて安定で、簡単な装置でスピン法、フロー法、デ
イップ法のいずれによっても均一で安定な薄膜が得られ
る。この膜は焼成する前であれば、水またはアルコール
によって容易に除去出来るので生産時の歩留まりが極め
てよくなる。この点、ゾルーゲル法は均質な膜を得る条
件が難しい上、塗り直しが出来ないので歩留まりが悪く
予想以上にコスト高になって実用化が進まない原因とな
っていたことを考えると大きな進歩である。この膜を4
00℃以上で焼成すると他の方法で得られた酸化チタン
薄膜と同一の物性を持った膜が得られることも確認し
た。
【0006】本発明の塗布液を作成するために用いられ
るアミノポリカルボン酸型キレート剤としては、エチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,
2−プロパンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジアミ
ン四酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢
酸、N,N’−ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二
酢酸、2−ヒドロキシ1,3−プロパンジアミン四酢
酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などが挙げられるが
これらに限定されるものではない。次に、本発明に用い
られるチタン化合物としては、塩化チタン、臭化チタン
などのハロゲン化チタン、硫酸チタン、リン酸チタンな
どの酸素酸塩が挙げられる。
【0007】また、本発明に用いられるチタン錯体の合
成法は、1960年にソーヤーらによる四塩化チタン
(IV)に水を添加して得られる含水酸化チタン(I
V)の置換反応を利用した方法がある[J.Amer.
Chem.Soc.82,4191−4196]。また
1980年にヴェイクハルトらによって塩化チタン(I
II)の塩酸水溶液の硝酸酸化法が提案されている[I
norg.Chem.19,2514−2519]。本
発明者らは三塩化チタン(III)とアミノポリカルボ
ン酸とを空気中の酸素で酸化しながら行う方法によって
アミノポリカルボン酸のチタン錯体が、より簡便にまた
高純度、高収率で得られることを発見した。空気酸化を
行わない場合は錯形成反応の進行が遅く未反応のアミノ
ポリカルボン酸が大量に残る。また、本発明者らは硫酸
チタン(IV)とアミノポリカルボン酸とを水媒体中で
加熱するだけで目的のチタン錯体を得る方法についても
研究を進めたところ、この場合は酸素の存在下で反応を
行うと塗布液作成時に多量の未溶解物を生じること、こ
れを低減するためには不活性ガス中で反応を行わせるの
が有効であることを発見した。硫酸チタンは比較的安価
に入手でき、また取り扱いが容易なので工業的には有利
な原料である。
【0008】本発明で使用されるチタン錯体は次のよう
にして合成できる。即ち、水に懸濁あるいは溶解させた
アミノポリカルボン酸またはその塩の懸濁液または溶液
に塩化チタン(III)の塩酸溶液を加え、加熱攪拌中
空気を反応液中に導入して酸化を促進させながら反応を
行うと錯体が結晶として析出してくる。この結晶を捕集
して水洗、乾燥したチタン錯体はそのまま精製すること
なく本発明の塗布液の原料として使用できる。空気を反
応液中に導入せずに反応を行った場合は錯形成が殆ど起
こらず未反応のアミノポリカルボン酸を多量に含む結晶
しか得られない。また、本発明に使用されるチタン錯体
はアミノポリカルボン酸またはその塩の懸濁液または溶
液と硫酸チタン(IV)水溶液を不活性ガス中で加熱攪
拌することによっても容易に得られる。この場合、反応
を酸化条件下で行うと塗布液作成の際、多量の未溶解物
が残るので望ましくない。
【0009】本発明の塗布液の溶媒は、水を含んでいて
も良い炭素数1〜4の低級アルコールが望ましい。本発
明のチタン錯体と一種以上の芳香族アミンおよび一種以
上の脂肪族アミンとの反応生成物は、水または低級アル
コールに良く溶解し、またこれらの低級アルコールは表
面張力が小さいためガラス、金属などの基板表面に均一
に広がり欠陥の無い薄膜を形成させるのに有利である。
本発明のチタン錯体のアミン塩は水単独に溶解させるこ
とも可能であるが、水溶液は表面張力が比較的大きいた
めハジキなどによる膜の欠陥が起こりやすい。したがっ
て溶媒に水を用いる場合には低級アルコールと混合して
用いることが望ましい。
【0010】本発明に用いられる芳香族アミンとして
は、ピリジン、4−メチルピリジン、4−アミノピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン誘導
体、ベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン
などのベンジルアミン誘導体、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジメチル−p−トルイジンなどのアニリン
誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0011】本発明に用いられる芳香族アミンと併用さ
れる脂肪族アミンは錯体との反応によって生成する塩あ
るいは付加化合物が水、アルコールに溶解し易いことお
よび経時的に結晶が析出することが無いなど安定な液を
形成することを目安に選定される。2種以上の芳香族ア
ミンと2種以上の脂肪族アミンを併用して結晶の析出を
抑えることも有効である。本発明に用いられる脂肪族ア
ミンとしてはn−プロピルアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、エチル−n−プロピルア
ミン、エチルイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミ
ン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、
ジ−ter−ブチルアミン、エチル−n−ブチルアミ
ン、イソプロピル−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチ
ルアミン、n−ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミンなどが挙げ
られるがこれらに限定されるものではない。
【0012】添加する総アミンの量は、錯体に対してモ
ル比で1〜5倍、望ましくは1〜2倍である。1倍以下
では錯体のすべてがアミン塩に転化せず、未溶解物が残
って均一な塗布液とはならない。5倍以上の場合には、
塗布液にアミン臭が残ったり、塗膜にハジキ等の欠陥が
生じて透明均質な膜を形成させることは出来ない。
【0013】本発明の塗布液は、水を含んでいてもよい
低級アルコールに少なくとも一種の芳香族アミンと共に
少なくとも一種の脂肪族アミンを溶解させ、これにアミ
ノポリカルボン酸のチタン錯体を加え錯体が溶解するま
で加熱攪拌することによって得られる。本発明の芳香族
アミンは錯体の溶解を促進させると共に、脂肪族アミン
との協奏と目されるが、溶液の安定化に貢献する。ガラ
ス、金属などの基板上に薄膜を形成させるには、前記塗
布液をスピンコート、デイップコート、流延法によって
基板上にコートし、溶媒を揮発させた後400℃以上の
高温炉で焼成すればよい。必要があれば比較的低温で予
備焼成を行うことも均質な薄膜を得る上で有効である。
こうして得られた酸化チタン薄膜は、ゾルーゲル法など
で得られたものと同等の物性を有する。本発明の塗布液
の作成法を次の実施例でより具体的に明らかにする。
【0014】
【実施例1】攪拌装置、還流冷却管、温度計、滴下濾斗
を取り付けた2Lの四つ口フラスコにイオン交換水14
80g、エチレンジアミン四酢酸(以下EDTAと略す
る)175.36gを仕込み,攪拌しながら約80℃に
加熱し,20%の三塩化チタンを含む溶液308.56
gを約5分で滴下した。コンプレッサーで毎分約2Lの
空気を液中に吹き込みながら約80℃で3時間攪拌を続
けた。室温まで冷却し、析出した結晶を濾別した。イオ
ン交換水で結晶を洗浄した後乾燥させ132.1gの白
色結晶を得た。得られたEDTAチタニウム錯体を用い
て塗布液を作成した。エタノール86.5g、4−ジメ
チルアミノピリジン0.37g、ジ−n−ブチルアミン
4.27g、EDTAチタン錯体10.62gを200
mlのナス型フラスコに入れ、スターラーで攪拌しなが
ら約70℃に加熱した。錯体は約1時間で殆ど溶解した
がさらに5時間加熱攪拌を続けた後室温に冷却し、淡黄
色の透明な塗布液を得た。5cm×5cm×0.2cm
のソーダライムガラスを中性洗剤で洗浄後風乾し、上記
塗布液をスピンコーターで塗布した。塗布条件は500
rpmで5秒、1000rpmで60秒である。その結
果、透明でハジキによる欠陥や微少異物による欠陥のな
い膜を得た。これを電気炉に入れ室温から毎分10℃で
昇温し550℃に到達してから30分保持して焼成膜を
得た。膜厚は約120nmであった。膜の屈折率(溝尻
光学DHA−OLXエリプソメーターで測定)、光線透
過率(日立U4000分光光度計で測定)はゾルーゲル
法で得られた酸化チタン薄膜のものと同等であった。
【0015】
【実施例2】攪拌装置、還流冷却管、温度計を取り付け
た500mlの四つ口フラスコに窒素ガスを通して酸素
を充分追い出した後、イオン交換水200g、EDTA
酸29.22g,24%硫酸第二チタン水溶液100g
を入れ75〜80℃で窒素ガスをパスさせながら2時間
加熱攪拌した。室温に冷却した後濾過、水洗、乾燥し2
7.9gのEDTAチタン錯体を得た。200mlのナ
ス型フラスコにエタノール38.23g、4−ジメチル
アミノピリジン0.244g、ジイソプロピルアミン
2.23gを入れ、硫酸第二チタンから得られたEDT
Aチタン錯体7.08gを加えて70〜75℃で約2時
間加熱攪拌して淡黄色透明液を得た。実施例1と同様に
してソーダライムガラス板上に塗布、焼成し膜厚150
nmの欠陥のない酸化チタン薄膜を得た。
【0016】
【実施例3】エタノール83.1g、4−ジメチルアミ
ノピリジン0.37g、ジ−n−プロピルアミン1.6
7g、ジ−n−ブチルアミン2.13g、実施例1のE
DTAチタン錯体10.62gを200mlのナス型フ
ラスコに入れ、スターラーで攪拌しながら約70℃に加
熱した。錯体は約1時間で殆ど溶解したがさらに5時間
加熱攪拌を続けた後室温に冷却し、淡黄色の透明な塗布
液を得た。実施例1と同様にして欠陥のない焼成膜を得
た。
【0017】
【実施例4】エタノール83.1g、ピリジン0.24
g、ジ−n−プロピルアミン1.67g、ジ−n−ブチ
ルアミン2.13g、実施例1のEDTAチタン錯体1
0.62gを200mlのナス型フラスコに入れ、スタ
ーラーで攪拌しながら約70℃に加熱した。錯体は約2
時間で殆ど溶解したがさらに4時間加熱攪拌を続けた後
室温に冷却し、わずかに残った未溶解物を濾過し淡黄色
の透明な塗布液を得た。実施例1と同様にして欠陥の無
い酸化チタン薄膜を得た。
【0018】
【実施例5】エタノール83.1g、4−ジメチルアミ
ノピリジン0.37g、ジ−n−ブチルアミン2.1.
3g、ジ−n−ペンチルアミン2.6g、実施例1のE
DTAチタン錯体10.62gを200mlのナス型フ
ラスコに入れ、スターラーで攪拌しながら約70℃に加
熱した。錯体は約1時間で殆ど溶解したがさらに3時間
加熱攪拌を続けた後室温に冷却し淡黄色の透明な塗布液
を得た。実施例1と同様にして欠陥の無い酸化チタン薄
膜を得た。
【0019】
【実施例6】エタノール44.4g、4−ジメチルアミ
ノピリジン0.37g、n−オクチルアミン2.46
g、実施例1のEDTAチタン錯体5gを200mlの
ナス型フラスコに入れ、スターラーで攪拌しながら約7
0℃に加熱した。錯体は約30分で殆ど溶解したがさら
に2時間加熱攪拌を続けた後室温に冷却し淡黄色の透明
な塗布液を得た。実施例1と同様にして欠陥の無い酸化
チタン薄膜を得た。
【0020】
【実施例7】エタノール86.7g、N,N−ジメチル
ベンジルアミン0.41g、ジ−n−ブチルアミン4.
27g、実施例1のEDTAチタン錯体10.62gを
200mlのナス型フラスコに入れ、スターラーで攪拌
しながら約70℃に加熱した。錯体は約2時間で殆ど溶
解したがさらに5時間加熱攪拌を続けた後室温に冷却
し、淡黄色の透明な塗布液を得た。実施例1と同様にし
て欠陥の無い酸化チタン薄膜を得た。
【0021】
【実施例8】エタノール86.7g、N,N−ジメチル
−p−トルイジン0.41g、ジ−n−ブチルアミン
4.27g、実施例1のEDTAチタン錯体10.62
gを200mlのナス型フラスコに入れ、スターラーで
攪拌しながら約70℃に加熱した。錯体は約2時間で殆
ど溶解したがさらに5時間加熱攪拌を続けた後室温に冷
却し、淡黄色の透明な塗布液を得た。実施例1と同様に
して欠陥の無い酸化チタン薄膜を得た。
【0022】
【実施例9】攪拌装置、還流冷却管、温度計を取り付け
た500mlの四つ口フラスコに窒素ガスを通して酸素
を充分追い出した後、イオン交換水200g、1,3−
プロパンジアミン四酢酸27.56g,30%硫酸第二
チタン水溶液80gを入れ75〜80℃で窒素ガスをパ
スさせながら4時間加熱攪拌した。室温に冷却した後濾
過、水洗、乾燥し17.3gの1,3−プロパンジアミ
ン四酢酸のチタン錯体を得た。200mlのナス型フラ
スコに、エタノール75.0g、イオン交換水10g、
4−ジメチルアミノピリジン0.37g、ジ−n−ブチ
ルアミン5.56g、得られた1,3−プロパンジアミ
ン四酢酸のチタン錯体10.5gを入れ、スターラーで
攪拌しながら約70℃に加熱した。4時間加熱攪拌を続
けた後室温に冷却して濾過し淡黄色の透明な塗布液を得
た。実施例1と同様にして欠陥の無い酸化チタン薄膜を
得た。
【0023】
【実施例10】攪拌装置、還流冷却管、温度計を取り付
けた500mlの四つ口フラスコに窒素ガスを通して酸
素を充分追い出した後、イオン交換水200g、ジエチ
レントリアミン五酢酸39.43g,30%硫酸第二チ
タン水溶液80gを入れ75〜80℃で窒素ガスをパス
させながら4時間加熱攪拌した。室温に冷却した後濾
過、水洗、乾燥し18.8gのジエチレントリアミン五
酢酸のチタン錯体を得た。200mlのナス型フラスコ
に、エタノール50.0g、イオン交換水35.0g、
4−ジメチルアミノピリジン0.37g、ジ−n−ブチ
ルアミン5.56g、得られたジエチレントリアミン五
酢酸のチタン錯体9.18gを入れ、スターラーで攪拌
しながら約70℃に加熱した。4時間加熱攪拌を続けた
後室温に冷却して濾過し淡黄色の透明な塗布液を得た。
実施例1と同様にして欠陥の無い酸化チタン薄膜を得
た。
【0024】
【比較例1】エタノール78.2g、ジ−n−プロピル
アミン4.86g、実施例1のEDTAチタン錯体1.
4.16gを200mlのナス型フラスコに入れ、スタ
ーラーで攪拌しながら約70℃に加熱した。錯体は約1
時間で殆ど溶解したがさらに4時間加熱攪拌を続けた後
室温に冷却し若干の未溶解物を濾過し淡黄色の透明な塗
布液を得た。しかしこの液は、数日後多量の結晶が析出
しているのが観察された。この液をガラス基板状にスピ
ンコートしたが失透膜しか得られなかった。
【0025】
【比較例2】エタノール78.2g、ジエチルアミン
1.76g、ジ−n−プロピルアミン2.43g、実施
例1のEDTAチタン錯体14.16gを200mlの
ナス型フラスコに入れ、スターラーで攪拌しながら約7
0℃に加熱した。錯体は約1時間で殆ど溶解したがさら
に4時間加熱攪拌を続けた後室温に冷却し若干の未溶解
物を濾過し淡黄色の透明な塗布液を得た。しかしこの液
は、空気に触れるとゼリー状の結晶が析出し透明な膜を
得ることは出来なかった。また翌日には多量の結晶が析
出して全体が固化してしまった。
【0026】
【比較例3】実施例1における三塩化チタンを用いた錯
体合成において空気を導入せずに密閉系で反応を行っ
た。すなわち、攪拌装置、還流冷却管、温度計、滴下濾
斗を取り付けた500mlの四つ口フラスコにイオン交
換水370g、EDTA43.84gを仕込み,攪拌し
ながら約80℃に加熱し,20%の三塩化チタンを含む
溶液77.14gを約5分で滴下した。還流冷却管の上
部をわずかに開放した以外は密閉状態で約80℃で3時
間攪拌を続けた。室温まで冷却し、析出した結晶を濾
別、水洗、乾燥し55gを得たが多量の未反応のEDT
Aが含まれていた。
【0027】
【比較例4】実施例2における硫酸第二チタンを原料と
する錯体合成において、空気を導入しながら反応を行っ
た。即ち、攪拌装置、還流冷却管、温度計、滴下濾斗を
取り付けた1Lの四つ口フラスコにイオン交換水600
g、EDTA87.7g、24%の硫酸第二チタン水溶
液360gを仕込み,液中に毎分約2Lで空気を吹き込
みながら約80℃で3時間加熱し攪拌した。室温に冷却
し、充分水洗し、アセトンで洗った後乾燥して95.7
gの黄色粉末を得た。200mlのナス型フラスコにエ
タノール38.23g、4−ジメチルアミノピリジン
0.244g、ジイソプロピルアミン2.23gを入
れ、得られた黄色粉末7.08gを加えて70〜75℃
で約4時間加熱攪拌したが多量の未溶解物がいつまでも
残った。冷却して濾過したところ未溶解物の量は5.9
gであった。また濾液を室温で放置したところすぐに白
沈が生成してきた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノポリカルボン酸またはその塩とチタ
    ン化合物からつくられる錯体と、芳香族アミンおよび脂
    肪族アミンを水を含んでいてもよい低級アルコールに溶
    解した酸化チタン薄膜形成用溶液組成物。
  2. 【請求項2】アミノポリカルボン酸がエチレンジアミン
    四酢酸、ジエチレンジアミン五酢酸、1,3−プロパン
    ジアミン四酢酸のいづれかである請求項1記載の溶液組
    成物。
  3. 【請求項3】芳香族アミンがピリジン誘導体である請求
    項1または請求項2記載の溶液組成物。
  4. 【請求項4】芳香族アミンがジ低級アルキルアミノピリ
    ジンである請求項1ないし3のいづれか記載の溶液組成
    物。
  5. 【請求項5】芳香族アミンがアニリン誘導体である請求
    項1または請求項2記載の溶液組成物。
  6. 【請求項6】芳香族アミンがベンジルアミン誘導体であ
    る請求項1または請求項2記載の溶液組成物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6記載のいづれかの溶液組
    成物を基板上に塗布し、400℃以上で焼成することを
    特徴とする酸化チタン薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】ポリアミノカルボン酸またはその塩と三塩
    化チタン水溶液を酸素の存在下で酸化しながら反応させ
    て得ることを特徴とするチタン錯体の合成法。
  9. 【請求項9】ポリアミノカルボン酸またはその塩と硫酸
    第二チタン水溶液を不活性ガス中で反応させて得ること
    を特徴とするチタン錯体の合成法。
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