JP2004139253A - 数値制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補間周期を8分割し、各1/8周期毎に補間データを求め8個分の補間データを補間周期毎出力する。ワーク送り軸の1/8周期の補間データが「0」になると、工具軸の1/8周期の補間データを出力開始する。同様に、工具軸の1/8周期の補間データが「0」になると、ワーク送り軸の1/8周期の補間データを出力開始する。これにより、一方の軸が停止すると直ちに他方の軸の動作が開始されるから、待ち時間がなく加工効率が向上する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械を制御する数値制御装置に関し、特にパンチプレス等の加工を連続して行う工作機械の制御に適した数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークを搭載したテーブルをX軸、Y軸のような送り軸によってプログラムの指令に従って駆動しワークを位置決めする。そして、このワーク送り軸の状態に基づいてタイミングをとって工具軸を駆動し加工する工作機械はすでに開発されている。
【0003】
例えば、パンチプレス機では、ワークの送り軸であるX軸、Y軸の位置決めはプログラムによる指令で行われ、又、工具軸であるプレス軸の位置決めは、数値制御装置内部のメモリにプレス軸の移動指令のデータテーブルを用意しておき、このテーブルから指令データを読み出して実行し、工具軸を位置決めしている。
【0004】
従来のパンチプレス機の場合、ワーク送り軸であるX軸、Y軸の位置決めが完了した後、工具軸のプレス軸が下降してプレス動作を行う。又、工具軸のプレス軸がワークである板金から抜けた時点で、ワーク送り軸の次の位置への位置決めを開始する。このように、ワーク送り軸と工具軸はタイミングを取りながらプレス加工を繰り返し実行する。
【0005】
ワーク送り軸の位置決めの開始と、工具軸の動作開始は、双方の機械的な位置を監視しながら、タイミングをとって行われることから、数値制御装置の補間周期単位でこのタイミングが取られている。
通常、一般の数値制御装置においては、所定の補間周期の間に移動すべき軸の移動量を補間データとしてサーボ制御部に出力し、サーボ制御部で位置、速度、電流等の制御処理を行っている。ワーク送り軸と工具軸の動作開始タイミングは、この補間周期毎に算出される移動量に基づいて求められる各軸の現在位置によって、判断されている。
【0006】
図9は、従来のパンチプレス機等の制御におけるワーク送り軸の位置決め移動開始、完了と、工具軸が動作開始、完了のタイミングの説明図である。この図9において、横軸は時間、縦軸は、ワーク送り軸、工具軸の速度である。補間周期T1内で、ワーク送り軸の移動が停止し、位置決めされた場合でも、この位置決めが完了したことを検出できるのは、次の補間周期時である。次の補間周期から工具軸に対して移動指令が出され工具軸の移動が開始する。又、工具軸が移動を完了し、ワーク送り軸が移動開始する場合も、工具軸の移動完了が補間周期の途中で生じても、ワーク送り軸の移動開始タイミングは、次の補間周期時からである。
【0007】
図9に示す例では、ワーク送り軸が補間周期T1の5/8周期が経過した時点で位置決めが完了し、この位置決め完了時点から補間周期T1の3/8周期の時間遅れで工具軸の動作が開始している。又、工具軸が補間周期T1の6/8周期が経過した時点で移動を完了し、この時点から補間周期T1の2/8周期の時間が遅れてワーク送り軸の位置決め動作を開始している。このように、ワーク送り軸、工具軸の動作開始タイミングが補間周期単位で判断され、補間周期単位で動作開始することから、一方の軸が移動を停止し、他方の軸が移動を開始してもよいものであるにも拘わらず、補間周期時に達するまで待つことにより、無駄な時間が発生している。
【0008】
近年では、工作機械の加工速度は大幅に高速化されており、この高速化が進むほど、上述した無駄時間の影響が大きく加工効率に影響を与える。
補間の周期が例えば2msec、1msecという非常に短い周期であれば、上記問題を格別問題視する必要がない。しかし、数値制御装置に要求される制御が複雑化し、工作機械や周辺装置を制御するPMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)との通信制御、数値制御装置の異常を監視する自己診断制御、多軸制御等、数値制御装置が処理すべき内容が増加していることから、補間周期を短いものにすることは非常に困難である。
【0009】
なお、補間周期を短縮することなく、高精度の補間を行う方法として、補間周期の1/n周期で補間データを作成して、この補間データに基づいて各軸を駆動し、加工精度を上げることは公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
しかし、公知の方法は、補間周期の1/n周期毎の補間データをn個算出し出力するだけで、位置の更新は補間周期毎である。そのため、パンチプレス機のような一方の軸の移動が停止して他方の軸の移動を開始するように制御する必要のある工作機械においては、依然として前述した無駄時間が発生し、効率的な加工作業を得ることができない。
【0011】
【特許文献1】
特許第2997270号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、補間周期毎に相互に他方の軸の位置を検出し、動作開始タイミングを取る従来の方法では、一方の軸が移動を完了して停止し、他方の軸の動作を開始してよいにも拘わらず、この一方の軸の移動完了を補間周期時まで待ってしか検出できないことから、この待ち時間分の遅れが生じ、高速加工の障害となる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、動作開始タイミングを高速・高精度に判断し、加工時間を短縮させることができる数値制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
移動指令に基づいて工作機械の各軸を駆動し、一方の軸の動作状態に対してタイミングをとって他方の軸へ移動指令を出力する工作機械の数値制御装置において、
請求項1に係わる発明は、一方の軸に対する所定補間周期の1/n周期毎の補間データを算出する補間部と、一方の軸に対する前記1/n周期毎の補間データに基づいて、他方の軸の移動開始指令のタイミングを判断し指令する動作開始判断部と、補間部から一方の軸に対する1/n周期毎の補間データ及び他方の軸に対する移動指令を受け取り各軸のサーボモータを駆動制御するサーボ制御部とを設けることによって、待ち時間をなくし、加工効率を向上させた。そして、請求項2に係わる発明は、前記補間部が所定補間周期毎に1/n周期毎の補間データをn個算出しサーボ制御部に出力するようにした。又、請求項3に係わる発明は、一方の軸を、ワークを駆動する1以上のワーク送り軸、他方の軸を、工具を駆動する工具軸としたもので、請求項4に係わる発明は、一方の軸を、工具を駆動する工具軸、他方の軸を、ワークを駆動する1以上のワーク送り軸としたものである。
【0015】
又、請求項5、請求項6に係わる発明は、記補間部で他方の軸に対する所定補間周期の1/n周期毎の補間データをも算出し、動作開始判断部で判断された移動指令開始タイミングから他方の軸に対する移動指令による所定補間周期の1/n周期毎の補間データの出力を開始し、サーボ制御部は一方の軸及び他方の軸の1/n周期毎の補間データ受け取り各軸のサーボモータを駆動制御するようにした。
【0016】
又、請求項7に係わる発明は、一方の軸を加工プログラムからの移動指令により指令された位置にワークを位置決めするワーク送り軸とし、他方の軸をメモリ上のテーブルに格納された移動指令により工具を駆動する工具軸としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態として、ワークを加工プログラムで指令されて位置決めされる送り軸により移動させ、メモリに設けられたデータテーブルに格納された移動指令のデータに基づいて工具軸を駆動し、ワークを加工するパンチプレス機等の工作機械を制御する数値制御装置を例にとって説明する。
【0018】
図1は、該実施形態における要部機能ブロック図である。ワークを搭載したテーブルを移動させるX軸、Y軸のワーク送り軸は、加工プログラム1に記述された移動指令に基づいて制御され、工具軸のプレス軸は、数値制御装置内のメモリに設けられた移動指令を記憶するテーブル2から読み出される移動指令によって制御される。
【0019】
ワーク送り軸補間部3は、加工プログラム1に記述された移動指令に基づいて、補間処理を行い、サーボ制御部6にその補間データを出力する。工具軸補間部4はテーブル2に記憶された移動指令に基づいて補間処理を行い、その補間データをサーボ制御部6に出力する。動作開始判断部5は、ワーク送り軸、工具軸の動作開始タイミングを判断するもので、補間周期の途中においても、動作開始指令をワーク送り軸補間部3,工具軸補間部4に出力して、それぞれの軸の動作を開始させる。そのために、補間周期をn分割するが、この実施形態ではn=8とし、補間周期T1の1/8の周期T2(以下この周期を細補間周期という)で動作開始タイミングを判断し、この周期単位で動作開始指令を出力する。
【0020】
図2は、工具軸の動作開始を指令する補間周期T1における細補間周期T2の補間データの推移を示す説明表である。ワーク送り軸が減速され、当該補間周期T1における細補間周期T2の先頭(N1)から細補間周期T2の補間データが5,4,3,2,1と減少し、N6の6番目の細補間周期T2では、補間データが「0」となったとき、工具送り軸の動作を開始し、加速処理を行って工具軸へ当該N6の細補間周期T2では「1」の補間データを出力し、N7,N8の細補間周期T2では、ワーク送り軸のデータは「0」であるが、工具送り軸の補間データは加速されることにより「2」、「3」と増加して補間データが出力される。
【0021】
図3は、横軸を時間、縦軸をワーク送り軸及び工具送り軸の速度として表した、従来例の図9に対応する本実施形態におけるワーク送り軸の位置決め移動開始、完了と、工具軸の動作開始、完了のタイミングの説明図である。
【0022】
ワーク送り軸が減速されその移動を停止した細補間周期T2から工具軸の移動が開始され、補間周期T1内から工具軸の移動が開始される。又、工具軸が減速されその移動が停止した細補間周期T2内においても、同様にワーク送り軸の動作が開始される。
従来例の図9と本実施形態の図3を比較し、工具軸による加工時間は、本実施形態の方が5つの細補間周期T2分短くなっている。
【0023】
図4は、本発明のこの実施形態の数値制御装置10の概略図である。
数値制御部11はプロセッサやROM,RAM等のメモリ等で構成され、数値制御部11は加工プログラムを解読してワーク送り軸へ移動指令を、また、該数値制御部11内のメモリに格納されているテーブルから読み出した工具軸への移動指令を、共有RAM12を介してディジタルサーボ回路13に送出する。ディジタルサーボ回路13は、プロセッサ、ROM,RAM等で構成され、この移動指令と各軸のサーボモータ15に取り付けられた位置・速度検出器16からの位置、速度フィードバック信号に基づいて位置、速度のループ処理を行い、さらには、図示しない、サーボモータの駆動電流を検出する電流検出器からの電流フィードバック信号に基づいて電流ループ制御を行い、サーボアンプ14を介して各軸のサーボモータ15を駆動制御する。なお、この図4には、サーボモータ15が1つしか記載されていないが、ワーク送り軸のX,Y軸、工具軸であるプレス軸のZ軸のサーボモータが接続されるものであるが、図4では1つのみ記載し他は省略している。又、この数値制御装置10の構成は、従来と同様であり、相違する点は、数値制御部11のメモリに格納されている制御プログラムが相違し、その機能が相違する点にある。
【0024】
図5は、この実施形態で実施するワーク送り軸と工具軸の動作タイミングの説明図で、ワーク送り軸が位置決めされワークを加工位置に停止させた後、工具軸の動作を開始し、工具軸が下降してパンチプレスの加工がなされ、工具軸が上昇し、所定位置に達して停止した後、ワークを次の下降位置に位置決めするワーク送り軸の動作が開始されたものの例を示している。
【0025】
図6は、数値制御部11のプロセッサが補間処理の前処理として所定周期毎実行する処理のフローチャートである。
数値制御部11のプロセッサは、加工プログラムから次の移動指令の読み出し可を示すフラグFwが「0」か否か判断する(ステップ100)。なお、このフラグFw及びフラグFd,Fde,レジスタRLw,Δw,Vw,RLd,Δd,Vd,A,B,Rw0〜Rw7,Rd0〜Rd7,及び指標nは、数値制御装置10に電源を投入したとき初期設定で「0」が設定されている。
【0026】
該フラグFwが「0」であると、加工プログラムより移動指令を読み出し、その移動量を記憶するとともに、指令されている速度、加減速時定数から、細補間周期T2における加減速量(増減量)を算出し記憶し、さらに、指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を算出し記憶する(ステップ101)。そして、フラグFwを「1」にセットし(ステップ102)、ステップ103に移行する。又、ステップ100でフラグFwが「0」でないときには、該ステップ100からステップ103に移行する。
【0027】
ステップ103ではワーク送り軸の残移動量を記憶するレジスタRLwの値が「0」か判断し、「0」でなければステップ106に進み、「0」であれば、レジスタRLwにはステップ101で求めた移動量を、レジスタΔwには加減速量を、レジスタVwには指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を格納する(ステップ104)。そしてフラグFwを「0」にセットし(ステップ105)、次の移動指令の読み込みを可能とし、ステップ106に進む。
【0028】
ステップ106では、メモリに記憶されている工具軸の移動指令を記憶するテーブルから次の移動指令の読み出しを可か否かを示すフラグFdが「0」か否か判断し、「0」でなければ、ステップ109に進み、「0」であると、メモリのテーブルより工具軸の移動指令を読み出し、その移動量を記憶するとともに、指令されている工具軸の速度、加減速時定数から、細補間周期T2における加減速量(増減量)を算出し記憶し、さらに、指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を算出し記憶する(ステップ107)。そして、フラグFdを「1」にセットし(ステップ108)、ステップ109に移行する。
【0029】
ステップ109では工具軸の残移動量を記憶するレジスタRLdの値が「0」か判断し、「0」でなければこのまま当該周期の処理を終了し、「0」であれば、レジスタRLdにはステップ107で求めた移動量を、レジスタΔdには加減速量を、レジスタVdには指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を格納する(ステップ110)。そしてフラグFdを「0」にセットし(ステップ111)、次の移動指令の読み込みを可能として当該周期の処理を終了する。
【0030】
この図6に示す処理は、補間処理の前処理として、加工プログラム、工具軸の移動指令のテーブルより、順次移動指令を読み込み、その移動量、細補間周期T2における加減速量、速度指令に対応する移動量を求めておき、残移動量を記憶するレジスタRLw,RLdの値が「0」となると、求めておいた各データを各レジスタRLw,Δw,Vw,RLd,Δd,Vdに格納するものである。
【0031】
図7、図8は、数値制御部11のプロセッサが補間周期T1毎に実行する処理のフローチャートである。
【0032】
まず、工具軸からワーク送り軸への切り替えを示すフラグFdeが「0」か否か判断し(ステップ200)、「0」ならば、ステップ201へ、「0」でなければステップ219へ移行する。なお、このフラグFdeは電源投入時の初期設定で最初は「0」が設定されているので、最初はステップ201に移行し、ワーク送り軸の残移動量を記憶するレジスタRLwが、ワーク送り軸の指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を記憶するレジスタVwの値を8倍した値以下か判断する。すなわち、1補間周期T1間において指令速度で移動されるだけの残移動量があるか判断する。最初は、移動指令を設定したばかりであるから、ステップ201の判断はNoとなりステップ202に移行し、レジスタA(最初は初期設定で「0」)にレジスタΔwに記憶している細補間周期T2における加減速量(増減量)を加算し、該レジスタAがレジスタVwに記憶する細補間周期T2における指令速度に対応する移動量以上か判断する(ステップ204)。
【0033】
レジスタAの値がこの移動量に達していなければ、指標n(最初は初期設定で「0」)に対応するワーク送り軸の補間周期T1の開始からn番目の細補間周期T2の補間データを記憶するレジスタRwnにこのレジスタAの値を格納する(ステップ205)。そして、工具軸の補間周期T1の開始からn−1番目の細補間周期T2の補間データを記憶するRdn−1から細補間周期T2における加減速量(Δd)を減じた値(なお、Rd−1の場合は「0」とされている)が「0」以下か否か判断し、最初は「0」以下となるから(ステップ210)に進み、レジスタRdnに「0」を格納する。なお、ステップ207〜209の処理は、工具軸の移動が停止する前にワーク送り軸の移動を開始した際の処理であり、この点については後述する。
【0034】
次に、レジスタRLwに記憶する値から、ステップ205で求めたレジスタRwnに記憶する移動量(又は後述するステップ206で求めた移動量)を減じて残移動量を更新する(ステップ211)。次に指標nを「1」インクリメントし(ステップ212)、レジスタRLwに記憶するワーク送り軸の残移動量が設定値Q以下か判断する(ステップ213)。図2,図3,図5で示す例では、この設定値Qは「0」が設定されている。最初は残移動量が設定値より大きいので、ステップ215に進み、指標nが1補間周期T1の分割数8に達したか判断し、達してなければ、ステップ200に戻り、ステップ200からステップ215の処理を指標nが8に達するまで繰り返し実行する。
【0035】
こうして、指標nが更新される毎にレジスタAは加減速量(Δw)が加算され、その値が指標に対応するレジスタRwnに格納されることになる(ステップ202〜205)。指標nが「8」に達すると、該指標nを「0」にクリアし(ステップ216)、ワーク送り軸の細補間周期T2毎の補間データを記憶するレジスタRw0〜Rw7及び工具軸の細補間周期T2毎の補間データを記憶するレジスタRd0〜Rd7(最初はステップ210の処理で「0」を記憶)の値をディジタルサーボ回路12に出力し(ステップ217)、これらのレジスタRw0〜Rw7、Rd0〜Rd7をクリアし(ステップ217)、当該補間周期の処理を終了する。
【0036】
以下、補間周期T1毎に前述したステップ200〜ステップ218の処理を実行し、ワーク送り軸の速度が指令速度に達すると、ステップ204でレジスタAに記憶する値が指令速度に対応する細補間周期での移動量(Vw)以上となるから、ステップ204からステップ206に移行して、レジスタRwnに格納する補間データは指令速度に対応する細補間周期T2の移動量Vwを格納し、以後は、指令速度に対応する補間データがディジタルサーボ回路13に出力されワーク送り軸は指令速度で駆動されることになる。
【0037】
ワーク送り軸によりワークが移動し、指令された位置に到達する近傍になり、残移動量を記憶するレジスタRLwの値が、補間周期T1における指令速度に対応する移動量(Vw×8)以下となると、ステップ201からステップ203に進み、1つ前の指標に対応するレジスタRwn−1からレジスタΔwに記憶する細補間周期T2における加減速量を減じた値を格納して、ステップ207の処理へ進む(なお、Rwn−1がRw−1の場合には、前のRw8の値を用いる)。
【0038】
その結果、図2,図3,図5に示すように、ワーク送り軸は減速されることになる。そして、ステップ213で、レジスタRLwに記憶する残移動量が設定値Q以下となると(図2,図3,図5ではQ=0)、ステップ213からステップ214に進み、レジスタAを「0」にクリアし、切り替えのフラグFdeを「1」にセットする。
【0039】
指標nが「8」に達していなければ、ステップ200に戻り、達していれば、ステップ216〜218の処理をして補間データをディジタルサーボ回路13に出力した後、ステップ200でフラグFdeが「1」であることが検出されるから、ステップ200からステップ219に進む。
【0040】
ステップ219では、工具軸の残移動量を記憶するレジスタRLdが、工具軸の指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を記憶するレジスタVdの値を8倍した値以下か判断する。すなわち、前述したように、1補間周期T1間において指令速度で移動されるだけの残移動量があるか判断する。最初は、移動指令を設定したばかりであるから、ステップ220に移行し、レジスタB(最初は初期設定で「0」)にレジスタΔdに記憶している細補間周期T2における工具軸の加減速量(増減量)を加算し、該レジスタBがレジスタVdに記憶する細補間周期T2における指令速度に対応する移動量以上か判断する(ステップ222)。
【0041】
レジスタBの値がこの移動量に達していなければ、指標nに対応するレジスタRdnにこのレジスタBの値を格納する(ステップ223)。そして、ワーク送り軸の補間周期T1の開始からn−1番目の細補間周期T2の補間データを記憶するレジスタRwn−1の値から加減速量(Δw)を減じた値が「0」以下か否か判断し、「0」以下であるとステップ228に進み、レジスタRwnに「0」を格納する。
【0042】
図2,図3,図5に示す例ではQ=0としているので、ステップ219以下の処理を開始した際には、レジスタRwn−1から加減速量(Δw)を減じた値は「0」である。
【0043】
そして、残移動量を記憶するレジスタRLdからレジスタRdnの値を減じて残移動量を更新し(ステップ229)、指標nを「1」インクリメントし(ステップ230)、レジスタRLdに記憶する残移動量が設定値P以下か判断する(ステップ231)。なお図3,図5で示す例では、P=0としている。設定値P以下でなければ、指標nが「8」か判断し(ステップ237)、「8」に達していなければステップ200に戻り、達していれば、ステップ216に移行する。
【0044】
以下、指標nが「8」に達するまでステップ200、ステップ219〜237の処理を繰り返し実行し、指標nが「8」に達するとステップ216〜218の処理をして次の補間周期ではステップ200以下の処理を実行する。
【0045】
その結果、図2,図3,図5に示すように、工具軸はワーク送り軸が位置決めされその移動を停止すると直ちに移動を開始することになる。ステップ200,219,220,222,223,225,228,229,230,231,237、又は、さらにステップ216,217,218の処理を繰り返し実行しレジスタBの値が速度指令に対応する細補間周期T2における移動量(Vd)に達すると、ステップ222からステップ224に移行して、各レジスタRdnに速度指令に対応する細補間周期T2における移動量(Vd)を設定し、以後、指令速度に対応する補間データを出力するようにする。さらに工具軸が加工完了位置近傍に達し、RLdに記憶する残移動量が補間周期T1間で移動する移動量(Vd×8)以下になると、レジスタRdn−1に記憶する値から細補間周期T2での加減速量Δdを減じてステップ229移行の処理を実行する。その結果、工具軸の移動速度は減速されることになる。そして、レジスタRLdに記憶する残移動量が設定値P以下となると(ステップ231)、レジスタBを「0」にクリアし(ステップ232)、当該移動指令がプレス加工の移動か判断し(ステップ233)、プレス加工の移動であれば、RLdに記憶する残移動量が「0」か判断し、「0」でなければ、ステップ237に移行し、前述した処理を繰り返し実行する。そして、RLdに記憶する残移動量が「0」となると、ステップ234からステップ235に移行し、前処理で求めている次の工具軸の移動指令の移動量をレジスタRLdに、レジスタΔdには工具軸の加減速量を、レジスタVdには工具軸の指令速度に対応する細補間周期T2における移動量を格納し、フラグFdを「0」にセットし(ステップ236)、ステップ237に移行する。以下、前述したステップ200、ステップ219〜237、さらにはステップ216〜218の処理を繰り返し実行することになる。
その結果、図5に示すように、工具軸のプレス加工による移動後は、直ちに復帰工程の移動に移行することになる。
【0046】
工具軸が復帰し、復帰完了位置に近づくと、図5に示すように、前述した処理により減速され、レジスタRLdに記憶する残移動量が設定値P以下となると、ステップ233で当該移動指令が加工指令か判断され、加工指令ではないと判断され、ステップ233からステップ238に移行し、切り替えフラグFdeを「0」にセットしステップ237に移行する。
【0047】
そのため、次のステップ200で該フラグFdeが「0」と判断されるから、ステップ201へ移行し、前述したステップ201以下の処理を実行することになる。これにより図5に示すように、工具軸が復帰し停止すると直ちにワーク送り軸が動作を開始することになる。
【0048】
図2,図3,図5の例では、設定値P、Qを「0」とした例を説明した。しかし、ワーク送り軸が位置決め位置に位置決めされ停止する前に工具軸の動作を開始してもよい。又、工具軸が復帰して位置決めされ停止する前にワーク送り軸の動作を開始してもよい。そのため、工具軸、ワーク送り軸の動作開始可能なワーク送り軸、工具送り軸の残移動量を設定値Q,Pとして設定しておく。この場合には、ステップ213で、ワーク送り軸の残移動量が設定値Q以下に達すると切り替えフラグFdeが「1」にセットれるから、ステップ200に戻った後の処理は、ステップ219以下の処理に移行し、ステップ225でこのワーク送り軸の細補間周期T2の前回の補間データを記憶するレジスタRwn−1から加減速量Δwを減じた値が、「0」以下か判断し、この場合「0」ではないから、ステップ226に進み、レジスタRwn−1から加減速量Δwを減じた値をレジスタRwnに格納し、ワーク送り軸の残移動量RLwからこのレジスタRwnの値を減じて残移動量を更新し(ステップ227)、ステップ229に移行する。その結果、ワーク送り軸の残移動量が「0」になるまでは、ワーク送り軸と工具送り軸は共に駆動されることになる。
【0049】
同様に、ステップ231で工具送り軸の残移動量が設定値P以下となって、プレス加工の指令ではないときには切り替えフラグFdeが「0」にセットされるから、次のステップ200からの処理はステップ201へ移行することになり、ステップ207で、この工具軸の細補間周期T2の前回の補間データを記憶するレジスタRdn−1から加減速量Δdを減じた値が、「0」以下か判断し、この場合「0」ではないから、ステップ208に進み、レジスタRdn−1から加減速量Δdを減じた値をレジスタRdnに格納し、工具軸の残移動量RLdからこのレジスタRdnの値を減じて工具軸の残移動量を更新し(ステップ209)、ステップ211に移行する。その結果、工具軸の残移動量が「0」になるまでは、ワーク送り軸と工具送り軸は共に駆動されることになる。
【0050】
上述した実施形態では、ワーク送り軸の移動指令は加工プログラムから指令され、工具軸の移動指令は数値制御装置内のメモリに設けられたテーブルに記憶された移動指令を読み出して指令するようにしたが、工具軸についても加工プログラムで指令してもよい。さらに、加減速時定数に応じた細補間周期T2における加減速量Δw、Δd、速度指令に応じた細補間周期T2における移動量Vw,Vdを計算によって求めたが、予めこれらの値を加工プログラムやテーブルに記憶させておいてもよい。又、他方の軸の動作を開始させるための時期(切り替えフラグFdeの切り替え)を判別するのに残移動量で基づいて行ったが、位置に基づいて判断するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、補間周期の1/n周期毎に、工具軸又はワーク送り軸の動作開始時か否かを判断し、動作開始時ならば、動作を開始し、待ち時間をなくしたから、加工時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における要部機能ブロック図である。
【図2】同実施形態における工具軸の動作開始を指令する補間周期における細補間周期の補間データの推移を示す説明表である。
【図3】同実施形態におけるワーク送り軸の位置決め移動開始、完了と、工具軸の動作開始、完了のタイミングの説明図である。
【図4】同実施形態の数値制御装置10の概略図である。
【図5】同実施形態で実施するワーク送り軸と工具軸の動作タイミングの説明図である。
【図6】同実施形態における数値制御部のプロセッサが補間処理の前処理として所定周期毎実行する処理のフローチャートである。
【図7】同実施形態における数値制御部のプロセッサが補間周期毎に実行する処理のフローチャートである。
【図8】図7の続きである。
【図9】従来例におけるワーク送り軸の位置決め移動開始、完了と、工具軸の動作開始、完了のタイミングの説明図である。
【符号の説明】
10 数値制御装置
15 サーボモータ
16 位置・速度検出器
Claims (7)
- 移動指令に基づいて工作機械の各軸を駆動し、一方の軸の動作状態に対してタイミングをとって他方の軸へ移動指令を出力する工作機械の数値制御装置において、
前記一方の軸に対する所定補間周期の1/n周期毎の補間データを算出する補間部と、
前記一方の軸に対する前記1/n周期毎の補間データに基づいて前記他方の軸の移動開始指令のタイミングを判断し指令する動作開始判断部と、
前記補間部から前記一方の軸に対する1/n周期毎の補間データ及び他方の軸に対する移動指令を受け取り各軸のサーボモータを駆動制御するサーボ制御部と、を備えることを特徴とする数値制御装置。 - 前記補間部は、前記所定補間周期毎に、1/n周期毎の補間データをn個算出し前記サーボ制御部に出力する請求項1記載の数値制御装置。
- 前記一方の軸はワークを駆動する1以上のワーク送り軸であり、前記他方の軸は工具を駆動する工具軸である請求項1又は請求項2に記載の数値制御装置。
- 前記一方の軸は工具を駆動する工具軸であり、前記他方の軸はワークを駆動する1以上のワーク送り軸である請求項1又は請求項2に記載の数値制御装置。
- 前記補間部は、他方の軸に対する所定補間周期の1/n周期毎の補間データをも算出し、動作開始判断部で判断された移動指令開始タイミングから前記他方の軸に対する移動指令による所定補間周期の1/n周期毎の補間データの出力を開始し、サーボ制御部は前記一方の軸及び前記他方の軸の1/n周期毎の補間データを受け取り各軸のサーボモータを駆動制御する請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の数値制御装置。
- 前記一方の軸はワークを駆動する1以上のワーク送り軸であり、前記他方の軸は工具を駆動する工具軸で、動作開始判断部は、前記ワーク送り軸の前記1/n周期毎の補間データに基づいて前記工具軸の動作開始タイミングを判断し、前記工具軸の前記1/n周期毎の補間データに基づいて前記ワーク送り軸の動作開始タイミングを判断する請求項5記載の数値制御装置。
- 前記一方の軸は、加工プログラムからの移動指令により指令された位置にワークを位置決めするワーク送り軸であり、他方の軸は、メモリ上のテーブルに格納された移動指令により工具を駆動する工具軸である請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の数値制御装置。
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2002
- 2002-10-16 JP JP2002301865A patent/JP2004139253A/ja active Pending
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