JPH1084733A - コンバインの刈取部駆動装置 - Google Patents
コンバインの刈取部駆動装置Info
- Publication number
- JPH1084733A JPH1084733A JP26781096A JP26781096A JPH1084733A JP H1084733 A JPH1084733 A JP H1084733A JP 26781096 A JP26781096 A JP 26781096A JP 26781096 A JP26781096 A JP 26781096A JP H1084733 A JPH1084733 A JP H1084733A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- speed
- clutch
- transmission
- shaft
- driving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Harvester Elements (AREA)
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンバイン刈取部の駆動速度を、車速の全域
で車速に同調させることも一定低車速域で一定に維持す
ることもでき、エネルギー効率と作業能率を向上させる
駆動装置を提供する。 【解決手段】 走行駆動用の可逆転無段変速機46の出
力軸48により、一方向クラッチ57を介し車両前進時
にのみ回転駆動される刈取部駆動用の動力取出し回転体
34を、設けた。該回転体と一体回転する入力回転体3
5を設けて、この回転体にエンジン6から、人為操作さ
れるクラッチ43を介し入力伝動する構成とした。入力
回転体にエンジン側から与える一定回転速度を、高い値
に設定できる。
で車速に同調させることも一定低車速域で一定に維持す
ることもでき、エネルギー効率と作業能率を向上させる
駆動装置を提供する。 【解決手段】 走行駆動用の可逆転無段変速機46の出
力軸48により、一方向クラッチ57を介し車両前進時
にのみ回転駆動される刈取部駆動用の動力取出し回転体
34を、設けた。該回転体と一体回転する入力回転体3
5を設けて、この回転体にエンジン6から、人為操作さ
れるクラッチ43を介し入力伝動する構成とした。入力
回転体にエンジン側から与える一定回転速度を、高い値
に設定できる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明はコンバインの刈取
部駆動装置、特に走行駆動用の可逆転無段変速機の出力
軸から刈取部駆動力を取出すこととしてある刈取部駆動
装置、に関するものである。
部駆動装置、特に走行駆動用の可逆転無段変速機の出力
軸から刈取部駆動力を取出すこととしてある刈取部駆動
装置、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述タイプの刈取部駆動装置では、コン
バインによる収穫作業が車両の前進時にのみ行われるこ
とからして上記出力軸の車両前進方向への回転時にのみ
刈取部を駆動するように、一方向クラッチを用いてい
る。車速を無段に変更制御可能とする油圧伝動装置等の
可逆転無段変速機の出力軸から刈取部駆動力を取出すこ
ととすると、刈取部の駆動速度が車速と同調されて適正
な作業結果を得ることができる。
バインによる収穫作業が車両の前進時にのみ行われるこ
とからして上記出力軸の車両前進方向への回転時にのみ
刈取部を駆動するように、一方向クラッチを用いてい
る。車速を無段に変更制御可能とする油圧伝動装置等の
可逆転無段変速機の出力軸から刈取部駆動力を取出すこ
ととすると、刈取部の駆動速度が車速と同調されて適正
な作業結果を得ることができる。
【0003】しかし刈取部の駆動速度を常に車速と同調
させることとすると、不具合が生じる場合がある。すな
わち例えば圃場に植立する穀稈の倒伏度が大きい場合に
は車速を落して刈取作業が行われるが、その時には刈取
部における穀稈引起し装置の駆動回転数が低くなり過ぎ
て、同引起し装置の穀稈引起し能力が不足する場合が多
い。
させることとすると、不具合が生じる場合がある。すな
わち例えば圃場に植立する穀稈の倒伏度が大きい場合に
は車速を落して刈取作業が行われるが、その時には刈取
部における穀稈引起し装置の駆動回転数が低くなり過ぎ
て、同引起し装置の穀稈引起し能力が不足する場合が多
い。
【0004】このため既に例えば実公昭54−2035
5号公報に開示されているように、車速の低速域では刈
取部の駆動速度を車速と同調させることをせず或る一定
の低速度に維持することとした技術が、採用されてい
る。上記公報のものでは可逆転無段変速機の一例である
油圧伝動装置(HST)により車両の変速走行駆動を得
るコンバインにおいて、刈取部に伝動する刈取伝動軸を
HSTのモータ軸に対し、該モータ軸の車両前進方向へ
の回転時にのみ係合する一方向クラッチを介し連動連結
する一方、HSTのポンプ軸により刈取伝動軸を駆動す
る伝動径路を設けて、この伝動径路中に、モータ軸側か
らする刈取伝動軸の駆動回転数が設定回転数になる迄の
間は係合してポンプ軸の回転を刈取伝動軸に対し伝える
と共に上記一方向クラッチを空転させる他の一方向クラ
ッチであって、モータ軸側からする刈取伝動軸の駆動回
転数が上記設定回転数以上になると空転してポンプ軸か
らの駆動を断つ他の一方向クラッチを、挿入設置してい
る。したがって刈取部は車速の低速域ではHSTのポン
プ軸により一定の低速度で駆動され、車速が或る値まで
高められるとHSTのモータ軸により、車速に同調した
速度で駆動されることになる。上記した2個の一方向ク
ラッチは、走行駆動機構を内装するミッションケース内
に配置されている。
5号公報に開示されているように、車速の低速域では刈
取部の駆動速度を車速と同調させることをせず或る一定
の低速度に維持することとした技術が、採用されてい
る。上記公報のものでは可逆転無段変速機の一例である
油圧伝動装置(HST)により車両の変速走行駆動を得
るコンバインにおいて、刈取部に伝動する刈取伝動軸を
HSTのモータ軸に対し、該モータ軸の車両前進方向へ
の回転時にのみ係合する一方向クラッチを介し連動連結
する一方、HSTのポンプ軸により刈取伝動軸を駆動す
る伝動径路を設けて、この伝動径路中に、モータ軸側か
らする刈取伝動軸の駆動回転数が設定回転数になる迄の
間は係合してポンプ軸の回転を刈取伝動軸に対し伝える
と共に上記一方向クラッチを空転させる他の一方向クラ
ッチであって、モータ軸側からする刈取伝動軸の駆動回
転数が上記設定回転数以上になると空転してポンプ軸か
らの駆動を断つ他の一方向クラッチを、挿入設置してい
る。したがって刈取部は車速の低速域ではHSTのポン
プ軸により一定の低速度で駆動され、車速が或る値まで
高められるとHSTのモータ軸により、車速に同調した
速度で駆動されることになる。上記した2個の一方向ク
ラッチは、走行駆動機構を内装するミッションケース内
に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし車速の低速域で
は刈取部の駆動速度を自動的に一定の低速度に維持する
こととした上述従来例は、エネルギー効率及び作業能率
上で次のような問題点を有する。すなわちコンバインに
よる収穫作業の開始時には圃場の四辺の植立穀稈を、車
速を低速とした状態で慎重に刈取って行くが、上記従来
例によればその場合の刈取部駆動速度が車速に見合った
低速ではなく或る一定低速度であることからして、刈取
部駆動のために余分のエネルギーが消費されることにな
る。したがって従来のものではエネルギー効率の点から
車速低速域で得る刈取部の一定低速度を比較的高い速度
に設定し得ないことになるが、そのような速度設定を行
うと作業能率上で不利となる。すなわち収穫作業中に倒
伏穀稈に出会った場合、車両の走行速度はあまり低める
ことなく刈取部を比較的高速で駆動することで穀稈倒伏
に対処するのが作業能率上で有利であるのに対し、従来
のものによればそのような対処が困難である。また従来
のものは路上走行時に与えるような比較的高速でコンバ
インを走行させつつ収穫作業を進めるようなことは予定
しておらず、車速の上昇に対する刈取部駆動速度の上昇
割合を比較的小さく設定しているが、刈取穀稈が麦のよ
うに穂離れがよく脱穀負荷が小さいものであれば車速を
大として作業能率の向上を図るのが望ましく、車速の上
昇に見合った程度に刈取部駆動速度を上昇させ得るのが
望ましいことになる。
は刈取部の駆動速度を自動的に一定の低速度に維持する
こととした上述従来例は、エネルギー効率及び作業能率
上で次のような問題点を有する。すなわちコンバインに
よる収穫作業の開始時には圃場の四辺の植立穀稈を、車
速を低速とした状態で慎重に刈取って行くが、上記従来
例によればその場合の刈取部駆動速度が車速に見合った
低速ではなく或る一定低速度であることからして、刈取
部駆動のために余分のエネルギーが消費されることにな
る。したがって従来のものではエネルギー効率の点から
車速低速域で得る刈取部の一定低速度を比較的高い速度
に設定し得ないことになるが、そのような速度設定を行
うと作業能率上で不利となる。すなわち収穫作業中に倒
伏穀稈に出会った場合、車両の走行速度はあまり低める
ことなく刈取部を比較的高速で駆動することで穀稈倒伏
に対処するのが作業能率上で有利であるのに対し、従来
のものによればそのような対処が困難である。また従来
のものは路上走行時に与えるような比較的高速でコンバ
インを走行させつつ収穫作業を進めるようなことは予定
しておらず、車速の上昇に対する刈取部駆動速度の上昇
割合を比較的小さく設定しているが、刈取穀稈が麦のよ
うに穂離れがよく脱穀負荷が小さいものであれば車速を
大として作業能率の向上を図るのが望ましく、車速の上
昇に見合った程度に刈取部駆動速度を上昇させ得るのが
望ましいことになる。
【0006】一方向クラッチに関しても、問題がある。
すなわち刈取部の駆動機構中に設けられた一方向クラッ
チは刈取部、特に刈刃、から作用する負荷変動の影響を
受けて損傷を生じ易く、消耗品として定期的な交換を余
儀なくされるが、そのような一方向クラッチを2個設け
た従来のものはこの点で経済的に不利である。この不具
合は従来例が前述のように2個の一方向クラッチをミッ
ションケース内に配置していて、その交換のためにはミ
ッションケースの分解を必要とすることから一層甚だし
い。
すなわち刈取部の駆動機構中に設けられた一方向クラッ
チは刈取部、特に刈刃、から作用する負荷変動の影響を
受けて損傷を生じ易く、消耗品として定期的な交換を余
儀なくされるが、そのような一方向クラッチを2個設け
た従来のものはこの点で経済的に不利である。この不具
合は従来例が前述のように2個の一方向クラッチをミッ
ションケース内に配置していて、その交換のためにはミ
ッションケースの分解を必要とすることから一層甚だし
い。
【0007】したがってこの発明の主たる目的とすると
ころは刈取部の駆動速度を、車速の全域で該車速に同調
させることもできれば車速の一定低速域で一定に維持す
ることもでき、しかも一定に維持する刈取部駆動速度を
比較的高く設定しても問題を生ぜず、さらに一方向クラ
ッチが1個で足りる、コンバインの新規な刈取部駆動装
置を提供することにある。
ころは刈取部の駆動速度を、車速の全域で該車速に同調
させることもできれば車速の一定低速域で一定に維持す
ることもでき、しかも一定に維持する刈取部駆動速度を
比較的高く設定しても問題を生ぜず、さらに一方向クラ
ッチが1個で足りる、コンバインの新規な刈取部駆動装
置を提供することにある。
【0008】付随する目的は、一方向クラッチの交換を
簡単に行えると共に構造を簡素としてある刈取部駆動装
置を、提供するにある。
簡単に行えると共に構造を簡素としてある刈取部駆動装
置を、提供するにある。
【0009】
【発明の要約】そのためにこの発明は、走行駆動用の可
逆転無段変速機46の出力軸48に対し、該出力軸の車
両前進方向への回転時にのみ係合する一方向クラッチ5
7を介して連動連結された刈取部駆動用の動力取出し回
転体34を設けてあるコンバインの刈取部駆動装置にお
いて、上記動力取出し回転体34と一体回転する入力回
転体35を設けて、この入力回転体をエンジン6に対
し、人為操作により係脱されるクラッチ43を介して連
動連結した。人為操作されるクラッチはベルトテンショ
ン式、電磁式、その他の各種のものを用いることができ
る。また可逆転無段変速機として後述する実施例では油
圧伝動装置を用いているが、例えば実公昭49−260
37号公報、特開昭56−18150号公報、特開昭5
9−190556号公報等から周知である摩擦機械式等
の他の可逆転無段変速機を用いることもできる。
逆転無段変速機46の出力軸48に対し、該出力軸の車
両前進方向への回転時にのみ係合する一方向クラッチ5
7を介して連動連結された刈取部駆動用の動力取出し回
転体34を設けてあるコンバインの刈取部駆動装置にお
いて、上記動力取出し回転体34と一体回転する入力回
転体35を設けて、この入力回転体をエンジン6に対
し、人為操作により係脱されるクラッチ43を介して連
動連結した。人為操作されるクラッチはベルトテンショ
ン式、電磁式、その他の各種のものを用いることができ
る。また可逆転無段変速機として後述する実施例では油
圧伝動装置を用いているが、例えば実公昭49−260
37号公報、特開昭56−18150号公報、特開昭5
9−190556号公報等から周知である摩擦機械式等
の他の可逆転無段変速機を用いることもできる。
【0010】この発明によれば収穫作業中に、上記クラ
ッチ43を切った状態では動力取出し回転体34が走行
駆動用の可逆転無段変速機46により回転駆動されるこ
とになるから、刈取部の駆動速度を車速の全速度域で該
車速に同調させることができる。また同クラッチ43を
入れるとエンジン6側からの駆動により入力回転体35
が一定速度で回転駆動され、その回転がそのまま動力取
出し回転体34に伝えられることとなるが、可逆転無段
変速機46側からする動力取出し回転体34の駆動回転
速度がエンジン6側からの入力回転体35及び動力取出
し回転体34の駆動回転速度よりも低い範囲内では、一
方向クラッチ57が空転して入力回転体35から無段変
速機出力軸48側への逆伝動は行われないことになるか
ら、車速の或る低速範囲内で刈取部に、車速に同調した
速度よりも高い駆動速度を与えることができる。
ッチ43を切った状態では動力取出し回転体34が走行
駆動用の可逆転無段変速機46により回転駆動されるこ
とになるから、刈取部の駆動速度を車速の全速度域で該
車速に同調させることができる。また同クラッチ43を
入れるとエンジン6側からの駆動により入力回転体35
が一定速度で回転駆動され、その回転がそのまま動力取
出し回転体34に伝えられることとなるが、可逆転無段
変速機46側からする動力取出し回転体34の駆動回転
速度がエンジン6側からの入力回転体35及び動力取出
し回転体34の駆動回転速度よりも低い範囲内では、一
方向クラッチ57が空転して入力回転体35から無段変
速機出力軸48側への逆伝動は行われないことになるか
ら、車速の或る低速範囲内で刈取部に、車速に同調した
速度よりも高い駆動速度を与えることができる。
【0011】上述のようにクラッチ43を切った状態と
して刈取部の駆動速度を車速の全速度域で該車速に同調
させることができるから、収穫作業の初期段階で圃場の
4辺の植立穀稈を刈取って行く場合、クラッチ43を切
り状態に維持して刈取部の駆動速度を車速に見合った低
速とでき、刈取部を必要以上に高速で駆動することから
する余分のエネルギー消費を回避することができる。こ
のためクラッチ43を入れた状態でエンジン6側から入
力回転体35に与える一定回転速度を比較的高い値に設
定しても、エネルギー効率上での問題は何も生じないこ
とになる。
して刈取部の駆動速度を車速の全速度域で該車速に同調
させることができるから、収穫作業の初期段階で圃場の
4辺の植立穀稈を刈取って行く場合、クラッチ43を切
り状態に維持して刈取部の駆動速度を車速に見合った低
速とでき、刈取部を必要以上に高速で駆動することから
する余分のエネルギー消費を回避することができる。こ
のためクラッチ43を入れた状態でエンジン6側から入
力回転体35に与える一定回転速度を比較的高い値に設
定しても、エネルギー効率上での問題は何も生じないこ
とになる。
【0012】したがってエンジン側から入力回転体35
に与える一定回転速度を比較的高い値に設定して、作業
能率の向上を図り得る。すなわち例えば収穫作業中に倒
伏穀稈に出会った場合、エンストを回避しつつ穀稈の円
滑かつ完全な引起しを図るため車速を低めるが、その場
合に刈取部は、クラッチ43を入れることにより車速に
同調した速度よりも高い一定駆動速度で駆動でき、これ
により刈取部の穀稈引起し装置による円滑かつ完全な引
起しを達成できる。逆に言えば穀稈の倒伏度に応じ、倒
伏度大な場合には車速をより低め倒伏度小な場合には車
速の減速を小幅に留めつつ、刈取部の比較的高い定速駆
動により倒伏穀稈の完全な引起しを得て作業を進めるこ
とができ、車速の減速を必要最小限に留めて作業能率を
向上させ得る。
に与える一定回転速度を比較的高い値に設定して、作業
能率の向上を図り得る。すなわち例えば収穫作業中に倒
伏穀稈に出会った場合、エンストを回避しつつ穀稈の円
滑かつ完全な引起しを図るため車速を低めるが、その場
合に刈取部は、クラッチ43を入れることにより車速に
同調した速度よりも高い一定駆動速度で駆動でき、これ
により刈取部の穀稈引起し装置による円滑かつ完全な引
起しを達成できる。逆に言えば穀稈の倒伏度に応じ、倒
伏度大な場合には車速をより低め倒伏度小な場合には車
速の減速を小幅に留めつつ、刈取部の比較的高い定速駆
動により倒伏穀稈の完全な引起しを得て作業を進めるこ
とができ、車速の減速を必要最小限に留めて作業能率を
向上させ得る。
【0013】収穫対象が麦とか特定品種のイネのように
穂離れがよくて脱穀負荷が小さく、脱穀部に対する刈取
穀稈の供給割合を比較的大としても差支えない場合に
は、収穫作業の最初からクラッチ34を入れて刈取部を
最初から比較的高い駆動速度で駆動できることになる。
その場合にも車速は、最適した比較的高速に制御し維持
できる。
穂離れがよくて脱穀負荷が小さく、脱穀部に対する刈取
穀稈の供給割合を比較的大としても差支えない場合に
は、収穫作業の最初からクラッチ34を入れて刈取部を
最初から比較的高い駆動速度で駆動できることになる。
その場合にも車速は、最適した比較的高速に制御し維持
できる。
【0014】この発明の刈取部駆動装置はまた、刈取部
からの負荷変動の影響を受けて損傷を生じ易い一方向ク
ラッチを、前述従来例のように2個ではなく1個(5
7)のみ用いているから、経済上で有利なものとなって
いる。
からの負荷変動の影響を受けて損傷を生じ易い一方向ク
ラッチを、前述従来例のように2個ではなく1個(5
7)のみ用いているから、経済上で有利なものとなって
いる。
【0015】この発明はまた、前記出力軸48により回
転駆動される回転軸33を、走行駆動機構を内装するミ
ッションケース26内から該ケース外に突出させて設
け、前記動力取出し回転体34と前記入力回転体35を
互いに一体に形成して、前記一方向クラッチ57と該両
回転体34,35を上記回転軸33の突出端部上に、取
外し可能に設置することも、提案するものである(請求
項2)。
転駆動される回転軸33を、走行駆動機構を内装するミ
ッションケース26内から該ケース外に突出させて設
け、前記動力取出し回転体34と前記入力回転体35を
互いに一体に形成して、前記一方向クラッチ57と該両
回転体34,35を上記回転軸33の突出端部上に、取
外し可能に設置することも、提案するものである(請求
項2)。
【0016】本構造によると一方向クラッチ57の交換
を、ミッションケース26を分解することなく該ケース
外で回転軸33から取外し新たな一方向クラッチに置換
えることで行えることになり、一方向クラッチの交換が
簡単となる。動力取出し回転体34と入力回転体35と
を一体化したことにより、一体回転させる該両回転体に
ついての構造が簡素化されると共にその取扱いも容易と
なる。
を、ミッションケース26を分解することなく該ケース
外で回転軸33から取外し新たな一方向クラッチに置換
えることで行えることになり、一方向クラッチの交換が
簡単となる。動力取出し回転体34と入力回転体35と
を一体化したことにより、一体回転させる該両回転体に
ついての構造が簡素化されると共にその取扱いも容易と
なる。
【0017】上記両回転体34,35と入力回転体35
に対する伝動構造及び前記クラッチ43の構造を簡素化
する上では、両回転体34,35を互いに一体化したプ
ーリに構成する一方、クラッチ43を、ベルトテンショ
ン式のものに構成する(請求項3)。
に対する伝動構造及び前記クラッチ43の構造を簡素化
する上では、両回転体34,35を互いに一体化したプ
ーリに構成する一方、クラッチ43を、ベルトテンショ
ン式のものに構成する(請求項3)。
【0018】前述したところから明らかなようにこの発
明の刈取部駆動装置は、刈取部を車速に同調した速度で
駆動している状態において刈取部の駆動速度が低く過ぎ
ると判断された場合に、前記クラッチ43を入れエンジ
ン側からの直接駆動により刈取部駆動速度を、車速とは
無関係なより高い一定速度へと高めるように使用でき
る。このような使用態様に適合したクラッチ操作機構と
してこの発明は、前記クラッチ43を係脱操作するため
のペダル15を、戻しスプリング15aによりクラッチ
切り方向に付勢して設けることも、提案するものである
(請求項4)。本構造によると刈取状況を確認しながら
作業を進める作業者が、必要或いは望ましいと判断した
時のみにペダル15を踏込み操作し刈取部駆動速度を一
定速度へと、容易に高め得る。
明の刈取部駆動装置は、刈取部を車速に同調した速度で
駆動している状態において刈取部の駆動速度が低く過ぎ
ると判断された場合に、前記クラッチ43を入れエンジ
ン側からの直接駆動により刈取部駆動速度を、車速とは
無関係なより高い一定速度へと高めるように使用でき
る。このような使用態様に適合したクラッチ操作機構と
してこの発明は、前記クラッチ43を係脱操作するため
のペダル15を、戻しスプリング15aによりクラッチ
切り方向に付勢して設けることも、提案するものである
(請求項4)。本構造によると刈取状況を確認しながら
作業を進める作業者が、必要或いは望ましいと判断した
時のみにペダル15を踏込み操作し刈取部駆動速度を一
定速度へと、容易に高め得る。
【0019】この発明の他の特徴と長所は、添付図面を
参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0020】
【実施例】図2は、本発明に係る刈取部駆動装置の実施
例を装備したコンバインを示している。図示コンバイン
は通例のように左右のクローラ1により走行駆動され、
機体前方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀
稈について、株元部を挟持して後方に搬送する搬送チェ
ーン3により扱胴4aを備える脱穀部4へと供給して脱
穀し、穀粒は機体上の穀粒タンク(図示せず)に収納
し、排わらは機体後方のカッター装置等の排わら処理装
置5により処理するものとされている。エンジン6は機
体中寄りに設置され、該エンジン6からカウンタケース
7内を介し入力伝動を受けるトランスミッション8が、
エンジン6の前下方位置に配置されている。エンジン6
の上前方側に座席9を備える操縦部10が配置されてい
る。この操縦部10は車両操向用のステアリングホイー
ル11、車速制御用の主変速レバー12及び副変速レバ
ー13、駐車ブレーキレバー14、それぞれ後述する機
能の刈取部駆動切替えペダル15及び刈取クラッチレバ
ー16等を備える。図において17はクローラ駆動輪1
8を装備する車軸、19は穀粒搬出用の揚穀装置であ
る。
例を装備したコンバインを示している。図示コンバイン
は通例のように左右のクローラ1により走行駆動され、
機体前方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀
稈について、株元部を挟持して後方に搬送する搬送チェ
ーン3により扱胴4aを備える脱穀部4へと供給して脱
穀し、穀粒は機体上の穀粒タンク(図示せず)に収納
し、排わらは機体後方のカッター装置等の排わら処理装
置5により処理するものとされている。エンジン6は機
体中寄りに設置され、該エンジン6からカウンタケース
7内を介し入力伝動を受けるトランスミッション8が、
エンジン6の前下方位置に配置されている。エンジン6
の上前方側に座席9を備える操縦部10が配置されてい
る。この操縦部10は車両操向用のステアリングホイー
ル11、車速制御用の主変速レバー12及び副変速レバ
ー13、駐車ブレーキレバー14、それぞれ後述する機
能の刈取部駆動切替えペダル15及び刈取クラッチレバ
ー16等を備える。図において17はクローラ駆動輪1
8を装備する車軸、19は穀粒搬出用の揚穀装置であ
る。
【0021】同様に図2に示すように刈取部2は、最前
方に位置していて植立穀稈を分草する分草体20、植立
穀稈について引起しを行う穀稈引起し装置21、植立穀
稈を株元で刈取る刈刃22、刈取穀稈を株元部で機体一
側方向に搬送する横搬送帯23、刈取穀稈を株元部で斜
め上方向きに搬送して搬送チェーン3に引渡す縦搬送帯
24等を備える。刈取部2の穀稈引起し装置21、刈刃
22、横搬送体23及び縦搬送帯24はトランスミッシ
ョン8から伝動を受ける刈取駆動ケース25内を介して
駆動される。搬送チェーン3も刈取駆動ケース25内か
ら伝動を受けて駆動され、また脱穀部4の駆動はカウン
タケース7内からの伝動によって行われる。
方に位置していて植立穀稈を分草する分草体20、植立
穀稈について引起しを行う穀稈引起し装置21、植立穀
稈を株元で刈取る刈刃22、刈取穀稈を株元部で機体一
側方向に搬送する横搬送帯23、刈取穀稈を株元部で斜
め上方向きに搬送して搬送チェーン3に引渡す縦搬送帯
24等を備える。刈取部2の穀稈引起し装置21、刈刃
22、横搬送体23及び縦搬送帯24はトランスミッシ
ョン8から伝動を受ける刈取駆動ケース25内を介して
駆動される。搬送チェーン3も刈取駆動ケース25内か
ら伝動を受けて駆動され、また脱穀部4の駆動はカウン
タケース7内からの伝動によって行われる。
【0022】図3,4に示すようにトランスミッション
8は2つ割り構造のミッションケース26を備えてい
て、このミッションケース26の下方部両側面に左右の
アクスルハウジング27を連設してある。ミッションケ
ース26の上端には細幅の突出ケース部26aが設けら
れ、この突出ケース部26aの一側面に該ケース部26
aの上方にまで延出する厚手のプレート28を装着し、
該プレート28の一側面と他側面にそれぞれ、ハウジン
グ29,30を装着してある。ハウジング29から突出
させたトランスミッション入力軸31を設けて、この入
力軸31上に入力プーリ32を固定設置してある。また
ミッションケース26の突出ケース部26aから同方向
に突出させた回転軸33を設けて、この回転軸33上に
互いに一体形成してある2個のプーリ34,35を、後
述する態様で設置してある。
8は2つ割り構造のミッションケース26を備えてい
て、このミッションケース26の下方部両側面に左右の
アクスルハウジング27を連設してある。ミッションケ
ース26の上端には細幅の突出ケース部26aが設けら
れ、この突出ケース部26aの一側面に該ケース部26
aの上方にまで延出する厚手のプレート28を装着し、
該プレート28の一側面と他側面にそれぞれ、ハウジン
グ29,30を装着してある。ハウジング29から突出
させたトランスミッション入力軸31を設けて、この入
力軸31上に入力プーリ32を固定設置してある。また
ミッションケース26の突出ケース部26aから同方向
に突出させた回転軸33を設けて、この回転軸33上に
互いに一体形成してある2個のプーリ34,35を、後
述する態様で設置してある。
【0023】図1,4に示すようにカウンタケース7は
エンジン6のクランク軸6aによりカルダン軸36を介
し駆動される入力軸7aを備え、入力軸7a反対向きに
突出させてある出力軸7b上には2個の出力プーリ3
7,38を固定設置してある。また刈取駆動ケース25
は横向きに突出する入力軸25aを備え、この入力軸2
5a上に入力プーリ39を固定設置してある。カウンタ
ケース出力軸7b上の出力プーリ37とトランスミッシ
ョン入力軸31上の入力プーリ32間にはベルト40を
巻回してあり、カウンタケース出力軸7b上のプーリ3
8と回転軸33上のプーリ35間にはベルト41を巻回
してあり、回転軸33上のプーリ34と刈取駆動ケース
入力軸25a上の入力プーリ37間にはベルト42を巻
回してある。ベルト41には該ベルトを緊張・弛緩させ
て動力伝動を入断するベルトテンション式のクラッチ4
3を配設してあり、このクラッチ43は図2について前
述した刈取部駆動切替えペダル15により係脱操作され
る。またベルト42にも該ベルトを緊張・弛緩させて動
力伝動を入断するベルトテンション式のクラッチ44を
配設してあり、このクラッチ44は図2について前述し
た刈取クラッチレバー16により係脱操作される。
エンジン6のクランク軸6aによりカルダン軸36を介
し駆動される入力軸7aを備え、入力軸7a反対向きに
突出させてある出力軸7b上には2個の出力プーリ3
7,38を固定設置してある。また刈取駆動ケース25
は横向きに突出する入力軸25aを備え、この入力軸2
5a上に入力プーリ39を固定設置してある。カウンタ
ケース出力軸7b上の出力プーリ37とトランスミッシ
ョン入力軸31上の入力プーリ32間にはベルト40を
巻回してあり、カウンタケース出力軸7b上のプーリ3
8と回転軸33上のプーリ35間にはベルト41を巻回
してあり、回転軸33上のプーリ34と刈取駆動ケース
入力軸25a上の入力プーリ37間にはベルト42を巻
回してある。ベルト41には該ベルトを緊張・弛緩させ
て動力伝動を入断するベルトテンション式のクラッチ4
3を配設してあり、このクラッチ43は図2について前
述した刈取部駆動切替えペダル15により係脱操作され
る。またベルト42にも該ベルトを緊張・弛緩させて動
力伝動を入断するベルトテンション式のクラッチ44を
配設してあり、このクラッチ44は図2について前述し
た刈取クラッチレバー16により係脱操作される。
【0024】図1に示すように入力軸31をそれぞれポ
ンプ軸とする第1の油圧伝動装置46及び第2の油圧伝
動装置47を、設けてある。各油圧伝動装置46,47
は通例のように可変容積形の油圧ポンプ46P,47P
と定容積形の油圧モータ46M,47Mとを1対の油給
排回路で接続してなるが、第1の油圧伝動装置46は走
行駆動用の無段変速機として用いられており、そのポン
プ斜板46aは図2について前述した主変速レバー12
によって傾角を変更制御され、また出力軸48は図2に
ついて前述した副変速レバー13によってシフト操作さ
れる機械式の副変速装置49を介し、左右の車軸17を
駆動するための主走行駆動軸50へと接続されている。
第2の油圧伝動装置47はそのポンプ斜板47aの傾角
を、図2について前述したステアリングホイール11に
より変更制御することとして、後述する態様で車両操向
のために用いるものとされている。
ンプ軸とする第1の油圧伝動装置46及び第2の油圧伝
動装置47を、設けてある。各油圧伝動装置46,47
は通例のように可変容積形の油圧ポンプ46P,47P
と定容積形の油圧モータ46M,47Mとを1対の油給
排回路で接続してなるが、第1の油圧伝動装置46は走
行駆動用の無段変速機として用いられており、そのポン
プ斜板46aは図2について前述した主変速レバー12
によって傾角を変更制御され、また出力軸48は図2に
ついて前述した副変速レバー13によってシフト操作さ
れる機械式の副変速装置49を介し、左右の車軸17を
駆動するための主走行駆動軸50へと接続されている。
第2の油圧伝動装置47はそのポンプ斜板47aの傾角
を、図2について前述したステアリングホイール11に
より変更制御することとして、後述する態様で車両操向
のために用いるものとされている。
【0025】図5,6に示すように上記油圧ポンプ46
Pはプレート28の一面上でハウジング29内に設置さ
れ、油圧ポンプ47Pは油圧ポンプ46Pと同心配置し
てプレート28の他面上でハウジング30内に設置され
ている。油圧モータ46M,47Mもプレート28上で
ハウジング30内に設置され、上記出力軸48はミッシ
ョンケース26内に、突出ケース部26aの下端付近で
突入させてある。第2の油圧伝動装置47の出力軸51
も、第1の油圧伝動装置46の出力軸48と前後に位置
をずらした配置でミッションケース26内に突入させて
ある。
Pはプレート28の一面上でハウジング29内に設置さ
れ、油圧ポンプ47Pは油圧ポンプ46Pと同心配置し
てプレート28の他面上でハウジング30内に設置され
ている。油圧モータ46M,47Mもプレート28上で
ハウジング30内に設置され、上記出力軸48はミッシ
ョンケース26内に、突出ケース部26aの下端付近で
突入させてある。第2の油圧伝動装置47の出力軸51
も、第1の油圧伝動装置46の出力軸48と前後に位置
をずらした配置でミッションケース26内に突入させて
ある。
【0026】刈取部駆動力は車両走行駆動用の第1の油
圧伝動装置46の出力軸48から取出す一方、カウンタ
ケース7の出力軸7bからも取出せることとされてい
る。すなわち図1及び図5,6に示すように前者の出力
軸48にミッションケース26内で嵌着した歯車53に
噛合う歯車54を、ミッションケース26の突出ケース
部26a内で前記回転軸33に嵌着してある。そして該
回転軸33を前述したように、突出ケース部26a外へ
と突出させると共にその突出端部上に一体的な2個の前
記プーリ34,35を設置している。そして図5,6に
明瞭に示すようにプーリ34,35を1対のボールベア
リング55,56を介し回転軸33に回転自在に支承さ
せる一方、該両ボールベアリング55,56間で回転軸
33とプーリ34,35との間に一方向クラッチ57を
配設している。この一方向クラッチ57は図7に示すよ
うに、回転軸33に対しキー58により相対回転不能に
係合させる内輪57a、プーリ34,35のボス部に対
しキー59により相対回転不能に係合させる外輪57
b、及び内輪57aと外輪57b間にリテーナリング5
7cにより保持させて配置してある多数の係合子57d
を備え、車両前進方向に対応する矢印F方向への回転軸
33の回転時にのみ係合して該回転軸33の回転をプー
リ34に対し伝達するものとされている。したがって第
1の油圧伝動装置46の出力軸48の車両前進方向への
回転は歯車53,54、回転軸33及び一方向クラッチ
57を介してプーリ34へと伝達され、またカウンタケ
ース7の出力軸7bの回転はクラッチ43が入れられる
とプーリ38,35及びベルト41を介してプーリ34
へと伝達される。刈取クラッチとして機能するクラッチ
44の入り状態でプーリ34の回転は、刈取駆動ケース
25の入力軸25aに対しベルト42及びプーリ39を
介して伝達される。より詳細な作用は、後で説明する。
圧伝動装置46の出力軸48から取出す一方、カウンタ
ケース7の出力軸7bからも取出せることとされてい
る。すなわち図1及び図5,6に示すように前者の出力
軸48にミッションケース26内で嵌着した歯車53に
噛合う歯車54を、ミッションケース26の突出ケース
部26a内で前記回転軸33に嵌着してある。そして該
回転軸33を前述したように、突出ケース部26a外へ
と突出させると共にその突出端部上に一体的な2個の前
記プーリ34,35を設置している。そして図5,6に
明瞭に示すようにプーリ34,35を1対のボールベア
リング55,56を介し回転軸33に回転自在に支承さ
せる一方、該両ボールベアリング55,56間で回転軸
33とプーリ34,35との間に一方向クラッチ57を
配設している。この一方向クラッチ57は図7に示すよ
うに、回転軸33に対しキー58により相対回転不能に
係合させる内輪57a、プーリ34,35のボス部に対
しキー59により相対回転不能に係合させる外輪57
b、及び内輪57aと外輪57b間にリテーナリング5
7cにより保持させて配置してある多数の係合子57d
を備え、車両前進方向に対応する矢印F方向への回転軸
33の回転時にのみ係合して該回転軸33の回転をプー
リ34に対し伝達するものとされている。したがって第
1の油圧伝動装置46の出力軸48の車両前進方向への
回転は歯車53,54、回転軸33及び一方向クラッチ
57を介してプーリ34へと伝達され、またカウンタケ
ース7の出力軸7bの回転はクラッチ43が入れられる
とプーリ38,35及びベルト41を介してプーリ34
へと伝達される。刈取クラッチとして機能するクラッチ
44の入り状態でプーリ34の回転は、刈取駆動ケース
25の入力軸25aに対しベルト42及びプーリ39を
介して伝達される。より詳細な作用は、後で説明する。
【0027】プーリ34,35と一方向クラッチ57は
回転軸33の突出端部上に、取外し可能に設置してあ
る。すなわち図6に明瞭に示すように、一体化された両
プーリ34,35はケース状のものに形成されていて、
一方向クラッチ57は該プーリ34,35内で前記両ボ
ールベアリング55,56間で挟持されている。そして
外側のボールベアリング56の内輪端面に当接する止め
輪60を回転軸33の外周面上に、また同ベアリング5
6の外輪端面に当接する他の止め輪61をプーリ34,
35の内周面上に、それぞれ装着して、プーリ34,3
5と一方向クラッチ57及びボールベアリング55,5
6の回転軸33上からの抜止めを行ってある。一体的な
プーリ34,35の外端面にはカバー板62を、ボルト
63を用いて装着してある。したがってボルト63を取
外しカバー板62を外した上で、止め輪60を回転軸3
3から取外せばプーリ34,35と一方向クラッチ57
及びボールベアリング55,56の全体を回転軸33上
から取外せ、さらに止め輪61をプーリ34,35から
取外せば該プーリ34,35、各ベアリング55,56
及び一方向クラッチ57を互いに分離できる。
回転軸33の突出端部上に、取外し可能に設置してあ
る。すなわち図6に明瞭に示すように、一体化された両
プーリ34,35はケース状のものに形成されていて、
一方向クラッチ57は該プーリ34,35内で前記両ボ
ールベアリング55,56間で挟持されている。そして
外側のボールベアリング56の内輪端面に当接する止め
輪60を回転軸33の外周面上に、また同ベアリング5
6の外輪端面に当接する他の止め輪61をプーリ34,
35の内周面上に、それぞれ装着して、プーリ34,3
5と一方向クラッチ57及びボールベアリング55,5
6の回転軸33上からの抜止めを行ってある。一体的な
プーリ34,35の外端面にはカバー板62を、ボルト
63を用いて装着してある。したがってボルト63を取
外しカバー板62を外した上で、止め輪60を回転軸3
3から取外せばプーリ34,35と一方向クラッチ57
及びボールベアリング55,56の全体を回転軸33上
から取外せ、さらに止め輪61をプーリ34,35から
取外せば該プーリ34,35、各ベアリング55,56
及び一方向クラッチ57を互いに分離できる。
【0028】ミッションケース26内に設けられた走行
駆動機構の構造を説明すると、先ず前記主走行駆動軸5
0は図1,5に示すように、該駆動軸50と同心配置さ
れた左右の走行駆動軸65L,65Rに対し、左右の遊
星歯車減速装置66L,66Rを介して出力伝動するも
のとされている。左右の各走行駆動軸65L,65Rは
左右の各車軸17に対し、歯車67,68減速機構を介
し出力伝動する。左右の各遊星歯車減速装置66L,6
6Rは太陽歯車69を主走行駆動軸50に一体形成する
と共に、遊星キャリア70を各走行駆動軸65L,65
Rに固定支持させ、また内歯車71を左右の各走行駆動
軸65L,65R上で回転可能に支持して、遊星キャリ
ア70に遊転自在に支持させた複数遊星歯車72を、太
陽歯車69及び内歯車71に対し噛合せてあるものに、
構成されている。左右の各内歯車71には、該内歯車7
1と一体回転する歯車73を付設してある。
駆動機構の構造を説明すると、先ず前記主走行駆動軸5
0は図1,5に示すように、該駆動軸50と同心配置さ
れた左右の走行駆動軸65L,65Rに対し、左右の遊
星歯車減速装置66L,66Rを介して出力伝動するも
のとされている。左右の各走行駆動軸65L,65Rは
左右の各車軸17に対し、歯車67,68減速機構を介
し出力伝動する。左右の各遊星歯車減速装置66L,6
6Rは太陽歯車69を主走行駆動軸50に一体形成する
と共に、遊星キャリア70を各走行駆動軸65L,65
Rに固定支持させ、また内歯車71を左右の各走行駆動
軸65L,65R上で回転可能に支持して、遊星キャリ
ア70に遊転自在に支持させた複数遊星歯車72を、太
陽歯車69及び内歯車71に対し噛合せてあるものに、
構成されている。左右の各内歯車71には、該内歯車7
1と一体回転する歯車73を付設してある。
【0029】第1の油圧伝動装置46の出力軸48と主
走行駆動軸50間は、前記副変速装置49を含む伝動機
構によって接続されている。すなわち図1,6に示すよ
うに、出力軸48上の前記歯車53と噛合された歯車7
4を嵌着され出力軸48によって回転駆動される伝動軸
75、この伝動軸75によって歯車76,77の噛合い
回転により回転駆動される伝動軸78、及びこの伝動軸
78により副変速装置49を介し変速回転駆動される副
変速軸79を、出力軸48及び主走行駆動軸50と平行
配置してミッションケース26内に設けてある。副変速
装置49は伝動軸78上に遊嵌設置した3個の歯車8
0,81,82と副変速軸79上に固定設置した3個の
歯車83,84,85とをそれぞれ互いに噛合せ、伝動
軸78上に、図2に図示の前記副変速レバー13により
シフト操作される2個のクラッチ金物86,87を設け
て、クラッチ金物86により歯車80を、またクラッチ
金物87により歯車81或いは82を、それぞれ択一的
に伝動軸78へと結合して、副変速軸79に3段の変速
回転を得させるものに構成されている。伝動軸78に対
する歯車80の結合によっては高速変速段(路上走行変
速段)、歯車81の結合によっては中速変速段(乾田作
業時変速段)、歯車82の結合によっては低速変速段
(湿田作業時変速段)が、それぞれ得られる。
走行駆動軸50間は、前記副変速装置49を含む伝動機
構によって接続されている。すなわち図1,6に示すよ
うに、出力軸48上の前記歯車53と噛合された歯車7
4を嵌着され出力軸48によって回転駆動される伝動軸
75、この伝動軸75によって歯車76,77の噛合い
回転により回転駆動される伝動軸78、及びこの伝動軸
78により副変速装置49を介し変速回転駆動される副
変速軸79を、出力軸48及び主走行駆動軸50と平行
配置してミッションケース26内に設けてある。副変速
装置49は伝動軸78上に遊嵌設置した3個の歯車8
0,81,82と副変速軸79上に固定設置した3個の
歯車83,84,85とをそれぞれ互いに噛合せ、伝動
軸78上に、図2に図示の前記副変速レバー13により
シフト操作される2個のクラッチ金物86,87を設け
て、クラッチ金物86により歯車80を、またクラッチ
金物87により歯車81或いは82を、それぞれ択一的
に伝動軸78へと結合して、副変速軸79に3段の変速
回転を得させるものに構成されている。伝動軸78に対
する歯車80の結合によっては高速変速段(路上走行変
速段)、歯車81の結合によっては中速変速段(乾田作
業時変速段)、歯車82の結合によっては低速変速段
(湿田作業時変速段)が、それぞれ得られる。
【0030】副変速軸79上の最大径の歯車85を主走
行駆動軸50上に固定設置した歯車88と噛合せて、出
力軸48から主走行駆動軸50に至る伝動径路が完成さ
れている。副変速軸79の一端部には、図2に図示の前
記駐車ブレーキレバー14によって操作される駐車ブレ
ーキ89を配設してある。なお第1の油圧伝動装置46
の出力軸48には、図2に示す主変速レバー12が中立
位置に置かれていると出力軸48を制動することとする
ブレーキ105を、付設してある。
行駆動軸50上に固定設置した歯車88と噛合せて、出
力軸48から主走行駆動軸50に至る伝動径路が完成さ
れている。副変速軸79の一端部には、図2に図示の前
記駐車ブレーキレバー14によって操作される駐車ブレ
ーキ89を配設してある。なお第1の油圧伝動装置46
の出力軸48には、図2に示す主変速レバー12が中立
位置に置かれていると出力軸48を制動することとする
ブレーキ105を、付設してある。
【0031】図1に図示の第2の油圧伝動装置47は、
前述したように車両操向のために用いられる。そのため
には該油圧伝動装置47の出力軸51と左右の前記遊星
歯車減速装置66L,66Rの内歯車71間に、左右の
内歯車71に対し互いに逆方向の付加回転を与えるため
の付加回転伝達装置90を設けてある。
前述したように車両操向のために用いられる。そのため
には該油圧伝動装置47の出力軸51と左右の前記遊星
歯車減速装置66L,66Rの内歯車71間に、左右の
内歯車71に対し互いに逆方向の付加回転を与えるため
の付加回転伝達装置90を設けてある。
【0032】この付加回転伝達装置90は図1,5に示
すように、出力軸51により歯車91,92減速機構を
介し回転駆動される第1中間軸93、及び第1中間軸9
3により歯車94,95減速機構を介し回転駆動される
第2中間軸96を含む。第2中間軸96上には等径の2
個の歯車97,98を左右に振分けて固定設置してあ
り、このうちの左側の歯車97は左側の内歯車71と一
体回転する左側の前記歯車73に対し直接噛合され、ま
た右側の歯車98は右側の内歯車71と一体回転する右
側の前記歯車73に対し、中間のアイドラ歯車99を介
し噛合されている。これにより付加回転伝達装置90は
第2の油圧伝動装置47のポンプ斜板47aが中立位置
から何れかの方向に傾動され出力軸51が何れかの方向
に回転すると、該出力軸51の回転を左右の内歯車71
に対し伝達して、該左右の内歯車を互いに等速で逆方向
に回転させるものに構成されている。出力軸51には、
図2に図示のステアリングホイール11が車両直進位置
に置かれていると制動作動を行うものとしてあるブレー
キ100を、付設してある。
すように、出力軸51により歯車91,92減速機構を
介し回転駆動される第1中間軸93、及び第1中間軸9
3により歯車94,95減速機構を介し回転駆動される
第2中間軸96を含む。第2中間軸96上には等径の2
個の歯車97,98を左右に振分けて固定設置してあ
り、このうちの左側の歯車97は左側の内歯車71と一
体回転する左側の前記歯車73に対し直接噛合され、ま
た右側の歯車98は右側の内歯車71と一体回転する右
側の前記歯車73に対し、中間のアイドラ歯車99を介
し噛合されている。これにより付加回転伝達装置90は
第2の油圧伝動装置47のポンプ斜板47aが中立位置
から何れかの方向に傾動され出力軸51が何れかの方向
に回転すると、該出力軸51の回転を左右の内歯車71
に対し伝達して、該左右の内歯車を互いに等速で逆方向
に回転させるものに構成されている。出力軸51には、
図2に図示のステアリングホイール11が車両直進位置
に置かれていると制動作動を行うものとしてあるブレー
キ100を、付設してある。
【0033】したがって車両を直進させている状態では
左右の内歯車71が、付加回転伝達装置90を介しブレ
ーキ100によって制動されることになり、この状態で
主走行駆動軸50の回転は左右の遊星歯車減速装置66
L,66Rにより大幅に減速されて左右の走行駆動軸6
5L,65Rに伝えられ、該左右の走行駆動軸65L,
65Rが等速で同方向に回転駆動されることにより車両
が直進する。この状態からステアリングホイール11を
操作しポンプ斜板47aを何れかの向きに傾動させる
と、左右の内歯車71に対し互いに逆方向の付加回転が
与えられることにより等速で同方向に回転していた左右
の走行駆動軸65L,65Rにも互いに逆方向の付加回
転が与えられて、該左右の走行駆動軸65L,65R間
に回転数差が生じ車両が旋回せしめられる。この車両の
旋回方向と旋回半径は、ステアリングホイール11によ
るポンプ斜板47aの傾動方向と傾角とを変更制御する
ことによって自在に選択できる。
左右の内歯車71が、付加回転伝達装置90を介しブレ
ーキ100によって制動されることになり、この状態で
主走行駆動軸50の回転は左右の遊星歯車減速装置66
L,66Rにより大幅に減速されて左右の走行駆動軸6
5L,65Rに伝えられ、該左右の走行駆動軸65L,
65Rが等速で同方向に回転駆動されることにより車両
が直進する。この状態からステアリングホイール11を
操作しポンプ斜板47aを何れかの向きに傾動させる
と、左右の内歯車71に対し互いに逆方向の付加回転が
与えられることにより等速で同方向に回転していた左右
の走行駆動軸65L,65Rにも互いに逆方向の付加回
転が与えられて、該左右の走行駆動軸65L,65R間
に回転数差が生じ車両が旋回せしめられる。この車両の
旋回方向と旋回半径は、ステアリングホイール11によ
るポンプ斜板47aの傾動方向と傾角とを変更制御する
ことによって自在に選択できる。
【0034】図5において46bは第1の油圧伝動装置
46のポンプ斜板46a(図1)を操作するための制御
アームで、図2に図示の主変速レバー12に対し接続さ
れている。また47bは第2の油圧伝動装置47のポン
プ斜板47a(図1)を操作するための制御アームで、
図2に図示のステアリングホイール11に対し接続され
ている。101は両油圧伝動装置46,47に共用の作
動油補給用チャージポンプ、102は図1に図示のブレ
ーキ100を内装するブレーキケース、103は油圧作
動型のものに構成されている該ブレーキ100の作動を
制御するバルブを内装させてあるバルブハウジングであ
る。
46のポンプ斜板46a(図1)を操作するための制御
アームで、図2に図示の主変速レバー12に対し接続さ
れている。また47bは第2の油圧伝動装置47のポン
プ斜板47a(図1)を操作するための制御アームで、
図2に図示のステアリングホイール11に対し接続され
ている。101は両油圧伝動装置46,47に共用の作
動油補給用チャージポンプ、102は図1に図示のブレ
ーキ100を内装するブレーキケース、103は油圧作
動型のものに構成されている該ブレーキ100の作動を
制御するバルブを内装させてあるバルブハウジングであ
る。
【0035】図2に示すコンバインはその走行条件に応
じ副変速レバー13により図1,6に示す副変速装置4
9に路上走行時には高速、乾田作業時には中速、湿田作
業時には低速の変速段を選択セットし、主変速レバー1
2により図1に図示の第1の油圧伝動装置46のポンプ
斜板46aを操作し進行方向の制御を含め車速を無段に
変更制御して、走行せしめられる。車両を直進させると
きはステアリングホイール11が、図1に図示の第2の
油圧伝動装置47のポンプ斜板47aを中立位置とする
位置におかれ、その状態から車両を旋回させることは前
述した通り、ステアリングホイール11によるポンプ斜
板47aの操作により任意の方向に任意の旋回半径で行
える。
じ副変速レバー13により図1,6に示す副変速装置4
9に路上走行時には高速、乾田作業時には中速、湿田作
業時には低速の変速段を選択セットし、主変速レバー1
2により図1に図示の第1の油圧伝動装置46のポンプ
斜板46aを操作し進行方向の制御を含め車速を無段に
変更制御して、走行せしめられる。車両を直進させると
きはステアリングホイール11が、図1に図示の第2の
油圧伝動装置47のポンプ斜板47aを中立位置とする
位置におかれ、その状態から車両を旋回させることは前
述した通り、ステアリングホイール11によるポンプ斜
板47aの操作により任意の方向に任意の旋回半径で行
える。
【0036】車両を前進走行させながら収穫作業を進め
るとき、図1に示すクラッチ43を切った状態での作業
時には回転軸33上のプーリ34が一方向クラッチ57
を介し、車速に同調した速度で回転駆動されて、刈取部
2の被駆動部材が車速に同調した速度で駆動される。し
たがって収穫作業の開始時に圃場の四辺の植立穀稈を、
車速を低速とした状態で慎重に刈取って行くような場
合、刈取部2の駆動速度も車速に見合った低速となり、
刈取部2を必要以上に高速で常時駆動することからする
余分のエネルギー消費は生じない。逆に言えばエンジン
6からの、図例ではカウンタケース7内を介してのプー
リ35,34の直接駆動時の定速駆動速度を比較的高く
設定しておいても、エネルギー消費上で問題は起きな
い。したがって図示の刈取部駆動装置では図1に示すプ
ーリ38,35の有効半径比等で決定される、クラッチ
43入れ時のエンジンによる刈取部直接駆動時の刈取部
定速駆動速度をかなり高い値に設定している。図8は同
設定値を例示するグラフで、横軸には車速Vを、また縦
軸には常時(クラッチ43の切り時)は刈取部の駆動速
度に比例することとなるプーリ34の回転速度vを、そ
れぞれとってある。図8において関係線CH,CM,C
Lはそれぞれ、前記副変速装置49(図1,6)の高
速、中速及び低速の変速段が選択された場合についての
ものである。これらの各関係線CH,CM,CLが直線
であることは、図1のクラッチ43を切った状態での速
度V,v間の比例関係を表している。最も標準的な作業
である乾田でのイネ刈取作業時には副変速装置49が中
速の変速段にセットされるが(関係線CM)、同作業時
の最高車速が図示V7 でありその時クラッチ43切り状
態で得られる速度vが図示vc であるのに対し、クラッ
チ43の入りによって得られる一定のプーリ回転速度v
b は、最高車速V7 よりもさほど低くない車速V5 に対
応する値に設定されている。
るとき、図1に示すクラッチ43を切った状態での作業
時には回転軸33上のプーリ34が一方向クラッチ57
を介し、車速に同調した速度で回転駆動されて、刈取部
2の被駆動部材が車速に同調した速度で駆動される。し
たがって収穫作業の開始時に圃場の四辺の植立穀稈を、
車速を低速とした状態で慎重に刈取って行くような場
合、刈取部2の駆動速度も車速に見合った低速となり、
刈取部2を必要以上に高速で常時駆動することからする
余分のエネルギー消費は生じない。逆に言えばエンジン
6からの、図例ではカウンタケース7内を介してのプー
リ35,34の直接駆動時の定速駆動速度を比較的高く
設定しておいても、エネルギー消費上で問題は起きな
い。したがって図示の刈取部駆動装置では図1に示すプ
ーリ38,35の有効半径比等で決定される、クラッチ
43入れ時のエンジンによる刈取部直接駆動時の刈取部
定速駆動速度をかなり高い値に設定している。図8は同
設定値を例示するグラフで、横軸には車速Vを、また縦
軸には常時(クラッチ43の切り時)は刈取部の駆動速
度に比例することとなるプーリ34の回転速度vを、そ
れぞれとってある。図8において関係線CH,CM,C
Lはそれぞれ、前記副変速装置49(図1,6)の高
速、中速及び低速の変速段が選択された場合についての
ものである。これらの各関係線CH,CM,CLが直線
であることは、図1のクラッチ43を切った状態での速
度V,v間の比例関係を表している。最も標準的な作業
である乾田でのイネ刈取作業時には副変速装置49が中
速の変速段にセットされるが(関係線CM)、同作業時
の最高車速が図示V7 でありその時クラッチ43切り状
態で得られる速度vが図示vc であるのに対し、クラッ
チ43の入りによって得られる一定のプーリ回転速度v
b は、最高車速V7 よりもさほど低くない車速V5 に対
応する値に設定されている。
【0037】クラッチ43は乾田もしくは湿田作業時に
おいて速度Vが値V5 未満である範囲内で、刈取部駆動
速度を車速に同調した速度よりも高めたい場合に入れら
れる。このため図1に示すように刈取部駆動切替えペダ
ル15は、戻しスプリング15aによってクラッチ43
の切り方向に付勢してある。作業者は刈取状況を確認し
ながら、必要に応じペダル15を踏込んでクラッチ43
を入れる。車速VがV5 未満である範囲ではペダル15
を踏込んでクラッチ43を入れた時に得られるプーリ3
5,34の回転速度は一定速度vb となり、同速度vb
は回転軸33側からのプーリ駆動による回転速度vより
大であるから、一方向クラッチ37は空転することにな
り、何の問題も起きない。刈取状況を確認しながら作業
を進める作業者が、速度V5 −V7 の高速範囲内で、刈
取部駆動速度を車速に見合った値より高めるべくペダル
15を踏込むような誤操作をする事態はまず考えられな
いが、そのような誤操作が行われプーリ34,35が回
転軸33側から車速同調の速度vで強制回転駆動されベ
ルト41側からそれより低い速度vb で強制回転駆動さ
れ得る状態が生じたとしても、その時はベルト41とプ
ーリ35間でスリップが生じ、部材の損傷が起きるよう
な事態は起きない。
おいて速度Vが値V5 未満である範囲内で、刈取部駆動
速度を車速に同調した速度よりも高めたい場合に入れら
れる。このため図1に示すように刈取部駆動切替えペダ
ル15は、戻しスプリング15aによってクラッチ43
の切り方向に付勢してある。作業者は刈取状況を確認し
ながら、必要に応じペダル15を踏込んでクラッチ43
を入れる。車速VがV5 未満である範囲ではペダル15
を踏込んでクラッチ43を入れた時に得られるプーリ3
5,34の回転速度は一定速度vb となり、同速度vb
は回転軸33側からのプーリ駆動による回転速度vより
大であるから、一方向クラッチ37は空転することにな
り、何の問題も起きない。刈取状況を確認しながら作業
を進める作業者が、速度V5 −V7 の高速範囲内で、刈
取部駆動速度を車速に見合った値より高めるべくペダル
15を踏込むような誤操作をする事態はまず考えられな
いが、そのような誤操作が行われプーリ34,35が回
転軸33側から車速同調の速度vで強制回転駆動されベ
ルト41側からそれより低い速度vb で強制回転駆動さ
れ得る状態が生じたとしても、その時はベルト41とプ
ーリ35間でスリップが生じ、部材の損傷が起きるよう
な事態は起きない。
【0038】図8についてこの発明に係る刈取部駆動装
置の有利な具体的使用態様を例示的に説明すると、前述
のように作業開始初期に車速を低速として圃場の四辺の
植立穀稈を刈取って行く場合、刈取部が畦に近付いてく
るにつれ同刈取部が畦に突っ込まないように車速をさら
に低めて超低速とし、刈取部を畦ぎりぎりにまで慎重に
接近させる。そのような超低速車速は例えば図示の速度
V1 であるが、同車速V1 に対応した回転速度vでは刈
刃が穀稈をスムーズに切り得ず引きちぎる傾向が生じ
る。そのような場合にはペダル15操作でクラッチ43
を入れると、プーリ回転速度が一定の設定速度vb まで
高められるから、穀稈をスムーズに刈取ることができ
る。
置の有利な具体的使用態様を例示的に説明すると、前述
のように作業開始初期に車速を低速として圃場の四辺の
植立穀稈を刈取って行く場合、刈取部が畦に近付いてく
るにつれ同刈取部が畦に突っ込まないように車速をさら
に低めて超低速とし、刈取部を畦ぎりぎりにまで慎重に
接近させる。そのような超低速車速は例えば図示の速度
V1 であるが、同車速V1 に対応した回転速度vでは刈
刃が穀稈をスムーズに切り得ず引きちぎる傾向が生じ
る。そのような場合にはペダル15操作でクラッチ43
を入れると、プーリ回転速度が一定の設定速度vb まで
高められるから、穀稈をスムーズに刈取ることができ
る。
【0039】標準的な乾田作業時において車速VをV5
−V7 の高速範囲内にある速度V6として作業を進めて
いる時、倒伏した穀稈を発見した場合にはエンストを回
避するため等で速度Vは、V5 よりも低いV3 とかV4
まで低める。この時ペダル15操作でクラッチ43を入
れると車速同調速度vよりも高い一定速度vb を得るこ
とができ、車速と刈取部、特に穀稈引起し装置21(図
2)の相対回転数差を大とし、倒伏穀稈のスムーズで完
全な引起しを得ることができる。したがって倒伏度に応
じ、倒伏度大な場合には車速をより低め(V3 対応)倒
伏度小な場合には車速の減速を小幅に留め(V4 対応)
つつ、刈取部の定速(vb )駆動により倒伏穀稈の完全
な引起しを得て作業を進めることができ、車速の減速を
必要最小限に留めて作業能率を向上させ得る。
−V7 の高速範囲内にある速度V6として作業を進めて
いる時、倒伏した穀稈を発見した場合にはエンストを回
避するため等で速度Vは、V5 よりも低いV3 とかV4
まで低める。この時ペダル15操作でクラッチ43を入
れると車速同調速度vよりも高い一定速度vb を得るこ
とができ、車速と刈取部、特に穀稈引起し装置21(図
2)の相対回転数差を大とし、倒伏穀稈のスムーズで完
全な引起しを得ることができる。したがって倒伏度に応
じ、倒伏度大な場合には車速をより低め(V3 対応)倒
伏度小な場合には車速の減速を小幅に留め(V4 対応)
つつ、刈取部の定速(vb )駆動により倒伏穀稈の完全
な引起しを得て作業を進めることができ、車速の減速を
必要最小限に留めて作業能率を向上させ得る。
【0040】植立穀稈に湿りないし濡れがあって刈刃2
2(図2)によるスムーズな刈取りが行えないような場
合にも、上述したのと類似の制御により作業能率を高く
維持しつつ完全な刈取りを行える。
2(図2)によるスムーズな刈取りが行えないような場
合にも、上述したのと類似の制御により作業能率を高く
維持しつつ完全な刈取りを行える。
【0041】収穫対象とする穀稈が麦のような小脱穀負
荷を与える種類のもの(イネの場合にも品種により小脱
穀負荷のものがある。)であり収穫作業中のエンジンの
負担が小さい場合には、副変速装置49を高速変速段に
セットしておくことができる(関係線CH)。この時は
クラッチ43を入れると高車速V8 に対応した速度vb
の刈取部駆動速度が得られ、作業能率が大きく向上す
る。車速VはV8 までの範囲内で、植立穀稈の押し倒し
等が生じない範囲で比較的高い値に制御できる。V8 −
V9 の範囲は、路上走行専用の範囲である。
荷を与える種類のもの(イネの場合にも品種により小脱
穀負荷のものがある。)であり収穫作業中のエンジンの
負担が小さい場合には、副変速装置49を高速変速段に
セットしておくことができる(関係線CH)。この時は
クラッチ43を入れると高車速V8 に対応した速度vb
の刈取部駆動速度が得られ、作業能率が大きく向上す
る。車速VはV8 までの範囲内で、植立穀稈の押し倒し
等が生じない範囲で比較的高い値に制御できる。V8 −
V9 の範囲は、路上走行専用の範囲である。
【図1】この発明の実施例を装備したコンバインにおけ
る伝動機構を示す機構図である。
る伝動機構を示す機構図である。
【図2】上記コンバインの一部切欠き概略側面図であ
る。
る。
【図3】上記コンバインに設けられたトランスミッショ
ンの外観を示す概略斜視図である。
ンの外観を示す概略斜視図である。
【図4】上記コンバインの要部を示す背面図である。
【図5】上記トランスミッションの主要部の一部展開縦
断面図である。
断面図である。
【図6】上記トランスミッションの要部を示す一部展開
縦断面図である。
縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】実施例の作用を説明するためのグラフである。
2 刈取部 6 エンジン 7 カウンタケース 8 トランスミッション 15 刈取部駆動切替えペダル 25 刈取駆動ケース 26 ミッションケース 31 トランスミッション入力軸 33 回転軸 34 プーリ(動力取出し回転体) 35 プーリ(入力回転体) 37,38 出力プーリ 41,42 ベルト 43 クラッチ 46 油圧伝動装置(可逆転無段変速機) 48 出力軸 50 主走行駆動軸 53,54 歯車 57 一方向クラッチ 60,61 止め輪 62 カバー板 63 ボルト 65L,65R 走行駆動軸
Claims (4)
- 【請求項1】 走行駆動用の可逆転無段変速機(46)
の出力軸(48)に対し、該出力軸の車両前進方向への
回転時にのみ係合する一方向クラッチ(57)を介して
連動連結された刈取部駆動用の動力取出し回転体(3
4)を設けてあるコンバインにおいて、 上記動力取出し回転体(34)と一体回転する入力回転
体(35)を設けて、この入力回転体をエンジン(6)
に対し、人為操作により係脱されるクラッチ(43)を
介し連動連結したことを特徴とする刈取部駆動装置。 - 【請求項2】 前記出力軸(48)により回転駆動され
る回転軸(33)を、走行駆動機構を内装するミッショ
ンケース(26)内から該ケース外に突出させて設け、
前記動力取出し回転体(34)と前記入力回転体(3
5)を互いに一体に形成して、前記一方向クラッチ(5
7)と該両回転体(34,35)を上記回転軸(33)
の突出端部上に、取外し可能に設置してある請求項1の
刈取部駆動装置。 - 【請求項3】 前記動力取出し回転体(34)と前記入
力回転体(35)を、互いに一体化したプーリに構成す
る一方、前記クラッチ(43)を、ベルトテンション式
のものに構成してある請求項2の刈取部駆動装置。 - 【請求項4】 前記クラッチ(43)を係脱操作するた
めのペダル(15)を、戻しスプリング(15a)によ
りクラッチ切り方向に付勢して設けてある請求項1から
3までの何れか一項に記載の刈取部駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26781096A JPH1084733A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | コンバインの刈取部駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26781096A JPH1084733A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | コンバインの刈取部駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1084733A true JPH1084733A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17449926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26781096A Pending JPH1084733A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | コンバインの刈取部駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1084733A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0521558A2 (en) * | 1991-07-02 | 1993-01-07 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Semiconductor device with means for increasing the breakdown voltage of a pn-junction |
JP2002274204A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-25 | Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd | コンバインのトランスミッション |
JP2002295636A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Kubota Corp | 作業機の伝動構造 |
JP2004033004A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Kubota Corp | コンバインの伝動構造 |
CN100408882C (zh) * | 2005-10-21 | 2008-08-06 | 强井鑫 | 具有启动功能不踩离合器调档的变速器 |
JP2017176137A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | ヤンマー株式会社 | コンバイン |
-
1996
- 1996-09-18 JP JP26781096A patent/JPH1084733A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0521558A2 (en) * | 1991-07-02 | 1993-01-07 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Semiconductor device with means for increasing the breakdown voltage of a pn-junction |
JP2002274204A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-25 | Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd | コンバインのトランスミッション |
JP2002295636A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Kubota Corp | 作業機の伝動構造 |
JP2004033004A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Kubota Corp | コンバインの伝動構造 |
CN100408882C (zh) * | 2005-10-21 | 2008-08-06 | 强井鑫 | 具有启动功能不踩离合器调档的变速器 |
JP2017176137A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | ヤンマー株式会社 | コンバイン |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4882373B2 (ja) | コンバイン | |
JP2007174972A5 (ja) | ||
JP4529920B2 (ja) | コンバイン | |
JPH1084733A (ja) | コンバインの刈取部駆動装置 | |
JP2007228837A5 (ja) | ||
JPH0661180B2 (ja) | 作業車輌における動力伝達装置 | |
JP3577738B2 (ja) | コンバインの伝動機構 | |
JP3730638B2 (ja) | トルクミリッタ | |
JP4185602B2 (ja) | コンバインのトランスミッション | |
WO2005058010A1 (ja) | コンバイン | |
WO2004023862A1 (ja) | コンバイン | |
JP4218829B2 (ja) | トルクリミッタ | |
JP4529898B2 (ja) | コンバイン | |
JPH10274317A (ja) | Hst式ミッション装置 | |
JP4488152B2 (ja) | 走行装置 | |
JPH1191381A (ja) | 走行駆動装置 | |
JP3572640B2 (ja) | コンバインの伝動機構 | |
JP4182207B2 (ja) | トルクミリッタ | |
JP3722038B2 (ja) | 走行装置 | |
JP2000139174A (ja) | コンバインの刈取部駆動装置 | |
JP4471192B2 (ja) | 作業車 | |
JP2007174971A5 (ja) | ||
JP2004073106A (ja) | 作業車 | |
JP3567484B2 (ja) | 走行変速制御装置を備えたコンバインの刈取伝動装置 | |
JP3907846B2 (ja) | コンバイン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050419 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20051011 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |