JPH1078810A - 数値制御装置および数値制御装置の主軸モータ加減速制御方法 - Google Patents

数値制御装置および数値制御装置の主軸モータ加減速制御方法

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JPH1078810A
JPH1078810A JP8231798A JP23179896A JPH1078810A JP H1078810 A JPH1078810 A JP H1078810A JP 8231798 A JP8231798 A JP 8231798A JP 23179896 A JP23179896 A JP 23179896A JP H1078810 A JPH1078810 A JP H1078810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タップ加工などにおける送り軸と主軸の同期
制御において、主軸モータの加減速を急速に行っても主
軸モータと送り軸モータとの位置誤差が大きくなること
がなく、タップ加工などに要するサイクルタイムを短縮
すると共に加工精度を向上すること。 【解決手段】 主軸モータを制御する主軸制御部7と、
送り軸モータを制御する送り軸制御部6とを備え、主軸
と送り軸とを同期制御する数値制御装置における主軸モ
ータ加減速制御方法において、位置ループ制御状態の主
軸モータ23を速度ループ制御状態の主軸モータの加減
速パターンに類似した加減速パターンで制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、数値制御装置お
よび数値制御装置の主軸モータ加減速制御方法に関し、
さらに詳細には、マシニングセンタなどの工作機械にお
いて、タップ加工などのために送り軸と主軸の同期制御
を行うことができる数値制御装置および数値制御装置の
主軸モータ加減速制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタなどでタップ加工を行
う場合に、主軸と送り軸(主軸の軸線に沿う方向の軸)
を同期制御する技術は従来より公知であり、この技術
は、例えば特開昭63−89904号公報に開示されて
いる。
【0003】図28は、特開昭63−89904号公報
に開示された数値制御装置の構成を示している。数値制
御装置600は、加工プログラムPを解析する中央演算
処理部(以下CPUと称す)601と、送り軸演算部6
02を含み、タップ加工の上下軸(Z軸)の軸移動を制
御する送り軸駆動部603と、主軸演算部604を含
み、タップ加工の主軸700の回転を制御する主軸駆動
部605とを有している。
【0004】主軸700は、マシニングセンタなどの工
作機械に設けられ、主軸駆動部605により制御される
主軸モータ701によって回転駆動される。主軸700
の先端にはフロート機構なしのタップ工具Tが取り付け
られている。
【0005】主軸700には送りねじ機構702が接続
されており、主軸700は送りねじ703の回転により
軸線方向(Z軸方向)に軸移動する。送りねじ703は
送り軸駆動部603により制御される送り軸モータ70
4によって回転駆動される。
【0006】ワークテーブル705にはタップ加工され
るワークWが載置されている。
【0007】なお、送り軸演算部602と主軸演算部6
04とは同期信号Ssyにより相互に同期をとる。
【0008】CPU601は、加工プログラムPよりタ
ップ加工指令を解読すると、予め設定された送り軸制御
系のゲインと時定数に基づいて送り軸制御系のゲインお
よび時定数と主軸制御系のゲインおよび時定数とを一致
させ、主軸回転情報および送り軸移動情報を算出し、主
軸回転情報を主軸演算部604に出力すると共に、送り
軸移動情報を送り軸演算部602に出力し、また主軸回
転情報および送り軸移動情報に基づいて主軸(C軸)と
送り軸(Z軸)の補間制御を行い、これらの補間データ
を主軸演算部604と送り軸演算部602へ転送する。
【0009】主軸演算部604はCPU601より与え
られた主軸回転情報に基づいて主軸モータ701の加減
速指令を演算し、この加減速指令を主軸駆動部605に
出力する。これにより主軸モータ701が回転し、主軸
700のタップ工具Tが回転する。
【0010】送り軸演算部602は、主軸モータ701
と同じ加減速指令とCPU601より与えられた送り軸
移動情報に基づいて送り軸モータ704の加減速指令を
演算し、この加減速指令を主軸制御系に同期して送り軸
駆動部603に出力する。これにより送り軸モータ70
4が回転し、送りねじ703の回転によって主軸700
のタップ工具Tが下降する。これによりタップ工具T
が、ワークWの下穴h中に入り、下穴の内面に雌ねじを
刻むタップ切削加工を行う。
【0011】所定長のタップ加工が終了すると、主軸演
算部604は、主軸モータ701の加減速指令を主軸駆
動部605に出力し、主軸モータ701を逆回転させ、
タップ工具Tを逆回転させる。またこれに同期して送り
軸演算部602は、送り軸モータ704の加減速指令を
送り軸駆動部603に出力し、送り軸モータ704を逆
回転させ、タップ工具Tを上昇させる。これによりタッ
プ工具TがワークWより引き抜かれる。
【0012】上述のようなタップ加工において、サイク
ルタイムを短縮するには、主軸モータ701の回転数が
短時間で所定の高回転数に到達すればよい。即ち、タッ
プ加工動作の加減速の傾き(加速度)を大きくすればよ
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
数値制御装置では、加減速の傾き度合いが一定で、直線
的な加減速パターンをもって加減速が行われており、タ
ップ加工における加減速の傾きを大きくすると、主軸系
統のイナーシャが送り軸系統のイナーシャに比べて大き
いため、主軸モータは送り軸モータに対して、停止状態
からの加速開始時、加速終了時(定速回転)の直前、定
速回転からの減速開始時および減速終了時(停止状態)
の直前等に追従遅れが発生し易くなり、同期状態を保持
し難くなる。このため、主軸モータと送り軸モータとの
位置誤差が大きくなってタップのねじ山を潰すことにな
り、タップ加工における主軸モータの回転速度を短時間
にそれほど速くすることができないと云う問題点があっ
た。
【0014】また、従来の数値制御装置では、効率的な
タップ加工を行うためにタップ引き抜き動作の回転速度
をタップ切削加工動作の回転速度に対して増速させるこ
とはできるが、主軸モータの回転速度を短時間に速くす
ると、主軸モータと送り軸モータの位置誤差が大きくな
るため、タップ引き抜き動作の速度もそれほど速くする
ことができないと云う問題点があった。
【0015】また、従来の数値制御装置では、タップ加
工において主軸モータの加速動作の主軸のイナーシャと
減速動作の主軸のイナーシャとが異なるにも拘らず、加
速パターンと減速パターンとは同様であったため、加速
動作または減速動作のいずれかは、最適ではない加速パ
ターンまたは減速パターンで制御されることになり、サ
イクルタイムに無駄な時間が生じると云う問題点があっ
た。
【0016】この発明は、上述の如き問題点に着目して
なされたものであり、タップ加工などにおける送り軸と
主軸の同期制御において、主軸モータの加減速を急速に
行っても主軸モータと送り軸モータとの位置誤差が大き
くなることがなく、またタップ引き抜き動作の速度もタ
ップ切削加工動作のそれより速くすることや、主軸モー
タの加速動作の主軸のイナーシャと減速動作の主軸のイ
ナーシャとが異なっている場合には加速動作と減速動作
のいずれにおいても最適な加速パターンまたは減速パタ
ーンで制御することができる数値制御装置および数値制
御装置の主軸モータ加減速制御方法を得ることを目的と
している。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による数値制御装置は、主軸モータを制
御する主軸制御部と、送り軸モータを制御する送り軸制
御部とを備え、主軸と送り軸とを同期制御する数値制御
装置において、位置ループ制御状態の主軸モータを速度
ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似し
た加減速パターンで制御するための加減速パターン用デ
ータを記憶する主軸加減速パターン用データ記憶手段
と、前記主軸加減速パターン用データ記憶手段に記憶さ
れた加減速パターン用データに基づいて位置ループ制御
状態の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの
加減速パターンに類似した加減速パターンで制御するた
めの指令を算出する主軸加減速制御手段と、前記主軸加
減速制御手段より出力される指令を前記主軸制御部と前
記送り軸制御部の同期状態を保持するように分配する分
配手段とを備えているものである。
【0018】この発明による数値制御装置では、主軸加
減速パターン用データ記憶手段に記憶された加減速パタ
ーン用データに基づいて位置ループ制御状態の主軸モー
タを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターン
に類似した加減速パターンで制御するための指令を主軸
加減速制御手段によって算出し、位置ループ制御状態の
主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速
パターンに類似した加減速パターンで制御することによ
り、主軸モータの応答性が向上し、主軸のイナーシャが
送り軸のイナーシャに比べて大きい場合でも主軸モータ
は送り軸モータに対して、停止状態からの加速開始時、
加速終了時(定速回転)の直前、定速回転からの減速開
始時および減速終了時(停止状態)の直前等に追従遅れ
が発生し難くなる。
【0019】つぎの発明による数値制御装置は、主軸モ
ータを制御する主軸制御部と、送り軸モータを制御する
送り軸制御部とを備え、主軸と送り軸とを同期制御する
数値制御装置において、位置ループ制御状態の主軸モー
タを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターン
に類似した加減速パターンで制御するための複数種類の
加減速パターン用データを記憶する主軸加減速パターン
用データ記憶手段と、前記主軸加減速パターン用データ
記憶手段に記憶された複数種類の加減速パターン用デー
タから任意の加減速パターン用データを選択する主軸加
減速パターン用データ選択手段と、前記主軸加減速パタ
ーン用データ選択手段により選択された主軸加減速パタ
ーン用データに基づいて位置ループ制御状態の主軸モー
タを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターン
に類似した加減速パターンで制御するための指令を算出
する主軸加減速制御手段と、前記主軸加減速制御手段よ
り出力される指令を前記主軸制御部と前記送り軸制御部
の同期状態を保持するように分配する分配手段とを備え
ているものである。
【0020】この発明による数値制御装置では、主軸加
減速パターン用データ記憶手段が位置ループ制御状態の
主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速
パターンに類似した加減速パターンで制御するための主
軸加減速パターン用データを複数種類、記憶しており、
主軸加減速パターン用データ記憶手段、主軸加減速パタ
ーン用データ選択手段によってワークの材質、工具の材
質および形状に適した速度ループ制御状態の主軸モータ
の加減速パターンに類似した加減速パターンを選択で
き、選択された主軸加減速パターン用のデータに基づい
て位置ループ制御状態の主軸モータを制御することによ
り、主軸モータの応答性が的確に向上する。
【0021】つぎの発明による数値制御装置は、上述の
数値制御装置において、前記主軸加減速パターン用デー
タ選択手段は、加工プログラムに指令されたタップ切削
加工動作の主軸加減速パターン用データとタップ引き抜
き動作の主軸加減速パターン用データを、前記主軸加減
速パターン用データ記憶手段に記憶された複数種類のデ
ータから選択し、主軸加減速制御手段はタップ切削加工
動作時とタップ引き抜き動作時とで互いに異なった加減
速パターンで制御するための指令を算出するものであ
る。
【0022】この発明による数値制御装置では、主軸加
減速パターン用データ選択手段がタップ切削加工動作お
よびタップ引き抜き動作に適した別々の速度ループ制御
状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パ
ターンを選択設定し、選択設定された主軸加減速パター
ン用のデータに基づいて位置ループ制御状態の主軸モー
タを制御するから、タップ切削加工動作時とタップ引き
抜き動作時とで各々主軸モータの応答性が最適状態で向
上する。
【0023】つぎの発明による数値制御装置は、上述の
数値制御装置において、前記主軸加減速パターン用デー
タの選択設定を加工プログラムに記述されたデータの解
析により行うものである。
【0024】この発明による数値制御装置では、加工プ
ログラムに記述されたデータの解析により主軸加減速パ
ターン用データが選択設定される。
【0025】つぎの発明による数値制御装置は、上述の
数値制御装置において、前記主軸加減速パターン用デー
タ記憶手段は、加速指令処理用の主軸加速パターン用デ
ータと減速指令処理用の主軸減速パターン用データとを
記憶しており、主軸加減速制御手段は加速時と減速時と
で互いに異なった加速・減速パターンで制御するための
指令を算出するものである。
【0026】この発明による数値制御装置では、加速動
作、減速動作に適した別々の速度ループ制御状態の主軸
モータの加減速パターンに類似した加減速パターンが設
定され、設定された主軸加速パターン用のデータ、主軸
減速パターン用のデータに基づいて位置ループ制御状態
の主軸モータを制御するから、加速動作時と減速動作時
とで各々主軸モータの応答性が最適状態で向上する。
【0027】つぎの発明による数値制御装置は、上述の
数値制御装置において、速度ループ制御状態の主軸モー
タを停止状態から回転させた時の加速データと速度ルー
プ制御状態の主軸モータを定速回転状態から停止させた
時の減速データを前記主軸制御部より受け取り、これを
記憶する主軸加減速データ記憶手段と、前記主軸加減速
データ記憶手段に記憶された加速・減速データを解析
し、位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御
状態の主軸モータの加速・減速パターンに類似した加速
パターン、減速パターンで制御するための主軸加速パタ
ーン用データ、主軸減速パターン用データを算出し、こ
れらデータを前記主軸加減速パターン用データ記憶手段
に設定する主軸加減速データ解析手段とを備えたもので
ある。
【0028】この発明による数値制御装置では、速度ル
ープ制御状態の主軸モータを停止状態から回転駆動させ
ること、および速度ループ制御状態の主軸モータを定速
回転状態から停止させることにより、この時の主軸加速
データと主軸減速データとが主軸加減速データ記憶手段
に格納され、主軸加減速データ解析手段が主軸加減速デ
ータ記憶手段に記憶された加速・減速データを解析し、
位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態
の主軸モータの加速・減速パターンに類似した加速パタ
ーン、減速パターンで制御するための主軸加速パターン
用データ、主軸減速パターン用データを算出し、この主
軸加減速パターン用データが自動的に主軸加減速パター
ン用データ記憶部に設定される。
【0029】つぎの発明による数値制御装置は、上述の
数値制御装置において、前記主軸加減速データ記憶手段
に記憶された前記加減速パターン用データ、あるいは前
記加速パターン用データ、前記減速パターン用データ
は、加速・減速過程を複数段に区分した各段における時
定数と主軸回転数とにより構成されているものである。
【0030】この発明による数値制御装置では、加速・
減速過程を複数段に区分した各段における時定数と主軸
回転数とにより、主軸モータの加減速パターン用デー
タ、あるいは加速パターン用データ、減速パターン用デ
ータが構成される。
【0031】また、上述の目的を達成するために、この
発明による数値制御装置の主軸モータ加減速制御方法
は、主軸モータを制御する主軸制御部と、送り軸モータ
を制御する送り軸制御部とを備え、主軸と送り軸とを同
期制御する数値制御装置の主軸モータ加減速制御方法に
おいて、位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ
制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減
速パターンで制御するものである。
【0032】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、位置ループ制御状態の主軸モータ
を速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに
類似した加減速パターンで制御することにより、主軸モ
ータの応答性が向上し、主軸のイナーシャが送り軸のイ
ナーシャに比べて大きい場合でも主軸モータは送り軸モ
ータに対して、停止状態からの加速開始時、加速終了時
(定速回転)の直前、定速回転からの減速開始時および
減速終了時(停止状態)の直前等に追従遅れが発生し難
くなる。
【0033】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、位置ループ制御状態の主軸モ
ータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パター
ンに類似した加減速パターンで制御するための加減速パ
ターン用データを主軸加減速パターン用データ記憶手段
に記憶させておき、主軸加減速パターン用データ記憶手
段に記憶された加減速パターン用データに基づいて位置
ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態の主
軸モータの加減速パターンに類似した加減速パターンで
制御するための指令を主軸加減速制御手段によって算出
し、主軸加減速制御手段より出力される指令を分配手段
によって前記主軸制御部と前記送り軸制御部の同期状態
を保持するように分配するものである。
【0034】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、主軸加減速パターン用データ記憶
手段に記憶された加減速パターン用データに基づいて位
置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態の
主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パターン
で制御するための指令を主軸加減速制御手段によって算
出し、位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制
御状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速
パターンで制御することにより、主軸モータの応答性が
向上し、主軸のイナーシャが送り軸のイナーシャに比べ
て大きい場合でも主軸モータは送り軸モータに対して、
停止状態からの加速開始時、加速終了時(定速回転)の
直前、定速回転からの減速開始時および減速終了時(停
止状態)の直前等に追従遅れが発生し難くなる。
【0035】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、主軸加減速パターン用データ
記憶手段は加減速パターン用データを複数種類、記憶し
ており、主軸加減速パターン用データ選択手段によって
選択された種類の加減速パターン用データに基づいて位
置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態の
主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パターン
で制御するための指令を主軸加減速制御手段によって算
出するものである。
【0036】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、ワークの材質、工具の材質および
形状に適した速度ループ制御状態の主軸モータの加減速
パターンに類似した加減速パターンを選択でき、選択さ
れた主軸加減速パターン用のデータに基づいて位置ルー
プ制御状態の主軸モータを制御することにより、主軸モ
ータの応答性が的確に向上する。
【0037】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、主軸加減速パターン用データ
の選択指令を加工プログラムの記述により行うものであ
る。
【0038】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、加工プログラムの記述により主軸
加減速パターン用データの選択指令が行われる。
【0039】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、加工プログラムによる主軸加
減速パターン用データの選択指令をタップ切削加工動作
時とタップ引き抜き動作時とで個別に行い、タップ切削
加工動作時とタップ引き抜き動作時とで互いに異なった
加減速パターンで主軸モータの加減速制御を行うもので
ある。
【0040】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、タップ切削加工動作およびタップ
引き抜き動作に適した別々の速度ループ制御状態の主軸
モータの加減速パターンに類似した加減速パターンを選
択設定し、選択設定された主軸加減速パターン用のデー
タに基づいて位置ループ制御状態の主軸モータを制御す
るから、タップ切削加工動作時とタップ引き抜き動作時
とで各々主軸モータの応答性が最適状態で向上する。
【0041】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、加速時と主軸減速時とで異な
る加速パターン、減速パターンで主軸モータを制御する
ものである。
【0042】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、加速動作、減速動作に適した別々
の速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに
類似した加減速パターンを設定し、設定された主軸加速
パターン用のデータ、主軸減速パターン用のデータに基
づいて位置ループ制御状態の主軸モータを制御するか
ら、加速動作時と減速動作時とで各々主軸モータの応答
性が最適状態で向上する。
【0043】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、位置ループ制御状態の主軸モ
ータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パター
ンに類似した加減速パターンで制御するためデータを、
主軸モータを実際に速度ループ制御状態で加減速したと
きに得られる加速度特性に基づいて設定するものであ
る。
【0044】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、速度ループ制御状態の主軸モータ
を停止状態から回転駆動させること、および速度ループ
制御状態の主軸モータを定速回転状態から停止させるこ
とにより、主軸加減速パターン用データが自動的に主軸
加減速パターン用データ記憶部に設定される。
【0045】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法は、上述の数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法において、主軸モータの加減速パターン
用データ、あるいは加速パターン用データ、減速パター
ン用データは、加速・減速過程を複数段に区分した各段
における時定数と主軸回転数とにより構成されているも
のである。
【0046】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法では、加速・減速過程を複数段に区分し
た各段における時定数と主軸回転数とにより、主軸モー
タの加減速パターン用データ、あるいは加速パターン用
データ、減速パターン用データが構成される。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1はこの発明による数値制御装置の
実施の形態1を示している。
【0048】この数値制御装置1は、演算部2と、主軸
加減速パターン用データ記憶部3と、主軸加減速制御部
4と、分配器5と、送り軸制御部6と、主軸制御部7と
を有している。
【0049】演算部2は、プログラム解析部であり、加
工プログラムPより読み取った加工指令情報に基づいて
軸制御のための演算を行う。
【0050】主軸加減速パターン用データ記憶部3は位
置ループ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制御状
態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パタ
ーンで制御するためのデータ(加減速パターン用デー
タ)を記憶する。
【0051】主軸加減速制御部4は、演算部2より軸制
御指令を与えられ、主軸加減速パターン用データ記憶部
3に記憶されている加減速パターンデータに基づいて位
置ループ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制御状
態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パタ
ーンで制御するための指令を算出する。
【0052】分配器5は主軸加減速制御部4より出力さ
れる指令を送り軸制御部6と主軸制御部7とに同期状態
を保持するように分配する。
【0053】送り軸制御部6は、タップ加工の送り軸モ
ータ21を制御する軸制御部であり、分配器5より与え
らる指令と送り軸モータ21のパルスエンコーダ(P
G)22が出力する位置情報とにより位置ループ制御状
態で送り軸モータ21を制御する。
【0054】主軸制御部7は、タップ加工の主軸モータ
23を制御する軸制御部であり、分配器5より与えられ
る指令と主軸モータ23のパルスエンコーダ(PG)2
4が出力する位置情報とにより位置ループ制御状態で主
軸モータ23を制御する。
【0055】図2は主軸モータ23の速度ループ制御状
態の加減速パターンの一例を示している。主軸モータ2
3の回転速度が指示された指令回転速度CMD_Sに達
するまでの加速時にあっては、停止状態からの加速開始
時には緩やかに加速し、その後、ほぼ一定の傾きで加速
し続け、主軸モータ23の回転速度が指示された指令回
転速度CMD_S付近に達すると、再び緩やかな加速と
なり、主軸モータ23の回転速度が指令回転速度CMD
_Sに達すれば、指令回転速度CMD_Sで定速回転と
なり、減速時にはその逆になる。
【0056】主軸加減速パターン用データ記憶部3には
上述のような加減速パターンで加減速するためのデータ
が図3に例示されているように格納されている。この例
では、加減速が四段階で行われるようになっており、一
段目時定数T1と一段目主軸回転速度SPD1は一段目
の加減速の傾きを決定するためのデータ、二段目時定数
T2と二段目主軸回転速度SPD2は二段目の加減速の
傾きを決定するためのデータ、三段目時定数T3と三段
目主軸回転速度SPD3は三段目の加減速の傾きを決定
するためのデータ、四段目時定数T4と四段目主軸回転
速度SPD4は四段目の加減速の傾きを決定するための
データである。
【0057】図4は主軸加減速制御部4が算出する加速
時出力指令の一例であり、図3に示す主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶されたデータを参照して説明
する。
【0058】一段目の加速出力指令A1は、主軸モータ
23の回転速度が0(停止状態)から一段目主軸回転速
度SPD1に達するまでの加速出力指令であり、主軸加
減速パターン用データ記憶部3に記憶されている一段目
時定数T1および一段目主軸回転速度SPD1に基づい
て算出される。
【0059】二段目の加速出力指令A2は、主軸モータ
23の回転速度が一段目主軸回転速度SPD1から二段
目主軸回転速度SPD2に達するまでの加速出力指令で
あり、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶され
ている二段目時定数T2および二段目主軸回転速度SP
D2に基づいて算出される。
【0060】三段目の加速出力指令A3は、主軸モータ
23の回転速度が二段目主軸回転速度SPD2から三段
目主軸回転速度SPD3に達するまでの加速出力指令で
あり、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶され
ている三段目時定数T3および三段目主軸回転速度SP
D3に基づいて算出される。
【0061】四段目の加速出力指令A4は、主軸モータ
23の回転速度が三段目主軸回転速度SPD3から四段
目主軸回転速度SPD4に達するまでの加速出力指令で
あり、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶され
ている四段目時定数T4および四段目主軸回転速度SP
D4に基づいて算出される。
【0062】定速時の出力指令Sは、四段目主軸回転速
度SPD4に基づいて算出される。
【0063】このように、各段ごとの加速出力指令A
1、A2、A3、A4および定速時の出力指令Sに基づ
いて位置ループ制御状態の主軸モータ23を、図2に示
す主軸モータの速度ループ制御状態の加速パターンに類
似した加速パターン、即ち主軸モータ23が加速するの
に適した加速パターンで制御するための指令が作成され
る。
【0064】ここでは、加工プログラムPに指令された
主軸回転速度が四段目主軸回転速度SPD4以上の値で
あり、かつ主軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令
値が、主軸モータ23が四段目主軸回転速度SPD4に
達するのに充分な値である例を示したが、主軸と同期状
態を保持する送り軸の移動指令値が、主軸モータ23が
加工プログラムPに指令された主軸回転速度および四段
目主軸回転速度SPD4に達するのに充分な値でない場
合には、加速可能な主軸回転速度まで加速後、減速を開
始する。
【0065】また、加工プログラムPに指令された主軸
回転速度が四段目主軸回転速度SPD4未満であり、か
つ主軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値が主軸
モータ23が加工プログラムPに指令された主軸回転速
度に達するのに充分な値である場合には、主軸モータ2
3は加工プログラムPに指令された主軸回転速度に達す
ると定速回転を行う。
【0066】図5は主軸加減速制御部4が算出する減速
時出力指令の一例であり、図3に示す主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶されたデータを参照して説明
する。
【0067】定速時の出力指令Sは、加速時と同等に四
段目主軸回転速度SPD4に基づいて算出される。
【0068】四段目の減速出力指令D4は、減速処理の
開始により、主軸モータ23の回転速度が四段目主軸回
転速度SPD4から三段目主軸回転速度SPD3未満に
達するまでの減速出力指令であり、主軸加減速パターン
用データ記憶部3に記憶されている四段目時定数T4お
よび四段目主軸回転速度SPD4に基づいて算出され
る。
【0069】三段目の減速出力指令D3は、主軸モータ
23の回転速度が三段目主軸回転速度SPD3から二段
目主軸回転速度SPD2未満に達するまでの減速出力指
令であり、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶
されている三段目時定数T3および三段目主軸回転速度
SPD3に基づいて算出される。
【0070】二段目の減速出力指令D2は、主軸モータ
23の回転速度が二段目主軸回転速度SPD2から一段
目主軸回転速度SPD1未満に達するまでの減速出力指
令であり、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶
されている二段目時定数T2および二段目主軸回転速度
SPD2に基づいて算出される。
【0071】一段目の減速出力指令D1は、主軸モータ
23の回転速度が一段目主軸回転速度SPD1から0
(停止状態)に達するまでの減速出力指令であり、主軸
加減速パターン用データ記憶部3に記憶されている一段
目時定数T1および一段目主軸回転速度SPD1に基づ
いて算出される。
【0072】このように、定速時の出力指令Sおよび各
段ごとの減速出力指令D1、D2、D3、D4に基づい
て、位置ループ制御状態の主軸モータ23を、主軸モー
タ23の速度ループ制御状態の減速パターンに類似した
減速パターン、即ち主軸モータ23が減速するのに適し
た減速パターンで制御するための指令が作成される。
【0073】また、ここでは、主軸モータ23の回転速
度が四段目主軸回転速度SPD4から減速を開始する例
を示したが、主軸モータ23の回転速度が三段目主軸回
転速度SPD3以上かつ四段目主軸回転速度SPD4未
満から減速を開始する場合には、四段目の減速出力指令
D4、三段目の減速出力指令D3、二段目の減速出力指
令D2および一段目の減速出力指令D1に基づいて、主
軸モータ23の回転速度が二段目主軸回転速度SPD2
以上かつ三段目主軸回転速度SPD3未満から減速を開
始する場合には、三段目の減速出力指令D3、二段目の
減速出力指令D2および一段目の減速出力指令D1に基
づいて、主軸モータ23の回転速度が一段目主軸回転速
度SPD1以上かつ二段目主軸回転速度SPD2未満か
ら減速を開始する場合には、二段目の減速出力指令D2
および一段目の減速出力指令D1に基づいて、主軸モー
タ23の回転速度が一段目主軸回転速度SPD1未満か
ら減速を開始する場合には、一段目の減速出力指令D1
に基づいて、位置ループ制御状態の主軸モータ23を主
軸モータの速度ループ制御状態の減速パターンに類似し
た減速パターン、つまり主軸モータ23が減速するのに
適した減速パターンで制御するための指令を作成する。
【0074】図6はタップ切削加工動作またはタップ引
き抜き動作の処理開始時に1度だけ実行される初期化処
理のフローチャートである。この初期化処理では、図7
および図8に示されているタップ加工処理ルーチンで使
用するフラグF1〜フラグF3の初期化、即ちフラグF
1〜フラグF3に「0」をセットすることを行う(ステ
ップS1)。
【0075】図7および図8は、タップ切削加工動作ま
たはタップ引き抜き動作の処理のフローチャートであ
り、図3に示す主軸加減速パターン用データ記憶部3に
記憶されたデータ、図4に示す主軸加減速制御部4の加
速時出力指令および図5に示す主軸加減速制御部4の減
速時出力指令を参照して説明する。
【0076】初期化処理(図6に示すステップS1)が
終了した後、主軸と主軸の同期状態を保持する送り軸の
加速処理、即ち加工プログラムPで指令された加工情
報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶されて
いる一段目時定数T1および一段目主軸回転速度SPD
1に基づく図4の一段目の加速出力指令A1による一段
目の加速指令処理を行う(ステップS2)。
【0077】つぎに、加工プログラムPで指令された主
軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値に基づいて
減速指令処理を開始するか否かを判別する(ステップS
3)。
【0078】減速指令処理を開始すると判別すれば、一
段目の加速指令処理を終了してステップS23に移行
し、減速指令処理を開始する。
【0079】これに対し、減速指令処理を開始すると判
別しなければ、一段目の加速指令処理を続行し、主軸モ
ータ23の主軸回転速度が加工プログラムPで指令され
た主軸回転速度に到達したか否かを判別する(ステップ
S4)。
【0080】主軸モータ23の主軸回転速度が加工プロ
グラムPで指令された主軸回転速度に到達したと判別す
れば、一段目の加速指令処理を終了し、ステップS21
に移行し、定速指令処理を開始する。
【0081】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が加工プログラムPで指令された主軸回転速度に到達
したと判別しなければ、一段目の加速指令処理を続行
し、主軸モータ23の主軸回転速度が主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶されている一段目主軸回転速
度SPD1に到達したか否かを判別する(ステップS
5)。
【0082】主軸モータ23の主軸回転速度が一段目主
軸回転速度SPD1に到達したと判別しなければ、一段
目の加速指令処理を続行し、ステップS3に戻り、再度
一段目の加速指令処理を終了する判別(ステップS3〜
ステップS5)を実行する。
【0083】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が一段目主軸回転速度SPD1に到達したと判別すれ
ば、一段目の加速指令処理を終了し、フラグF1に
「1」をセットし(ステップS6)、加工プログラムP
で指令された加工情報、主軸加減速パターン用データ記
憶部3に記憶されている二段目時定数T2および二段目
主軸回転速度SPD2に基づく図4の二段目の加速出力
指令A2による二段目の加速指令処理を実行する(ステ
ップS7)。
【0084】つぎに、加工プログラムPで指令された主
軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値に基づいて
減速指令処理を開始するか否かを判別する(ステップS
8)。
【0085】減速指令処理を開始すると判別すれば、二
段目の加速指令処理を終了し、ステップS23に移行
し、減速指令処理を開始する。
【0086】これに対し、減速指令処理を開始すると判
別しなければ、二段目の加速指令処理を続行し、主軸モ
ータ23の主軸回転速度が加工プログラムPで指令され
た主軸回転速度に到達したか否かを判別する(ステップ
S9)。
【0087】主軸モータ23の主軸回転速度が加工プロ
グラムPで指令された主軸回転速度に到達したと判別す
れば、二段目の加速指令処理を終了し、ステップS21
に移行し、定速指令処理を開始する。
【0088】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が加工プログラムPで指令された主軸回転速度に到達
したと判別しなければ、二段目の加速指令処理を続行
し、主軸モータ23の主軸回転速度が主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶されている二段目主軸回転速
度SPD2に到達したか否かを判別する(ステップS1
0)。
【0089】主軸モータ23の主軸回転速度が二段目主
軸回転速度SPD2に到達したと判別しなければ、二段
目の加速指令処理を続行し、ステップS8に戻り、再度
二段目の加速指令処理を終了する判別(ステップS8〜
ステップS10)を実行する。
【0090】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が二段目主軸回転速度SPD2に到達したと判別すれ
ば、二段目の加速指令処理を終了し、フラグF2に
「1」をセットし(ステップS11)、加工プログラム
Pで指令された加工情報、主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶されている三段目時定数T3および三段
目主軸回転速度SPD3に基づいて図4の三段目の加速
出力指令A3による三段目の加速指令処理を実行する
(ステップS12)。
【0091】つぎに、加工プログラムPで指令された主
軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値に基づいて
減速指令処理を開始するか否かを判別する(ステップS
13)。
【0092】減速指令処理を開始すると判別すれば、三
段目の加速指令処理を終了し、ステップS23に移行
し、減速指令処理を開始する。
【0093】これに対し、減速指令処理を開始すると判
別しなければ、三段目の加速指令処理を続行し、主軸モ
ータ23の主軸回転速度が加工プログラムPで指令され
た主軸回転速度に到達したか否かを判別する(ステップ
S14)。
【0094】主軸モータ23の主軸回転速度が加工プロ
グラムPで指令された主軸回転速度に到達したと判別す
れば、三段目の加速指令処理を終了し、ステップS21
に移行し、定速指令処理を開始する。
【0095】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が加工プログラムPで指令された主軸回転速度に到達
したと判別しなければ、三段目の加速指令処理を続行
し、主軸モータ23の主軸回転速度が主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶された三段目主軸回転速度S
PD3に到達したか否かを判別する(ステップS1
5)。
【0096】主軸モータ23の主軸回転速度が三段目主
軸回転速度SPD3に到達したと判別しなければ、三段
目の加速指令処理を続行し、ステップS13に戻り、再
度三段目の加速指令処理を終了する判別(ステップS1
3〜ステップS15)を実行する。
【0097】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が三段目主軸回転速度SPD3に到達したと判別すれ
ば、三段目の加速指令処理を終了し、フラグF3に
「1」をセットし(ステップS16)、加工プログラム
Pで指令された加工情報、主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶されている四段目時定数T4および四段
目主軸回転速度SPD4に基づく図4の加速出力指令A
4による四段目の加速指令処理を実行する(ステップS
17)。
【0098】つぎに、図8において、加工プログラムP
で指令された主軸と同期状態を保持する送り軸の移動指
令値に基づいて減速指令処理を開始するか否かを判別す
る(ステップS18)。
【0099】減速指令処理を開始すると判別すれば、四
段目の加速指令処理を終了し、ステップS23に移行
し、減速指令処理を開始する。
【0100】これに対し、減速指令処理を開始すると判
別しなければ、四段目の加速指令処理を続行し、主軸モ
ータ23の主軸回転速度が加工プログラムPで指令され
た主軸回転速度に到達したか否かを判別する(ステップ
S19)。
【0101】主軸モータ23の主軸回転速度が加工プロ
グラムPで指令された主軸回転速度に到達したと判別す
れば、四段目の加速指令処理を終了し、ステップS21
に移行し、定速指令処理を開始する。
【0102】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が加工プログラムPで指令された主軸回転速度に到達
したと判別しなければ、四段目の加速指令処理を続行
し、主軸モータ23の主軸回転速度が主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶されている四段目主軸回転速
度SPD4に到達したか否かを判別する(ステップS2
0)。
【0103】主軸モータ23の主軸回転速度が四段目主
軸回転速度SPD4に到達したと判別しなければ、四段
目の加速指令処理を続行し、ステップS18に戻り、再
度四段目の加速指令処理を終了する判別(ステップS1
8〜ステップS20)を実行する。
【0104】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が四段目主軸回転速度SPD4に到達したと判別すれ
ば、四段目の加速指令処理を終了し、加工プログラムP
で指令された加工情報に基づいて図4に示した定速時の
出力指令Sの定速指令処理を開始する(ステップS2
1)。
【0105】つぎに、加工プログラムPで指令された主
軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値に基づいて
減速指令処理を開始するか否かを判別する(ステップS
22)。減速指令処理を開始すると判別しなければ、定
速時の出力指令Sによる定速指令処理を続行し、再度ス
テップS22を実行する。これに対し、減速指令処理を
開始すると判別すれば、定速指令処理を終了し、つぎに
ステップS23に移る。
【0106】ステップS23では、フラグF3に「1」
がセットされているか否によって四段目の減速指令処理
を行うか否かを判別する。
【0107】フラグF3に「1」がセットされていると
判別しなければ、ステップS26に移行し、三段目の減
速指令処理を行うか否かを判別する処理を実行する。
【0108】これに対し、フラグF3に「1」がセット
されていると判別すれば、加工プログラムPで指令され
た加工情報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記
憶されている四段目時定数T4および四段目主軸回転速
度SPD4に基づく図5に示した四段目の減速出力指令
D4による四段目の減速指令処理を実行する(ステップ
S24)。
【0109】つぎに、主軸モータ23の主軸回転速度が
主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶された三段
目主軸回転速度SPD3未満になったか否かを判別する
(ステップS25)。
【0110】主軸モータ23の主軸回転速度が三段目主
軸回転速度SPD3未満になったと判別しなければ、四
段目の減速指令処理を続行し、再度ステップS25を実
行する。
【0111】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が三段目主軸回転速度SPD3未満になったと判別す
れば、フラグF2に「1」がセットされているか否かに
よって三段目の減速指令処理を行うか否かを判別する
(ステップS26)。
【0112】フラグF2に「1」がセットされていると
判別しなければ、ステップS29に移行し、二段目の減
速指令処理を行うか否かを判別する処理を実行する。
【0113】これに対し、フラグF2に「1」がセット
されていると判別すれば、加工プログラムPで指令され
た加工情報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記
憶された三段目時定数T3および三段目主軸回転速度S
PD3に基づいて図5に示した三段目の減速出力指令D
3による三段目の減速指令処理を実行する(ステップS
27)。
【0114】つぎに主軸モータ23の主軸回転速度が主
軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶されている二
段目主軸回転速度SPD2未満になったか否かを判別す
る(ステップS28)。
【0115】主軸モータ23の主軸回転速度が二段目主
軸回転速度SPD2未満になったと判別しなければ、三
段目の減速指令処理を続行し、再度ステップS28を実
行する。
【0116】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が二段目主軸回転速度SPD2未満になったと判別す
れば、フラグF1に「1」がセットされているか否かに
よって二段目の減速指令処理を行うか否かを判別する
(ステップS29)。
【0117】フラグF1に「1」がセットされていると
判別しなければ、ステップS32に移行し、一段目の減
速指令処理を実行する。
【0118】これに対し、フラグF1に「1」がセット
されていると判別すれば、加工プログラムPで指令され
た加工情報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記
憶された二段目時定数T2および二段目主軸回転速度S
PD2に基づく図5に示した二段目の減速出力指令D2
による二段目の減速指令処理を実行する(ステップS3
0)。
【0119】つぎに、主軸モータ23の主軸回転速度が
主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶された一段
目主軸回転速度SPD1未満になったか否かを判別する
(ステップS31)。
【0120】主軸モータ23の主軸回転速度が一段目主
軸回転速度SPD1未満になったと判別しなければ、二
段目の減速指令処理を続行し、再度ステップS31を実
行する。
【0121】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が一段目主軸回転速度SPD1未満になったと判別す
れば、つぎに、加工プログラムPで指令された加工情
報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶されて
いる一段目時定数T1および一段目主軸回転速度SPD
1に基づく図5に示した一段目の減速出力指令D1によ
るの一段目の減速指令処理を実行する(ステップS3
2)。
【0122】つぎに、加工プログラムPで指令された主
軸と同期状態を保持する送り軸の移動指令値に基づいて
一段目の減速指令処理を終了するか否かを判別し(ステ
ップS33)、一段目の減速指令処理を終了すると判別
すれば、タップ切削加工動作またはタップ引き抜き動作
が終了する。一段目の減速指令処理を終了すると判別し
なければ、一段目の減速指令処理を続行し、再度ステッ
プS33を実行する。
【0123】この結果、図4に示されている一段目の加
速出力指令A1、二段目の加速出力指令A2、三段目の
加速出力指令A3、四段目の加速出力指令A4の各段の
加速出力指令、および図5に示されている四段目の減速
出力指令D1、三段目の減速出力指令D3、二段目の減
速出力指令D2、一段目の減速出力指令D1の各段の減
速出力指令に基づいて、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を、図2に示す主軸モータの速度ループ制御状態
の加減速パターンに類似した加減速パターン、即ち主軸
モータ23が加減速するのに最適な加減速パターンで制
御することができる。
【0124】これにより主軸モータ23の応答性が向上
し、タップ加工に要するサイクルタイムを短縮するため
に、加減速の傾き(加速度)を大きくする方法を用いる
場合においても、主軸モータ23は送り軸モータ21に
対して、停止状態からの加速開始時、加速終了時(定速
回転)の直前、定速回転からの減速開始時および減速終
了時(停止状態)の直前等に追従遅れが発生し難くな
り、加工精度の向上だけでなくサイクルタイムの短縮が
実現できる。
【0125】なお、上述の実施の形態では、位置ループ
制御状態の主軸モータ23を、速度ループ制御状態の加
減速パターンに類似した加減速パターンで制御するため
に、主軸加減速パターン用データ記憶部3に四段分の主
軸加減速パターン用データを記憶したが、主軸加減速パ
ターン用データは四段分以外の多段分であってもよい。
【0126】(実施の形態2)図9はこの発明による数
値制御装置の実施の形態2を示している。尚、図9に於
いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の
符号を付けてその説明を省略する。
【0127】この実施の形態では、主軸加減速パターン
用データ記憶部3は、位置ループ制御状態の主軸モータ
23を速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パター
ンに類似した加減速パターンで制御するための主軸加減
速パターン用データを複数種類、記憶しており、主軸加
減速パターン用データ記憶部3に記憶された複数種類の
データから任意の主軸加減速パターン用データを選択す
る主軸加減速パターン用データ選択部8が設けられてい
る。
【0128】主軸加減速制御部4は、主軸加減速パター
ン用データ選択部8により選択された主軸加減速パター
ン用データに基づいて、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パタ
ーンに類似した加減速パターンで制御するための指令を
算出する。
【0129】図10は主軸加減速パターン用データ記憶
部3における複数種類の主軸加減速パターン用データの
格納例を示している。この例では、番号1〜番号4の4
種類の主軸加減速パターン用データが主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に格納されている。
【0130】主軸加減速パターン番号1の主軸加減速パ
ターン用データは、一段目時定数T11、二段目時定数
T12、三段目時定数T13、一段目主軸回転速度SP
D11、二段目主軸回転速度SPD12、三段目主軸回
転速度SPD13よりなり、主軸加減速パターン番号2
の主軸加減速パターン用データは、一段目時定数T2
1、二段目時定数T22、三段目時定数T23、一段目
主軸回転速度SPD21、二段目主軸回転速度SPD2
2、三段目主軸回転速度SPD23よりなり、主軸加減
速パターン番号3の主軸加減速パターン用データは、一
段目時定数T31、二段目時定数T32、三段目時定数
T33、四段目時定数T34、一段目主軸回転速度SP
D31、二段目主軸回転速度SPD32、三段目主軸回
転速度SPD33、四段目主軸回転速度SPD34より
なり、主軸加減速パターン番号4の主軸加減速パターン
用データは、一段目時定数T41、二段目時定数T4
2、三段目時定数T43、四段目時定数T44、一段目
主軸回転速度SPD41、二段目主軸回転速度SPD4
2、三段目主軸回転速度SPD43、四段目主軸回転速
度SPD44よりなる。
【0131】各々の主軸加減速パターン用データ群にお
いて、一段目時定数T11、T21、T31、T41と
一段目主軸回転速度SPD11、SPD21、SPD3
1、SPD41は一段目の加減速の傾きを決定するため
の主軸加減速パターン用データ、二段目時定数T12、
T22、T32、T42と二段目主軸回転速度SPD1
2、SPD22、SPD32、SPD42は二段目の加
減速の傾きを決定するための主軸加減速パターン用デー
タ、三段目時定数T13、T23、T33、T43と三
段目主軸回転速度SPD13、SPD23、SPD3
3、SPD43は三段目の加減速の傾きを決定するため
の主軸加減速パターン用データ、四段目時定数T34、
T44と四段目主軸回転速度SPD34、SPD44は
四段目の加減速の傾きを決定するための主軸加減速パタ
ーン用データである。
【0132】図11は主軸加減速制御部4のタップ加工
動作の出力指令の一例を示している。図11において、
は主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶された
主軸加減速パターン番号1の主軸加減速パターン用デー
タに基づいた加減速出力指令を、は主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番
号2の主軸加減速パターン用データに基づいた加減速出
力指令を、は主軸加減速パターン用データ記憶部3に
記憶された主軸加減速パターン番号3の主軸加減速パタ
ーン用データに基づいた加減速出力指令を、は主軸加
減速パターン用データ記憶部3に記憶された主軸加減速
パターン番号4の主軸加減速パターン用データに基づい
た加減速出力指令を各々示している。
【0133】加減速出力指令〜は、ワーク(図示せ
ず)の材質、工具(図示せず)の材質および形状に基づ
いて主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶された
複数種類の主軸加減速パターン用データ群から最適な主
軸加減速パターン用データを選択し、かつ選択された主
軸加減速パターン用データに基づいて加減速出力指令を
実行できる。
【0134】図12はこの実施の形態におけるタップ加
工処理のフローチャートであり、図10に示す主軸加減
速パターン用データ記憶部3に記憶された主軸加減速パ
ターン用データ群、図11に示す主軸加減速制御部4の
加減速出力指令を参照して説明する。
【0135】先ず、主軸加減速パターン用データ選択部
8は、主軸加減速パターン用データ記憶部3からワーク
(図示せず)の材質、工具(図示せず)の材質および形
状に基づいて加工プログラムPで指示された主軸加減速
パターン番号の主軸加減速パターン用データを選択する
(ステップS101)。この説明では、図10に示す主
軸加減速パターン番号2の主軸加減速パターン用データ
を選択したこととする。
【0136】つぎに、加工プログラムPで指令された加
工情報および選択された図10における主軸加減速パタ
ーン番号2の主軸加減速パターン用データに基づいて図
11のタップ切削加工動作指令処理を実行する(ステッ
プS102)。
【0137】この後にタップ切削加工が穴底まで到達し
たか否かを判別し(ステップS103)、タップ切削加
工が穴底まで到達したと判別しなければ、タップ切削加
工動作指令処理を続行する。これに対しタップ切削加工
が穴底まで到達したと判別すれば、タップ切削加工動作
指令処理を終了し、加工プログラムPで指令された加工
情報および選択された図10に示す主軸加減速パターン
番号2の主軸加減速パターン用データに基づいて図11
のタップ引き抜き動作指令処理を実行する(ステップS
104)。
【0138】この後にタップ加工開始位置まで戻ったか
否かを判別し(ステップS105)、タップ加工位置ま
で戻ったと判別すれば、タップ加工処理を終了する。タ
ップ加工開始位置まで戻ったと判別しなければ、タップ
引き抜き動作指令処理を続行し、再度ステップS105
を実行する。
【0139】この結果、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を、主軸モータの速度ループ制御状態の加減速パ
ターンに類似した加減速パターンで制御するだけでな
く、複数種類の主軸加減速パターン用データ群からワー
ク(図示せず)の材質、工具(図示せず)の材質および
形状に基づいて最適な加減速パターンに基づいて制御す
ることができる。
【0140】これにより、主軸モータ23の応答性が的
確に向上し、タップ加工に要するサイクルタイムを短縮
するため、加減速の傾きを大きくする方法を用いる場合
においても、効率的なタップ加工およびタップ加工精度
の向上が実現できる。
【0141】なお、上記実施の形態2では、位置ループ
制御状態の主軸モータ23を、速度ループ制御状態の加
減速パターンに類似した加減速パターンで制御するため
に主軸加減速パターン用データ記憶部3に4種類(主軸
加減速パターン番号1〜主軸加減速パターン番号4)の
主軸加減速パターン用データを記憶したが、主軸加減速
パターン用データの種類数は4種類に限られることはな
い。
【0142】(実施の形態3)図13はこの発明による
数値制御装置の実施の形態3を示している。尚、図13
に於いて、図1、図9に対応する部分は図1、図9に付
した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0143】この実施の形態では、加工プログラムPに
タップ切削加工動作の主軸加減速パターン番号とタップ
引き抜き動作の主軸加減速パターン番号を記述設定する
入力部9が設けられている。
【0144】主軸加減速パターン用データ選択部3は、
加工プログラムPに指令された番号(種類)によるタッ
プ切削加工動作の主軸加減速パターン用データとタップ
引き抜き動作の主軸加減速パターン用データを、主軸加
減速パターン用データ記憶部3に記憶された複数種類の
データから選択して読み出す。
【0145】この場合も、主軸加減速制御部4は、主軸
加減速パターン用データ選択部8により選択された主軸
加減速パターン用データに基づいて、位置ループ制御状
態の主軸モータ23を速度ループ制御状態の主軸モータ
の加減速パターンに類似した加減速パターンで制御する
ための指令を算出する。
【0146】図14は主軸加減速パターン用データ記憶
部3における複数種類の主軸加減速パターン用データの
格納例を示している。この例では、番号1〜番号4の4
種類の主軸加減速パターン用データが主軸加減速パター
ン用データ記憶部3に格納されている。
【0147】主軸加減速パターン番号1の主軸加減速パ
ターン用データは、一段目時定数T11、二段目時定数
T12、三段目時定数T13、一段目主軸回転速度SP
D11、二段目主軸回転速度SPD12、三段目主軸回
転速度SPD13よりなり、主軸加減速パターン番号2
の主軸加減速パターン用データは、一段目時定数T2
1、二段目時定数T22、三段目時定数T23、四段目
時定数T24、一段目主軸回転速度SPD21、二段目
主軸回転速度SPD22、三段目主軸回転速度SPD2
3、四段目主軸回転速度SPD24よりなり、主軸加減
速パターン番号3の主軸加減速パターン用データは、一
段目時定数T31、二段目時定数T32、三段目時定数
T33、四段目時定数T34、一段目主軸回転速度SP
D31、二段目主軸回転速度SPD32、三段目主軸回
転速度SPD33、四段目主軸回転速度SPD34より
なり、主軸加減速パターン番号4の主軸加減速パターン
用データは、一段目時定数T41、二段目時定数T4
2、三段目時定数T43、四段目時定数T44、五段目
時定数T45、一段目主軸回転速度SPD41、二段目
主軸回転速度SPD42、三段目主軸回転速度SPD4
3、四段目主軸回転速度SPD44、五段目主軸回転速
度SPD45よりなる。
【0148】各々の主軸加減速パターン用データ群にお
いて、一段目時定数T11、T21、T31、T41と
一段目主軸回転速度SPD11、SPD21、SPD3
1、SPD41は一段目の加減速の傾きを決定するため
の主軸加減速パターン用データ、二段目時定数T12、
T22、T32、T42と二段目主軸回転速度SPD1
2、SPD22、SPD32、SPD42は二段目の加
減速の傾きを決定するための主軸加減速パターン用デー
タ、三段目時定数T13、T23、T33、T43と三
段目主軸回転速度SPD13、SPD23、SPD3
3、SPD43は三段目の加減速の傾きを決定するため
の主軸加減速パターン用データ、四段目時定数T24、
T34、T44と四段目主軸回転速度SPD24、SP
D34、SPD44は四段目の加減速の傾きを決定する
ための主軸加減速パターン用データ、五段目時定数T4
5と五段目主軸回転速度SPD45は五段目の加減速の
傾きを決定するための主軸加減速パターン用データであ
る。
【0149】図15は加工プログラムPのブロック記述
において、タップ切削加工動作の主軸加減速パターン番
号とタップ引き抜き動作の主軸加減速パターン番号を指
令したタップ加工のプログラム例を示している。タップ
切削加工動作の主軸加減速パターン番号とタップ引き抜
き動作の主軸加減速パターン番号の指令は、”Q_,Q
_”で行われ、この例では、タップ切削加工動作の主軸
加減速パターン番号が1を、タップ引き抜き動作の主軸
加減速パターン番号が4を指令している。
【0150】主軸加減速パターン用データの選択設定は
加工プログラムPに上述のように記述されたアドレスデ
ータ”Q_,Q_”の解析により行われる。
【0151】図16は実施の形態3における主軸加減速
制御部4のタップ加工動作の出力指令の一例を示してい
る。図16において、は主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番号1の主軸
加減速パターン用データに基づいたタップ切削加工動作
の加減速出力指令を、は主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番号2の主軸
加減速パターン用データに基づいたタップ切削加工動作
の加減速出力指令を、は主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番号3の主軸
加減速パターン用データに基づいたタップ引き抜き動作
の加減速出力指令を、は主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番号4の主軸
加減速パターン用データに基づいたタップ引き抜き動作
の加減速出力指令を各々示している。
【0152】タップ引き抜き動作は切削を伴わないか
ら、タップ切削加工動作より高速に行うことができる。
このことから、タップ引き抜き動作の加減速出力指令が
タップ切削加工動作の加減速出力指令と同一の加減速パ
ターンによるものであると、タップ加工に要するサイク
ルタイムが長くなり、非効率的である。
【0153】このため、この実施の形態では、タップ引
き抜き動作の加減速出力指令、は、タップ切削加工
動作の加減速出力指令、による加減速パターンより
加減速に要する時間が短いものを主軸加減速パターン用
データ記憶部3から選択し、選択された主軸加減速パタ
ーン用データに基づいて加減速出力指令を実行する。
【0154】図16に示されている例では、主軸加減速
パターン用データ記憶部3に記憶された主軸加減速パタ
ーン番号1の主軸加減速パターン用データおよび主軸加
減速パターン番号2の主軸加減速パターン用データに基
づいてタップ切削加工動作の加減速出力指令を決定して
いるが、種々条件により、主軸加減速パターン用データ
記憶部3に記憶された主軸加減速パターン番号3の主軸
加減速パターン用データまたは主軸加減速パターン番号
4の主軸加減速パターン用データに基づいてタップ切削
加工動作の加減速出力指令を決定してもよく、また主軸
加減速パターン用データ記憶部3に記憶された主軸加減
速パターン番号1の主軸加減速パターン用データまたは
主軸加減速パターン番号2の主軸加減速パターン用デー
タに基づいてタップ引き抜き動作の加減速出力指令を決
定してもよい。
【0155】図17はこの実施の形態におけるタップ加
工処理のフローチャートであり、図14に示す主軸加減
速パターン用データ記憶部3に記憶された主軸加減速パ
ターン用データ群、図15に示すタップ切削加工動作の
主軸加減速パターン番号およびタップ引き抜き動作の主
軸加減速パターン番号を指示したタップ加工のプログラ
ム、図16に示す主軸加減速制御部4の加減速出力指令
を参照して説明する。
【0156】先ず、主軸加減速パターン用データ選択部
8はタップ加工のプログラムPにより指令されたタップ
切削加工動作用の主軸加減速パターン番号の主軸加減速
パターン用データを主軸加減速パターン用データ記憶部
3から選択する(ステップS201)。図15に示され
ているタップ加工のプログラムでは、タップ切削加工動
作の主軸加減速パターン番号が1であることを指示して
いるので、図14における主軸加減速パターン番号1の
主軸加減速パターン用データを選択する。
【0157】つぎに、タップ加工のプログラムで指令さ
れた加工情報および前ステップで選択された主軸加減速
パターン番号1の主軸加減速パターン用データに基づい
て図16にてで示すタップ切削加工動作指令処理を実
行する(ステップS202)。
【0158】つぎに、タップ切削加工が穴底まで到達し
たか否かを判別し(ステップS203)、タップ切削加
工が穴底まで到達したと判別しなければ、タップ切削加
工動作指令処理を続行し、再度ステップS203を実行
する。
【0159】これに対し、タップ切削加工が穴底まで到
達したと判別すれば、タップ切削加工動作指令処理を終
了し、つぎに主軸加減速パターン用データ選択部8がタ
ップ加工のプログラムにより指令されたタップ引き抜き
動作用の主軸加減速パターン番号の主軸加減速パターン
用データを主軸加減速パターン用データ記憶部3から選
択する(ステップS204)。図15に示されているタ
ップ加工のプログラムでは、タップ引き抜き動作の主軸
加減速パターン番号が4であることを指示しているの
で、主軸加減速パターン番号4の主軸加減速パターン用
データを選択する。
【0160】つぎに、タップ加工のプログラムで指令さ
れた加工情報および前ステップで選択された主軸加減速
パターン番号4の主軸加減速パターン用データに基づい
て図16にてで示すタップ引き抜き動作指令処理を実
行する(ステップS205)。
【0161】つぎに、タップ加工開始位置まで戻ったか
否かを判別し(ステップS206)、タップ加工位置ま
で戻ったと判別すれば、タップ加工処理を終了する。タ
ップ加工開始位置まで戻ったと判別しなければ、タップ
引き抜き動作指令処理を続行し、再度ステップS206
を実行する。
【0162】この結果、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を主軸モータの速度ループ制御状態の加減速パタ
ーンに類似した加減速パターンで制御するだけでなく、
複数種類の主軸加減速パターン用データ群からタップ切
削加工動作とタップ引き抜き動作とで最適な加減速パタ
ーンに基づいて制御することができる。
【0163】これにより、タップ切削加工動作時とタッ
プ引き抜き動作時とで各々主軸モータの応答性が最適状
態で向上し、タップ加工に要するサイクルタイムを短縮
するため、加減速の傾きを大きくする方法を用いる場合
においても、効率的にタップ加工を実行することがで
き、タップ加工に要するサイクルタイムを短縮すること
が可能となる。
【0164】また、複数種類の主軸加減速パターン用デ
ータ群から選択されたタップ切削加工動作およびタップ
引き抜き動作に最適な加減速パターンデータに基づいて
制御するから、タップ加工のプログラムよりタップ切削
加工動作の主軸回転速度およびタップ引き抜き動作の主
軸回転速度をタップ加工のプログラムより別々に指示す
れば、さらに効率的にタップ加工を実行することがで
き、タップ加工に要するサイクルタイムの短縮が可能と
なる。
【0165】(実施の形態4)図18はこの発明による
数値制御装置の実施の形態4を示している。尚、図18
に於いて、図1、図9、図13に対応する部分は図1、
図9、図13に付した符号と同一の符号を付けてその説
明を省略する。
【0166】この実施の形態では、主軸加速パターン用
・主軸減速パターン用データ記憶部(主軸加減速パター
ン用データ記憶部)10が設けられている。主軸加速パ
ターン用・主軸減速パターン用データ記憶部10は、位
置ループ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制御状
態の主軸モータの加速パターンに類似した加速パターン
で制御するための主軸加速パターン用データと、位置ル
ープ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制御状態の
主軸モータの減速パターンに類似した減速パターンで制
御するための主軸減速パターン用データとを、各々複数
種類、記憶している。
【0167】主軸加減速パターン用データ選択部8は、
主軸加速パターン用・主軸減速パターン用データ記憶部
10に記憶された複数種類のデータから指示された加速
指令処理の主軸加速パターン用データと、減速指令処理
の主軸減速パターン用データをそれぞれ選択する。
【0168】主軸加減速制御部4は主軸加減速パターン
用データ選択部8によって選択された主軸加速パターン
用データ、主軸減速パターン用データに基づいて位置ル
ープ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制御状態の
主軸モータの加減速パターンに類似した個別の加速パタ
ーン、減速パターンで制御するための指令を算出する。
【0169】図19は主軸加速パターン用・主軸減速パ
ターン用データ記憶部10における複数種類の主軸加減
速パターン用データの格納例を示している。この例で
は、番号1、番号2の2種類の主軸加速パターン用デー
タと、番号1、番号2の2種類の主軸減速パターン用デ
ータが主軸加速パターン用・主軸減速パターン用データ
記憶部10に格納されている。
【0170】主軸加速パターン番号1の主軸加速パター
ン用データは、一段目加速時定数Ta11、二段目加速
時定数Ta12、三段目加速時定数Ta13、四段目加
速時定数Ta14、一段目主軸回転速度SPDa11、
二段目主軸回転速度SPDa12、三段目主軸回転速度
SPDa13、四段目主軸回転速度SPDa14よりな
り、主軸減速パターン番号1の主軸減速パターン用デー
タは、一段目減速時定数Td11、二段目減速時定数T
d12、三段目減速時定数Td13、一段目主軸回転速
度SPDd11、二段目主軸回転速度SPDd12、三
段目主軸回転速度SPDd13よりなり、この両データ
は同一パターン番号でペアリングされている。
【0171】主軸加速パターン番号2の主軸加速パター
ン用データは、一段目加速時定数Ta21、二段目加速
時定数Ta22、三段目加速時定数Ta23、四段目加
速時定数Ta24、一段目主軸回転速度SPDa21、
二段目主軸回転速度SPDa22、三段目主軸回転速度
SPDa23、四段目主軸回転速度SPDa24よりな
り、主軸減速パターン番号2の主軸減速パターン用デー
タは、一段目減速時定数Td21、二段目減速時定数T
d22、三段目減速時定数Td23、一段目主軸回転速
度SPDd21、二段目主軸回転速度SPDd22、三
段目主軸回転速度SPDd23よりなり、この両データ
も同一パターン番号でペアリングされている。
【0172】各々の主軸加速パターン用データ群におい
て、一段目加速時定数Ta11、Ta21と一段目主軸
回転速度SPDa11、SPDa21は一段目の加速の
傾きを決定するための主軸加速パターン用データ、二段
目加速時定数Ta12、Ta22と二段目主軸回転速度
SPDa12、SPDa22は二段目の加速の傾きを決
定するための主軸加速パターン用データ、三段目加速時
定数Ta13、Ta23と三段目主軸回転速度SPDa
13、SPDa23は三段目の加速の傾きを決定するた
めの主軸加速パターン用データ、四段目加速時定数Ta
14、Ta24と四段目主軸回転速度SPDa14、S
PDa24は四段目の加速の傾きを決定するための主軸
加速パターン用データである。
【0173】また、一段目減速時定数Td11、Td2
1と一段目主軸回転速度SPDd11、SPDd21は
一段目の減速の傾きを決定するための主軸減速パターン
用データ、二段目減速時定数Td12、Td22と二段
目主軸回転速度SPDd12、SPDd22は二段目の
減速の傾きを決定するための主軸減速パターン用デー
タ、三段目減速時定数Td13、Td23と三段目主軸
回転速度SPDd13、SPDd23は三段目の減速の
傾きを決定するための主軸減速パターン用データであ
る。
【0174】図20は実施の形態3における主軸加減速
制御部4のタップ加工動作の出力指令の一例である。図
20において、aは主軸加速パターン用・主軸減速パ
ターン用データ記憶部10に記憶されている主軸加速パ
ターン番号1の主軸加速パターン用データに基づいた加
速出力指令、dは主軸加速パターン用・主軸減速パタ
ーン用データ記憶部10に記憶されている主軸減速パタ
ーン番号1の主軸減速パターン用データに基づいた減速
出力指令である。
【0175】また、aは主軸加速パターン用・主軸減
速パターン用データ記憶部10に記憶されている主軸加
速パターン番号2の主軸加速パターン用データに基づい
た加速出力指令、dは主軸加速パターン用・主軸減速
パターン用データ記憶部10に記憶されている主軸減速
パターン番号2の主軸減速パターン用データに基づいた
減速出力指令である。
【0176】加速出力指令a、aと、減速出力指令
d、dでは、加速動作と減速動作で共通の主軸加減
速パターン用データを選択し、選択された主軸加減速パ
ターン用データに基づいて加速出力指令、減速出力指令
を実行すると、主軸モータの加速動作の主軸のイナーシ
ャと減速動作の主軸のイナーシャが異なるため、サイク
ルタイムに無駄な時間が生じることから、加速動作では
主軸加速パターン用データ、減速動作では主軸減速パタ
ーン用データを選択し、選択された主軸加速パターン用
データ、または主軸減速パターン用データに基づいて加
速出力指令、減速出力指令を実行する。
【0177】この実施の形態でも、実施の形態3におけ
る場合と同様に、入力部9によって加工プログラムPに
タップ切削加工動作の主軸加速パターン番号とタップ引
き抜き動作の主軸減速パターン番号とを設定することが
できる。
【0178】図21はこの実施の形態におけるタップ加
工処理のフローチャートであり、図19に示す主軸加速
パターン用・主軸減速パターン用データ記憶部10に記
憶された主軸加速パターン用データ群、主軸減速パター
ン用データ群、図20に示す主軸加減速制御部4の加速
出力指令、減速出力指令を参照して説明する。
【0179】先ず、主軸加減速パターン用データ選択部
8は、主軸加速パターン用・主軸減速パターン用データ
記憶部10から指示された主軸加速パターン番号の主軸
加速パターン用データを選択する(ステップS30
1)。ここでは、図19に示されている主軸加速パター
ン番号1の主軸加速パターン用データを選択したことと
する。
【0180】つぎに、加工プログラムPで指示された加
工情報および前ステップで選択された主軸加速パターン
番号1の主軸加速パターン用データに基づいて図20に
てaで示されている加速指令処理を実行する(ステッ
プS302)。
【0181】つぎに、減速指令処理を開始するか否かを
判別(ステップS303)し、減速指令処理を開始する
と判別すれば、加速指令処理を終了し、ステップS30
7に移り、減速指令処理を開始すると判別しなければ、
加速指令処理を続行し、加速指令処理を終了するか否か
を判別する(ステップS304)。
【0182】加速指令処理を終了すると判別すれば、加
速指令処理を終了し、加工プログラムPで指示された加
工情報に基づいて定速指令処理を実行する(ステップS
305)。これに対し、加速指令処理を終了すると判別
しなければ、加速指令処理を続行し、ステップS303
に戻る。
【0183】定速指令処理が実行されれば、つぎに減速
指令処理を開始するか否かを判別し(ステップS30
6)、減速指令処理を開始すると判別しなければ、定速
指令処理を続行し、再度ステップS306を実行する。
【0184】これに対し、減速指令処理を開始すると判
別すれば、定速指令処理を終了し、主軸加減速パターン
用データ選択部8が主軸加速パターン用・主軸減速パタ
ーン用データ記憶部10から指示された主軸減速パター
ン番号の主軸減速パターン用データを選択する(ステッ
プS307)。ここでは、図19に示されている主軸減
速パターン番号1の主軸減速パターン用データを選択し
たこととする。
【0185】つぎに、加工プログラムPで指令された加
工情報および前ステップで選択された主軸減速パターン
番号1の主軸減速パターン用データに基づいて図20に
てdで示されている減速指令処理を実行する(ステッ
プS308)。
【0186】つぎに、減速指令処理を終了するか否かを
判別し(ステップS309)、減速指令処理を終了する
と判別すれば、減速指令処理を終了する。減速指令処理
を終了すると判別しなければ、減速指令処理を続行し、
再度ステップS309を実行する。
【0187】この結果、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を主軸モータの速度ループ制御状態の加速・減速
パターンに類似した加減速パターンで制御するだけでな
く、複数種類の主軸加速パターン用データ群、主軸減速
パターン用データ群から加速指令処理、減速指令処理に
最適な個別の加速パターン、減速パターンに基づいて制
御することができる。
【0188】これにより主軸モータの加速動作の主軸の
イナーシャと減速動作の主軸のイナーシャが異なる場合
においても、加速動作時と減速動作時とで各々主軸モー
タの応答性が最適状態で向上し、最適な加速パターンお
よび減速パターンでタップ加工を実行することができ、
タップ加工に要するサイクルタイムに無駄な時間が生じ
させないようにすることが可能となる。
【0189】(実施の形態5)図22はこの発明による
数値制御装置の実施の形態5を示している。尚、図22
に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同
一の符号を付けてその説明を省略する。
【0190】この実施の形態では、主軸加速パターン用
・主軸減速パターン用データ記憶部10に、主軸加速パ
ターン用データと主軸減速パターン用データを設定する
ことが、入力部11によるオペレータ入力以外に、主軸
加減速データ解析部12よりのデータ転送により自動的
に行えるようになっている。
【0191】このため、この実施の形態では、主軸制御
部7が主軸モータ23の速度センサ(TG)25よりの
速度信号による速度ループ制御状態で主軸モータ23を
制御している時の主軸モータ23の加速データ、減速デ
ータを記憶する主軸加減速データ記憶部13が設けられ
ている。
【0192】主軸加減速データ解析部12は、主軸加減
速データ記憶部13に記憶された主軸加速・減速データ
を解析し、位置ループ制御状態の主軸モータ23を、速
度ループ制御状態の主軸モータの加速・減速パターンに
類似した加速パターン、減速パターンで制御するための
主軸加減速パターン用データを生成し、これを主軸加速
パターン用・主軸減速パターン用データ記憶部10に設
定する。
【0193】図23は、主軸モータ23の速度ループ制
御状態の加減速データの一例を示している。図23は主
軸モータ23の回転速度が指示された指令回転速度CM
D_S2に達するまでの加速データおよび主軸モータ2
3が指令回転速度CMD_S2から停止するまでの減速
データを示している。
【0194】主軸モータ23は、停止状態からの加速開
始時にあっては、緩やかに加速し、その後、ほぼ一定の
傾きで加速し続ける。主軸モータ23の回転速度が指示
された指令回転速度CMD_S2付近に達すると、緩や
かな加速となり、指令回転速度CMD_S2に達すれ
ば、定速回転を行う。
【0195】主軸モータ23は、停止を指示されると、
定速回転から緩やかに減速し、その後、ほぼ一定の傾き
で減速し続ける。主軸モータ23は、停止状態付近にな
ると緩やかな減速となり、回転停止する。
【0196】図24は主軸加速パターン用・主軸減速パ
ターン用データ記憶部10における主軸加減速パターン
用データの格納例を示している。
【0197】主軸加速パターン用データは、一段目加速
時定数Ta1、二段目加速時定数Ta2、三段目加速時
定数Ta3、四段目加速時定数Ta4、一段目主軸回転
速度SPDa1、二段目主軸回転速度SPDa2、三段
目主軸回転速度SPDa3、四段目主軸回転速度SPD
a4よりなり、主軸減速パターン用データは、一段目減
速時定数Td1、二段目減速時定数Td2、三段目減速
時定数Td3、四段目減速時定数Td4、一段目主軸回
転速度SPDd1、二段目主軸回転速度SPDd2、三
段目主軸回転速度SPDd3、四段目主軸回転速度SP
Dd4よりなっている。
【0198】主軸加速パターン用データにおいて、一段
目加速時定数Ta1と一段目主軸回転速度SPDa1は
一段目の加速の傾きを決定するための主軸加速パターン
用データ、二段目加速時定数Ta2と二段目主軸回転速
度SPDa2は二段目の加速の傾きを決定するための主
軸加速パターン用データ、三段目加速時定数Ta3と三
段目主軸回転速度SPDa3は三段目の加速の傾きを決
定するための主軸加速パターン用データ、四段目加速時
定数Ta4と四段目主軸回転速度SPDa4は四段目の
加速の傾きを決定するための主軸加速パターン用データ
である。
【0199】また、一段目減速時定数Td1と一段目主
軸回転速度SPDd1は一段目の減速の傾きを決定する
ための主軸減速パターン用データ、二段目減速時定数T
d2と二段目主軸回転速度SPDd2は二段目の減速の
傾きを決定するための主軸減速パターン用データ、三段
目減速時定数Td3と三段目主軸回転速度SPDd3は
三段目の減速の傾きを決定するための主軸減速パターン
用データ、四段目減速時定数Td4と四段目主軸回転速
度SPDd4は四段目の減速の傾きを決定するための主
軸減速パターン用データである。
【0200】主軸加速パターン用データと主軸加速パタ
ーン用データを主軸加速パターン用・主軸減速パターン
用データ記憶部10に設定することは、オペレータ操作
によってパラメータ設定式に入力部11より入力設定す
ることができる。
【0201】しかし、オペレータが加工条件や機械条件
に適した主軸加速パターン用データ、主軸減速パターン
用データを入力部11より設定するのは、非効率的であ
るだけでなく、設定を誤る可能性もある。
【0202】このため、この実施の形態では、オペレー
タは速度ループ制御状態の主軸モータ23を停止状態か
ら定速回転状態まで回転駆動させること、および速度ル
ープ制御状態の主軸モータ23を定速回転状態から停止
させるだけで、主軸加速パターン用データ、主軸減速パ
ターン用データを自動的に主軸加速パターン用・主軸減
速パターン用データ記憶部10に設定することができ
る。
【0203】オペレータは、入力部11より主軸加減速
データ変化ポイント数を設定した後に、入力部11によ
り主軸加減速パターン用データ設定モードに切り替え、
速度ループ制御状態の主軸モータ23を停止状態から定
速回転状態まで回転駆動させる。オペレータは、主軸モ
ータ23が定速回転まで加速したことを確認後、主軸モ
ータ23を停止させる。この操作により主軸加減速デー
タ記憶部13は速度ループ制御状態の主軸モータ23の
加減速データを記憶する。
【0204】図25は主軸加減速データ解析部12が主
軸加減速データ記憶部13に記憶された主軸モータ23
の速度ループ制御状態の加速データに基づいて主軸加速
パターン用データを算出し、これを主軸加速パターン用
・主軸減速パターン用データ記憶部10に設定する例を
示している。
【0205】図25に示す主軸モータ23の速度ループ
制御状態の加速データにおいて、Pa1は一段目の加速
データ変化ポイント、Pa2は二段目の加速データ変化
ポイント、Pa3は三段目の加速データ変化ポイント、
Pa4は四段目の加速データ変化ポイントであり、主軸
モータ23の速度ループ制御状態の加速データの変化の
著しいポイントを示す。
【0206】Ta1は主軸モータ23の回転速度が0
(停止状態)から一段目の加速データ変化ポイントPa
1に到達するまでの加速データの傾きにおける一段目加
速時定数、Ta2は一段目の加速データ変化ポイントP
a1から二段目の加速データ変化ポイントPa2に到達
するまでの加速データの傾きにおける二段目加速時定
数、Ta3は二段目の加速データ変化ポイントPa2か
ら三段目の加速データ変化ポイントPa3に到達するま
での加速データの傾きにおける三段目加速時定数、Ta
4は三段目の加速データ変化ポイントPa3から四段目
の加速データ変化ポイントPa4に到達するまでの加速
データの傾きにおける四段目加速時定数である。
【0207】SPDa1は一段目の加速データ変化ポイ
ントPa1の一段目主軸回転速度、SPDa2は二段目
の加速データ変化ポイントPaの二段目主軸回転速度、
SPDa3は三段目の加速データ変化ポイントPa3の
三段目主軸回転速度、SPDa4は四段目の加速データ
変化ポイントPa4の四段目主軸回転速度である。
【0208】このように、主軸加減速データ解析部12
は主軸加減速データ記憶部13に記憶された主軸モータ
23の速度ループ制御状態の加速データを解析し、加速
データの変化の著しいポイントPa1〜Pa4に基づい
て位置ループ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制
御状態の主軸モータの加速パターンに類似した加速パタ
ーンで制御するための主軸加速パターン用データを算出
し、この主軸加速パターン用データを主軸加速パターン
用・主軸減速パターン用データ記憶部10に設定する。
【0209】図26は主軸加減速データ解析部12が主
軸加減速データ記憶部13に記憶された主軸モータ23
の速度ループ制御状態の減速データに基づいて主軸減速
パターン用データを算出し、これを主軸加速パターン用
・主軸減速パターン用データ記憶部10に設定する例を
示している。
【0210】図26に示す主軸モータ23の速度ループ
制御状態の加速データにおいて、Pd4は主軸モータ2
3が定速回転から減速を開始する四段目の減速データ変
化ポイント、Pd3は三段目の減速データ変化ポイン
ト、Pd2は二段目の減速データ変化ポイント、Pd1
は一段目の減速データ変化ポイント、Pd0は回転停止
ポイントであり、主軸モータ23の速度ループ制御状態
の減速データの変化の著しいポイントを示す。
【0211】Td4は四段目の減速データ変化ポイント
(主軸モータ23が定速回転から減速を開始するポイン
ト)Pd4から三段目の減速データ変化ポイントPd3
に到達するまでの減速データの傾きにおける四段目減速
時定数、Td3は三段目の減速データ変化ポイントPd
3から二段目の減速データ変化ポイントPd2に到達す
るまでの減速データの傾きにおける三段目減速時定数、
Td2は二段目の減速データ変化ポイントPd2から一
段目の減速データ変化ポイントPd1に到達するまでの
減速データの傾きにおける二段目減速時定数、Td1は
一段目の減速データ変化ポイントPd1から主軸モータ
23が回転停止するポイントPd0に到達するまでの減
速データの傾きにおける一段目減速時定数である。
【0212】SPDd4は四段目の減速データ変化ポイ
ントPd4の四段目主軸回転速度、SPDd3は三段目
の減速データ変化ポイントPd3の三段目主軸回転速
度、SPDd2は二段目の減速データ変化ポイントPd
2の二段目主軸回転速度、SPDd1は一段目の減速デ
ータ変化ポイントPd1の一段目主軸回転速度である。
【0213】このように、主軸加減速データ解析部12
は主軸加減速データ記憶部13に記憶された主軸モータ
23の速度ループ制御状態の減速データを解析し、減速
データの変化の著しいポイントPd1〜Pd4に基づい
て位置ループ制御状態の主軸モータ23を速度ループ制
御状態の主軸モータの減速パターンに類似した減速パタ
ーンで制御するための主軸減速パターン用データを算出
し、この主軸減速パターン用データを主軸加速パターン
用・主軸減速パターン用データ記憶部10に設定する。
【0214】図27は主軸加減速パターン用データ設定
処理のフローチャートである。
【0215】先ず、主軸加減速データ解析部12は主軸
加減速データ記憶部13に書き込まれた速度ループ制御
状態での主軸モータ23の加速・減速データを取り込む
(ステップS401)。主軸モータ23の加速・減速デ
ータの取り込みが終了すると、取り込んだ主軸加速・減
速データの一定時間ごとの変化量を算出する(ステップ
S402)。
【0216】つぎに、取り込んだすべての主軸加速・減
速データの一定時間ごとの変化量算出が終了したか否か
を判別し(ステップS403)、取り込んだすべての主
軸加速・減速データの一定時間ごとの変化量算出が終了
すれば、この主軸加速・減速データの変化量に基づいて
主軸加速・減速データの変化量の大きいポイントを順に
主軸加減速変化ポイントとして設定する(ステップS4
04)。
【0217】つぎに、設定ポイント数が指示された主軸
加減速変化ポイントに達したか否かを判別する(ステッ
プS405)。指示された主軸加減速変化ポイントに達
したと判別しなければ、ステップS404に戻り、主軸
加速・減速データの変化量に基づいて主軸加速・減速デ
ータの変化量の大きいポイントを順に主軸加減速変化ポ
イントとすることを繰り返す。
【0218】これに対し、指示された主軸加減速変化ポ
イントに達したと判別すれば、主軸モータ23の加速に
おける主軸加速変化ポイントを停止状態から定速回転の
順に、一段目の加速データ変化ポイントPa1、二段目
の加速データ変化ポイントPa2、三段目の加速データ
変化ポイントPa3、四段目の加速データ変化ポイント
Pa4と云うように並べ替べかえ、また主軸モータ23
の減速における主軸減速変化ポイントを定速回転から停
止状態の順に、四段目の減速データ変化ポイントPd
1、三段目の減速データ変化ポイントPd3、二段目の
減速データ変化ポイントPd2、一段目の減速データ変
化ポイントPd1と云うように並べ替えかえる(ステッ
プS406)。
【0219】つぎに、前ステップで加速順または減速順
に並べ替えた主軸加速データ変化ポイントPa1〜Pa
4および主軸減速データ変化ポイントPd1〜Pd4の
時定数および主軸回転速度を主軸加速・減速データに基
づいて算出する(ステップS407)。
【0220】最後に、前ステップで算出した主軸加速・
減速データ変化ポイントごとの時定数および主軸回転速
度を主軸加速パターン用・主軸減速パターン用データ記
憶部10に設定する。
【0221】上述のように、オペレータが速度ループ制
御状態の主軸モータ23を停止状態から回転駆動させる
こと、および速度ループ制御状態の主軸モータ23を定
速回転状態から停止させることにより、主軸加減速デー
タ記憶部13と主軸データ解析部12とにより主軸加減
速パターン用データを自動的に主軸加速パターン用・主
軸減速パターン用データ記憶部10に設定するから、オ
ペレータの作業量を低減できると共にオペレータの誤設
定を防止できる。
【0222】なお、上述の説明では、主軸加減速データ
解析部12は主軸加速データおよび主軸減速データにそ
れぞれ4個づつの主軸加速・減速データ変化ポイントを
設定したが、主軸加速・減速データ変化ポイントは4個
以外の複数個であってもよく、また主軸加減速データ解
析部12は主軸加速データおよび主軸減速データにそれ
ぞれ4個づつの主軸加速・減速データ変化ポイントを設
定したが、主軸加速データ変化ポイント数と主軸減速デ
ータ変化ポイント数は必ずしも同じでなくてもよい。
【0223】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明による数値制御装置によれば、タップ加工などに要す
るサイクルタイムを短縮するため、加減速の傾き(加速
度)を大きくする方法を用いる場合において、主軸加減
速パターン用データ記憶手段に記憶された加減速パター
ン用データに基づいて位置ループ制御状態の主軸モータ
を速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに
類似した加減速パターンで制御するための指令を主軸加
減速制御手段によって算出し、位置ループ制御状態の主
軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パ
ターンに類似した加減速パターンで制御することによ
り、主軸モータの応答性が向上し、主軸のイナーシャが
送り軸のイナーシャに比べて大きい場合でも主軸モータ
は送り軸モータに対して、停止状態からの加速開始時、
加速終了時(定速回転)の直前、定速回転からの減速開
始時および減速終了時(停止状態)の直前等に追従遅れ
が発生し難くなるから、タップ加工などに要するサイク
ルタイムを短縮することができると共に加工精度を向上
させることができる。
【0224】つぎの発明による数値制御装置によれば、
タップ加工などに要するサイクルタイムを短縮するた
め、加減速の傾き(加速度)を大きくする方法を用いる
場合において、主軸加減速パターン用データ選択手段に
よってワークの材質、工具の材質および形状に適した速
度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似
した加減速パターンを選択でき、選択された主軸加減速
パターン用のデータに基づいて位置ループ制御状態の主
軸モータを制御することにより、主軸モータの応答性が
的確に向上するから、主軸および送り軸の加工条件に最
適な加減速指令処理を実行することができ、タップ加工
精度を向上できる。
【0225】つぎの発明による数値制御装置によれば、
タップ加工に要するサイクルタイムを短縮するため、加
減速の傾き(加速度)を大きくする方法を用いる場合に
おいて、主軸加減速パターン用データ選択手段がタップ
切削加工動作およびタップ引き抜き動作に適した別々の
速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類
似した加減速パターンを選択設定し、選択設定された主
軸加減速パターン用のデータに基づいて位置ループ制御
状態の主軸モータを制御するから、タップ切削加工動作
時とタップ引き抜き動作時とで各々主軸モータの応答性
が最適状態で向上し、主軸および送り軸のタップ切削加
工動作およびタップ引き抜き動作に最適な加減速指令処
理を実行することができ、タップ加工に要するサイクル
タイムを短縮できる。
【0226】つぎの発明による数値制御装置によれば、
加工プログラムに記述されたデータの解析により主軸加
減速パターン用データが選択設定されるから、主軸加減
速パターン用データの選択設定が加工プログラム上にお
いて簡便に行われるようになる。
【0227】つぎの発明による数値制御装置によれば、
加速動作、減速動作に適した別々の速度ループ制御状態
の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パター
ンを設定され、設定された主軸加速パターン用のデー
タ、主軸減速パターン用のデータに基づいて位置ループ
制御状態の主軸モータを制御するから、加速動作時と減
速動作時とで各々主軸モータの応答性が最適状態で向上
し、主軸および送り軸の機械条件に最適な加速指令処
理、減速指令処理を実行することができることにより、
加速動作の主軸のイナーシャと減速動作の主軸のイナー
シャが異なる場合においても、最適な加速パターンおよ
び減速パターンで制御でき、サイクルタイムに無駄な時
間が生じないようにできる。
【0228】つぎの発明による数値制御装置によれば、
オペレータが速度ループ制御状態の主軸モータを停止状
態から回転駆動させることおよび速度ループ制御状態の
主軸モータを定速回転状態から停止させることにより、
主軸加減速データ記憶手段と主軸データ解析手段とによ
り主軸加減速パターン用データを自動的に主軸加減速パ
ターン用データ記憶手段に設定するから、オペレータの
作業量を低減できると共にオペレータの誤設定を防止で
きる。
【0229】つぎの発明による数値制御装置によれば、
加速・減速過程を複数段に区分した各段における時定数
と主軸回転数とにより、主軸モータの加減速パターン用
データ、あるいは加速パターン用データ、減速パターン
用データが構成されているから、所要の効果が得られる
段数設定により最小限のデータ数で、位置ループ制御状
態の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加
減速パターンに類似した加減速パターンで制御すること
ができる。
【0230】この発明による数値制御装置の主軸モータ
加減速制御方法によれば、タップ加工などに要するサイ
クルタイムを短縮するために加減速の傾き(加速度)を
大きくする方法を用いる場合において、位置ループ制御
状態の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの
加減速パターンに類似した加減速パターンで制御するこ
とにより、主軸モータの応答性が向上するから、主軸の
イナーシャが送り軸のイナーシャに比べて大きい場合で
も主軸モータは送り軸モータに対して、停止状態からの
加速開始時、加速終了時(定速回転)の直前、定速回転
からの減速開始時および減速終了時(停止状態)の直前
等に追従遅れが発生し難くなり、タップ加工などに要す
るサイクルタイムを短縮できると共に加工精度を向上で
きる。
【0231】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、主軸加減速パターン用デー
タ記憶手段に記憶された加減速パターン用データに基づ
いて位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御
状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パ
ターンで制御するための指令を主軸加減速制御手段によ
って算出し、位置ループ制御状態の主軸モータを速度ル
ープ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似した
加減速パターンで制御することにより、主軸モータの応
答性が向上し、主軸のイナーシャが送り軸のイナーシャ
に比べて大きい場合でも主軸モータは送り軸モータに対
して、停止状態からの加速開始時、加速終了時(定速回
転)の直前、定速回転からの減速開始時および減速終了
時(停止状態)の直前等に追従遅れが発生し難くなるか
ら、タップ加工などに要するサイクルタイムを短縮でき
ると共に加工精度を向上できる。
【0232】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、タップ加工などに要するサ
イクルタイムを短縮するため、加減速の傾き(加速度)
を大きくする方法を用いる場合において、ワークの材
質、工具の材質および形状に適した速度ループ制御状態
の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パター
ンを選択でき、選択された主軸加減速パターン用のデー
タに基づいて位置ループ制御状態の主軸モータを制御す
ることにより、主軸モータの応答性が的確に向上するか
ら、主軸および送り軸の加工条件に最適な加減速指令処
理を実行することができ、タップ加工精度を向上でき
る。
【0233】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、加工プログラムの記述によ
り主軸加減速パターン用データの選択指令が行われるか
ら、主軸加減速パターン用データの選択指令が加工プロ
グラム上で簡便に行われるようになる。
【0234】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、タップ加工に要するサイク
ルタイムを短縮するため、加減速の傾き(加速度)を大
きくする方法を用いる場合において、タップ切削加工動
作およびタップ引き抜き動作に適した別々の速度ループ
制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減
速パターンを選択設定し、選択設定された主軸加減速パ
ターン用のデータに基づいて位置ループ制御状態の主軸
モータを制御するから、タップ切削加工動作時とタップ
引き抜き動作時とで各々主軸モータの応答性が最適状態
で向上し、主軸および送り軸のタップ切削加工動作およ
びタップ引き抜き動作に最適な加減速指令処理を実行す
ることができ、タップ加工に要するサイクルタイムを短
縮できる。
【0235】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、加速動作、減速動作に適し
た別々の速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パタ
ーンに類似した加減速パターンを設定し、設定された主
軸加速パターン用のデータ、主軸減速パターン用のデー
タに基づいて位置ループ制御状態の主軸モータを制御す
るから、加速動作時と減速動作時とで各々主軸モータの
応答性が最適状態で向上し、主軸および送り軸の機械条
件に最適な加速指令処理、減速指令処理を実行すること
ができることにより、加速動作の主軸のイナーシャと減
速動作の主軸のイナーシャが異なる場合においても、最
適な加速パターンおよび減速パターンで制御でき、サイ
クルタイムに無駄な時間が生じないようにできる。
【0236】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、速度ループ制御状態の主軸
モータを停止状態から回転駆動させること、および速度
ループ制御状態の主軸モータを定速回転状態から停止さ
せることにより、主軸加減速パターン用データが自動的
に主軸加減速パターン用データ記憶手段に設定されるか
ら、オペレータの作業量を低減できると共にオペレータ
の誤設定を防止できる。
【0237】つぎの発明による数値制御装置の主軸モー
タ加減速制御方法によれば、加速・減速過程を複数段に
区分した各段における時定数と主軸回転数とにより、主
軸モータの加減速パターン用データ、あるいは加速パタ
ーン用データ、減速パターン用データが構成されるか
ら、所要の効果が得られる段数設定により最小限のデー
タ数で、位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ
制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似した加減
速パターンにより制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による数値制御装置の実施の形態1
の要部を示すブロック図である。
【図2】 主軸モータの速度ループ制御状態の加速パタ
ーンの一例を示す加速特性線図である。
【図3】 実施の形態1における主軸加減速パターン用
データ記憶部のデータ内容の一例を示す説明図である。
【図4】 実施の形態1における主軸加減速制御部の加
速時出力指令の一例を示す線図である。
【図5】 実施の形態1における主軸加減速制御部の減
速時出力指令の一例を示す線図である。
【図6】 実施の形態1におけるタップ加工動作の初期
化処理を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態1におけるタップ加工動作処理の
前半部を示すフローチャートである。
【図8】 実施の形態1におけるタップ加工動作処理の
後半部を示すフローチャートである。
【図9】 この発明による数値制御装置の実施の形態2
の要部を示すブロック図である。
【図10】 実施の形態2における主軸加減速パターン
用データ記憶部のデータ内容の一例を示す説明図であ
る。
【図11】 実施の形態2におけるタップ加工動作の出
力指令の一例を示す線図である。
【図12】 実施の形態2におけるタップ加工動作処理
を示すフローチャートである。
【図13】 この発明による数値制御装置の実施の形態
3の要部を示すブロック図である。
【図14】 実施の形態3における主軸加減速パターン
用データ記憶部のデータ内容の一例を示す説明図であ
る。
【図15】 実施の形態3におけるタップ加工のプログ
ラム例を示す説明図である。
【図16】 実施の形態3におけるタップ加工動作の出
力指令の一例を示す線図である。
【図17】 実施の形態3におけるタップ加工動作処理
を示すフローチャートである。
【図18】 この発明による数値制御装置の実施の形態
4の要部を示すブロック図である。
【図19】 実施の形態4における主軸加減速パターン
用データ記憶部のデータ内容の一例を示す説明図であ
る。
【図20】 実施の形態4におけるタップ加工動作の出
力指令の一例を示す線図である。
【図21】 実施の形態4におけるタップ加工動作処理
を示すフローチャートである。
【図22】 この発明による数値制御装置の実施の形態
5の要部を示すブロック図である。
【図23】 主軸モータの速度ループ制御状態の加減速
特性の一例を示す特性線図である。
【図24】 実施の形態5における主軸加減速パターン
用データ記憶部のデータ内容の一例を示す説明図であ
る。
【図25】 実施の形態5における主軸加速パターン用
データ算出の一例を示す説明図である。
【図26】 実施の形態5における主軸減速パターン用
データ算出の一例を示す説明図である。
【図27】 実施の形態5における主軸加減速パターン
用データ設定処理を示すフローチャートである。
【図28】 従来における数値制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置,2 演算部,3 主軸加減速パター
ン用データ記憶部,4主軸加減速制御部,5 分配器,
6 送り軸制御部,7 主軸制御部,8 主軸加減速パ
ターン用データ選択部,9 入力部,10 主軸加速パ
ターン用・主軸減速パターン用データ記憶部,11 入
力部,12 主軸加減速データ解析部,13 主軸加減
速データ記憶部,21 送り軸モータ,22 ロータリ
エンコーダ,23 主軸モータ,24 ロータリエンコ
ーダ,25 速度センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】初期化処理(図6に示すステップS1)が
終了した後、主軸と送り軸の同期状態を保持する送り軸
の加速処理、即ち加工プログラムPで指令された加工情
報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶されて
いる一段目時定数T1および一段目主軸回転速度SPD
1に基づく図4の一段目の加速出力指令A1による一段
目の加速指令処理を行う(ステップS2)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】これに対し、主軸モータ23の主軸回転速
度が一段目主軸回転速度SPD1未満になったと判別す
れば、つぎに、加工プログラムPで指令された加工情
報、主軸加減速パターン用データ記憶部3に記憶されて
いる一段目時定数T1および一段目主軸回転速度SPD
1に基づく図5に示した一段目の減速出力指令D1によ
る一段目の減速指令処理を実行する(ステップS3
2)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】この結果、図4に示されている一段目の加
速出力指令A1、二段目の加速出力指令A2、三段目の
加速出力指令A3、四段目の加速出力指令A4の各段の
加速出力指令、および図5に示されている四段目の減速
出力指令D、三段目の減速出力指令D3、二段目の減
速出力指令D2、一段目の減速出力指令D1の各段の減
速出力指令に基づいて、位置ループ制御状態の主軸モー
タ23を、図2に示す主軸モータの速度ループ制御状態
の加減速パターンに類似した加減速パターン、即ち主軸
モータ23が加減速するのに最適な加減速パターンで制
御することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正内容】
【0144】主軸加減速パターン用データ選択部は、
加工プログラムPに指令された番号(種類)によるタッ
プ切削加工動作の主軸加減速パターン用データとタップ
引き抜き動作の主軸加減速パターン用データを、主軸加
減速パターン用データ記憶部3に記憶された複数種類の
データから選択して読み出す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正内容】
【0174】図20は実施の形態における主軸加減速
制御部4のタップ加工動作の出力指令の一例である。図
20において、aは主軸加速パターン用・主軸減速パ
ターン用データ記憶部10に記憶されている主軸加速パ
ターン番号1の主軸加速パターン用データに基づいた加
速出力指令、dは主軸加速パターン用・主軸減速パタ
ーン用データ記憶部10に記憶されている主軸減速パタ
ーン番号1の主軸減速パターン用データに基づいた減速
出力指令である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0200
【補正方法】変更
【補正内容】
【0200】主軸加速パターン用データと主軸速パタ
ーン用データを主軸加速パターン用・主軸減速パターン
用データ記憶部10に設定することは、オペレータ操作
によってパラメータ設定式に入力部11より入力設定す
ることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0218
【補正方法】変更
【補正内容】
【0218】これに対し、指示された主軸加減速変化ポ
イントに達したと判別すれば、主軸モータ23の加速に
おける主軸加速変化ポイントを停止状態から定速回転の
順に、一段目の加速データ変化ポイントPa1、二段目
の加速データ変化ポイントPa2、三段目の加速データ
変化ポイントPa3、四段目の加速データ変化ポイント
Pa4と云うように並べ替べかえ、また主軸モータ23
の減速における主軸減速変化ポイントを定速回転から停
止状態の順に、四段目の減速データ変化ポイントPd
、三段目の減速データ変化ポイントPd3、二段目の
減速データ変化ポイントPd2、一段目の減速データ変
化ポイントPd1と云うように並べ替えかえる(ステッ
プS406)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】変更
【補正内容】
【図27】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸モータを制御する主軸制御部と、送
    り軸モータを制御する送り軸制御部とを備え、主軸と送
    り軸とを同期制御する数値制御装置において、 位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態
    の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パター
    ンで制御するための加減速パターン用データを記憶する
    主軸加減速パターン用データ記憶手段と、 前記主軸加減速パターン用データ記憶手段に記憶された
    加減速パターン用データに基づいて位置ループ制御状態
    の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減
    速パターンに類似した加減速パターンで制御するための
    指令を算出する主軸加減速制御手段と、 前記主軸加減速制御手段より出力される指令を前記主軸
    制御部と前記送り軸制御部の同期状態を保持するように
    分配する分配手段と、 を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  2. 【請求項2】 主軸モータを制御する主軸制御部と、送
    り軸モータを制御する送り軸制御部とを備え、主軸と送
    り軸とを同期制御する数値制御装置において、 位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態
    の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パター
    ンで制御するための複数種類の加減速パターン用データ
    を記憶する主軸加減速パターン用データ記憶手段と、 前記主軸加減速パターン用データ記憶手段に記憶された
    複数種類の加減速パターン用データから任意の加減速パ
    ターン用データを選択する主軸加減速パターン用データ
    選択手段と、 前記主軸加減速パターン用データ選択手段により選択さ
    れた主軸加減速パターン用データに基づいて位置ループ
    制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モー
    タの加減速パターンに類似した加減速パターンで制御す
    るための指令を算出する主軸加減速制御手段と、 前記主軸加減速制御手段より出力される指令を前記主軸
    制御部と前記送り軸制御部の同期状態を保持するように
    分配する分配手段と、 を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  3. 【請求項3】 前記主軸加減速パターン用データ選択手
    段は、加工プログラムに指令されたタップ切削加工動作
    の主軸加減速パターン用データとタップ引き抜き動作の
    主軸加減速パターン用データを、前記主軸加減速パター
    ン用データ記憶手段に記憶された複数種類のデータから
    選択し、主軸加減速制御手段はタップ切削加工動作時と
    タップ引き抜き動作時とで互いに異なった加減速パター
    ンで制御するための指令を算出することを特徴とする請
    求項2に記載の数値制御装置。
  4. 【請求項4】 前記主軸加減速パターン用データの選択
    設定を加工プログラムに記述されたデータの解析により
    行うことを特徴とする請求項2または3に記載の数値制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記主軸加減速パターン用データ記憶手
    段は、加速指令処理用の主軸加速パターン用データと減
    速指令処理用の主軸減速パターン用データとを記憶して
    おり、主軸加減速制御手段は加速時と減速時とで互いに
    異なった加速・減速パターンで制御するための指令を算
    出することを特徴とする請求項1〜4のいづれか一つに
    記載の数値制御装置。
  6. 【請求項6】 速度ループ制御状態の主軸モータを停止
    状態から回転させた時の加速データと速度ループ制御状
    態の主軸モータを定速回転状態から停止させた時の減速
    データを前記主軸制御部より受け取り、これを記憶する
    主軸加減速データ記憶手段と、 前記主軸加減速データ記憶手段に記憶された加速・減速
    データを解析し、位置ループ制御状態の主軸モータを速
    度ループ制御状態の主軸モータの加速・減速パターンに
    類似した加速パターン、減速パターンで制御するための
    主軸加速パターン用データ、主軸減速パターン用データ
    を算出し、これらデータを前記主軸加減速パターン用デ
    ータ記憶手段に設定する主軸加減速データ解析手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいづれか一つ
    に記載の数値制御装置。
  7. 【請求項7】 前記主軸加減速データ記憶手段に記憶さ
    れた前記加減速パターン用データ、あるいは前記加速パ
    ターン用データ、前記減速パターン用データは、加速・
    減速過程を複数段に区分した各段における時定数と主軸
    回転数とにより構成されていることを特徴とする請求項
    1〜6のいづれか一つに記載の数値制御装置。
  8. 【請求項8】 主軸モータを制御する主軸制御部と、送
    り軸モータを制御する送り軸制御部とを備え、主軸と送
    り軸とを同期制御する数値制御装置の主軸モータ加減速
    制御方法において、 位置ループ制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態
    の主軸モータの加減速パターンに類似した加減速パター
    ンで制御するステップを含むことを特徴とする数値制御
    装置の主軸モータ加減速制御方法。
  9. 【請求項9】 位置ループ制御状態の主軸モータを速度
    ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似し
    た加減速パターンで制御するための加減速パターン用デ
    ータを主軸加減速パターン用データ記憶手段に記憶させ
    るステップと、 主軸加減速パターン用データ記憶手段に記憶された加減
    速パターン用データに基づいて位置ループ制御状態の主
    軸モータを速度ループ制御状態の主軸モータの加減速パ
    ターンに類似した加減速パターンで制御するための指令
    を主軸加減速制御手段によって算出するステップと、 主軸加減速制御手段より出力される指令を分配手段によ
    って前記主軸制御部と前記送り軸制御部の同期状態を保
    持するように分配するステップと、 を含むことを特徴とする請求項8に記載の数値制御装置
    の主軸モータ加減速制御方法。
  10. 【請求項10】 主軸加減速パターン用データ記憶手段
    は加減速パターン用データを複数種類、記憶するステッ
    プと、 主軸加減速パターン用データ選択手段によって選択され
    た種類の加減速パターン用データに基づいて位置ループ
    制御状態の主軸モータを速度ループ制御状態の主軸モー
    タの加減速パターンに類似した加減速パターンで制御す
    るための指令を主軸加減速制御手段によって算出するス
    テップと、 を含むことを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置
    の主軸モータ加減速制御方法。
  11. 【請求項11】 主軸加減速パターン用データの選択指
    令を加工プログラムの記述により行うステップを含むこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載の数値制御装
    置の主軸モータ加減速制御方法。
  12. 【請求項12】 加工プログラムによる主軸加減速パタ
    ーン用データの選択指令をタップ切削加工動作時とタッ
    プ引き抜き動作時とで個別に行うステップと、 タップ切削加工動作時とタップ引き抜き動作時とで互い
    に異なった加減速パターンで主軸モータの加減速制御を
    行うステップと、 を含むことを特徴とする請求項11に記載の数値制御装
    置の主軸モータ加減速制御方法。
  13. 【請求項13】 主軸加速時と主軸減速時とで異なる加
    速パターン、減速パターンで主軸モータを制御するステ
    ップを含むことを特徴とする請求項8〜12に記載の数
    値制御装置の主軸モータ加減速制御方法。
  14. 【請求項14】 位置ループ制御状態の主軸モータを速
    度ループ制御状態の主軸モータの加減速パターンに類似
    した加減速パターンで制御するためデータを、主軸モー
    タを実際に速度ループ制御状態で加減速したときに得ら
    れる加速度特性に基づいて設定するステップを含むこと
    を特徴とする請求項8〜13に記載の数値制御装置の主
    軸モータ加減速制御方法。
  15. 【請求項15】 主軸モータの加減速パターン用デー
    タ、あるいは加速パターン用データ、減速パターン用デ
    ータは、加速・減速過程を複数段に区分した各段におけ
    る時定数と主軸回転数とにより構成されるステップを含
    むことを特徴とする請求項8〜13に記載の数値制御装
    置の主軸モータ加減速制御方法。
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