JP4112433B2 - 工作機械の数値制御装置と工作機械の数値制御方法 - Google Patents
工作機械の数値制御装置と工作機械の数値制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は工作機械の数値制御装置と工作機械の数値制御方法に係り、特に、NCプログラムを電子カムプログラムに変換する場合の変換率を高めることができ、それによって、作業効率を向上させることができるように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、工作機械に素材をセットしてバイト等の工具を利用して所望の形状に加工するに際して、数値制御プログラム(NCプログラム)を作成し、該NCプログラムによってバイト等の工具を含む各部を自動的に動作させ、それによって、所望形状の加工部品を得る数値制御工作機械が一般的に知られている。
【0003】
上記のような加工部品を得るために作成されたNCプログラムそのものは、通常、数値制御工作機械上でも作成・修正可能であり、例えば、加工部品を試し削りした結果、加工部品が図面公差内に入っていない等の不具合がある場合には、機上にてその不具合をなくすための修正を行うことができるものであり、高い作業効率を提供することができるものである。
【0004】
一方、NCプログラムではなく電子カムプログラムを利用して、工作機械にセッティングされた素材から、所望の形状をバイト等の工具を利用して加工することが行われている。ここでいう電子カムプログラムを利用した制御とは、例えば、特許文献1に開示されているようなものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−170843号公報
【0006】
すなわち、上記特許文献1に開示されているように、基準軸に取りつけられたパルスエンコーダが出力するパルス信号により時々刻々の回転位置データと、基準軸の単位回転位置ごとに対応してそれぞれ設定された移動軸の指令位置データとから時々刻々の移動軸の指令データを生成する。この移動指令データと回転位置データとから回転物の回転速度に同期する移動軸の指令速度データを生成して、生成した移動指令データと指令速度データに基づいて工具の位置を制御するものである。そして、この種の電子カムプログラムを利用した数値制御工作機械では、主軸の累積回転角に対する工具又は被加工物夫々の位置データを定めるものであり、よって、NCプログラムを利用するものに比べてより短時間、且つ、高精度にて加工を行うことができるという利点がある。
【0007】
又、この種の電子カムプログラムは、通常、図面情報、指定された加工パス、加工工程、工具情報、ツーリング情報等を数値制御工作機械とは別個に設けられたパーソナルコンピュータ等にインストールされたCAMソフト等に入力して作成していたが、ある種の変換ソフトを利用して、NCプログラムを電子カムプログラムに変換することが考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
電子カムプログラムによって機械を動作させる場合、動作させるための電子カムプログラムは予め固定物として作成されている必要があり、且つ、無理のない連続したデータでなければならない。
例えば、NCプログラムによって工作機械を動作させる場合において、ブロックスキップを実行する場合、ブロックスキップ元とブロックスキップ先の座標値が異なっていても、その場でブロックスキップ元からブロックスキップ先の座標値に移動するデータが生成されるため問題なく実行することができる。
【0009】
これに対し、電子カムプログラム制御によって機械を動作させる場合には、上記したように、動作させるための電子カムプログラムは固定物であり、よって、ブロックスキップを実行するか否かによってデータを変更することは困難である。又、仮に、ブロックスキップを実行した場合には連続したデータではなくなってしまう可能性が高い。通常、電子カム制御の場合には、同期タイミング毎に生成される指令位置にサーボモータを駆動して直接移動するため、タイミング間の移動距離には自ずと限界がある。したがって、上記したように、連続したデータでなくなってしまう場合には、位置制御が成立しなくなってしまう懸念がある。
【0010】
これに対しては、電子カムプログラムを作成する際に、予め、ブロックスキップ先の座標値をブロックスキップ元の座標値と同じになるように作成し、ブロックスキップしてもしなくても無理のない連続したデータとして作成することは可能であるが、それでは変換前のNCプログラムの軌跡を変えてしまうことになり、それによって、機械の干渉のおそれが増し好ましいことではない。又、使用者が意図した軌跡に従い機械が作動しないことにもなり得るため好ましくない。
勿論、機械構成によっては軌跡を変えてしまっても干渉のおそれが全くないものもあり、そのような場合はこの方法で対応は可能である。
【0011】
このような理由から、従来は、ブロックスキップ元とブロックスキップ先の座標値が異なる場合には電子カムデータに変換できないというメッセージを表示し処理を中止していた。その為、電子カムプログラムに変換できないNCプログラムが多く存在してしまい、結果として、十分な加工効率の向上効果を得ることができないという問題があった。
【0012】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、NCプログラムを電子カムプログラムに変換するに際して、ブロックスキップの存在を理由にして変換ができないという事象をできるだけ少なくし、それによって、NCプログラムを電子カムプログラムに変換する場合の変換率を高めることができ、ひいては、加工効率を向上させることを可能にする工作機械の数値制御装置と工作機械の数値制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による工作機械の数値制御装置は、素材を所望の形状に加工するために作成されたNCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出するブロックスキップ元指令検出手段と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出するブロックスキップ先指令検出手段と、上記ブロックスキップ元指令時とブロックスキップ先指令時における少なくとも1個の制御軸における座標の異同を比較する座標比較手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による工作機械の数値制御装置は、請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、上記座標比較手段は選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するものであることを特徴とするものである。
又、請求項3による工作機械の数値制御装置は、請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、上記ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うブロックスキップ削除処理手段が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4による工作機械の数値制御装置は、請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、上記座標比較手段による比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標への移動指令が検出された行の後に移動する移動手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項5による工作機械の数値制御装置は、請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、上記座標比較手段による比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定する移動可否判定手段と、上記移動可否判定手段による判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動する不可原因指令移動手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項6による工作機械の数値制御装置は、素材を所望の形状に加工するために作成されたNCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出するブロックスキップ元指令検出手段と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出するブロックスキップ先指令検出手段と、上記ブロックスキップ元指令検出手段とブロックスキップ先指令検出手段の夫々が検出したブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の両指令を削除可能か否かの判別を行うブロックスキップ削除処理可否判定手段と、上記ブロックスキップ削除処理可否判定手段によって削除可能と判定された場合にブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令を削除するブロックスキップ削除手段と、上記NCプログラムを電子カムプログラムに変換するプログラム変換手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項7による工作機械の数値制御方法は、NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出し、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出し、上記ブロックスキップ元指令時とブロックスキップ先指令時における少なくとも1個の制御軸における座標の異同を比較するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項8による工作機械の数値制御方法は、請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項9による工作機械の数値制御方法は、請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、上記ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項10による工作機械の数値制御方法は、請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、上記比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定し、上記判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標が検出された行の後に移動するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項11による工作機械の数値制御方法は、請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、上記比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定し、上記判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定し、上記判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項12による工作機械の数値制御方法は、NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出し、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出し、上記検出したブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の両指令を削除可能か否かの判別を行い、削除可能と判定された場合にブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令を削除し、上記NCプログラムを電子カムプログラムに変換するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
つまり、本願発明による工作機械の数値制御装置は、ブロックスキップ元指令検出手段によってブロックスキップ元指令を検出し、ブロックスキップ先指令検出手段によってブロックスキップ先指令を検出し、座標比較手段によって夫々の指令における座標を比較してその異同を判別すれば、少なくとも電子カムプログラムへの変換が可能か否かの判別を行うことができる。
その際、上記座標比較手段としては、選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するものが考えられ、それによって、座標の異同を容易に判別することができる。
又、上記ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うブロックスキップ削除処理手段を設けることが考えられ、それによって、電子カムプログラムへの変換率を高めることができる。
又、上記座標比較手段による比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のはない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標への移動指令が検出された行の後に移動する移動手段とを設けた場合には、それによって、電子カムプログラムへの変換率を高めることができる。
又、上記座標比較手段による比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定する移動可否判定手段と、上記移動可否判定手段による判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動する不可原因指令移動手段とを設けた場合にも、それによって、電子カムプログラムへの変換率を高めることができる。
又、素材を所望の形状に加工するために作成されたNCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出するブロックスキップ元指令検出手段と、上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出するブロックスキップ先指令検出手段と、上記ブロックスキップ元指令検出手段とブロックスキップ先指令検出手段の夫々が検出したブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の両指令を削除可能か否かの判別を行うブロックスキップ削除処理可否判定手段と、上記ブロックスキップ削除処理可否判定手段によって削除可能と判定された場合にブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令を削除するブロックスキップ削除手段と、上記NCプログラムを電子カムプログラムに変換するプログラム変換手段と、を具備した構成とした場合には、削除可能なブロックスキップ処理を削除してその個数を減少させて電子カムプログラムへの変換を行うようにしているので、電子カムプログラムへの変換率を向上させることができる。
尚、請求項7〜請求項12は本願発明を方法クレームとして規定したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図7を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図1は本実施形態に係る数値制御工作機械の全体構成を示すブロック図であり、又、図2は該数値制御工作機械の概略制御軸構成を示す平面図である。
図1において、数値制御工作機械1は、主軸回転用モータ3、工具移動用モータ5、被加工物移動用モータ7、背面主軸移動用モータ9、背面主軸回転用モータ11及びこれら主軸回転用モータ3、工具移動用モータ5、被加工物移動用モータ7、背面主軸移動用モータ9、背面主軸回転用モータ11の駆動を制御するための制御ユニット部13を有している。
【0016】
上記主軸回転用モータ3は、被加工物が保持可能に構成された主軸(図2中符号S1で示す)を回転駆動させるためのもので、駆動回路15及び主軸回転制御回路17等を介して制御ユニット部13に接続されている。又、主軸回転用モータ3には、主軸回転用モータ3の回転を検知するためのパルスエンコーダ19が設けられている。このパルスエンコーダ19の出力は制御ユニット部13及び速度信号生成回路21に接続されており、パルスエンコーダ19から出力される回転検出信号が制御ユニット部13及び速度信号生成回路21に入力される。パルスエンコーダ19は、主軸回転用モータ3の回転に同期して回転検出信号を発生し、制御ユニット部13及び速度信号生成回路21に出力する。速度信号生成回路21は、パルスエンコーダ19から出力される回転検出信号を主軸回転用モータ3の回転速度を意味する主軸回転速度信号に変換する。速度信号生成回路21の出力は主軸回転制御回路17に接続されており、変換された主軸回転速度信号が主軸回転制御回路17に入力される。
【0017】
上記主軸回転制御回路17は、クロック信号発生回路23にて発生して出力されたクロック信号を基準にして所望の回転速度となるように被加工物(主軸S1に把持される被加工物)の回転を制御するためのものであり、制御ユニット部13から出力される主軸回転速度指令信号と、速度信号生成回路21から出力される主軸回転速度信号とを比較して、その差に応じた制御信号をクロック信号を基準にして生成する。主軸回転制御回路17にて生成された制御信号は、駆動回路15に出力される。
【0018】
上記駆動回路15は、主軸回転制御回路17から出力された制御信号に基づいて、主軸回転用モータ3(主軸S1)の回転速度が後述する主軸回転速度指令値となるように主軸回転用モータ13への供給電力を制御する。これら駆動回路15、主軸回転制御回路17、及び、速度信号生成回路21は、主軸回転用モータ3(主軸S1)の回転速度のフィードバック制御系を構成している。
【0019】
次に、上記工具移動用モータ5は、被加工物を加工するための工具(旋削加工用バイト等、図2中符号TS1、TS3で示す)を、例えば、主軸回転用モータ3(主軸S1)の回転中心軸に対して直交する方向(X軸方向、Y軸方向)、又は主軸と平行な方向(Z軸方向)に移動させるためのもので、駆動回路25及び工具送り制御回路27を介して制御ユニット部13に接続されている。
因みに、この実施の形態の場合には、図2に示すように、工具TS1はX1軸方向とY1軸方向に移動制御されるように構成されており、一方、工具TS3はX3軸方向とY3軸方向とZ3軸方向に移動制御されるように構成されている。
【0020】
又、工具としては工具TS1、TS3以外に、背面加工用工具TS2が設けられている。
又、工具移動用モータ5には、工具移動用モータ5の回転を検出するパルスエンコーダ29が設けられている。このパルスエンコーダ29の出力は工具送り制御回路27に接続されており、パルスエンコーダ29の回転検出信号が工具送り制御回路27に入力される。パルスエンコーダ29は、工具移動用モータ5の所定回転角度毎に回転位置信号を発生して、工具送り制御回路27に出力する。
【0021】
工具送り制御回路27は、パルスエンコーダ29から出力された回転位置信号に基づいて実際の工具TS1、TS3の移動位置を認識すると共に、認識した実際の工具TS1、TS3の移動位置と後述する制御ユニット部13から出力される工具位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて工具駆動信号を生成する。工具送り制御回路27にて生成された工具駆動信号は、駆動回路25に出力される。駆動回路25は、工具送り制御回路27から出力された工具駆動信号に基づいて工具移動用モータ5への供給電力を制御する。これら、駆動回路25及び工具送り制御回路27は、工具TS1、TS3の移動位置のフィードバック制御系を構成している。
【0022】
次に、上記被加工物移動用モータ7は、被加工物を、例えば、主軸回転用モータ3(主軸S1)の回転中心軸に対して平行な方向(Z1軸方向)に移動させるためのもので、駆動回路31及び被加工物送り制御回路33を介して制御ユニット部13に接続されている。又、被加工物移動用モータ7には、被加工物移動用モータ7の回転を検出するパルスエンコーダ35が設けられている。このパルスエンコーダ35の出力は被加工物送り制御回路33に接続されており、パルスエンコーダ35の回転検出信号が被加工物送り制御回路33に入力される。パルスエンコーダ35は、被加工物移動用モータ7の所定回転角度毎に回転検出信号を発生して、被加工物送り制御回路33に出力する。
【0023】
上記被加工物送り制御回路33は、パルスエンコーダ35から出力された回転検出信号に基づいて実際の被加工物の移動位置を認識すると共に、認識した実際の被加工物の移動位置と制御ユニット部13から出力される被加工物位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて被加工物駆動信号を生成する。所定回転角度毎に生成された被加工物駆動信号は、駆動回路31に出力される。駆動回路31は、所定回転角度毎に出力された被加工物駆動信号に基づいて被加工物移動用モータ7への供給電力を制御する。これら、駆動回路31及び上記被加工物送り制御回路33は、被加工物の移動位置のフィードバック制御系を構成している。
【0024】
次に、上記背面主軸台移動用モータ9は、背面主軸S2を、例えば、主軸回転用モータ3(主軸S1)の回転中心軸に対して平行な方向(Z2軸方向)、又は、これと直交する方向(X2軸方向)に移動させるためのもので、駆動回路37及び背面主軸台送り制御回路39を介して制御ユニット部13に接続されている。又、背面主軸台移動用モータ9には、背面主軸台移動用モータ9の回転を検出するパルスエンコーダ41が設けられている。このパルスエンコーダ41の出力は背面主軸台送り制御回路39に接続されており、パルスエンコーダ41の回転検出信号が背面主軸台送り制御回路39に入力される。パルスエンコーダ41は、背面主軸台移動用モータ9の所定回転角度毎に回転位置信号を発生して、背面主軸台送り制御回路39に出力する。
【0025】
上記背面主軸台送り制御回路39は、パルスエンコーダ41から出力された回転位置信号に基づいて実際の背面主軸S2の移動位置を認識すると共に、認識した実際の背面主軸S2の移動位置と後述する制御ユニット部13から出力される背面主軸台位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて背面主軸台駆動信号を生成する。背面主軸台送り制御回路39にて生成された背面主軸台駆動信号は、駆動回路37に出力される。駆動回路37は、背面主軸台送り制御回路39から出力された駆動信号に基づいて背面主軸台移動用モータ9への供給電力を制御する。これら、駆動回路37及び背面主軸台送り制御回路39は、背面主軸台の移動位置のフィードバック制御系を構成している。
【0026】
次に、上記背面主軸回転用モータ11は、被加工物を保持可能に構成された背面主軸S2をC2方向に回転駆動させるためのもので、駆動回路43及び背面主軸回転制御回路45等を介して制御ユニット部13に接続されている。又、背面主軸回転用モータ11には、背面主軸回転用モータ11の回転を検知するためのパルスエンコーダ47が設けられている。このパルスエンコーダ47の出力は制御ユニット部13及び速度信号生成回路49に接続されており、パルスエンコーダ47から出力される回転検出信号が制御ユニット部13及び速度信号生成回路49に入力される。パルスエンコーダ47は、背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)の回転に同期して回転検出信号を発生し、制御ユニット部13及び速度信号生成回路49に出力する。速度信号生成回路49は、パルスエンコーダ47から出力される回転検出信号を背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)の回転速度をあらわす背面主軸回転速度信号に変換する。速度信号生成回路49の出力は背面主軸回転制御回路45に接続されており、変換された背面主軸回転速度信号が背面主軸回転制御回路45に入力される。
【0027】
上記背面主軸回転制御回路45は、クロック信号発生回路23にて発生して出力されたクロック信号を基準にして所望の回転速度となるように被加工物(背面主軸S2)の回転を制御するためのものであり、制御ユニット部13から出力される背面主軸回転速度指令信号と、速度信号生成回路49から出力される背面主軸回転速度信号とを比較して、その差に応じた制御信号をクロック信号を基準にして生成する。背面主軸回転制御回路45にて生成された制御信号は、駆動回路43に出力される。
【0028】
上記駆動回路43は、背面主軸回転制御回路45から出力された制御信号に基づいて、背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)の回転速度が後述する背面主軸回転速度指令値となるように背面主軸回転用モータ11への供給電力を制御する。これら駆動回路43、背面主軸回転制御回路45、及び、速度信号生成回路45は、背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)の回転速度のフィードバック制御系を構成している。
【0029】
上記制御ユニット部13は、図1に示されるように、中央演算ユニット(CPU)51、パルス信号発生回路53、55、既に説明したクロック信号発生回路23、分割タイミング信号発生回路57、RAM59、ROM61等を有している。
【0030】
上記CPU51は、制御ユニット部13全体の信号処理等を司る演算部である。CPU51は、周知のマルチプロセッシング(multi―processing)処理、すなわち多重処理を行う。多重処理は、複数の仕事(プログラム)を記憶しておき、これら複数のプログラムを短い時間で切り替えながら実行し、見かけ上、複数のプログラムが同時処理されているようにするもので、時分割処理するものや、各々の仕事に優先順位を付しておき優先順位が高い順に処理を切り替えながらタスク処理するもの等が知られている。
【0031】
上記パルス信号発生回路53、55は、それぞれ、パルスエンコーダ19、47に接続されており、パルスエンコーダ19、47の夫々から出力された回転検出信号が図示しないインターフェース(I/F)等を介して入力される。この入力された回転検出信号に基づいて、所定回転角度毎にパルス信号を発生するように構成されている。又、パルス信号発生回路53、55は、CPU51にも接続されており、所定回転角度毎に発生するパルス信号をCPU51に出力するようにも構成されている。本実施形態において、パルス信号発生回路53、55は、主軸回転用モータ3(主軸S1)或いは、背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)が一回転する間に、主軸回転用モータ3(主軸S1)、背面主軸回転用モータ11(背面主軸S2)に同期して等間隔で4096個のパルス信号が出力されるように構成されている。
【0032】
上記クロック信号発生回路23は、CPU51から出力される所定の指令信号を受けて、所定の周期、例えば、0.25ミリ秒周期のクロック信号を生成して出力するように構成されており、クロック信号発生回路23にて生成されたクロック信号は分割タイミング信号発生回路57に出力される。分割タイミング信号発生回路57は、クロック信号発生回路23から出力されたクロック信号の発生回数をカウントするように構成されており、カウントの結果たとえば1ミリ秒経過する毎に分割タイミング信号を生成してCPU51に出力する。したがって、分割タイミング信号発生回路57は、1ミリ秒周期の分割タイミング信号を後述する割込みタイミング信号としてCPU51に出力することになる。
尚、クロック信号及び分割タイミング信号の周期は上述した数値に限られることなく、CPU51の処理能力、パルスエンコーダ29、35、41の分解能、各モータ3、5、7、9の性能等を考慮して適宜設定可能である。
【0033】
上記RAM59は、CPU51における各種演算の結果を読み出し可能に一時的に記憶するように構成されている。そして、RAM59には、NCプログラム記憶部63、運転プログラム記憶部65、機械固有情報記憶部67、最適化データ記憶部68、トランスフォーマ記憶部69、トランスフォーマ作業データ記憶部71とが設けられている。又、RAM59は、CPU51における各種演算の結果を読み出し可能に一時的に記憶するように構成されている。
【0034】
上記NCプログラム記憶部63は、複数種類のワークの加工に対応できるように、それぞれのワークの加工用NCプログラムが、複数記憶される領域である。この記憶領域に対して図示しない操作入力装置を操作しアクセスすることによって、所望の加工用NCプログラムを選択可能となるようにしている。
【0035】
上記運転プログラム記憶部65は、数値制御工作機械1を実際に稼働させるためのNCプログラム又は電子カムプログラムを記憶させる領域となっている。つまり、工作機械1をNCプログラムで稼働させるときには、NCプログラム記憶部63に記憶されているNCプログラムの何れかが選択されて、運転プログラム記憶部65にロードされ、あるいは、NC操作盤(不図示)に備えられたモニター上で作成されたNCプログラムがそのままこの領域にロードされる。一方、電子カムプログラムを含む最適化プログラムで稼働させる時には、最適化メインプログラムのみが、運転プログラム記憶部65に、ロードされるものとなっている(最適化プログラムは実質的には電子カムコードを含む点が特殊なNCプログラムである。)。
【0036】
上記機械固有情報記憶部67は、例えば、工具TS1、TS2、TS3のオフセット値を記憶する為に設けられている領域である。
【0037】
上記ROM61は、各種処理プログラムを記憶する記憶部であって、その一部に、トランスフォーマ73が記憶されている。又、電子カム制御コマンドもこれに記憶されている。
又、上記最適化データ記憶部68は、NCプログラムが最適化変換された時に作成される最適化メインプログラムに記述されるコマンドが参照するデータを格納する領域として設定される。上記最適化データ自体は、工具等が移動する軌跡データ、M、G、Tコード機能データをテーブル化したものである。
【0038】
既に説明したRAM59の運転プログラム記憶部65であるが、ここには、既に説明したように、実際の加工動作を行う時に必要とされるNCプログラムが格納されている。そして、その一部に、第1のチャンネル加工手順記憶部と、第2のチャンネル加工手順記憶部と、第3のチャンネル加工手順記憶部とが設けられている。
【0039】
上記第1のチャンネル加工手順記憶部と、第2のチャンネル加工手順記憶部と、第3のチャンネル加工手順記憶部に記憶されたNCプログラムにより、実際に動作させられる部分を図2を参照して説明する。
まず、第1のチャンネル加工手順記憶部に記憶されたNCプログラムにより、主軸S1を回転させる主軸回転用モータ3、被加工物送り用モータ7、工具送りモータ5が制御される。これによって、主軸S1は、図2中矢印で示すZ1軸方向に移動制御されると共にC1回転方向に回転制御される。一方、工具TS1は、図2中矢印で示すX1軸、Y1軸に移動制御される。チャンネル1では、主軸台の移動制御、回転制御又は、工具TS3を支持する刃物台の各矢印方向の移動制御、工具TS3の中に回転工具が含まれていて、その制御が必要であるものの場合は回転等の制御を行う。
【0040】
次に、第2のチャンネル加工手順記憶部に記憶されたNCプログラムにより、背面主軸S2を回転させる背面主軸回転モータ11、背面主軸移動用モータ9、工具TS2の回転が制御される。これによって、背面主軸S2は、図2中矢印で示すZ2軸方向、X2軸方向に移動制御されると共にC2回転方向に背面主軸回転が制御される。一方工具TS2そのものは、固定刃物台に設置されるものであって、バイト等の非可動のもの或いは、ドリル等の回転可能なものを取付可能としているものである。ドリル等の回転可能なものを使う場合には、第2のチャンネル加工手順記憶部に記憶されたNCプログラムにより回転が制御される。
【0041】
次に、第3のチャンネル加工手順記憶部に記憶されたNCプログラムにより、工具送りモータ5が制御される。これによって、工具TS3は、図2中矢印で示すX3,Y3,Z3軸方向に移動制御される。チャンネル3では、この工具TS3を支持する刃物台の移動制御あるいは、保持される工具の内回転工具の制御が必要な場合に回転等の制御を行う。
尚、この実施の形態では、工具TS3はチャンネル3に、TS2はチャンネル2に、TS1はチャンネル1に割り付けられているが、TS1或いはTS3に関してはどのチャンネルで制御しても良く、必要に応じて適宜工具TS1、TS2、TS3のチャンネル割り当ては変更できる。同様に主軸S1、背面主軸S2もチャンネル割り当ては変更できる。
【0042】
以上の構成を基にその作用を説明する。
例えば、バック加工を行える数値制御工作機械(本実施の形態における数値制御工作機械1もまさにそのような構成になっている)のNCプログラムパターンにおいて、通常バック加工用のNCプログラム部分は、工具が背面主軸S2から突出したエジェクタピンと干渉しないように、加工が必要なとき以外はブロックスキップする為の指令で挟まれている。このようなNCプログラムを電子カムプログラムに変換する際の手順を図3乃至図6のフローチャートに従って説明する。
【0043】
まず、図3を参照して処理の大きな流れを説明する。最初にステップS1において電子カムデータに変換するNCプログラムをメモリに読み込む。次に、バック加工ブロックスキップ用前処理を実行する(ステップS2)。次に、ステップS3において、NCプログラムを電子カムデータに変換する。次に、ステップS4に移行して、NCプログラムを電子カムデータに変換できたか否かを判別する。
【0044】
ステップS4において、NCプログラムから電子カムデータに変換できたと判別された場合には電子カムデータをファイルとして出力する(ステップS5)。これに対して、NCプログラムから電子カムデータに変換できなかった場合はその理由が判断できるエラーメッセージを出力して(ステップS6)終了する。
以上が処理の大きな流れである。
【0045】
次に、ステップS2における「バック加工ブロックスキップ用前処理」について図4を参照して説明する。まず、ステップS11において、削除可能なバック加工ブロックスキップ指令を削除する。次に、ステップS12に移行して、残ったバック加工ブロックスキップ指令に対してバック加工ブロックスキップ先変更処理を行う。
【0046】
ここで、上記ステップS11におけるバック加工ブロックスキップ削除処理について、図5を用いて詳細に説明する。まず、ステップS21でバック加工ブロックスキップ元指令を検索する。
尚、実際のNCプログラムにおいては、上記バック加工ブロックスキップ元指令は、「M75」といった表現で示されている。
次に、ステップS22に移行して、上記検索が成功したか否かの判別が行われる。検索が成功しなければバック加工ブロックスキップを行わないNCプログラムということで処理は終了である。これに対して、検索が成功した場合には、ステップS23に移行して、バック加工ブロックスキップ先の指令Aを検索する。
尚、実際のNCプログラムにおいては、上記バック加工ブロックスキップ先指令は、「EM75」といった表現で示されている。
【0047】
次に、ステップS24に移行して、次のバック加工ブロックスキップ元の指令Bを検索する。次いで、ステップS25に移行して、上記検索が成功したか否かを判別する。検索が成功しなかった場合には削除するバック加工ブロックスキップ指令はもうないということで処理は終了である。これに対して、検索が成功した場合には、バック加工ブロックスキップ先指令A(EM75)と次のバック加工ブロックスキップ元指令B(M75)との間には電子カムデータ変換に影響のないブロック(指令)のみであるか否かを調べる(ステップS26)。
【0048】
尚、ここでいう電子カムデータ変換に影響のないブロックとは、例えば、EOB(改行)のみのブロック、コメント、メッセージ表示指令、シーケンスナンバー等、NCプログラムで動作させる際にもあまり意味を持たないブロックと、NCプログラムで動作させる際には必要だが電子カム動作時には必要ではない待ち合わせ指令等も含まれる。又、NCプログラムで動作させる場合、待ち合わせ指令をスキップさせてしまうと、それと対になる待ち合わせ指令が実行される際にスキップされてしまった待ち合わせ指令をずっと待ち続けることになり、プログラムが止まってしまう。しかしながら、電子カム動作時には既に待ち合わせ指令を踏まえたタイミングでデータが作成されており、実際の待ち合わせ指令を出力することは行わないので、電子カムデータを作成する際に待ち合わせを考慮さえすれば待ち合わせ指令をスキップさせてしまっても何等問題はない。
【0049】
次に、ステップS27に移行して、電子カムデータ変換に影響のないブロックのみであるか否かを判別する。変換に影響のないブロックのみの場合には、ステップS28に移行して、A、Bの指令を削除する。そして、ステップS24に戻って以下同様の処理を繰り返す。このような処理によって複数組存在するバック加工ブロックスキップ指令の内、削除可能なバック加工ブロックスキップ先指令とバック加工ブロックスキップ元指令を削除することができる。
【0050】
次に、図6を参照して、ステップS12のバック加工ブロックスキップ先変更処理について説明する。まず、ステップS31において、バック加工ブロックスキップ元の指令Cを検索する。次に、ステップS32に移行して、上記検索が成功したか否かの判別が行われる。検索が成功していなければ全てのバック加工ブロックスキップ指令に対して処理をしたということで終了する。これに対して、検索が成功した場合には、ステップS33に移行して、バック加工ブロックスキップ先の指令Dを検索する。
【0051】
次に、ステップS34に移行して、バック加工ブロックスキップ元指令Cとバック加工ブロックスキップ先指令Dにおける夫々の選択工具番号T1とT2を取得する。次に、ステップS35に移行して、バック加工ブロックスキップ元指令Cにおける選択工具番号T1とバック加工ブロックスキップ先指令Dにおける選択工具番号T2が等しいか否かを判別する。該判別の結果、選択工具番号T1と選択工具番号T2が等しい場合には、ステップS31に戻る。
因みに、バック加工ブロックスキップ元指令Cにおける選択工具番号T1とバック加工ブロックスキップ先指令Dにおける選択工具番号T2が等しいということは、そのままで電子カムデータ変換が可能であることを意味する(後述するが、厳密には可能でない場合もある。)。
このように、工具番号を利用してブロックスキップ元指令時とバック加工ブロックスキップ先指令時における刃物台の指令位置座標の異同を容易に比較することが可能になっている。刃物台の為の指令位置座標を演算し、演算結果同士を比較する方法によっても良いわけであるが、工具選択指令を使用することにより、浮動小数点演算が必要になるところを、整数の演算で済ますことが可能になり、それによって、テータ処理に要する時間を短縮させることが可能になる。
又、この段階において、ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令との間では、刃物台の指令位置座標の異同を判定するのに、実際問題として厳密な座標比較を行う必要はないものである。この意味において、大まかな比較が必要であるところに対して、おおまかな比較を行うことが可能になり、必要以上の負荷を制御装置に与えることがない等、実用上の効果を得ることができる。
尚、厳密な比較が必要でないのは、ステップS3における電子カムデータ変換を実行するに際して、ここで行った比較を再度厳密に行うプロセスが含まれているためであり、全く同じ指令位置座標となっているかどうかの確認の為、ここでは厳密な比較を行う必要がないものである。つまり、電子カムデータに変換できる可能性があることを判定できればよいのである。
【0052】
これに対して、判別の結果、バック加工ブロックスキップ元指令Cにおける選択工具番号T1とバック加工ブロックスキップ先指令Dにおける選択工具番号T2が等しくない場合には、ステップS36に移行して、バック加工ブロックスキップ先指令D以降で選択工具番号T1と同じ工具選択指令Eを検索する。つまり、バック加工ブロックスキップ元指令Cにおける選択工具番号T1とバック加工ブロックスキップ先指令Dにおける選択工具番号T2が等しくないということは、そのままでは、電子カムデータ変換が不可能になってしまうので、新たに、同じ選択工具番号を有する指令Eを探してそれ以降にスキップ先を変更しようとするものである。
【0053】
次に、ステップS37に移行して、上記検索が成功したか否かの判別が行われる。上記検索が成功しないと判別された場合はそのまま終了する。これに対して、検索が成功したと判別された場合には、ステップS38に移行して、バック加工ブロックスキップ先指令Dと指令E間には電子カムデータ変換に影響のないブロック(指令)のみであるかどうか調べる。
尚、ここでいう電子カムデータ変換に影響のないブロックとはステップS26で説明したものと同等である。
【0054】
次に、ステップS39に移行して、電子カムデータ変換に影響のないブロックのみであるか否かの判別が行われる。判別の結果、影響のないブロックのみである場合には、ステップS40に移行して、バック加工ブロックスキップ先指令Dの指令を指令Eの後に移動して、バック加工ブロックスキップ元とバック加工ブロックスキップ先の選択工具番号が等しくなるようにする。そして、次のバック加工ブロックスキップ指令を処理するためステップS31に戻る。これに対して、判別の結果、影響のあるブロックが存在する場合には、ステップS41に移行して、その影響のあるブロックを指令Eの後に移動しても問題ないか調べる。
【0055】
尚、ここでいう移動しても問題ないブロックとは、例えば、バック加工の単独運転時のプログラムエンド指令が相当する。この指令はバック加工の単独運転時、サイクル加工の終了指令となるが、スキップしてしまうと終了を判断できずそれ以降の単独運転時には実行してはいけない部分を実行してしまう。よって、この指令をスキップ先の変更によりスキップさせてしまうことはできないのだが、ステップS38での電子カムデータ変換に影響のないブロックを跨いで移動することは可能であり、ステップS41でいう問題のない指令となる。
【0056】
又、ステップS42に移行して、問題がないか否かを判別する。判別の結果、問題のない指令であれば、ステップS43に移行して、その影響のある指令を指令Eの後に移動してステップS40に移行する。これに対して、問題のある指令であれば電子カムデータに変換できないNCプログラムなので速やかに処理を中断し終了する。
以上が本実施の形態における一連の処理の内容である。
【0057】
ここで、実際のNCプログラムを例に挙げて簡単に説明してみる。図7は実際のNCプログラムの一部を示すもので、図2に示したチャンネル1、チャンネル2、チャンネル3に対応した各プログラム「CH1」、「CH2」、「CH3」が夫々示されている。ここで、バック加工ブロックスキップ元指令「M75」とバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」は、チャンネル2に対応した「CH2」のプログラム中に組み込まれている。
具体的には、「CH2」において、最初のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」が上から6行目にあり、それに対応した最初のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」が上から13行目にある。又、次のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」が上から15行目にあり、それに対応した2番目のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」が上から19行目にある。
【0058】
その際、最初のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」と2番目のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」との間に関して、電子カムデータの変換に影響のないブロック指令のみであるか否かをみてみると、そこには、待ち合わせを示す指令「waitm(2、2、3)」が存在するだけであり、これはまさに電子カムデータの変換に影響のないブロック指令のみであると考えられる。したがって、最初のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」と2番目のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」は削除されることになる。
【0059】
その結果、最初のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」から2番目のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」にジャンプすることになるが、その際、工具選択指令が同じであるか否かをみてみる。最初のバック加工ブロックスキップ元指令「M75」時における工具は「T2000」であり、一方、2番目のバック加工ブロックスキップ先指令「EM75」時における工具は「T3800」であり、つまり、両工具選択指令は異なる。したがって、このままでは、このNCプログラムを電子カムプログラムへ変換することはできず、製造装置に設けられる表示画面にエラーメッセージが表示されることになる。
ここで、表示画面にエラーメッセージが表示されないようにする処理がこのプログラムに施されることになる。まず、最初に行うことは、図6のフローチャートに示されているように、「T2000」の工具番号の工具が、2番目のバック加工ブロックスキップ指令「EM75」より後に指定されているか否かの検索を行うことである。検索の結果、「T2000」の工具が発見されたので(「EM75」の3行後に指定されている)、検索が成功することになる。ここで発見された「T2000」と2番目の「EM75」との間のブロックに記述されるコードが、電子カムデータ変換に影響のないもののみであるか否かを判別する。これらのコードは、前述したように、電子カムデータ変換に影響のないもののみであるので、「T2000」の後に「EM75」が移動される。このように処理された結果として、「M75」から「EM75」にジャンプした場合、「M75」が無効で「EM75」との間の全てのブロックが実行された場合の何れの場合においても、「EM75」の実行時点において、「M75」の実行時点で指定されていた指定工具に揃えることができるものとされている。よって、電子カムデータへの変換が終了することになる。
【0060】
尚、図7に示したNCプログラムの場合には、削除した結果、残ったバック加工ブロックスキップ元指令(M75)とバック加工ブロックスキップ先指令(EM75)とにおける工具選択指令が異なり、そこで、それ以降の中で同じ工具選択指令を検索し、その検索された指令との間に電子カムデータ変換に影響のないブロックのみであるか否かを判別し、影響のないブロックのみである場合にはその指令の後にバック加工ブロック先指令(EM75)を移動させるものである。
これに対して、図7に示したNCプログラムの場合と異なり、複数組のバック加工ブロックスキップ元指令(M75)・バック加工ブロックスキップ先指令(EM75)の組合せが存在して、その中に削除可能なものがあってそれを削除し、且つ、削除した結果、残ったバック加工ブロックスキップ元指令(M75)とバック加工ブロックスキップ先指令(EM75)とにおける工具選択指令が同じであるならでそのままで電子カムデータ変換が可能である。
又、影響のないブロックのみではない場合には、影響のある指令を検索してそれを上記工具選択指令の後に移動させることの是非を判別し、問題なければ移動させ、且つ、バック加工ブロック先指令(EM75)を移動させるものである。
【0061】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
すなわち、NCプログラムを加工時間短縮等のメリットの大きい電子カムデータに変換する際に、変換可能なNCプログラム数が増えるという効果がある。これは、電子カムデータに変換する際の障害となっていた「ブロックスキップ指令」の絶対数を減らすことにより、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数が増える可能性が高まるからである。
又、削除することができなかったブロックスキップ指令であってブロックスキップ元の工具選択指令とブロックスキップ先の工具選択指令が異なっている場合には、それを同一にするように処理しているので、それによっても、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数を増大させることができるものである。
さらに、工具選択指令を同一にするに際して、影響のある指令が存在する場合には、その指令を移動させる処理をも行っており、それによって、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数を増大させることができるものである。
そして、NCプログラムを電子カムプログラムに変換する場合の変換率を高めることができるので、結局、作業効率を向上させることができるものである。
【0062】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
又、制御の対象となる機械構成としては様々なものが考えられ、図示したものはあくまで一例である。
又、ブロックスキップ指令としても様々なものが想定され、バック加工ブロックスキップ指令はあくまで一例である。又、メイン加工のプログラムにブロックスキップ指令が含まれる形態のものに対しても、当然適用可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願発明による工作機械の数値制御装置と工作機械の数値制御方法によると、まず、ブロックスキップ元指令検出手段によってブロックスキップ元指令を検出し、ブロックスキップ先指令検出手段によってブロックスキップ先指令を検出し、座標比較手段によって夫々の指令における座標を比較してその異同を判別するようにしているので、少なくとも電子カムプログラムへの変換が可能か否かの判別を行うことができる。
又、その際、座標比較手段を選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するものとして構成した場合には、それによって、座標の異同を容易に判別することができる。
又、ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うブロックスキップ削除処理手段を設けた場合には、それによって、電子カムデータに変換する際の障害となっていた「ブロックスキップ指令」の絶対数を減らすことができ、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数を増大させて変換率を高めることができる。
又、上記座標比較手段による比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標への移動指令が検出された行の後に移動する移動手段とを設けることにより、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数を増大させて変換率を高めることができる。
又、上記座標比較手段による比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、上記変換可否判定手段による判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定する移動可否判定手段と、上記移動可否判定手段による判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動する不可原因指令移動手段とを設けた場合にも、それによって、電子カムデータに変換可能なNCプログラム数を増大させて変換率を高めることができる。
又、削除可能なブロックスキップ処理を削除してその個数を減少させて電子カムプログラムへの変換を行うようにした場合には、電子カムプログラムへの変換確立を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、数値制御工作機械の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す図で、数値制御工作機械のチャンネル構成を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す図で、制御プログラムの主たる手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態を示す図で、バック加工ブロックスキップ用前処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態を示す図で、バック加工ブロックスキップ用前処理の内のバック加工ブロックスキップ削除処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態を示す図で、バック加工ブロックスキップ用前処理の内のバック加工ブロックスキップ先変更処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態を示す図で、NCプログラムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 数値制御工作機械
13 制御ユニット
51 中央演算ユニット
59 RAM
61 ROM
63 NCプログラム記憶部
65 運転プログラム記憶部
67 機械固有情報記憶部
69 トランスフォーマ記憶部
71 トランスフォーマ作業データ記憶部
73 トランスフォーマ
Claims (12)
- 素材を所望の形状に加工するために作成されたNCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出するブロックスキップ元指令検出手段と、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出するブロックスキップ先指令検出手段と、
上記ブロックスキップ元指令時とブロックスキップ先指令時における少なくとも1個の制御軸における座標の異同を比較する座標比較手段と、
を具備したことを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、
上記座標比較手段は選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するものであることを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、
上記ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うブロックスキップ削除処理手段が設けられていることを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、
上記座標比較手段による比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、
上記変換可否判定手段による判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標への移動指令が検出された行の後に移動する移動手段と、
を具備したことを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 請求項1記載の工作機械の数値制御装置において、
上記座標比較手段による比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定する変換可否判定手段と、
上記変換可否判定手段による判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定する移動可否判定手段と、
上記移動可否判定手段による判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動する不可原因指令移動手段と、
を具備したことを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 素材を所望の形状に加工するために作成されたNCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出するブロックスキップ元指令検出手段と、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出するブロックスキップ先指令検出手段と、
上記ブロックスキップ元指令検出手段とブロックスキップ先指令検出手段の夫々が検出したブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の両指令を削除可能か否かの判別を行うブロックスキップ削除処理可否判定手段と、
上記ブロックスキップ削除処理可否判定手段によって削除可能と判定された場合にブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令を削除するブロックスキップ削除手段と、
上記NCプログラムを電子カムプログラムに変換するプログラム変換手段と、
を具備したことを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出し、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出し、
上記ブロックスキップ元指令時とブロックスキップ先指令時における少なくとも1個の制御軸における座標の異同を比較するようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。 - 請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、
選択工具番号に基づいて座標の異同を比較するようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。 - 請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、
上記ブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の組合せが複数有る場合に、NCプログラムから電子カムプログラムへの変換に際して、削除可能なブロックスキップ先指令とブロックスキップ元指令を削除する処理を行うようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。 - 請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、
上記比較の結果「異」と判別された場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ先指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定し、
上記判定が「可」である場合に、上記ブロックスキップ先指令を上記座標が検出された行の後に移動するようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。 - 請求項7記載の工作機械の数値制御方法において、
上記比較の結果「異」となった場合に、ブロックスキップ先指令以降に「同」となる座標への移動指令を検索し、同となる座標への移動指令が検出された場合に該座標への移動指令が検出されたブロックと上記ブロックスキップ元指令との間のブロックに記述されるNCプログラムが電子カムプログラム変換に影響のない指令のみであるか否かを判定し、
上記判定が「否」である場合に、変換に影響のある指令を上記座標への移動指令が検出されたブロックの後に移動しても問題がないか否かを判定し、
上記判定が「可」であった場合には、座標への移動指令が検出されたブロックより後の行に変換に影響のある指令を移動するようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。 - NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、それが記述される場合に以降のブロックの実行がスキップされるブロックスキップ元指令が有るか否かを検出し、
上記NCプログラム記憶部に記憶されているNCプログラム中に、上記ブロックスキップ元指令に呼応するように設けられ、それが記述される場合にそれ以降のブロックの実行が行われるようにするブロックスキップ先指令が有るか否かを検出し、
上記検出したブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令の両指令を削除可能か 否かの判別を行い、
削除可能と判定された場合にブロックスキップ元指令とブロックスキップ先指令を削除し、
上記NCプログラムを電子カムプログラムに変換するようにしたことを特徴とする工作機械の数値制御方法。
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