JP2000231412A - インポジションチェック方法及びその装置 - Google Patents

インポジションチェック方法及びその装置

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JP2000231412A
JP2000231412A JP11032246A JP3224699A JP2000231412A JP 2000231412 A JP2000231412 A JP 2000231412A JP 11032246 A JP11032246 A JP 11032246A JP 3224699 A JP3224699 A JP 3224699A JP 2000231412 A JP2000231412 A JP 2000231412A
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deceleration
deviation
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JP11032246A
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English (en)
Inventor
Taketoshi Fukutani
武都志 福谷
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置偏差がインポジション幅以内となったと
きに移動完了と判定して次移動を開始するインポジショ
ンチェック方法及びその装置に於いて、インポジション
信号の検出に要する時間及び伝達遅延時間を排除し、サ
イクルタイムを向上させると共に正確なインポジション
幅で、精度良くインポジション判定を簡潔な処理で行
う。 【解決手段】 合成移動方向速度でサーボ機構をシミュ
レーションする推定手段8を設けてインポジション信号
の伝達遅延が発生しない構成とし、また、インポジショ
ン幅を終点から全方向に等距離としてチェックすること
により、合成移動方向でインポジション判定するインポ
ジション判定手段9を設け、目標位置に対して精度良く
インポジション判定を行える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば数値制御(N
umerical Control;以下NCという)
装置により位置制御を行い、位置偏差(位置決め残量ま
たはサーボ誤差量)が指定されたインポジション幅以下
になったときに移動完了と判定するインポジションチェ
ック方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NC装置により位置制御される工作機
械、例えば穴明け加工機などでは、位置決め動作と切削
動作が繰り返し行われており、例えば、先ずXY平面上
の指定位置に位置決めを行い、続いてZ軸を下降させて
指定された深さの穴あけを行い、更にZ軸を上昇させて
ドリルを引き抜くことによって所定の1個の穴あけが完
了し、引き続いて次の穴位置に位置決めを行い、上記動
作を繰り返すことによって一連の穴あけ指令を実行す
る。上記制御に於いて、加工精度を確保するためには、
穴位置への位置決め動作の完了時や穴加工の穴底到達時
等で、指令された位置に正しく到達したか否かを確認し
てから次の移動指令に移らなければならない。
【0003】然しながら、サーボ機構には必ず一次以上
の応答遅れが存在するため、位置決めの最終点に近付く
ほど整定までに時間が掛かり、上記制御を確実に行って
いたのではサイクルタイムが長くなり、生産性が低下す
ることになる。これを防ぐため、位置決め等の終点では
指令残距離または指令減速完了後のサーボ応答遅れ(ド
ループ量)が予め設定或いは指定された長さ以下になっ
たことを確認することで位置決めが完了したとみなし次
移動指令に移る、所謂インポジション制御を行ってい
る。
【0004】NC装置内の処理は、サンプリング周期毎
に補間処理、加減速処理、サーボ制御処理などが行われ
ている。インポジション信号はサーボ制御部内で指令位
置と位置検出器からのフィードバック位置との差が所定
のインポジション幅以内になったときにサーボ制御部が
出力する信号である。上記補間処理からインポジション
判定・出力までには、補間処理→加減速処理→サーボ制
御部→モーター(エンコーダ)回転→サーボ制御部へ位
置フィードバック→NC制御部へ位置フィードバック→
インポジション判定→次補間処理起動という処理及び信
号の流れがあり、移動指令実行からインポジションチェ
ック及び実際のインポジション状態とインポジション検
出の間にはサンプリング周期に起因する無駄時間や通信
による信号の伝達遅れなどの無駄時間(図9に示すT
a)が含まれる。
【0005】図9は従来のインポジションチェックによ
る第一ブロック,第二ブロックの連続動作状況を示した
タイミングチャートである。aは位置決め指令、bは位
置決め完了及び次指令開始信号となるインポジション信
号、cは切削指令を示している。位置決め指令が実行さ
れ、位置決め残距離が予め設定されたインポジション幅
以内になるとインポジション信号がオンとなるが、前述
のように遅れ時間Ta分だけ次指令の開始が遅れるの
で、インポジション幅が小さくなったのと等価になり、
結果的に位置決め精度は所定のインポジション幅で行っ
た時よりも向上し、サイクルタイムはTa分だけ長くな
る。
【0006】この問題を解決する手段として特開平8−
101707号公報に示される数値制御装置およびその
方法がある。上記技術が示している解決しようとしてい
るのは、次のような課題である。穴明け加工機やレーザ
スポット溶接ロボット等の産業機械にあっては、加工起
動信号を受信すると即座に作動開始するが、実際に被加
工物に対して加工が開始されるまでには多少の加工無駄
時間がある。例えばドリルを用いた穴明け加工では加工
起動信号を受けてドリルが下降し始めてからワークにド
リルが接触するまでの間に、ドリルが空を切っている時
間、つまり加工無駄時間が存在する。この無駄時間の間
に位置決めの整定が進むので、位置決め精度は設定した
インポジション幅よりも向上することになるが、加工の
開始時間に関しては無駄時間だけ遅くなってしまう。
【0007】この課題に対し上記技術では、図7に示す
ように補間演算後の移動指令から実際の軸移動を推定す
る推定部72と、サーボ制御部6への入力を遅らせる遅
延部71を設け、前記推定部72にサーボ制御部6に先
んじて移動指令を入力し、推定部72の出力によりイン
ポジション判定部73でインポジション判定し、上記イ
ンポジション信号が出力されるタイミングと、実移動中
の軸の残距離がインポジション幅以下になるタイミング
が一致するように、軸移動の遅延時間を設定することに
より、実質的にインポジション信号出力と有効作用の間
に遅れが無いようにし、加工無駄時間が加工精度に影響
を与えない技術を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記技術
では、遅延時間を調整することによって実移動でのイン
ポジション検出タイミングと有効動作間の遅れは排除で
きるものの、全体の処理時間は遅延時間が加算されてい
るため、サイクルタイムは長くなるだけで短縮するとい
う改善は図れない。また、各軸毎に遅延部71と推定部
72を設けなければならないので、軸数が増えてくると
CPUにかかる負担が増加するという課題が新たに発生
する。また、各軸の推定部から推定移動量を入力し、全
軸のインポジション信号を確認してから加工開始となる
ようインポジション判定部73で処理しなければならな
いので、処理が煩雑であるという課題も新たに発生す
る。
【0009】また、インポジション幅の設定は、例えば
X軸はLrx、Y軸はLryのように各軸毎に行い、図
8に示すように同時に複数の軸が移動する場合には目標
位置に対して各軸の残距離と各軸のインポジション幅を
比較し、全ての軸の残距離がインポジション幅以下にな
ったことを以てインポジション検出信号を出力してい
た。その結果、1軸のみ駆動した場合に比してインポジ
ション幅は45度方向の時に最大√2倍(√(Lrx2
+Lry2)倍)になり、望ましい合成方向でのインポ
ジション幅α(=LrxまたはLry)以下に達する
前、約1.4倍の位置でインポジション検出信号が出力
されることになり、正規の位置より早めに次ブロックの
移動が始まるのでワーク・機械・工具の干渉が生じる恐
れがあるという課題がある。
【0010】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、正確なインポジション幅でインポジショ
ン検出でき、且つサイクルタイムを短縮できるインポジ
ションチェック方法及びその装置を提供しようとするも
のである。
【0011】またこの発明は、CPUの負荷を軽減し、
且つインポジションチェック処理を簡略化できるインポ
ジションチェック方法及びその装置を提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るインポジ
ションチェック方法は、位置制御に於ける各位置指令の
終点での位置偏差(位置決め残量またはサーボ誤差量)
がインポジション幅以内となったときに移動完了と判定
して次指令の処理を開始するインポジションチェック方
法において、加減速された速度指令から位置指令を生成
する段階と、上記位置指令を基に機械位置を推定し、上
記機械位置と上記位置指令との合成移動方向の位置偏差
を推定する段階と、上記位置偏差と、指令位置終点から
全方向に等距離としたインポジション幅との大小判別を
行い、位置偏差がインポジション幅以下になった時には
インポジション信号を出力する段階と、を有するもので
ある。
【0013】またこの発明に係るインポジションチェッ
ク方法は、上記インポジションチェック方法において、
上記速度指令として、補間前に加減速演算された速度指
令を用いるようにしたものである。
【0014】またこの発明に係るインポジションチェッ
ク方法は、上記インポジションチェック方法において、
上記速度指令として、最大移動指令軸の加減速時定数に
より合成移動方向での加減速演算処理がなされたものを
用いるようにしたものである。
【0015】またこの発明に係るインポジションチェッ
ク装置は、位置制御に於ける各位置指令の終点での位置
偏差(位置決め残量またはサーボ誤差量)がインポジシ
ョン幅以内となったときに移動完了と判定して次指令の
処理を開始するインポジションチェック装置において、
加減速された速度指令から位置指令を生成する積分器
と、上記積分器出力の位置指令を基に機械位置を推定
し、上記機械位置と上記位置指令との合成移動方向の位
置偏差を推定する位置偏差推定手段と、指令位置終点か
ら全方向に等距離としたインポジション幅を記憶するイ
ンポジション幅記憶手段と、上記位置偏差推定手段から
出力された位置偏差と上記インポジション幅記憶手段に
記憶されたインポジション幅の大小判別を行い、位置偏
差がインポジション幅以下になった時にはインポジショ
ン信号を出力するインポジション判定手段と、を備えた
ものである。
【0016】またこの発明に係るインポジションチェッ
ク装置は、上記インポジションチェック装置において、
上記積分器に入力される速度指令として、補間前に加減
速演算されたものを用いるようにしたものである。
【0017】またこの発明に係るインポジションチェッ
ク装置は、上記インポジションチェック装置において、
上記積分器に入力される速度指令として、最大移動指令
軸の加減速時定数により合成移動方向での加減速演算処
理がなされたものであることを用いるようにしたもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例について図1
〜図6を用いて説明する。図1はこの発明の構成を示す
ブロック図、図2は図1における推定手段の構成を示すブ
ロック図、図3は位置偏差推定手段の構成を示すブロッ
ク図、図4は推定手段およびインポジション判定手段の
処理手順を示すフローチャート、図5aはこの発明のイ
ンポジションの範囲を示す説明図、図5bはこの発明と
従来のインポジション範囲を比較した説明図、図6はこ
の発明によるサイクルタイム短縮効果を示すタイミング
チャートである。
【0019】図1において20は補間前加減速処理手
段、21は補間後加減速処理手段である。これら二つの
手段は従来から使用されており、加工の種類や、要求精
度などによってどちらの処理手段を用いるかを決定し、
パラメータや加工プログラムで指令された切り換え指令
コードで選択する。
【0020】前記補間前加減速手段20は、指令された
送り速度に対して先ず指令された接線方向(各軸成分の
合成方向)で、設定された加速度に基づいて加速度が一
定となるように加減速演算を行い、この加減速された速
度で補間演算し、各軸の微小セグメントを各軸サーボ制
御手段への速度データとして出力する。また、前記補間
後加減速手段21は、指令位置を各軸の微小セグメント
に補間後、各軸が独立して加減速を行い、この加減速さ
れた速度を各軸サーボ制御手段への速度データとして出
力する。前者の補間前加減速は接線方向の加速度が一定
になるように制御されているので、原理的には形状誤差
は0となる。また、後者の補間後加減速手段での加減速
は速度に係わらず時定数が一定となるように制御されて
いるので、指令速度が大きければ加速度は大きく、指令
速度が小さければ加速度は小さくなる。切削送りに前者
の補間前加減速を用いると、加減速時定数に起因する形
状誤差が生じないので、金型など形状精度が求められる
場合に使用される。ただし、コーナ加工部でのショック
を緩和するためコーナ毎に一旦減速するので、サイクル
タイムに関しては後者の補間後加減速より長くなる。後
者の補間後加減速では、加減速時定数に起因する形状誤
差を生じるものの、サイクルタイムは前者より短くでき
るので、穴明け加工など比較的単純な加工に用いられ
る。また、早送りに関しては、前者の補間前加減速では
加速度が一定となるように加減速されているので、位置
決め移動量が短く、早送り速度まで加速しない場合に、
後者の補間後加減速より位置決め時間が短くなる。従っ
て移動距離の短い位置決めが多用される加工では補間前
加減速が用いられる。
【0021】また、図1において、1は加工プログラム
を1ブロックずつ読み取り、移動量、速度などをGコー
ドなどに従って解析するプログラム解析手段、2は補間
前加減速時の加減速手段であり、加工プログラムで指令
された方向、即ち合成方向で加減速を行う。3は補間前
加減速時の補間手段であり、加減速手段2で加減速演算
した合成方向速度データから各軸の速度データに分配を
行う。4は補間後加減速時の補間手段であり、各軸毎の
指令速度を出力する。この出力は加減速処理が行われて
いないのでステップ状となる。5は補間手段4の出力速
度に加減速を行う加減速手段で、各軸毎に設けられてい
る。6はサーボ制御手段であり、補間手段3または加減
速手段5の出力を入力としてモータ7を駆動制御する。
8は合成移動方向で移動量を推定する推定手段、9は位
置偏差量が予め設定したインポジション幅以内になった
時にインポジション信号を発生するインポジション判定
手段、22は補間前加減速処理手段20と補間後加減速
処理手段21との何れを使用するかを切換える切換え手
段である。
【0022】図2は図1における推定手段8の内部構成
を示したものである。図において、41は指令速度に対
して合成移動方向で加減速を行う加減速演算手段であ
り、補間後加減速の速度指令に対して加減速を行う。補
間前加減速時には加減速された速度指令が入力されるた
めここでの加減速演算は不要であるので、加減速演算手
段41の出力に加減速演算された速度が加算される。実
際には何れか一方の速度しか入力されないので加減速速
度の選択として機能する。52は積分器であり、速度指
令を入力とし、速度を積分して得られる距離を位置指令
として出力する。42は前記積分器52の出力である位
置指令を入力とし、サーボ制御手段6の動作のシミュレ
ーションを行って指令位置とシミュレーション後の位置
との偏差を出力する位置偏差推定手段である。サーボ制
御手段6は通常位置ループ制御と速度ループ制御から構
成される。実際には速度ループ応答は位置ループ応答に
比べて十分に高いため、位置ループ応答だけを考慮すれ
ば十分である。したがって、ここでは位置偏差推定手段
42の一例として、図3のブロック図で表される位置ル
ープのみで構成したものを例示する。
【0023】図3のブロック図の伝達関数G(s)は G(s)=1/(1+(1/Kp)・s) となる。ここでKp51は位置ループゲイン、1/Kp
は位置ループ時定数、sはラプラス演算子である。ε4
3は指令位置とシミュレーション位置との偏差を示す位
置偏差量である。
【0024】なお、図3では位置ループ特性が一次遅れ
のものを示したが、特開平6−259137号公報に示
されるように、サーボ制御手段をより高次の伝達関数で
制御する場合には図3の伝達関数をサーボ制御手段の位
置ループ伝達関数と同じ構成とすることで、より実際の
機械稼動に近いシミュレーションが可能である。
【0025】次に、図1の推定手段8、インポジション
判定手段9の動作について図4を用いて説明する。推定
手段8、インポジション判定手段9はある一定のサンプ
リング周期(例えば10ms)毎に処理されており、以下
説明する図4の処理は全てこのサンプリング周期毎に処
理される。
【0026】まず、ステップ1で上記サンプリング周期
あたりの合成移動方向の指令速度を入力する。指令速度
は加工プログラムで指令された速度をサンプリング周期
あたりの速度に換算したものである。ステップ2で現在
有効となっている加減速モードが補間前加減速か補間後
加減速かを判定し、補間後加減速であればステップ3
へ、補間前加減速であればステップ6へ進む。
【0027】一般に早送り時の加減速時定数及び早送り
速度は駆動する各軸の特性に合わせて設定されるので、
それぞれ異なる値になることがある。実際に機械を駆動
する場合の合成移動方向での加減速時定数の決定方法と
しては、予め設定された各軸の早送り速度と加減速時定
数から算出される加速度と、合成移動方向の移動量に占
める各軸の移動量の割合から、各軸毎に合成移動方向の
加速度を算出し、最小の加速度となるものを時定数とし
て選択する方法が従来から補間前加減速で使われてい
る。
【0028】しかしこの方法では全軸について各軸毎に
加速度を求める必要があり、時定数算出までの処理が複
雑となり時間も掛かる。そこでこの発明では、最も移動
量の多い、即ち速度が一番大きい軸の加減速時定数を合
成移動方向速度の時定数として用いることで、インポジ
ションチェック幅を合成移動方向の長さとして近似対応
させることができる点に着目し、インポジション検出精
度向上、処理の簡略化及び演算時間の短縮を図ってい
る。
【0029】時定数を選定するため、ステップ3にて加
工プログラムで移動指令のある軸に対応するフラグをセ
ットし、ステップ4にて上述のように移動指令のある軸
のなかで移動量の最も大きい軸の加減速時定数を合成移
動方向の加減速時定数として選定する。ステップ5では
ステップ4で選定された加減速時定数に基づき合成移動
方向での加減速処理を行う。加減速には直線型加減速、
一次遅れ型加減速などが従来から使用されているので、
予め設定された加減速タイプに合わせて処理を行う。以
上ステップ3〜ステップ5は前述のように補間後加減速
時にのみ、図2の加減速演算手段41を用いて行う。ス
テップ6では補間後加減速時にはステップ5で計算され
た速度を、または補間前加減速時には本処理(推定手段
8内で処理)に入力された速度を積分し、指令位置を求
める(推定手段8内の積分器52で演算)。
【0030】前述のようにこれら一連の処理はあるサン
プリング周期で処理されるので速度データはサンプリン
グ周期あたりの移動量となる。ある時刻tにおける速度
データをFΔtとすると、指令位置P(t)は、 P(t)=P(t−1)+FΔt で求められる。
【0031】ステップ7ではステップ6で求めた位置指
令を位置偏差推定手段42に入力し、サーボ制御手段の
シミュレーションを行って指令位置とシミュレーション
後の位置とから位置偏差の推定を行う。ステップ8では
位置偏差推定手段42から出力される位置偏差量ε43
が予め設定されたインポジション幅α以下となったか否
かを判定し、インポジション幅以下の場合はステップ9
でインポジション信号をオンとする。また、インポジシ
ョン幅αは合成移動方向でのインポジション幅を予め設
定しておくものとする。
【0032】図5aにおいて、50は合成移動方向でイ
ンポジション幅を設定した場合のインポジション領域で
ある。合成移動方向でインポジション判定を行うことに
より、移動方向に係わらず目標位置から等距離でインポ
ジションとすることができる。
【0033】図5bは従来のインポジションチェックと
この発明によるインポジションチェックの検出位置の比
較をしたものである。従来のインポジションチェックで
はX軸とY軸のインポジション幅がそれぞれ設定されて
いるので、合成移動方向で見た正しいインポジション幅
αよりも遠い位置α’で全ての軸がインポジション幅α
に達したと判定され、早めにインポジション信号が出力
されてしまうが、この発明によるインポジションチェッ
クではインポジション幅を合成移動方向のインポジショ
ン幅αとして設定しチェックできるので、従来に比して
より正確な位置でインポジション検出を行うことができ
ると共に、演算や情報伝達の遅れによるインポジション
検出タイミングの誤差が無くなる。
【0034】また、図5bに於いて、目標位置に至る工
具通路の合成速度の加減速を最大値指令軸の加減速時定
数によって演算した場合、目標位置から最大指令軸のイ
ンポジション幅αだけ手前、つまり設定されたインポジ
ション幅は合成移動方向でのものであるとしてインポジ
ション検出ができることになる。従ってインポジション
幅は合成移動方向のものとして一つだけ設定すればよ
い。
【0035】以上のようなインポジション幅の設定と比
較判定を行うことにより、インポジション判定は1軸に
ついてのみ行うことで完了することになり、その結果、
軸数が増えてもインポジション判定に必要な処理時間は
1軸分の時間でよいのでCPU負担は増加しない。
【0036】図6においてaは位置決め指令、bは位置
決め完了及び次指令開始信号となるインポジション信
号、cは切削指令を示している。位置決め指令が実行さ
れると、前述のように推定手段8で位置制御をシミュレ
ーションし、演算・判定等の処理系に遅れ要素が含まれ
ていないので、インポジション判定手段9にて遅延なく
インポジション信号がオンとなり、次指令である切削指
令が実行される。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、指令位置終点から全方向に等距離としたインポジシ
ョン幅を設定し、また従来のように各軸毎に遅延部と推
定部を設けることなく位置偏差を推定し、この推定され
た位置偏差と上記インポジション幅とを比較するので、
位置演算部からモータへの情報伝達の遅れ及び位置フィ
ードバック情報伝達遅れ等が無くなり、加工開始時間の
遅れを解消できてサイクルタイムを短縮することができ
ると共に、より正確なインポジション幅でインポジショ
ン検出できる(移動方向によるインポジション検出タイ
ミングの変動を排除できる)。また駆動する軸数が増加
しても位置推定およびインポジション判定の処理負荷は
増大しない。更に各軸毎に位置推定およびインポジショ
ン判定を行わなくて良いので、処理手順が簡略できると
いう効果もある。
【0038】またこの発明によれば、位置指令の生成に
用いられる速度指令は、補間前に加減速演算されたもの
であるので、接線方向の指令速度を加減速演算した結果
得られた速度指令である合成移動方向速度となり、正確
なインポジション検出を行うことができるという効果が
ある。
【0039】またこの発明によれば、位置指令の生成に
用いられる速度指令は、最大移動指令軸の加減速時定数
により合成移動方向での加減速演算処理がなされ、この
速度に基づいてインポジションチェックを行うので、全
指令軸についてのインポジションチェックを行う必要が
無くなり、軸数が増えても1軸分の演算で判別をするこ
とができるので、CPU負担を減らせるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるNC装置の一実施例の構成を示
すブロック図である。
【図2】 本発明による推定手段の構成を示すブロック
図である。
【図3】 本発明による位置偏差推定手段の構成を示す
ブロック図である。
【図4】 本発明による推定手段およびインポジション
判定手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 (a)は本発明のインポジションの範囲を示
す説明図、(b)は本発明と従来のインポジション範囲
を比較した説明図である。
【図6】 本発明によるサイクルタイム短縮効果を示す
タイミングチャートである。
【図7】 従来のNC装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図8】 従来のNC装置におけるインポジションの範
囲を示す説明図である。
【図9】 従来のNC装置インポジションチェックによ
る連続動作状況を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 プログラム解析手段、 2 補間前加減速時の加減
速手段 3 補間前加減速時の補間手段、 4 補間後加減速時
の補間手段 5 補間後加減速時の加減速手段、 6 サーボ制御手
段 7 モータ、 8 推定手段、 9 インポジション判
定手段 20 補間前加減速処理手段、 21 補間後加減速処
理手段 41 加減速演算手段、 42 位置偏差推定手段 43 位置偏差、 50 インポジション領域 51 位置ループゲイン、 52 積分器、 71 遅
延部 72 推定部、 73 インポジション判定部 81 従来のインポジション領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置制御に於ける各位置指令の終点での
    位置偏差(位置決め残量またはサーボ誤差量)がインポ
    ジション幅以内となったときに移動完了と判定して次指
    令の処理を開始するインポジションチェック方法におい
    て、 加減速された速度指令から位置指令を生成する段階と、 上記位置指令を基に機械位置を推定し、上記機械位置と
    上記位置指令との合成移動方向の位置偏差を推定する段
    階と、 上記位置偏差と、指令位置終点から全方向に等距離とし
    たインポジション幅との大小判別を行い、位置偏差がイ
    ンポジション幅以下になった時にはインポジション信号
    を出力する段階と、 を有することを特徴とするインポジションチェック方
    法。
  2. 【請求項2】 上記速度指令は、補間前に加減速演算さ
    れたものであることを特徴とする請求項1に記載のイン
    ポジションチェック方法。
  3. 【請求項3】 上記速度指令は、最大移動指令軸の加減
    速時定数により合成移動方向での加減速演算処理がなさ
    れたものであることを特徴とする請求項1に記載のイン
    ポジションチェック方法。
  4. 【請求項4】 位置制御に於ける各位置指令の終点での
    位置偏差(位置決め残量またはサーボ誤差量)がインポ
    ジション幅以内となったときに移動完了と判定して次指
    令の処理を開始するインポジションチェック装置におい
    て、 加減速された速度指令から位置指令を生成する積分器
    と、 上記積分器出力の位置指令を基に機械位置を推定し、上
    記機械位置と上記位置指令との合成移動方向の位置偏差
    を推定する位置偏差推定手段と、 指令位置終点から全方向に等距離としたインポジション
    幅を記憶するインポジション幅記憶手段と、 上記位置偏差推定手段から出力された位置偏差と上記イ
    ンポジション幅記憶手段に記憶されたインポジション幅
    の大小判別を行い、位置偏差がインポジション幅以下に
    なった時にはインポジション信号を出力するインポジシ
    ョン判定手段と、 を備えたことを特徴とするインポジションチェック装
    置。
  5. 【請求項5】 上記積分器に入力される速度指令は、補
    間前に加減速演算されたものであることを特徴とする請
    求項4に記載のインポジションチェック装置。
  6. 【請求項6】 上記積分器に入力される速度指令は、最
    大移動指令軸の加減速時定数により合成移動方向での加
    減速演算処理がなされたものであることを特徴とする請
    求項4に記載のインポジションチェック装置。
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