JPH1072641A - 溶接気密性、プレス加工性に優れた自動車燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents

溶接気密性、プレス加工性に優れた自動車燃料タンク用防錆鋼板

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JPH1072641A
JPH1072641A JP15320297A JP15320297A JPH1072641A JP H1072641 A JPH1072641 A JP H1072641A JP 15320297 A JP15320297 A JP 15320297A JP 15320297 A JP15320297 A JP 15320297A JP H1072641 A JPH1072641 A JP H1072641A
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隆之 大森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部の気密性とプレス加工性に優れた自動
車燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼成分として、C:0.01%以下、S
i:0.2%以下、Mn:0.6%未満、P:0.04
%以下、酸可溶Al:0.1%以下、N:0.01%以
下、Ti,Nbを合計で(C+N)の原子当量以上0.
2%以下、B:1〜30ppmを含有し、残部がFe及
び不可避的不純物である鋼板の表面に、Si:2〜13
%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物であるよう
な被覆層を有する溶融アルミめっき鋼板。B量は3pp
m以上の方が安定した性能を示す。 【効果】 本発明によるアルミめっき鋼板は、これまで
の課題であった溶接部の気密性を鋼中へのB添加、及び
鋼中P量の限定により解決したもので、優れたプレス成
型性と相俟って自動車燃料タンク用材料として最適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の燃料タン
ク用鋼板として優れた溶接気密性、プレス加工性を兼備
する防錆鋼板を提供する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンクは、車体のデザイン
に合わせて最後に設計されることが通常で、その形状は
近年益々複雑になる傾向にある。また燃料タンクは自動
車の重要保安部品であるため、この燃料タンクに使用さ
れる材料には、優れた深絞り特性は勿論のこと、成型後
の衝撃による割れが無いことが要求される。これに加え
て、孔あき腐食やフィルター目詰まりに繋がる腐食生成
物の生成の無い材料で、しかも容易に安定して溶接で
き、溶接部の気密性に優れた材料であることも重要であ
る。
【0003】これら様々な特性を有する材料として、従
来よりターンシートと称されるPb−Sn合金めっき鋼
板(特公昭57−61833号公報)が主に使用されて
きた。この材料はガソリンに対して安定な化学的性質を
持ち、かつめっきが潤滑性に優れるためプレス成形性に
優れている。これ以外にも亜鉛めっき鋼板に厚クロメー
ト処理を施した鋼板も使用されており、Pb−Sn合金
程ではないが、やはり優れた加工性、耐食性を有してい
る。しかし近年環境への負荷という意味からPbを使用
しない材料が希求されている。
【0004】このPbを使用しない自動車燃料タンク材
料の候補材の一つが、アルミ(Al−Si)めっき鋼板
である。アルミはその表面に安定な酸化皮膜が形成され
るため、ガソリンを始めとして、アルコールやガソリン
等が劣化したときに生じる有機酸に対しても耐食性が良
好である。しかしながらアルミめっき鋼板を燃料タンク
材料として使用する際の課題が幾つかある。その一つは
加工性で、アルミめっき鋼板は被覆層と鋼板の界面に生
成する非常に硬質なFe−Al−Siの金属間化合物層
(以降合金層と称する)のため、この部分を起点として
めっき剥離やめっきのクラックを生じやすい。
【0005】この課題に対して本発明者らは特願平7−
329193号において、めっき後の冷却速度、再加熱
により解決できることを示した。もう一つの課題は溶接
気密性である。すなわちアルミめっき鋼板はスポット溶
接やシーム溶接等の抵抗溶接は可能であるが、溶接部の
気密性に劣るという課題がある。燃料タンク材は溶接
後、燃料が漏れず、また揮発しないように気密性が要求
されるが、アルミめっき鋼板を接合後内圧をかけると接
合部で破断しやすく、接合後の気密性に劣るという問題
があった。これは他のめっき鋼板、例えばターンシート
や亜鉛めっき鋼板では殆ど無く、アルミめっき鋼板のみ
に顕著に見られる現象である。理由は明確ではないが、
めっき層のAlが鋼中に拡散して何らかの影響を及ぼし
ていると思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の溶接
気密性の課題を解決することで、Pbを使用せず、有機
物環境における優れた耐食性、タンク製造工程において
今後増すと予想される苛酷なプレス条件にも充分絶え得
る優れたプレス加工性を有し、しかも抵抗溶接性、溶接
部の気密性にも劣ることが無い新しい燃料タンク用防錆
鋼板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルミめ
っき鋼板の抵抗溶接部の気密性を改善するため種々検討
した結果、鋼成分の最適化、具体的には鋼中のP量の制
限とB添加が性能改善に大きく寄与することを知見し、
本発明を行ったものである。すなわち本発明の要旨とす
るところは、 (1)重量%で、C :0.01%以下、Si:0.2
%以下、Mn:0.6%未満、P:0.04%以下、酸
可溶Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti,
Nbの1種または2種以上を合計で(C+N)量の原子
当量以上0.2%以下、B:0.0001〜0.003
0%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる
鋼板の表面に、重量%でSi:2〜13%を含有し、残
部がAl及び不可避的不純物からなる被覆層を有するこ
とを特徴とする溶接気密性、プレス加工性に優れた燃料
タンク用防錆鋼板。
【0008】(2)重量%で、C :0.01%以下、
Si:0.2%以下、Mn:0.6%未満、P:0.0
4%以下、酸可溶Al:0.1%以下、N:0.01%
以下、Ti,Nbの1種または2種以上を合計で(C+
N)量の原子当量以上0.2%以下、B:0.0003
〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなる鋼板の表面に、重量%でSi:2〜13%
を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる被覆
層を有することを特徴とする溶接気密性、プレス加工性
に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
【0009】(3)重量%で、C:0.003%以下、
Si:0.1%以下、Mn:0.4%以下、P:0.0
2%以下、酸可溶Al:0.1%以下、N:0.01%
以下、Ti,Nbの1種または2種以上を合計で(C+
N)量の原子当量以上0.2%以下、B:0.0003
〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなる鋼板の表面に、重量%でSi:2〜13%
を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる被覆
層を有することを特徴とする溶接気密性、プレス加工性
に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
【0010】(4)重量%で、C:0.003%以下、
Si:0.1%以下、Mn:0.4%以下、P:0.0
1%未満、酸可溶Al:0.1%以下、N:0.01%
以下、Ti,Nbの1種または2種以上を合計で(C+
N)量の原子当量以上0.2%以下、B:0.0004
〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなる鋼板の表面に、重量%でSi:2〜13%
を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる被覆
層を有することを特徴とする溶接気密性、プレス加工性
に優れた燃料タンク用防錆鋼板である。
【0011】本出願人は、特開昭60−165366号
公報において鋼中にBを0.003%以下添加した溶融
アルミめっき鋼板を、また特開昭60−103167号
公報においてBを0.01%以下添加した溶融アルミめ
っき鋼板を開示しているが、これらの発明は高温強度あ
るいは高温酸化性を目的としたもので、B添加もこのた
めであった。また用途も当然自動車排気系材料等の高温
環境を考えたものであった。これに対して本発明は燃料
タンク材として必須な特性である、溶接気密性の改善に
対して適正量のBの添加とP量の制御が大きな効果を有
することを知見したものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。まず鋼成
分の限定理由を説明する。 C:本発明において、燃料タンクのような複雑な形状に
加工できるだけの深絞り性を有した鋼板であることが必
要で、C量は少ないほど好ましく、Cが0.01%を超
えると成型性が劣化するためこの値%を上限とする。更
に高い成型性を求めるときには、0.003%以下であ
る。 Si:Siは酸素との親和性が強く、溶融アルミめっき
工程で表面に安定な酸化皮膜を形成しやすい。酸化皮膜
が形成されるとめっき浴中でのAl−Fe反応を阻害し
てアルミめっき時に不めっきと呼ばれるめっき欠陥を形
成しやすくなる。またこの元素は鋼板を硬化させる元素
でもあるので、本発明のような高成型性を要求される鋼
板としては少ない方が好ましく、0.2%以下とする。
より望ましくは0.1%以下である。
【0013】Mn:Mnは鋼板の高強度化に有効な元素
であるが、本発明は軟質な鋼板を目的とするもので、少
ない方が好ましい。Mnが0.6%以上では鋼が硬化し
て延性に富んだ鋼板を製造することは困難であるため
に、Mnは0.6%未満とした。望ましくは0.4%以
下である。 P:Pは粒界偏析して粒界を脆化させる元素で、また鋼
板の延性を阻害する元素で、少ない方が望ましい。また
理由は明確でないが、溶接気密性に対しても影響が大き
く、0.04%超添加するとBが添加されていても溶接
気密性を大きく劣化させる。従って本発明において、
0.04%以下に限定する。溶接気密性をより安定して
得るために望ましい量は0.02%以下、更に望ましい
量は0.01%未満である。
【0014】Al:AlもSiと同じく酸素との親和性
の強い元素で、溶融アルミめっきを困難にする傾向があ
る。またAl23 系介在物を形成して鋼板加工性を阻
害するために酸可溶Alとして0.1%以下とする。下
限は特に設けないが、Ti酸化物による表面疵発生を抑
制するために若干添加することが好ましく、0.01〜
0.05%が好ましい添加範囲である。 N:Cと同様の理由でNも少ない方が好ましく、成型性
確保の観点よりNの上限を0.01%とする。
【0015】Ti,Nb:これらの元素はC,Nを固定
する元素として知られ、これらの元素でC,Nを固定し
て実質的に固溶C,Nを無くした鋼板がIF鋼として知
られ、このようなIF鋼は軟質であるのは勿論、深絞り
性にも優れている。本発明においてもこの目的でTi,
Nbを添加するものとする。その添加量は(C+N)の
原子当量以上含有することが必要で、この値を下限とす
る。また添加量が多すぎても効果が飽和するとともに、
特にTiについてはAl−Fe反応を促進する元素で、
量が多いと合金層が厚くなりやすくなり、鋼板加工性を
阻害する。従って上限を0.2%とする。
【0016】B:本発明において重要な元素である。B
が一度深絞り成型した後に再度外力を受ける際の二次加
工性や疲労強度を向上させることは知られているが、本
発明者らはこれに加えてアルミめっきをした後の溶接部
の結晶組織が改質されて溶接部の気密性が飛躍的に向上
するという知見を得たものである。この効果を発揮する
には0.0001%以上の添加が必要で、0.0003
%以上の添加で安定した性能が得られる。さらに安定性
を得るため、より望ましくは0.0004%以上であ
る。またB添加により当然二次加工性、疲労強度にも効
果がある。しかし添加量が多すぎると熱間強度が高くな
りすぎて熱間圧延性が低下してしまう。従って上限を
0.0030%とする。
【0017】次に被覆層の限定理由を説明する。めっき
被覆層中のSi添加量であるが、この元素は通常合金層
を薄くする目的から10%程度添加されている。前述し
たように溶融アルミめっきで生成する合金層は非常に硬
質で、かつ脆性であるために破壊の起点となりやすく、
鋼板自体の延性をも阻害する。通常の2〜3μm程度の
合金層でも鋼板延性は3ポイント程度低下する。従って
この合金層は薄ければ薄いほど加工に対して有利に働
く。Siは2%以上添加しないとこの合金層低減の効果
が薄く、また13%を超えるとその効果が飽和すること
に加えてSiが電気化学的にカソードとなりやすいこと
からSi量の増加はめっき層の耐食性劣化につながる。
このためSi量は2〜13%に限定する。
【0018】アルミめっきのそれ以外の条件については
特に限定するものではない。めっき付着量は、増加する
ほど耐食性が増し、一方でめっき密着性、溶接性が劣化
する傾向がある。厳しい成型、種々の溶接を必要とする
自動車燃料タンク材料としては片面当たり50g/m2
以下であることが、また、その厚みも均一であることが
望ましい。また合金層厚みは前述したように薄い方が好
ましい。めっきの後工程として一次防錆のためのクロメ
ート処理、めっき層の改質処理である焼鈍処理、表面状
態、材質の調整のための調質圧延、潤滑性、溶接性を付
与するための樹脂被覆等があり得るが、本発明において
は特にこれらは限定するものではない。しかし、安定し
た溶接性を得るには、0.3〜1μm程度の薄い有機被
覆層を最表面に有することが望ましい。
【0019】鋼板の製造法としては通常の方法によるも
のとする。鋼成分は例えば転炉−真空脱ガス処理により
調節されて溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造され、
熱間圧延される。熱間圧延、またそれに続く冷間圧延の
条件は鋼板の深絞り性に影響を与える。特に優れた深絞
り性を付与するには、熱延時の加熱温度を1150℃程
度と低めに、また熱延の仕上げ温度は800℃程度と低
めに、巻き取り温度は600℃以上と高めに、冷延の圧
下率は80%程度と高めにすると良い。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。表1に示す鋼を通常の転炉−真空脱ガス処理によ
り溶製し、鋼片とした後、通常の条件で熱間圧延、冷延
工程を行い、冷延鋼板(板厚0.8mm)を得た。これ
を材料として、溶融アルミめっきを行った。溶融アルミ
めっきは無酸化炉−還元炉タイプのラインを使用し、焼
鈍もこの溶融めっきライン内で行った。焼鈍温度は80
0〜850℃とした。めっき後ガスワイピング法でめっ
き厚みを両面約60g/m2 に調節した。この際のめっ
き温度は660℃とし、めっき浴組成としては基本的に
Al−2%Feとして、これにSiを添加した。この浴
中のFeは浴中のめっき機器やストリップから供給され
るものである。こうして製造したアルミめっき鋼板の燃
料タンクとしての性能を評価した。このときの評価方法
は下に示した方法により、めっき条件と性能評価結果を
表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(1)外観評価 めっき後の外観を目視判定した。 〔評価基準〕 〇:異常なし △:微少な点状不めっき有り ×:不めっき有り
【0023】(2)プレス加工性評価 油圧成形試験機により、直径50mmの円筒ポンチを用
いて、絞り比2.3で成形試験を行った。このときのシ
ワ抑え圧は500kgで行い、成形性の評価は次の指標
によった。 〔評価基準〕 ◎:成形可能で、めっき層の欠陥無し 〇:成形可能で、めっき層にひび割れ有り △:成形可能で、めっき層剥離有り ×:成形不可能(原板に割れが発生)
【0024】(3)溶接部気密性評価 クランクプレス試験機にて、フランジ幅30mm,深さ
25mm,70×70mmの平底角筒成型を行い、フラ
ンジ部を下に示した溶接条件でシーム溶接を行った。次
にこの一部に穴をあけ、この穴より水中でエアにより内
圧0.5気圧、1気圧、1.5気圧を掛け、シーム溶接
部からのエアの漏れを判定した。 〔溶接条件〕 溶接電流:10KA 加圧力:200kg 溶接速
度:2.5m/s 〔評価基準〕 ◎:溶接部より漏れ発生無し ○:1気圧まで漏れ発生無し △:0.5気圧まで漏れ発生無し ×:0.5気圧でも漏れ発生
【0025】(4)耐食性評価 ガソリンに対する耐食性を評価した。方法は油圧成型試
験機により、フランジ幅20mm,直径50mm,深さ
25mmの平底円筒絞り加工した試料に、試験液を入れ
て、シリコンゴム製リングを介してガラスで蓋をした。
これを室温で3ケ月放置した後の腐食状況を目視観察し
た。 試験液:ガソリン+蒸留水10%+蟻酸200ppm 〔評価基準〕 −:成型不可能のため評価不可能 〇:赤錆発生0.1%未満 △:赤錆発生0.1〜5%または白錆発生有り ×:赤錆発生5%超または白錆顕著
【0026】表2に示すように、鋼中のCやNが高く
て、(Ti+Nb)/(C+N)の原子当量が1未満に
なったり(比較例16、19)、P,Mnが高く延性が
不足するとき(比較例18)には、プレス加工性に劣
り、燃料タンクのような深絞り加工は困難である。また
鋼中のSi,Al等の溶融アルミめっきを阻害する元素
が高いときには(比較例17)、不めっきが多く、不め
っき部より腐食が進行するため当然耐食性も劣化する。
また鋼中のTiが高すぎるとき(比較例21)や、アル
ミめっき中のSi量が少ないとき(比較例22)には、
合金層が厚く発達し、プレスの際にめっきが剥離しやす
くなってやはり耐食性が劣化する。
【0027】一方、めっき中のSiが多すぎても(比較
例23)、耐食性が劣化する。また鋼中にBが添加され
ないと(比較例20)、他の性能は優れているが溶接部
の気密性に劣る。鋼成分、めっきの組成が適正である
と、プレス加工性、溶接部の気密性、外観、耐食性全て
に優れた溶融アルミめっき鋼板が得られる。但し、鋼中
のB量がやや不足するときやP量が高いとき(本発明例
1、9、10、13)には、溶接部の気密性にやや劣る
傾向があり、Pが0.01%を越えても(本発明例2、
6、7、8、11)、P量がそれ以下のものと比べると
やや気密性に劣る。一方、鋼中のC,Si,Mn等の元
素量が多いと(本発明例9、13)やや加工性に劣る傾
向がある。従って、これらの元素を適正にすると、より
高い特性を有する溶融アルミめっき鋼板が得られる。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は、自動車燃料タンク材料として
必要な耐食性、プレス加工性を兼備し、かつこれまでの
課題であった溶接部気密性も獲得した溶融アルミめっき
鋼板を提供するもので、今後Pb系材料が環境問題で使
用が困難となったときの新しい燃料タンク材として非常
に有望であり、作業上の寄与も大きい。
フロントページの続き (72)発明者 大森 隆之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.01%以下、 Si:0.2%以下、 Mn:0.6%未満、 P :0.04%以下、 酸可溶Al:0.1%以下、 N :0.01%以下、Ti,Nbの1種または2種以
    上を合計で(C+N)量の原子当量以上0.2%以下、 B :0.0001〜0.0030%を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼板の表面に、重量%
    でSi:2〜13%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなる被覆層を有することを特徴とする溶接気
    密性、プレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で C :0.01%以下、 Si:0.2%以下、 Mn:0.6%未満、 P :0.04%以下、 酸可溶Al:0.1%以下、 N :0.01%以下、Ti,Nbの1種または2種以
    上を合計で(C+N)量の原子当量以上0.2%以下、 B :0.0003〜0.0030%を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼板の表面に、重量%
    でSi:2〜13%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなる被覆層を有することを特徴とする溶接気
    密性、プレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で C :0.003%以下、 Si:0.1%以下、 Mn:0.4%以下、 P :0.02%以下、 酸可溶Al:0.1%以下、 N :0.01%以下、Ti,Nbの1種または2種以
    上を合計で(C+N)量の原子当量以上0.2%以下、 B :0.0003〜0.0030%を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼板の表面に、重量%
    でSi:2〜13%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなる被覆層を有することを特徴とする溶接気
    密性、プレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で C :0.003%以下、 Si:0.1%以下、 Mn:0.4%以下、 P :0.01%未満、 酸可溶Al:0.1%以下、 N :0.01%以下、Ti,Nbの1種または2種以
    上を合計で(C+N)量の原子当量以上0.2%以下、 B :0.0004〜0.0030%を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼板の表面に、重量%
    でSi:2〜13%を含有し、残部がAl及び不可避的
    不純物からなる被覆層を有することを特徴とする溶接気
    密性、プレス加工性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
JP15320297A 1996-07-01 1997-06-11 溶接気密性、プレス加工性に優れた自動車燃料タンク用防錆鋼板 Expired - Lifetime JP2938406B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002317258A (ja) * 2001-04-19 2002-10-31 Nippon Steel Corp 加工後の耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板とその製造方法
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