JPH1072266A - 多孔質ガラス状炭素およびその製造方法 - Google Patents

多孔質ガラス状炭素およびその製造方法

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JPH1072266A
JPH1072266A JP8228704A JP22870496A JPH1072266A JP H1072266 A JPH1072266 A JP H1072266A JP 8228704 A JP8228704 A JP 8228704A JP 22870496 A JP22870496 A JP 22870496A JP H1072266 A JPH1072266 A JP H1072266A
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Kiyoshi Sutani
潔 酢谷
Masato Kano
正人 鹿野
Takeshi Jo
毅 城
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/0022Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors
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    • C04B2111/00241Physical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00267Materials permeable to vapours or gases

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な工程を経ることなく、高純度で、気孔
が比較的等方的に存在し、かつ比較的高い密度および強
度を有する多孔質ガラス状炭素を提供する。 【解決手段】 フェノール樹脂にエポキシ樹脂とその硬
化剤との混合物を添加して混合する。得られた混合物を
加熱して硬化させる。得られた硬化物を非酸化性雰囲気
下で加熱して炭化させる。炭化の後得られる材料は、
7.6μm以下の気孔径を有する開気孔が0.2〜0.
4cm3 /gで存在する多孔質ガラス状炭素である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質ガラス状炭
素およびその製造方法に関し、特に、空気軸受、高温用
断熱材等に使用可能な、光学的に等方性で高い硬度を有
し、かつ多孔質で通気性に優れたガラス状炭素材の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多孔質ガラス状炭素の製造方法と
して以下に掲げる方法を挙げることができるが、これら
はそれぞれ特有の問題を抱えている。
【0003】まず、フェノール樹脂と水溶性塩の混合物
を成形、重縮合した後、水洗により脱塩を行ない、乾燥
し、さらに不活性化雰囲気中で炭化する方法が特開昭4
3−12419号公報に開示される。この方法では、厚
い材料を製造するとき、厚みのある中央部において水洗
が十分に行なえず、塩類が残存することがある。このた
め、炭化後の気孔の状態が表面と内部で異なったり、残
存する塩類が不純物として好ましくない作用をもたらす
可能性がある。
【0004】特公平6−94364号公報は、レーヨン
パルプ、針葉樹パルプおよび熱硬化性樹脂溶液を原料と
する多孔質ガラス状炭素板の製造方法を開示する。この
方法では、レーヨンパルプと針葉樹パルプを混合抄紙し
たシートを積層し、次いで残炭率40%以上の熱硬化性
樹脂溶液をこれに含浸させる。樹脂を硬化させた後、得
られた積層物を非酸化性雰囲気中で800℃以上の温度
において加熱し多孔質ガラス状炭素板を製造する。この
方法は、抄紙、積層の煩雑な工程が必要である。またこ
の方法において、気孔はパルプ繊維の分解によって形成
されるが、パルプ繊維は抄紙面方向に配向しており、気
孔も成形体の厚み方向と直角方向に配向したものしか得
られない。
【0005】さらに、発泡フェノール樹脂の硬化物を炭
化して多孔質のガラス状炭素を得る方法がある。この方
法では、まずフェノール樹脂に液状フロンと硬化剤を添
加して、得られた混合物を硬化させて発泡フェノール樹
脂硬化物を得る。次に得られた硬化物を炭化して多孔質
のガラス状炭素を得る。この方法では、樹脂硬化物の密
度が0.1g/cm3 程度の低密度のフェノールフォー
ムがまず得られる。したがって、このように低密度の発
泡フェノール樹脂を炭化すれば、密度の低い炭素材料し
か得られない。この方法は、たとえば気孔を0.2〜
0.4cm3 /gで含有する比較的高密度の多孔質炭素
材の製造には気孔の偏析が発生するため適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の問題点を解決し、気孔を形成するための
材料の除去や、抄紙等の煩雑な工程を経ることなく、高
純度で、気孔が比較的等方的に存在し、かつ比較的密度
の高いガラス状炭素を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による多孔質ガラ
ス状炭素の製造方法は、フェノール樹脂にエポキシ樹脂
とエポキシ樹脂の硬化剤との混合物を添加して混合する
工程と、得られた混合物を加熱して硬化させる工程と、
得られた硬化物を非酸化性雰囲気中で加熱して炭化させ
る工程とを備えることを特徴とする。
【0008】本発明の加熱硬化工程において、得られた
混合物を80℃〜150℃の温度で10時間以上保持し
ながら昇温した後、150℃以上の温度で加熱すること
がより好ましい。
【0009】また本発明は、これまでにない新規な多孔
質ガラス状炭素を提供する。この多孔質ガラス状炭素
は、3次元的にほぼ均一かつほぼ等方的に分散した開気
孔を少なくとも内部に有し、上記開気孔において7.6
μm以下の気孔径を有するものが0.2〜0.4cm3
/gで存在し、かつほぼ等方性の組織を有することを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、エポキシ樹脂とそ
の硬化剤の混合物をフェノール樹脂に添加して硬化さ
せ、得られた硬化物を炭化させると、表層部を除いて内
部に優れた多孔性構造を有するガラス状炭素材料が得ら
れることを見い出した。得られた炭素材料は、内部にお
いてマクロな気孔や亀裂をほとんど含まず、気孔径7.
6μm以下の気孔を0.2〜0.4cm3 /gの割合で
含んでいた。得られた多孔性構造は通気性や通液性に優
れていることも明らかになった。
【0011】焼成工程の後得られた炭素マトリックス中
に輝度の異なる光学的等方性の球状物が存在している部
分があることから、多孔性の組織が形成されるメカニズ
ムとして以下のことが考えられる。
【0012】(a) エポキシ樹脂および硬化剤の混合
物とフェノール樹脂とは、相互の溶解度が低く、かつ互
いに比重が近いことから、フェノール樹脂中に球状のエ
ポキシ樹脂+硬化剤混合物が均一に分散した状態が得ら
れる。
【0013】(b) 硬化における昇温過程で、エポキ
シ樹脂(たとえば常温硬化型)が先に硬化し、その後フ
ェノール樹脂が硬化するため、エポキシ樹脂の球状硬化
物がフェノール樹脂硬化物中に分散したものが得られ
る。
【0014】(c) 得られた硬化物を炭化すると、エ
ポキシ樹脂の炭化収率はフェノール樹脂の炭化収率より
も低いため、エポキシ樹脂由来の部分において主に開気
孔が形成されるようになる。
【0015】(d) 均一に分散されたエポキシ樹脂に
主に起因して開気孔の構造がもたらされるため、得られ
た材料において気孔は均一に分散しており、しかも組織
の等方性は良好である。
【0016】(e) また、炭化時において多量の気孔
が生成するため、フェノール樹脂から発生したガスの系
外への放出が促進され、発生応力や亀裂が気孔で緩和さ
れる。したがって、マクロな気孔や亀裂の少ない炭素材
料が得られる。
【0017】本発明においてフェノール樹脂には、エポ
キシ樹脂との相溶性が低く、エポキシ樹脂より高温で熱
硬化するものが好ましく用いられる。本発明において
は、特にレゾール型フェノール樹脂が好ましく用いられ
る。またエポキシ樹脂に対する溶解度を低く抑える観点
から、水溶性フェノール樹脂を好ましく用いることがで
きる。
【0018】本発明において用いられるエポキシ樹脂は
特に限定されるものではなく、通常のものを使用するこ
とができる。エポキシ樹脂には、ビスフェノールA型、
ビスフェノールF型等のグリシジルエーテル型、フタル
酸誘導体や合成脂肪酸などのカルボン酸とエピクロロヒ
ドリンとの縮合により製造されるグリシジルエステル型
等を挙げることができる。エポキシ樹脂のための硬化剤
も、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂に添
加した場合に極めて短時間に樹脂を硬化させるものはフ
ェノール樹脂へのエポキシ樹脂の分散を困難にさせるた
め、適当な時間にわたって硬化を進行させるものが好ま
しい。また、樹脂の粘度が顕著に上がる高温においてエ
ポキシ樹脂が液状で存在し、フェノール樹脂と反応また
は混合するようになると、フェノール樹脂中においてエ
ポキシ樹脂は球状で分散した状態をとりにくくなる。こ
のため、エポキシ樹脂と硬化剤との混合物の硬化が、常
温〜100℃の温度において、数時間で起こるエポキシ
樹脂と硬化剤との組合せが好ましい。硬化剤には、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族
アミン、4−ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレ
ンジアミン等の芳香族アミン等がある。エポキシ樹脂に
対する硬化剤の比率は、用いられる材料の種類に応じて
適宜設定することができる。
【0019】フェノール樹脂とエポキシ樹脂(硬化剤を
除く)との重量比は、たとえば60:40〜95:5の
範囲が好ましい。エポキシ樹脂と硬化剤との混合物をフ
ェノール樹脂に添加し混合する際、混合温度は30℃以
下(たとえば常温)が好ましい。混合温度が高すぎる
と、十分に混合を行なう前に、エポキシ樹脂の硬化が進
み、エポキシ樹脂をフェノール樹脂中に均一に分散でき
なくなるおそれがある。
【0020】たとえば攪拌によって十分に混合を行なっ
た後、混合物を成形型に流し込み、加熱により硬化させ
ることができる。加熱による硬化工程においては、フェ
ノール樹脂の縮合に伴う縮合水によって発泡現象が起こ
り、好ましくないマクロ気孔が生成しやすい。このた
め、昇温工程において80℃〜150℃の温度を少なく
とも10時間以上保持した後、150℃以上の温度で硬
化を行なうことが好ましい。この場合、昇温は段階的に
または連続的に行なうことができ、80℃〜150℃の
範囲内の任意の温度における保持時間の合計を10時間
以上とすればよい。このような加熱工程により、マクロ
気孔や亀裂をほとんど含まない硬化物を容易に得ること
ができる。
【0021】得られた硬化物を、非酸化性雰囲気下で加
熱することによって、多孔性のガラス状炭素材料を得る
ことができる。加熱温度は、800℃以上、好ましくは
800℃〜3000℃の温度で行なうことができる。通
常、800℃〜2000℃の温度において炭化を行なう
ことができる。一方、必要に応じて2000℃〜300
0℃の温度において黒鉛化を行なってもよい。一般に、
より高温で焼成を行なった方が開気孔が減少し、不透気
性や耐酸化性が向上する傾向にある。焼成温度は、必要
な材料の特性によって選択すればよい。焼成時間は特に
限定されるものではなく、たとえば形成する材料のサイ
ズや特性に応じて数分〜数百時間とすることができる。
炭化および黒鉛化における昇温速度は、得られる炭素材
料の焼成割れに影響する。一般に、昇温速度が速くなる
と、発生ガス圧によって焼成割れが発生しやすい。した
がって、焼成割れが発生しないよう製造すべき材料のサ
イズ、形状、品質等に応じて昇温速度を設定する。たと
えば、厚い材料を形成する場合、焼成割れが発生しやす
いので、昇温速度を低く設定することが望ましい。ただ
し、本発明では、従来の気孔をほとんど含まない炭素材
料を製造する場合と比べて、炭化または焼成時の脱ガス
を容易に行なうことができる。したがって本発明では、
気孔をほとんど含まない炭素材料を製造する場合と比べ
て昇温速度を大きくしても焼成割れが発生しにくい。
【0022】本発明において炭素化および黒鉛化の工程
は非酸化性雰囲気中で行なわれる。非酸化性雰囲気とし
て、窒素雰囲気、アルゴン等の希ガス雰囲気、真空等を
用いることができる。なお、炭化炉または黒鉛化炉内に
おいて微量の酸素の混入により炭素が酸化されて劣化や
割れが発生しやすくなるのを防止するため、黒鉛粉末中
において硬化物を焼成することが好ましい。この場合、
黒鉛粉末が微量の酸素と反応し、酸素による悪影響を阻
止する。
【0023】炭素化または黒鉛化の工程の直後に得られ
る材料は、表層部は発生ガスが逸脱しやすいため表層部
において緻密なガラス状カーボンの組織を有し、内部に
おいて優れた多孔質組織を有する。全体が多孔質である
ガラス状炭素材料を必要とする場合、表層部の緻密なガ
ラス状カーボンを機械加工により除去すればよい。一
方、断熱材のように内部のみ多孔質でよい材料が必要な
場合、このような表層部を除去しなくともよい。多孔性
構造を有する内部は、気孔径が7.6μm以下の気孔を
0.2〜0.4cm3 /g以上の割合で含有する。この
ような気孔量は、水銀ポロシメータにより測定すること
ができる。この測定方法において水銀を圧入する気孔径
は下記の式で表わすことができる。したがって、気孔径
7.6μm以下の気孔量は、水銀ポロシメータを用いる
測定方法において大気圧以上の圧力で圧入する水銀の体
積に相当する。
【0024】 気孔径=7.6μm/圧入圧力(atm,絶対圧) ここで気孔径は、種々の形状を有する気孔においてその
最大幅を意味する。気孔は、たとえば円形の他、楕円
形、矩形等の形状を有する。気孔が楕円の場合その長径
が気孔径となる。また気孔が矩形の場合、その対角線の
長さが気孔径に相当する。
【0025】本発明の炭素材料において開気孔は3次元
的にほぼ均一に分散しかつほぼ等方的に分散する。また
多孔性構造を形成する炭素材料は、光学的に等方性であ
る。上述したように0.2〜0.4cm3 /g以上の割
合で7.6μm以下の気孔径を有する開気孔が存在する
炭素材料は、従来の方法によって得られる多孔質ガラス
状炭素よりも高い密度を有する。また本発明の炭素材料
は、マクロ気孔や亀裂がない。得られた材料において多
孔質組織の通気性および通液性は優れている。本発明の
炭素材料は比較的高い密度および強度を有するため、空
気軸受用炭素材として用いれば良好な特性を示す。ま
た、本発明の炭素材料は、ピッチや樹脂の含浸性に優れ
ており、その焼成も容易であるため、C/Cコンポジッ
トのマトリックスとして優れている。
【0026】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1 水溶性フェノール樹脂(住友デュレス社製PR−511
15)170重量部に、エポキシ樹脂(ストルアス社
製)15重量部と硬化剤(ストルアス社、トリエチレン
テトラミン)2重量部とからなる混合物を添加し、十分
攪拌した後、幅100mmのテフロン製容器に液高が4
0mmになるよう必要な分量を仕込んだ。テフロン製容
器中の混合物を、窒素雰囲気下で、以下のヒートパター
ンにおいて加熱し硬化を行なった。
【0028】 その後、得られた硬化物を黒鉛粉末を充填した黒鉛るつ
ぼに収容し、窒素雰囲気中10℃/時間の昇温速度で室
温から1000℃まで昇温した。
【0029】得られた焼成物を切断して断面を観察した
ところ、表層より1mm程度の深さまで緻密なガラス状
炭素が形成されていた。それより内部において、目視で
判別できるようなマクロ気孔や亀裂は存在しなかった。
内部を研磨して顕微鏡により観察すると、気孔径7.6
μm以下の気孔が多く存在する多孔質組織が見られた。
緻密なガラス状炭素からなる表層部を研削により除去
し、全体が多孔質のガラス状炭素を得た。得られた材料
について水銀圧入法で気孔量を測定したところ、気孔径
7.6μm以下の気孔量は0.25cm3 /gであっ
た。また得られた多孔質材料は、研磨面に水を滴下する
と速やかに水が吸収される程度に通液性や通気性の良好
なものであった。
【0030】比較例1 エポキシ樹脂と硬化剤を添加せずに材料を調製した以外
は、実施例1と同様にして炭素材料を得た。得られた材
料には割れが多数発生した。得られた材料において割れ
のない部分はガラス状炭素であったが、通液性や通気性
の悪いものであった。
【0031】実施例2 エタノールを溶剤とするフェノール樹脂(住友ベークラ
イト社製、PR−9183)70重量部に、エポキシ樹
脂(ストルアス社、ビスフェノール−A−ディグリシデ
ィレチル)22重量部と硬化剤(ストルアス社、トリエ
チレンテトラミン)8重量部とからなる混合物を添加
し、十分攪拌した後、幅100mmのテフロン製容器に
液高が100mmになるよう必要な分量を仕込んだ。テ
フロン製容器において混合物を窒素雰囲気下で実施例1
と同様のヒートパターンにおいて加熱し硬化を行なっ
た。
【0032】得られた硬化物を実施例1と同様に100
0℃の温度において炭化した後、さらに2500℃の温
度において黒鉛化を行なった。その結果、内部が多孔質
で割れのない炭素材料が得られた。得られた炭素材料か
ら緻密組織を有する表層部を除去することにより、通気
性が良好な多孔質ガラス状炭素が得られた。得られた多
孔質材料において、気孔径7.6μm以下の気孔量は
0.35cm3 /gであった。
【0033】比較例2 エポキシ樹脂と硬化剤を添加せずに材料を調製した以外
は、実施例2と同様にして炭素材料を調製した。得られ
た材料には割れが多数発生した。得られた材料において
割れのない部分はガラス状炭素であったが、通液性や通
気性の悪いものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明は、マクロ気孔や亀裂がなく、気
孔径7.6μm以下の気孔を0.2〜0.4cm3 /g
で含有し、通気性が良好でかつ比較的高い密度および強
度を有する多孔質ガラス状炭素を提供する。このような
多孔質材料は、空気軸受用炭素材料として良好な特性を
示す。また本発明により得られる炭素材料は、C/Cコ
ンポジットのマトリックスとして優れた性能を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂にエポキシ樹脂と前記エ
    ポキシ樹脂の硬化剤との混合物を添加して混合する工程
    と、 得られた混合物を加熱して硬化させる工程と、 得られた硬化物を非酸化性雰囲気中で加熱して炭化させ
    る工程とを備えることを特徴とする、多孔質ガラス状炭
    素の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱して硬化させる工程において、
    前記得られた混合物を80℃〜150℃の温度で10時
    間以上保持しながら昇温した後、150℃以上の温度で
    加熱することを特徴とする、請求項1記載の多孔質ガラ
    ス状炭素の製造方法。
  3. 【請求項3】 3次元的にほぼ均一かつほぼ等方的に分
    散した開気孔を少なくとも内部に有し、前記開気孔にお
    いて7.6μm以下の気孔径を有するものが0.2〜
    0.4cm3 /gで存在し、かつほぼ等方性の組織を有
    することを特徴とする、多孔質ガラス状炭素。
JP8228704A 1996-08-29 1996-08-29 多孔質ガラス状炭素およびその製造方法 Withdrawn JPH1072266A (ja)

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