JPH1067931A - 耐衝撃性ポリアミドをベースにした組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリアミドをベースにした組成物

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JPH1067931A
JPH1067931A JP9212490A JP21249097A JPH1067931A JP H1067931 A JPH1067931 A JP H1067931A JP 9212490 A JP9212490 A JP 9212490A JP 21249097 A JP21249097 A JP 21249097A JP H1067931 A JPH1067931 A JP H1067931A
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JP
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unsaturated carboxylic
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Application number
JP9212490A
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English (en)
Inventor
Patrice Perret
ペレ パトリス
Alain Bouilloux
ブイユ アラン
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Arkema France SA
Original Assignee
Elf Atochem SA
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも1種のポリアミド(A) と、エチレ
ンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸またはその無水
物との少なくとも1種の共重合体(B) とを含む耐衝撃性
ポリアミドをベースとする組成物。 【解決手段】 (A) と(B) を含む組成物の23℃でのノッ
チ付アイゾッド衝撃強度値とMFIとの積(i) の (B)を
含まない同じ組成物の衝撃強度値とMFIとの積(ii)に
対する比をIF値(耐衝撃強度/流動性値)と定義した
ときに、10重量部の(B) と90重量部の(A) とで構成さ
れ、基本的にガラス繊維を含まない組成物の場合のIF
値が 1.5以上で、10重量部の (B)と60重量部の (A)とで
構成され、ガラス繊維を含む組成物のIF値が0.9 以上
である組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性ポリアミド
をベースとした組成物に関するものであり、特に少なく
とも1種のポリアミド(A) と、エチレンと少なくとも1
種の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物と
の少なくとも1種の共重合体(B) とからなる組成物に関
するものである。
【0002】この組成物が10重量部の(B) に対して90重
量部の(A) を含み、基本的にガラス繊維を含まない場合
のIF値 (耐衝撃強度/流動性値) は1.5 以上で、組成
物が10重量部の(B) に対して60重量部の(A) とガラス繊
維を含む場合のIF値は0.9以上である。
【0003】IF値 (耐衝撃強度/流動性値) は(B) を
含まない同じ組成物の23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃
強度値とMFI(メルトフローインデックス)との積(i
i)に対する (A)と(B) を含む組成物の23℃でのノッチ付
アイゾッド衝撃強度値とMFIとの積(i) の比で定義さ
れる 以下で説明するように、所望のIF値は (A)と(B) の比
率、共重合体(B) 中での不飽和カルボン酸または不飽和
カルボン酸無水物の比率を選択することによっ得られ
る。
【0004】
【従来の技術】一般に、ポリアミドの衝撃強度を改良す
るにはポリアミドマトリクスにポリアミドマトリクスの
官能基と反応可能な反応性官能基(アクリル酸、無水マ
レイン酸等)を有するエラストマーの耐衝撃強度改良剤
を分散相としてに添加する。しかし、反応性官能基を用
いるとエラストマーが微細かつ均質に分散してノジュー
ル(節)/マトリクス境界面の優れた密着性が保証され
るが、流動性が著しく悪くなる。粘度が大きくなること
は使用時、特に精密な射出成形品や大型の射出成形品を
製造する際に問題になる。
【0005】ポリアミドベースの耐衝撃性組成物は種々
報告されている。欧州特許第96,264号には0.5 〜8 重量
%(実施例の含有率は4%)の酸または無水物を含むエ
チレン/C2 〜C8 アルキル(メタ)アクリレート/不
飽和酸または無水物の共重合体によって強化された粘度
が 2.5〜5 のポリアミドが記載されている。
【0006】米国特許第 5,070,145号には (i)ポリエチ
レンまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート共
重合体と(ii)エチレン/アルキル(メタ)アクリレート
/無水マレイン酸共重合体との混合物によって強化され
たポリアミドが記載されている。2.5 〜3 重量%の無水
マレイン酸を用いた共重合体が記載されている。
【0007】米国特許第 4,174,358号にはポリアミドマ
トリクス中に一定弾性率(この弾性率はポリアミドの弾
性率の一部となる)を有する1μm以下のノジュールが
分散された強化ポリアミドが記載されている。多数の強
化剤が記載されており、そのいくつかはエポキシド基を
含んでおり、多くは中和された酸基または無水物基を有
するポリマーか、EPDMベースの混合物である。
【0008】この特許には酸または酸無水物官能基か、
EPDMを含む強化剤しか記載がなく、強化ポリアミド
の粘度は記載がない。この特許の改質剤の挙動は本発明
の改質剤の挙動とは全く異なることは本発明の比較例か
ら理解できよう。この特許の実施例では寸法の小さな
(4×6×50mm)試験片を製造して衝撃強度を測定して
いるが、このような小さな寸法、実験室条件では粘度の
重要性はわからない。すなわち、薄い成形品や大型成形
品あるいは複雑な形を有する成形品を工業的規模の生産
速度で生産する場合には事情が全く異なることになる。
【0009】欧州特許第186,790 号には、流動性が大き
く低下するのを防ぐために、無水物の含有率を従来より
も少なくしたエチレン/n−ブチルアクリレート/無水
マレイン酸共重合体で改質したポリアミド6が記載され
ている。実施例では無水マレイン酸を0.22%または0.7
%にしたものが記載されている。共重合体の量は100部
のポリアミドに対して8.7 または25部である(すなわ
ち、8または20%の共重合体で改質されたポリアミ
ド)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、より有利
なIF値を示す共重合体(B) の量および共重合体(B) 中
の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の含
有率が存在するということを見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
種のポリアミド(A) と、エチレンと少なくとも1種の不
飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物との少な
くとも1種の共重合体(B) とを含み、 (A)と(B) を含む
組成物の23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度値とMF
I(メルトフローインデックス)との積(i) の (B)を含
まない同じ組成物の衝撃強度値とMFIとの積(ii)に対
する比をIF値 (耐衝撃強度/流動性値) と定義したと
きに、10重量部の(B) と90重量部の(A) とで構成され、
基本的にガラス繊維を含まない組成物の場合のIF値が
1.5以上で、10重量部の (B)と60重量部の (A)とで構成
され、ガラス繊維を含む組成物のIF値が0.9 以上であ
る組成物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】ポリアミドとは下記の縮合生成物
を意味する: (a) 少なくとも一種のアミノ酸、例えばアミノカプロン
酸、7-アミノヘプタノン酸、11- アミノウンデカノン酸
および 12-アミノドデカノン酸または少なくとも一種の
ラクタム、例えばカプロラクタム、エナンチオラクタム
およびラウリルラクタムの縮合生成物、(b) 少なくとも
一種のヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ン、メタキシレンジアミン、ビス-p- アミノシクロヘキ
シルメタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等のジ
アミンの塩または混合物と、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等のジアシドとの縮合生成
物、(c) コポリアミドを生成するこれらのモノマーの混
合物の縮合生成物。例えば、カプロラクタムとラウリル
ラクタムとの縮合でPA-6/12 が生成する。本発明では P
A-6(ポリカプロラクタム) 、PA-6,6(ポリヘキサメチレ
ンアジパミド)、PA-11(ポリアミノウンデカノン酸) 、
PA-12(ポリラウリルラクタム) およびPA-6/12 が好まし
く、特に PA-6 と PA-6,6 が好ましい。
【0013】エチレン/不飽和カルボン酸またはその無
水物の共重合体(B) はエチレンとの共重合か、ポリエチ
レンのグラフトで得られる。グラフト化は溶媒中で行う
か、過酸化物の存在下で溶融状態のポリエチレンに対し
て行うことができる。これらのグラフト化法自体は公知
である。エチレンと不飽和カルボン酸またはその無水物
との共重合は一般に 200〜2500 barの圧力下で行うラジ
カル重合法として公知の方法を採用することができる。
【0014】不飽和カルボン酸は炭素数2〜20のもの、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸およびこれらの無水物にすることがで
き、炭素数4〜10の不飽和カルボン酸およびこれらの無
水物が特に好ましい。例としてはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、4-シ
クロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、4-メチル-4- シクロ
ヘキセン-1,2- ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1] ヘプト
-5- エン-2,3- ジカルボン酸、x-メチルビシクロ [2.2.
1]ヘプト-5- エン-2,3- ジカルボン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコ
ハク酸、無水4-シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、無
水4-メチル-4- シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、無
水ビシクロ [2.2.1]ヘプト-5- エン-2,3- ジカルボン
酸、無水x-メチルビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-2,2
- ジカルボン酸を挙げることができる。
【0015】このモノマーは(メタ)アクリル酸または
無水マレイン酸が有利である。不飽和カルボン酸または
不飽和カルボン酸無水物が共重合した共重合体(B) はエ
チレン以外のモノマーを含むことができ、例えば下記
(a)〜(c) のモノマーから選択することができる: (a) α−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン-1、ヘ
キセン等(b) 飽和カルボン酸ビニルのエステル、例えば
酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル、(c) 不飽和カル
ボン酸のエステル、例えば炭素数24以下のアルキル(メ
タ)アクリレート。
【0016】不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸
無水物がグラフトした共重合体(B)はポリエチレンのホ
モ−またはコポリマーおよびエチレンを含むエラストマ
ーである。例としては下記 (a)〜(e) のポリマーにグラ
フトすることができる: (a) ポリエチレン、エチレン/αオレフィン共重合体、
VLDPE(超低密度PE)、ULDPE(超超低密度
PE)またはメタロセンPE等のポリエチレン、(b) エ
チレンと少なくとも一種の飽和カルボン酸ビニルエステ
ル、例えば酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル等との
共重合体、(c) エチレンと少なくとも一種の不飽和カル
ボン酸エステル、例えば炭素数24以下のアルキル(メ
タ)アクリレートとの共重合体、(d) EPR(エチレン
/プロピレンゴム)またはEPDM(エチレン/プロピ
レン/ジエン)エラストマー、(e) 上記各ポリマーの混
合物。
【0017】共重合体(B) の無水物または酸の量は所望
のIF値(耐衝撃強度/流動性値)となるように広範囲
で変えることができる。この量は0.5 重量%以下、好ま
しくは0.1 〜0.5 重量%にするのが有利である。これら
の値は本発明の説明でしか与えられない。 (B)の無水物
含有率および (A)中の(B) の比率を考慮したIF値を使
用するのが好ましい。
【0018】共重合体(B) はエチレン/アルキル(メ
タ)アクリレート/不飽和カルボン酸または不飽和カル
ボン酸無水物共重合体であるのが有利であり、40重量%
以下のアルキル(メタ)アクリレートと、0.5 重量%以
下、好ましくは0.2 〜0.4 重量%の不飽和カルボン酸ま
たは不飽和カルボン酸無水物を含むのが有利である。ア
ルキル(メタ)アクリレートはメチル(メタ)アクリレ
ート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレ
ートから選択するのが好ましい。アルキル(メタ)アク
リレートの量は20〜35%にするのが有利である。
【0019】上記共重合体は例えば 200〜3000バールの
高圧下で各モノマーをラジカル重合して製造することが
できる。MFIは0.5 〜50(190 ℃、2.16kgの荷重下)
である。IF値(耐衝撃強度/流動性値)は下記の比で
ある: (ここで、耐衝撃強度=23℃でのノッチ付アイゾッド耐
衝撃強度) 分母の組成物は耐衝撃性改良剤(B) を含まないが、強化
組成物と同じ添加剤を含んでいてもよい。例えば、ポリ
アミド(A) とガラス繊維とをベースとした強化組成物の
場合に、分子に示す組成物のIF値は (A)、(B) とガラ
ス繊維とを含む時の値であり、分母に示す組成物は(A)
とガラス繊維とを含む時の値である。
【0020】MFIは2.16kgの荷重下でISO 規格1133で
測定する。測定温度はポリアミドの型式によって変わ
り、例えばPA-6は235 ℃で、PA-6,6は275 ℃で測定す
る。本発明組成物は酸化防止剤、UV安定剤、充填剤、
難燃剤等をさらに含むことができ、特に、ガラス繊維を
含むことができる。60重量部の(A) に対してガラス繊維
の量は40重量部までにすることがで、70重量部の(A) に
対して30重量部にするのが有利である。
【0021】本出願人は本発明組成物のIF値とその変
化は従来のものと著しく異なっているということを見出
した。このIF値は(B) の不飽和カルボン酸または不飽
和カルボン酸無水物の含有率が高いと (A)と(B) とを有
する組成物の値より高くなる。(B) の含有率が低過ぎる
場合、例えば0.1 重量%以下の場合には十分な衝撃強度
を得ることができず、0.7 または0.9 %以上の場合に
は、MFIが大幅に低下し、衝撃強度も向上しない。
【0022】本出願人はさらに、(B) を大きな比率で使
用する必要がないことを見出した。所定量の(B) が必要
であるが、それ以上使用しても特性は向上しない。この
低い値とは90重量部の(A) と繊維の全量に対して(B) の
量は約10重量部程度ということである。しかしこの値に
厳密に限定されるものではなく、この値は9または11に
することができるということは理解できよう。 (B)の上
記最小量および(B) 中の不飽和カルボン酸または不飽和
カルボン酸無水物の含有率は当業者が本発明組成物を製
造する際の案内にすぎない。 (B)の効果は (B)の量と
(B)中での不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無
水物の含有率とで良く表わされるので、本出願はIF値
を使用する。
【0023】本発明はさらに、10および20重量部の(B)
に対して(A) が90〜80重量部で、基本的にガラス繊維を
含まない組成物の耐衝撃強度/流動性値が1.5 以上で、
10および20重量部の(B) に対して(A) が60〜50重量部
で、ガラス繊維を含む組成物の耐衝撃強度/流動性値が
0.9 以上である組成物に関するものである。例えば、基
本的にガラス繊維を含まないPA-6の場合および(B) 中の
無水物の含有率が例えば0.8 や1.5 %のように高い場合
は、90および80重量部の(A) に対して(B) の量が10〜20
のときにIF値は最低値になる。本発明では、85重量部
の(A) に対して(B) の量が15重量部のときにIF値は最
大値になる。
【0024】基本的にガラス繊維を含まないPA-6,6の場
合および(B) 中の無水物の含有率が例えば0.8 や1.5 %
のように高い場合は、90および80重量部の(A) に対して
(B)の量が10〜20のときにIF値は低下、減少または最
大値になる。他方で90および80重量部の(A) に対して
(B) の量が10〜20のときにIF値は高くなり、わずかに
増加する。従って、基本的にガラス繊維が充填されてな
いポリアミドの場合は多量に(B)を使用する必要がな
く、90および85重量部の(A) に対して約10〜15重量部の
(B)の量で十分である。この15という値は厳密な値では
なく、14または16または17にすることができる。
【0025】上記のことは欧州特許第186 790 号には記
載も示唆もない。この特許の実施例4および5では(B)
の無水物の含有率は0.22および0.7 重量%当量であると
しているので、本出願人は(本発明の実施例および比較
例で)0.35%(本発明)と、0.8 %(欧州特許第186 79
0 号の0.7 %に極めて近い値)は違うということを示し
た。さらに、欧州特許第186 790 号は、100 重量部のPA
-6に対して25重量部の(B)(無水物含有率は0.22および0.
7 重量%) を含むPA-6の混合物と、100 重量部のPA-6の
と8.7 重量部の(B)(無水物含有率は0.22重量%) との混
合物しか示していない。すなわち、(B) の量が少ないと
耐衝撃性の向上は実質的見られないためこの特許の実施
例では衝撃値を示していない。
【0026】この特許には耐衝撃強度/流動性値は全く
記載がなく、しかも、ガラス繊維で強化されたポリアミ
ドについては全く記載がない。本出願人はさらに、ガラ
ス繊維を充填したPA-6の場合および無水物の含有率が高
い場合、例えば(B) が1.5 %の場合は、(A) が60および
55重量部の場合または (A)と繊維の総量が90および85重
量部の場合に(B) の量が10から15へ増加した時にIF値
は低下することを見出した。また、本発明のこのIF値
は、(A) が60および55重量部のときまたは(A)と繊維の
総量が90および85重量部のときに(B) の量が10から15へ
変化した時にわずかに向上し、極めてわずかに増加する
ことを見出した。
【0027】ガラス繊維を充填したPA-6,6の場合、無水
マレイン酸の含有率が高く、例えば1.5 %である共重合
体(B) を本発明の共重合体に変えた時にIF値は2倍近
くになる。従って、ガラス繊維を充填したポリアミドの
場合は(B) を多量に使用する必要がなく、基本的にガラ
ス繊維で充填されていないポリアミドの場合すなわち
(A) が60から55重量部の場合または (A)と繊維の総量が
90および85重量部の場合対には、(B) が10から15重量部
で上記と同じ値を得ることができる。既に述べたよう
に、15という値は厳密な値として理解してはならない。
【0028】本発明組成物は熱可塑性樹脂の通常の製造
方法、例えば押出しまたは二軸スクリュー混合機を用い
て製造できる。ポリアミド(A) を供給ホッパに導入し、
必要に応じてガラス繊維を溶融帯域に導入し、ガラス繊
維を追加導入した後に共重合体(B) を溶融帯域に導入す
るのが有利である。本出願人は、ポリアミド(A) および
共重合体(B) をホッパに導入した後に溶融帯域にガラス
繊維を導入する場合よりも優れたIF値が得られることを
見出した。
【0029】本発明のさらに他の対象は上記の組成物を
用いて製造される射出成形品、特に薄い射出成形品およ
び大型の射出成形品にある。本発明のさらに他の対象
は、少なくとも1種のポリアミド(A) と、エチレンと少
なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン
酸無水物との少なくとも1種の共重合体(B) と、必要に
応じて添加されるガラス繊維とを含み、下記の条件 (a)
と(b) をさらに満た組成物にある: (a) (A) と繊維との総量が90〜85重量部で、(B) の量が
10〜15重量部であり、(b) (B) の不飽和カルボン酸また
は不飽和カルボン酸無水物の量が (B)の0.1 〜0.5 重量
%、好ましくは 0.2〜0.4 重量%である。
【0030】(A) および(B) は上記定義のものである。
(B) は上記定義のエチレン/アルキル(メタ)アクリレ
ート/無水マレイン酸共重合体であるのが好ましい。本
発明の各成分と、その好ましい種類と、好ましい量は上
記と同じである。
【0031】
【実施例】試験方法 配合 脱気装置とカッターとを備えた回転速度が 150rpm で、
吐出量が40kg/時であるウエルナー(Werner)のφ 40 の
二軸スクリュー押出機(L/D = 40 )を用いて組成物を
作った。押出機の温度プロフィールは下記の通り: 強化材を含まない配合物の場合は、ペレットの形の各成
分を乾燥混合した後に供給ホッパに導入した。ガラス繊
維を添加する場合には、PAを供給ホッパに導入した後
に、強化材および改良剤を溶融帯域に導入する。
【0032】サンプルの成形 ペレットを温度80℃、減圧乾燥し、クラウスマフェイ(K
rauss-Maffei) B1型射出成形機 (型締圧60t)を用いて下
記条件で射出成形した: 規格試験片(80×10×4mm3 )を温度23℃、相対湿度50
%で14日間コンディショニングした。
【0033】評価 (a) ISO規格178 に準じた曲げ弾性率 (b) ノッチ付き試験片を用いた衝撃強度試験(ISO規
格179-93に準じたシャルピー型衝撃試験と、ISO規格
180 に準じたアイゾッド衝撃試験とを各種の温度 (23
℃、−20℃、−40℃) で行う)。試験片のノッチ付き底
部で裂け目が厚さの90%に達しない場合、記号*“破断
なし”を付けた。 (c) ISO規格1133に準じたメルトインデックスMFI
(2.16kgの荷重下でPA-6ベースの組成物については235
℃、PA-6,6ベースの組成物については275 ℃でそれぞれ
測定した)
【0034】原料 試験したポリアミドはバスフ(BASF)社から商品名ウルト
ラミッド(Ultramid) B3 、A3として市販のポリアミド-6
とポリアミド-6,6である。試験した三元共重合体は下記
の通り: Terpo 1 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイ
ン酸三元共重合体 68.5/30/1.5 (重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)
=7 Terpo 2 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイ
ン酸三元共重合体 64.1/35/0.8 (重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)
=7 Terpo 3 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイ
ン酸三元共重合体 69.7/30/0.35(重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)
=7
【0035】強化していないPA-6配合物 比較例1〜6 (a) 改良剤含有率10〜20% (b) Terpo 1 および2 は改良剤含有率が10〜20%の時は
衝撃強度が向上するが、MFIが大幅に低下する。本発明の実施例1〜3 (a) Terpo 3 は優れた衝撃強度と流動性とを同時に得る
ことができる。結果は〔表1〕に示す。
【0036】強化していないPA-66 配合物 比較例7〜12 (a) 改良剤含有率10〜20% (b) Terpo 1 、2 は衝撃強度が大きくり向上するが、流
動性が犠牲になる。本発明の実施例4〜6 (a) Terpo 3 はTerpo 1 、2 より劣る中程度の衝撃強度
が得られるが、優れた流動性を有し、耐衝撃強度/流動
性が良くバランスする。結果は〔表2〕に示す。
【0037】強化したPA-6およびPA-66 配合物 配合法 : (a) PAをホッパに導入し、(b) ガラス繊維を溶融帯域に
導入し、(c) ガラス繊維の導入後、耐衝撃性改良剤を溶
融帯域に導入する。比較例13〜16 (a) 10〜15%の反応性の高いTerpo 1 をPA+30%GFに導
入することで耐衝撃強度はかなり向上するが、MFIは
低下する。実施例7〜10 (a) 反応性の弱いTerpo 3 の使用はTerpo 1 と同様な耐
衝撃レベルを保持しながら強化物の流動性を高めること
ができる。結果は〔表3〕および〔表4〕に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のポリアミド(A) と、エ
    チレンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽
    和カルボン酸無水物との少なくとも1種の共重合体(B)
    とを含み、 (A)と(B) を含む組成物の23℃でのノッチ付
    アイゾッド衝撃強度値とMFI(メルトフローインデッ
    クス)との積(i) の (B)を含まない同じ組成物の衝撃強
    度値とMFIとの積(ii)に対する比をIF値 (耐衝撃強
    度/流動性値) と定義したときに、10重量部の(B) と90
    重量部の(A) とで構成され、基本的にガラス繊維を含ま
    ない組成物の場合のIF値が 1.5以上で、10重量部の
    (B)と60重量部の (A)とで構成され、ガラス繊維を含む
    組成物のIF値が0.9 以上である組成物。
  2. 【請求項2】 60重量部の(A) に対して40重量部以下の
    ガラス繊維、好ましくは70重量部の(A) に対して30重量
    部以下のガラス繊維を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和カルボン酸またはその無水物がア
    クリル酸、メタクリル酸および無水マレイン酸からなる
    成る群の中から選択される請求項1または2に記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】 共重合体 (B)がエチレン/アルキル(メ
    タ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体である請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 共重合体(B) 中の不飽和カルボン酸また
    はその無水物の含有率が0.1 〜0.5 重量%である請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミド(A) と繊維の総量が90重量部
    および85重量部のときに共重合体(B) の量が10〜15重量
    部である請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 少なくとも1種のポリアミド(A) と、エ
    チレンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽
    和カルボン酸無水物との少なくとも1種の共重合体(B)
    とを含み、必要に応じて繊維を含み、下記の条件 (a)と
    (b) をさらに満たすことを特徴とする組成物: (a) (A) と繊維との総量が90〜85重量部で、(B) の量が
    10〜15重量部であり、(b) (B) の不飽和カルボン酸また
    は不飽和カルボン酸無水物の量が (B)の0.1 〜0.5 重量
    %、好ましくは 0.2〜0.4 重量%である。
  8. 【請求項8】 (B) がエチレン/アルキル(メタ)アク
    リレート/無水マレイン酸共重合体である請求項7に記
    載の組成物。
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