JP4051593B2 - ガラス繊維を含む耐衝撃性ポリアミドをベースとした組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス繊維を含む耐衝撃性ポリアミドをベースとした組成物に関するものであり、特に少なくとも1種のポリアミド(A) と、エチレンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物との少なくとも1種の共重合体(B) とガラス繊維を含む耐衝撃性ポリアミドをベースとした組成物とからなる組成物に関するものである。
【0002】
この組成物が10重量部の(B) に対して60重量部の(A) とガラス繊維を含む場合のIF値(耐衝撃強度/流動性値)は0.9以上である。
【0003】
IF値 (耐衝撃強度/流動性値) は(B) を含まない同じ組成物の23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度値とMFI(メルトフローインデックス)との積(ii)に対する (A)と(B) を含む組成物の23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度値とMFIとの積(i) の比で定義される。
以下で説明するように、所望のIF値は (A)と(B) の比率、共重合体(B) 中での不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の比率を選択することによっ得られる。
【0004】
【従来の技術】
一般に、ポリアミドの衝撃強度を改良するにはポリアミドマトリクスにポリアミドマトリクスの官能基と反応可能な反応性官能基(アクリル酸、無水マレイン酸等)を有するエラストマーの耐衝撃強度改良剤を分散相としてに添加する。しかし、反応性官能基を用いるとエラストマーが微細かつ均質に分散してノジュール(節)/マトリクス境界面の優れた密着性が保証されるが、流動性が著しく悪くなる。粘度が大きくなることは使用時、特に精密な射出成形品や大型の射出成形品を製造する際に問題になる。
【0005】
ポリアミドベースの耐衝撃性組成物は種々報告されている。
欧州特許第96,264号には0.5 〜8 重量%(実施例の含有率は4%)の酸または無水物を含むエチレン/C2 〜C8 アルキル(メタ)アクリレート/不飽和酸または無水物の共重合体によって強化された粘度が 2.5〜5 のポリアミドが記載されている。
【0006】
米国特許第 5,070,145号には (i)ポリエチレンまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体と(ii)エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体との混合物によって強化されたポリアミドが記載されている。2.5 〜3 重量%の無水マレイン酸を用いた共重合体が記載されている。
【0007】
米国特許第 4,174,358号にはポリアミドマトリクス中に一定弾性率(この弾性率はポリアミドの弾性率の一部となる)を有する1μm以下のノジュールが分散された強化ポリアミドが記載されている。多数の強化剤が記載されており、そのいくつかはエポキシド基を含んでおり、多くは中和された酸基または無水物基を有するポリマーか、EPDMベースの混合物である。
【0008】
この特許には酸または酸無水物官能基か、EPDMを含む強化剤しか記載がなく、強化ポリアミドの粘度は記載がない。この特許の改質剤の挙動は本発明の改質剤の挙動とは全く異なることは本発明の比較例から理解できよう。この特許の実施例では寸法の小さな(4×6×50mm)試験片を製造して衝撃強度を測定しているが、このような小さな寸法、実験室条件では粘度の重要性はわからない。すなわち、薄い成形品や大型成形品あるいは複雑な形を有する成形品を工業的規模の生産速度で生産する場合には事情が全く異なることになる。
【0009】
欧州特許第186,790 号には、流動性が大きく低下するのを防ぐために、無水物の含有率を従来よりも少なくしたエチレン/n−ブチルアクリレート/無水マレイン酸共重合体で改質したポリアミド6が記載されている。実施例では無水マレイン酸を0.22%または0.7 %にしたものが記載されている。共重合体の量は100部のポリアミドに対して8.7 または25部である(すなわち、8または20%の共重合体で改質されたポリアミド)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、より有利なIF値を示す共重合体(B) の量および共重合体(B) 中の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の含有率が存在するということを見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1種のポリアミド(A) と、エチレンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物との少なくとも1種の共重合体 (B) と、ガラス繊維とを含み、(A)と(B) からなる組成物のISO規格180に準じた23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度値とISO規格1133に準じた16kgの荷重下でのMFI(メルトフローインデックス)との積 (i)の共重合体 (B)を含まない同じ組成物の上記衝撃強度値と上記MFIとの積 (ii)に対する比として定義されるIF値が 0.9 以上であるガラス繊維を含む耐衝撃性ポリアミドをベースとした組成物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
ポリアミドとは下記の縮合生成物を意味する:
(a) 少なくとも一種のアミノ酸、例えばアミノカプロン酸、7-アミノヘプタノン酸、11- アミノウンデカノン酸および 12-アミノドデカノン酸または少なくとも一種のラクタム、例えばカプロラクタム、エナンチオラクタムおよびラウリルラクタムの縮合生成物、
(b) 少なくとも一種のヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、ビス-p- アミノシクロヘキシルメタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等のジアミンの塩または混合物と、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等のジアシドとの縮合生成物、
(c) コポリアミドを生成するこれらのモノマーの混合物の縮合生成物。
例えば、カプロラクタムとラウリルラクタムとの縮合でPA-6/12 が生成する。本発明では PA-6(ポリカプロラクタム) 、PA-6,6(ポリヘキサメチレンアジパミド)、PA-11(ポリアミノウンデカノン酸) 、PA-12(ポリラウリルラクタム) およびPA-6/12 が好ましく、特に PA-6 と PA-6,6 が好ましい。
【0013】
エチレン/不飽和カルボン酸またはその無水物の共重合体(B) はエチレンとの共重合か、ポリエチレンのグラフトで得られる。グラフト化は溶媒中で行うか、過酸化物の存在下で溶融状態のポリエチレンに対して行うことができる。これらのグラフト化法自体は公知である。エチレンと不飽和カルボン酸またはその無水物との共重合は一般に 200〜2500 barの圧力下で行うラジカル重合法として公知の方法を採用することができる。
【0014】
不飽和カルボン酸は炭素数2〜20のもの、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの無水物にすることができ、炭素数4〜10の不飽和カルボン酸およびこれらの無水物が特に好ましい。例としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、4-シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、4-メチル-4- シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-2,3- ジカルボン酸、x-メチルビシクロ [2.2.1]ヘプト-5- エン-2,3- ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水4-シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、無水4-メチル-4- シクロヘキセン-1,2- ジカルボン酸、無水ビシクロ [2.2.1]ヘプト-5- エン-2,3- ジカルボン酸、無水x-メチルビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-2,2- ジカルボン酸を挙げることができる。
【0015】
このモノマーは(メタ)アクリル酸または無水マレイン酸が有利である。
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物が共重合した共重合体(B) はエチレン以外のモノマーを含むことができ、例えば下記 (a)〜(c) のモノマーから選択することができる:
(a) α−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン-1、ヘキセン等
(b) 飽和カルボン酸ビニルのエステル、例えば酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル、
(c) 不飽和カルボン酸のエステル、例えば炭素数24以下のアルキル(メタ)アクリレート。
【0016】
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物がグラフトした共重合体(B)はポリエチレンのホモ−またはコポリマーおよびエチレンを含むエラストマーである。例としては下記 (a)〜(e) のポリマーにグラフトすることができる:
(a) ポリエチレン、エチレン/αオレフィン共重合体、VLDPE(超低密度PE)、ULDPE(超超低密度PE)またはメタロセンPE等のポリエチレン、
(b) エチレンと少なくとも一種の飽和カルボン酸ビニルエステル、例えば酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル等との共重合体、
(c) エチレンと少なくとも一種の不飽和カルボン酸エステル、例えば炭素数24以下のアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、
(d) EPR(エチレン/プロピレンゴム)またはEPDM(エチレン/プロピレン/ジエン)エラストマー、
(e) 上記各ポリマーの混合物。
【0017】
共重合体(B) の無水物または酸の量は所望のIF値(耐衝撃強度/流動性値)となるように広範囲で変えることができる。この量は0.5 重量%以下、好ましくは0.1 〜0.5 重量%にするのが有利である。これらの値は本発明の説明でしか与えられない。 (B)の無水物含有率および (A)中の(B) の比率を考慮したIF値を使用するのが好ましい。
【0018】
共重合体(B) はエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物共重合体であるのが有利であり、40重量%以下のアルキル(メタ)アクリレートと、0.5 重量%以下、好ましくは0.2 〜0.4 重量%の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物を含むのが有利である。
アルキル(メタ)アクリレートはメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレートから選択するのが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの量は20〜35%にするのが有利である。
【0019】
上記共重合体は例えば 200〜3000バールの高圧下で各モノマーをラジカル重合して製造することができる。
MFIは0.5 〜50(190 ℃、2.16kgの荷重下)である。
IF値(耐衝撃強度/流動性値)は下記の比である:
【0020】
【式1】
【0021】
(ここで、耐衝撃強度=23℃でのノッチ付アイゾッド耐衝撃強度)
分母の組成物は耐衝撃性改良剤(B) を含まないが、強化組成物と同じ添加剤を含んでいてもよい。例えば、ポリアミド(A) とガラス繊維とをベースとした強化組成物の場合に、分子に示す組成物のIF値は (A)、(B) とガラス繊維とを含む時の値であり、分母に示す組成物は(A) とガラス繊維とを含む時の値である。
【0022】
MFIは2.16kgの荷重下でISO 規格1133で測定する。測定温度はポリアミドの型式によって変わり、例えばPA-6は235 ℃で、PA-6,6は275 ℃で測定する。
本発明組成物は酸化防止剤、UV安定剤、充填剤、難燃剤等をさらに含むことができ、特に、ガラス繊維を含むことができる。60重量部の(A) に対してガラス繊維の量は40重量部までにすることがで、70重量部の(A) に対して30重量部にするのが有利である。
【0023】
本出願人は本発明組成物のIF値とその変化は従来のものと著しく異なっているということを見出した。
このIF値は(B) の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の含有率が高いと (A)と(B) とを有する組成物の値より高くなる。(B) の含有率が低過ぎる場合、例えば0.1 重量%以下の場合には十分な衝撃強度を得ることができず、0.7 または0.9 %以上の場合には、MFIが大幅に低下し、衝撃強度も向上しない。
【0024】
本出願人はさらに、(B) を大きな比率で使用する必要がないことを見出した。所定量の(B) が必要であるが、それ以上使用しても特性は向上しない。この低い値とは90重量部の(A) と繊維の全量に対して(B) の量は約10重量部程度ということである。しかしこの値に厳密に限定されるものではなく、この値は9〜11にすることができるということは理解できよう。 (B)の上記最小量および(B) 中の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の含有率は当業者が本発明組成物を製造する際の案内にすぎない。 (B)の効果は (B)の量と (B)中での不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の含有率とで良く表わされるので、本出願はIF値を使用する。
【0025】
本発明は10〜20重量部の(B) に対して(A) が60〜50重量部で、耐衝撃強度/流動性値が0.9 以上であるガラス繊維を含む組成物に関するものである。
例えば、基本的にガラス繊維を含まないPA-6の場合および(B) 中の無水物の含有率が例えば0.8 〜1.5 %のように高い場合は、90〜80重量部の(A) に対して(B) の量が10〜20のときにIF値は最低値になる。85重量部の(A) に対して(B) の量が15重量部のときにIF値は最大値になる。
【0026】
基本的にガラス繊維を含まないPA-6,6の場合および(B) 中の無水物の含有率が例えば0.8 〜1.5 %のように高い場合は、90〜80重量部の(A) に対して(B)の量が10〜20のときにIF値は低下、減少または最大値になる。他方で90〜80重量部の(A) に対して(B) の量が10〜20のときにIF値は高くなり、わずかに増加する。
従って、基本的にガラス繊維が充填されてないポリアミドの場合は多量に(B)を使用する必要がなく、90〜85重量部の(A) に対して約10〜15重量部の(B)の量で十分である。この15という値は厳密な値ではなく、14または16または17にすることができる。
【0027】
上記のことは欧州特許第186 790 号には記載も示唆もない。この特許の実施例4および5では(B) の無水物の含有率は0.22および0.7 重量%当量であるとしているので、本出願人は(本発明の実施例および比較例で)0.35%(本発明)と、0.8 %(欧州特許第186 790 号の0.7 %に極めて近い値)は違うということを示した。さらに、欧州特許第186 790 号は、100 重量部のPA-6に対して25重量部の(B)(無水物含有率は0.22および0.7 重量%) を含むPA-6の混合物と、100 重量部のPA-6のと8.7 重量部の(B)(無水物含有率は0.22重量%) との混合物しか示していない。すなわち、(B) の量が少ないと耐衝撃性の向上は実質的見られないためこの特許の実施例では衝撃値を示していない。
【0028】
この特許には耐衝撃強度/流動性値は全く記載がなく、しかも、ガラス繊維で強化されたポリアミドについては全く記載がない。本出願人はさらに、ガラス繊維を充填したPA-6の場合および無水物の含有率が高い場合、例えば(B) が1.5 %の場合は、(A) が60〜55重量部の場合または (A)と繊維の総量が90〜85重量部の場合に(B) の量が10〜15へ増加した時にIF値は低下することを見出した。また、本発明のこのIF値は、(A) が60〜55重量部のときまたは(A)と繊維の総量が90〜85重量部のときに(B) の量が10〜15へ変化した時にわずかに向上し、極めてわずかに増加することを見出した。
【0029】
ガラス繊維を充填したPA-6,6の場合、無水マレイン酸の含有率が高く、例えば1.5 %である共重合体(B) を本発明の共重合体に変えた時にIF値は2倍近くになる。従って、ガラス繊維を充填したポリアミドの場合は(B) を多量に使用する必要がなく、基本的にガラス繊維で充填されていないポリアミドの場合すなわち(A) が60〜55重量部の場合または (A)と繊維の総量が90〜85重量部の場合対には、(B) が10〜15重量部で上記と同じ値を得ることができる。
既に述べたように、15という値は厳密な値として理解してはならない。
【0030】
本発明組成物は熱可塑性樹脂の通常の製造方法、例えば押出しまたは二軸スクリュー混合機を用いて製造できる。
ポリアミド(A) を供給ホッパに導入し、必要に応じてガラス繊維を溶融帯域に導入し、ガラス繊維を追加導入した後に共重合体(B) を溶融帯域に導入するのが有利である。本出願人は、ポリアミド(A) および共重合体(B) をホッパに導入した後に溶融帯域にガラス繊維を導入する場合よりも優れたIF値が得られることを見出した。
【0031】
本発明のさらに他の対象は上記の組成物を用いて製造される射出成形品、特に薄い射出成形品および大型の射出成形品にある。
本発明のさらに他の対象は、少なくとも1種のポリアミド(A) と、エチレンと少なくとも1種の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物との少なくとも1種の共重合体(B) と、必要に応じて添加されるガラス繊維とを含み、下記の条件 (a)と(b) をさらに満た組成物にある:
(a) (A) と繊維との総量が90〜85重量部で、(B) の量が10〜15重量部であり、
(b) (B) の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物の量が (B)の0.1 〜0.5 重量%、好ましくは 0.2〜0.4 重量%である。
【0032】
(A) および(B) は上記定義のものである。(B) は上記定義のエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体であるのが好ましい。本発明の各成分と、その好ましい種類と、好ましい量は上記と同じである。
【0033】
【実施例】
試験方法
配合
脱気装置とカッターとを備えた回転速度が 150rpm で、吐出量が40kg/時であるウエルナー(Werner)のφ 40 の二軸スクリュー押出機(L/D = 40 )を用いて組成物を作った。押出機の温度プロフィールは下記の通り:
【0034】
【表1】
【0035】
強化材を含まない配合物の場合は、ペレットの形の各成分を乾燥混合した後に供給ホッパに導入した。ガラス繊維を添加する場合には、PAを供給ホッパに導入した後に、強化材および改良剤を溶融帯域に導入する。
サンプルの成形
ペレットを温度80℃、減圧乾燥し、クラウスマフェイ(Krauss-Maffei) B1型射出成形機 (型締圧60t)を用いて下記条件で射出成形した:
【0036】
【表2】
【0037】
規格試験片(80×10×4mm3)を温度23℃、相対湿度50%で14日間コンディショニングした。
評価
(a) ISO規格178 に準じた曲げ弾性率
(b) ノッチ付き試験片を用いた衝撃強度試験(ISO規格179-93に準じたシャルピー型衝撃試験と、ISO規格180 に準じたアイゾッド衝撃試験とを各種の温度 (23℃、−20℃、−40℃) で行う)。試験片のノッチ付き底部で裂け目が厚さの90%に達しない場合、記号*“破断なし”を付けた。
(c) ISO規格1133に準じたメルトインデックスMFI(2.16kgの荷重下でPA-6ベースの組成物については235 ℃、PA-6,6ベースの組成物については275 ℃でそれぞれ測定した)
【0038】
原料
試験したポリアミドはバスフ(BASF)社から商品名ウルトラミッド(Ultramid) B3 、A3として市販のポリアミド-6とポリアミド-6,6である。
試験した三元共重合体は下記の通り:
Terpo 1 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体68.5/30/1.5 (重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)=7
Terpo 2 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体64.1/35/0.8 (重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)=7
Terpo 3 :エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体69.7/30/0.35(重量%)、MFI(190 ℃、2.16kg)=7
【0039】
強化していない PA-6 配合物
比較例1〜6
(a) 改良剤含有率10〜20%
(b) Terpo 1 および2 は改良剤含有率が10〜20%の時は衝撃強度が向上するが、MFIが大幅に低下する。
本発明の実施例1〜3
(a) Terpo 3 は優れた衝撃強度と流動性とを同時に得ることができる。
結果は〔表3〕に示す。
【0040】
強化していない PA-66 配合物
比較例7〜 12
(a) 改良剤含有率10〜20%
(b) Terpo 1 、2 は衝撃強度が大きくり向上するが、流動性が犠牲になる。
本発明の実施例4〜6
(a) Terpo 3 はTerpo 1 、2 より劣る中程度の衝撃強度が得られるが、優れた流動性を有し、耐衝撃強度/流動性が良くバランスする。
結果は〔表4〕に示す。
【0041】
強化した PA-6 および PA-66 配合物
配合法:
(a) PAをホッパに導入し、
(b) ガラス繊維を溶融帯域に導入し、
(c) ガラス繊維の導入後、耐衝撃性改良剤を溶融帯域に導入する。
比較例 13 〜 16
(a) 10〜15%の反応性の高いTerpo 1 をPA+30%GFに導入することで耐衝撃強度はかなり向上するが、MFIは低下する。
実施例7〜 10
(a) 反応性の弱いTerpo 3 の使用はTerpo 1 と同様な耐衝撃レベルを保持しながら強化物の流動性を高めることができる。
結果は〔表5〕および〔表6〕に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
Claims (4)
- 少なくとも1種のポリアミド(A) と、少なくとも1一種のエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/不飽和カルボン酸またはその無水物の共重合体(B) と、ガラス繊維とを含み、共重合体 (B) 中の不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が 0.1 〜0.5 重量%であり、ポリアミド(A) とガラス繊維との総量が90〜85重量部で、共重合体(B)の量が10〜15重量部であり、 (A) と (B) からなる組成物のISO規格180に準じた 23 ℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度値とISO規格1133に準じた2.16kgの荷重下でのMFI(メルトフローインデックス)との積 (i) の共重合体 (B) を含まない同じ組成物の上記衝撃強度値と上記MFIとの積 (ii) に対する比として定義されるIF値が 0.9 以上であるガラス繊維を含む、耐衝撃性ポリアミドをベースとした組成物。
- 60重量部の(A) に対して40重量部以下のガラス繊維を含む請求項1に記載の組成物。
- 70重量部の(A) に対して30重量部以下のガラス繊維を含む請求項1に記載の組成物。
- 不飽和カルボン酸またはその無水物がアクリル酸、メタクリル酸および無水マレイン酸から成る群の中から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
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