JPH1074620A - 金属薄膜型磁気記録媒体 - Google Patents
金属薄膜型磁気記録媒体Info
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- JPH1074620A JPH1074620A JP22961796A JP22961796A JPH1074620A JP H1074620 A JPH1074620 A JP H1074620A JP 22961796 A JP22961796 A JP 22961796A JP 22961796 A JP22961796 A JP 22961796A JP H1074620 A JPH1074620 A JP H1074620A
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Abstract
成できる金属薄膜型磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 媒体基板とCr下地層の間に、原子%に
て、Ni:36〜46%、Cu:0.5〜6%、残部実
質的にCrからなる結晶質合金のシード層を形成する。
シード層は、媒体基板に負のバイアス電圧を印加しなが
ら形成される。
Description
の磁気ディスク装置に使用される磁気記録媒体に関し、
より具体的には、保磁力及び記録再生特性にすぐれた金
属薄膜型磁気記録媒体に関するものである。
磁気記録媒体は、一般に図4に示す如く、Al合金から
なる非磁性のサブストレート(21)上に非晶質のNiP層
(22)が形成された媒体基板(2)に、実質的にCrからな
る下地層(4)、Co合金の磁性層(5)、カーボン等の保護
膜(6)を順次積層成膜して形成されている。
即ち線記録密度とトラック密度の向上が望まれている。
しかしながら、線記録密度を向上させると、線形等価に
よって除去できない非線形な波形干渉が生じ、記録分解
能の劣化の原因となる。この非線形波形干渉は、円周方
向の磁気的異方性が大きくなるほど増大する傾向にあ
る。トラック密度の向上には、トラック全体に占めるト
ラックエッジでの媒体ノイズの低減が非常に重要とな
る。トラックエッジでの媒体ノイズの増加は、円周方向
の磁気的異方性に起因する。
ヘッドと媒体との間の摩擦を軽減するために、テキスチ
ャーと呼ばれる微細な凹凸が円周方向に形成されること
が多い。このテキスチャーはCo合金磁性層の周方向の
磁気的異方性を高めることになるため、保磁力の向上に
対しても有効であることが知られている。しかしなが
ら、円周方向の磁気異方性の向上は、上述のとおり、媒
体ノイズの増加に繋がる。非線形波形干渉を軽減し、か
つ媒体ノイズの増加を防ぐために、円周方向のテキスチ
ャーを施さずに、媒体基板の表面に超平滑加工を施した
金属薄膜型磁気記録媒体もある。しかしながら、テキス
チャーの形成を省略すると、磁性層の磁気的異方性はな
くなるが、所望レベルの保磁力を得られない不都合があ
る。保磁力の向上には、磁性層のCo合金にPtを添加
することが有効であるが、Ptの添加はスパッタリング
装置のターゲットが高価になること、さらに媒体ノイズ
が大きくなる問題がある。
の低減を同時に達成できる金属薄膜型磁気記録媒体を提
供することである。
に、本発明の金属薄膜型磁気記録媒体は、媒体基板と下
地層の間に、原子%にて、Ni:36〜46%、Cu:
0.5〜6%、残部実質的にCrからなる結晶質合金の
シード層を設けたものであり、該シード層は、媒体基板
に負のバイアス電圧を印加しながら形成される。
Cuが含まれており、媒体基板に負のバイアス電圧を印
加しながら、前記組成の結晶質合金のシード層を媒体基
板の上に形成すると、Cuが結晶粒界に偏析として析出
し、Ni−Crの母相の結晶成長を抑制し結晶が微細化
される結果、シード層の上に成膜されるCr下地層の主
たる結晶配向である(211)配向が向上し、ひいては該
下地層の上に成膜されるCo合金磁性層の主たる結晶配
向である(100)配向が向上する。また、Cr下地層の
結晶が微細化されて、ひいてはCo合金磁性層の結晶が
微細化される。このように、Co合金磁性層の結晶配向
が向上し、結晶が微細化されることにより、磁気記録媒
体の高保磁力化と媒体ノイズの低減化が同時に達成され
る。
iを含有すると、磁気記録媒体の高保磁力化に有効であ
る。このため、シード層にはNiを36〜46原子%含
有させるものとし、38〜44原子%がより望ましい。
Cuは、シード層を形成する際、媒体基板に負のバイア
ス電圧を印加したとき、シード層の結晶を微細化する作
用を有しており、Co合金磁性層の主たる結晶配向であ
る(100)配向をさらに向上させて、また微細化を促進
する作用を有する。このため、0.5原子%以上含有さ
せるが、あまりに多く含有すると、Cuの偏析量が多く
なりすぎるので上限は6原子%とする。
っても、Cr下地層との間に前記組成の結晶質シード層
を設けたことにより、磁性層の磁気的異方性は低減され
る。従って、磁気的異方性に起因する媒体ノイズの増加
は抑制され、かつ非線形波形干渉を低減することができ
る。
記録媒体(1)の部分断面図を示しており、Al合金また
はガラスからなるサブストレート(21)にNiP層(22)を
形成した媒体基板(2)上に、結晶質シード層(3)、下地層
(4)、磁性層(5)及び保護膜(6)を、この順序で積層成膜
している。結晶質シード層(3)は、望ましくはArガス
等の不活性ガス雰囲気中で、媒体基板(2)に負のバイア
ス電圧を印加しながらスパッタリングにより、媒体基板
(2)のNiP層(22)の上に形成される。図1では、Ni
P層(22)、シード層(3)、下地層(4)、磁性層(5)及び保
護膜(6)がサブストレート(21)に関して対称に成膜され
ており、両面で書込み/読出しを行なえる構成としてい
るが、各層を片面にのみ成膜して、片面のみで書込み/
読出しを行なう構成とすることもできる。
と媒体との間の摩擦を軽減するために、円周方向にテキ
スチャーを施してもよい。一方、ヘッドの低浮上化のた
めに磁気記録媒体(1)に平坦度が要求される場合には、
スーパーフィニッシュ加工を施して表面を超平滑化させ
ることができる。
Åが望ましい。シード層(3)の厚さが薄すぎるとシード
層(3)の効果が十分に発揮されず、あまり厚くなりすぎ
ると、その上に形成されるCr下地層(4)及びCo合金
磁性層(5)の粒子の粗大化を招き、ノイズが増大するお
それがあるからである。また、シード層(3)の上に成膜
されるCr下地層(4)の厚さは、200〜1000Åが
望ましく、400〜800Åがより望ましい。これは、
下地層(4)の層厚を約800Åより厚くしても、磁気記
録媒体(1)の保磁力のさらなる向上は期待できないため
であり、1000Åよりも厚くすると、その上に形成さ
れるCo合金磁性層(5)の粒子の粗大化を招き、ノイズ
が増大するおそれがあるためである。
から形成する。実質的にCrとは、必ずしも100%C
rである必要はなく、Crを約95原子%以上含有して
おればよい。なお、下地層(4)をシード層(3)の上に成膜
する際、Cr下地層(4)を所望の結晶配向とするため
に、シード層(3)及びNiP層(22)を赤外線ヒーター等
によって約250〜300℃に加熱した状態で実施する
ことが望ましい。
Co合金から形成する。NiP層(22)、下地層(4)、磁
性層(5)及び保護膜(6)の形成は、公知の如く、DCスパ
ッタリング法、メッキ法又は真空蒸着法等の方法により
行なうことができる。
ス電圧と保磁力(Hc)との関係を調べるものであり、下
記条件でDCスパッタリング装置を用いて各層を順に成
膜した。 ・媒体基板 サブストレート:Al合金製(3.5inch−31.5mil) NiP層 :厚さ10μm 表面処理 :円周方向の機械的テキスチャー 粗さ :Ra=28Å ・シード層 組成:Ni40原子%、Cu2原子%、残部実質Cr(C
r58Ni40Cu2) 厚さ:600Å 組織:結晶質 成膜時のバイアス電圧:0V、−100V、−200
V、−300V ・下地層 組成:実質的にCr 厚さ:600Å 成膜時の基板加熱温度:260℃ 成膜時のバイアス電圧:−200V ・磁性層 組成:原子%にて、Cr14%、Ta6%、残部実質的
にCo 厚さ:400Å 成膜時のバイアス電圧:−200V ・保護膜 厚さ:120Å 組成:実質的にC
図2に示す。図2を参照すると、媒体基板に印加する負
のバイアス電圧が大きくなるにつれて、磁気記録媒体の
保磁力Hcが上昇しており、難固溶性のCuによるNi
−Crの母相の結晶成長抑制と結晶微細化効果は、負の
バイアス電圧の印加により高められることを示してい
る。
磁力を得るためには、シード層の形成時に媒体基板に印
加するバイアス電圧を約−150V以上にすることが望
ましく、約2100Oe以上の保磁力を得るためには、
約−200V以上のバイアス電圧を印加することがより
望ましい。
磁気記録媒体に加えて、組成が原子%にて、Ni:42
%、Cu:3%、残部実質的にCr(Cr55Ni42Cu
3)である合金を、媒体基板にバイアス電圧−300Vを
印加しつつスパッタリングして、結晶質シード層を形成
した磁気記録媒体を作製した。なお、シード層の成分及
び印加するバイアス電圧以外は、実施例1の磁気記録媒
体と同様である。得られた磁気記録媒体は、磁気特性が
異なると記録再生特性も異なるため、磁気記録媒体は、
磁性層の成膜時のバイアス電圧及び基板温度を調整し
て、Br・δが約220Gμとなるように作製した。記
録再生特性の測定は、Silmag社製のPHSヘッド
を用いて行なった。測定結果を表1に示す。
の比、Nmは媒体のノイズを表わす。NLTSは、Non
Linear Transition Shiftの略語で、既に書き込まれた
記録パターン上の漏洩磁場がヘッドの記録磁界に影響を
及ぼした結果、次にディスクに書き込まれる磁化遷移領
域の位置がずれる量を表わしている。表1の記録再生特
性結果を参照すると、SNm、Nm、NLTSの全ての
特性に関して、バイアス電圧を印加して結晶質シード層
を形成した磁気記録媒体は、バイアス電圧を印加せずに
結晶質シード層を形成した磁気記録媒体、またはシード
層を形成していない磁気記録媒体よりもすぐれており、
記録再生特性が改善されていることを示している。
行ない、結晶配向を調べた。測定には、バイアス電圧−
300Vで結晶質Cr58Ni40Cu2のシード層を形成
した磁気記録媒体と、バイアス電圧を印加せずに結晶質
Cr58Ni40Cu2のシード層を形成した磁気記録媒体
を用いた。測定結果を図3に示す。なお、図3中、縦軸
の強さを示す数値は任意目盛(arbitrary unit)である。
図3を参照すると、バイアス電圧を印加しつつシード層
を形成した本発明の磁気記録媒体は、Cr−Ni−Cu
のピークが左に大きく移動しており、シード層の結晶配
向性が高まっていることが判る。また、バイアス電圧を
印加せずにシード層を形成した磁気記録媒体は、Cr下
地層、Co磁性層の主たる結晶配向が夫々(002)、
(110)であり、磁性層に垂直方向の磁界が形成されや
すくなっているのに対し、バイアス電圧を印加しつつシ
ード層を形成した磁気記録媒体は、Cr下地層の結晶配
向が(211)、Co磁性層の結晶配向が(100)であ
り、各層が微細化され、面内保磁力が高められているこ
とが判る。
〜46原子%、Cu:0.5〜6%、残部実質的にCr
からなる結晶質合金のシード層を設けたことにより、保
磁力が高く、記録再生特性に優れる磁気記録媒体を得る
ことができる。特に、シード層の形成時、媒体基板に印
加する負のバイアス電圧を大きくするほど、すぐれた保
磁力、記録再生特性を具えた磁気記録媒体を得ることが
できる。このように、本発明により作製された金属薄膜
型磁気記録媒体は、高保磁力と高記録再生特性を同時に
得ることができ、記録密度の向上に対応することができ
る。
金属薄膜型磁気記録媒体の部分断面図である。
力の関係を示すグラフである。
る。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性の媒体基板上に、下地層、磁性層
及び保護膜を順次積層成膜してなる金属薄膜型磁気記録
媒体において、媒体基板と下地層の間に、原子%にて、
Ni:36〜46%、Cu:0.5〜6%、残部実質的
にCrからなる結晶質合金のシード層が形成されている
ことを特徴とする金属薄膜型磁気記録媒体。 - 【請求項2】 シード層は、媒体基板に負のバイアス電
圧を印加しながら形成されたものである請求項1に記載
の金属薄膜型磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22961796A JP3933732B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22961796A JP3933732B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1074620A true JPH1074620A (ja) | 1998-03-17 |
JP3933732B2 JP3933732B2 (ja) | 2007-06-20 |
Family
ID=16895000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22961796A Expired - Fee Related JP3933732B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3933732B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7604879B2 (en) | 2006-07-31 | 2009-10-20 | Fujitsu Limited | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage apparatus |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP22961796A patent/JP3933732B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7604879B2 (en) | 2006-07-31 | 2009-10-20 | Fujitsu Limited | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage apparatus |
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JP3933732B2 (ja) | 2007-06-20 |
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