JP2802016B2 - 金属薄膜型磁気記録媒体 - Google Patents
金属薄膜型磁気記録媒体Info
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- JP2802016B2 JP2802016B2 JP10156593A JP10156593A JP2802016B2 JP 2802016 B2 JP2802016 B2 JP 2802016B2 JP 10156593 A JP10156593 A JP 10156593A JP 10156593 A JP10156593 A JP 10156593A JP 2802016 B2 JP2802016 B2 JP 2802016B2
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- Thin Magnetic Films (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク等の磁気記
録媒体に関する。
録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高密度記録化に伴
って、ＣｏＮｉＣｒ、ＣｏＣｒＴａ等の一軸結晶磁気異
方性を有するＣｏ合金からなる磁気記録層を非磁性の基
板上にＣｒ下地層を介して成膜した金属薄膜型磁気記録
媒体が用いられている。前記Ｃｒ下地層は、該下地層を
構成するＣｒ柱状晶の結晶配向が、その上に成膜される
Ｃｏ合金磁性層の磁気異方性を示す結晶軸を面内配向さ
せるように作用し、保磁力を向上させる作用を有する。
って、ＣｏＮｉＣｒ、ＣｏＣｒＴａ等の一軸結晶磁気異
方性を有するＣｏ合金からなる磁気記録層を非磁性の基
板上にＣｒ下地層を介して成膜した金属薄膜型磁気記録
媒体が用いられている。前記Ｃｒ下地層は、該下地層を
構成するＣｒ柱状晶の結晶配向が、その上に成膜される
Ｃｏ合金磁性層の磁気異方性を示す結晶軸を面内配向さ
せるように作用し、保磁力を向上させる作用を有する。
【０００３】前記磁気記録媒体において、高密度記録を
行うには、高い保磁力を具備すると共に、低ノイズで読
み出し・書き込み特性（Ｒ／Ｗ特性）に優れたものでな
ければならない。そこで、Ｃｒ下地層に着目し、Ｃｒに
Ｓｉ、Ｃｕ、Ｃｅ等のＣｒに固溶しないか、固溶し難い
元素を添加することにより、Ｃｒ結晶粒の微細化と結晶
粒の分離を促進させ、これにより保磁力の向上と共に媒
体ノイズの低減を図る試みがなされている。
行うには、高い保磁力を具備すると共に、低ノイズで読
み出し・書き込み特性（Ｒ／Ｗ特性）に優れたものでな
ければならない。そこで、Ｃｒ下地層に着目し、Ｃｒに
Ｓｉ、Ｃｕ、Ｃｅ等のＣｒに固溶しないか、固溶し難い
元素を添加することにより、Ｃｒ結晶粒の微細化と結晶
粒の分離を促進させ、これにより保磁力の向上と共に媒
体ノイズの低減を図る試みがなされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】下地層として、前記所
定のＣｒ合金を使用することにより、記録密度の向上が
図られたが、最近、マイクロコンピュータの高ビット化
に伴い、磁気記録媒体における記録密度のより一層の向
上が求められており、このためにはより一層の高保磁力
化、低ノイズ化が望まれている。
定のＣｒ合金を使用することにより、記録密度の向上が
図られたが、最近、マイクロコンピュータの高ビット化
に伴い、磁気記録媒体における記録密度のより一層の向
上が求められており、このためにはより一層の高保磁力
化、低ノイズ化が望まれている。
【０００５】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、高保磁力かつ低ノイズの金属薄膜型磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
で、高保磁力かつ低ノイズの金属薄膜型磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性基板の上に非磁性下地層、一軸結晶磁気異方
性を有するＣｏ合金層を備えた磁気記録層が同順序で積
層成膜された金属薄膜型磁気記録媒体において、前記非
磁性下地層は、原子％で、Ｃｕ：０．５〜５．０％、
Ｂ，Ｃ，Ｎの内の一種以上の総計：１〜６％および残部
がＣｒからなるＣｒ合金で形成されている。
は、非磁性基板の上に非磁性下地層、一軸結晶磁気異方
性を有するＣｏ合金層を備えた磁気記録層が同順序で積
層成膜された金属薄膜型磁気記録媒体において、前記非
磁性下地層は、原子％で、Ｃｕ：０．５〜５．０％、
Ｂ，Ｃ，Ｎの内の一種以上の総計：１〜６％および残部
がＣｒからなるＣｒ合金で形成されている。
【０００７】
【作用】本発明に係る非磁性下地層を形成するＣｒ合金
は、ＣｒにＣｕおよびＢ，Ｃ，Ｎの一種以上をを所定量
含有させることによって、Ｃｕを単独で含有させた場合
には奏しない相剰作用により、Ｃｒ結晶粒の微細化と分
離化がより一層促進され、保磁力が向上すると共に磁化
反転に伴うビット間磁化遷移領域の幅が小さくなり、媒
体ノイズが低減される。
は、ＣｒにＣｕおよびＢ，Ｃ，Ｎの一種以上をを所定量
含有させることによって、Ｃｕを単独で含有させた場合
には奏しない相剰作用により、Ｃｒ結晶粒の微細化と分
離化がより一層促進され、保磁力が向上すると共に磁化
反転に伴うビット間磁化遷移領域の幅が小さくなり、媒
体ノイズが低減される。
【０００８】ＣｕはＣｒに固溶せず、Ｃｒ柱状晶の間に
容易に偏析し、結晶粒の微細化と分離を促進する。０．
５原子％（以下、単に％とする。）未満ではかかる作用
が過小であり、一方５％を越えるとＣｒ柱状晶の結晶配
向性が崩れて磁性層の面内配向作用が劣化するようにな
る。Ｂ，Ｃ，ＮはＣｕに比較して原子半径が小さく、Ｃ
ｒ結晶内に侵入型原子として固溶されるが、基体に負の
バイアス電圧を印加した成膜すると、Ｃｒ結晶粒界に押
し出されて偏析するようになる。Ｂ，Ｃ，Ｎの一種以上
の総計が１％未満では偏析作用が過小であり、一方６％
を越えるとＣｕの場合と同様にＣｒ柱状晶の結晶配向性
が崩れるようになる。
容易に偏析し、結晶粒の微細化と分離を促進する。０．
５原子％（以下、単に％とする。）未満ではかかる作用
が過小であり、一方５％を越えるとＣｒ柱状晶の結晶配
向性が崩れて磁性層の面内配向作用が劣化するようにな
る。Ｂ，Ｃ，ＮはＣｕに比較して原子半径が小さく、Ｃ
ｒ結晶内に侵入型原子として固溶されるが、基体に負の
バイアス電圧を印加した成膜すると、Ｃｒ結晶粒界に押
し出されて偏析するようになる。Ｂ，Ｃ，Ｎの一種以上
の総計が１％未満では偏析作用が過小であり、一方６％
を越えるとＣｕの場合と同様にＣｒ柱状晶の結晶配向性
が崩れるようになる。
【０００９】
【実施例】図１は実施例に係る磁気記録媒体の要部断面
図を示しており、非磁性の基板１の上に、非磁性下地層
２が成膜されており、その上に一軸結晶磁気異方性を有
するＣｏ合金単層からなる磁気記録層３が成膜され、更
にその上に非磁性保護層４がスパッタリングにより積層
成膜されている。
図を示しており、非磁性の基板１の上に、非磁性下地層
２が成膜されており、その上に一軸結晶磁気異方性を有
するＣｏ合金単層からなる磁気記録層３が成膜され、更
にその上に非磁性保護層４がスパッタリングにより積層
成膜されている。
【００１０】前記基板１の材質としては、Ａ１合金板上
に非晶質Ｎｉ−Ｐメッキ層が形成されたものやチタン等
の金属材や、ガラス、セラミックス、カーボンなどの非
金属材が使用される。尚、基板の表面には、通常、磁気
ヘッドとの接触摩擦抵抗を軽減するためにテキスチャー
と呼ばれる微細凹凸加工が施される。基板１の上に形成
される非磁性下地層２は、既述の通り、Ｃｕ及びＢ，
Ｃ，Ｎの一種以上を所定量含有したＣｒ合金で形成さ
れ、該下地層２の上に形成される磁性層の面内配向性を
向上させる。層厚は、通常、５００〜２０００Å程度に
形成される。該下地層２を成膜する際には、基板に負の
バイアス電圧を印加した状態で成膜するのがよい。前記
侵入型原子の粒界への偏析を促進させるためである。な
お、バイアス電圧の大きさは、−５０〜−３００Ｖ程度
とされる。
に非晶質Ｎｉ−Ｐメッキ層が形成されたものやチタン等
の金属材や、ガラス、セラミックス、カーボンなどの非
金属材が使用される。尚、基板の表面には、通常、磁気
ヘッドとの接触摩擦抵抗を軽減するためにテキスチャー
と呼ばれる微細凹凸加工が施される。基板１の上に形成
される非磁性下地層２は、既述の通り、Ｃｕ及びＢ，
Ｃ，Ｎの一種以上を所定量含有したＣｒ合金で形成さ
れ、該下地層２の上に形成される磁性層の面内配向性を
向上させる。層厚は、通常、５００〜２０００Å程度に
形成される。該下地層２を成膜する際には、基板に負の
バイアス電圧を印加した状態で成膜するのがよい。前記
侵入型原子の粒界への偏析を促進させるためである。な
お、バイアス電圧の大きさは、−５０〜−３００Ｖ程度
とされる。
【００１１】前記磁気記録層３は、既述の通り、ＣｏＮ
ｉＣｒ、ＣｏＣｒＴａ、ＣｏＣｒＰｔ等の一軸結晶磁気
異方性を示すＣｏ合金により形成される。磁気記録層の
成膜に際しても、基板に負のバイアス電圧を印加すると
よい。尚、磁気記録層は所定のＣｏ合金を図例のように
単層として形成したものに限らず、Ｃｏ合金層と、Ｃｒ
やＣｒと同様の結晶構造を有するＣｒ合金からなる非磁
性中間層とを交互に積層形成したものでもよい。磁気記
録層３の層厚（Ｃｏ合金単層ならその層厚、複層ならＣ
ｏ合金層の合計厚）は通常４００〜８００Å程度とされ
る。再生出力の確保とノイズ低減のためには、磁気記録
媒体としてＢｒδが３００〜５００Ｇ・μ程度のものが
要求されているからである。
ｉＣｒ、ＣｏＣｒＴａ、ＣｏＣｒＰｔ等の一軸結晶磁気
異方性を示すＣｏ合金により形成される。磁気記録層の
成膜に際しても、基板に負のバイアス電圧を印加すると
よい。尚、磁気記録層は所定のＣｏ合金を図例のように
単層として形成したものに限らず、Ｃｏ合金層と、Ｃｒ
やＣｒと同様の結晶構造を有するＣｒ合金からなる非磁
性中間層とを交互に積層形成したものでもよい。磁気記
録層３の層厚（Ｃｏ合金単層ならその層厚、複層ならＣ
ｏ合金層の合計厚）は通常４００〜８００Å程度とされ
る。再生出力の確保とノイズ低減のためには、磁気記録
媒体としてＢｒδが３００〜５００Ｇ・μ程度のものが
要求されているからである。
【００１２】前記磁気記録層３の上にはカーボン等から
なる非磁性保護層４が１００〜３００Å程度形成されて
おり、更にその上にフッ素化ポリエーテル等の液体潤滑
剤を２０〜５０Å程度（単分子厚程度）塗布してもよ
い。尚、前記保護層４や潤滑層は必要に応じて形成すれ
ばよい。非磁性下地層、磁気記録層、非磁性保護層は、
通常、スパッタリングにより成膜される。スパッタリン
グ条件は、通常、Ａｒガス圧１〜３０ｍＴｏｒｒ、基板
温度２００〜３００℃程度とされる。
なる非磁性保護層４が１００〜３００Å程度形成されて
おり、更にその上にフッ素化ポリエーテル等の液体潤滑
剤を２０〜５０Å程度（単分子厚程度）塗布してもよ
い。尚、前記保護層４や潤滑層は必要に応じて形成すれ
ばよい。非磁性下地層、磁気記録層、非磁性保護層は、
通常、スパッタリングにより成膜される。スパッタリン
グ条件は、通常、Ａｒガス圧１〜３０ｍＴｏｒｒ、基板
温度２００〜３００℃程度とされる。
【００１３】次に具体的実施例を掲げる。 (1) テキスチャリングを施したＮｉ−Ｐメッキ／Ａｌ
合金基板の上に、表１の組成のＣｒ合金下地層を５００
Å、Ｃｏ−１０％Ｃｒ−４％Ｔａ合金単層からなる磁気
記録層を６００Å、さらにその上にＣ保護層を２００Å
積層成膜した。成膜装置としては、ＤＣマグネトロンス
パッタ装置を用いた。成膜条件は基板温度２５０℃、成
膜時のＡｒガス分圧１２ｍＴｏｒｒであり、Ｃｒ合金下
地層および磁気記録層の成膜時に夫々基板に−３００
Ｖ、−１００Ｖのバイアス電圧を印加した。
合金基板の上に、表１の組成のＣｒ合金下地層を５００
Å、Ｃｏ−１０％Ｃｒ−４％Ｔａ合金単層からなる磁気
記録層を６００Å、さらにその上にＣ保護層を２００Å
積層成膜した。成膜装置としては、ＤＣマグネトロンス
パッタ装置を用いた。成膜条件は基板温度２５０℃、成
膜時のＡｒガス分圧１２ｍＴｏｒｒであり、Ｃｒ合金下
地層および磁気記録層の成膜時に夫々基板に−３００
Ｖ、−１００Ｖのバイアス電圧を印加した。
【００１４】
【表１】
【００１５】(2) 得られた磁気記録媒体の保磁力Ｈｃ
および媒体ノイズを測定した結果を表１に併せて示す。 (3) 評 価 表１より、従来例のNo. ７に対して、実施例のNo. １〜
６は保磁力が著しく向上しており、また媒体ノイズの低
下が認められる。この場合、No. ２と３との比較から、
侵入型元素Ｂの含有量が増加するほど効果的であり、N
o. ２と５、６から、同じ侵入型元素でもＣ，ＮよりＢ
の方がより効果的であることが分かる。
および媒体ノイズを測定した結果を表１に併せて示す。 (3) 評 価 表１より、従来例のNo. ７に対して、実施例のNo. １〜
６は保磁力が著しく向上しており、また媒体ノイズの低
下が認められる。この場合、No. ２と３との比較から、
侵入型元素Ｂの含有量が増加するほど効果的であり、N
o. ２と５、６から、同じ侵入型元素でもＣ，ＮよりＢ
の方がより効果的であることが分かる。
【００１６】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の金属薄膜型
磁気記録媒体は、非磁性下地層を特定組成のＣｒＣｕ
（Ｂ，Ｃ，Ｎ）で成膜するので、ＣｕとＢ等との相剰効
果により、Ｃｒ結晶粒の微細化、分離化が促進され、保
磁力の向上と共に媒体ノイズの低下が図られ、ひいては
Ｒ／Ｗ特性および記録密度の向上を図ることができる。
磁気記録媒体は、非磁性下地層を特定組成のＣｒＣｕ
（Ｂ，Ｃ，Ｎ）で成膜するので、ＣｕとＢ等との相剰効
果により、Ｃｒ結晶粒の微細化、分離化が促進され、保
磁力の向上と共に媒体ノイズの低下が図られ、ひいては
Ｒ／Ｗ特性および記録密度の向上を図ることができる。
【図１】本発明の金属薄膜型磁気記録媒体の要部断面図
である。
である。
１ 基板 ２ 非磁性下地層 ３ 磁気記録層 ４ 保護層
Claims (1)
- 【請求項１】 非磁性基板の上に非磁性下地層、一軸結
晶磁気異方性を有するＣｏ合金層を備えた磁気記録層が
同順序で積層成膜された金属薄膜型磁気記録媒体におい
て、 前記非磁性下地層は、原子％で、Ｃｕ：０．５〜５．０
％、Ｂ，Ｃ，Ｎの内の一種以上の総計：１〜６％および
残部がＣｒからなるＣｒ合金で形成されていることを特
徴とする金属薄膜型磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10156593A JP2802016B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10156593A JP2802016B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06310330A JPH06310330A (ja) | 1994-11-04 |
| JP2802016B2 true JP2802016B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=14303939
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10156593A Expired - Fee Related JP2802016B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2802016B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-27 JP JP10156593A patent/JP2802016B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06310330A (ja) | 1994-11-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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