JPH1080250A - 油揚げ付き豆腐こんにゃく及びその製造法 - Google Patents
油揚げ付き豆腐こんにゃく及びその製造法Info
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Abstract
易で、食べやすい新規な食品を提供する。 【解決手段】 グルコマンナン含有原料及び/又はその
部分分解物からなるこんにゃく成分と、豆乳及び/又は
豆腐粉砕物からなる豆腐成分とを混合し、アルカリを添
加した後、この混合物を油揚げを開いてなる皮の内側に
接合し、加熱処理して油揚げ付き豆腐こんにゃくを製造
する。上記こんにゃく成分と豆腐成分との混合時に気泡
を抱き込ませて多孔質の豆腐こんにゃくとしてもよい。
また、油揚げの皮を袋状にして、その内部に上記混合物
を充填することが好ましい。
Description
ゃく成分とを含有する豆腐こんにゃくに油揚げの皮が接
合されてなる油揚げ付き豆腐こんにゃく及びその製造法
に関する。
され、広く親しまれている日本古来の食品である。こん
にゃくは、こんにゃく粉やこんにゃく芋をすりおろした
ものを水で膨潤させてこんにゃく糊にした後、石灰乳、
炭酸ソーダ、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して
ゲル化させることにより製造されている。なお、こんに
ゃくは、こんにゃく芋に含まれる貯蔵性多糖類であるグ
ルコマンナンを主成分としている。
豆腐加工品である油揚げ、厚揚げ等も、古くから親しま
れている食品である。豆腐は、大豆に水を加え、煮沸し
た後、おからを除去して得られる豆乳に、凝固剤を添加
し、所定形状に固めて製造され、冷奴、湯豆腐、いり豆
腐、煮物等種々の料理に用いられている。また、油揚げ
は、豆腐を薄く切り、十分水切りした後、油ちょうした
もので、いなりずしの皮、きつねうどんの具等に用いら
れている。更に、厚揚げは、豆腐を厚めに切って油ちょ
うしたもので、網焼きしたり、煮物にしたりして食べら
れている。
いて袋状にし、その内部にがんもどき、しらたき等を充
填した食品も知られているが、上記充填物が油揚げの皮
の内部から流出しないように、皮の外側をかんぴょうで
結んだり、皮をつま楊枝で縫うように刺し止めている。
ゃくは、煮物やおでんにした際に調味液がしみ込みにく
く、また、弾力性のある強いゲルが形成されるため、歯
ごたえはあるが、咀嚼するのに時間がかかるという問題
があった。
すく、また、加熱し過ぎると、硬くボソボソとした食感
になってしまうという問題があった。更に、油揚げは、
内部がフカフカで、また、厚さが薄く、食べた際にボリ
ューム感が足りず、一方、厚揚げは、内部の軟らかさに
対して皮が硬いという問題があった。
しらたきを充填した食品は、油揚げの皮とがんもどきや
しらたきとが接合していないので、皮の外側をかんぴょ
うで結んだり、皮をつま楊枝で縫うように刺し止める必
要がある。このため、製造に手間がかかり、コスト高と
なると共に、食べているときに、内部の具材と油揚げの
皮とが分離しやすく、食べにくいという問題があった。
だ食感及び風味を有し、製造が容易で、食べやすい新規
な食品を提供することにある。
め、本発明の第1は、グルコマンナン含有原料及び/又
はその部分分解物からなるこんにゃく成分と、豆乳及び
/又は豆腐粉砕物からなる豆腐成分とを含有し、全体が
一体にゲル化した豆腐こんにゃくと、前記豆腐こんにゃ
くの外周の少なくとも一部に接合された油揚げの皮とを
備えていることを特徴とする油揚げ付き豆腐こんにゃく
を提供するものである。
前記油揚げの皮からなる袋の内部に充填されている油揚
げ付き豆腐こんにゃくを提供するものである。
気泡を含有して多孔質とされている油揚げ付き豆腐こん
にゃくを提供するものである。
及び/又はその部分分解物からなるこんにゃく成分と、
豆乳及び/又は豆腐粉砕物からなる豆腐成分とを混合
し、アルカリを添加した後、この混合物を油揚げを開い
てなる皮の内側に接合し、加熱処理することを特徴とす
る油揚げ付き豆腐こんにゃくの製造法を提供するもので
ある。
状の食感を有する豆腐こんにゃくの外周に、フカフカし
た軽い食感を有する油揚げが接合されているので、変化
に富んだ食感が得られる。また、豆腐と、こんにゃく
と、油揚げの風味とを同時に味わえるので、変化があり
ながら全体に調和した良好な風味が得られる。更に、豆
腐こんにゃくの外周に油揚げの皮がしっかりと接合され
ているので、かんぴょうで結んだり、つま楊枝で刺し止
める必要がなく、食べるときに両者が分離しにくく、食
べやすい。
が、油揚げの皮で包まれているので、前記効果がより顕
著にもたらされる。
が、気泡を含有して多孔質とされているので、よりソフ
トな食感が得られ、また、調味液で煮たときに調味液が
内部までしみ込んで、味つけが良好になされる。
豆腐成分とを混合し、アルカリを添加した後、この混合
物を生の状態で油揚げを開いてなる皮の内側に接合し、
加熱処理することによって、こんにゃく成分と豆腐成分
との混合物をゲル化して豆腐こんにゃくにすると共に、
豆腐こんにゃくと油揚げの皮とを一体に接合することが
できる。
く糊だけ、あるいは豆腐粉砕物だけを用いて、油揚げの
皮と接合させようとしても十分に接合せず、こんにゃく
成分と豆腐成分との混合物を用いることによって、始め
て油揚げの皮と十分に接合することが可能となった。そ
の理由は、こんにゃく成分に起因する流動性と、豆腐成
分に起因する大豆蛋白の結合力とによるものと考えられ
る。
は、豆腐を薄く切り、十分水切りした後、油ちょうして
なる通常の油揚げを用いることができる。特に、いなり
ずし用として市販されているものは、中を袋状にはがし
やすいので好ましい。なお、油揚げは、予め、長辺方向
あるいは短辺方向にほぼ2分割したり、あるいは対角線
で三角形に2分割して袋状に開いておくか、又は、内部
に空気を吹き込んだりして、両面の皮を分離して袋状に
しておくことが好ましい。
コマンナン含有原料及び/又はその部分分解物からな
る。グルコマンナン含有原料としては、グルコマンナン
を含有するものであれば特に限定されないが、通常、こ
んにゃく芋をすりおろしたものや、こんにゃく芋から調
製されたこんにゃく粉等を用いることができる。
ては、グルコマンナンを含有する原料に、グルコマンナ
ーゼ、又はグルコマンナーゼを産生する菌の培養液を添
加して、グルコマンナンを部分分解させたものが用いら
れる。
やすいこんにゃく粉を用いたものについて説明すると、
まず、こんにゃく粉1重量部に対して水30〜40重量部を
加えて膨潤させてこんにゃく糊を形成した後、このこん
にゃく糊にグルコマンナーゼを作用させて酵素分解させ
る。
せる方法としては、予め精製酵素あるいは粗酵素として
調製されたグルコマンナーゼを添加することもできる
が、製造コストの点からグルコマンナーゼを産生する菌
の培養液を添加して分解させることが好ましい。
バチルス属に属するグルコマンナーゼ生産菌、特には、
好熱性のバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)
が好ましく用いられる。このような菌の好ましい例とし
ては、FERM BP-4993として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されているバチルス・コアグランス 304
(Bacillus coagulans 304)株が挙げられる。
を調製するための培地としては、例えば、大豆10gを一
晩水に浸漬し、水を加えて100 gとし、ミキサー等です
り潰した後、100 ℃に加熱して濾過し、次いで、120 ℃
で、15分間滅菌した豆乳培地が好ましく用いられる。
304 株の培養液を添加混合し、約10〜60℃の温度下で
20〜120 分間作用させることにより、グルコマンナン部
分分解物を得ることができる。この分解物は、そのまま
後述する豆腐成分を加えて、豆腐こんにゃくの製造に利
用することができるが、80℃以上に加熱して酵素を失活
させた後、乾燥、粉末化して利用することもできる。
又は豆腐粉砕物からなる。豆乳としては、大豆に水を加
えた後、煮沸し、おからを除去した一般的なものを用い
ることができる。
し、所定形状に固めて製造される一般的な豆腐を粉砕し
たものであればよいが、こんにゃく成分に均一に混合す
るために、例えばカッター、チョッパー、裏ごし器等を
用いてできるだけ細かく粉砕しておくことが好ましい。
に、必要に応じて、副原料として、かぼちゃ、にんじん
等の野菜ペースト、油脂、澱粉、青のり、ごま、唐辛
子、ひじき、卵白、大豆等を添加してもよい。また、し
ょうゆ等の調味料を添加して味付けしてもよく、色素等
を添加して着色してもよい。
ゃくを製造する際に用いるもの、例えば、石灰乳、炭酸
ナトリウム、水酸化ナトリウム、卵殻カルシウム、貝殻
カルシウム等の水溶液又は水分散液を用いることができ
る。
合、豆腐成分として豆乳を用いる場合には、グルコマン
ナン含有原料及び/又はその部分分解物に豆乳を混合
し、豆乳を含有するこんにゃく糊を製造する。グルコマ
ンナン含有原料及び/又はその部分分解物と、豆乳との
配合割合は、グルコマンナン含有原料及び/又はその部
分分解物(固形分)1重量部に対して、固形分濃度2〜
15重量%の豆乳25〜55重量部とすることが好ましい。ま
た、グルコマンナン含有原料及び/又はその部分分解物
と豆乳とを混合する際に、必要に応じて水を添加しても
よく、ニガリ等の豆腐用凝固剤を添加してもよい。
場合には、グルコマンナン含有原料及び/又はその部分
分解物を、水で膨潤させ、次いで、カッター、チョッパ
ー又は裏ごし器にかけてほぐしたこんにゃく糊粉砕物
と、前述のようにして調製した豆腐粉砕物とを混合、撹
拌する。グルコマンナン含有原料及び/又はその部分分
解物を、水で膨潤させてこんにゃくのりを調製する場
合、後で添加する豆腐粉砕物に含まれる水分を考慮し
て、グルコマンナン含有原料及び/又はその部分分解物
(固形分)1重量部に対して、最終的に水が20〜30重量
部となるようにすることが好ましい。
する際に、撹拌を強くして気泡を含有させることによ
り、気泡が含有された多孔質な組織とすることもでき
る。この場合、気泡の含有量は3〜70vol %とするのが
好ましく、15〜50vol %とするのがより好ましい。気泡
の含有量が3vol %に満たない場合、十分に多孔質とな
らず、70vol %を超えると、軽くなり過ぎて好ましくな
い。
成分と、必要に応じて副原料とを混合し、必要に応じて
気泡を含有させた後、アルカリを添加する。アルカリの
添加量は、混合物のpHが10.3以上になるような量とす
るのが好ましい。
により所定形状に成形して、油揚げを開いてなる皮の内
側に接合する。より好ましい態様としては、両面の皮を
開いて袋状にした油揚げの中に、上記混合物を充填す
る。上記混合物を袋状の油揚げの皮の中に充填する方法
としては、油揚げの切り口を開口させて、その開口部か
らロートやノズル等を用いて充填する方法や、油揚げに
切り口を設けず、針状のノズルを両面の皮の間に挿入
し、ノズルから注入する方法等が採用される。
よって、こんにゃく糊がゲル化されて固まって、こんに
ゃく成分と豆腐成分との混合物が一体化した豆腐こんに
ゃくになると共に、この豆腐こんにゃくと油揚げとが接
合される。加熱の方法は、特に限定されないが、湯煮、
蒸煮等が好ましく採用される。また、加熱時間は、大き
さ、形状等により異なるが、こんにゃく糊が内部まで十
分にゲル化する時間とするのが好ましい。
こんにゃくは、調味液で煮込んだり、網やフライパンで
焼いたりして食することができる。
重量部を入れて撹拌して、豆乳入りこんにゃく糊を調製
した。次いで、この豆乳入りこんにゃく糊に、0.15重量
%の石灰水5重量部を加えて撹拌し、こんにゃく成分と
豆腐成分とが均一に混合された混合物を得た。
し、空気を注入して両面の皮を分離させて袋状にした。
この油揚げの皮の一部に小さな孔を開けてロートを挿入
し、このロートを通して上記混合物を流し込み、油揚げ
の皮の内部に上記混合物を充填した。
付き豆腐こんにゃくを得た。この油揚げ付き豆腐こんに
ゃくは、油揚げの皮と豆腐こんにゃくとが良好に接合し
ていた。また、食べたときに、外周の油揚げのフカフカ
した軽い食感と、内部の豆腐こんにゃくのソフトなゼリ
ー状の食感とを同時に味わえ、油揚げの風味と、豆腐こ
んにゃくの風味とが調和して、美味であった。更に、煮
物にしたときの調味液のしみ込みも良好であり、取り扱
い中に油揚げの皮と豆腐こんにゃくとが分離してしまう
こともなかった。
し、ミキサーですり潰した後、100 ℃に加熱して濾過
し、次いで、120 ℃で、15分間滅菌して豆乳培地を調製
した。次に、この豆乳培地に、バチルス・コアグランス
304 株(FERM BP-4993)を接種し、55℃で16時間培養
して、バチルス・コアグランス 304 株の培養液を得
た。
こんにゃく糊に、上記で得られたバチルス・コアグラン
ス 304 株の培養液0.28重量部を添加し、20℃の室温下
に、100 分間作用させて、グルコマンナン部分分解物と
豆乳とを含有する豆乳入りこんにゃく糊を得た。
代わりに、上記グルコマンナン部分分解物と豆乳とを含
有する豆乳入りこんにゃく糊を用いた他は、実施例1と
同様にして油揚げ付き豆腐こんにゃくを得た。
も、油揚げの皮と豆腐こんにゃくとが良好に接合してい
た。また、実施例1と同様な良好な食感、風味を有して
いた。更に、調味液のしみ込みも良好であった。
した後、1時間放置して膨潤させてこんにゃく糊を得
た。
てほぐしてこんにゃく糊粉砕物を得た。一方、絹ごし豆
腐を裏ごし器にかけて豆腐粉砕物を得た。
重量比で6:4の割合で混合し、リボンミキサーを用い
て、気泡を混入させながら撹拌した。
pHが11になるまで添加し、油揚げを長辺方向に半分
に切り、袋状に開いたものに流し込んだ後、85℃で、20
分間蒸煮して、油揚げ付き豆腐こんにゃくを得た。
も、油揚げの皮と豆腐こんにゃくとが良好に接合してい
た。また、実施例1と同様な良好な食感、風味を有して
いた。更に、豆腐こんにゃくが多孔質であるため、調味
液のしみ込みは、より一層良好であった。
軟らかくてゼリー状の食感を有する豆腐こんにゃくの外
周に、フカフカした軽い食感を有する油揚げが接合され
ているので、変化に富んだ食感が得られる。また、豆腐
と、こんにゃくと、油揚げの風味とを同時に味わえるの
で、変化がありながら全体に調和した良好な風味が得ら
れる。更に、豆腐こんにゃくの外周に油揚げの皮がしっ
かりと接合されているので、かんぴょうで結んだり、つ
ま楊枝で刺し止める必要がなく、食べるときに両者が分
離しにくく、食べやすい。更に、煮物等にしたときの調
味液のしみ込みも良好である。
Claims (4)
- 【請求項1】 グルコマンナン含有原料及び/又はその
部分分解物からなるこんにゃく成分と、豆乳及び/又は
豆腐粉砕物からなる豆腐成分とを含有し、全体が一体に
ゲル化した豆腐こんにゃくと、 前記豆腐こんにゃくの外周の少なくとも一部に接合され
た油揚げの皮とを備えていることを特徴とする油揚げ付
き豆腐こんにゃく。 - 【請求項2】 前記豆腐こんにゃくが、前記油揚げの皮
からなる袋の内部に充填されている請求項1記載の油揚
げ付き豆腐こんにゃく。 - 【請求項3】 前記豆腐こんにゃくが、気泡を含有して
多孔質とされている請求項1又は2記載の油揚げ付き豆
腐こんにゃく。 - 【請求項4】 グルコマンナン含有原料及び/又はその
部分分解物からなるこんにゃく成分と、豆乳及び/又は
豆腐粉砕物からなる豆腐成分とを混合し、アルカリを添
加した後、この混合物を油揚げを開いてなる皮の内側に
接合し、加熱処理することを特徴とする油揚げ付き豆腐
こんにゃくの製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26022596A JP3623866B2 (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 油揚げ付き豆腐こんにゃく及びその製造法 |
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---|---|
JPH1080250A true JPH1080250A (ja) | 1998-03-31 |
JP3623866B2 JP3623866B2 (ja) | 2005-02-23 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008173037A (ja) * | 2007-01-17 | 2008-07-31 | House Foods Corp | 凝固食品及びその製造方法 |
JP2014087269A (ja) * | 2012-10-29 | 2014-05-15 | Shoutoku Co Ltd | 油揚げ袋物の製造方法 |
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JPH0898665A (ja) * | 1994-09-30 | 1996-04-16 | Koizumi Seima Kk | 液状餅充填装置 |
-
1996
- 1996-09-09 JP JP26022596A patent/JP3623866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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